JPH07112960A - N−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩、及びそれを有効成分として含有する薬物溶解剤 - Google Patents
N−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩、及びそれを有効成分として含有する薬物溶解剤Info
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- JPH07112960A JPH07112960A JP28176293A JP28176293A JPH07112960A JP H07112960 A JPH07112960 A JP H07112960A JP 28176293 A JP28176293 A JP 28176293A JP 28176293 A JP28176293 A JP 28176293A JP H07112960 A JPH07112960 A JP H07112960A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は種々の薬剤に対し優れた溶解力を有
し皮膚刺激等の副作用がなく無臭で不快感がなく、主剤
に対し不活性で相溶性に優れ物理的、化学的に極めて安
定な状態で維持できるN−置換−o−トルイジン誘導体
及びその塩を提供、及びN−置換−o−トルイジン誘導
体及びその塩の提供を目的とする。 【構成】 本発明のN−置換−o−トルイジン誘導体及
びその塩は、一般式(I)(式中、R1は低級アルキル
基を、R2はアルキル基を示す。)で表される構成を有
している。 【化1】
し皮膚刺激等の副作用がなく無臭で不快感がなく、主剤
に対し不活性で相溶性に優れ物理的、化学的に極めて安
定な状態で維持できるN−置換−o−トルイジン誘導体
及びその塩を提供、及びN−置換−o−トルイジン誘導
体及びその塩の提供を目的とする。 【構成】 本発明のN−置換−o−トルイジン誘導体及
びその塩は、一般式(I)(式中、R1は低級アルキル
基を、R2はアルキル基を示す。)で表される構成を有
している。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療品,医薬部外品,化
粧品,農薬等の化合物の溶解剤として、有用なN−置換
−o−トルイジン誘導体及びその塩、及びそれを有効成
分とする薬物溶解剤に関するものである。
粧品,農薬等の化合物の溶解剤として、有用なN−置換
−o−トルイジン誘導体及びその塩、及びそれを有効成
分とする薬物溶解剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、難溶性の薬物を投与する手段とし
て種々の溶解剤が研究されている。活性物質である薬物
は溶解剤に溶解され、人体に吸収されて初めて効力を発
揮するからである。よって、一般に活性物質を含有させ
た製剤を設計する段階では、薬物の基剤中での溶解安定
性が重要であり、薬物の基剤中における存在状態により
物理化学的安定性が左右されるのみならず、基剤からの
薬物の放出や人体への吸収、ひいては薬効にも著しい影
響を及ぼすためである。現在、溶解剤としてはオレイン
酸,ミリスチン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピ
ル,パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル,リ
モネン,ハッカ油,ユウカリ油等の精油類,ポリエチレ
ングリコール,プロピレングリコール等の多価アルコー
ル類,界面活性剤,サルチル酸グリコール,クロタミト
ン等が使用されている。特に難溶性薬物の溶解剤として
クロタミトンが繁用されている。例えば、特公平3−3
3688号公報ではインドメタシンの溶解剤としてクロ
タミトンが用いられている。特開昭51−73115号
公報ではステロイドの溶解剤として、特公平2−365
72号公報では吉草酸デキサメタゾンの析出防止剤とし
ての事例が見られる。また、特開昭59−116212
号公報ではクロタミトンを溶解剤としたインドメタシン
含有クリーム製剤が開示されている。
て種々の溶解剤が研究されている。活性物質である薬物
は溶解剤に溶解され、人体に吸収されて初めて効力を発
揮するからである。よって、一般に活性物質を含有させ
た製剤を設計する段階では、薬物の基剤中での溶解安定
性が重要であり、薬物の基剤中における存在状態により
物理化学的安定性が左右されるのみならず、基剤からの
薬物の放出や人体への吸収、ひいては薬効にも著しい影
響を及ぼすためである。現在、溶解剤としてはオレイン
酸,ミリスチン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピ
