JPH06277019A - 紅麹含有保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法 - Google Patents
紅麹含有保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法Info
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- JPH06277019A JPH06277019A JP5074106A JP7410693A JPH06277019A JP H06277019 A JPH06277019 A JP H06277019A JP 5074106 A JP5074106 A JP 5074106A JP 7410693 A JP7410693 A JP 7410693A JP H06277019 A JPH06277019 A JP H06277019A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 紅麹を含有する保存剤を提供すること。
【構成】 紅麹と、アジピン酸、グリシン、コウジ酸お
よびヒノキオチオールからなる群から選ばれる少なくと
も1種の静菌剤を配合してなる保存剤およびこれらの成
分を添加する食品または飼料の製造法。 【効果】 紅麹および静菌剤の効果が相乗し、すぐれた
食品および飼料保存効果が発揮される。
よびヒノキオチオールからなる群から選ばれる少なくと
も1種の静菌剤を配合してなる保存剤およびこれらの成
分を添加する食品または飼料の製造法。 【効果】 紅麹および静菌剤の効果が相乗し、すぐれた
食品および飼料保存効果が発揮される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紅麹を含有する保存
剤、それを利用した食品および飼料の製造法に関する。
剤、それを利用した食品および飼料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紅麹に血圧降下作用、コレステロ
ール低下作用、血糖低下作用などを有することが見いだ
され、これらの効果を目的として紅麹を配合した食品が
提案されている(例えば、特公昭60−44914号、
特公平3−31170号)。
ール低下作用、血糖低下作用などを有することが見いだ
され、これらの効果を目的として紅麹を配合した食品が
提案されている(例えば、特公昭60−44914号、
特公平3−31170号)。
【0003】また、紅麹に抗菌作用があることも知られ
ているが、その作用はそれほど強くないため、保存剤と
して実際に使用された例は見当たらない。しかし、最
近、この紅麹の抗菌作用を利用する食品保存剤の開発が
試みられており(例えば、特開昭62−58944号、
特開平64−5459号等)、特開平3−7565号に
は、プロタミンの抗菌力を増強するために紅麹を併用す
る食品保存剤が開示されている。
ているが、その作用はそれほど強くないため、保存剤と
して実際に使用された例は見当たらない。しかし、最
近、この紅麹の抗菌作用を利用する食品保存剤の開発が
試みられており(例えば、特開昭62−58944号、
特開平64−5459号等)、特開平3−7565号に
は、プロタミンの抗菌力を増強するために紅麹を併用す
る食品保存剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らも、紅麹の
抗菌作用に着目し、すぐれた効果を有する保存剤を開発
すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、従来、静菌剤と
して知られる物質と併用すると、両者の効果が相乗し
て、特に、紅麹の乳酸菌に対する抗菌効果が著しく向上
し、すぐれた効果を有する保存剤が得られることが判明
し、本発明を完成するに至った。
抗菌作用に着目し、すぐれた効果を有する保存剤を開発
すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、従来、静菌剤と
して知られる物質と併用すると、両者の効果が相乗し
て、特に、紅麹の乳酸菌に対する抗菌効果が著しく向上
し、すぐれた効果を有する保存剤が得られることが判明
し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、紅麹と、アジ
ピン酸、グリシン、コウジ酸およびヒノキオチオールか
らなる群から選ばれる少なくとも1種の静菌剤とを配合
してなることを特徴とする保存剤を提供するものであ
る。また、本発明は、紅麹と、アジピン酸、グリシン、
コウジ酸およびヒノキオチオールからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の静菌剤とを添加することを特徴とす
る食品および飼料の製造法も提供する。
