[go: up one dir, main page]

JPH07138441A - 水性樹脂分散液およびその製造方法 - Google Patents

水性樹脂分散液およびその製造方法

Info

Publication number
JPH07138441A
JPH07138441A JP9658694A JP9658694A JPH07138441A JP H07138441 A JPH07138441 A JP H07138441A JP 9658694 A JP9658694 A JP 9658694A JP 9658694 A JP9658694 A JP 9658694A JP H07138441 A JPH07138441 A JP H07138441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrolein
meth
weight
dispersion
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9658694A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiro Iriguchi
治郎 入口
Tomoyuki Kuwamoto
知幸 桑本
Junichi Josa
淳一 帖佐
Tatsuto Matsuda
立人 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP9658694A priority Critical patent/JPH07138441A/ja
Priority to US08/311,341 priority patent/US5543456A/en
Priority to EP94115234A priority patent/EP0645405A1/en
Publication of JPH07138441A publication Critical patent/JPH07138441A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 (メタ)アクロレインとその他ビニル系単量
体とからなる共重合体を水性媒体中に分散してなり、残
存する未反応(メタ)アクロレインや数平均分子量が1
000未満の低分子量体の含有量が極めて少ない為に、
毒性や刺激臭の問題が無い水性樹脂分散液及びその製造
方法を提供する。 【構成】 (メタ)アクロレイン単位(A)3〜80重
量%及びその他ビニル系単量体単位(B)20〜97重
量%(ただし(A)+(B)=100重量%である。)
からなる共重合体の水性樹脂分散液であって、且つ残存
する未反応(メタ)アクロレインが、該分散液中の固形
分に対し0.1重量%以下であることを特徴とする水性
樹脂分散液およびその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(メタ)アクロレイン
とその他ビニル系単量体とからなる共重合体の水性樹脂
分散液及びその製造方法に関するものであり、さらに詳
しくは、残存する未反応(メタ)アクロレインや数平均
分子量が1000未満の低分子量体が極めて少ない為
に、刺激臭や毒性の問題の無い(メタ)アクロレインと
その他ビニル系単量体とからなる共重合体の水性樹脂分
散液及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクロレインを含むビニル系単
量体を用いて通常の乳化重合を行うと、安定な水性樹脂
分散液が得られることは公知であり、例えば特開平2−
24370号公報、高分子化学1971年28巻313
号430〜436頁などが知られている。しかしなが
ら、(メタ)アクロレインの重合転化率が100%では
ない為に、重合終了後に未反応の(メタ)アクロレイン
を留去する必要があるが、通常の乳化重合では水性樹脂
分散液中に含まれる(メタ)アクロレインを留去するこ
とが困難であり、(メタ)アクロレインに特有の刺激臭
や毒性の問題があった。さらに、通常の乳化重合法によ
って(メタ)アクロレイン単位の含有量が多い共重合体
を調製すると、数平均分子量が1000未満の低分子量
体が多く生成し、これら低分子量体による毒性の問題が
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先に述べた様に、通常
の乳化重合では、残存する未反応(メタ)アクロレイン
を水性樹脂分散液中から除去することが困難である為
に、残存(メタ)アクロレインに起因する特有の刺激臭
や毒性の問題があること、さらには、数平均分子量が1
000未満の低分子量体の含有量が多く毒性の問題があ
ること等から実用的には使用出来なかった。
【0004】本発明はこの様な現状に鑑み、残存する未
反応(メタ)アクロレインが極めて少なく、さらには、
数平均分子量が1000未満の低分子量体の含有量も極
