[go: up one dir, main page]

JPH0718219A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

Info

Publication number
JPH0718219A
JPH0718219A JP5160933A JP16093393A JPH0718219A JP H0718219 A JPH0718219 A JP H0718219A JP 5160933 A JP5160933 A JP 5160933A JP 16093393 A JP16093393 A JP 16093393A JP H0718219 A JPH0718219 A JP H0718219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin
coating composition
weight
acrylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5160933A
Other languages
English (en)
Inventor
Taketoshi Kowada
武利 小和田
Minoo Izumi
美納男 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP5160933A priority Critical patent/JPH0718219A/ja
Publication of JPH0718219A publication Critical patent/JPH0718219A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性、耐スクラッチ性及び耐食性に優れ、
フッ素樹脂塗料用の下塗り塗料として適した塗料組成物
を得る。 【構成】 エポキシ樹脂40〜85重量%、アクリル樹
脂5〜50重量%、フルオロカーボン樹脂5〜30重量
%、及びブロックイソシアネート2〜30重量%を含有
し、エポキシ樹脂がエポキシ当量450〜5000のエ
ポキシ樹脂(A1)と、変性エポキシ樹脂(A2)とか
らなり、それらの重量比A1/A2が99/1〜40/
60であり、アクリル樹脂が、数平均分子量50000
〜150000であることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオロカーボン樹脂
を含有した塗料組成物に関するものであり、特にフッ素
樹脂塗装の下塗り塗料として適した塗料組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛メッキ鋼板や冷延鋼板等の金属板に
予め塗装した後に加工するプレコート加工が最近注目さ
れており、このようなプレコート加工に用いる塗料にお
いては、塗装後に加工がなされるため加工性が要求され
ると共に、加工時における傷つきを防止するため耐スク
ラッチ性が要求される。プレコート用塗料としてフッ素
樹脂塗料が知られており、このようなフッ素樹脂塗料の
塗装では下地金属板に対する密着性や耐食性を改良する
目的で、下地層として下塗り塗料が塗布されている。こ
のような下塗り塗料においては、金属板及び上塗り層で
あるフッ素樹脂塗料に対する密着性が要求されると共
に、プレコート塗料であるので、加工性及び耐スクラッ
チ性等が要求される。
【0003】特開昭62−146965号公報では、こ
のようなフッ素樹脂塗装用の下塗り塗料として、有機ポ
リオール、ポリエポキシド、ポリイソシアネート、及び
フェノール樹脂を含有した塗料組成物が開示されてい
る。
【0004】また特公昭59−43226号公報では、
ポリエポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びフルオロカーボ
ン樹脂からなる塗料組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62−146965号公報に開示された塗料組成物は、
有機ポリオール及びポリイソシアネートを含有させるこ
とにより可撓性を付与しており、塗膜内部における凝集
力は低下している。このように加工性を重視した配合で
あるため、耐スクラッチ性及び耐食性に劣るという問題
があった。
【0006】また特開昭59−43226号公報に開示
された塗料組成物では、エポキシ樹脂との相溶性が悪い
フルオロカーボン樹脂が含有されており、塗膜内部の凝
集力が低く、耐スクラッチ性に劣るという問題があっ
た。
【0007】また上記公報に開示された塗料組成物にお
いては、いずれもエポキシ樹脂の含有量が少なく、従っ
て耐食性に劣るという問題があった。さらに、造膜の際
の粘度が高いため、泡が消えにくく、また、起泡性が高
く泡を巻き込み易いという欠点があった。このため厚膜
塗装が困難であるという問題もあった。
【0008】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、エポキシ樹脂をより多く含有させることによ
って耐食性が改善され、かつ加工性と耐スクラッチ性と
