JPH0711002B2 - 熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉およびその製造方法 - Google Patents
熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉およびその製造方法Info
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- JPH0711002B2 JPH0711002B2 JP63039715A JP3971588A JPH0711002B2 JP H0711002 B2 JPH0711002 B2 JP H0711002B2 JP 63039715 A JP63039715 A JP 63039715A JP 3971588 A JP3971588 A JP 3971588A JP H0711002 B2 JPH0711002 B2 JP H0711002B2
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は各種焼結部品のうち、特に高精度が要求される
部品の製造に使用される粉末冶金用合金鋼粉に関するも
のである。
部品の製造に使用される粉末冶金用合金鋼粉に関するも
のである。
自動車用ギア等の高強度、高精度部品を粉末冶金で製造
する場合、高強度化を図るためには合金元素の添加を行
い、さらに焼入焼戻し処理する必要がある。
する場合、高強度化を図るためには合金元素の添加を行
い、さらに焼入焼戻し処理する必要がある。
純鉄粉中に合金成分を固溶させて合金鋼粉を製造する予
合金法では、寸法精度は高いものの鋼粉の圧縮性を損な
うことが多く、その場合、高い焼結密度が得られなくな
り、結果的に強度向上が望めない。
合金法では、寸法精度は高いものの鋼粉の圧縮性を損な
うことが多く、その場合、高い焼結密度が得られなくな
り、結果的に強度向上が望めない。
それに対し、例えば特公昭45−9649号において提案され
ているように、純鉄粉にNi,Cu,Mo等の合金成分粉末を拡
散付着することによって上述の問題を克服する技術(以
下複合合金法と称す)が開示されている。この方法によ
って製造された複合合金鋼粉は圧縮性は優れるものの、
異種金属粉を混粉後加熱することにより拡散を生じせし
め、部分的に合金化するだけなので、成分的に完全に均
一な予合金法に較べ、どうしても組織の不均一性を生
じ、製品の寸法変化のばらつきの原因となる。このよう
な鋼粉では圧縮性が高く高強度化は図れるが、高強度と
高精度の両特性を兼ね備えることができない。
ているように、純鉄粉にNi,Cu,Mo等の合金成分粉末を拡
散付着することによって上述の問題を克服する技術(以
下複合合金法と称す)が開示されている。この方法によ
って製造された複合合金鋼粉は圧縮性は優れるものの、
異種金属粉を混粉後加熱することにより拡散を生じせし
め、部分的に合金化するだけなので、成分的に完全に均
一な予合金法に較べ、どうしても組織の不均一性を生
じ、製品の寸法変化のばらつきの原因となる。このよう
な鋼粉では圧縮性が高く高強度化は図れるが、高強度と
高精度の両特性を兼ね備えることができない。
また、本発明者らは先に高い圧縮性を有し、過剰浸炭を
抑制する粉末冶金用合金鋼粉およびその製造法(特開昭
61−130401)を開示したが、その内容は、焼結前に、N
i、Moなどの合金成分を鉄鋼粉表面への付着状態を制限
した状態で拡散付着せしめる粉末冶金用合金鋼粉であ
り、得られる焼結体は過剰浸炭の抑制によって優れた特
性(高い衝撃値および引張り強さ)を有しているが、一
方、熱処理のときの寸法変化のばらつきの低減が要請さ
れている。
抑制する粉末冶金用合金鋼粉およびその製造法(特開昭
61−130401)を開示したが、その内容は、焼結前に、N
i、Moなどの合金成分を鉄鋼粉表面への付着状態を制限
した状態で拡散付着せしめる粉末冶金用合金鋼粉であ
り、得られる焼結体は過剰浸炭の抑制によって優れた特
性(高い衝撃値および引張り強さ)を有しているが、一
方、熱処理のときの寸法変化のばらつきの低減が要請さ
れている。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたもので、高強度焼
結熱処理材が得られるような高い圧縮性を有し、かつ、
熱処理を施したときにも高精度が得られる粉末冶金用合
金粉およびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
結熱処理材が得られるような高い圧縮性を有し、かつ、
熱処理を施したときにも高精度が得られる粉末冶金用合
金粉およびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
本発明者らは、複合合金鋼粉を成形し、焼結し、焼入焼