ピン酸、グリシン、コウジ酸およびヒノキオチオールか
らなる群から選ばれる少なくとも1種の静菌剤とを配合
してなることを特徴とする保存剤を提供するものであ
る。また、本発明は、紅麹と、アジピン酸、グリシン、
コウジ酸およびヒノキオチオールからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の静菌剤とを添加することを特徴とす
る食品および飼料の製造法も提供する。
【0006】アジピン酸、グリシン、コウジ酸およびヒ
ノキチオールは、いずれも食品添加物として公知の物質
であり、従来、静菌剤として用いられ、その内のいくつ
かは、日持向上剤として用いられている。一般に、静菌
剤とは、保存剤ほど高い保存効果はないが、保存性の低
い食品を数時間〜1ないし2日のオーダーで腐敗、変敗
を抑える目的で使用される添加物であり、微生物による
腐敗を防止して食品等の保存性を向上させる保存剤とは
明確に区別されている。このうち、アジピン酸は乳酸
菌、連鎖球菌に対する効果が弱く、グリシンおよびコウ
ジ酸は日持向上剤としての効果がそれほど強くなく、ま
た、ヒノキチオールは水に不溶であり、特有の匂いが強
いという欠点がある。ところが、本発明に従い、これら
を単独で、あるいは2種以上を紅麹と併用すると、両者
の効果が相乗し、かつ、欠点が解消される。
ノキチオールは、いずれも食品添加物として公知の物質
であり、従来、静菌剤として用いられ、その内のいくつ
かは、日持向上剤として用いられている。一般に、静菌
剤とは、保存剤ほど高い保存効果はないが、保存性の低
い食品を数時間〜1ないし2日のオーダーで腐敗、変敗
を抑える目的で使用される添加物であり、微生物による
腐敗を防止して食品等の保存性を向上させる保存剤とは
明確に区別されている。このうち、アジピン酸は乳酸
菌、連鎖球菌に対する効果が弱く、グリシンおよびコウ
ジ酸は日持向上剤としての効果がそれほど強くなく、ま
た、ヒノキチオールは水に不溶であり、特有の匂いが強
いという欠点がある。ところが、本発明に従い、これら
を単独で、あるいは2種以上を紅麹と併用すると、両者
の効果が相乗し、かつ、欠点が解消される。
【0007】かくして、本発明で用いる紅麹は、特に限
定されるものではなく、通常使用されるものいずれでも
よい。例えば、紅麹菌と、澱粉質原料とを用いて製麹で
きる。紅麹菌としては、モナスカス属(Monascus)に属
するものであればいずれの菌であってもよく、例えば、
好適には食用に供されるモナスカス・プルプレウス(Mo
nascus purpureus)、モナスカス・アンカ(Monascus an
ka)や、これらの変種、変異株などが挙げられる。ま
た、澱粉質原料としては、麹の調製に用いることができ
るいずれの原料でもよく、例えば、精白米、玄米、麦、
粟、コウリヤン、ソバ、トウモロコシ、大豆、小豆など
の各種の穀類や、それらの糠、フスマ、胚芽、モミガラ
等を用いることができ、これらは単独でも、2種類以上
を併用してもよい。さらに、この澱粉質原料には所望に
より、各種の炭素源、窒素源、無機質、ビタミン等を加
えてもよい。
定されるものではなく、通常使用されるものいずれでも
よい。例えば、紅麹菌と、澱粉質原料とを用いて製麹で
きる。紅麹菌としては、モナスカス属(Monascus)に属
するものであればいずれの菌であってもよく、例えば、
好適には食用に供されるモナスカス・プルプレウス(Mo
nascus purpureus)、モナスカス・アンカ(Monascus an
ka)や、これらの変種、変異株などが挙げられる。ま
た、澱粉質原料としては、麹の調製に用いることができ
るいずれの原料でもよく、例えば、精白米、玄米、麦、
粟、コウリヤン、ソバ、トウモロコシ、大豆、小豆など
の各種の穀類や、それらの糠、フスマ、胚芽、モミガラ
等を用いることができ、これらは単独でも、2種類以上
を併用してもよい。さらに、この澱粉質原料には所望に
より、各種の炭素源、窒素源、無機質、ビタミン等を加
えてもよい。
【0008】製麹は、固体麹法(バラ麹法、餅麹法)、液
状麹法のいずれもが採用できる。一般に、20〜40℃
で、2〜14日間、麹の菌を好気的に培養することによ
り所望の紅麹を調製することができる。
状麹法のいずれもが採用できる。一般に、20〜40℃
で、2〜14日間、麹の菌を好気的に培養することによ
り所望の紅麹を調製することができる。
【0009】得られた麹はそのまま用いてもよく、ある
いは、常法により、その乾燥物、乾燥粉砕物、抽出エキ
ス、抽出エキス濃縮物、抽出エキス粉末のごとき加工し
て用いてもよい。例えば、得られた麹を公知の乾燥法に
より乾燥し、所望により粉砕して麹乾燥物や粉末状の麹
とすることができる。また、得られた麹あるいはその乾
燥物または粉末を、常法により、例えば0〜100℃
で、水、メタノール、エタノール、アセトンのような溶