めて少ない為に毒性や刺激臭の問題が無い水性樹脂分散
液、及びその製造方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(メタ)ア
クロレイン単位(A)3〜80重量%及びその他ビニル
系単量体単位(B)が20〜97重量%(ただし(A)
+(B)=100重量%である。)からなる共重合体の
水性樹脂分散液であって、且つ該分散液中に残存する未
反応(メタ)アクロレインが該分散液中の固形分に対し
0.1重量%以下である水性樹脂分散液によって解決さ
れることを見いだした。また、該共重合体中に含まれる
数平均分子量が1000未満である低分子量体が、該共
重合体に対し10重量%以下であることを特徴とする水
性樹脂分散液によって、さらに毒性が低くなることも見
いだした。
【0006】また、(メタ)アクロレイン(a)3〜8
0重量%及びその他ビニル系単量体単位(b)20〜9
7重量%(ただし(a)+(b)=100重量%であ
る。)からなる重合性単量体成分を有機溶剤中で共重合
した後、得られた共重合体溶液を界面活性剤の存在下に
水性媒体中に分散させ、分散工程の前および/または分
散工程の後に、未反応(メタ)アクロレインの除去工程
を設けることによって前記水性樹脂分散液が製造出来る
ことも見いだした。
【0007】
【作用】本発明の(メタ)アクロレインは、アクロレイ
ン及び/又はメタアクロレインを意味し、両者のどちら
か1種或は混合物を用いても何等ら差しつかえないが、
工業的な供給面を考慮するとアクロレインが有利であ
る。
【0008】本発明において、(メタ)アクロレインと
共重合させるビニル系単量体は特に限定されるものでは
なく、(メタ)アクリル酸及びそのエステル類;(メ
タ)アクリルアミド及びその誘導体;スチレン及びその
誘導体;(メタ)アクリロニトリル;塩化ビニリデンや
塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル等のビニ
ルエステル類;マレイン酸及びそのエステル類;複素環
式ビニル化合物等を挙げることが出来、これらの中から
用途に応じて適宜少なくとも1種以上を選択することが
可能である。これらの中でも、メタアクリル酸及びその
エステル類とスチレン及びその誘導体がアクロレインラ
ジカルとの反応性に優れているので好ましい。
【0009】共重合を行う重合性単量体中の(メタ)ア
クロレインの含有量は通常3〜80重量%であるが、該
含有量が3重量%未満では得られる水性樹脂分散液の性
能が満足できるものではなく、80重量%より多いと有
機溶剤中での重合の際に不溶のポリマーが析出するので
均一に水性媒体へ分散することが不可能である。得られ
る水性樹脂分散液の性能的には重合性単量体中の(メ
タ)アクロレインの含有量が多い方が良く、好ましくは
20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であ
る。また、有機溶剤中での重合は重合性単量体中の(メ
タ)アクロレイン含有量が少ない方が安定であり、好ま
しくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下
である。
【0010】共重合体の分子量は特に限定されるもので
はなく、通常、数平均分子量で3000〜50000
0、好ましくは4000〜100000である。重合開
始剤の使用量やビニル系単量体の有機溶剤中の濃度や連
鎖移動剤の使用等によって分子量の調節が可能である。
【0011】共重合の様式は特に限定されるものではな
く、ラジカル重合、レドックス重合、イオン重合等の手
法を適宜使用することが可能である。通常(メタ)アク
ロレインには不純物として水が含まれている為に、完全
に非水系にすることは経済的に困難であり、非水系を必
要とするイオン重合はこの観点から不適であり、脂溶性
のラジカル開始剤、例えば、アゾ系の開始剤や有機過酸
化物の使用が推奨される。これらを具体的に例示するな
らば、アゾ系の開始剤としては、アゾビス(イソブチロ
ニトリル)、アゾビス(ジメチルバレロニトリル)、ア
ゾビス(シクロプロピルプロピオニトリル)、アゾビス
(メトキシ−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(シ
クロヘキサンカルボニトリル)、アゾビス(メチルプロ
ピオニトリル)などを挙げることが出来、有機過酸化物
としては、メチルエチルケトンパーオキサイドなどのケ
トンパーオキサイド;ラウロイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;
クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイドなどのヒドロパーオキサイド;ジクミルパ
ーオキサイド、ジーt−ブチルパーオキサイドなどのジ
アルキルパーオキサイド;パーオキシケタール;アルキ
