JPH07112306A - 表面被覆切削工具 - Google Patents
表面被覆切削工具Info
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- JPH07112306A JPH07112306A JP28050693A JP28050693A JPH07112306A JP H07112306 A JPH07112306 A JP H07112306A JP 28050693 A JP28050693 A JP 28050693A JP 28050693 A JP28050693 A JP 28050693A JP H07112306 A JPH07112306 A JP H07112306A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- cutting tool
- tool
- aluminum oxide
- coated
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 滑らかな被削面を得ることができる表面被覆
切削工具を提供する。 【構成】 切削工具基体の表面に少なくとも1層の酸化
アルミニウム層を含む複合硬質層が被覆されており、し
かも複合硬質層の最外層が酸化アルミニウム層からなる
表面被覆切削工具において、上記表面被覆切削工具のす
くい面に被覆されている酸化アルミニウム層はα型結晶
構造を主体とし、一方、逃げ面に被覆されている酸化ア
ルミニウム層はκ型結晶構造を主体としている表面被覆
切削工具。
切削工具を提供する。 【構成】 切削工具基体の表面に少なくとも1層の酸化
アルミニウム層を含む複合硬質層が被覆されており、し
かも複合硬質層の最外層が酸化アルミニウム層からなる
表面被覆切削工具において、上記表面被覆切削工具のす
くい面に被覆されている酸化アルミニウム層はα型結晶
構造を主体とし、一方、逃げ面に被覆されている酸化ア
ルミニウム層はκ型結晶構造を主体としている表面被覆
切削工具。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、極めて平滑な被削面
が得られる最外層に酸化アルミニウム層を有する複合硬
質層を被覆した表面被覆切削工具に関するものである。
が得られる最外層に酸化アルミニウム層を有する複合硬
質層を被覆した表面被覆切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超硬合金基体またはサーメット基
体の表面に化学蒸着法によりチタンの炭化物、窒化物、
炭窒化物、炭酸化物および炭窒酸化物のうち1種の単層
または2種以上の複層(以下、チタン化合物層と総称す
る)並びに少なくとも一層の酸化アルミニウム層からな
る複合硬質層を形成してなる表面被覆切削工具は、鋼、
鋳鉄などの切削に広く用いられており、上記酸化アルミ
ニウム層は最も安定で耐摩耗性に優れたα型結晶構造を
主体とした酸化アルミニウム層(以下、α−Al 2 O3
層と記す)からなるもので、上記α−Al2 O3 層は上
記チタン化合物層よりも耐拡散摩耗性に優れているとこ
ろから主として最外層に形成されることが多く、工具寿
命の向上に大いに寄与している。
体の表面に化学蒸着法によりチタンの炭化物、窒化物、
炭窒化物、炭酸化物および炭窒酸化物のうち1種の単層
または2種以上の複層(以下、チタン化合物層と総称す
る)並びに少なくとも一層の酸化アルミニウム層からな
る複合硬質層を形成してなる表面被覆切削工具は、鋼、
鋳鉄などの切削に広く用いられており、上記酸化アルミ
ニウム層は最も安定で耐摩耗性に優れたα型結晶構造を
主体とした酸化アルミニウム層(以下、α−Al 2 O3
層と記す)からなるもので、上記α−Al2 O3 層は上
記チタン化合物層よりも耐拡散摩耗性に優れているとこ
ろから主として最外層に形成されることが多く、工具寿
命の向上に大いに寄与している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記α−Al
2 O3 層は表面粗さが粗くなりやすく、最外面にα−A
l2 O3 層を形成した表面被覆切削工具を用いて鋼また
は鋳鉄を切削すると、上記鋼または鋳鉄などの被削面の
表面粗さが粗くなり、特に仕上面切削を行なうことは不
適当であるなどの課題があった。
