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JPH07123965A - 保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法 - Google Patents

保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法

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Publication number
JPH07123965A
JPH07123965A JP5311011A JP31101193A JPH07123965A JP H07123965 A JPH07123965 A JP H07123965A JP 5311011 A JP5311011 A JP 5311011A JP 31101193 A JP31101193 A JP 31101193A JP H07123965 A JPH07123965 A JP H07123965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
red koji
itaconic acid
preservative
koji
ethanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5311011A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutaka Kimura
一孝 木村
Nobukazu Tanabe
伸和 田邊
Koichi Asano
幸一 浅野
Takashi Horie
尚 堀江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SUMISHO KAGAKUHIN KK
Gunze Ltd
Original Assignee
SUMISHO KAGAKUHIN KK
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SUMISHO KAGAKUHIN KK, Gunze Ltd filed Critical SUMISHO KAGAKUHIN KK
Priority to JP5311011A priority Critical patent/JPH07123965A/ja
Publication of JPH07123965A publication Critical patent/JPH07123965A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 紅麹を含有する保存剤を提供すること。 【構 成】 紅麹とイタコン酸を配合してなる保存剤お
よびこれらの成分を添加する食品または飼料の製造法で
あり、紅麹およびイタコン酸の効果が相乗し、すぐれた
食品および飼料保存効果が発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紅麹を含有する保存
剤、及び、それを利用した食品および飼料の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、紅麹に血圧降下作用、コレステロ
ール低下作用、血糖低下作用などを有することが見いだ
され、これらの効果を目的として紅麹を配合した食品が
提案されている。(例えば、特公昭60−44914
号、特公平3−31170号)
【0003】また、紅麹に抗菌作用があることも知られ
ているが、その作用はそれほど強くないため、現在では
保存剤として殆ど使用されていない。しかし、最近、こ
の紅麹の抗菌作用を利用する食品保存剤の開発が試みら
れており、例えば、特開昭62−58944号、特開昭
64−5459号、特開平3−7565号等があり、特
に、特開平3−7565号公報には、プロタミンの抗菌
力を増強するために紅麹を併用する食品保存剤が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らも、紅麹の
抗菌作用に着目し、すぐれた効果を有する保存剤を開発
すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、従来、酸味料と
して知られるイタコン酸と併用すると、両者の効果が相
乗して、特に、紅麹の細菌に対する抗菌効果が著しく向
上し、すぐれた効果を有する保存剤が得られることが判
明し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、紅麹とイタコ
ン酸を配合してなることを特徴とする保存剤を提供する
ものである。また、本発明は、紅麹とイタコン酸とを添
加することを特徴とする食品および飼料の製造法も提供
する。
【0006】
【作用】イタコン酸はカビの生産物として公知の物質で
あり、従来酸味料として食品等に用いられているが、本
発明に従い、これを紅麹と併用すると、両者の相乗効果
で強い抗菌作用があることを究明した。
【0007】かくして、本発明で用いる紅麹は、特に限
定されるものではなく、通常使用されるものいずれでも
よい。例えば、紅麹菌と澱粉質原料とを用いて製麹でき
る。紅麹菌としては、モナスカス属(Monascu
s)に属するものであればいずれの菌であってもよく、
例えば、好適には食品に供されるモナスカス・プルプレ
ウス(Monascus purpureus)、モナ
スカス・アンカ(Monascus anka)や、こ
れらの変種、変異株などが挙げられる。また、澱粉質原
料としては、麹の調製に用いることができるいずれの原
料でもよく、例えば、精白米、玄米、麦、粟、コウリヤ
