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JPH07128637A - 光学素子 - Google Patents

光学素子

Info

Publication number
JPH07128637A
JPH07128637A JP27692793A JP27692793A JPH07128637A JP H07128637 A JPH07128637 A JP H07128637A JP 27692793 A JP27692793 A JP 27692793A JP 27692793 A JP27692793 A JP 27692793A JP H07128637 A JPH07128637 A JP H07128637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
electrode
potential
light
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27692793A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Koichi Kimura
宏一 木村
Kenichi Nakagawa
謙一 中川
Mitsuru Sawano
充 沢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP27692793A priority Critical patent/JPH07128637A/ja
Publication of JPH07128637A publication Critical patent/JPH07128637A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】複雑な回路構成を必要とせずにソフトフォーカ
ス画像を容易に形成できる光学素子を提供する。 【構成】一方の電極3は、長手状の両端に低抵抗部7を
有し該両低抵抗部7の間に高抵抗部9を一体に有し、該
高抵抗部9に低電位用接点11を有する。一方の電極3
と他方の電極5との間に液晶を挟装する。両電極3、5
間に電位差を生じさせかつ前記高抵抗部9に低電位を設
定し、高抵抗部9の領域で電位勾配を生じさせて、液晶
の光透過状態をエリア制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソフトフォーカス画像
を容易に形成できる光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写真の分野でソフトフォーカス写
真を作成するには、撮影時にカメラにソフトフォーカス
フィルタを装着して撮影時に画像を加工している。ま
た、撮影済みのネガフィルムの画像をソフトフォーカス
加工して印画紙に焼き付けることもできる。このような
写真プリント以外の分野でも、ソフトフォーカス画像を
形成する要望があり、アナログ光による複写装置でも容
易にソフトフォーカス画像を形成できることが望まれて
いる。
【0003】複写装置で原画の内容を複写する際にソフ
トフォーカス加工を施すには、原画と感光材料との間に
ソフトフォーカスフィルタを配置してソフトフォーカス
フィルタを通過した原画の散乱光で感光材料を所定時間
露光する。ソフトフォーカスフィルタは光を散乱させる
機能を有し、ソフトフォーカス加工は散乱光を利用して
行われる。このようなソフトフォーカスフィルタを用い
ずに散乱光を得るには、例えば光を散乱させる機能を有
する液晶を用いればよく、液晶に電場を印加して液晶の
光散乱状態を生じさせることができる。そして光散乱状
態を生じさせた液晶を通した光で感光材料を露光すれ
ば、感光材料上での結像をぼかすことができる。
【0004】液晶を用いて結像をぼかす技術として、特
公昭64−10819号公報、特開昭61−16982
3号公報、特開平1−257820号公報、特開昭62
−220926号公報に記載のものがある。特公昭64
−10819号公報には、マトリクス電極を用いて所定
領域ごとに光散乱状態を生じさせる技術が開示されてい
る。特開昭61−169823号公報には、セグメント
電極を用いて所定領域ごとに光散乱状態を生じさせて、
所定領域のみにソフトフォーカス加工を施す技術が開示