ル,パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル,リ
モネン,ハッカ油,ユウカリ油等の精油類,ポリエチレ
ングリコール,プロピレングリコール等の多価アルコー
ル類,界面活性剤,サルチル酸グリコール,クロタミト
ン等が使用されている。特に難溶性薬物の溶解剤として
クロタミトンが繁用されている。例えば、特公平3−3
3688号公報ではインドメタシンの溶解剤としてクロ
タミトンが用いられている。特開昭51−73115号
公報ではステロイドの溶解剤として、特公平2−365
72号公報では吉草酸デキサメタゾンの析出防止剤とし
ての事例が見られる。また、特開昭59−116212
号公報ではクロタミトンを溶解剤としたインドメタシン
含有クリーム製剤が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、クロタミトンは熱による安定性が悪く、分
解物による有臭があり、品質管理が行い難いとともに長
期保存性に欠けるという問題点を有していた。本発明は
上記従来の問題点を解決するもので、種々の薬剤や化粧
品、農薬等の化合物に対し優れた溶解力を有し皮膚刺激
等の副作用がなく無臭で不快感がなく、主剤に対し不活
性で相溶性に優れ物理的、化学的に極めて安定な状態で
維持できるN−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩
を提供すること、及びN−置換−o−トルイジン誘導体
及びその塩を有効成分として含有する薬物溶解剤を提供
することを目的とする。
の構成では、クロタミトンは熱による安定性が悪く、分
解物による有臭があり、品質管理が行い難いとともに長
期保存性に欠けるという問題点を有していた。本発明は
上記従来の問題点を解決するもので、種々の薬剤や化粧
品、農薬等の化合物に対し優れた溶解力を有し皮膚刺激
等の副作用がなく無臭で不快感がなく、主剤に対し不活
性で相溶性に優れ物理的、化学的に極めて安定な状態で
維持できるN−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩
を提供すること、及びN−置換−o−トルイジン誘導体
及びその塩を有効成分として含有する薬物溶解剤を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載のN−置換−o−トルイジン
誘導体及びその塩は、一般式(I)(式中、R1は低級
アルキル基を、R2はアルキル基を示す。)で表される
構成を有している。
に本発明の請求項1に記載のN−置換−o−トルイジン
誘導体及びその塩は、一般式(I)(式中、R1は低級
アルキル基を、R2はアルキル基を示す。)で表される
構成を有している。
【化2】 請求項2に記載のN−置換−o−トルイジン誘導体及び
その塩は、請求項1において、R1が炭素数C1〜C4の
低級アルキル基を、R2が炭素数C1〜C8のアルキル基
である構成を有している。請求項3に記載のN−置換−
o−トルイジン誘導体及びその塩は、請求項1におい
て、R1がメチル基又はエチル基を、R2が炭素数C4〜
C8のアルキル基(但し、R1がエチル基のとき、R2は
tert−ブチル基及びn−ペンチル基を除く。)であ
る構成を有している。請求項4に記載のN−置換−o−
トルイジン誘導体及びその塩は、請求項1において、N
−置換−o−トルイジン誘導体がN−ペンタノイル−N
−エチル−o−トルイジン又はN−イソペンタノイル−
N−エチル−o−トルイジンのいずれかである構成を有
している。請求項5に記載の薬物溶解剤は、請求項1乃
至4の内いずれか1に記載のN−置換−o−トルイジン
誘導体及びその塩を有効成分として1種又は2種以上含
有する構成を有している。
その塩は、請求項1において、R1が炭素数C1〜C4の
低級アルキル基を、R2が炭素数C1〜C8のアルキル基
である構成を有している。請求項3に記載のN−置換−
o−トルイジン誘導体及びその塩は、請求項1におい
て、R1がメチル基又はエチル基を、R2が炭素数C4〜
C8のアルキル基(但し、R1がエチル基のとき、R2は
tert−ブチル基及びn−ペンチル基を除く。)であ
る構成を有している。請求項4に記載のN−置換−o−
トルイジン誘導体及びその塩は、請求項1において、N
−置換−o−トルイジン誘導体がN−ペンタノイル−N
−エチル−o−トルイジン又はN−イソペンタノイル−
N−エチル−o−トルイジンのいずれかである構成を有
している。請求項5に記載の薬物溶解剤は、請求項1乃
至4の内いずれか1に記載のN−置換−o−トルイジン
誘導体及びその塩を有効成分として1種又は2種以上含
有する構成を有している。
【0005】次に、本発明のN−置換−o−トルイジン
誘導体及びその塩の製造方法について説明する。本発明
