JPH07185343A - 脱硝触媒 - Google Patents
脱硝触媒Info
- Publication number
- JPH07185343A JPH07185343A JP6027564A JP2756494A JPH07185343A JP H07185343 A JPH07185343 A JP H07185343A JP 6027564 A JP6027564 A JP 6027564A JP 2756494 A JP2756494 A JP 2756494A JP H07185343 A JPH07185343 A JP H07185343A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- denitration
- manganese ore
- oxygen
- gas
- exhaust gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Ceased
Links
Landscapes
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 窒素酸化物を含む排ガスから窒素酸化物を除
去ないし低減する方法において有効で安価な脱硝触媒を
提供する。 【構成】 400℃以上600℃以下で、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガス、または二酸化炭素、水蒸
気のような酸化力の弱い酸化剤ガス、または燃焼排ガス
雰囲気中で加熱処理したマンガン鉱石からなる脱硝触
媒。 【効果】 マンガン鉱石を利用するので安価な脱硝触媒
を提供することができる。また、燃焼排ガスを用いると
安価な加熱処理を実施できる。
去ないし低減する方法において有効で安価な脱硝触媒を
提供する。 【構成】 400℃以上600℃以下で、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガス、または二酸化炭素、水蒸
気のような酸化力の弱い酸化剤ガス、または燃焼排ガス
雰囲気中で加熱処理したマンガン鉱石からなる脱硝触
媒。 【効果】 マンガン鉱石を利用するので安価な脱硝触媒
を提供することができる。また、燃焼排ガスを用いると
安価な加熱処理を実施できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば製鉄所や発電所
等で発生する窒素酸化物を含む排ガス中から窒素酸化物
を除去ないし低減するための脱硝方法で使用される脱硝
触媒に関するものである。
等で発生する窒素酸化物を含む排ガス中から窒素酸化物
を除去ないし低減するための脱硝方法で使用される脱硝
触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、排ガス中の窒素酸化物除去には
「触媒講座」第7巻(触媒学会)253ページ5行目
に示されるようにアンモニア還元脱硝触媒としてV2 O
5 −TiO2 触媒が利用されており、製鉄原料を利用す
る方法として、特開昭57−15824号公報に示さ
れるような鉄鉱石を脱硝触媒として利用する方法もあ
る。また、特開昭51−62181号公報に示される
ように、二酸化マンガンは脱硝触媒として低温で高活性
であることが知られている。さらに、特願平5−25
7467号明細書には、特定の性質を有するマンガン鉱
石を用いることにより低温で脱硝を行うことが示されて
いる。
「触媒講座」第7巻(触媒学会)253ページ5行目
に示されるようにアンモニア還元脱硝触媒としてV2 O
5 −TiO2 触媒が利用されており、製鉄原料を利用す
る方法として、特開昭57−15824号公報に示さ
れるような鉄鉱石を脱硝触媒として利用する方法もあ
る。また、特開昭51−62181号公報に示される
ように、二酸化マンガンは脱硝触媒として低温で高活性
であることが知られている。さらに、特願平5−25
7467号明細書には、特定の性質を有するマンガン鉱
石を用いることにより低温で脱硝を行うことが示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、「触媒講
座」第7巻に示されている触媒は、バナジウムを使用す
るため非常に高価であるという問題点があった。さら
