JPH0717981A - 有機ケイ素化合物及びその製造方法 - Google Patents
有機ケイ素化合物及びその製造方法Info
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- JPH0717981A JPH0717981A JP18747193A JP18747193A JPH0717981A JP H0717981 A JPH0717981 A JP H0717981A JP 18747193 A JP18747193 A JP 18747193A JP 18747193 A JP18747193 A JP 18747193A JP H0717981 A JPH0717981 A JP H0717981A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 一般式1及び一般式2で示される有機ケイ素
化合物。 (但し、式中R は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価
炭化水素基であり、aは1〜3の整数である。) 【効果】 対称性がよく、かつ末端官能基密度が大き
く、樹枝形状を有するものであり、特にシリコーンエラ
ストマーの架橋剤として使用した場合には、硬化速度、
引張り強度や引き裂き強度を向上させることができる。
化合物。 (但し、式中R は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価
炭化水素基であり、aは1〜3の整数である。) 【効果】 対称性がよく、かつ末端官能基密度が大き
く、樹枝形状を有するものであり、特にシリコーンエラ
ストマーの架橋剤として使用した場合には、硬化速度、
引張り強度や引き裂き強度を向上させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対称性がよく、末端官
能基密度が大きい新規な有機ケイ素化合物に関する。
能基密度が大きい新規な有機ケイ素化合物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
樹枝状ポリマーは、様々な分野で研究されており、その
高度な枝分かれ、対称性のよさ、球状性から一般にデン
ドリマー或いはスターバーストポリマーと呼ばれてい
る。大半の樹枝状ポリマーはその構成元素が主に炭素で
あるが、中にはオルガノシロキサンによる樹枝状ポリマ
ーも報告され、それらの中で、末端にヒドロシリル基を
有する樹枝状ポリマーとしては、例えば下記構造式で表
されるシロキサンを白金等の付加触媒存在下にて付加重
合することにより、樹枝状ポリマーを得る方法が示され
ている(Lon J.Mathios el.al.,
J.Am.Chem.Soc.,1991,113,4
043−4044)。
樹枝状ポリマーは、様々な分野で研究されており、その
高度な枝分かれ、対称性のよさ、球状性から一般にデン
ドリマー或いはスターバーストポリマーと呼ばれてい
る。大半の樹枝状ポリマーはその構成元素が主に炭素で
あるが、中にはオルガノシロキサンによる樹枝状ポリマ
ーも報告され、それらの中で、末端にヒドロシリル基を
有する樹枝状ポリマーとしては、例えば下記構造式で表
されるシロキサンを白金等の付加触媒存在下にて付加重
合することにより、樹枝状ポリマーを得る方法が示され
ている(Lon J.Mathios el.al.,
J.Am.Chem.Soc.,1991,113,4
043−4044)。
【0003】
【化4】
【0004】しかしながら、このような方法では、分子
量のコントロールが難しく、分子量分布にバラツキを生
じ、球状になりにくいという問題がある。
量のコントロールが難しく、分子量分布にバラツキを生
じ、球状になりにくいという問題がある。
【0005】これに対して、構造が制御された末端にヒ
ドロシリル基を有する樹枝状ポリマーとして下記式
(A)で表される化合物に、下記式(B)で表される化
合物を脱塩酸反応させ、その後、末端のヒドロシリル基
をシラノール基に変換し、更に(B)式で表される化合
物を脱塩酸により結合させる反応を繰り返し行うことに
より、最終的に末端にヒドロシリル基が24個付加した
ポリマーを合成している(Kawamata et.a
l.,Chem.Lett.,1990,2133)。
ドロシリル基を有する樹枝状ポリマーとして下記式
(A)で表される化合物に、下記式(B)で表される化
合物を脱塩酸反応させ、その後、末端のヒドロシリル基
をシラノール基に変換し、更に(B)式で表される化合
物を脱塩酸により結合させる反応を繰り返し行うことに
より、最終的に末端にヒドロシリル基が24個付加した
ポリマーを合成している(Kawamata et.a
l.,Chem.Lett.,1990,2133)。
【0006】
【化5】 (Rはアルキル基を示す。)
【0007】この方法では、対称性が良好な樹枝状ポリ
マーが得られるが、分子量がかなり大きく、末端官能基
密度が小さくなるため、応用できる用途が限られる。ま
た、合成途中のシラノール化合物は重合し易く、安定性
に欠けるなどの問題がある。
マーが得られるが、分子量がかなり大きく、末端官能基
密度が小さくなるため、応用できる用途が限られる。ま
た、合成途中のシラノール化合物は重合し易く、安定性
に欠けるなどの問題がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
分子量のコントロールが容易で、かつ対称性がよく、し
かも末端官能基密度が大きい有機ケイ素化合物及びその
製造方法を提供することを目的とする。
分子量のコントロールが容易で、かつ対称性がよく、し
かも末端官能基密度が大きい有機ケイ素化合物及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、テトラビ
ニルシラン又は1,1,1,3,3,3−ヘキサビニル
シロキサンにおけるすべてのビニル基と下記式(3)で