ルパーエステル;パーカーボネートなどを挙げることが
出来る。これら重合開始剤の使用量も限定されるもので
はないが、ビニル系単量体に対して0.1〜5重量%が
好ましい。
【0012】共重合の温度は通常30〜100℃であ
り、30℃より低いと重合が遅く、100℃より高いと
加圧の反応容器が必要な場合があり経済的に好ましくな
い。より好ましくは50〜80℃である。また、重合時
間は通常2〜10時間である。
【0013】共重合を行う際に使用する有機溶剤として
は特に限定されるものではないが、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素類:ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸
メチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメトキシエタ
ン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類などを挙げ
ることが出来、これらの中から少なくとも1種以上を選
択して使用することが出来る。共重合体溶液を水性媒体
に分散した後に回収、再使用すると経済的に有利である
ので水に実質的に溶解しない有機溶剤の方が好ましい。
また、(メタ)アクロレイン共重合体の溶液は有機溶剤
の極性が高い方が安定性が良く好ましい。これらの点か
ら、エステル類とトルエンが好ましく、酢酸エステル類
がより好ましい。
【0014】重合時の有機溶剤の使用量は特に限定され
るものではないが、全ての重合性単量体に対して0.1
〜10重量倍が推奨される。0.1重量倍より少ないと
重合終了時の溶液の粘度が高くなる為に特殊な装置が必
要であり、10重量倍より多くても経済的な負荷が増加
するだけである。
【0015】共重合体溶液を水性媒体に分散させる際に
は、共重合体の溶液中の濃度を10〜70重量%とする
のが好ましい。70重量%より高いと溶液の粘度が高く
なって分散が困難となり、10重量%より低くても効果
は変わらず経済的な負荷が増加するだけである。より好
ましくは20〜60重量%である。また、分散時に使用
する有機溶剤と重合時に使用する有機溶剤は同一である
必要性はなく、異なる有機溶剤を用いても何等差し支え
ないが、同一の溶剤を用いる方が、リサイクル使用時の
分離工程が不要であり経済的に有利である。
【0016】共重合体溶液を分散させる水性媒体として
は、水および/または水と水に溶解する有機溶剤との混
合物を使用することが出来る。
【0017】また、該共重合体溶液と水性媒体との比率
は、両者の合計に対して該共重合溶液を30〜60重量
%とするのが好ましく、60重量%より高いと相転移が
おこり易くなるため分散が困難であり、30重量%より
低くても効果は同じであって経済的負荷が増加するだけ
である。より好ましくは、35〜55重量%の範囲であ
る。
【0018】共重合体溶液を水性媒体に分散するには、
所望する粒子径によって異なるが、一般の攪拌機、ホモ
ジナイザー、高圧ホモジナイザーなどの使用が推奨され
る。粒子径がミリメートル単位であれば一般の攪拌機
を、マイクロメーター単位ではホモジナイザーの使用が
好ましい。さらに、0.01〜1マイクロメーターの範
囲ではホモジナイザーで粗く分散させた後に、高圧ホモ
ジナイザーでさらに細かく分散させる方法が好ましい。
これら、分散機の回転数や差圧は要求する粒子径によっ
て適宜選択することが可能である。
【0019】共重合体溶液を水性媒体に分散させる際に
使用される界面活性剤は、通常の乳化重合に慣用の界面
活性剤をそのまま使用することが出来、例えば、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ア
ルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルまたはアルキルアリル硫酸エステル塩
などの陰イオン性界面活性剤:ポバール、ポリオキシエ
チレンアルキルまたはアルキルアリルエーテル、ポリオ
キシエチレン誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、高級
脂肪族アルコール、などの非イオン性界面活性剤;アミ
ンオキサイド、アルキルアミン塩、アルキルベタイン、
第4級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤等を
挙げることが出来る。これらの中でも、硫酸塩がナトリ
ウム塩であるものが着色が認められないので好ましい。
特に、粒子径を0.1μm以下にする場合にはアニオン
性界面活性剤、または、アニオン性界面活性剤と非イオ
ン性界面活性剤の組合せが好ましく、ポリオキシエチレ
ンアルキルまたはアルキルアリル硫酸エステル塩、アル
キル硫酸エステル塩がより好ましい。これら界面活性剤