に、特開昭57−15824号公報に示されている方
法は反応温度が300〜370℃であり、製鉄所焼結排
ガスのような150℃以下の低温排ガスに適用するため
には加熱が必要であった。また、特開昭51−621
81号公報に示されるような二酸化マンガンを利用する
方法はと同様に触媒が高価であるという問題点があっ
た。そして、特願平5−257467号明細書記載の
方法では限定されたマンガン鉱石しか使用できない。
座」第7巻に示されている触媒は、バナジウムを使用す
るため非常に高価であるという問題点があった。さら
に、特開昭57−15824号公報に示されている方
法は反応温度が300〜370℃であり、製鉄所焼結排
ガスのような150℃以下の低温排ガスに適用するため
には加熱が必要であった。また、特開昭51−621
81号公報に示されるような二酸化マンガンを利用する
方法はと同様に触媒が高価であるという問題点があっ
た。そして、特願平5−257467号明細書記載の
方法では限定されたマンガン鉱石しか使用できない。
【0004】本発明は、窒素酸化物を含む排ガスから窒
素酸化物を除去ないし低減する方法において有効で安価
な脱硝触媒を提供することを目的とする。
素酸化物を除去ないし低減する方法において有効で安価
な脱硝触媒を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の〜の
通りである。
通りである。
【0006】 不活性ガス雰囲気において400℃以
上600℃以下の温度で加熱処理したマンガン鉱石から
なる脱硝触媒。
上600℃以下の温度で加熱処理したマンガン鉱石から
なる脱硝触媒。
【0007】 水蒸気または二酸化炭素雰囲気におい
て400℃以上600℃以下の温度で加熱処理したマン
ガン鉱石からなる脱硝触媒。
て400℃以上600℃以下の温度で加熱処理したマン
ガン鉱石からなる脱硝触媒。
【0008】 400℃以上600℃以下の燃焼排ガ
スで加熱処理したマンガン鉱石からなる脱硝触媒。
スで加熱処理したマンガン鉱石からなる脱硝触媒。
【0009】なお、ここで用いるマンガン鉱石には製鉄
工程において用いられるものを流用することもでき、整
粒、粉砕せずに使用することも可能であるが、通気性を
確保するため整粒、粉砕することが望ましい。
工程において用いられるものを流用することもでき、整
粒、粉砕せずに使用することも可能であるが、通気性を
確保するため整粒、粉砕することが望ましい。
【0010】
【作用】マンガン鉱石を脱硝触媒として用いるとき、種
類によって脱硝性能に大きな差が見られる。二酸化マン
ガンは低温脱硝触媒として知られていることから、この
原因は主として二酸化マンガン含有率に起因するもので
あると考えられる。さらにマンガン鉱石の場合、二酸化
マンガン含有率がほぼ同じでも種類により比表面積が大
きく異なり、この比表面積の大小がマンガン鉱石の脱硝
性能を左右する副因と考えられる。したがって、マンガ
ン鉱石の脱硝性能向上を図るためには、二酸化マンガ
ン含有率(重量分率)の増加と、比表面積の増大との
二つの方法が考えられる。しかし、二酸化マンガン含
有率の増加は、最初から二酸化マンガン含有率が決まっ
ているマンガン鉱石では不可能である。そこで比表面積
を増大させる手段を考えたのが特願平5−257467
号明細書記載の発明である。
類によって脱硝性能に大きな差が見られる。二酸化マン
ガンは低温脱硝触媒として知られていることから、この
原因は主として二酸化マンガン含有率に起因するもので
あると考えられる。さらにマンガン鉱石の場合、二酸化
マンガン含有率がほぼ同じでも種類により比表面積が大
きく異なり、この比表面積の大小がマンガン鉱石の脱硝
性能を左右する副因と考えられる。したがって、マンガ
ン鉱石の脱硝性能向上を図るためには、二酸化マンガ
ン含有率(重量分率)の増加と、比表面積の増大との
二つの方法が考えられる。しかし、二酸化マンガン含
有率の増加は、最初から二酸化マンガン含有率が決まっ
ているマンガン鉱石では不可能である。そこで比表面積
を増大させる手段を考えたのが特願平5−257467
号明細書記載の発明である。
【0011】本発明はさらなる脱硝触媒性能向上を目的
とし、マンガン鉱石触媒が低温脱硝触媒として作動する
メカニズムの検討を行った。その結果、マンガン鉱石が