示されるクロロシランとを遷移金属触媒下で付加反応さ
せ、これに酸の水溶液中にて1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサンを反応させることにより、対称性がよ
く、かつ末端基数に対して分子量が小さいため、末端官
能基密度が大きく、樹枝状の下記式(1)又は(2)の
有機ケイ素化合物を得ることができることを知見した。
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、テトラビ
ニルシラン又は1,1,1,3,3,3−ヘキサビニル
シロキサンにおけるすべてのビニル基と下記式(3)で
示されるクロロシランとを遷移金属触媒下で付加反応さ
せ、これに酸の水溶液中にて1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサンを反応させることにより、対称性がよ
く、かつ末端基数に対して分子量が小さいため、末端官
能基密度が大きく、樹枝状の下記式(1)又は(2)の
有機ケイ素化合物を得ることができることを知見した。
【0010】
【化6】 (但し、式中R は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価
炭化水素基であり、aは1〜3の整数である。)
炭化水素基であり、aは1〜3の整数である。)
【0011】また、上記方法により得られた有機ケイ素
化合物(1),(2)をシリコーンエラストマーの架橋
剤として使用した場合、硬化速度の向上、引っ張り強度
や引き裂き強度が向上し、また末端のヒドロシリル基
は、パラジウム触媒の存在下で加水分解することによ
り、シラノール基に変換するすることができ、更に白金
等の遷移金属触媒の存在下でビニル基、アリル基等の不
飽和基をもつ化合物と付加反応させることが可能である
ことを知見し、本発明をなすに至ったものである。
化合物(1),(2)をシリコーンエラストマーの架橋
剤として使用した場合、硬化速度の向上、引っ張り強度
や引き裂き強度が向上し、また末端のヒドロシリル基
は、パラジウム触媒の存在下で加水分解することによ
り、シラノール基に変換するすることができ、更に白金
等の遷移金属触媒の存在下でビニル基、アリル基等の不
飽和基をもつ化合物と付加反応させることが可能である
ことを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】従って、本発明は、第1発明として、上記
一般式(1)で示される有機ケイ素化合物、及びテトラ
ビニルシランと上記式(3)で示されるクロロシランと
を遷移金属触媒下で付加反応させ、次いでこれに酸の存
在下にて1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを
反応させることを特徴とする上記式(1)で示される有
機ケイ素化合物の製造方法、第2発明として、上記一般
式(2)で示される有機ケイ素化合物、及び1,1,
1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサンと上記式
(3)で示されるクロロシランとを遷移金属触媒下で付
加反応させ、次いでこれに酸の存在下にて1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサンを反応させることを特徴
とする上記式(2)で示される有機珪素化合物の製造方
法を提供する。
一般式(1)で示される有機ケイ素化合物、及びテトラ
ビニルシランと上記式(3)で示されるクロロシランと
を遷移金属触媒下で付加反応させ、次いでこれに酸の存
在下にて1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを
反応させることを特徴とする上記式(1)で示される有
機ケイ素化合物の製造方法、第2発明として、上記一般
式(2)で示される有機ケイ素化合物、及び1,1,
1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサンと上記式
(3)で示されるクロロシランとを遷移金属触媒下で付
加反応させ、次いでこれに酸の存在下にて1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサンを反応させることを特徴
とする上記式(2)で示される有機珪素化合物の製造方
法を提供する。
【0013】以下、本発明を更に詳述すると、本発明の
第1発明にかかる有機ケイ素化合物は、下記一般式
(1)で表される有機ケイ素化合物である。
第1発明にかかる有機ケイ素化合物は、下記一般式
(1)で表される有機ケイ素化合物である。
【0014】
【化7】
【0015】ここで、式中Rは炭素数1〜8の置換又は
非置換の一価炭化水素基を示し、具体的には、メチル
基,エチル基,プロピル基などのアルキル基、シクロヘ
キシル基,ビニル基,アリル基,イソプロペノキシ基な
どのアルケニル基、フェニル基,トリル基などのアリー
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基,6,6,
6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル
基,クロロメチル基,3−クロロプロピル基などのこれ
らの基の水素原子が部分的にハロゲン原子などで置換さ
れた基等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。また、aは1〜3の整数であるが、末端官能性密
度を向上させ、枝分かれを多くするという点から、aは
3の値をとることが望ましい。
非置換の一価炭化水素基を示し、具体的には、メチル
基,エチル基,プロピル基などのアルキル基、シクロヘ
キシル基,ビニル基,アリル基,イソプロペノキシ基な
どのアルケニル基、フェニル基,トリル基などのアリー
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基,6,6,