されている。特開平1−257820号公報には、撮影
用カメラ等で被写体と感光材料との間に位置するように
液晶部材を配置して、液晶部材の光散乱状態を部分的に
制御して、感光材料に露光される画像にぼかし処理を施
すことが記載されている。特開昭62−220926号
公報には、画素単位で電位勾配を生じさせて光散乱状態
を生じさせる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特公昭64−10
819号公報、前記特開昭61−169823号公報、
前記特開平1−257820号公報に記載の技術は、マ
トリクス電極やセグメント電極により所定エリアの光透
過制御を行うものであり、そのための回路構成が複雑に
なるという問題がある。また、マトリクス電極やセグメ
ント電極の形状で光散乱領域が設定されるので、電極の
間のブラックマトリクス等の部分が画素の境界となり、
これがマスクとなってしまい、画像にノイズが生じて画
質が低下する問題がある。また、前記特開昭62−22
0926号公報の技術は、各画素内で電位勾配を生じさ
せて光散乱状態を制御するので、各画素を構成する電極
の回路構成に加えて、各画素で電位勾配を生じさせる回
路構成が必要であるので、回路構成が更に複雑になる。
【0006】本発明の目的は、上記従来の問題を解決す
ることにあり、複雑な回路を必要とせずに、ノイズの生
じないソフトフォーカス画像を容易に形成できる光学素
子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 (1) 対向配置した電極間に液晶を挟装して一方の電
極と他方の電極との間に印加する電位に勾配を生じさせ
て、液晶の光透過状態をエリア制御する光学素子。
【0008】(2) 長手状の両端部に同レベルの高電
位を印加され前記両端部の間に低電位用接点を有する一
方の電極と、該電極と液晶を介して対向配置した他方の
電極とを有し、両電極間に電位差を生じさせかつ前記接
点に低電位を設定して、前記一方の電極の前記両端部と
前記接点との間に電位勾配を生じさせて、液晶の光透過
状態をエリア制御する光学素子。
【0009】(3) 面状の周縁部に同レベルの高電位
を印加され前記周縁部に囲まれた部分に低電位用接点を
有する一方の電極と、該電極と液晶を介して対向配置し
た他方の電極とを有し、両電極間に電位差を生じさせか
つ前記接点に低電位を設定して、前記一方の電極の前記
周縁部と前記接点との間に電位勾配を生じさせて、液晶
の光透過状態をエリア制御する光学素子。
【0010】
【作用】対向電極間の電位を一定にせずに電位勾配を生
じさせて、対向電極間に挟装した液晶の光透過状態を制
御することにより、液晶の配向状態が変わる閾値と前記
電位勾配との関係で液晶の配向状態が変わる領域が決ま
り、光学素子に画素を設定せずにエリア制御できるの
で、複雑な回路構成を必要とせずに、光の透過状態をエ
リア制御することができる。また、光学素子には特に画
素が設定されていないので、画素設定用のブラックマト
リクス等、光を遮るものがなく不要なマスクが防止さ
れ、ノイズのない画像を形成することができる。
【0011】電位勾配を生じさせるには、電極に均一に
電圧を印加した上で電極の一部に低電位を設定すればよ
い。また電極に電圧を均一に印加するためには、電極形
状は低抵抗部が高抵抗部を挟むか又は囲んだ形状が好ま
しく、低抵抗部を介して高抵抗部に電圧を印加すること
が好ましい。光学素子がスリット露光用の場合、光学素
子はスリット光と同方向に延びる長手状に形成されるの
が好ましい。この場合、一方の電極は長手状の両端部に
低抵抗部を有し両低抵抗部の間に高抵抗部を有するよう
に構成され、高抵抗部の長側辺に低電位用の接点を設け
る。低電位用接点を長手状の長側辺の一方に設けること
により、この低電位用接点と両端の低抵抗部(高電位用
接点)との間に電位勾配を形成することができる。
【0012】ここで、低電位用の接点は長側辺の一方に
あることから、電位勾配は両端の低抵抗部から低電位用
接点に向かう。また、電極の低抵抗部の短辺方向の両端
部から低電位用接点までの距離が異なることから、電位
勾配の傾斜角度も変わる。そのため、光の透過状態が変
わる閾値電位の領域は、スリット露光の副走査方向に対
して斜めに交差するようになる。したがって、閾値電位