いう相反する性質を両立させることのできる塗料組成物
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の塗料組成物は、
エポキシ樹脂40〜85重量%、アクリル樹脂5〜50
重量%、フルオロカーボン樹脂5〜30重量%、及びブ
ロックイソシアネート2〜30重量%を含有し、エポキ
シ樹脂が、エポキシ当量450〜5000のエポキシ樹
脂(A1)と、変性エポキシ樹脂(A2)とからなり、
それらの重量比A1/A2が99/1〜40/60であ
り、アクリル樹脂が、数平均分子量50000〜150
000であることを特徴としている。
【0010】本発明において、エポキシ樹脂は40〜8
5重量%含有される。エポキシ樹脂の配合量が40重量
%未満であると、本発明の効果である耐食性あるいは耐
スクラッチ性の向上が認められない。また85重量%を
超えると、可撓性を付与することができない。
【0011】本発明において用いるエポキシ樹脂は、1
分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂(A
1)と、変性エポキシ樹脂(A2)からなる。エポキシ
樹脂(A1)と変性エポキシ樹脂(A2)の重量比A1
/A2は、99/1〜40/60である。99/1を超
えると、消泡性付与の効果及び分散安定性付与の効果が
認められなくなる。また60/40未満であると、増粘
現象が起こり塗装作業性が低下する。
【0012】エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は4
50〜5000であり、好ましくは700〜3000で
ある。エポキシ当量が450未満であると、反応性が低
下し、加工性、密着性、耐食性が不良になる。また50
00を超えると、溶融時の粘度が上昇し、ピン限界が低
下する。
【0013】エポキシ樹脂(A1)としては飽和または
不飽和、環状または非環状、脂肪族、環状脂肪族、芳香
族または複素環族のものを用いることができ、適当な置
換基、例えばハロゲン、ヒドロキシル基及びエーテル基
を有してもよい。
【0014】エポキシ樹脂(A1)の具体例としては、
エピハロヒドリン(例えばエピクロロヒドリンまたはエ
ピブロモヒドリン)とポリフェノールとをアルカリの存
在下に反応させて得られるエポキシポリエーテルが挙げ
られる。ポリフェノールの例としてはレゾルシノール、
カテコール、ヒドロキノン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−2,2−プロパン(すなわち、ビスフェノール
A);ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソ
ブタン;4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン;ビス
(2−ヒドロキシナフェニル)−メタン;及び1,5−
ヒドロキシナフタレンが挙げられる。最も通常に用いら
れるエポキシ樹脂(A1)はポリフェノール、例えばビ
スフェノールAのポリグリシジルエーテルである。
【0015】エポキシ樹脂(A1)の他の具体例として
は、多価アルコールのポリグリシジルエーテルが挙げら
れる。このような化合物は多価アルコール、例えばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−
ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、トリメチ
ロールプロパン及びビス(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)−2,2−プロパンから誘導される。
【0016】エポキシ樹脂(A1)のさらに他の具体例
としては、ポリカルボン酸のポリグリシジルエーテルが
挙げられる。このような化合物はエピクロロヒドリンま
たは同様のエポキシ化合物と脂肪族または芳香族ポリカ
ルボン酸、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、テ
トラフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び二
量化リノール酸との反応により得られる。
【0017】エポキシ樹脂(A1)のさらに別の具体例
としては、オレフィン系不飽和脂環族化合物のエポキシ
化により調製されるものが挙げられる。このようなポリ
エポキシドはフェノール性でなく、脂環族オレフィンの
エポキシ化、例えば酸素及びある種の金属触媒の作用に
より、あるいは過安息香酸の作用により、酸−アルデヒ
ドモノ過酢酸により、または過酢酸によって得られる。
そのようなポリエポキシドの例としては、公知のエポキ
シ脂環族エーテルまたはエステルが挙げられる。
【0018】エポキシ樹脂(A1)のさらに他の具体例
としては、エポキシ分子中にオキシアルキレン基を有す
るものが挙げられる。さらに他の例としては、エポキシ
ノボラック樹脂が挙げられる。このような樹脂はエピハ
ロヒドリンとアルデヒド及び単官能もしくは多官能フェ
ノール類の縮合物との反応により得られる。典型的な例
