JPH07109352A - 架橋星型ナイロン及びその成形体の製造方法 - Google Patents
架橋星型ナイロン及びその成形体の製造方法Info
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- JPH07109352A JPH07109352A JP28164893A JP28164893A JPH07109352A JP H07109352 A JPH07109352 A JP H07109352A JP 28164893 A JP28164893 A JP 28164893A JP 28164893 A JP28164893 A JP 28164893A JP H07109352 A JPH07109352 A JP H07109352A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低粘性で機械的物性の優れた、架橋星型ナイ
ロンとその成形体の製造方法とを提供する。 【構成】 3個以上の重合開始基を有する重合核化合物
における前記重合開始基のそれぞれを起点としてナイロ
ンの重合鎖が形成されて星型ナイロンの分子が構成され
ており、かつ、前記星型ナイロンの異なる分子の重合鎖
の末端間が、この末端との反応性を有する2以上の官能
基を備えた架橋用の連結分子を介して架橋構造を形成し
ている架橋星型ナイロン。上記星型ナイロンをその溶融
温度に加熱して前記架橋用の連結分子と混合し、その溶
融混合物を、前記の架橋構造が形成される前に注型し、
次いで架橋構造を形成させることを内容とする、架橋星
型ナイロンの成形体の製造方法。
ロンとその成形体の製造方法とを提供する。 【構成】 3個以上の重合開始基を有する重合核化合物
における前記重合開始基のそれぞれを起点としてナイロ
ンの重合鎖が形成されて星型ナイロンの分子が構成され
ており、かつ、前記星型ナイロンの異なる分子の重合鎖
の末端間が、この末端との反応性を有する2以上の官能
基を備えた架橋用の連結分子を介して架橋構造を形成し
ている架橋星型ナイロン。上記星型ナイロンをその溶融
温度に加熱して前記架橋用の連結分子と混合し、その溶
融混合物を、前記の架橋構造が形成される前に注型し、
次いで架橋構造を形成させることを内容とする、架橋星
型ナイロンの成形体の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋星型ナイロン及びそ
の成形体の製造方法に関し、さらに詳しくは、星型ナイ
ロンの特徴の一つである成形時の低溶融粘度を追求する
余りに星型ナイロンを過度に低分子量化し、その結果と
して機械的物性の良くない星型ナイロンの成形体になっ
てしまうといった不具合を伴う場合の対策として、星型
ナイロンの低溶融粘度を維持したままで、その成形体の
機械的物性を向上させることを内容とする、架橋星型ナ
イロン及びその成形体の製造方法に関する。
の成形体の製造方法に関し、さらに詳しくは、星型ナイ
ロンの特徴の一つである成形時の低溶融粘度を追求する
余りに星型ナイロンを過度に低分子量化し、その結果と
して機械的物性の良くない星型ナイロンの成形体になっ
てしまうといった不具合を伴う場合の対策として、星型
ナイロンの低溶融粘度を維持したままで、その成形体の
機械的物性を向上させることを内容とする、架橋星型ナ
イロン及びその成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる星型高分子は、中心となる重合
核から放射状に複数の重合鎖が伸びた構造の高分子化合
物であり、通常の鎖状高分子と比較して重合鎖1本あた
りの分子量が低く、かつ各重合鎖が重合核を介して結合
しているという化学構造上の特徴がある。従って、星型
高分子は溶融状態において重合鎖同士の絡み合いが比較
的少なく、このため相対的に低い溶融粘度を示して、い
わゆる薄物射出成形が可能になったり、また、他種ポリ
マーとの良好な相溶性を示して、ポリマーブレンドの可
能性を拡げたりする等の望ましい物性を伴う場合が多
い。
核から放射状に複数の重合鎖が伸びた構造の高分子化合
物であり、通常の鎖状高分子と比較して重合鎖1本あた
りの分子量が低く、かつ各重合鎖が重合核を介して結合
