JPH0717505B2 - 骨粗鬆症予防剤 - Google Patents
骨粗鬆症予防剤Info
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- JPH0717505B2 JPH0717505B2 JP1044199A JP4419989A JPH0717505B2 JP H0717505 B2 JPH0717505 B2 JP H0717505B2 JP 1044199 A JP1044199 A JP 1044199A JP 4419989 A JP4419989 A JP 4419989A JP H0717505 B2 JPH0717505 B2 JP H0717505B2
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- carnosine
- bone
- acid
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はL−カルノシンまたはその塩を有効成分として
含有するヒトの骨粗鬆症予防剤に関する。
含有するヒトの骨粗鬆症予防剤に関する。
現代医学は“自然治癒は人為的に促進し得ず”を大前提
として化学療法を推進するため間葉系機能による内部環
境恒常性維持のポテンシヤルを上げ、疾病予防力を増強
し、治癒を促進することにおいては全く空白の領域であ
る。
として化学療法を推進するため間葉系機能による内部環
境恒常性維持のポテンシヤルを上げ、疾病予防力を増強
し、治癒を促進することにおいては全く空白の領域であ
る。
本発明は本発明者らが同定した、創傷治癒促進、肉芽増
殖、貧食能を促進し、非特異的免疫賦活、免疫調節、白
血球数回復、赤血球膜、ライソザイム膜安定などの間葉
系細胞機能を賦活増強し、肝臓機能を保護増強し、内部
環境恒常性維持作用を有する生理物質L−カルノシンま
たはその塩を有効成分として含有するヒトの骨粗鬆症予
防剤に関する。L−カルノシンの作用は生体異物質であ
る化学療法剤の作用とは異なり、生理的に存在する物質
の作用であって、その作用は閾値内で内部環境恒常性維
持に臓器非特異的、全身的、普遍的かつ一括的であるこ
とが特徴である。したがって、内部環境内で同時に起こ
る複数の疾患、症状ないし症状群に対して、従来の化学
療法剤では不可能であった治療と予防が可能である。
殖、貧食能を促進し、非特異的免疫賦活、免疫調節、白
血球数回復、赤血球膜、ライソザイム膜安定などの間葉
系細胞機能を賦活増強し、肝臓機能を保護増強し、内部
環境恒常性維持作用を有する生理物質L−カルノシンま
たはその塩を有効成分として含有するヒトの骨粗鬆症予
防剤に関する。L−カルノシンの作用は生体異物質であ
る化学療法剤の作用とは異なり、生理的に存在する物質
の作用であって、その作用は閾値内で内部環境恒常性維
持に臓器非特異的、全身的、普遍的かつ一括的であるこ
とが特徴である。したがって、内部環境内で同時に起こ
る複数の疾患、症状ないし症状群に対して、従来の化学
療法剤では不可能であった治療と予防が可能である。
骨粗鬆症は栄養障害、老齢化、更年期月経閉鎖後、喘
息、リウマチなどのステロイド剤長期投与などにより発
症する、骨脆弱化、骨折を起こす疾患である。骨粗鬆症
に対しては骨のコラーゲンの生合成、骨のカルシウム補
給を促進することを目的とした薬剤が用いられている
が、いずれも対症療法であり、間葉系細胞機能を賦活す
る抜本的な療法ではなく、その効果も充分ではない。
息、リウマチなどのステロイド剤長期投与などにより発
症する、骨脆弱化、骨折を起こす疾患である。骨粗鬆症
に対しては骨のコラーゲンの生合成、骨のカルシウム補
給を促進することを目的とした薬剤が用いられている
が、いずれも対症療法であり、間葉系細胞機能を賦活す
る抜本的な療法ではなく、その効果も充分ではない。
本発明は副作用の全くない、自然治癒力を維持促進す
る、生理活性物質による体質強化改善剤を提供すること
を目的とする。
る、生理活性物質による体質強化改善剤を提供すること
を目的とする。
本発明者らは多年にわたる哺乳動物中に含まれるω−ア