が副走査方向に対して斜めの領域をスリット光が通る
と、この部分では液晶により調整された光と何ら調整さ
れない光とによる合成光とで露光され、調光部と非調光
部との境界が目立たなくなる。
【0013】また、面露光用には、一方の電極が所定の
大きさの面状の高抵抗部の周縁に低抵抗部を一体に有
し、他方の対向電極との間に液晶を挟装して光学素子を
構成する。そして、高抵抗部に低電位用接点を設けるこ
とにより、この接点と周縁の低抵抗部との間に電位勾配
を生じさせることができる。低電位用接点の周囲には、
ほぼ放射状に広がる電位勾配が生じるので、閾値電位は
閉曲線になりこの閉曲線の内外で異なる光の透過状態が
得られる。
【0014】本発明に用いることのできる液晶の種類と
しては、電場無印加で透明であり電場印加で散乱状態と
なるものでもよく、逆に電場無印加で散乱状態であり電
場印加で透明となるものでもよい。本発明では液晶とし
て、DSM(ダイナミックスキャタリングモード、動的
散乱モード)、PC(フェイズチェンジモード、相転移
モード)、PDLC(ポリマー分散型液晶)を用いるこ
とができる。透明時のことを考えると、DSMが最も透
明であるので好ましい。
【0015】まず動的散乱型液晶について説明する。動
的散乱型(DSM:Dymanic ScatteringMode) と呼ばれる液
晶デバイスについては、ビレンドラ・バハドゥール編
「リクイド・クリスタルズ・アプリケーションズ・アン
ド・ユーセズ」(1990年、ワールド・サイエンティ
フィック社刊)の195頁〜230頁、及びその引用文
献に記載がある。動的散乱型液晶は、透明電極とその上
に配向処理を施した2枚の透明基板でネマティック液晶
を挟持したものである。そこに封入される液晶化合物又
は組成物は、通常、誘電率の異方性が負で、1010オー
ムセンチメートル程度かそれ以下のやや低い抵抗率を有
し、導電率の異方性(分子長軸方向の導電率から、これ
と直交する方向の導電率を引いた差)が正である。更
に、通常は、イオン性の化合物(以下、ドーパントと略
す)が10乃至1000ppm添加される。
【0016】動的散乱動作を示す化合物として公知のも
のは1980年以前に知られていた化合物が多く、例え
ばN−p−メチルベンジリデン−p−ブチルアニリンに
代表されるシッフ塩基、p−置換フェニル、p−置換安
息香酸エステルを使用することができる。この他に動的
散乱動作を示すネマティック液晶はすべて用いることが
できる。
【0017】液晶デバイスの配向処理として、垂直配向
処理と水平配向処理が知られており、動的散乱モードに
はこれら両方が用いられる。したがって、本発明の目的
に適合するように、電圧無印加状態で液晶の光散乱が極
微であれば、本発明においては、本質的にいかなる配向
処理も利用可能である。それらの中で、垂直配向処理を
施したセルは、電圧無印加状態の透過率が高いこと、及
び光拡散の立体的対称性が良いので、他の配向法より有
利である。配向処理方法としては、例えばシランカップ
リング剤処理、ポリイミドなどのポリマーコート処理な
どが用いることができ、必要に応じてラビングを施すこ
とが好ましい。ドーパントとしては、臭化テトラブチル
アンモニウムなどの4級有機アンモニウム塩が代表的に
用いられる。ここで、対アニオンとしてカルボキシレー
トを用いてもよい。また、テトラシアノキノジメタン
(TCNQ)とテトラチアフルバレン(TTF)に代表
される電荷移動錯体も利用できる。
【0018】動的散乱型液晶は直流でも交流でも駆動可
能であるが、素子寿命の観点からは交流駆動が好まし
い。その際、好適な周波数と電圧は液晶組成物、ドーパ
ントの種類と濃度、温度に大きく依存する。動的散乱型
液晶は、基板上の電極にある電圧(閾電圧)以下の電圧
が印加されているときには、液晶層を通過する光を散乱
しない。閾電圧以上の電圧を印加すると、液晶層を通過
する光は散乱する。散乱の程度は、液晶材料、配向膜の
作成条件、セル厚、印加電圧などの要因によって変化す
る。
【0019】動的散乱型液晶のこのような性質は、原画
をソフトフォーカス加工して複写しようとする本発明の
目的に極めて好適である。すなわち、光拡散能が角度半
値幅で5°から30°以上であり、ソフトフォーカスプ
リント用途としては十分である。しかも拡散の程度を印
加電圧によって制御できるので、拡散能の固定した拡散