の使用量は(メタ)アクロレイン共重合体に対して固形
分換算で通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜7重
量%である。
【0020】残存する未反応(メタ)アクロレインを除
去するには、(メタ)アクロレインの共重合体溶液又は
該共重合体溶液を水性媒体中に分散して得られた水性分
散液を、常圧ないしは減圧下で加熱し、蒸発してくる
(メタ)アクロレインの蒸気を分離するだけでよく、経
済的には、この蒸気を冷却して再使用するのが好まし
い。未反応(メタ)アクロレインの除去工程は、重合終
了後又は前記共重合体溶液を水性媒体中に分散した後に
設けるのが良く、場合によっては両方で行っても何等差
し支えない。重合終了後、すなわち重合して得られた共
重合体溶液を水性媒体中に分散する前に、未反応(メ
タ)アクロレインの除去工程を設けるほうが、残存する
(メタ)アクロレインの除去が容易な点で好ましい。こ
の場合には、通常、常圧ないしは減圧の条件下で前記共
重合体溶液の温度が100℃になるまで加熱し、重合に
使用した有機溶剤と共に留去すればよい。さらに(メ
タ)アクロレインの残存量を低下させたい場合には、前
記共重合体溶液の温度を120℃以上に加熱する方法、
有機溶剤を留去する際の減圧度を50〜600mmHg
の範囲で行う方法、新たに有機溶剤を追加して前記共重
合体溶液中の有機溶剤と共に留去する方法およびこれら
の方法を2つ以上組合せる方法が推奨される。一方重合
終了後の共重合体溶液を水性媒体中に分散した後に、未
反応(メタ)アクロレインの除去工程を設ける場合に
は、通常、常圧ないしは減圧の条件下、好ましくは減圧
度が50〜600mmHgの範囲の減圧下で、得られた
水性樹脂分散液を50〜100℃に加熱して、重合に使
用した有機溶剤および水性媒体と共に留去すればよい。
その際、共に水性媒体を除去することによって分散液中
の固形分濃度を調整することも可能である。
【0021】これらの操作によって、前記分散液中に含
まれる残存(メタ)アクロレインは固形分に対し0.1
重量%以下となる。前記水性樹脂分散液中に残存する
(メタ)アクロレインは、通常は固形分に対して0.1
重量%以下であり、これより高いと刺激臭が強くて実用
的には使用できず、好ましくは0.05重量%以下、よ
り好ましくは0.01重量%以下である。
【0022】
【発明の効果】本発明において提供される水性樹脂分散
液は、残存(メタ)アクロレインや低分子量体による刺
激臭や毒性の問題が無く、さらに平均粒子径が0.01
〜0.2μmと小さく保存安定性に優れた分散液を調製
することも可能である。従って、ポリマー中に含有する
アルデヒド基を利用するあらゆる用途に展開可能であ
る。例えば、水酸基やアミノ基、チオール類との反応を
利用した高分子架橋剤としてポバール、エバール、ポリ
酢酸ビニル樹脂エマルション、アクリルポリオール、ポ
リアミン、ポリエチレンイミン等水酸基やアミノ基を有
する合成高分子の架橋剤;でんぷん、セルロース、カル
ボキシメチルセルロース等の多糖類の架橋剤;ゼラチ
ン、カゼイン等の蛋白質の架橋剤などに応用出来る。さ
らに、繊維処理剤としての応用;繊維処理剤、染料等の
耐久性付与剤としての応用;紙力増強剤としての応用;
殺菌剤や抗菌剤としての応用などが可能である。また、
アルデヒド基にアミノカルボン酸類、硫化ナトリウム
類、水硫化ナトリウムなどを反応させて各種金属キレー
ト能を付与した水溶性高分子の原料としても使用可能で
ある。
【0023】また、本発明において提供される水性樹脂
分散液の製造方法は、残存(メタ)アクロレインや数平
均分子量が1000未満の低分子量体が極めて少ない為
に、刺激臭や毒性の問題が無い水性樹脂分散液を製造す
ることを可能にするものであり、さらに粒子径の規制が
容易な為に平均粒子径の調節が可能であること、また共
重合体中の(メタ)アクロレイン含有量が均質である水
性樹脂分散液を得ることが可能である等、工業上極めて
有用な製造方法である。
【0024】
【実施例】以下、実施例で本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0025】ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
(以下GPCと略す)の測定にはTOSOH社製HLC
−8020型装置を用い、カラムはHXL−L、G30
00、G2000を連結し、テトラヒドロフランを展開
溶媒として使用して行った。また、分子量は分子量既知
のポリスチレンを標準試料に用いて検量線を作製し、こ
れを基に算出した。
【0026】赤外吸収スペクトルはBIO RAD社製
のFTS−45型FT−IR装置を使用し、反応溶液か
ら脱溶剤して得られた固体をKBr製錠板にして測定し
た。
【0027】分散液の粒子径は野崎産業(株)製のNI
COP−370型サブミクロン粒子径測定装置を用いて
測定した。