媒で抽出し、所望により、常法に従って10〜100℃
で濃縮あるいは濃縮乾固して濃縮麹エキスまたは粉末状
の麹エキスとすることができる。
いは、常法により、その乾燥物、乾燥粉砕物、抽出エキ
ス、抽出エキス濃縮物、抽出エキス粉末のごとき加工し
て用いてもよい。例えば、得られた麹を公知の乾燥法に
より乾燥し、所望により粉砕して麹乾燥物や粉末状の麹
とすることができる。また、得られた麹あるいはその乾
燥物または粉末を、常法により、例えば0〜100℃
で、水、メタノール、エタノール、アセトンのような溶
媒で抽出し、所望により、常法に従って10〜100℃
で濃縮あるいは濃縮乾固して濃縮麹エキスまたは粉末状
の麹エキスとすることができる。
【0010】日持向上効果のある静菌剤であるアジピン
酸、グリシン、コウジ酸およびヒノキチオールは公知の
ものいずれでもよく、単独でも、2種以上を組み合わせ
てもよい。
酸、グリシン、コウジ酸およびヒノキチオールは公知の
ものいずれでもよく、単独でも、2種以上を組み合わせ
てもよい。
【0011】本発明の保存剤は、前記各成分を、常法に
より混合することによって得ることができ、混合物その
ものでも、あるいは、所望により公知の可食性の賦形剤
ないしは担体と合して粉末、顆粒状、錠剤形、ペースト
状、液体状等の形態とすることができる。紅麹(未加工
物)と前記静菌剤との混合割合は、得られるの保存剤の
効果から、通常、重量比で1:0.01〜100、好ま
しくは1:0.1〜10である。本発明の保存剤は、い
かなる食品および飼料に対しても使用できるが、乳酸菌
に対する効果が強いことから、特に、漬物の保存剤とし
て好適である。
より混合することによって得ることができ、混合物その
ものでも、あるいは、所望により公知の可食性の賦形剤
ないしは担体と合して粉末、顆粒状、錠剤形、ペースト
状、液体状等の形態とすることができる。紅麹(未加工
物)と前記静菌剤との混合割合は、得られるの保存剤の
効果から、通常、重量比で1:0.01〜100、好ま
しくは1:0.1〜10である。本発明の保存剤は、い
かなる食品および飼料に対しても使用できるが、乳酸菌
に対する効果が強いことから、特に、漬物の保存剤とし
て好適である。
【0012】また、本発明の食品または飼料の製造法
は、本発明の保存剤、あるいは前記紅麹成分と、静菌剤
とを、常法に従って公知の食品または飼料成分に添加す
ることを特徴とする。食品または飼料成分は特に限定す
るものではない。添加量は、紅麹および静菌剤の総量と
して、最終食品または飼料に対して0.01〜5重量%
程度である。
は、本発明の保存剤、あるいは前記紅麹成分と、静菌剤
とを、常法に従って公知の食品または飼料成分に添加す
ることを特徴とする。食品または飼料成分は特に限定す
るものではない。添加量は、紅麹および静菌剤の総量と
して、最終食品または飼料に対して0.01〜5重量%
程度である。
【0013】
【実施例】つぎに、実験および実施例をあげて本発明を
さらに詳しく説明する。 実験1 MIC(最小阻止濃度)測定による相乗効果の確認 (a)紅麹エキスの調製 他用途米を一晩水に浸漬した後、1時間水切りし、浸漬
米を200ミリリットル三角フラスコに25gずつ入
れ、121℃で20分間、オートクレイブ滅菌した。つ
いで、これにモナスカス・プルプレウス(Monascus pur
pureus) ATCC48162を無菌的に植菌し、紅麹菌
が充分に繁殖するまで30℃で好気的に培養した。培養
後、70℃で3時間、送風乾燥して紅麹を得た。この紅
麹50gに10倍量の50%エタノールを添加し、時折
撹拌しながら、3時間抽出した。紅麹残渣を濾過により
除去した後、エバポレーターにより50℃で濃縮して5
0%エタノール抽出物12.1gを得た。
さらに詳しく説明する。 実験1 MIC(最小阻止濃度)測定による相乗効果の確認 (a)紅麹エキスの調製 他用途米を一晩水に浸漬した後、1時間水切りし、浸漬
米を200ミリリットル三角フラスコに25gずつ入
れ、121℃で20分間、オートクレイブ滅菌した。つ
いで、これにモナスカス・プルプレウス(Monascus pur
pureus) ATCC48162を無菌的に植菌し、紅麹菌
が充分に繁殖するまで30℃で好気的に培養した。培養
後、70℃で3時間、送風乾燥して紅麹を得た。この紅
麹50gに10倍量の50%エタノールを添加し、時折
撹拌しながら、3時間抽出した。紅麹残渣を濾過により
除去した後、エバポレーターにより50℃で濃縮して5
0%エタノール抽出物12.1gを得た。
【0014】(b)相乗効果の確認 前記(a)で調製した50%エタノール抽出物と、アジピ
ン酸(市販品)との相乗効果を調べるために、被検菌と
して、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconos
toc mesenteroides) IFO3349を用い、最小発育