6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル
基,クロロメチル基,3−クロロプロピル基などのこれ
らの基の水素原子が部分的にハロゲン原子などで置換さ
れた基等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。また、aは1〜3の整数であるが、末端官能性密
度を向上させ、枝分かれを多くするという点から、aは
3の値をとることが望ましい。
【0016】本発明の有機ケイ素化合物は、下記反応式
に示されているように、テトラビニルシランを出発原料
として使用し、これと式(3)で示されるクロロシラン
とを遷移金属触媒下で付加反応させて下記式(4)で示
される末端にクロロシリル基を有する化合物を合成し、
次いで酸の存在下において1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサンと反応させることにより製造するもので
ある。
に示されているように、テトラビニルシランを出発原料
として使用し、これと式(3)で示されるクロロシラン
とを遷移金属触媒下で付加反応させて下記式(4)で示
される末端にクロロシリル基を有する化合物を合成し、
次いで酸の存在下において1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサンと反応させることにより製造するもので
ある。
【0017】
【化8】 (R ,aはそれぞれ上記と同様の意味を示す。)
【0018】この場合、遷移金属触媒としては、周期律
表第8族元素又はその化合物を使用することが好まし
く、例えば塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸(米
国特許第3220972号)、塩化白金酸とオレフィン
とのコンプレックス(米国特許第3159662号、同
第3775452号)、白金黒又はパラジウムなどをア
ルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持させたも
の、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリ
ス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキン
ソン触媒)などが挙げられるが、これらのコンプレック
スはアルコール系、ケトン系、エーテル系、炭化水素系
の溶剤に溶解して使用することが好ましい。
表第8族元素又はその化合物を使用することが好まし
く、例えば塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸(米
国特許第3220972号)、塩化白金酸とオレフィン
とのコンプレックス(米国特許第3159662号、同
第3775452号)、白金黒又はパラジウムなどをア
ルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持させたも
の、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリ
ス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキン
ソン触媒)などが挙げられるが、これらのコンプレック
スはアルコール系、ケトン系、エーテル系、炭化水素系
の溶剤に溶解して使用することが好ましい。
【0019】なお、テトラビニルシランと式(3)で示
されるクロロシランとの使用量は、クロロシラン/テト
ラビニルシランのモル比で4〜6とすることが好まし
い。また、この反応は40〜150℃、特に60〜12
0℃で行うことが好ましい。
されるクロロシランとの使用量は、クロロシラン/テト
ラビニルシランのモル比で4〜6とすることが好まし
い。また、この反応は40〜150℃、特に60〜12
0℃で行うことが好ましい。
【0020】次いで、得られた式(4)で示されるクロ
ロシランを酸の存在下にて1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサンと好ましくは20℃以下の温度で反応さ
せることにより、本発明の有機ケイ素化合物を合成する
ことができる。なお、このようなクロロシランと1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの反応は、特
開平3−197484号公報に開示されている方法によ
り製造することができる。この場合、上記反応に使用さ
れる酸は、種々の鉱酸の水溶液が用いられるが、特に塩
酸の水溶液が好適に使用し得る。
ロシランを酸の存在下にて1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサンと好ましくは20℃以下の温度で反応さ
せることにより、本発明の有機ケイ素化合物を合成する
ことができる。なお、このようなクロロシランと1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの反応は、特
開平3−197484号公報に開示されている方法によ
り製造することができる。この場合、上記反応に使用さ
れる酸は、種々の鉱酸の水溶液が用いられるが、特に塩
酸の水溶液が好適に使用し得る。
【0021】第2発明にかかる有機ケイ素化合物は、下
記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物である。
記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物である。
【0022】
【化9】
【0023】なお、上記式中のR,aは上記と同様であ
る。また、上記有機ケイ素化合物は、出発原料をテトラ
ビニルシランに代えて1,1,1,3,3,3−ヘキサ
ビニルジシロキサンとする以外は、上述した(1)式の
有機ケイ素化合物の製造方法と同様にして製造すること