としては、エピクロロヒドリンとフェノールホルムアル
デヒド縮合物との反応である。
【0019】エポキシ樹脂(A1)の他の例としては、
共重合性グリシジルアクリレートまたはメタクリレート
ユニットを有するアクリル共重合体が挙げられる。これ
らのアクリル共重合体はα,β−不飽和モノ−またはジ
−カルボン酸のアルキルエステルとグリシジルアクリレ
ートまたはメタクリレートのいずれかとの反応により調
製される。他のグリシジル含有共重合性モノマー、例え
ばジグリシジルイタコン酸及びジグリシジルマレエート
を用いてもよい。このようなモノマーは必要により他の
共重合性モノマー、例えばビニル芳香族化合物(例え
ば、スチレンまたはビニルトルエン)もしくはアクリロ
ニトリルまたはメタクリロニトリルの存在下に共重合し
てもよい。
【0020】変性エポキシ樹脂(A2)としては、エポ
キシ樹脂にリン酸もしくは低分子アルコールまたはそれ
らの誘導体を反応させて得られる変性エポキシ樹脂や、
ウレタン変性エポキシ樹脂を用いることができる。
【0021】このようなエポキシ樹脂(A2)を用いる
ことにより、消泡性の付与及び分散安定性の向上を図る
ことができる。エポキシ樹脂(A2)の数平均分子量と
しては900〜9000が好ましく、さらに好ましくは
1600〜6000である。数平均分子量が900未満
であると、反応性が低下し、耐食性、加工性及び耐スク
ラッチ性不良となる場合がある。また9000を超える
と、溶融時の粘度が上昇し、ピン限界が低下する場合が
ある。
【0022】エポキシ樹脂(A2)としては、例えば、
エポキシ樹脂(A1)の一部または全てをホスフェート
化したエポキシ樹脂または低分子アルコールでエーテル
化・エステル化したエポキシ樹脂や、特開昭53−10
4699号公報に開示された樹脂、及び特開昭57−3
0717号公報に開示されたようなウレタン変性エポキ
シ樹脂等を用いることができる。
【0023】本発明において、アクリル樹脂は5〜50
重量%含有され、好ましくは10〜30重量%含有され
る。含有量が5重量%未満であると、塗料の消泡性機能
が低下し、また50重量%を超えると、耐スクラッチ性
及び耐食性が不良となる。
【0024】本発明においてアクリル樹脂の数平均分子
量は、50000〜150000である。数平均分子量
が50000未満であると、加工性の低下傾向が認めら
れ、150000を超えると、溶融時の粘度が上昇し、
ピン限界が低下する傾向にある。
【0025】本発明で用いるアクリル樹脂は、このよう
な数平均分子量を有するメタクリル酸メチル−アクリル
酸エチル共重合体であることが特に好ましい。本発明で
用いるアクリル樹脂は、熱可塑性または熱硬化性アクリ
ル樹脂のいずれでもよい。しかしながら、熱可塑性樹脂
が本発明においては特に有用である。熱可塑性アクリル
樹脂はアクリル酸及びメタクリル酸の重合したエステル
誘導体である。このエステルは、アクリル酸またはメタ
クリル酸と適当なアルコール、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、2−エチルヘキシルアルコールとの反応によ
り形成される。一般的に、エステルのアルコール部分が
大きい程生成樹脂は軟らかく、可撓性が付与される。ま
た一般に、メタクリルエステルは相当するアクリルエス
テルよりも硬い塗膜を形成する。また、スチレン、ビニ
ルトルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデンのような単量
体をアクリル及びメタクリルエステルと反応させること
ができる。
【0026】熱硬化性アクリル樹脂は、2種または3種
の単量体からつくられる、一般に低分子量の共重合体で
ある。単量体の一つは、ヒドロキシルまたはアミドのよ
うな側鎖の反応性基を含むアクリル化合物である。第2
の単量体としてはアクリル酸を用いることができる。ま
た第3の単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、
メチルスチレン、またはエチルスチレンのようなスチレ
ン型単量体を用いることができる。
【0027】本発明において、フルオロカーボン樹脂は
5〜30重量%含有され、好ましくは、10〜25重量
%含有される。5重量%未満であると、加工性改善の効
果が少なく、30重量%を超えると、配合量の増加に比
して加工性改善の効果がそれ以上に認められなくなり、
素材との密着性も低下する。
【0028】本発明において用いるフルオロカーボンと
しては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フ
ッ化ビニル共重合体、フッ化ビニリデン共重合体等を用
いることができ、特に好ましくはポリフッ化ビニリデン
が用いられる。
【0029】本発明において、ブロックイソシアネート
は2〜30重量%、好ましくは10〜20重量%含有さ
れる。本発明において用いるブロックイソシアネートと
は、ポリイソシアネート化合物あるいはイソシアネート
化合物であって、所定温度以上に加熱するとブロック剤
が解離してイソシアネート基が再生するものをいう。