戻しするプロセスで製品化するに当り、部品精度の低下
は、 (1)部品の内外部で焼入時の冷却速度が異なり、組織
の不均一が生じること、および (2)残留オーステナイトの大きさの分布が広く、部分
的に大きな残留オーステナイト相が存在するため寸法歪
のばらつきを生じること、 に原因があることを見い出した。
戻しするプロセスで製品化するに当り、部品精度の低下
は、 (1)部品の内外部で焼入時の冷却速度が異なり、組織
の不均一が生じること、および (2)残留オーステナイトの大きさの分布が広く、部分
的に大きな残留オーステナイト相が存在するため寸法歪
のばらつきを生じること、 に原因があることを見い出した。
本発明者らは、この解決策を鋭意研究した結果、 通常の焼入時に生じる冷却速度のばらつきの範囲で
も、均一なマルテンサイト組織を有するように合金成分
を選定すること、 鉄鋼粉に対する各合金成分の拡散付着濃度を均一化
し、残留オーステナイトの大きさの分布を小さくするこ
と、 が極めて有効であることを見い出した。
も、均一なマルテンサイト組織を有するように合金成分
を選定すること、 鉄鋼粉に対する各合金成分の拡散付着濃度を均一化
し、残留オーステナイトの大きさの分布を小さくするこ
と、 が極めて有効であることを見い出した。
その際、合金添加するCuを含む全成分が均一に拡散付着
する必要がある。この点において本発明は高い強度、靭
性とともに、優れた寸法精度を有する技術を提供する。
すなわち、本条件下において得られる合金鋼粉により、
高い引張り強さとともに優れた寸法精度を有する焼結熱
処理材が得られる。
する必要がある。この点において本発明は高い強度、靭
性とともに、優れた寸法精度を有する技術を提供する。
すなわち、本条件下において得られる合金鋼粉により、
高い引張り強さとともに優れた寸法精度を有する焼結熱
処理材が得られる。
本発明の具体的構成は次のとおりである。
すなわち、本発明は、鉄鋼粉表面上にCu,Ni,Moの各合金
成分を単独に含む粉末を同時に拡散付着させた合金鉄鋼
粉であって、合金元素であるCuとNiとMoとの合計が7.2
重量%を超え8.8重量%未満、Niが5.0重量%を超え7.0
重量%未満、Cuが1.46重量%以上2.30重量%以下からな
り、かつ粒径44μm以下の合金鋼粉に対する各合金成分
の拡散付着濃度が合金鋼粉全体の拡散付着濃度の2.2倍
以下の濃度範囲にあることを特徴とする熱処理における
寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉である。また、本
発明の粉末冶金用合金鋼粉の製造方法は、Cu,NiおよびM
oをその合計で7.2重量%を超え8.8重量%未満、Niを5.0
重量%を超え7.0重量%未満、Cuを1.46重量%以上2.30
重量%以下を含むように、各合金成分を単独に含む金属
粉末または化合物粉末を、それらの合金成分を含む粉末
に対して非可溶性の液に分散させた後、残余重量%の鉄
粉と混合し、熱処理により、その鉄鋼粉表面上にそれら
の合金成分を拡散付着させて、粒径44μm以下の合金鋼
粉に対する各合金成分の拡散付着濃度が合金鋼粉全体の
拡散付着濃度の2.2倍以下の濃度範囲にすることを特徴
とする熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金
鋼粉を得る方法である なお、本発明において拡散付着させるとは、合金成分粉
末中からその合金成分の一部が鉄鋼粉中に拡散して、他
部の合金成分粉末が鉄鋼粉に結合付着した状態にするこ
とを意味する。
成分を単独に含む粉末を同時に拡散付着させた合金鉄鋼
粉であって、合金元素であるCuとNiとMoとの合計が7.2
重量%を超え8.8重量%未満、Niが5.0重量%を超え7.0
重量%未満、Cuが1.46重量%以上2.30重量%以下からな
り、かつ粒径44μm以下の合金鋼粉に対する各合金成分
の拡散付着濃度が合金鋼粉全体の拡散付着濃度の2.2倍
以下の濃度範囲にあることを特徴とする熱処理における
寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉である。また、本
発明の粉末冶金用合金鋼粉の製造方法は、Cu,NiおよびM
oをその合計で7.2重量%を超え8.8重量%未満、Niを5.0
重量%を超え7.0重量%未満、Cuを1.46重量%以上2.30
重量%以下を含むように、各合金成分を単独に含む金属
粉末または化合物粉末を、それらの合金成分を含む粉末
に対して非可溶性の液に分散させた後、残余重量%の鉄
粉と混合し、熱処理により、その鉄鋼粉表面上にそれら
の合金成分を拡散付着させて、粒径44μm以下の合金鋼
粉に対する各合金成分の拡散付着濃度が合金鋼粉全体の
拡散付着濃度の2.2倍以下の濃度範囲にすることを特徴
とする熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金