低温脱硝触媒として特異的に作動する要因として、表面
活性酸素が関与していることがわかった。すなわち、図
1(a)に示すようにマンガン鉱石表面には活性な酸素
が存在している。この活性な表面酸素と一酸化窒素が結
合して一酸化窒素はマンガン鉱石表面に吸着し、活性な
状態(b)となり、アンモニアが表面の活性な酸素およ
び活性な一酸化窒素と結合して活性複合体を形成する
(c)。続いて複合体から窒素と水が脱離し、触媒表面
は(d)の状態となる。ここで生成した水酸基(−O
H)は酸素により酸化され、(a)の状態に戻る。
とし、マンガン鉱石触媒が低温脱硝触媒として作動する
メカニズムの検討を行った。その結果、マンガン鉱石が
低温脱硝触媒として特異的に作動する要因として、表面
活性酸素が関与していることがわかった。すなわち、図
1(a)に示すようにマンガン鉱石表面には活性な酸素
が存在している。この活性な表面酸素と一酸化窒素が結
合して一酸化窒素はマンガン鉱石表面に吸着し、活性な
状態(b)となり、アンモニアが表面の活性な酸素およ
び活性な一酸化窒素と結合して活性複合体を形成する
(c)。続いて複合体から窒素と水が脱離し、触媒表面
は(d)の状態となる。ここで生成した水酸基(−O
H)は酸素により酸化され、(a)の状態に戻る。
【0012】したがって、さらなる脱硝触媒性能向上の
ためには表面状態制御が重要であると考え、加熱処理雰
囲気の検討を行った。二酸化マンガン重量分率:67w
t%、比表面積:28m2 /gのマンガン鉱石を500
℃で酸素、空気、二酸化炭素、窒素、水素それぞれの雰
囲気で加熱処理した後、脱硝触媒性能を調べた結果、加
熱処理雰囲気が窒素、二酸化炭素、空気、酸素、水素の
順で脱硝性能が良かった。
ためには表面状態制御が重要であると考え、加熱処理雰
囲気の検討を行った。二酸化マンガン重量分率:67w
t%、比表面積:28m2 /gのマンガン鉱石を500
℃で酸素、空気、二酸化炭素、窒素、水素それぞれの雰
囲気で加熱処理した後、脱硝触媒性能を調べた結果、加
熱処理雰囲気が窒素、二酸化炭素、空気、酸素、水素の
順で脱硝性能が良かった。
【0013】それぞれの加熱処理鉱石について比表面積
および表面活性酸素量を測定したところ、比表面積は加
熱処理雰囲気の違いにより差が見られなかったのに対し
て、表面活性酸素量は脱硝性能に対応して窒素、二酸化
炭素、空気、酸素、水素の順で多かった。
および表面活性酸素量を測定したところ、比表面積は加
熱処理雰囲気の違いにより差が見られなかったのに対し
て、表面活性酸素量は脱硝性能に対応して窒素、二酸化
炭素、空気、酸素、水素の順で多かった。
【0014】触媒表面の酸素ポテンシャルがゼロの不活
性ガスである窒素雰囲気や、酸素ポテンシャルが低く酸
素にくらべて弱い酸化力を有する二酸化炭素雰囲気で
は、加熱によりマンガン鉱石内部の酸素(二酸化マンガ
ンの酸素)が表面に移動して活性酸素となる。これに対
して、空気や酸素雰囲気では触媒表面の酸素ポテンシャ
ルが高く、マンガン鉱石内部の酸素が表面に移動しにく
くなると考えられる。また、水素のような還元ガスでは
マンガン鉱石内部の酸素の表面への移動は容易に起こる
が、触媒表面の水素と反応して水として表面から脱離す
るため、表面活性酸素はほとんど生成しない。このこと
より、表面活性酸素の増加は気相からの酸素の供給では
なく、マンガン鉱石内部の酸素の表面への移動によるも
のだと考えられる。
性ガスである窒素雰囲気や、酸素ポテンシャルが低く酸
素にくらべて弱い酸化力を有する二酸化炭素雰囲気で
は、加熱によりマンガン鉱石内部の酸素(二酸化マンガ
ンの酸素)が表面に移動して活性酸素となる。これに対
して、空気や酸素雰囲気では触媒表面の酸素ポテンシャ
ルが高く、マンガン鉱石内部の酸素が表面に移動しにく
くなると考えられる。また、水素のような還元ガスでは
マンガン鉱石内部の酸素の表面への移動は容易に起こる
が、触媒表面の水素と反応して水として表面から脱離す
るため、表面活性酸素はほとんど生成しない。このこと
より、表面活性酸素の増加は気相からの酸素の供給では
なく、マンガン鉱石内部の酸素の表面への移動によるも
のだと考えられる。
【0015】したがって、加熱処理の雰囲気は上述の窒
素以外のヘリウムやアルゴン等の不活性ガスや、二酸化
炭素以外でも水蒸気のような酸素にくらべて酸化力の弱
い酸化剤ガスでも良く、さらにそれらの混合ガスおよび