阻止濃度(MIC)を測定した。MIC測定は以下のと
おり行った。
ン酸(市販品)との相乗効果を調べるために、被検菌と
して、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconos
toc mesenteroides) IFO3349を用い、最小発育
阻止濃度(MIC)を測定した。MIC測定は以下のと
おり行った。
【0015】被検菌の感受性測定用培地としてミューラ
ーヒントン培地S(栄研化学)を使用し、これを、12
1℃で20分間、蒸気殺菌した後、65℃まで冷却し
た。ついで、該培地中に50%エタノール抽出物、アジ
ピン酸、または、これらの混合物(2:1)の水溶液を加
え、各物質の濃度が最終的に培地1ミリリットル当たり
0.01〜100mgの範囲内で設定した濃度系列の培地
を調製した。被検菌は各々所定の培地を用い、30℃の
温度で2日間培養した後、106個細胞/ミリリットル
に希釈した。これを一白金耳前記の感受性測定用培地に
スポットし、30℃の温度で40時間培養した。完全に
生育が阻害される最低濃度をMIC値として測定した。
ーヒントン培地S(栄研化学)を使用し、これを、12
1℃で20分間、蒸気殺菌した後、65℃まで冷却し
た。ついで、該培地中に50%エタノール抽出物、アジ
ピン酸、または、これらの混合物(2:1)の水溶液を加
え、各物質の濃度が最終的に培地1ミリリットル当たり
0.01〜100mgの範囲内で設定した濃度系列の培地
を調製した。被検菌は各々所定の培地を用い、30℃の
温度で2日間培養した後、106個細胞/ミリリットル
に希釈した。これを一白金耳前記の感受性測定用培地に
スポットし、30℃の温度で40時間培養した。完全に
生育が阻害される最低濃度をMIC値として測定した。
【0016】(c)結果 単独の場合のMIC濃度をそれぞれ1単位の抗菌活性と
し、各成分1%の抗菌活性単位を求め、この値から、混
合した場合の混合系の抗菌単位数を計算した。混合系の
抗菌単位数から混合系の1単位の濃度を算出して計算値
(%)とした。また、実測値と計算値の比率から相乗効
果を求めた。結果を表1に示す。
し、各成分1%の抗菌活性単位を求め、この値から、混
合した場合の混合系の抗菌単位数を計算した。混合系の
抗菌単位数から混合系の1単位の濃度を算出して計算値
(%)とした。また、実測値と計算値の比率から相乗効
果を求めた。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1の結果から明らかなように、紅麹の添
加量を1/10に減少させても、アジピン酸を1/5量
の0.02%添加することによって紅麹単独の場合と同
様な効果が得られた。なお、この量は計算値よりはるか
に低い添加量である。
加量を1/10に減少させても、アジピン酸を1/5量
の0.02%添加することによって紅麹単独の場合と同
様な効果が得られた。なお、この量は計算値よりはるか
に低い添加量である。
【0019】実験2 50%エタノールをエタノールに代えた以外は、実験1
(a)と同様の方法で、紅麹のエタノール抽出物7.6g
を得た。ついで、得られたエタノール抽出物と、ヒノキ
チオール(市販品)との相乗効果を調べるために、被検
菌として、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus ca
sei) IFO3425を用いたこと、および、エタノー
ル抽出物、ヒノキチオールともにエタノール溶液にして
培地へ添加したこと以外は、実験1(b)と同様の方法で
相乗効果を評価した。結果を表2に示す。
(a)と同様の方法で、紅麹のエタノール抽出物7.6g
を得た。ついで、得られたエタノール抽出物と、ヒノキ
チオール(市販品)との相乗効果を調べるために、被検
菌として、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus ca
sei) IFO3425を用いたこと、および、エタノー
ル抽出物、ヒノキチオールともにエタノール溶液にして
培地へ添加したこと以外は、実験1(b)と同様の方法で
相乗効果を評価した。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果から明らかなように、紅麹の添
加量を1/4にしても、ヒノキチオールを1/5量の
0.002%添加することによって紅麹単独の場合と同
様な効果が得られた。なお、この量は計算値より低い添
加量であった。
加量を1/4にしても、ヒノキチオールを1/5量の
0.002%添加することによって紅麹単独の場合と同
様な効果が得られた。なお、この量は計算値より低い添
加量であった。
【0022】実験3 麹菌をモナスカス・アンカ(Monascus anka) IFO4
478に代えた以外は実験1(a)と同様の方法で紅麹エ
キスを調製した。ついで、得られた50%エタノール抽