しているという化学構造上の特徴がある。従って、星型
高分子は溶融状態において重合鎖同士の絡み合いが比較
的少なく、このため相対的に低い溶融粘度を示して、い
わゆる薄物射出成形が可能になったり、また、他種ポリ
マーとの良好な相溶性を示して、ポリマーブレンドの可
能性を拡げたりする等の望ましい物性を伴う場合が多
い。
【0003】ナイロンについても、従来、このような星
型ナイロンの研究がなされており、U.S.P.4,5
99,400号や、American Chemica
lSociety発行のPolymer Prepri
nts,Vol.130,No.1,P117〜(19
89)等にその例が見られる。例えば、1分子中の互い
に離れた位置に複数のアミノ基を有するアミン化合物を
重合核として用い、その各アミノ基に対してナイロンモ
ノマーであるε−カプロラクタムを開環重合させた星型
ナイロン6が開示されている。
型ナイロンの研究がなされており、U.S.P.4,5
99,400号や、American Chemica
lSociety発行のPolymer Prepri
nts,Vol.130,No.1,P117〜(19
89)等にその例が見られる。例えば、1分子中の互い
に離れた位置に複数のアミノ基を有するアミン化合物を
重合核として用い、その各アミノ基に対してナイロンモ
ノマーであるε−カプロラクタムを開環重合させた星型
ナイロン6が開示されている。
【0004】一方、本件出願人は、上記の星型ナイロン
より特性の優れた新規な星型ナイロンとして、芳香環に
おける1つ置き以上に隔たった位置の炭素毎に置換され
た3個以上の重合開始基を有する芳香族化合物を重合核
とし、その重合開始基のそれぞれを起点としてナイロン
の重合鎖が形成されている星型ナイロンを既に提案して
いる(特願平5−62896号)。
より特性の優れた新規な星型ナイロンとして、芳香環に
おける1つ置き以上に隔たった位置の炭素毎に置換され
た3個以上の重合開始基を有する芳香族化合物を重合核
とし、その重合開始基のそれぞれを起点としてナイロン
の重合鎖が形成されている星型ナイロンを既に提案して
いる(特願平5−62896号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のアミ
ン化合物を重合核として用いた星型ナイロンでは、重合
核が剛直な分子構造を有しない点等に起因して、理論上
期待できる程には溶融粘度の低下を示さない。これに対
し、本件出願人が既に提案した特願平5−62896号
の星型ナイロンでは、重合核が剛直な分子構造を有する
芳香族化合物であるため、少なくとも理論上期待できる
程度には溶融粘度の低下を確保することができる。
ン化合物を重合核として用いた星型ナイロンでは、重合
核が剛直な分子構造を有しない点等に起因して、理論上
期待できる程には溶融粘度の低下を示さない。これに対
し、本件出願人が既に提案した特願平5−62896号
の星型ナイロンでは、重合核が剛直な分子構造を有する
芳香族化合物であるため、少なくとも理論上期待できる
程度には溶融粘度の低下を確保することができる。
【0006】しかし、特願平5−62896号の星型ナ
イロンといえども、低溶融粘度を追求する余りに星型ナ
イロンを過度に低分子量化すれば、これに対応した範囲
において、その成形品の機械的物性が相対的にある程度
低下することは避けることができない。
イロンといえども、低溶融粘度を追求する余りに星型ナ
イロンを過度に低分子量化すれば、これに対応した範囲
において、その成形品の機械的物性が相対的にある程度
低下することは避けることができない。
【0007】そこで本発明は、星型ナイロンの低溶融粘
度を維持したままで、その成形体の機械的物性を向上さ
せることを、その解決すべき課題とする。
度を維持したままで、その成形体の機械的物性を向上さ
せることを、その解決すべき課題とする。
【0008】
(第1発明の構成)上記の課題を解決するための本願第
1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、3個以上の
重合開始基を有する重合核化合物における前記重合開始
基のそれぞれを起点としてナイロンの重合鎖が形成され
て星型ナイロンの分子が構成されており、かつ、前記星