2 O3 層は表面粗さが粗くなりやすく、最外面にα−A
l2 O3 層を形成した表面被覆切削工具を用いて鋼また
は鋳鉄を切削すると、上記鋼または鋳鉄などの被削面の
表面粗さが粗くなり、特に仕上面切削を行なうことは不
適当であるなどの課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
最外層に酸化アルミニウム層を有する表面被覆切削工具
を用いて切削しても、平滑な被削面が得られる表面被覆
切削工具を開発すべく研究を行っていたところ、すくい
面に従来通りのα−Al2 O3 層を被覆し、逃げ面にκ
型結晶構造を主体とした酸化アルミニウム(以下、κ−
Al2 O3 と記す)層を被覆した表面被覆切削工具を用
いて切削した被削面は、従来のα−Al2 O3 層をすく
い面および逃げ面の最外層に被覆した表面被覆切削工具
による被削面よりも平滑となり、しかも表面被覆切削工
具の工具寿命は向上するという研究結果が得られたので
ある。
最外層に酸化アルミニウム層を有する表面被覆切削工具
を用いて切削しても、平滑な被削面が得られる表面被覆
切削工具を開発すべく研究を行っていたところ、すくい
面に従来通りのα−Al2 O3 層を被覆し、逃げ面にκ
型結晶構造を主体とした酸化アルミニウム(以下、κ−
Al2 O3 と記す)層を被覆した表面被覆切削工具を用
いて切削した被削面は、従来のα−Al2 O3 層をすく
い面および逃げ面の最外層に被覆した表面被覆切削工具
による被削面よりも平滑となり、しかも表面被覆切削工
具の工具寿命は向上するという研究結果が得られたので
ある。
【0005】この発明は、かかる研究結果にもとづいて
なされたものであって、基体表面にチタン化合物層およ
び少なくとも一層の酸化アルミニウム層からなる複合硬
質層を被覆し、しかも最外層は酸化アルミニウム層から
なる表面被覆切削工具において、上記酸化アルミニウム
層は、すくい面がα−Al2 O3 を主体とする層からな
り、逃げ面がκ−Al2 O3 を主体とする層からなる表
面被覆切削工具に特徴を有するものである。
なされたものであって、基体表面にチタン化合物層およ
び少なくとも一層の酸化アルミニウム層からなる複合硬
質層を被覆し、しかも最外層は酸化アルミニウム層から
なる表面被覆切削工具において、上記酸化アルミニウム
層は、すくい面がα−Al2 O3 を主体とする層からな
り、逃げ面がκ−Al2 O3 を主体とする層からなる表
面被覆切削工具に特徴を有するものである。
【0006】この発明の表面被覆切削工具を製造するに
は、まず、切削工具基体の逃げ面をマスキングし、切削
工具基体のすくい面に通常のCVD法によりチタン化合
物層およびα−Al2 O3 層を上記α−Al2 O3 層が
最外層となるように形成し、室温に冷却したのち、上記
表面被覆したすくい面をマスキングし、逃げ面にκ−A
l2 O3 層を最外層とするチタン化合物層およびκ−A
l2 O3 層からなる複合硬質層を形成する方法により得
られる。
は、まず、切削工具基体の逃げ面をマスキングし、切削
工具基体のすくい面に通常のCVD法によりチタン化合
物層およびα−Al2 O3 層を上記α−Al2 O3 層が
最外層となるように形成し、室温に冷却したのち、上記
表面被覆したすくい面をマスキングし、逃げ面にκ−A
l2 O3 層を最外層とするチタン化合物層およびκ−A
l2 O3 層からなる複合硬質層を形成する方法により得
られる。
【0007】また、別の製造方法として、切削工具基体
全面に、まず、κ−Al2 O3 層を最外層とするチタン
化合物層およびκ−Al2 O3 層からなる複合硬質層を
形成したのち、逃げ面のみをマスキングし、すくい面の
みに電子ビーム、レーザービーム等のビームを照射して
κ−Al2 O3 をα−Al2 O3 に変態させ、すくい面
をα−Al2 O3 を主体とした酸化アルミニウム層を形
成することもできる。
全面に、まず、κ−Al2 O3 層を最外層とするチタン
化合物層およびκ−Al2 O3 層からなる複合硬質層を
形成したのち、逃げ面のみをマスキングし、すくい面の
みに電子ビーム、レーザービーム等のビームを照射して
κ−Al2 O3 をα−Al2 O3 に変態させ、すくい面
をα−Al2 O3 を主体とした酸化アルミニウム層を形
成することもできる。
【0008】上記α−Al2 O3 層は、通常のCVD法
により形成することができるが、κ−Al2 O3 層をC