出物とグリシンとの最適混合比を調べるために、種々の
混合比でのMICを実験1と同様の方法で求めた。
478に代えた以外は実験1(a)と同様の方法で紅麹エ
キスを調製した。ついで、得られた50%エタノール抽
出物とグリシンとの最適混合比を調べるために、種々の
混合比でのMICを実験1と同様の方法で求めた。
【0023】
【表3】
【0024】グリシンを0.1%添加することにより紅
麹エキスの添加量を1/5に減少させても紅麹単独と同
様の効果が得られる。また、グリシンを0.6%添加す
ることにより紅麹エキスを1/10に減少させることが
できる。なお、混合比は1:1が最適であった。
麹エキスの添加量を1/5に減少させても紅麹単独と同
様の効果が得られる。また、グリシンを0.6%添加す
ることにより紅麹エキスを1/10に減少させることが
できる。なお、混合比は1:1が最適であった。
【0025】また、「図1」は併用による相乗効果を表
したグラフであり、実線は本発明の割合、点線は相乗効
果のない場合の理論割合を示したもので、理論割合より
はるかに低い配合使用量で済むことがわかる。
したグラフであり、実線は本発明の割合、点線は相乗効
果のない場合の理論割合を示したもので、理論割合より
はるかに低い配合使用量で済むことがわかる。
【0026】実施例1 麹菌をモナスカス・アンカ(Monascus anka) IFO4
478に代えた以外は、実験1と同様の方法で紅麹エキ
スを調製した。常法により、ダイコンの皮を剥き、千切
りにした後、食塩を2.5%添加し、卓上漬け器で45
分間漬けてダイコンの浅漬を調製した。このダイコンの
浅漬150gを、表4に記載の割合で紅麹エキスおよび
アジピン酸、グリシンまたはコウジ酸を添加した調味液
(食塩3.6%、グルタミン酸ソーダ、アラニン、グリ
シン各々0.1%)115ミリリットルと一緒にビンに
入れて密封し、20℃で所定の時間保存し、調味液中の
生菌数とpHを経時的に測定した。結果を表4および図
2〜図7のグラフに示す。
478に代えた以外は、実験1と同様の方法で紅麹エキ
スを調製した。常法により、ダイコンの皮を剥き、千切
りにした後、食塩を2.5%添加し、卓上漬け器で45
分間漬けてダイコンの浅漬を調製した。このダイコンの
浅漬150gを、表4に記載の割合で紅麹エキスおよび
アジピン酸、グリシンまたはコウジ酸を添加した調味液
(食塩3.6%、グルタミン酸ソーダ、アラニン、グリ
シン各々0.1%)115ミリリットルと一緒にビンに
入れて密封し、20℃で所定の時間保存し、調味液中の
生菌数とpHを経時的に測定した。結果を表4および図
2〜図7のグラフに示す。
【0027】
【表4】
【0028】表4および図2〜図7の結果から明らかな
とおり、相乗効果により殺菌に近い静菌作用を示した。
また、pHがほぼ一定であることから、腐敗や変敗によ
る酸敗がないと判断された。
とおり、相乗効果により殺菌に近い静菌作用を示した。
また、pHがほぼ一定であることから、腐敗や変敗によ
る酸敗がないと判断された。
【0029】
【発明の効果】紅麹と、アジピン酸、グリシン、コウジ
酸およびヒノキチオールから選ばれる静菌剤とを併用す
ることによって、相乗効果により、それぞれ単独の場合
に比べて日持作用が向上する。それにより、食品や飼料
用の、より少量の使用量てすぐれた効果を発揮する保存
剤がえられる。また、使用量を少なくできるところか
ら、従来の日持向上剤等の使用に伴う、味、におい、着
色等の欠点も解消される。
酸およびヒノキチオールから選ばれる静菌剤とを併用す
ることによって、相乗効果により、それぞれ単独の場合
に比べて日持作用が向上する。それにより、食品や飼料
用の、より少量の使用量てすぐれた効果を発揮する保存
剤がえられる。また、使用量を少なくできるところか
ら、従来の日持向上剤等の使用に伴う、味、におい、着
色等の欠点も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 グリシン併用割合とその相乗効果を理論値と
対比して示すグラフ。
対比して示すグラフ。
【図2】 アジピン酸併用の生菌数減少に対する相乗効
果を示すグラフ。
果を示すグラフ。
【図3】 グリシン併用の生菌数減少に対する相乗効果
を示すグラフ。
を示すグラフ。
【図4】 コウジ酸併用の生菌数減少に対する相乗効果
を示すグラフ。
を示すグラフ。
【図5】 アジピン酸併用のpHに対する影響を示すグ
ラフ。
ラフ。
【図6】 グリシン併用のpHに対する影響を示すグラ
フ。
フ。
【図7】 コウジ酸併用のpHに対する影響を示すグラ
フ。
フ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/28 A 3/3526 501
Claims (10)
- 【請求項1】 紅麹と、アジピン酸、グリシン、コウジ
酸およびヒノキオチオールからなる群から選ばれる少な