ミノ酸の生理活性作用の研究中にその誘導体のL−カル
ノシンに創傷治癒作用(Surgery100:pp815〜821,1986)
および免疫調節作用(特開昭61-186322号)があり、自
然治癒を促進する生理物質であることを見出した。さら
に本発明者らはヒトの老齢化によって起こる骨粗鬆症な
どの問題を解決するための手段を種々検討の結果、L−
カルノシンを老齢化したヒトに対して与える時は極めて
優れた臨床効果を現すことを見出して本発明を完成し
た。
ミノ酸の生理活性作用の研究中にその誘導体のL−カル
ノシンに創傷治癒作用(Surgery100:pp815〜821,1986)
および免疫調節作用(特開昭61-186322号)があり、自
然治癒を促進する生理物質であることを見出した。さら
に本発明者らはヒトの老齢化によって起こる骨粗鬆症な
どの問題を解決するための手段を種々検討の結果、L−
カルノシンを老齢化したヒトに対して与える時は極めて
優れた臨床効果を現すことを見出して本発明を完成し
た。
L−カルノシンは1900年グレヴィチ(Gulewitch)らに
よりリービッヒの肉エキス中から発見された、β−アラ
ニンとL−ヒスチジンよりなるジペプタイドであり、哺
乳動物の骨格中に多量に含有されているがその生理学的
存在意義は判明しなかった。
よりリービッヒの肉エキス中から発見された、β−アラ
ニンとL−ヒスチジンよりなるジペプタイドであり、哺
乳動物の骨格中に多量に含有されているがその生理学的
存在意義は判明しなかった。
L−カルノシンは融点250℃(分解)、▲〔α〕20 D▼
=+20.0°(H2O)で無味、無臭の水に溶け易い白色結
晶状粉末である。次の構造式で表される。
=+20.0°(H2O)で無味、無臭の水に溶け易い白色結
晶状粉末である。次の構造式で表される。
その水溶液はpH8.0〜8.5である。L−カルノシンは哺乳
動物の主として骨格筋中に約0.1〜0.3%含有されている
物質で、日常食肉類より食品として摂取され、必須アミ
ノ酸L−ヒスチジンの供給源である。またL−ヒスチジ
ンとβ−アラニンとから生合成される。摂取されたL−
カルノシンは吸収後カルノシナーゼによりL−ヒスチジ
ンとβ−アラニンに分解されて栄養素となり、一部はL
−カルノシンに再合成される〔L−カルノシン生合成の
中間物質としてβ−アラニル−L−メチル−ヒスチジン
(Anserine)がある〕。上記のごとくL−カルノシンは
食品類似の安全生の高い物質であり、吸収後は諸臓器中
に存在するカルノシナーゼにより分解されるので、他の
多くの医薬品が肝臓で代謝され、肝機能の負担となるの
とは全く異なる物質である。
動物の主として骨格筋中に約0.1〜0.3%含有されている
物質で、日常食肉類より食品として摂取され、必須アミ
ノ酸L−ヒスチジンの供給源である。またL−ヒスチジ
ンとβ−アラニンとから生合成される。摂取されたL−
カルノシンは吸収後カルノシナーゼによりL−ヒスチジ
ンとβ−アラニンに分解されて栄養素となり、一部はL
−カルノシンに再合成される〔L−カルノシン生合成の
中間物質としてβ−アラニル−L−メチル−ヒスチジン
(Anserine)がある〕。上記のごとくL−カルノシンは
食品類似の安全生の高い物質であり、吸収後は諸臓器中
に存在するカルノシナーゼにより分解されるので、他の
多くの医薬品が肝臓で代謝され、肝機能の負担となるの
とは全く異なる物質である。
つぎにL−カルノシンの急性毒性について述べる。
急性毒性 マウスを1群10匹として種々の用量のL−カルノシンを
腹腔内ならびに経口的に投与し、投与後5時間の急性中
毒症状を観察した。LD50は72時間後の死亡数よりファン
デアヴェルデン(Vander Waerden)法により算出した。
L−カルノシンは投与液量が0.1〜0.3ml/10gになるよう
生理食塩水に溶解した。
腹腔内ならびに経口的に投与し、投与後5時間の急性中
毒症状を観察した。LD50は72時間後の死亡数よりファン
デアヴェルデン(Vander Waerden)法により算出した。
L−カルノシンは投与液量が0.1〜0.3ml/10gになるよう