燃焼排ガスでもかまわない。ここで燃焼排ガスとは、可
燃物(主に燃料)を燃焼したときに発生するガスで二酸
化炭素、水蒸気、窒素を主成分とするガスを指す。さら
に、鉱石中の酸素の移動速度が速いため処理時間は関係
なく、処理温度と雰囲気で脱硝触媒性能は決定される。
素以外のヘリウムやアルゴン等の不活性ガスや、二酸化
炭素以外でも水蒸気のような酸素にくらべて酸化力の弱
い酸化剤ガスでも良く、さらにそれらの混合ガスおよび
燃焼排ガスでもかまわない。ここで燃焼排ガスとは、可
燃物(主に燃料)を燃焼したときに発生するガスで二酸
化炭素、水蒸気、窒素を主成分とするガスを指す。さら
に、鉱石中の酸素の移動速度が速いため処理時間は関係
なく、処理温度と雰囲気で脱硝触媒性能は決定される。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。
する。
【0017】
【実施例1】表1に本実施例で用いたマンガン鉱石の組
成を示す。このマンガン鉱石を用いて100〜700℃
の範囲で空気中で加熱処理を行い、比表面積と脱硝性能
の測定を行った。比表面積は、吸着ガスに窒素を用いB
ET法(「触媒講座」第3巻(触媒学会)204ペー
ジ)により測定を行った。また、脱硝性能は、固定層ガ
ス流通式反応器を用いてガス組成がNOx(NO+NO
2 );200ppm(NO2 :数ppm)、NH3 ;2
00ppm、O2 ;15%、H2 O;7%、残りHeお
よびガス流量が1000cm3 /min(at25
℃)、マンガン鉱石の粒度が1〜4mm、充填量が10
g、温度100℃の条件で測定を行った。
成を示す。このマンガン鉱石を用いて100〜700℃
の範囲で空気中で加熱処理を行い、比表面積と脱硝性能
の測定を行った。比表面積は、吸着ガスに窒素を用いB
ET法(「触媒講座」第3巻(触媒学会)204ペー
ジ)により測定を行った。また、脱硝性能は、固定層ガ
ス流通式反応器を用いてガス組成がNOx(NO+NO
2 );200ppm(NO2 :数ppm)、NH3 ;2
00ppm、O2 ;15%、H2 O;7%、残りHeお
よびガス流量が1000cm3 /min(at25
℃)、マンガン鉱石の粒度が1〜4mm、充填量が10
g、温度100℃の条件で測定を行った。
【0018】
【表1】
【0019】加熱処理温度と比表面積、脱硝性能の関係
を図2に示す。400℃以上600℃以下の加熱処理で
比表面積が約1.8倍に増大し、それに伴って脱硝性能
も1.5倍以上向上することがわかった。しかし、60
0℃超の加熱処理、例えば700℃の加熱処理では比表
面積は無処理品とほぼ同じに低下し、脱硝性能は無処理
品よりも悪くなった。400℃未満では比表面積が小さ
くなり、脱硝率が75%未満になるため好ましくない。
を図2に示す。400℃以上600℃以下の加熱処理で
比表面積が約1.8倍に増大し、それに伴って脱硝性能
も1.5倍以上向上することがわかった。しかし、60
0℃超の加熱処理、例えば700℃の加熱処理では比表
面積は無処理品とほぼ同じに低下し、脱硝性能は無処理
品よりも悪くなった。400℃未満では比表面積が小さ
くなり、脱硝率が75%未満になるため好ましくない。
【0020】以上より、400℃以上600℃以下の加
熱処理が脱硝性能向上には最も効果的であることがわか
る。
熱処理が脱硝性能向上には最も効果的であることがわか
る。
【0021】比較例として、表2に示した組成を有する
市販の二酸化マンガン触媒を用いてマンガン鉱石の加熱
処理と同一条件で加熱処理を行い、比表面積と脱硝性能
を測定した。
市販の二酸化マンガン触媒を用いてマンガン鉱石の加熱
処理と同一条件で加熱処理を行い、比表面積と脱硝性能
を測定した。
【0022】
【表2】
【0023】400℃以上の処理で比表面積の低下が起
こり、脱硝性能も400℃以上の処理では逆に無処理品
よりも低下した。
こり、脱硝性能も400℃以上の処理では逆に無処理品
よりも低下した。
【0024】以上より、加熱処理の手法は一般的に適用
されるものではなく、特にマンガン鉱石に対して有効な
手法であることがわかった。
されるものではなく、特にマンガン鉱石に対して有効な
手法であることがわかった。
【0025】
【実施例2】実施例1で使用したマンガン鉱石を用いて
500℃で酸素、空気、二酸化炭素(CO2 )、水蒸気