【0030】配合量が2重量%未満であると、加工性能
が低下し、30重量%を超えると、耐スクラッチ性が低
下する。ブロックされるイソシアネート化合物として
は、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステ
ル、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、デスモジュールN(OCN
(CH2 4 N〔CONH(CH2 4 NCO〕2 ;西
ドイツバイエル社製、商品名)等、あるいはこれらのア
ダクト物が使用できる。
【0031】またポリイソシアネート化合物としては、
脂肪族、脂環族、芳香族系のイソシアネートが単独ある
いは二量体化合物、ビュレットまたはイソシアヌレート
構造を有する三量体化合物、ポリオールの付加反応化合
物、その他公知の方法による種々の変性体としたものを
用いることができる。
【0032】イソシアネート基をブロックするブロック
剤としては、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシ
ム、メチルイソブチルケトキシム、アセチルアセトン、
アセト酢酸メチル、ε−カプロラクタム、アセト酢酸エ
チル等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用い
ることができる。これらの化合物内で特に好ましいブロ
ック剤としては、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂と良く
親和するアセト酢酸エチル及びε−カプロラクタムを挙
げることができる。
【0033】このようなブロック剤は、アクリル樹脂及
びエポキシ樹脂との相溶性、並びにブロック剤の解離温
度等の観点から選択することが好ましい。本発明の塗料
組成物では、さらに他の樹脂を含有させることができ
る。このような樹脂としては、例えば、フェノール樹
脂、メラニン樹脂等を挙げることができる。
【0034】また本発明の塗料組成物では、必要に応じ
て顔料及び添加剤等を含有させることができる。無機顔
料の例としては、二酸化チタン、シリカ、酸化鉄、マイ
カ、クレー、酸化亜鉛、ストロンチウムクロメート、ジ
ンククロメート、カーボンブラック、クロム酸鉛、モリ
ブデートオレンジ、カルシウムカーボネート、及び硫酸
バリウムが挙げられる。有機顔料を用いてもよい。
【0035】添加剤の例としては、界面活性剤、老化防
止剤、紫外線吸収剤、安定化剤、レオロジー調節剤等が
挙げられる。本発明の塗料組成物には、DBTL等の触
媒を含有させてもよい。
【0036】また、本発明の塗料組成物には適当な溶媒
を用いることができ、溶媒の例としては、芳香族石油蒸
留物、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、アルコール類(エチルアルコール、プ
ロピルアルコール及びジアセトンアルコール)、ジメチ
ルフタレート、及びモノ−またはエチレン及びジエチレ
ングリコールのジアルキルエーテル(例えば、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル及びジエチレングリコールジエチルエーテル)が挙
げられる。
【0037】本発明の塗料組成物は、フッ素樹脂塗料の
下塗り塗料組成物として特に好適なものであり、上塗り
のフッ素樹脂塗料としては、例えば、フルオロカーボン
樹脂を45〜85重量%含有するようなフッ素樹脂塗料
がある。
【0038】また、本発明の塗料組成物が塗布される素
材は、特に限定されるものではないが、例えば、亜鉛メ
ッキ鋼板、冷延鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウムメ
ッキ鋼板、アルミニウム板、アルミニウム・亜鉛合金メ
ッキ鋼板等が挙げられる。
【0039】
【作用】フルオロカーボン樹脂は結晶性の高い樹脂であ
り、エポキシ樹脂との相溶性に劣る。本発明では、アク
リル樹脂及びブロックイソシアネートを用いることによ
り、このようなフルオロカーボン樹脂とエポキシ樹脂と
を均一に微分散している。すなわち、アクリル樹脂はフ
ルオロカーボン樹脂との親和性を有しており、塗料の状
態においては、フルオロカーボン樹脂のまわりをアクリ
ル樹脂が覆う状態で、エポキシ樹脂中に分散安定化して
おり、ブロックイソシアネートは、このようなフルオロ
カーボン樹脂のまわりのアクリル樹脂とエポキシ樹脂と
の間での濡れ性を改善し、フルオロカーボン樹脂/アク
リル樹脂をエポキシ樹脂中に微分散し安定化している。
【0040】このように均一に微分散した塗料を塗布し
塗膜を形成させる際に、ブロックイソシアネートのブロ
ック剤が解離し、フルオロカーボン樹脂/アクリル樹脂
とエポキシ樹脂との間で架橋構造を形成し、これによっ
て高い凝集力を有し、かつ高い破壊伸びを示す塗膜とす
ることができる。
【0041】本発明ではアクリル樹脂及びブロックイソ
シアネートを用いることにより、エポキシ樹脂及びフル
オロカーボン樹脂を適当量配合させることが可能とな
り、フルオロカーボン樹脂によって付与される加工性