生理食塩水に溶解した。
L−カルノシンの中毒症状としては、15,000mg/kg腹腔
内投与(LD100)後約30分頃より自発運動の低下を招き
腹位をとり呼吸数は減少して不整となるが、正向反射あ
るいは逃避反射の消失はみられず、時々挙尾反応を示し
たり間代性痙攣の発現をみるものが半数にみられた。さ
らに症状が進むと横転を繰り返し、接触刺激に対して反
射が昂進し痙攣の誘発がみられるようになり、強直性痙
攣に移行し死に至った。1時間30分後に半数、2時間後
に80%、5時間後には全例が死亡した。15,000mg/kgの
経口投与後には殆ど影響を示さなかったが、1時間後に
は10例中1例の死亡を認めた。
内投与(LD100)後約30分頃より自発運動の低下を招き
腹位をとり呼吸数は減少して不整となるが、正向反射あ
るいは逃避反射の消失はみられず、時々挙尾反応を示し
たり間代性痙攣の発現をみるものが半数にみられた。さ
らに症状が進むと横転を繰り返し、接触刺激に対して反
射が昂進し痙攣の誘発がみられるようになり、強直性痙
攣に移行し死に至った。1時間30分後に半数、2時間後
に80%、5時間後には全例が死亡した。15,000mg/kgの
経口投与後には殆ど影響を示さなかったが、1時間後に
は10例中1例の死亡を認めた。
DDY形雄マウスに対する急性毒性(72時間値)は表に示
すとおりであり、L−カルノシンは極めて毒性の低い化
合物と言える。またL−カルノシンはすでに約10年以前
よりスペイン国のメルク・イゴダ社において食思不振治
療剤として製薬化されているように、既に安全性の確認
されている、副作用のない物質である。
すとおりであり、L−カルノシンは極めて毒性の低い化
合物と言える。またL−カルノシンはすでに約10年以前
よりスペイン国のメルク・イゴダ社において食思不振治
療剤として製薬化されているように、既に安全性の確認
されている、副作用のない物質である。
L−カルノシンの合成法は公知であり(Journal of Bio
logical Chemistry,108,pp 753,1935)、カルボベンズ
オキシβ−アラニンを五塩化リンでクロライドとし、メ
タノールでメチルエステルに導き、ヒドロアザイドを経
てアザイドとなし、L−ヒスチジンメチルエステルとカ
ップリングし、最後に接触還元によりカルボベンズオキ
シ基をはずすことによってL−カルノシンを得ることが
できる。本発明はL−カルノシンの塩からなるヒトの体
質強化改善剤をも包含するが、L−カルノシンの塩とし
てはカルボン酸基に基づく塩と、アミノ基に基づく、薬
理学上許容される酸との酸付加塩があり、たカルボン酸
基とアミノ基の双方に基ずく塩がある。カルボン酸基に
基づく塩にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、亜鉛、アルミニウムおよびゲルマニウムのよ
うな金属との塩、アンモニウム塩および置換アンモニウ
ム塩、たとえばトリエチルアミンのようなトリアルキル
アミンその他のアミンとの塩があり、アミノ基に基づく
塩には塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、乳
酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの無機酸、有機
酸との塩があるが、これらはそれ自体公知の方法によ
り、遊離のL−カルノシンを化学量論的に計算された量
の、選択された酸または塩基と反応させることによって
製造することができる。またL−カルノシンは上記のよ
うな金属の水酸化物との塩であってもよい。
logical Chemistry,108,pp 753,1935)、カルボベンズ
オキシβ−アラニンを五塩化リンでクロライドとし、メ
タノールでメチルエステルに導き、ヒドロアザイドを経
てアザイドとなし、L−ヒスチジンメチルエステルとカ
ップリングし、最後に接触還元によりカルボベンズオキ
シ基をはずすことによってL−カルノシンを得ることが
できる。本発明はL−カルノシンの塩からなるヒトの体