型ナイロンの異なる分子の重合鎖の末端間が、この末端
との反応性を有する2以上の官能基を備えた架橋用の連
結分子を介して架橋構造を構成している架橋星型ナイロ
ンである。
1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、3個以上の
重合開始基を有する重合核化合物における前記重合開始
基のそれぞれを起点としてナイロンの重合鎖が形成され
て星型ナイロンの分子が構成されており、かつ、前記星
型ナイロンの異なる分子の重合鎖の末端間が、この末端
との反応性を有する2以上の官能基を備えた架橋用の連
結分子を介して架橋構造を構成している架橋星型ナイロ
ンである。
【0009】(第2発明の構成)上記の課題を解決する
ための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成
は、前記第1発明における架橋用の連結分子の一部又は
全部が、その2以上の官能基の間に、星型ナイロンの脆
性を改善するに足る所定の分子量のポリエーテル部分あ
るいはポリオレフィン部分を備えている架橋星型ナイロ
ンである。
ための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成
は、前記第1発明における架橋用の連結分子の一部又は
全部が、その2以上の官能基の間に、星型ナイロンの脆
性を改善するに足る所定の分子量のポリエーテル部分あ
るいはポリオレフィン部分を備えている架橋星型ナイロ
ンである。
【0010】(第3発明の構成)上記の課題を解決する
ための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成
は、前記第1発明における星型ナイロンを溶融状態にお
いて前記第1発明における架橋用の連結分子と混合し、
その溶融混合物を架橋構造が形成される前に注型し、次
いで前記架橋構造を形成させることにより、前記第1発
明の架橋星型ナイロンの成形体を得る、架橋星型ナイロ
ンの成形体の製造方法である。
ための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成
は、前記第1発明における星型ナイロンを溶融状態にお
いて前記第1発明における架橋用の連結分子と混合し、
その溶融混合物を架橋構造が形成される前に注型し、次
いで前記架橋構造を形成させることにより、前記第1発
明の架橋星型ナイロンの成形体を得る、架橋星型ナイロ
ンの成形体の製造方法である。
【0011】
(第1発明の作用)第1発明の架橋星型ナイロンは、そ
の架橋構造のために、同一分子量の未架橋の星型ナイロ
ンに比し、より優れた機械的物性を示す。
の架橋構造のために、同一分子量の未架橋の星型ナイロ
ンに比し、より優れた機械的物性を示す。
【0012】(第2発明の作用)第2発明の架橋星型ナ
イロンは、架橋用の連結分子がいわゆるソフト成分とし
ての働きを示し、星型ナイロンの機械的諸物性の向上、
特に脆性の改善に有効である。
イロンは、架橋用の連結分子がいわゆるソフト成分とし
ての働きを示し、星型ナイロンの機械的諸物性の向上、
特に脆性の改善に有効である。
【0013】(第3発明の作用)第3発明の架橋星型ナ
イロンの成形体の製造方法においては、架橋前の星型ナ
イロンの低溶融粘度を利用して薄物射出成形等が効果的
に行われ、かつ注型後の架橋構造の形成により成形体の
機械的物性の向上が図られる。
イロンの成形体の製造方法においては、架橋前の星型ナ
イロンの低溶融粘度を利用して薄物射出成形等が効果的
に行われ、かつ注型後の架橋構造の形成により成形体の
機械的物性の向上が図られる。
【0014】
(第1発明の効果)第1発明の架橋星型ナイロンは、薄
物成形が可能で、しかも星型ナイロンに比し成形体とし
ての機械的物性が優れた新規なナイロン材料を提供する
ことができる。
物成形が可能で、しかも星型ナイロンに比し成形体とし
ての機械的物性が優れた新規なナイロン材料を提供する
ことができる。
【0015】(第2発明の効果)第2発明の架橋星型ナ
イロンは、前記第1発明の効果に加え、特に星型ナイロ
ンに比し脆性が改善された新規なナイロン材料を提供す
ることができる。
イロンは、前記第1発明の効果に加え、特に星型ナイロ