と、エポキシ樹脂によって付与される耐スクラッチ性及
び耐食性を両立させることができる。
【0042】また、本発明において、エポキシ樹脂とし
てエポキシ当量450〜5000のエポキシ樹脂(A
1)と変性エポキシ樹脂(A2)を用いることにより、
溶融時の粘度を低減させることができ、アクリル樹脂と
の相溶性の違いを利用してさらに消泡性を向上させるこ
とができる。従って、厚膜塗装が可能となり、生産性を
向上できると共に、耐スクラッチ性及び耐食性をさらに
向上させることができるようになる。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例で用いた原材料を示
す。エポキシ樹脂(A1) ・エピクロン7050−50X(50%),−70X
(70%):大日本インキ化学社製,エポキシ当量=1
750〜2700,分子量=2900 ・エポトートYD7011(50%):東都化成社製,
エポキシ当量=460〜490,分子量=900 ・エポトートYD7019(50%):東都化成社製,
エポキシ当量=3000〜4000,分子量=3750 ・フェノトートYP40ASM40(40%):東都化
成社製,エポキシ当量=約1万,分子量=約2万 ・エポトートYD7128(50%):東都化成社製,
エポキシ当量=182〜194,分子量=355エポキシ樹脂(A2) ・XU−8096.07:ダウケミカル日本社製,EP
1007のリン酸エステル変性樹脂 ・EP−1:EP1004をジエタノールアミンで変性
した後、B−1370でウレタン変性した変性エポキシ
樹脂アクリル樹脂 ・アクリロイドB−44:ローム&ハース社製,分子量
=10万,モノマー組成=MMA/EA,熱可塑性樹脂 ・AC−2(25%):日本ペイント社製,分子量=1
4万,熱可塑性アクリル樹脂 ・ダイヤナールSR−2015(25%):三菱レイヨ
ン社製,分子量=6万,熱可塑性アクリル樹脂 ・ダイヤナールSR−1213(30%):三菱レイヨ
ン社製,分子量=4万,熱可塑性アクリル樹脂フルオロカーボン樹脂 ・カイナー500:アトケム社製,ポリフッ化ビニリデ
ン ・フォラフロンF1000VLD:アトケム社製,ポリ
フッ化ビニリデンブロックイソシアネート ・コロネート2515(80%):日本ポリウレタン工
業社製,ブロック剤=ε−カプロラクタム,HMDIイ
ソシアヌレート ・コロネート2513(80%):日本ポリウレタン工
業社製,ブロック剤=アセト酢酸エチル,HMDIイソ
シアヌレート ・B−1370(60%):ヒュルス・ジャパン社製,
ブロック剤=ε−カプロラクタム,IPDIイソシアヌ
レートその他の樹脂 ・サイメル327(80%):三井サイアナミッド社
製,メチル化メラミン触媒 ・ジブチルチンラウレート顔料 ・ストロN:菊地色素社製 ・クレー1号:丸尾カルシウム社製 ・チタンCR90:石原産業社製 表1に示す割合で各原材料を配合し、本発明に従う実施
例の塗料組成物を調製した。調製方法は以下のようにし
て行った。
【0044】エポキシ樹脂(A2)と顔料を適当量のイ
ソホロンを用いてレッドデビルで分散した。次に、アク
リル樹脂をイソホロンで溶解し固形分25重量%のワニ
スを調製し、このワニスにフルオロカーボンを添加し、
ツブゲージ20μm以下になるまで分散した。この分散
ベースを先にレッドデビルで調製したエポキシ樹脂(A
2)の分散ベースに添加し、さらにエポキシ樹脂(A
1)、ブロックイソシアネート、触媒及びその他の樹脂
を添加し、残量のイソホロンを添加した後、ディスパー
で攪拌して塗料組成物を調製した。
【0045】また、得られた塗料組成物を、リン酸亜鉛
処理した0.45mmの厚みの溶融亜鉛メッキ鋼板上に
塗装し、ピン限界及び加工性について評価した。また、
ZT25溶融亜鉛メッキ鋼板上に塗装した後、上塗り塗
料としてフッ素樹脂塗料ユニフロンCホワイト(商品
名;日本ペイント社製)を用い、上塗り塗装し、耐コイ
ンスクラッチ性について評価した。なお塗装条件は、以
下の通りである。
【0046】 下塗り:20μm,210℃×50秒(P.M.T.) 上塗り:20μm,245℃×60秒(P.M.T.) 上塗りを焼き付けした後、冷水で急冷して塗膜性能を評
価した。
【0047】なお、ピン限界、加工性及び耐コインスク
ラッチ性の評価は以下のようにして行った。 (1)ピン限界 下塗り塗料を上記条件で焼き付けし、ワキの認められな
い最大膜厚(μm)で表示した。 (2)加工性(5℃) 塗装面を外側にして、圧力をかけて180°折り曲げ、
板厚のT数を変え、折り曲げ部に発生するクラックを1
0倍ルーペで観察し、その割れが認められない最小のT
数で表示した。 (3)耐コインスクラッチ性 上塗り塗装したフッ素樹脂塗装板の上を荷重6kgを加
え10円硬貨で引っかき、塗膜剥離状態(下塗り、素
地、剥離部分の面積)により下記の5段階で評価した。
【0048】5……下地・素地露出面積 0〜5% 4……下地・素地露出面積 5〜10% 3……下地・素地露出面積 10〜50% 2……下地・素地露出面積 50〜70% 1……下地・素地露出面積 70%以上 下記の表において、A1/A2重量比は、エポキシ樹脂
(A1)と変性エポキシ樹脂(A2)の重量比を示して