【0028】ガスクロマトグラフの測定は島津(株)製
のGC−14型ガスクロマトグラフ装置を用い、SUP
ELCO社製のSPB(TM)−1、長さ30m、径0.5
3mmのキャピラリーカラムを使用した。
【0029】(製造例−1)冷却管及び攪拌装置付の1
000mlフラスコを窒素置換し、酢酸エチル200g
とアゾビス(ジメチルバレロニトリル)(V−65、和
光純薬(株)製)6.4gを仕込、さらに、アクロレイ
ン72.0g(1.29モル)とメチルメタアクリレー
ト(以下MMAと略す。)128.5g(1.29モ
ル)の混合液の2割を投入した。この共重合体溶液を攪
拌下、油浴で60℃まで加熱し、さらに60℃で30分
保持した。ついで、60℃に保ちながらアクロレインと
MMAの混合液の残り8割を2時間かけて滴下した。そ
の後さらに、60℃で30分間保持した後、70℃まで
加熱し、70℃で2時間保持した。この共重合体溶液中
の残存アクロレインとMMAをガスクロマトグラフィー
によって定量し、重合転化率を求めたところ、それぞれ
85%、87%であった。冷却管を付け替え、この共重
合体溶液の温度が105℃になるまで加熱して酢酸エチ
ルと共に未反応のアクロレインとMMAを留去した。こ
の濃縮液に固形分濃度が20重量%になる様に新たな酢
酸エチルを加えて樹脂溶液(1)を得た。得られた共重
合体のGPC分析では数平均分子量は5000であり、
数平均分子量が1000未満のピークは面積にして全体
の0.5%以下であった。また、樹脂溶液(1)を減圧
下で脱溶剤して得られた固体のIRスペクトルを図1に
示した。
【0030】(製造例−2)アクロレインを117.6
g(2.10モル)及びMMAを90.0g(0.90
モル)用いた以外は、製造例−1と同様な操作を繰り返
して樹脂溶液(2)を得た。この樹脂溶液は40℃以下
になると共重合体が析出するので分散および脱溶剤迄の
間は50℃に保持した。得られた共重合体のGPC分析
では数平均分子量は5000であり、数平均分子量が1
000未満のピークは面積にして全体の0.5%以下で
あった。また、樹脂溶液(2)を減圧下で脱溶剤して得
られた固体のIRスペクトルを図2に示した。
【0031】(製造例−3)MMA128.5gの代わ
りにスチレン133.6g(1.28モル)を、酢酸エ
チルの代わりにトルエンをそれぞれ用い、重合後の未反
応モノマー及びトルエンの留去を、溶液の温度を115
℃とし400mmHgの減圧下で行った以外は製造例−
1と同様な操作を繰り返して樹脂溶液(3)を得た。得
られた共重合体のGPC分析では数平均分子量は500
0であり、数平均分子量が1000未満のピークは面積
にして全体の0.5%以下であった。
【0032】(製造例−4)重合単量体成分として、ア
クロレインを70.0g(1.25モル)、MMAを3
0.2g(0.30モル)及びブチルアクリレートを1
00.6g(0.78モル)用いた以外は製造例−1と
同様な操作を繰り返して樹脂溶液(4)を得た。得られ
た共重合体のGPC分析では数平均分子量は5000で
あり、数平均分子量が1000未満のピークは面積にし
て全体の0.5%以下であった。
【0033】(製造例−5)共重合体溶液から酢酸エチ
ルと共に未反応のアクロレインとMMAを留去する操作
を省いた以外は製造例−1と同様な操作を繰り返して樹
脂溶液(5)を得た。
【0034】(実施例−1)イオン交換水693gにポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム35重量%水溶液6.9g(エマールNC−35、
花王(株)製)を加え、この水溶液をホモミキサー(特
殊機化工業(株)製:HV−M型)で12000回転毎
分の回転速度で攪拌しながら、製造例−1で得られた樹
脂溶液(1)を300g加え、さらに5分間攪拌した。
この分散液中の粒子の平均粒子径は1〜2μmであっ
た。さらに、この分散液をマイクロフルイダイザー(み
づほ工業(株)製:M−110−EH型)を用い、50
0バールの差圧をかけてさらに細かく分散させた。得ら
れた分散液を減圧下で85℃まで加熱して脱溶剤を行う
ことにより、水性分散体(1)を得た。得られた水性分
散体(1)の平均粒子径、固形分濃度、残存アクロレイ
ンの濃度及び固形分に対する重量%を表1に示す。ま
た、これら水性分散体(1)にはアクロレイン特有の刺
激臭は全く感じられず、着色も全く認められなかった。
【0035】(実施例−2〜5)樹脂溶液(1)のかわ
りに、製造例−2〜4で得られた樹脂溶液(2)〜
(4)に各々代えた以外は、実施例1と同様にして各々
水性分散体(2)〜(4)を得た。また、樹脂溶液
(1)のかわりに、製造例−5で得られた樹脂溶液
(5)に代え、脱溶剤を行う際に未反応のアクロレイン
とMMAを共に留去した以外は、実施例1と同様にして
水性分散体(5)を得た。
【0036】得られた水性分散体(2)〜(5)の平均
粒子径、固形分濃度、残存アクロレインの濃度及び固形