(H2 O)、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素それぞれ
の雰囲気で加熱処理を行い、比表面積、表面酸素および
脱硝性能の測定を行った。表面酸素はKI法(J.Ca
tal.VOL9 P.402(1967))により測
定を行った。比表面積と脱硝性能に関しては実施例1と
同じ方法で行った。表3に処理ガス雰囲気と比表面積、
表面酸素および脱硝性能の関係を示す。
500℃で酸素、空気、二酸化炭素(CO2 )、水蒸気
(H2 O)、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素それぞれ
の雰囲気で加熱処理を行い、比表面積、表面酸素および
脱硝性能の測定を行った。表面酸素はKI法(J.Ca
tal.VOL9 P.402(1967))により測
定を行った。比表面積と脱硝性能に関しては実施例1と
同じ方法で行った。表3に処理ガス雰囲気と比表面積、
表面酸素および脱硝性能の関係を示す。
【0026】
【表3】
【0027】処理雰囲気によらず比表面積はほぼ同じで
あるが、酸素や空気等の酸素ポテンシャルの高いガスよ
りもCO2 やH2 O等の酸素ポテンシャルの低い酸化剤
ガスおよび窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで
の処理で表面酸素量および脱硝性能が向上していること
がわかる。逆に還元ガスの水素では表面酸素および脱硝
性能は低下する。これより、CO2 やH2 O等の酸素ポ
テンシャルの低い酸化剤ガスおよび窒素、ヘリウム、ア
ルゴン等の不活性ガスでの加熱処理が有効であることが
わかる。
あるが、酸素や空気等の酸素ポテンシャルの高いガスよ
りもCO2 やH2 O等の酸素ポテンシャルの低い酸化剤
ガスおよび窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで
の処理で表面酸素量および脱硝性能が向上していること
がわかる。逆に還元ガスの水素では表面酸素および脱硝
性能は低下する。これより、CO2 やH2 O等の酸素ポ
テンシャルの低い酸化剤ガスおよび窒素、ヘリウム、ア
ルゴン等の不活性ガスでの加熱処理が有効であることが
わかる。
【0028】さらに、CO2 、H2 Oと不活性ガスの2
種類以上の混合ガスで加熱処理を行ったマンガン鉱石に
ついても脱硝性能の測定を行ったが、上述のCO2 、H
2 Oと不活性ガスの組み合わせであれば種類、組成に関
わらず脱硝率は単独ガスでの処理とほぼ同じ程度の85
〜90%を示した。
種類以上の混合ガスで加熱処理を行ったマンガン鉱石に
ついても脱硝性能の測定を行ったが、上述のCO2 、H
2 Oと不活性ガスの組み合わせであれば種類、組成に関
わらず脱硝率は単独ガスでの処理とほぼ同じ程度の85
〜90%を示した。
【0029】
【実施例3】実施例1で使用したマンガン鉱石および燃
焼排ガスを用いて500℃で加熱処理を行い、脱硝性能
の測定を行った。燃焼排ガスとして天然ガス(LNG)
および製鉄副生ガスである高炉ガス(BFG)、コーク
ス炉ガス(COG)の燃焼排ガスを使用した。使用した
燃料ガスの組成および燃焼排ガス組成を表4に示す。
焼排ガスを用いて500℃で加熱処理を行い、脱硝性能
の測定を行った。燃焼排ガスとして天然ガス(LNG)
および製鉄副生ガスである高炉ガス(BFG)、コーク
ス炉ガス(COG)の燃焼排ガスを使用した。使用した
燃料ガスの組成および燃焼排ガス組成を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】脱硝性能の測定は実施例1と同じ方法で行
った。表5にそれぞれの燃焼排ガスで加熱処理をしたマ
ンガン鉱石の脱硝性能を示す。
った。表5にそれぞれの燃焼排ガスで加熱処理をしたマ
ンガン鉱石の脱硝性能を示す。
【0032】
【表5】
【0033】燃焼排ガスでもCO2 、H2 Oおよび不活
性ガスの単独ガスおよび混合ガスでの処理とほぼ同等の
性能が得られた。
性ガスの単独ガスおよび混合ガスでの処理とほぼ同等の
性能が得られた。
【0034】なお、ここではLNG、COG、BFGの
燃焼排ガスを用いたが、二酸化炭素、水蒸気、窒素のい
ずれか1種類以上のガスが主成分である燃焼排ガスであ