おり、エポキシ樹脂含有率は、これらのエポキシ樹脂
(A1+A2)の全樹脂中の含有率を示している。
【0049】
【表1】 また、比較例として、表2に示す配合割合で塗料組成物
を調製し、上記実施例と同様にして塗装した後、塗料及
び塗膜品質を評価した。
【0050】
【表2】 表1及び表2から明らかなように、本発明に従う実施例
では、加工性に優れると共に、耐スクラッチ性に優れて
おり、また厚膜塗装も可能であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の塗料組成物では、アクリル樹脂
及びブロックイソシアネートを含有させることにより、
比較的多量のエポキシ樹脂中にフルオロカーボン樹脂を
均一に分散させている。従って、従来相反する性質であ
った加工性及び耐スクラッチ性を両立させることがで
き、また耐食性を向上させることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂40〜85重量%、アクリ
    ル樹脂5〜50重量%、フルオロカーボン樹脂5〜30
    重量%、及びブロックイソシアネート2〜30重量%を
    含有し;前記エポキシ樹脂が、エポキシ当量450〜5
    000のエポキシ樹脂(A1)と、変性エポキシ樹脂
    (A2)とからなり、それらの重量比A1/A2が99
    /1〜40/60であり;前記アクリル樹脂が、数平均
    分子量50000〜150000であることを特徴とす
    る塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記塗料組成物が、フッ素樹脂塗装の下
    塗り塗料組成物である、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記変性エポキシ樹脂(A2)が、ウレ
    タン変性エポキシ樹脂である、請求項1に記載の塗料組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記変性エポキシ樹脂(A2)が、リン
    酸もしくは低分子アルコールまたはそれらの誘導体を反
    応させて得られるものである、請求項1に記載の塗料組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記アクリル樹脂が、メタクリル酸メチ
    ル−アクリル酸エチル共重合体である、請求項1に記載
    の塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記ブロックイソシアネートのブロック
    剤が、ε−カプロラクタムまたはアセト酢酸エチルであ
    る、請求項1に記載の塗料組成物。
JP5160933A 1993-06-30 1993-06-30 塗料組成物 Pending JPH0718219A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5160933A JPH0718219A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5160933A JPH0718219A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0718219A true JPH0718219A (ja) 1995-01-20

Family

ID=15725387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5160933A Pending JPH0718219A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0718219A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999031186A1 (en) * 1997-12-17 1999-06-24 Ppg Industries Ohio, Inc. Flexible phosphatized polyester-urethane primers and improved coating systems including the same
CN100419035C (zh) * 2006-07-12 2008-09-17 山东省科学院新材料研究所 管道用防腐涂层涂料及其制备方法
CN107189657A (zh) * 2017-05-16 2017-09-22 蚌埠市宏大制药机械有限公司 一种离心机离心滚筒内壁涂料
CN107216727A (zh) * 2017-06-14 2017-09-29 南京工业大学 一种常温固化feve氟碳树脂耐磨涂料及其制备方法