板などを用いるよりも柔軟性に富んだシステムを作るこ
とが可能となる。
【0020】次に相転移型液晶(Phase Change Mode Liq
uid Crystal)について説明する。相転移型液晶は相変化
型液晶とも言う。相転移型液晶は螺旋構造の分子配列を
持つコレステリック(Ch)相から垂直配向構造のネマ
チック(N)相、又はこの逆のN相からCh相への相変
化は電界の強弱により生じる。電界が弱い場合は、螺旋
構造のCh相をとるが、電界が強い場合には螺旋構造が
解けてN相へ変化する。Ch相はフォーカルコニック組
織を形成し光を散乱するがN相は光を散乱せずこのとき
素子は透明化する。相転移型液晶はこの電気光学効果を
利用した素子であるが光の散乱を利用するために偏光板
を必要とせず明るい素子が得られる。これらについて
は、下記文献に記載されている。J. J. Wysocki et a
l., Phys. Rov. Lett., 20, 1024 (1968) 、G. H. Heil
meier and L. A. Zanoni, Appl. Phys. Lett., 13, 91
(1968)、H. Malchior et al., Appl. Phys. Lett., 21,
392 (1972) 。
【0021】次に高分子分散型液晶について説明する。
高分子分散型液晶は、高分子マトリクスにネマチック液
晶滴が完全又は部分的に包囲された構造を有している。
ここで液晶の常光屈折率と高分子の屈折率とが一致する
ように組み合わせると、素子に電界を印加した場合には
液晶が電界方向に配向し液晶と高分子の屈折率とが一致
するので透明になり、一方、電界を印加しない場合には
液晶が高分子からの配向規制力によってランダムに配向
するため液晶と高分子の屈折率が一致せず光を散乱す
る。
【0022】このような高分子分散型液晶を用いた液晶
調光部材は、偏光板が不要で明るい画面が得られる。ま
た、フィルム状で連続成形が可能であり、セル化や大面
積化が容易である。高分子分散型液晶は、その分散形態
等の違いにより下記のように各種呼称があり、これらを
本発明に用いることができる。
【0023】NCAP(Nematic Courvilinear Alligned
Phase):液晶をマイクロカプセル化して樹脂に入れて固
めたことに特徴がある。商品名「UMU」(日本板硝子
社製)。(特公平3−52843号、米国特許出願番号
第302,780号、J. L.Fergason, 1985, SID Dig.
Tech. Papers 68p)PDLC(Polymer Dispersed Liquid
Crystal): 液晶と高分子との相分離を用いて形成する
ことに特徴がある。(J. W. Doane et al., Appl, Phys.
Lett., 48(4), 269 (1986))PNLC(Polymer Network
Liquid Crystal): 高分子マトリクスが紫外線重合化合
物で三次元網目構造を有することに特徴がある。大日本
インキ化学工業が開発。(竹内他、第15回液晶討論会
206(1989))
【0024】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の第1実施
例を説明する。図1は液晶を用いた本発明の光学素子の
原理図である。光学素子は一対の透明対向電極の間に液
晶が挟装された構成であるが、図1には対向電極のみ示
してある。この光学素子1はスリット露光に用いる調光
フィルタであり、両電極3、5はスリット光の主走査方
向に延びる長手状に形成されている。第1の電極3は長
手方向の両端部に低抵抗部7を有し、両低抵抗部7の間
が高抵抗部9になっている。第2の電極5は、全面の抵
抗が均一なベタ電極である。
【0025】一方の電極3の高抵抗部9は透明であるこ
とが必要であり、例えばITOを用いることができる。
また、低抵抗部7としては同じくITOでもよく、汎用
されている金属電極でもよい。また、他方の対向電極5
も透明であることが必要であり、例えばITOを用いる
ことができる。低抵抗部7は高抵抗部9に均一に電圧を
印加するためのものであるが、これを省略して高抵抗部
9の両端に電圧を直接印加してもよい。
【0026】光学素子1の断面構造は、図2に示すよう
に、2枚の配向膜の間に液晶化合物を保持し、配向膜