分に対する重量%を表1に示す。また、これら水性分散
体(2)〜(5)にはアクロレイン特有の刺激臭は全く
感じられず、着色も全く認められなかった。
【0037】(実施例−6〜10)界面活性剤をポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム
35重量%水溶液6.9gから、ラウリル硫酸ナトリウ
ム粉末2.4g(エマール0、花王(株)製)に代えた
以外は実施例−1〜5と同様な操作を繰り返して各々水
性分散体(6)〜(10)を得た。得られた水性分散体
(6)〜(10)の平均粒子径、固形分濃度、残存アク
ロレインの濃度及び固形分に対する重量%を表1に示
す。また、これら水性分散体(6)〜(10)にはアク
ロレイン特有の刺激臭は全く感じられず、着色も全く認
められなかった。
【0038】(実施例−11〜15)分散の際のマイク
ロフルイダイザーの差圧を500バールから300バー
ルに代えた以外は実施例−1〜5と同様な操作を繰り返
して各々水性分散体(11)〜(15)を得た。得られ
た水性分散体(11)〜(15)の平均粒子径、固形分
濃度、残存アクロレインの濃度及び固形分に対する重量
%を表1に示す。また、これら水性分散体(11)〜
(15)にはアクロレイン特有の刺激臭は全く感じられ
ず、着色も全く認められなかった。
【0039】(比較例−1)冷却管及び攪拌装置付の3
00mlフラスコに窒素置換後、イオン交換水180
g、過硫酸カリウム0.4g及びドデシル硫酸ナトリウ
ム1.9gを投入し、さらにアクロレイン11.0g
(0.20モル)とスチレン20.4g(0.20モ
ル)を攪拌下に加えた。この溶液を攪拌下に50℃まで
加熱して6時間攪拌を続けた。残存アクロレインとスチ
レンをガスクロマトグラフィーによって測定し、重合転
化率を求めたところ、それぞれ62%、42%であっ
た。冷却管を付けかえ、溶液を100℃に加熱して水と
共に未反応のアクロレインとスチレンを留去し、水性分
散体(比−1)88gを得た。この水性分散体(比−
1)を大過剰のテトラヒドロフランに溶解させてGPC
分析を行ったところ、数平均分子量は6000であった
が、数平均分子量が1000未満のピークは面積にして
全体の15%あった。また、この水性分散体(比−1)
の平均粒子径、固形分濃度、分散体中の残存アクロレイ
ン濃度及び固形分に対する重量%を表1に示す。なお、
この水性分散体(比−1)にはアクロレイン特有の刺激
臭が強く感じられると共に、水を留去する間に茶褐色に
着色した。
【0040】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、製造例−1で得られた物質の赤外吸収
スペクトルを示す。
【図2】図2は、製造例−2で得られた物質の赤外吸収
スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 立人 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒機能開発研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクロレイン単位(A)3〜8
    0重量%及びその他ビニル系単量体単位(B)20〜9
    7重量%(ただし(A)+(B)=100重量%であ
    る。)からなる共重合体の水性樹脂分散液であって、該
    分散液中に残存する未反応(メタ)アクロレインが、該
    分散液中の固形分に対し0.1重量%以下である水性樹
    脂分散液。
  2. 【請求項2】 共重合体中に含まれる数平均分子量が1
    000未満の低分子量体が、該共重合体に対し10重量
    %以下であることを特徴とする請求項1記載の水性樹脂
    分散液。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクロレイン(a)3〜80重
    量%及びその他ビニル系単量体(b)20〜97重量%
    (ただし(a)+(b)=100重量%である。)から
    なる重合性単量体成分を有機溶剤中で共重合した後、得
    られた共重合体溶液を界面活性剤の存在下に水性媒体中
    に分散させ、分散工程の前および/または分散工程の後
    に、未反応(メタ)アクロレインの除去工程を設けるこ
    とを特徴とする水性樹脂分散液の製造方法。
  4. 【請求項4】 分散工程の前に、未反応(メタ)アクロ
    レインの除去工程を設けることを特徴とする請求項3記
    載の水性樹脂分散液の製造方法。
JP9658694A 1993-09-27 1994-05-10 水性樹脂分散液およびその製造方法 Pending JPH07138441A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9658694A JPH07138441A (ja) 1993-09-27 1994-05-10 水性樹脂分散液およびその製造方法