鋼粉を得る方法である なお、本発明において拡散付着させるとは、合金成分粉
末中からその合金成分の一部が鉄鋼粉中に拡散して、他
部の合金成分粉末が鉄鋼粉に結合付着した状態にするこ
とを意味する。
複合合金鋼粉焼結体の焼入焼戻し材の寸法歪のばらつき
を低減するには、先ず、焼入後のマトリックスの組織を
均一化する必要がある。この均一化は、化学組成による
ところが大きく、Cu,Ni,Moを合金元素とする場合に、本
発明者らが種々検討したところ、先ずCuとNiとMoの合計
量を7.2重量%を超え8.8重量%未満にする必要があるこ
とが見い出された。7.2重量%以下であると、焼入後の
マトリックス組織は部分的にベイナイトを呈するように
なり、寸法歪のばらつきが増大する。一方、8.8重量%
以上になると残留オーステナイト量が増加し、むしろ寸
法歪のばらつきは増大する。
を低減するには、先ず、焼入後のマトリックスの組織を
均一化する必要がある。この均一化は、化学組成による
ところが大きく、Cu,Ni,Moを合金元素とする場合に、本
発明者らが種々検討したところ、先ずCuとNiとMoの合計
量を7.2重量%を超え8.8重量%未満にする必要があるこ
とが見い出された。7.2重量%以下であると、焼入後の
マトリックス組織は部分的にベイナイトを呈するように
なり、寸法歪のばらつきが増大する。一方、8.8重量%
以上になると残留オーステナイト量が増加し、むしろ寸
法歪のばらつきは増大する。
Niはオーステナイト安定化元素であり、同時に焼入性増
加元素でもあるが、このNi量は5.0重量%を超え、7.0重
量%未満の範囲で寸法歪のばらつきを小さくすることが
見い出された。5.0重量%以下であると焼入後のマトリ
ックス組織は部分的にベイナイトを呈するようになり、
一方、7.0重量%以上であると残留オーステナイトが増
加し、寸法歪のばらつきは何れも増加する。
加元素でもあるが、このNi量は5.0重量%を超え、7.0重
量%未満の範囲で寸法歪のばらつきを小さくすることが
見い出された。5.0重量%以下であると焼入後のマトリ
ックス組織は部分的にベイナイトを呈するようになり、
一方、7.0重量%以上であると残留オーステナイトが増
加し、寸法歪のばらつきは何れも増加する。
次に、本発明のもう一つの大きな知見に基づくと、寸法
歪のばらつきを小さくするためには残留オーステナイト
の大きさの均一化を図ることが有効である。そのために
は、合金鋼粉粒子径44μm以下の微粒粉に対する拡散付
着濃度がCuを始めとする全成分について、合金鋼粉全体
に対する各合金成分の拡散付着濃度の各々2.2倍以下に
する必要がある。その理由は、微細な各合金粉の付着が
不十分な部分が鉄鋼粉粒子表面から脱落して、44μm以
下の鉄粉に対する各合金成分の濃度が増加し、合金鋼粉
全体の各合金成分の濃度の2.2倍を超える場合には、残
留オーステナイトの均一性が低下し、寸法歪のばらつき
が増加するからである。
歪のばらつきを小さくするためには残留オーステナイト
の大きさの均一化を図ることが有効である。そのために
は、合金鋼粉粒子径44μm以下の微粒粉に対する拡散付
着濃度がCuを始めとする全成分について、合金鋼粉全体
に対する各合金成分の拡散付着濃度の各々2.2倍以下に
する必要がある。その理由は、微細な各合金粉の付着が
不十分な部分が鉄鋼粉粒子表面から脱落して、44μm以
下の鉄粉に対する各合金成分の濃度が増加し、合金鋼粉
全体の各合金成分の濃度の2.2倍を超える場合には、残
留オーステナイトの均一性が低下し、寸法歪のばらつき
が増加するからである。
実施例1〜4、比較例1〜6 次に本発明について、実施例に従ってさらに具体的に説
明する。
明する。
Cu粉、Ni酸化物およびMo酸化物をメチルアルコールに分
散させた後鉄粉と混合し、乾燥を経て水素ガス雰囲気中
にて1000℃で1時間還元焼鈍後解砕した。このときの化
学組成が第1表A〜D(実施例鋼粉)および第2表E〜
J(比較例鋼粉)に示すような複合合金鋼粉を作製し
た。
散させた後鉄粉と混合し、乾燥を経て水素ガス雰囲気中
にて1000℃で1時間還元焼鈍後解砕した。このときの化
学組成が第1表A〜D(実施例鋼粉)および第2表E〜
J(比較例鋼粉)に示すような複合合金鋼粉を作製し
た。
次にこれらの鋼粉に黒鉛粉0.35重量%およびステアリン
酸亜鉛1重量%を混合し、7t/cm2の圧力で外径60mmφ、
内径20mmφ、高さ5.5mmのリング状試験片に成形した。
この成形体を1130℃で15分AXガス雰囲気中で焼結した
後、850℃で45分間カーボンポテンシャル0.8重量%の雰
囲気中で加熱して浸炭後、油中に焼入れ、さらに160℃
で60分の焼戻し処理を施した。
酸亜鉛1重量%を混合し、7t/cm2の圧力で外径60mmφ、
内径20mmφ、高さ5.5mmのリング状試験片に成形した。