のN−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩(I)
は、例えば、次の反応式により一般式(II)で表される
N−置換アニリン誘導体(式中、R1 はメチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブ
チル,t−ブチル等の低級アルキル基を示す。)と一般
式(III )で表されるカルボン酸又はその反応性誘導体
(式中、R2 はメチル,エチル,プロピル,ブチル,ペ
ンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル等の直鎖状又は
分岐状のアルキル基を示す。)とを反応させることによ
って製造することができる。
誘導体及びその塩の製造方法について説明する。本発明
のN−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩(I)
は、例えば、次の反応式により一般式(II)で表される
N−置換アニリン誘導体(式中、R1 はメチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブ
チル,t−ブチル等の低級アルキル基を示す。)と一般
式(III )で表されるカルボン酸又はその反応性誘導体
(式中、R2 はメチル,エチル,プロピル,ブチル,ペ
ンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル等の直鎖状又は
分岐状のアルキル基を示す。)とを反応させることによ
って製造することができる。
【化3】 N−置換アニリン誘導体(II)とカルボン酸(III )又
はその誘導体の縮合反応により本発明のN−置換−o−
トルイジン誘導体及びその塩を容易に製造できる。N−
置換アニリン誘導体としては、R1がC1〜C4の低級ア
ルキル基のものが好適に用いられる。カルボン酸(III
)としては、R2が炭素数C1〜C8のアルキル基のもの
が好適に用いられる。カルボン酸(III )の反応性誘導
体としては、酸クロリド,酸ブロマイド等の酸ハライド
及び酸無水物,アルキル炭酸との混合酸無水物,p−ト
ルエンスルホン酸混合無水物等の混合酸無水物等が挙げ
られる。反応工程は、N−置換アニリン誘導体(II)と
カルボン酸(III )又はその反応性誘導体とを略等モル
あるいは一方を過剰量として用い、反応に不活性な有機
溶媒、例えばピリジン,テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン,エーテル,ベンゼン,トルエン,キシレン,メチレ
ンクロライド,ジクロロエタン,クロロホルム,酢酸エ
チル,アセトニトリル等の溶媒中もしくは無溶媒中で行
われる。反応誘導体の種類によっては反応に際し、トリ
エチルアミン,ピリジン,N,N−ジメチルアニリンや
炭酸カリウム,水酸化ナトリウム等の塩基を添加すると
反応は円滑に進行する。反応温度は、反応性誘導体の種
類によって異なり、特に限定されない。
はその誘導体の縮合反応により本発明のN−置換−o−
トルイジン誘導体及びその塩を容易に製造できる。N−
置換アニリン誘導体としては、R1がC1〜C4の低級ア
ルキル基のものが好適に用いられる。カルボン酸(III
)としては、R2が炭素数C1〜C8のアルキル基のもの
が好適に用いられる。カルボン酸(III )の反応性誘導
体としては、酸クロリド,酸ブロマイド等の酸ハライド
及び酸無水物,アルキル炭酸との混合酸無水物,p−ト
ルエンスルホン酸混合無水物等の混合酸無水物等が挙げ
られる。反応工程は、N−置換アニリン誘導体(II)と
カルボン酸(III )又はその反応性誘導体とを略等モル
あるいは一方を過剰量として用い、反応に不活性な有機
溶媒、例えばピリジン,テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン,エーテル,ベンゼン,トルエン,キシレン,メチレ
ンクロライド,ジクロロエタン,クロロホルム,酢酸エ
チル,アセトニトリル等の溶媒中もしくは無溶媒中で行
われる。反応誘導体の種類によっては反応に際し、トリ
エチルアミン,ピリジン,N,N−ジメチルアニリンや
炭酸カリウム,水酸化ナトリウム等の塩基を添加すると
反応は円滑に進行する。反応温度は、反応性誘導体の種
類によって異なり、特に限定されない。
【0006】
【実施例】以下本発明のN−置換−o−トルイジン誘導
体及びその塩を実施例及び試験例によって説明する。 (実施例1) N−ペンタノイル−N−エチル−o−ト
ルイジンの合成 135g(1モル)のN−エチル−o−トルイジンに1
86g(1モル)の無水吉草酸をゆっくりと加え、90
℃で7時間攪拌した。反応液を中和洗浄後蒸留(131
〜132℃/3mmHg)し、155gのN−ペンタノ
イル−N−エチル−o−トルイジンを得た。収率は71