ン、ソバ、トウモロコシ、大豆、小豆などの各種の穀類
や、それらの糠、フスマ、胚芽、モミガラ等を用いるこ
とができ、これらは単独でも、2種類以上を併用しても
よい。さらに、この澱粉質原料には所望により、各種の
炭素源、窒素源、無機質、ビタミン等を加えてもよい。
【0008】製麹は、固体製麹法(バラ麹法、餅麹
法)、液状製麹法のいずれもが採用できる。一般に、2
0〜40℃で、2〜14日間、麹菌を好気的に培養する
ことにより所望の紅麹を調製することができる。
【0009】得られた麹はそのまま用いてもよく、ある
いは、常法により、その乾燥物、乾燥粉砕物、抽出エキ
ス、抽出エキス濃縮物、抽出エキス粉末のごとく加工し
て用いてもよい。例えば、得られた麹を公知の乾燥法に
より乾燥し、所望により粉砕して麹乾燥物や粉末状の麹
とすることができる。また、得られた麹あるいはその乾
燥物または粉末を常法により、例えば0〜100℃で、
水、メタノール、エタノール、アセトンのような溶媒で
抽出し、所望により、常法に従って10〜100℃で濃
縮、あるいは濃縮乾固して濃縮麹エキスまたは粉末状の
麹エキスとすることができる。また、これに併用するイ
タコン酸は粉末状のものを用いる。
【0010】本発明の保存剤は、前記各成分を、常法に
より混合することによって得ることができ、混合物その
ものでも、あるいは、所望により公知の可食性の賦形剤
ないしは担体と合して粉末、顆粒状、錠剤形、ペースト
状、液体状等の形態とすることができる。紅麹(未加工
物)と前記イタコン酸との混合割合は、得られる保存剤
の効果から、通常、重量比で1:0.01〜100、好
ましくは、1:0.1〜10にあることが望ましい。
【0011】また、本発明の食品または飼料の製造法
は、本発明の保存剤、あるいは前記紅麹成分とイタコン
酸とを常法に従って公知の食品または飼料成分に夫々添
加することを特徴とするが、その添加割合は紅麹とイタ
コン酸の総重量が添加される食品、飼料の重量に対し、
0.01〜5重量%となるよう添加することが、その効
果、風味、味覚等の面において好ましい。尚、場合によ
っては、日持向上効果のある静菌剤である、例えばアジ
ピン酸、グリシン、コウジ酸およびヒノキチオール等を
適宜これに併用してもよい。
【0012】本発明の保存剤は、いかなる食品、飼料に
対しても使用できるが、特に、枯草菌、黄色ブドウ球
箇、乳酸菌等に対する効果が強いことから、ハム、ソー
セージ等の肉加工品や漬物、惣菜類に用いて好適であ
る。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0013】
【実施例】つぎに、実験および実施例をあげて本発明を
さらに詳しく説明する。 実験1 MIC(最小阻止濃度)測定による相乗効果の確認 (a)紅麹エキスの調製 他用途米を一晩水に浸漬した後、1時間水切りした浸漬
米を200ミリリットル三角フラスコに25gずつ入
れ、121℃で20分間、オートクレイブ滅菌した。つ
いで、これにモナスカス・アンカ(Monascus
anka)IF04478を無菌的に植菌し、紅麹が充
分に繁殖するまで30℃で好気的に培養した。培養後8
0℃で15分間熱処理し、紅麹菌を死滅させた後、70
℃で3時間送風乾燥し、更に粉砕機にて粉砕して粉末状
の紅麹を得た。この紅麹100gに10倍量のエタノー
ルを添加し、時折撹拌しながら、3時間抽出した。紅麹
残渣を濾過により除去した後、エバポレーターにより5
0℃で濃縮してエタノール抽出物11.2gを得た。
【0014】(b)相乗効果の確認 前記(a)で調製したエタノール抽出物と、イタコン酸
(市販品)との相乗効果を調べるために、被検菌とし
て、スタフィロコッカス・オーレウス(Staphyl
ococcus aureus)IF012732を用
い、最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。尚、MI
C測定は以下のとおり行った。
【0015】被検菌の感受性測定用培地としてミューラ
ーヒントン培地S寒天培地(栄研化学)を使用し、これ
を、121℃で20分間、オートクレイブ滅菌した後、
65℃まで冷却した。ついで、該培地中に紅麹エキス、
イタコン酸または、これらの混合物のエタノール溶液を
加え、各物質の濃度が最終的に培地に対し、0.02〜
0.22(W/V)%の範囲内になるよう濃度系列の培
地を調製した。被検菌は所定の培地を用い、30℃の温
度で1日間培養した後、10個細胞/ミリリットルに
希釈した。これを一白金耳前記の感受性測定培地にスポ
ットし、37℃の温度で20時間培養し、完全に生育が
阻害される最低濃度をMIC値とした。
【0016】(c)結果 単独の場合のMIC濃度をそれぞれ1単位の抗菌活性と
し、各成分1%の抗菌活性単位を求め、この値から混合
した場合の混合系の抗菌単位数を計算した。混合系の抗
菌単位数から混合系の1単位の濃度を算出して計算値
(%)とし、また、実測値と計算値の比率から相乗効果
を求めた。その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1の結果から明らかなように、紅麹の添
加量を1/5に減少させても、イタコン酸を0.02%
添加することによって紅麹単独の場合と同様な効果が得
られた。なお、この量は計算値よりはるかに低い添加量
である。尚、被検菌として、ストレプトコッカス・フェ
ーカリス(Streptococcus faecal
is)IF03349を用いた場合においても、前記と
同じ結果であった。
【0019】実験2 紅麹エキスとイタコン酸の配合比とMICについて 実験1に準じ、紅麹エキスとイタコン酸の混合比率を活
性でみて100:0、80:20、60:40、40:
60、20:80、または、0:100となるように、
重量比で1:0、1:0.56、1:1.5、1:3.