れば種類は問わない。
燃焼排ガスを用いたが、二酸化炭素、水蒸気、窒素のい
ずれか1種類以上のガスが主成分である燃焼排ガスであ
れば種類は問わない。
【0035】また、燃焼排ガスでの処理は単独ガスを用
いるより安価で、さらに燃焼排ガス自体が熱源となるの
で外部からの加熱が不要となりエネルギーコストも削減
できるメリットを有する。
いるより安価で、さらに燃焼排ガス自体が熱源となるの
で外部からの加熱が不要となりエネルギーコストも削減
できるメリットを有する。
【0036】
【発明の効果】本発明はマンガン鉱石を利用することに
より安価な脱硝触媒を提供することができる。また、製
鉄所の排煙脱硝に使用する場合、劣化したマンガン鉱石
を製鉄のマンガン源として再利用できる。そして、燃焼
排ガスを用いれば安価な加熱処理を実施できる。
より安価な脱硝触媒を提供することができる。また、製
鉄所の排煙脱硝に使用する場合、劣化したマンガン鉱石
を製鉄のマンガン源として再利用できる。そして、燃焼
排ガスを用いれば安価な加熱処理を実施できる。
【図1】低温脱硝メカニズムの概要を示す図である。
【図2】マンガン鉱石の加熱処理温度と脱硝率、比表面
積の関係を示す図である。
積の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/84 ZAB 23/889 37/08 B01J 23/84 311 A (72)発明者 泉水 康幸 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (3)
- 【請求項1】 不活性ガス雰囲気において400℃以上
600℃以下の温度で加熱処理したマンガン鉱石からな
る脱硝触媒。 - 【請求項2】 水蒸気または二酸化炭素雰囲気において
400℃以上600℃以下の温度で加熱処理したマンガ
ン鉱石からなる脱硝触媒。 - 【請求項3】 400℃以上600℃以下の燃焼排ガス
で加熱処理したマンガン鉱石からなる脱硝触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6027564A JPH07185343A (ja) | 1993-11-18 | 1994-02-01 | 脱硝触媒 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31103393 | 1993-11-18 | ||
JP5-311033 | 1993-11-18 | ||
JP6027564A JPH07185343A (ja) | 1993-11-18 | 1994-02-01 | 脱硝触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185343A true JPH07185343A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=26365500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6027564A Ceased JPH07185343A (ja) | 1993-11-18 | 1994-02-01 | 脱硝触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07185343A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107469872A (zh) * | 2017-09-29 | 2017-12-15 | 武汉瑞科兴业科技有限公司 | 一种用于制备铁基脱硝催化剂的烟气压力调节开闭器 |
CN112495406A (zh) * | 2020-12-10 | 2021-03-16 | 重庆大学 | 一种锰矿渣低温脱硝催化剂及其制备方法 |
CN118045604A (zh) * | 2024-01-05 | 2024-05-17 | 北京予知环保科技有限公司 | 脱硝催化剂制备方法、脱硝催化剂及其应用 |
-
1994
- 1994-02-01 JP JP6027564A patent/JPH07185343A/ja not_active Ceased