ンに比し脆性が改善された新規なナイロン材料を提供す
ることができる。
【0016】(第3発明の効果)第3発明の架橋星型ナ
イロンの成形体の製造方法により、架橋前の星型ナイロ
ンの低溶融粘度を利用して薄物射出成形等が効果的に行
われ、かつ注型後の架橋構造の形成により成形体の機械
的物性の向上が図られる。
イロンの成形体の製造方法により、架橋前の星型ナイロ
ンの低溶融粘度を利用して薄物射出成形等が効果的に行
われ、かつ注型後の架橋構造の形成により成形体の機械
的物性の向上が図られる。
【0017】
【実施態様】次に、第1〜第3発明の実施態様を説明す
る。本発明で用いる星型ナイロンの重合核化合物は、3
個以上のナイロン重合の開始基を備えている。その代表
的な例として、芳香族化合物の芳香環における1つ置き
以上に隔たった位置の炭素ごとに置換された3個以上の
重合開始基を有するものがある。
る。本発明で用いる星型ナイロンの重合核化合物は、3
個以上のナイロン重合の開始基を備えている。その代表
的な例として、芳香族化合物の芳香環における1つ置き
以上に隔たった位置の炭素ごとに置換された3個以上の
重合開始基を有するものがある。
【0018】このような芳香族の重合核化合物を用いる
と、重合核が有効なスペーサとなって、ナイロンの重合
初期において同一分子内の各重合鎖相互の接触が起き難
く、活性な初期重合鎖間での分子内架橋の形成が防止さ
れる。その結果、ナイロン重合完了後の固化時において
分子間の水素結合形成が促進され、良好な結晶化が可能
となる。
と、重合核が有効なスペーサとなって、ナイロンの重合
初期において同一分子内の各重合鎖相互の接触が起き難
く、活性な初期重合鎖間での分子内架橋の形成が防止さ
れる。その結果、ナイロン重合完了後の固化時において
分子間の水素結合形成が促進され、良好な結晶化が可能
となる。
【0019】更に、芳香環が多角形の板状であるため、
重合完了後の固化時においてこれらの板状芳香環同士が
厚さ方向に積み重なる状態で整列して配向する傾向があ
る。その結果、それぞれの星型ナイロン分子の重合鎖も
分子間で互いに平行に配向する傾向があり、分子間の水
素結合の形成が一層促進される。
重合完了後の固化時においてこれらの板状芳香環同士が
厚さ方向に積み重なる状態で整列して配向する傾向があ
る。その結果、それぞれの星型ナイロン分子の重合鎖も
分子間で互いに平行に配向する傾向があり、分子間の水
素結合の形成が一層促進される。
【0020】上記の芳香族化合物の芳香環には、ベンゼ
ン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピ
ロール環、インドール環、フラン環、チオフェン環、プ
リン環、キノリン環、フェナントレン環、ポルフィリン
環、フタロシアニン環、ナフタロシアニン環等が含まれ
る。特にポルフィリン環、フタロシアニン環、ナフタロ
シアニン環は大型の環状構造体であり、ベンゼン環等に
比して多くの重合開始基を設定できるという利点があ
る。
ン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピ
ロール環、インドール環、フラン環、チオフェン環、プ
リン環、キノリン環、フェナントレン環、ポルフィリン
環、フタロシアニン環、ナフタロシアニン環等が含まれ
る。特にポルフィリン環、フタロシアニン環、ナフタロ
シアニン環は大型の環状構造体であり、ベンゼン環等に
比して多くの重合開始基を設定できるという利点があ
る。
【0021】芳香族化合物の骨格構造は、上記の各種の
芳香環あるいはそれらの縮合環のみで構成される場合も
あり、また、芳香環が縮合することなく2個以上結合し
たビフェニル、トリフェニル、ビピリジン等により構成
される場合もある。更に、2個以上の芳香環の間に、ア
ルキレン基、アリレン基、アリーレン基、ジアゾ基、カ
ルボニル基、エーテル基、アミド基、エステル基、アミ
ノ基等を含む部分を有する構造であっても良い。
芳香環あるいはそれらの縮合環のみで構成される場合も
あり、また、芳香環が縮合することなく2個以上結合し
たビフェニル、トリフェニル、ビピリジン等により構成
される場合もある。更に、2個以上の芳香環の間に、ア
ルキレン基、アリレン基、アリーレン基、ジアゾ基、カ