(例えばポリイミド)の外側に更に絶縁膜(例えばSi
2 )、透明電極、ガラス基板、反射防止膜を順次層設
したものである。これらの一対の透明対向電極3、5の
間には液晶が挟装され、これらは一体に露光ガラス等に
固着される。電極3、5間に挟装される液晶としては、
電圧の印加により透明状態から光散乱状態になるもの、
あるいは電圧の印加により光散乱状態から透明状態にな
るものなどを用いることができるが、本実施例では電圧
印加により光散乱状態になるものを用いることとする。
このような特性の液晶としては、誘電率の異方性が負の
ネマチック液晶、例えばメルク(E.Merck)社製
のZLI−4330、ZLI−2806、ZLI−45
18、ZLI−4318などを用いることができる。
【0027】第1の電極3の両端の低抵抗部7と、第2
の電極5との間には所定の電圧が印加され、電圧が印加
された部分の液晶は配向状態が変わり、光散乱状態とな
る。このとき、第1の電極3は第2の電極5よりも高電
位になるように電圧が印加される。第1の電極3の高抵
抗部9の一辺には、1又は複数の接点11が設けられ
る。この接点11は、両端の低抵抗部7の電位よりも低
い電位に設定されるものであり、図示の場合、接点11
a〜11gは複数設けられ、各接点11a〜11gは独
立に接地されることができ電位を0Vにすることができ
る。なお、図示の例では低電位用接点11の電位は0V
に設定されるが、低電位用接点11の電位は両端の低抵
抗部7の電位よりも低ければよい。
【0028】第1の電極3と第2の電極5との間に所定
電位差が生じるように電圧が印加されると、両電極3、
5の間の液晶はこの所定電位差により配向状態が変わり
光散乱状態になる。したがって、第1の電極3と第2の
電極5との間が全面にわたって所定電位差が生じれば、
全面が光散乱状態となる。しかし、第1の電極3の一辺
に設けてある接点11a〜11gのうち、1又は複数の
接点11a〜11gを低電位にすることにより、この接
点11a〜11gの近傍では設定された所定電位差が生
じなくなる。設定された所定電位差が生じないと液晶の
配向状態も光散乱を起こすまでには変化せず、この部分
の液晶は光透過状態になる。
【0029】したがって、接点11を適当に選択して接
地することにより、所定電位差が生じない領域を設定す
ることができ、光散乱状態にある光学素子1中での透明
部分の領域を設定することができる。このように、上記
構成の光学素子1は、電圧印加部分では液晶の配向状態
が変わって液晶が光散乱状態となるので、液晶への電圧
印加領域を低電位用接点の選択により制御することによ
って、光散乱領域をエリア制御することができる。
【0030】以下に上記構成の光学素子1における光散
乱領域のエリア制御について説明する。図3(A)に示
すように、電極3、5の長手方向の中央の接点11dに
低電位部を設定すると、対向電極3、5との間には、図
3(B)に示すような電位勾配V1が生じる。光学素子
1の両端の低抵抗部7には所定電圧が印加されているの
で電位差が大きいが、中央のC点に向かって対向電極
3、5との間の電位差が徐々に少なくなって行き、中央
のC点近傍で電位差は0になる。なお、高電位部から低
電位部に向かう過程の勾配は直線的であるが、低電位部
に近づくほど電位の低下率は曲線的に大きくなり、この
結果、低電位用接点11dだけが0Vになるのではな
く、低電位用接点11dの近傍も0Vになる。
【0031】対向電極3、5の電位差が所定閾値電位S
H1(図3(B)に点線で示す)より低いと光の散乱は
生じないので、光学素子1は電位差が閾値電位SH1よ
り低い中央近傍の領域では透明状態となる。これに対
し、電位差が閾値電位SH1より高い両端の領域では、
液晶の配向状態が変わって光散乱状態が生じ、図3
(A)に示すように、長手方向中央近傍の透明部の両側
に光散乱部が生じるようになる。
【0032】上記のように電圧を印加した光学素子1
を、長手方向をスリット露光時のスリット光の主走査方
向に一致させて配置し、光学素子1を透過させたスリッ
ト光で走査露光を行うと、主走査の両端近傍では散乱光
が得られ、この部分に対応した感光材料ではソフトフォ
ーカス露光が行われる。すなわち、感光材料は長手方向
両端近傍では散乱光により露光されぼやけた画像が形成
され、中央近傍では何ら調光されない光で露光されシャ
ープな画像が形成される。