VD法により形成するには反応ガス組成を調整すること
により得られ、例えば、反応初期にはCO2 ガスを含ま
ない組成の反応ガス(5%AlCl3 −95%H2 )を
流し、反応が進むにつれて傾斜的にCO2 ガス量が増加
するように供給し、最終的に5%AlCl3 −20%C
O2 −75%H2 の反応ガス組成となるようにCO2 ガ
ス供給量を調整することにより得られる。
により形成することができるが、κ−Al2 O3 層をC
VD法により形成するには反応ガス組成を調整すること
により得られ、例えば、反応初期にはCO2 ガスを含ま
ない組成の反応ガス(5%AlCl3 −95%H2 )を
流し、反応が進むにつれて傾斜的にCO2 ガス量が増加
するように供給し、最終的に5%AlCl3 −20%C
O2 −75%H2 の反応ガス組成となるようにCO2 ガ
ス供給量を調整することにより得られる。
【0009】このようにして得られたκ−Al2 O3 層
は結晶粒が微細であってその表面は滑らかであるから切
削工具基体の逃げ面に形成することにより被削面の表面
粗さを一層平滑なものとし、一方、α−Al2 O3 層は
結晶粒が粗いが熱的に安定であるから熱影響の最も受け
やすいすくい面に形成することにより表面被覆切削工具
の寿命を向上させるものと考えられる。
は結晶粒が微細であってその表面は滑らかであるから切
削工具基体の逃げ面に形成することにより被削面の表面
粗さを一層平滑なものとし、一方、α−Al2 O3 層は
結晶粒が粗いが熱的に安定であるから熱影響の最も受け
やすいすくい面に形成することにより表面被覆切削工具
の寿命を向上させるものと考えられる。
【0010】なお、この発明の表面被覆切削工具は、逃
げ面が100%κ型結晶構造を有する酸化アルミニウム
層であることが好ましいが、50%以上がκ型結晶構造
を含むκ型結晶構造を主体の酸化アルミニウム層であれ
ばよく、一方、すくい面も100%がα型結晶構造を有
する酸化アルミニウム層であることが好ましいが、50
%以上がα型結晶構造を含むα型結晶構造を主体とした
酸化アルミニウム層を被覆すればよい。
げ面が100%κ型結晶構造を有する酸化アルミニウム
層であることが好ましいが、50%以上がκ型結晶構造
を含むκ型結晶構造を主体の酸化アルミニウム層であれ
ばよく、一方、すくい面も100%がα型結晶構造を有
する酸化アルミニウム層であることが好ましいが、50
%以上がα型結晶構造を含むα型結晶構造を主体とした
酸化アルミニウム層を被覆すればよい。
【0011】さらに、この発明の表面被覆切削工具は、
最外層が酸化アルミニウム層で形成されているので外観
が美しいとは言えない。したがって、上記最外層の酸化
アルミニウム層の上にさらに窒化チタン層を被覆し、金
色に色づけして商品としての美観を一層向上させてもよ
い。
最外層が酸化アルミニウム層で形成されているので外観
が美しいとは言えない。したがって、上記最外層の酸化
アルミニウム層の上にさらに窒化チタン層を被覆し、金
色に色づけして商品としての美観を一層向上させてもよ
い。
【0012】
【実施例】95%WC−5%CoからなるSNMA43
2形状の超硬合金製切削工具(ISO規格K010相
当)を用意した。
2形状の超硬合金製切削工具(ISO規格K010相
当)を用意した。
【0013】一方、上記超硬合金製切削工具を通常の化
学蒸着装置に装入し、TiC層、TiCN層、TiCN
O層、TiN層、α−Al2 O3 層およびκ−Al2 O
3 層を形成するためには下記の条件で行った。
学蒸着装置に装入し、TiC層、TiCN層、TiCN
O層、TiN層、α−Al2 O3 層およびκ−Al2 O
3 層を形成するためには下記の条件で行った。
【0014】(a) TiC層形成条件 温度:1000℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:2%TiCl4 −5%CH4 −93%H
2 、 (b) TiCN層形成条件 温度:1000℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:4%TiCl4 −4%CH4 −8%N2
−84%H2 、 (c) TiCNO層形成条件 温度:1000℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:3%TiCl4 −3%CH4 −3%CO