%であった。この物質の沸点、赤外吸収スペクトル、M
Sスペクトル及び元素分析値は次の通りであった。 沸点:131〜132℃/3mmHg MSスペクトル:219(M+) 赤外吸収スペクトル(neat cm-1):1655 元素分析値:C14H21NOとしての 計算値 C 76.67%,H 9.65%,N
6.39% 分析値 C 76.52%,H 9.47%,N
6.27%
体及びその塩を実施例及び試験例によって説明する。 (実施例1) N−ペンタノイル−N−エチル−o−ト
ルイジンの合成 135g(1モル)のN−エチル−o−トルイジンに1
86g(1モル)の無水吉草酸をゆっくりと加え、90
℃で7時間攪拌した。反応液を中和洗浄後蒸留(131
〜132℃/3mmHg)し、155gのN−ペンタノ
イル−N−エチル−o−トルイジンを得た。収率は71
%であった。この物質の沸点、赤外吸収スペクトル、M
Sスペクトル及び元素分析値は次の通りであった。 沸点:131〜132℃/3mmHg MSスペクトル:219(M+) 赤外吸収スペクトル(neat cm-1):1655 元素分析値:C14H21NOとしての 計算値 C 76.67%,H 9.65%,N
6.39% 分析値 C 76.52%,H 9.47%,N
6.27%
【0007】(実施例2) N−イソペンタノイル−N
−エチル−o−トルイジンの合成 135g(1モル)のN−エチル−o−トルイジンに1
86g(1モル)の無水イソ吉草酸をゆっくりと加え、
90℃で7時間攪拌した。反応液を中和洗浄後蒸留(1
24〜125℃/3mmHg)し、145gのN−イソ
ペンタノイル−N−エチル−o−トルイジンを得た。収
率は66%であった。この物質の沸点、赤外吸収スペク
トル、MSスペクトル及び元素分析値は次の通りであっ
た。 沸点:124〜125℃/3mmHg MSスペクトル:219(M+) 赤外吸収スペクトル(neat cm-1):1655 元素分析値:C14H21NOとしての 計算値 C 76.67%,H 9.65%,N
6.39% 分析値 C 76.42%,H 9.48%,N
6.20%
−エチル−o−トルイジンの合成 135g(1モル)のN−エチル−o−トルイジンに1
86g(1モル)の無水イソ吉草酸をゆっくりと加え、
90℃で7時間攪拌した。反応液を中和洗浄後蒸留(1
24〜125℃/3mmHg)し、145gのN−イソ
ペンタノイル−N−エチル−o−トルイジンを得た。収
率は66%であった。この物質の沸点、赤外吸収スペク
トル、MSスペクトル及び元素分析値は次の通りであっ
た。 沸点:124〜125℃/3mmHg MSスペクトル:219(M+) 赤外吸収スペクトル(neat cm-1):1655 元素分析値:C14H21NOとしての 計算値 C 76.67%,H 9.65%,N
6.39% 分析値 C 76.42%,H 9.48%,N
6.20%
【0008】(試験例1) 薬物溶解試験 〈溶解性の確認〉溶解剤として実施例1,2のN−置換
−o−トルイジン誘導体と、比較例用に、エタノール,
ポリエチレングリコール(分子量400),プロピレン
グリコール,ミリスチン酸イソプロピルを準備した。薬
物としては、ケトプロフェン,インドメタシン,硝酸イ
ソソルビドを用いた。溶解条件は溶解剤と薬物の重量比
を(表1)に示すように変量したサンプルを調製し、1
20℃で加熱して徐々に溶解させた。薬物の安定性や実
用上の耐久性等を考慮し、2時間を限度に加熱を行っ
た。2時間加熱後に不溶のものは、溶解力が無いものと
見なした。 〈溶解安定性の確認〉溶解安定性は、前記溶解性の確認
試験で得られた薬物溶解液を室温で2週間以上放置し、
結晶の析出状態を観察した。また、結晶析出が明確でな
いものについては−5℃での放置も合わせて行った。ケ
トプロフェン,インドメタシン,硝酸イソソルビドに対
する溶解試験の結果を(表1),(表2),(表3)に
各々示した。
−o−トルイジン誘導体と、比較例用に、エタノール,
ポリエチレングリコール(分子量400),プロピレン
グリコール,ミリスチン酸イソプロピルを準備した。薬
物としては、ケトプロフェン,インドメタシン,硝酸イ
ソソルビドを用いた。溶解条件は溶解剤と薬物の重量比
を(表1)に示すように変量したサンプルを調製し、1
20℃で加熱して徐々に溶解させた。薬物の安定性や実
用上の耐久性等を考慮し、2時間を限度に加熱を行っ
た。2時間加熱後に不溶のものは、溶解力が無いものと
見なした。 〈溶解安定性の確認〉溶解安定性は、前記溶解性の確認
試験で得られた薬物溶解液を室温で2週間以上放置し、
結晶の析出状態を観察した。また、結晶析出が明確でな
いものについては−5℃での放置も合わせて行った。ケ
トプロフェン,インドメタシン,硝酸イソソルビドに対
する溶解試験の結果を(表1),(表2),(表3)に
各々示した。
【表1】
【表2】
【表3】 この(表1)〜(表3)から明らかなように、本実施例