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107469872A (zh) * | 2017-09-29 | 2017-12-15 | 武汉瑞科兴业科技有限公司 | 一种用于制备铁基脱硝催化剂的烟气压力调节开闭器 |
CN112495406A (zh) * | 2020-12-10 | 2021-03-16 | 重庆大学 | 一种锰矿渣低温脱硝催化剂及其制备方法 |
CN118045604A (zh) * | 2024-01-05 | 2024-05-17 | 北京予知环保科技有限公司 | 脱硝催化剂制备方法、脱硝催化剂及其应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5869018A (en) | Two step process for the production of iron carbide from iron oxide | |
JP3272367B2 (ja) | 脱硝用熱処理活性炭素繊維、その製造方法、それを用いた脱硝方法、及びそれを用いた脱硝システム | |
US4676741A (en) | Radiantly heated furnace | |
JPS60500999A (ja) | 燃焼装置から排出される燃焼ガスを浄化するための方法及び装置 | |
Suzuki et al. | Temperature-programmed desorption and carbon dioxide-pulsed gasification of sodium-or iron-loaded Yallourn coal char | |
JPH07185343A (ja) | 脱硝触媒 | |
CN106984319B (zh) | 一种用于同时脱除烟气中氮氧化物和有机污染物的铁基复合催化剂及其制备方法 | |
CN107866150A (zh) | 钒钛磁铁矿烧结烟气催化氧化脱硝的方法 | |
KR20040026653A (ko) | 암모니아 함유 배출 가스의 처리 방법 | |
JPH0788334A (ja) | 低温脱硝方法 | |
Dai et al. | Examining low nitrogen oxides combustion in iron ore sintering: Utilization of reductants | |
JPH0615174A (ja) | 窒素酸化物除去触媒及び窒素酸化物の除去方法 | |
KR20140031535A (ko) | 코크 오븐 가스에 함유된 산성가스 제거용 촉매 및 이의 제조방법 | |
JP3294763B2 (ja) | 炭化鉄の製法 | |
US4543121A (en) | Method of reducing hydrocarbon emissions occurring during iron ore sintering operations | |
JPH03181317A (ja) | 排煙からの二酸化硫黄除去方法 | |
Sarkar et al. | Kinetics of reduction of iron ore—coal pellets | |
KR102180703B1 (ko) | 저질소 코크스의 제조방법 | |
KR102474635B1 (ko) | 배가스 중 황산화물 및 질소산화물 동시 저감을 위한 배가스 처리액 및 이를 이용한 배가스 처리방법 | |
CN1146670C (zh) | 用于烧结过程中的在线脱硝方法 | |
CN109631608A (zh) | 一种控制烧结过程氮氧化物排放浓度的烧结方法 | |
CN114485196B (zh) | 一种利用多种烟气进行烧结过程脱硝的方法 | |
JPS62283847A (ja) | 反応性に優れた精錬剤用の生石灰の製造方法 | |
JP2916885B2 (ja) | ガス精製用触媒の再生時の水素回収方法 | |
JPS595639B2 (ja) | 高温ガスの脱硫方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20031125 |
|
A045 | Written measure of dismissal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045 Effective date: 20040330 |