質強化改善剤をも包含するが、L−カルノシンの塩とし
てはカルボン酸基に基づく塩と、アミノ基に基づく、薬
理学上許容される酸との酸付加塩があり、たカルボン酸
基とアミノ基の双方に基ずく塩がある。カルボン酸基に
基づく塩にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、亜鉛、アルミニウムおよびゲルマニウムのよ
うな金属との塩、アンモニウム塩および置換アンモニウ
ム塩、たとえばトリエチルアミンのようなトリアルキル
アミンその他のアミンとの塩があり、アミノ基に基づく
塩には塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、乳
酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの無機酸、有機
酸との塩があるが、これらはそれ自体公知の方法によ
り、遊離のL−カルノシンを化学量論的に計算された量
の、選択された酸または塩基と反応させることによって
製造することができる。またL−カルノシンは上記のよ
うな金属の水酸化物との塩であってもよい。
臨床適用が予想される体質 前述したごとく老齢化による生理機能の変調が挙げられ
るが、特に老衰による骨粗鬆症の疾患の予防と治療、骨
形成、骨折の修復などが挙げられる。
るが、特に老衰による骨粗鬆症の疾患の予防と治療、骨
形成、骨折の修復などが挙げられる。
推定できる臨床効果 すでに述べたように経口投与によるL−カルノシンのLD
50は14,930mg/kgであるから極めて毒性の少ない物質で
ある。充分な安全を見てその1/200をとるとすると700mg
/kgとなり、50kgの成人に換算すると3.5gとなるが、あ
との臨床例にも示されているとおり、これ以下の量でも
充分な効果が得られる。またL−カルノシンの構成成分
はβ−アラニンとL−ヒスチジンという生体内アミノ酸
であり、安全性も高く副作用等の心配がなく用いられ
る。
50は14,930mg/kgであるから極めて毒性の少ない物質で
ある。充分な安全を見てその1/200をとるとすると700mg
/kgとなり、50kgの成人に換算すると3.5gとなるが、あ
との臨床例にも示されているとおり、これ以下の量でも
充分な効果が得られる。またL−カルノシンの構成成分
はβ−アラニンとL−ヒスチジンという生体内アミノ酸
であり、安全性も高く副作用等の心配がなく用いられ
る。
L−カルノシンの経口投与または非経口投与が都合よく
行われるものであればどんな剤形のものであってもよ
く、例えば注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、腸溶剤、トローチなどの種々の剤形を挙げることが
出来るが、これらを症状に応じてそれぞれ単独で、また
は組み合わせで使用する。投与量は投与経路、剤形、症
状などにより大きく変わることは当然である。本発明の
体質強化改善剤の典型的な剤形、投与量、および投与方
法を例示すると次のごとくである。
行われるものであればどんな剤形のものであってもよ
く、例えば注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、腸溶剤、トローチなどの種々の剤形を挙げることが
出来るが、これらを症状に応じてそれぞれ単独で、また
は組み合わせで使用する。投与量は投与経路、剤形、症
状などにより大きく変わることは当然である。本発明の
体質強化改善剤の典型的な剤形、投与量、および投与方
法を例示すると次のごとくである。
なお、ここに記述した用法、用量は単なる目安であり、
L−カルノシンは前述のように極めて安全な物質である
から症例により適宜増減することは何等差し支えない。
L−カルノシンは前述のように極めて安全な物質である
から症例により適宜増減することは何等差し支えない。
L−カルノシンは水に易溶であるため、食塩水を使用し
て、無菌的操作のもとに容易にL−カルノシンの、例え
ば、0.3%、0.5%、1%または5%の等張溶液をつくる
ことができる。これを不活性ガス気流下にアンプルまた