この成形体を1130℃で15分AXガス雰囲気中で焼結した
後、850℃で45分間カーボンポテンシャル0.8重量%の雰
囲気中で加熱して浸炭後、油中に焼入れ、さらに160℃
で60分の焼戻し処理を施した。
これらの焼結熱処理材の引張強さを第1表および第2表
に併記した。また、これらの合金鋼粉の粒径44μm以下
の合金鋼粉に対するCu,Ni,Mo各成分の拡散付着度と鉄鋼
粉全体のそれとの比(以下R44/Tとする)を第3表に示
す。なお、これらの値は、焼鈍後解砕した粉末を44μm
以下でふるったものおよび未篩いのものについて通常の
化学分析を行って求めた。
に併記した。また、これらの合金鋼粉の粒径44μm以下
の合金鋼粉に対するCu,Ni,Mo各成分の拡散付着度と鉄鋼
粉全体のそれとの比(以下R44/Tとする)を第3表に示
す。なお、これらの値は、焼鈍後解砕した粉末を44μm
以下でふるったものおよび未篩いのものについて通常の
化学分析を行って求めた。
何れの鋼粉もR44/Tが2.2より小さく、均一性が良好であ
る。
る。
次にA〜J粉の焼結体に、上述の熱処理を施したときの
寸法歪のばらつきを標準偏差として表わし、Cu+Ni+Mo
量との関係を整理した結果を第1図に示す。
寸法歪のばらつきを標準偏差として表わし、Cu+Ni+Mo
量との関係を整理した結果を第1図に示す。
本発明の化学組成の範囲において、寸法歪のばらつきが
極めて小さくなることが分る。
極めて小さくなることが分る。
比較例7〜9 Cu粉、Ni酸化物およびMo酸化物を乾式で鉄粉と混合後、
水素ガス雰囲気にて1000℃で1時間還元焼鈍後解砕し
て、第4表に化学組成を示す合金鋼粉K〜M(比較例7
〜9)を作製した。これらの合金鋼粉のR44/Tを第5表
に示す。化学組成は本発明範囲であるが、R44/Tは2.3〜
3.2と高い。
水素ガス雰囲気にて1000℃で1時間還元焼鈍後解砕し
て、第4表に化学組成を示す合金鋼粉K〜M(比較例7
〜9)を作製した。これらの合金鋼粉のR44/Tを第5表
に示す。化学組成は本発明範囲であるが、R44/Tは2.3〜
3.2と高い。
第2図には、上述のように製造した合金鋼粉を、先の条
件で焼結熱処理したときの、熱処理における寸法歪のば
らつきをCuについてのR44/Tで整理した結果を実施例1
〜4とともに示した。なお、焼結熱処理材の引張強さを
第4表に併記した。R44/Tが本発明範囲である2.2以下に
おいては、寸法歪のばらつきが極めて小さくなることが
分る。
件で焼結熱処理したときの、熱処理における寸法歪のば
らつきをCuについてのR44/Tで整理した結果を実施例1
〜4とともに示した。なお、焼結熱処理材の引張強さを
第4表に併記した。R44/Tが本発明範囲である2.2以下に
おいては、寸法歪のばらつきが極めて小さくなることが
分る。
比較例10 Ni酸化物、Mo酸化物を実施例1〜4と同様にメチルアル
コールに分散させた後鉄粉と混合した後、還元焼鈍後解
砕した。この合金鋼粉にCu粉を混合し、800℃水素雰囲
気中で1時間焼鈍してNi、Mo、Cuを拡散付着させた合金
鋼粉N(比較例10)を作製した。
コールに分散させた後鉄粉と混合した後、還元焼鈍後解
砕した。この合金鋼粉にCu粉を混合し、800℃水素雰囲
気中で1時間焼鈍してNi、Mo、Cuを拡散付着させた合金
鋼粉N(比較例10)を作製した。
この合金鋼粉の化学組成、引張り強さ、R44/Tを第4
表、第5表に示した。またこの合金鋼粉を実施例1〜4
と同一の条件で焼結したときの熱処理における寸法歪の
ばらつきを第2図に示した。比較例10では、引張り強さ
は比較的良好であるが、寸法歪のばらつきが実施例1〜
4に比して大きいことが分かる。
表、第5表に示した。またこの合金鋼粉を実施例1〜4
と同一の条件で焼結したときの熱処理における寸法歪の
ばらつきを第2図に示した。比較例10では、引張り強さ
は比較的良好であるが、寸法歪のばらつきが実施例1〜
4に比して大きいことが分かる。
〔発明の効果〕 以上の説明により明らかなように、本発明の粉末冶金用
合金鋼粉は、焼結熱処理において、高強度と共に極めて
高い寸法精度を兼ね備えるものであり、自動車用のカム
ギアのような高強度および高い寸法精度を要求される部
品用として有用なものである。
合金鋼粉は、焼結熱処理において、高強度と共に極めて
高い寸法精度を兼ね備えるものであり、自動車用のカム
ギアのような高強度および高い寸法精度を要求される部
品用として有用なものである。
第1図は化学組成(Cu+Ni+Mo量)が寸法変化のばらつ
きに及ぼす影響を示すグラフ、第2図は粒径44μm以下
の合金鋼粉に対するCu成分の拡散付着濃度と合金鋼粉全
体に対するCu成分の拡散、付着濃度の比(R44/T)が寸
法変化のばらつきに及ぼす影響を示すグラフである。
きに及ぼす影響を示すグラフ、第2図は粒径44μm以下
の合金鋼粉に対するCu成分の拡散付着濃度と合金鋼粉全