ルボニル基、エーテル基、アミド基、エステル基、アミ
ノ基等を含む部分を有する構造であっても良い。
【0022】芳香族化合物の重合開始基としてはアミノ
基又はカルボキシル基が最も適しているが、ナイロンモ
ノマーの重合開始作用を有する他の重合開始基も用いる
ことができる。
基又はカルボキシル基が最も適しているが、ナイロンモ
ノマーの重合開始作用を有する他の重合開始基も用いる
ことができる。
【0023】重合開始基は、必ずしも芳香環の炭素に直
接結合している必要はなく、特定の中間構造部分を介し
て結合していても良い。このような中間構造部分とし
て、アルキレン基、アリレン基、アリーレン基等があ
る。
接結合している必要はなく、特定の中間構造部分を介し
て結合していても良い。このような中間構造部分とし
て、アルキレン基、アリレン基、アリーレン基等があ
る。
【0024】重合核の代表的なものをいくつか例示する
と、次の通りである。 1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン酸) 3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボン酸 2,4,6−ピリジントリカルボン酸 3,5,3’,5’−ビピリジルテトラカルボン酸 1,3,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸 1,3,6,8−アクリジンテトラカルボン酸 3,5,3’,5’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸 1,3,5−トリアミノベンゼン 1,3,5−トリ(アミノメチル)ベンゼン 3,5,3’,5’−テトラアミノビフェニル 2,4,6−トリアミノピリジン 3,5,3’,5’−テトラアミノビピリジル 1,3,5,7−テトラアミノナフタレン 1,3,6,8−テトラアミノアクリジン 3,5,3’,5’−テトラアミノベンゾフェノン
と、次の通りである。 1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン酸) 3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボン酸 2,4,6−ピリジントリカルボン酸 3,5,3’,5’−ビピリジルテトラカルボン酸 1,3,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸 1,3,6,8−アクリジンテトラカルボン酸 3,5,3’,5’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸 1,3,5−トリアミノベンゼン 1,3,5−トリ(アミノメチル)ベンゼン 3,5,3’,5’−テトラアミノビフェニル 2,4,6−トリアミノピリジン 3,5,3’,5’−テトラアミノビピリジル 1,3,5,7−テトラアミノナフタレン 1,3,6,8−テトラアミノアクリジン 3,5,3’,5’−テトラアミノベンゾフェノン
【0025】ポルフィリン系の重合核の代表的なものと
して、例えば無金属テトラキス(カルボキシフェニル)
ポルフィリン、アルミニウムテトラキス(カルボキシフ
ェニル)ポルフィリン、チタンテトラキス(カルボキシ
フェニル)ポルフィリン、ニッケルテトラキス(カルボ
キシフェニル)ポルフィリン、ロジウムテトラキス(カ
ルボキシフェニル)ポルフィリン等がある。
して、例えば無金属テトラキス(カルボキシフェニル)
ポルフィリン、アルミニウムテトラキス(カルボキシフ
ェニル)ポルフィリン、チタンテトラキス(カルボキシ
フェニル)ポルフィリン、ニッケルテトラキス(カルボ
キシフェニル)ポルフィリン、ロジウムテトラキス(カ
ルボキシフェニル)ポルフィリン等がある。
【0026】フタロシアニン系の重合核の代表的なもの
として、例えば無金属テトラカルボキシフタロシアニ
ン、クロロ(テトラカルボキシフタロシアニネート)ア
ルミニウム、(テトラカルボキシフタロシアニネート)
コバルト、(テトラカルボキシフタロシアニネート)
銅、(テトラカルボキシフタロシアニネート)ニッケ
ル、(テトラカルボキシフタロシアニネート)鉄、(テ