はバイアル瓶に凍結乾燥して封入したL−カルノシン粉
末を注射直前に0.3%、0.5%、1%または5%の等張溶
液として直ちに注射に使用してもよい。
て、無菌的操作のもとに容易にL−カルノシンの、例え
ば、0.3%、0.5%、1%または5%の等張溶液をつくる
ことができる。これを不活性ガス気流下にアンプルまた
はバイアル瓶に凍結乾燥して封入したL−カルノシン粉
末を注射直前に0.3%、0.5%、1%または5%の等張溶
液として直ちに注射に使用してもよい。
粉末剤をつくるには合成したL−カルノシンを200メッ
シュ程度の微粉末としてガラス容器に入れ、約120℃の
温度で数時間乾熱滅菌する。
シュ程度の微粉末としてガラス容器に入れ、約120℃の
温度で数時間乾熱滅菌する。
L−カルノシンの顆粒剤、錠剤またはカプセル剤は必要
により結合剤例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ソルビット、トラガントまたはポリビニルピロリド
ン、賦形剤例えば乳糖、とうもろこしデンプン、リン酸
カルシウム、ソルビットまたはグリシン、潤滑剤例えば
ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリ
コール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはシ
リカ、崩壊剤例えば馬鈴薯デンプン、或いは潤滑剤例え
ばラウリル硫酸ナトリウムなどを使用し当業界での慣用
の方法で製剤する。錠剤は当業界において周知の方法で
コーテイングしてもよい。
により結合剤例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ソルビット、トラガントまたはポリビニルピロリド
ン、賦形剤例えば乳糖、とうもろこしデンプン、リン酸
カルシウム、ソルビットまたはグリシン、潤滑剤例えば
ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリ
コール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはシ
リカ、崩壊剤例えば馬鈴薯デンプン、或いは潤滑剤例え
ばラウリル硫酸ナトリウムなどを使用し当業界での慣用
の方法で製剤する。錠剤は当業界において周知の方法で
コーテイングしてもよい。
製剤例1.(注射剤) 食塩水を使用し、無菌的操作の下に、合成したL−カル
ノシンを5%または1%の等張液としてアンプルに充填
した。
ノシンを5%または1%の等張液としてアンプルに充填
した。
製剤例2.(粉末剤) 合成したL−カルノシンを電動擂鉢を使用して微粉末と
し、局法200メッシュの篩でふるった。この微粉末をガ
ラス容器に入れ、121℃で3時間乾熱滅菌して粉末剤と
した。
し、局法200メッシュの篩でふるった。この微粉末をガ
ラス容器に入れ、121℃で3時間乾熱滅菌して粉末剤と
した。
製剤例3.(顆粒剤) 合成したL−カルノシンを用い下記処方で顆粒剤を製造
した。
した。
L−カルノシン 0.2g 乳糖 0.34g とうもろこし澱粉 0.45g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.01g 顆粒剤 1.00g 実験例 下記の動物実験を行い、骨粗鬆症に及ぼすL−カルノシ
ンの効果を確認した。
ンの効果を確認した。
I.材料と実験方法 A.動物 日本SLC(K.K.)より雄性で、5週齢(体重28g前後)お
よび10週齢(体重50〜60g)の各DDYマウスを購入した。
室温24±1℃、湿度55±5%の環境下で、1〜10週間の
予備飼育時および対称群の全部にそれぞれマウス、ラッ
ト用固形試料F2(三共ラボサービスK.K.)と水道水を自
由に摂取させた。
よび10週齢(体重50〜60g)の各DDYマウスを購入した。
室温24±1℃、湿度55±5%の環境下で、1〜10週間の
予備飼育時および対称群の全部にそれぞれマウス、ラッ
ト用固形試料F2(三共ラボサービスK.K.)と水道水を自
由に摂取させた。