−9%N2 −82%H 2 、 (d) TiN層形成条件 温度:900℃、 圧力:200Torr、 反応ガス組成:5%TiCl4 −30%N2 −65%H
2 、 (e) α−Al2 O3 層形成条件 温度:1000℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:5%AlCl3 −20%CO2 −75%
H2 、 (f) κ−Al2 O3 層形成条件 温度:950℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:5%AlCl3 −(0%→20%)CO
−(95%→75%)H2 、 上記反応ガス組成の(0%→20%)COは、反応初期
にはCOガスを導入せず、反応が進むに従って傾斜的に
増量供給し、最終的にCOガス:20%となるように供
給することを示し、また(95%→75%)H2 は、H
2 ガスを反応初期にはH2 ガスを95%の割合で供給
し、反応が進むにつれてH2 ガス供給量を次第に減少さ
せ、最終的にH2 ガス:75%となるように供給するこ
とを示すものである。
2 、 (b) TiCN層形成条件 温度:1000℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:4%TiCl4 −4%CH4 −8%N2
−84%H2 、 (c) TiCNO層形成条件 温度:1000℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:3%TiCl4 −3%CH4 −3%CO
−9%N2 −82%H 2 、 (d) TiN層形成条件 温度:900℃、 圧力:200Torr、 反応ガス組成:5%TiCl4 −30%N2 −65%H
2 、 (e) α−Al2 O3 層形成条件 温度:1000℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:5%AlCl3 −20%CO2 −75%
H2 、 (f) κ−Al2 O3 層形成条件 温度:950℃、 圧力:100Torr、 反応ガス組成:5%AlCl3 −(0%→20%)CO
−(95%→75%)H2 、 上記反応ガス組成の(0%→20%)COは、反応初期
にはCOガスを導入せず、反応が進むに従って傾斜的に
増量供給し、最終的にCOガス:20%となるように供
給することを示し、また(95%→75%)H2 は、H
2 ガスを反応初期にはH2 ガスを95%の割合で供給
し、反応が進むにつれてH2 ガス供給量を次第に減少さ
せ、最終的にH2 ガス:75%となるように供給するこ
とを示すものである。
【0015】実施例1 上記超硬合金製切削工具の全面に上記(a)条件で厚
さ:4μmのTiC層を形成し、その上にさらに上記
(b)条件で厚さ:1μmのTiCN層を形成し、チタ
ン化合物層被覆切削工具を作製した。上記チタン化合物
層被覆切削工具の逃げ面をマスキングし、すくい面にの
み上記(e)条件にて厚さ:2μmのα−Al2 O3 層
を形成し、ついですくい面をマスキングし、逃げ面のみ
に上記(f)条件にて厚さ:2μmのκ−Al2 O3 層
を形成し、本発明表面被覆切削工具(以下、本発明工具
という)1を作製した。
さ:4μmのTiC層を形成し、その上にさらに上記
(b)条件で厚さ:1μmのTiCN層を形成し、チタ
ン化合物層被覆切削工具を作製した。上記チタン化合物
層被覆切削工具の逃げ面をマスキングし、すくい面にの
み上記(e)条件にて厚さ:2μmのα−Al2 O3 層
を形成し、ついですくい面をマスキングし、逃げ面のみ
に上記(f)条件にて厚さ:2μmのκ−Al2 O3 層
を形成し、本発明表面被覆切削工具(以下、本発明工具
という)1を作製した。
【0016】一方、比較のために、上記チタン化合物層
被覆切削工具の全面に上記(f)条件にて厚さ:2μm
のκ−Al2 O3 層を形成し、比較表面被覆切削工具
(以下、比較工具という)1を作製し、また上記チタン
化合物層被覆切削工具の全面に上記(e)条件にて厚
さ:2μmのα−Al2 O3 層を形成し、従来表面被覆
切削工具(以下、従来工具という)1を作製した。
被覆切削工具の全面に上記(f)条件にて厚さ:2μm
のκ−Al2 O3 層を形成し、比較表面被覆切削工具
(以下、比較工具という)1を作製し、また上記チタン
化合物層被覆切削工具の全面に上記(e)条件にて厚