【0033】図3において、接点11dを左右の他の接
点に変更すれば透明領域及び光散乱領域も接点の変更に
従って変わる。この場合、低電位用接点11a〜11g
を複数同時に設定して透明と光散乱領域を制御すること
ができる。複数の低電位用接点を設定すれば、これらの
接点の間の領域はかならず透明になる。また、低電位用
接点11を固定した上で、低抵抗部7に印加する電圧を
増減して図3(B)に想像線で示すような電位勾配V
2,V3を形成してエリア制御することもできる。また
同様に、閾値電位を変更して図3(B)に想像線で示す
閾値電位SH2,SH3にすることによってもエリア制
御することができる。更に、低電位用接点11の電位を
増減することによってもエリア制御することができる。
【0034】上記の構成は、複数の低電位用接点11a
〜11gが独立に設けられているが、低電位用接点とし
て高抵抗部9の長側辺に接する摺動子を設けることによ
り、任意の位置に低電位用接点を設定することもでき
る。このようなソフトフォーカスのエリア制御にあって
は、画素単位での制御や、セグメント単位での制御がな
いので、複雑な回路構成が不要であり、簡単な構成でソ
フトフォーカス加工のエリア制御を行うことができる。
【0035】なお、前述のように、低電位用接点を0V
にすると、その近傍の所定範囲までが0Vになる。平面
内でのこの電位分布状態を図4に示すと、低電位用接点
の近傍の半円形の領域が0Vになる。一方、両端の低抵
抗部7の各点7a〜7dと低電位用接点11dとの電位
差は等しいので、等電位部分は低電位用接点11dを中
心に放射状に広がり、等電位線は円弧となる。したがっ
て、液晶の配向状態が変わる閾値電位SH1も円弧とな
ることから、光透過部分と光散乱部分との境界線も円弧
となる。スリット露光にあっては、矢印D方向に副走査
するので、幅Wの領域では透明部分を透過した光と光散
乱部分を透過した光との合成光で感光材料を露光する。
したがって、形成された画像はシャープな画像とソフト
フォーカス画像との境界が鮮明にならず、シャープ画像
とソフトフォーカス画像の境界がグラデーション状態に
なるという効果がある。
【0036】次に、図5を参照して光学素子の第2の実
施例について説明する。図5(A)は第2の実施例の原
理図である。この光学素子21は対向配置した一対の円
形電極23,25からなり、第1の電極23は周縁部が
低抵抗部27で、低抵抗部27以外の中央寄りの他の部
分が高抵抗部29となっている。第2の電極25は全面
が均一抵抗のベタ電極である。第1の電極23の高抵抗
部29には、1又は複数の低電位用の接点31を設ける
ことができ、図5(A)に示す例では、中央に1つの接
点31が設けられている。
【0037】第1の電極23の低抵抗部27と第2の電
極25との間に、液晶が光散乱状態となる所定電位差が
生じるような電圧を印加することにより、光学素子21
の全面を光散乱状態にすることができる。ここで、第1
の電極23の低電位用接点31の電位を、周縁の低抵抗
部27よりも低くすることにより、低電位用接点31の
近傍と第2の電極25との間には、光散乱状態が生じる
ための設定された電位差が生じなくなる。したがって、
光学素子21の中央近傍では光散乱状態が生じなく透明
状態となり、これに対し周縁近傍では光散乱状態が生
じ、周縁近傍だけのソフトフォーカス加工を行うことが
できる。
【0038】この第2の実施例において、低電位用接点
31の数及び位置は図5(A)に示す位置に限らず、任
意に設定することができる。低電位用接点31は、第1
の電極23に対して同心に設けてもよく偏心させて設け
てもよい。第2の実施例においても、低電位用接点31
の位置、低電位用接点31の電位、低抵抗部27への印
加電圧、液晶が光散乱状態を生じるための閾値電位、等
を制御することにより、電極23、25面内での光散乱
状態をエリア制御することができる。
【0039】この第2の実施例の光学素子21は、横断
面が円形の光束を加工するのに好適であり、この光学素
子21を写真カメラ、ビデオカメラ等の撮影装置に内蔵
して用いると、容易にソフトフォーカス撮影することが
できる。特に、所定領域だけをソフトフォーカスにする
場合であっても、そのための画素制御やセグメント制御
が不要であり、低電位用接点31の制御だけでよいの
で、複雑な回路構成は不要である。したがって、簡単な