B.薬物および投与方法 1.成熟マウスに対する長期投与 20週齢のマウス20匹を2群に分け、L−カルノシン(CA
R)群には50週齢までの約7ケ月間、CAR(浜理薬品工業
K.K.)の0.15%水溶液を飲料水として自由に摂取させた
(計算上、経口投与量としてCAR200mg/kg/日に相当す
る)。50週目にそれらのマウスを断頭瀉血にて屠殺し、
大腿骨を摘出した。
R)群には50週齢までの約7ケ月間、CAR(浜理薬品工業
K.K.)の0.15%水溶液を飲料水として自由に摂取させた
(計算上、経口投与量としてCAR200mg/kg/日に相当す
る)。50週目にそれらのマウスを断頭瀉血にて屠殺し、
大腿骨を摘出した。
2.ハイドロコーチゾン投与による実験的骨粗鬆症の予防 5週齢のマウス107匹を3群に分け、水溶性ハイドロコ
ートン注射液(万有製薬K.K.)を0.1ml中にハイドロコ
ーチゾン(HC)が10mg/kgとなるように生理食塩水で希
釈し、HC群およびCAR群の腹腔内に連日(除日曜)投与
した。対照群には0.1mlの生理食塩水を同様に注射し
た。CAR群には0.15%のCAR水溶液を飲料水として自由に
摂取させた。投与開始、2、4、5週間後に、対照群、
HC群、CAR群それぞれ5〜10匹ずつエーテル吸入にて屠
殺し、大腿骨を取り出した。投与開始4週間後の動物
は、骨成分分析用として、別に1群15〜17匹を用いた。
ートン注射液(万有製薬K.K.)を0.1ml中にハイドロコ
ーチゾン(HC)が10mg/kgとなるように生理食塩水で希
釈し、HC群およびCAR群の腹腔内に連日(除日曜)投与
した。対照群には0.1mlの生理食塩水を同様に注射し
た。CAR群には0.15%のCAR水溶液を飲料水として自由に
摂取させた。投与開始、2、4、5週間後に、対照群、
HC群、CAR群それぞれ5〜10匹ずつエーテル吸入にて屠
殺し、大腿骨を取り出した。投与開始4週間後の動物
は、骨成分分析用として、別に1群15〜17匹を用いた。
C.骨強度および骨成分 1.骨量測定 取り出した右大腿骨は、骨膜および筋肉を可及的に切除
して湿重量を測定した。左大腿骨は末梢側は骨端をスリ
ップさせ、中枢側は骨膜および筋肉を可及的に切除し
て、骨端部と骨幹部に3分割し骨髄を生理的食塩水でよ
く洗い流して、120℃で一昼夜乾燥した後、乾燥重量を
測定し骨量とした。
して湿重量を測定した。左大腿骨は末梢側は骨端をスリ
ップさせ、中枢側は骨膜および筋肉を可及的に切除し
て、骨端部と骨幹部に3分割し骨髄を生理的食塩水でよ
く洗い流して、120℃で一昼夜乾燥した後、乾燥重量を
測定し骨量とした。
2.骨強度測定 新鮮時の右大腿骨は、HEIDON-14型表面性測定機(新東
科学製)を改良した骨破断特性測定機で、プランジャー
速度25mm/分または50mm/分、フルスケール5kg、チャー
ト速度320mm/分の条件で測定し、その記録図から破断強
度と破断するまでの時間を測定した。
科学製)を改良した骨破断特性測定機で、プランジャー
速度25mm/分または50mm/分、フルスケール5kg、チャー
ト速度320mm/分の条件で測定し、その記録図から破断強
度と破断するまでの時間を測定した。
3.骨カルシウム定量 破断後の右大腿骨は、骨端を切り取り骨髄を生理的食塩
水でよく洗い流し、120℃で一昼夜乾燥した後、重量を
量り、これを1N塩酸で120℃、2時間抽出し、カルシウ
ムC−テストキット(和光純薬K.K.)でカルシウム含有
量を測定した。
水でよく洗い流し、120℃で一昼夜乾燥した後、重量を
量り、これを1N塩酸で120℃、2時間抽出し、カルシウ
ムC−テストキット(和光純薬K.K.)でカルシウム含有
量を測定した。
4.骨コラーゲン定量 乾燥重量を測定した左大腿骨は、骨乾部のみを測定に用
いた。重量測定を行った後、0.1Mクエン酸緩衝液、pH4.
0に調製した0.2MのEDTA溶液中で2日間脱灰し、蒸留水
で充分に洗浄し、6N塩酸で130℃、3時間加水分解し
た。塩酸を加熱除去してからウエスナー(Woessner)法
でハイドロキシプロリン含有量を測定した。
いた。重量測定を行った後、0.1Mクエン酸緩衝液、pH4.