さ:2μmのα−Al2 O3 層を形成し、従来表面被覆
切削工具(以下、従来工具という)1を作製した。
【0017】このようにして作製した本発明工具1、比
較工具1および従来工具1について、 被削材:FCD70、 切削速度:300m/min 、 送 り:0.3mm/rev 、 切込み:1.5mm、 切削時間:20分、 冷却油:なし、 の条件でダクタイル鋳鉄の連続切削試験を行ない、切刃
の逃げ面摩耗幅およびすくい面摩耗深さを測定し、さら
に被削材の被削面の表面粗さを測定し、これらの測定結
果を表1に示した。
較工具1および従来工具1について、 被削材:FCD70、 切削速度:300m/min 、 送 り:0.3mm/rev 、 切込み:1.5mm、 切削時間:20分、 冷却油:なし、 の条件でダクタイル鋳鉄の連続切削試験を行ない、切刃
の逃げ面摩耗幅およびすくい面摩耗深さを測定し、さら
に被削材の被削面の表面粗さを測定し、これらの測定結
果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示される結果から、すくい面の最外
層にα−Al2 O3 層を形成し逃げ面の最外層にκ−A
l2 O3 層を形成した本発明工具1は、すくい面および
逃げ面の最外層にα−Al2 O3 層を形成した従来工具
1に比べて被削面を滑らかに仕上げることができ、一
方、すくい面および逃げ面最外層にκ−Al2 O3 層を
形成した比較工具1はすくい面摩耗深さが大きく、工具
寿命が短いことがわかる。
層にα−Al2 O3 層を形成し逃げ面の最外層にκ−A
l2 O3 層を形成した本発明工具1は、すくい面および
逃げ面の最外層にα−Al2 O3 層を形成した従来工具
1に比べて被削面を滑らかに仕上げることができ、一
方、すくい面および逃げ面最外層にκ−Al2 O3 層を
形成した比較工具1はすくい面摩耗深さが大きく、工具
寿命が短いことがわかる。
【0020】実施例2 上記超硬合金製切削工具の全面に上記(b)条件で厚
さ:6μmのTiCN層を形成してチタン化合物層被覆
切削工具を作製し、このチタン化合物層被覆切削工具の
すくい面に実施例1と同様にして厚さ:6μmのα−A
l2 O3 層を形成し、逃げ面に厚さ:6μmのκ−Al
2 O3 層を形成して本発明工具2を作製した。
さ:6μmのTiCN層を形成してチタン化合物層被覆
切削工具を作製し、このチタン化合物層被覆切削工具の
すくい面に実施例1と同様にして厚さ:6μmのα−A
l2 O3 層を形成し、逃げ面に厚さ:6μmのκ−Al
2 O3 層を形成して本発明工具2を作製した。
【0021】一方、比較のために、上記チタン化合物層
被覆切削工具の全面に上記(f)条件にて厚さ:6μm
のκ−Al2 O3 層を形成して比較工具2を作製し、ま
た上記(e)条件にて厚さ:6μmのα−Al2 O3 層
を形成し、従来工具2を作製した。
被覆切削工具の全面に上記(f)条件にて厚さ:6μm
のκ−Al2 O3 層を形成して比較工具2を作製し、ま
た上記(e)条件にて厚さ:6μmのα−Al2 O3 層
を形成し、従来工具2を作製した。
【0022】このようにして作製した本発明工具2、比
較工具2および従来工具2について実施例1と同じ条件
で連続切削試験を行ない、さらに被削材の被削面の表面
粗さを測定し、これらの測定結果を表2に示した。
較工具2および従来工具2について実施例1と同じ条件
で連続切削試験を行ない、さらに被削材の被削面の表面
粗さを測定し、これらの測定結果を表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】実施例3 実施例1で作製したチタン化合物層被覆切削工具の表面
にさらに(c)条件にて厚さ:1μmのTiCN層を形
成し、チタン化合物層被覆切削工具を作製した。このチ
タン化合物層被覆切削工具の表面に、上記(e)条件お
よび(f)条件にてそれぞれ厚さ:6μmのα−Al2
O3 層およびκ−Al2 O3 層を形成し、表3に示され
る本発明工具3、比較工具3および従来工具3を作製し
た。
にさらに(c)条件にて厚さ:1μmのTiCN層を形
成し、チタン化合物層被覆切削工具を作製した。このチ
タン化合物層被覆切削工具の表面に、上記(e)条件お
よび(f)条件にてそれぞれ厚さ:6μmのα−Al2
O3 層およびκ−Al2 O3 層を形成し、表3に示され