3、1:8.9、または、0:1に混合し、各混合物の
MICを測定した。尚、被検菌としては、バチルス・サ
チラス(Bacillus subtilis)IF0
14191を用いた。以上の結果は、図1の実験に示す
ように、相乗効果により、それぞれの使用量は点線で示
す相乗効果のない理論割合よりはるかに低い配合使用量
で済むことがわかる。
【0020】実験3 液体培養実験 ベプトン0.5%、酵母エキス0.5%、グリコース
0.5%、硫酸マグネシウム0.1%からなる滅菌液体
培地に、紅麹粉末、イタコン酸、または、これらの混合
物を添加し、30℃で1日培養したバチルス・サチラス
(Bacillus subtilis)IF0141
91、スタフィロコッカス・オーレウス(Staphy
lococcus aureus)IF012732、
ロイコノストック・メセンテロイデス(Leucono
stoc mesenteroides)IF0334
9の培養液を一定量植菌し、30℃で3日間培養し、生
菌数を経時的に測定した。その結果をそれぞれ表2、表
3、表4に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】以上の結果から明らかなとおり、各種の被
検菌に対し、相乗効果により殺菌に近い静菌作用を示し
た。
【0025】
【発明の効果】紅麹とイタコン酸とを併用することによ
って、その相乗効果により、それぞれ単独の場合に比べ
て著しく抗菌作用が向上する。それにより、食品や飼料
用の、より少量の使用量ですぐれた効果を発揮する保存
剤が得られる。また、使用量を少なくできることから、
従来の日持向上剤等の使用に伴う、味、におい等の欠点
も解消される。特に、肉加工品、漬物、惣菜等に好適に
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】併用割合とその相乗効果を理論値と対比して示
すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 幸一 京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グン ゼ株式会社京都研究所内 (72)発明者 堀江 尚 大阪府大阪市北区梅田1丁目8番17号 グ ンゼ株式会社大阪本社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紅麹とイタコン酸を配合してなることを
    特徴とする保存剤。
  2. 【請求頂2】 紅麹1重量部に対し、イタコン酸を0.
    01〜100重量部の割合で配合して成ることを特徴と
    する請求項1記載の保存剤。
  3. 【請求項3】 紅麹とイタコン酸を添加することを特徴
    とする食品、飼料の製造法。
  4. 【請求項4】 紅麹1重量部に対し、イタコン酸を0.
    01〜100重量部の割合とし、これを0.01〜5重
    量%添加することを特徴とする請求項3記載の食品、飼
    料の製造法。
JP5311011A 1993-11-05 1993-11-05 保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法 Withdrawn JPH07123965A (ja)

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JP5311011A JPH07123965A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100844574B1 (ko) * 2007-06-12 2008-07-08 주식회사 파리크라상 모나스커스 배양방법
CN102898863A (zh) * 2012-10-09 2013-01-30 西藏月王生物技术有限公司 青稞红曲色素及其制备方法以及青稞红曲色素在食品中的用途
JP2021526516A (ja) * 2018-06-04 2021-10-07 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 保存組成物

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CN102898863A (zh) * 2012-10-09 2013-01-30 西藏月王生物技术有限公司 青稞红曲色素及其制备方法以及青稞红曲色素在食品中的用途
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Effective date: 20010130