CN113490711A (zh) * 2019-03-22 2021-10-08 株式会社吴羽 电极合剂用组合物、电极合剂、电极、非水电解质二次电池以及电极的制造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999031186A1 (en) * 1997-12-17 1999-06-24 Ppg Industries Ohio, Inc. Flexible phosphatized polyester-urethane primers and improved coating systems including the same
CN100419035C (zh) * 2006-07-12 2008-09-17 山东省科学院新材料研究所 管道用防腐涂层涂料及其制备方法
CN107189657A (zh) * 2017-05-16 2017-09-22 蚌埠市宏大制药机械有限公司 一种离心机离心滚筒内壁涂料
CN107216727A (zh) * 2017-06-14 2017-09-29 南京工业大学 一种常温固化feve氟碳树脂耐磨涂料及其制备方法
CN113490711A (zh) * 2019-03-22 2021-10-08 株式会社吴羽 电极合剂用组合物、电极合剂、电极、非水电解质二次电池以及电极的制造方法
EP3943542A4 (en) * 2019-03-22 2022-05-18 Kureha Corporation COMPOSITION FOR ELECTRODE MIX, ELECTRODE MIX, ELECTRODE, SECONDARY BATTERY WITH ANHYDROUS ELECTROLYTE AND METHOD OF MAKING AN ELECTRODE
CN113490711B (zh) * 2019-03-22 2023-12-29 株式会社吴羽 电极合剂用组合物、电极合剂、电极、非水电解质二次电池以及电极的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5468461A (en) Anticorrosive primer composition
EP0698644B1 (en) Aqueous resin dispersion
RU2384597C2 (ru) Электроосаждаемые водные смолосодержащие дисперсии и способы их получения
CA1267476A (en) Flexible primer composition and method of providing a substrate with a flexible multilayer coating
GB2173713A (en) Coating method
JP2002294165A (ja) カチオン電着塗料用ハジキ防止方法及びハジキ防止剤
US4686249A (en) Heat-hardenable binder mixture of amino resin and hydroxy epoxides
JPH07252441A (ja) 環状カーボネート架橋性塗装組成物
JP4088371B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
US4616066A (en) Vinyl or acrylic polymer-modified epoxy resin
US5380781A (en) Cationically electrodepositable fine particles derived from alkoxysilane-modified epoxy resins and cationic electrodeposition paint composition comprising the same
DE102011108526A1 (de) Gehärteter Elektroabscheidungsbeschichtungsfilm und Verfahren zur Herstellung eines Mehrschichtbeschichtungfilms
JPH0718219A (ja) 塗料組成物
JP3494724B2 (ja) 環状カーボネート架橋性塗装組成物を用いる陰極電着塗装法
JPH05287223A (ja) カチオン電着塗料組成物
JP2005154587A (ja) 水性硬化性樹脂組成物、水性塗料及び塗装物
EP0768348A2 (de) Wässrige Beschichtungsmittel auf der Basis lösemittelarmer modifizierter Epoxidharz-Dispersionen
US6355351B1 (en) Cationically electrodepositable coating material
US4389509A (en) Cathodically depositable coating compositions
JPS6127412B2 (ja)
JP2620304B2 (ja) 水性塗料用組成物
JPS6397267A (ja) 加工性、加工部耐食性に優れたプレコ−ト鋼板
JP2000034438A (ja) プライマ塗料組成物
JPH0873806A (ja) プライマー被覆組成物および塗装方法
WO2015012171A1 (ja) 金属材料用被覆剤