くとも1種の静菌剤とを配合してなることを特徴とする
保存剤。 - 【請求項2】 紅麹1重量部に対し、静菌剤を0.01
〜100重量部配合してなる請求項1記載の保存剤。 - 【請求項3】 食品用である請求項1記載の保存剤。
- 【請求項4】 飼料用である請求項1記載の保存剤。
- 【請求項5】 紅麹と、アジピン酸、グリシン、コウジ
酸およびヒノキオチオールからなる群から選ばれる少な
くとも1種の静菌剤とを添加することを特徴とする食品
の製造法。 - 【請求項6】 紅麹1重量部に対し、静菌剤を0.01
〜100重量部用いる請求項5記載の製造法。 - 【請求項7】 紅麹と、静菌剤とを合計で0.01〜5
重量%添加する請求項5記載の製造法。 - 【請求項8】 紅麹と、アジピン酸、グリシン、コウジ
酸およびヒノキオチオールからなる群から選ばれる少な
くとも1種の静菌剤とを添加することを特徴とする飼料
の製造法。 - 【請求項9】 紅麹1重量部に対し、静菌剤を0.01
〜100重量部用いる請求項8記載の製造法。 - 【請求項10】 紅麹と、静菌剤とを合計で0.01〜
5重量%添加する請求項8記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5074106A JPH06277019A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 紅麹含有保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5074106A JPH06277019A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 紅麹含有保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06277019A true JPH06277019A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=13537613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5074106A Pending JPH06277019A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 紅麹含有保存剤およびそれを利用した食品、飼料の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06277019A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0861598A1 (en) * | 1997-02-19 | 1998-09-02 | Rhone-Poulenc Nutrition Animale | Dicarboxylic acids as an animal feed ingredient |
EP0861599A1 (en) * | 1997-02-19 | 1998-09-02 | Rhone-Poulenc Nutrition Animale | Dicarboxylic acids as an animal feed ingredient |
US5811114A (en) * | 1996-06-12 | 1998-09-22 | E-L Management Corp. | Stabilized hinokitiol and compositions containing same |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP5074106A patent/JPH06277019A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5811114A (en) * | 1996-06-12 | 1998-09-22 | E-L Management Corp. | Stabilized hinokitiol and compositions containing same |
EP0861598A1 (en) * | 1997-02-19 | 1998-09-02 | Rhone-Poulenc Nutrition Animale | Dicarboxylic acids as an animal feed ingredient |
EP0861599A1 (en) * | 1997-02-19 | 1998-09-02 | Rhone-Poulenc Nutrition Animale | Dicarboxylic acids as an animal feed ingredient |
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