構成でソフトフォーカス加工を行うことができる。な
お、第2の実施例の電極形状は円形であるが、電極は矩
形等の形状であってもよく、用途に応じていかなる形状
にしてもよい。
【0040】上記各実施例の光学素子の駆動は、直流又
は交流のいずれによってもよく、交流の場合はサイン波
でも三角波でもよい。上記各実施例の構成において、液
晶としてメルク社製の液晶ZLI−4318にテトラブ
チルアンモニウムブロマイドを0.04wt%加えたも
のを用い、50Hzの交流サイン波で、第1の電極と第
2の電極との間に波高値0V〜±70Vを印加し、低電
位用接点を接地したところ、所定領域のみ光散乱状態が
生じ、光散乱部をエリア制御できた。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、対向電極間の電位を一
定にせずに電位勾配を生じさせて、対向電極間に挟装し
た液晶の光透過状態を制御することにより、光学素子に
画素を設定せずにエリア制御できるので、画素単位で制
御する場合やセグメント単位で制御する場合のような複
雑な回路構成を必要とせずに、簡単な構成で光の透過状
態をエリア制御することができる。しかも、本発明は画
素を設定しないので、従来のように画素の境界がマスク
となることを防止でき、ノイズのない画像を形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子の原理図である。
【図2】本発明の光学素子の断面図である。
【図3】本発明の光学素子の第1実施例の作動説明図で
あり、(A)は原理図、(B)は電位勾配と閾値との関
係を表すグラフである。
【図4】電位の平面分布状態図である。
【図5】本発明の光学素子の第2の実施例の作動説明図
であり、(A)は原理図、(B)は電位勾配と閾値との
関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1、21 光学素子 3、23 第1の電極 5、25 第2の電極 7、27 低抵抗部 9、29 高抵抗部 11、31 低電位用接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢野 充 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配置した電極間に液晶を挟装して一
    方の電極と他方の電極との間に印加する電位に勾配を生
    じさせて、液晶の光透過状態をエリア制御する光学素
    子。
  2. 【請求項2】 長手状の両端部に同レベルの高電位を印
    加され前記両端部の間に低電位用接点を有する一方の電
    極と、該電極と液晶を介して対向配置した他方の電極と
    を有し、両電極間に電位差を生じさせかつ前記接点に低
    電位を設定して、前記一方の電極の前記両端部と前記接
    点との間に電位勾配を生じさせて、液晶の光透過状態を
    エリア制御する光学素子。
  3. 【請求項3】 面状の周縁部に同レベルの高電位を印加
    され前記周縁部に囲まれた部分に低電位用接点を有する
    一方の電極と、該電極と液晶を介して対向配置した他方
    の電極とを有し、両電極間に電位差を生じさせかつ前記
    接点に低電位を設定して、前記一方の電極の前記周縁部
    と前記接点との間に電位勾配を生じさせて、液晶の光透
    過状態をエリア制御する光学素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009081989A1 (ja) * 2007-12-26 2009-07-02 Asahi Glass Co., Ltd. 投射型表示装置
US12032170B2 (en) 2018-09-14 2024-07-09 Magic Leap, Inc. Systems and methods for external light management

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JPWO2009081989A1 (ja) * 2007-12-26 2011-05-06 旭硝子株式会社 投射型表示装置
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