0に調製した0.2MのEDTA溶液中で2日間脱灰し、蒸留水
で充分に洗浄し、6N塩酸で130℃、3時間加水分解し
た。塩酸を加熱除去してからウエスナー(Woessner)法
でハイドロキシプロリン含有量を測定した。
II.結果 A.成熟マウスに対する長期投与 CAR群の骨では破断強度、破断までの時間共に対照群よ
りも13%高く、CARの長期経口投与によって骨強度の増
加が見られた(第3表)。
りも13%高く、CARの長期経口投与によって骨強度の増
加が見られた(第3表)。
B.HC投与による実験的骨粗鬆症の予防 生理食塩水投与の対照群の骨破断強度は動物の成長に伴
って2、4、5週間と増加したが、HC10mg/kg/日の投与
はそれを有意に抑制した。この間HC投与にCAR200mg/kg/
日を併用して経口投与したCAR群の破断強度は、対照群
との有意差は認められず、HC群に対しては、4、5週間
目で有意に大きかった。破断するまでの時間も破断強度
と同様の傾向を示した。なお、HC投与によって体重は抑
制される傾向が見られたが、マウスの成長に影響を与え
るほど有意なものではなかった(第4表) C.骨重量および骨成分 骨重量および成分の分析結果を第5表に示す。CAR群の
骨重量は、骨髄を含んだ湿重量では対照群、HC群と殆ど
差がみられなかったが、骨皮質のみの乾燥重量では有意
に大きかった。ハイドロキシプロリンとして測定したコ
ラーゲン量、カルシウム量は、単位g当たりでは有意な
差は見られなかったが、骨全体の量に換算するとCAR群
で有意に多かった。
って2、4、5週間と増加したが、HC10mg/kg/日の投与
はそれを有意に抑制した。この間HC投与にCAR200mg/kg/
日を併用して経口投与したCAR群の破断強度は、対照群
との有意差は認められず、HC群に対しては、4、5週間
目で有意に大きかった。破断するまでの時間も破断強度
と同様の傾向を示した。なお、HC投与によって体重は抑
制される傾向が見られたが、マウスの成長に影響を与え
るほど有意なものではなかった(第4表) C.骨重量および骨成分 骨重量および成分の分析結果を第5表に示す。CAR群の
骨重量は、骨髄を含んだ湿重量では対照群、HC群と殆ど
差がみられなかったが、骨皮質のみの乾燥重量では有意
に大きかった。ハイドロキシプロリンとして測定したコ
ラーゲン量、カルシウム量は、単位g当たりでは有意な
差は見られなかったが、骨全体の量に換算するとCAR群
で有意に多かった。
〔発明の効果〕 L−カルノシンの、ヒトの老齢化による骨粗鬆症に対す
る効果は極めて顕著である。
る効果は極めて顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−127835(JP,A) 特開 昭61−186322(JP,A) 特開 昭63−14728(JP,A) 特開 昭60−16934(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】L−カルノシンまたはその塩を有効成分と
して含有することを特徴とする、ヒトの骨粗鬆症予防
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1044199A JPH0717505B2 (ja) | 1989-02-23 | 1989-02-23 | 骨粗鬆症予防剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1044199A JPH0717505B2 (ja) | 1989-02-23 | 1989-02-23 | 骨粗鬆症予防剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02221230A JPH02221230A (ja) | 1990-09-04 |
JPH0717505B2 true JPH0717505B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=12684902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1044199A Expired - Lifetime JPH0717505B2 (ja) | 1989-02-23 | 1989-02-23 | 骨粗鬆症予防剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717505B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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JP2811331B2 (ja) * | 1989-10-02 | 1998-10-15 | ゼリア新薬工業株式会社 | 骨形成促進剤 |
JPH1112192A (ja) * | 1997-06-18 | 1999-01-19 | Zenyaku Kogyo Kk | 骨粗鬆症予防・治療剤 |
JP4989841B2 (ja) * | 2003-10-16 | 2012-08-01 | 株式会社優芳舞 | 血管新生阻害剤、血管新生を伴う疾患の治療剤または予防剤 |
Family Cites Families (4)
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---|---|---|---|---|
JPS6045161B2 (ja) * | 1977-04-12 | 1985-10-08 | 甲子四郎 永井 | 熱傷の治療剤 |
JPS6016934A (ja) * | 1983-07-06 | 1985-01-28 | Kaneshiro Nagai | 抗腫瘍剤 |
JPS61186322A (ja) * | 1985-02-13 | 1986-08-20 | Nippon Univ | 免疾調節剤 |
JPS6314728A (ja) * | 1986-07-03 | 1988-01-21 | Zeria Shinyaku Kogyo Kk | 肝障害の予防、治療剤 |
-
1989
- 1989-02-23 JP JP1044199A patent/JPH0717505B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02221230A (ja) | 1990-09-04 |
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