US08/311,341 US5543456A (en) 1993-09-27 1994-09-23 Process for preparing an aqueous resin dispersion and an aqueous resin dispersion obtained by the process
EP94115234A EP0645405A1 (en) 1993-09-27 1994-09-27 Process for preparing an aqueous resin dispersion and an aqueous resin dispersion obtained by the process

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24008593 1993-09-27
JP5-240085 1993-09-27
JP9658694A JPH07138441A (ja) 1993-09-27 1994-05-10 水性樹脂分散液およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07138441A true JPH07138441A (ja) 1995-05-30

Family

ID=26437773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9658694A Pending JPH07138441A (ja) 1993-09-27 1994-05-10 水性樹脂分散液およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07138441A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09224659A (ja) * 1996-02-20 1997-09-02 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 酵素修飾剤
JP2010533654A (ja) * 2007-07-19 2010-10-28 ケメック・リミテッド 殺生物性アクロレイン組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09224659A (ja) * 1996-02-20 1997-09-02 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 酵素修飾剤
JP2010533654A (ja) * 2007-07-19 2010-10-28 ケメック・リミテッド 殺生物性アクロレイン組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100309053B1 (ko) 소수성단위로이루어진양이온성분산제를함유한수용성고분자기제의안정한수성분산액
JPH06826B2 (ja) グラフトコポリマーの水系分散液の製造法
JPH11116762A (ja) 新規な会合型ポリマーと、逆相乳化重合によるその製造方法
JP3137752B2 (ja) トナー用樹脂の製造方法
JPH07138441A (ja) 水性樹脂分散液およびその製造方法
JP3644432B2 (ja) 水性樹脂分散体の製造方法
JP3225105B2 (ja) コア・シェル型エマルジョンの製造方法
JP3440197B2 (ja) 偏平状異形微粒子の製造方法および該微粒子を含むエマルジョン
JP3334207B2 (ja) 球状重合体粒子の製造方法
JP4089111B2 (ja) ビニル系ポリマー中の未反応モノマーの低減方法
JP3655408B2 (ja) エマルジョン粒子のカルボキシル基濃度の制御方法
JPH01318027A (ja) 水性樹脂組成物の製造方法
JPH05295052A (ja) グラフト化ビニルポリマーの製造方法
JPH07173791A (ja) 紙力増強用組成物
JPH07278396A (ja) 抗菌性組成物
JP2697443B2 (ja) 高分子乳化剤
JPS6320308A (ja) 保護コロイド系アクリルハイドロゾルの製造方法
JP2989645B2 (ja) ポリビニルエステル系重合体およびその製法
JP2008280526A (ja) 重合体微粒子の製造方法
JPS6361006A (ja) カチオン型高分子ラテツクスの製造方法
JP2003105006A (ja) 重合体回収方法及び重合体組成物
JP2697869B2 (ja) くし形共重合体の製造方法
JPH06172466A (ja) 共重合体樹脂水性分散液
JP3333785B2 (ja) 球状重合体の製造方法
JPS60240763A (ja) ゼラチン組成物