体に対するCu成分の拡散、付着濃度の比(R44/T)が寸
法変化のばらつきに及ぼす影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 邦明 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭63−297502(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】鉄鋼粉表面にCu,Ni,Moの各合金成分を単独
に含む粉末を同時に拡散付着させた合金鉄鋼粉であっ
て、合金元素であるCuとNiとMoとの合計が7.2重量%を
超え8.8重量%未満、Niが5.0重量%を超え7.0重量%未
満、Cuが1.46重量%以上2.30重量%以下からなり、かつ
粒径44μm以下の合金鋼粉に対する各合金成分の拡散付
着濃度が合金鋼粉全体に対する前記各合金成分の拡散付
着濃度の2.2倍以下の濃度範囲にあることを特徴とする
熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉。 - 【請求項2】CuとNiとMoをその合計が合金鋼粉中7.2重
量%を超え8.8重量%未満、Niを合金鋼粉中5.0重量%を
超え7.0重量%未満、Cuを1.46重量%以上2.30重量%以
下を含むように、各合金成分を単独に含む金属粉末また
は化合物を、それらの合金成分を含む粉末に対して非可
溶性の液に分散させた後、残余重量%の鉄粉と混合し、
熱処理により、その鉄鋼粉表面上にそれらの合金成分を
拡散付着させて、粒径44μm以下の合金鋼粉に対する各
合金成分の拡散付着濃度が合金鋼粉全体の拡散付着濃度
の2.2倍以下の濃度範囲にすることを特徴とする熱処理
における寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63039715A JPH0711002B2 (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63039715A JPH0711002B2 (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01215904A JPH01215904A (ja) | 1989-08-29 |
JPH0711002B2 true JPH0711002B2 (ja) | 1995-02-08 |
Family
ID=12560684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63039715A Expired - Lifetime JPH0711002B2 (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 熱処理における寸法変化のばらつきの小さい合金鋼粉およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711002B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1323840B1 (en) | 2000-09-12 | 2008-06-18 | JFE Steel Corporation | Iron base mixed powder for high strength sintered parts |
US20110252922A1 (en) * | 2008-12-23 | 2011-10-20 | Hoganas Ab (Publ) | method of producing a diffusion alloyed iron or iron-based powder, a diffusion alloyed powder, a composition including the diffusion alloyed powder, and a compacted and sintered part produced from the composition |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63297502A (ja) * | 1987-05-29 | 1988-12-05 | Kobe Steel Ltd | 粉末冶金用高強度合金鋼粉及びその製造方法 |
-
1988
- 1988-02-24 JP JP63039715A patent/JPH0711002B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01215904A (ja) | 1989-08-29 |
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