のN−置換−o−トルイジン誘導体は、現在繁用されて
いる代表的な溶解剤より優れた溶解性を示し、しかも広
範囲の薬物に大しても優れた溶解作用を有することがわ
かる。更に、薬物との相溶性が極めて優れているので従
来の溶解剤よりも極めて少量で薬物を溶解できることが
わかる。
のN−置換−o−トルイジン誘導体は、現在繁用されて
いる代表的な溶解剤より優れた溶解性を示し、しかも広
範囲の薬物に大しても優れた溶解作用を有することがわ
かる。更に、薬物との相溶性が極めて優れているので従
来の溶解剤よりも極めて少量で薬物を溶解できることが
わかる。
【0009】(試験例2) 熱安定性試験 溶解剤として実施例1,2のN−置換−o−トルイジン
誘導体を用い、比較例としてクロタミトンを準備した。
試験方法は前記各溶解剤100mgを入れて栓をしたサ
ンプル管を準備し、ホットプレート上において180℃
で5時間加熱し、5時間後、サンプルの状態を目視観察
するとともに、前記各溶解剤の加熱前と加熱後のガスク
ロマトグラフィー(GC)分析を行い、加熱後の溶解剤
の残存率を求めた。図1,図2にそのGCチャートを示
すとともに、溶解剤の残存率を(表4)に示した。図1
は実施例1のN−ペンタノイル−N−エチル−o−トル
イジンの加熱前と加熱後のGCチャートであり、図2は
比較例のクロタミトンの加熱前と加熱後のGCチャート
である。図1,図2から明らかなように、実施例1のG
Cチャートには加熱前と加熱後でほとんど変化が認めら
れないが、比較例のものは加熱前に比べ加熱後のものは
cis体とtrans体のピークが各々シフトするとと
もに副生物のピークが多数認められた。この(表4)及
び図1,図2から明らかなように、本発明のN−置換−
o−トルイジン誘導体は、クロタミトンより優れた熱安
定性を有することがわかった。また、このことから製剤
処方の自由度を著しく拡大することができることがわか
った。
誘導体を用い、比較例としてクロタミトンを準備した。
試験方法は前記各溶解剤100mgを入れて栓をしたサ
ンプル管を準備し、ホットプレート上において180℃
で5時間加熱し、5時間後、サンプルの状態を目視観察
するとともに、前記各溶解剤の加熱前と加熱後のガスク
ロマトグラフィー(GC)分析を行い、加熱後の溶解剤
の残存率を求めた。図1,図2にそのGCチャートを示
すとともに、溶解剤の残存率を(表4)に示した。図1
は実施例1のN−ペンタノイル−N−エチル−o−トル
イジンの加熱前と加熱後のGCチャートであり、図2は
比較例のクロタミトンの加熱前と加熱後のGCチャート
である。図1,図2から明らかなように、実施例1のG
Cチャートには加熱前と加熱後でほとんど変化が認めら
れないが、比較例のものは加熱前に比べ加熱後のものは
cis体とtrans体のピークが各々シフトするとと
もに副生物のピークが多数認められた。この(表4)及
び図1,図2から明らかなように、本発明のN−置換−
o−トルイジン誘導体は、クロタミトンより優れた熱安
定性を有することがわかった。また、このことから製剤
処方の自由度を著しく拡大することができることがわか
った。
【0010】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、新規なN
−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩が得られ、こ
のN−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩は、各種
多岐にわたる薬物や化粧品等の化合物に対し顕著な薬物
の溶解性を示し、製剤設計の自由性を著しく拡大するこ
とができる。また、基剤中の安定性に優れ、しかも無臭
であるので不快感を与えることがないので利用性に優れ
ている。更に、本発明のN−置換−o−トルイジン誘導
体及びその塩を溶解剤として使用した製剤は主剤の有効
性を格段に向上させることができるので、薬物の治療効
果を著しく増進させることができる。
−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩が得られ、こ
のN−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩は、各種
多岐にわたる薬物や化粧品等の化合物に対し顕著な薬物
の溶解性を示し、製剤設計の自由性を著しく拡大するこ
とができる。また、基剤中の安定性に優れ、しかも無臭
であるので不快感を与えることがないので利用性に優れ
ている。更に、本発明のN−置換−o−トルイジン誘導
体及びその塩を溶解剤として使用した製剤は主剤の有効
性を格段に向上させることができるので、薬物の治療効
果を著しく増進させることができる。
【図1】実施例1の熱安定性試験でのGCチャート
【図2】クロタミトンの熱安定性試験でのGCチャート