ができる。なお、式(3)で示されるクロロシラン/
1,1,1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサンの
モル比で6〜9として反応させることが好ましい。
る。また、上記有機ケイ素化合物は、出発原料をテトラ
ビニルシランに代えて1,1,1,3,3,3−ヘキサ
ビニルジシロキサンとする以外は、上述した(1)式の
有機ケイ素化合物の製造方法と同様にして製造すること
ができる。なお、式(3)で示されるクロロシラン/
1,1,1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサンの
モル比で6〜9として反応させることが好ましい。
【0024】本発明の化合物は、シリコンエラストマー
の架橋剤、付加反応用の架橋剤などとして有用である。
の架橋剤、付加反応用の架橋剤などとして有用である。
【0025】
【発明の効果】本発明の有機ケイ素化合物は、対称性が
よく、かつ末端官能基密度が大きく、樹枝形状を有する
ものであり、特にシリコーンエラストマーの架橋剤とし
て使用した場合には、引張り強度や引き裂き強度を向上
させることができる。
よく、かつ末端官能基密度が大きく、樹枝形状を有する
ものであり、特にシリコーンエラストマーの架橋剤とし
て使用した場合には、引張り強度や引き裂き強度を向上
させることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0027】[実施例1] (1−1)撹拌子、温度計、滴下ロート、ジムロートを
具備した500mlの4つ口フラスコに下記式に示すテ
トラビニルシラン34.0g及び塩化白金酸の2%イソ
プロパノール溶液0.205gを仕込み、撹拌しながら
80℃に加熱した。そこに、トリクロロシラン149.
1gを滴下ロートにて約40分かけて滴下した。滴下終
了後、80℃にて約1時間熟成し、その後、120℃/
3mmHgにてストリッピングを行い、未反応成分を除
去した。次いで、室温まで冷却後、予めよく乾燥させた
活性炭6.0gを投入し、室温にて約4時間撹拌した
後、濾下することにより、無色透明な液体157.3g
を得た(これを化合物Aとする)。
具備した500mlの4つ口フラスコに下記式に示すテ
トラビニルシラン34.0g及び塩化白金酸の2%イソ
プロパノール溶液0.205gを仕込み、撹拌しながら
80℃に加熱した。そこに、トリクロロシラン149.
1gを滴下ロートにて約40分かけて滴下した。滴下終
了後、80℃にて約1時間熟成し、その後、120℃/
3mmHgにてストリッピングを行い、未反応成分を除
去した。次いで、室温まで冷却後、予めよく乾燥させた
活性炭6.0gを投入し、室温にて約4時間撹拌した
後、濾下することにより、無色透明な液体157.3g
を得た(これを化合物Aとする)。
【0028】
【化10】
【0029】(1−2)次に、撹拌子、温度計、滴下ロ
ートを具備した500mlの4つ口フラスコに1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン120.6g、水3
0g及び濃塩酸80gを仕込み、氷水で冷却し、5〜1
0℃に保持した。次いで、撹拌しながら、上記化合物A
67.8gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応
混合物が20℃以下の温度に保たれるように200ml
の水を加えた。得られた有機層について、5%のNaH
CO3水溶液での洗浄を2回、15%のNa2SO4水溶
液での洗浄を2回繰り返した後、Na2SO4を用いて乾
燥を行い、減圧蒸留を行ったところ、200℃/1.2
×10-3Torrにて無色透明な留分97.2gを得
た。この留分を1H−NMR、IR及びGC−MSによ
り分析したところ、下記に示す構造式であった。
ートを具備した500mlの4つ口フラスコに1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン120.6g、水3
0g及び濃塩酸80gを仕込み、氷水で冷却し、5〜1
0℃に保持した。次いで、撹拌しながら、上記化合物A
67.8gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応
混合物が20℃以下の温度に保たれるように200ml
の水を加えた。得られた有機層について、5%のNaH
CO3水溶液での洗浄を2回、15%のNa2SO4水溶
液での洗浄を2回繰り返した後、Na2SO4を用いて乾
燥を行い、減圧蒸留を行ったところ、200℃/1.2
×10-3Torrにて無色透明な留分97.2gを得
た。この留分を1H−NMR、IR及びGC−MSによ
り分析したところ、下記に示す構造式であった。
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】[実施例2]実施例1のテトラビニルシラ
ンの代わりに、下記式で示される1,1,1,3,3,
3−ヘキサビニルジシロキサンン58.5gを使用し、
トリクロロシラン223.6g及び塩化白金酸の2%イ
ソプロパノール溶液0.31gを使用した以外は、実施
例1の(1−1)と同様にして反応を行い、無色透明な
液体236.8gを得た(これを化合物Bとする)。
ンの代わりに、下記式で示される1,1,1,3,3,
3−ヘキサビニルジシロキサンン58.5gを使用し、
トリクロロシラン223.6g及び塩化白金酸の2%イ
ソプロパノール溶液0.31gを使用した以外は、実施
例1の(1−1)と同様にして反応を行い、無色透明な
液体236.8gを得た(これを化合物Bとする)。
【0033】
【化13】
【0034】次いで、化合物B52.4gを使用し、
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン90.5
g、水28g、及び濃塩酸65gを使用した以外は、実
施例1の(1−2)と同様にして反応を行い、減圧蒸留