る本発明工具3、比較工具3および従来工具3を作製し
た。
【0025】これら本発明工具3、比較工具3および従
来工具3について、実施例1と同様にして連続切削試験
を行ない、逃げ面摩耗幅およびすくい面摩耗深さを測定
し、さらに被削材の被削面粗さを測定し、それらの測定
結果を表3に示した。
来工具3について、実施例1と同様にして連続切削試験
を行ない、逃げ面摩耗幅およびすくい面摩耗深さを測定
し、さらに被削材の被削面粗さを測定し、それらの測定
結果を表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】表2および表3に示される結果から、すく
い面の最外層にα−Al2 O3 層を形成し、逃げ面の最
外層にκ−Al2 O3 を形成した本発明工具2〜3は、
すくい面および逃げ面の最外層にα−Al2 O3 層を形
成した従来工具2〜3に比べて、被削面を滑らかに切削
加工することができ、一方、すくい面および逃げ面の最
外層にκ−Al2 O3 層を形成した比較工具はすくい面
摩耗深さが大きくなって工具寿命が短いことがわかる。
い面の最外層にα−Al2 O3 層を形成し、逃げ面の最
外層にκ−Al2 O3 を形成した本発明工具2〜3は、
すくい面および逃げ面の最外層にα−Al2 O3 層を形
成した従来工具2〜3に比べて、被削面を滑らかに切削
加工することができ、一方、すくい面および逃げ面の最
外層にκ−Al2 O3 層を形成した比較工具はすくい面
摩耗深さが大きくなって工具寿命が短いことがわかる。
【0028】実施例4 実施例1で作製した本発明工具1、比較工具1および従
来工具1の表面全面に、上記(d)条件にて厚さ:1μ
mのTiN層を形成し、表面に黄金色の色付けを行なっ
た後、実施例1と同じ切削条件で連続切削試験し、さら
に被削面粗さを測定したところ、実施例1とほぼ同じ結
果が得られた。
来工具1の表面全面に、上記(d)条件にて厚さ:1μ
mのTiN層を形成し、表面に黄金色の色付けを行なっ
た後、実施例1と同じ切削条件で連続切削試験し、さら
に被削面粗さを測定したところ、実施例1とほぼ同じ結
果が得られた。
【0029】
【発明の効果】この発明の最外層が酸化アルミニウム層
からなる表面被覆切削工具は、従来の最外層が酸化アル
ミニウム層からなる表面被覆切削工具に比べて、滑らか
な被削面を得ることができ、仕上切削工具として使用で
きるなど優れた効果を奏するものである。
からなる表面被覆切削工具は、従来の最外層が酸化アル
ミニウム層からなる表面被覆切削工具に比べて、滑らか
な被削面を得ることができ、仕上切削工具として使用で
きるなど優れた効果を奏するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 基体表面に少なくとも1層の酸化アルミ
ニウム層を含む複合硬質層が被覆されており、しかも複
合硬質層の最外層が酸化アルミニウム層からなる表面被
覆切削工具において、 上記表面被覆切削工具のすくい面に被覆されている酸化
アルミニウム層はα型結晶構造を主体とし、一方、逃げ
面に被覆されている酸化アルミニウム層はκ型結晶構造
を主体としていることを特徴とする表面被覆切削工具。 - 【請求項2】 上記複合硬質層は、チタンの炭化物、窒
化物、炭窒化物、炭酸化物および炭窒酸化物のうちの1
種の単層または2種以上の複層、並びに少なくとも1層
の酸化アルミニウム層からなることを特徴とする請求項
1記載の表面被覆切削工具。 - 【請求項3】 上記表面被覆切削工具の酸化アルミニウ
ム最外層の上に、さらに窒化チタン層を被覆して黄金色
に色づけしたことを特徴とする請求項1または2記載の
表面被覆切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28050693A JPH07112306A (ja) | 1993-10-14 | 1993-10-14 | 表面被覆切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28050693A JPH07112306A (ja) | 1993-10-14 | 1993-10-14 | 表面被覆切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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