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 進平 岡山県勝田郡勝央町大平台1−2 小川香 料株式会社岡山研究所内 (72)発明者 亀田 弥 岡山県勝田郡勝央町大平台1−2 小川香 料株式会社岡山研究所内 (72)発明者 栗林 満 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 小田 英志 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 平野 宗彦 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 中川 晃 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は低級アルキル基を、R2はアルキル基を示
す。)で表されるN−置換−o−トルイジン誘導体及び
その塩。 - 【請求項2】 R1が炭素数C1〜C4の低級アルキル基
を、R2が炭素数C1〜C8のアルキル基であることを特
徴とする請求項1に記載のN−置換−o−トルイジン誘
導体及びその塩。 - 【請求項3】 R1がメチル基又はエチル基を、R2が炭
素数C4〜C8のアルキル基(但し、R1がエチル基のと
き、R2はtert−ブチル基及びn−ペンチル基を除
く。)であることを特徴とする請求項1に記載のN−置
換−o−トルイジン誘導体及びその塩。 - 【請求項4】 N−置換−o−トルイジン誘導体がN−
ペンタノイル−N−エチル−o−トルイジン又はN−イ
ソペンタノイル−N−エチル−o−トルイジンのいずれ
かであることを特徴とする請求項1に記載のN−置換−
o−トルイジン誘導体及びその塩。 - 【請求項5】 請求項1乃至4の内いずれか1に記載の
N−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩を有効成分
として1種又は2種以上含有することを特徴とする薬物
溶解剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28176293A JPH07112960A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | N−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩、及びそれを有効成分として含有する薬物溶解剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28176293A JPH07112960A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | N−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩、及びそれを有効成分として含有する薬物溶解剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07112960A true JPH07112960A (ja) | 1995-05-02 |
Family
ID=17643626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28176293A Pending JPH07112960A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | N−置換−o−トルイジン誘導体及びその塩、及びそれを有効成分として含有する薬物溶解剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07112960A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001233764A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-28 | Hisamitsu Pharmaceut Co Inc | N−置換−o−トルイジン誘導体からなる鎮痒剤 |
-
1993
- 1993-10-15 JP JP28176293A patent/JPH07112960A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001233764A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-08-28 | Hisamitsu Pharmaceut Co Inc | N−置換−o−トルイジン誘導体からなる鎮痒剤 |
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