により、240℃/2.2×10-4Torrにて無色透
明な液体65.3gを得た。この留分を1H−NMR、
IR、GC−MSにより分析したところ、下記に示す構
造式であった。
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン90.5
g、水28g、及び濃塩酸65gを使用した以外は、実
施例1の(1−2)と同様にして反応を行い、減圧蒸留
により、240℃/2.2×10-4Torrにて無色透
明な液体65.3gを得た。この留分を1H−NMR、
IR、GC−MSにより分析したところ、下記に示す構
造式であった。
【0035】
【化14】
【図1】本発明の実施例1で得られた有機ケイ素化合物
のIRスペクトルを示すチャートである。
のIRスペクトルを示すチャートである。
【図2】本発明の実施例2で得られた有機ケイ素化合物
のIRスペクトルを示すチャートである。
のIRスペクトルを示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 伸一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示される有機ケイ素
化合物。 【化1】 (但し、式中R は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価
炭化水素基であり、aは1〜3の整数である。) - 【請求項2】 下記一般式(2)で示される有機ケイ素
化合物。 【化2】 (但し、式中R は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価
炭化水素基であり、aは1〜3の整数である。) - 【請求項3】 テトラビニルシランと下記式(3)で示
されるクロロシランとを遷移金属触媒下で付加反応さ
せ、次いでこれに酸の存在下にて1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサンを反応させることを特徴とする請
求項1記載の式(1)で示される有機ケイ素化合物の製
造方法。 【化3】 (但し、式中R は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価
炭化水素基であり、aは1〜3の整数である。) - 【請求項4】 1,1,1,3,3,3−ヘキサビニル
ジシロキサンと上記式(3)で示されるクロロシランと
を遷移金属触媒下で付加反応させ、次いでこれに酸の存
在下にて1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを
反応させることを特徴とする請求項2記載の式(2)で
示される有機珪素化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18747193A JPH0717981A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 有機ケイ素化合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18747193A JPH0717981A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 有機ケイ素化合物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717981A true JPH0717981A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=16206667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18747193A Pending JPH0717981A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 有機ケイ素化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717981A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0786463A1 (de) * | 1996-01-25 | 1997-07-30 | Wacker-Chemie GmbH | Vernetzbare Zusammensetzungen |
US5929187A (en) * | 1997-02-28 | 1999-07-27 | Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. | Branched siloxane-silalkylene copolymer |
EP0976775A2 (en) * | 1998-07-31 | 2000-02-02 | Dow Corning Toray Silicone Company, Ltd. | Carbosiloxane dendrimers |
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JP2005023318A (ja) * | 2003-07-01 | 2005-01-27 | Samsung Electronics Co Ltd | シロキサン系樹脂及びこれを用いた半導体層間絶縁膜 |
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1993
- 1993-06-30 JP JP18747193A patent/JPH0717981A/ja active Pending
Cited By (6)
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---|---|---|---|---|
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