トラカルボキシフタロシアニネート)オキソバナジウ
ム、(テトラカルボキシフタロシアニネート)鉛、(テ
トラカルボキシフタロシアニネート)マグネシウム、
(テトラカルボキシフタロシアニネート)錫、(テトラ
カルボキシフタロシアニネート)亜鉛等がある。
として、例えば無金属テトラカルボキシフタロシアニ
ン、クロロ(テトラカルボキシフタロシアニネート)ア
ルミニウム、(テトラカルボキシフタロシアニネート)
コバルト、(テトラカルボキシフタロシアニネート)
銅、(テトラカルボキシフタロシアニネート)ニッケ
ル、(テトラカルボキシフタロシアニネート)鉄、(テ
トラカルボキシフタロシアニネート)オキソバナジウ
ム、(テトラカルボキシフタロシアニネート)鉛、(テ
トラカルボキシフタロシアニネート)マグネシウム、
(テトラカルボキシフタロシアニネート)錫、(テトラ
カルボキシフタロシアニネート)亜鉛等がある。
【0027】ナフタロシアニン系の重合核の代表的なも
のとして、例えば無金属テトラカルボキシナフタロシア
ニン、金属テトラカルボキシナフタロシアニン等があ
る。
のとして、例えば無金属テトラカルボキシナフタロシア
ニン、金属テトラカルボキシナフタロシアニン等があ
る。
【0028】以上の他にも、重合核化合物として、分子
内に3個以上のアミノ基又はカルボキシル基を有する脂
肪族化合物等も用いることができる。
内に3個以上のアミノ基又はカルボキシル基を有する脂
肪族化合物等も用いることができる。
【0029】ナイロンモノマーとしては特に制約はな
い。好ましくはバレロラクタム、カプロラクタム、2−
アザシクロトリデカノン、2−アザシクロトリデカノン
(ラウロラクタム)、1,8−ジアザシクロテトラデカ
ン−2,7−ジオン等のナイロンモノマーを用いること
ができる。
い。好ましくはバレロラクタム、カプロラクタム、2−
アザシクロトリデカノン、2−アザシクロトリデカノン
(ラウロラクタム)、1,8−ジアザシクロテトラデカ
ン−2,7−ジオン等のナイロンモノマーを用いること
ができる。
【0030】本発明に用いる星型ナイロンの調製方法は
特に限定しない。しかし、ナイロンモノマーの重合に当
たっては、重合核化合物以外の重合開始剤(例えば水や
酸)が混在すると直鎖状のナイロンも生成してしまうの
で、これらの重合開始剤が混在しないように留意すべき
である。
特に限定しない。しかし、ナイロンモノマーの重合に当
たっては、重合核化合物以外の重合開始剤(例えば水や
酸)が混在すると直鎖状のナイロンも生成してしまうの
で、これらの重合開始剤が混在しないように留意すべき
である。
【0031】星型ナイロンの重合工程は、反応系物質に
含まれる水や酸素を排除するために減圧下で行うのが良
く、また、揮発性であるナイロンモノマーの揮散を防止
するため封管中で重合するのが望ましい。
含まれる水や酸素を排除するために減圧下で行うのが良
く、また、揮発性であるナイロンモノマーの揮散を防止
するため封管中で重合するのが望ましい。
【0032】星型ナイロンの分子量は、理論的に当然予
測されることであるが、重合核の重合開始基の数とナイ
ロンモノマーとの仕込み比により決まる。そして、星型
ナイロン分子内の各重合鎖あたりの分子量は、全体の分
子量を重合鎖の数で割った数値にほぼ等しい。
測されることであるが、重合核の重合開始基の数とナイ
ロンモノマーとの仕込み比により決まる。そして、星型
ナイロン分子内の各重合鎖あたりの分子量は、全体の分
子量を重合鎖の数で割った数値にほぼ等しい。
【0033】架橋用の連結分子としては、カルボキシル
基を重合鎖の末端に持つ星型ナイロンに対してはジアミ
ノ化合物等の2個以上のアミノ基を持つ化合物が、ま
た、アミノ基を重合鎖の末端に持つ星型ナイロンに対し
てはジカルボン酸等の2個以上のカルボキシル基を持つ
化合物やジイソシアネート化合物が、それぞれ用いられ
る。
基を重合鎖の末端に持つ星型ナイロンに対してはジアミ
ノ化合物等の2個以上のアミノ基を持つ化合物が、ま
た、アミノ基を重合鎖の末端に持つ星型ナイロンに対し
てはジカルボン酸等の2個以上のカルボキシル基を持つ
化合物やジイソシアネート化合物が、それぞれ用いられ
る。
【0034】上記の2個以上のアミノ基を持つ請求項1
又は2記載の連結分子の代表的なものとして、m−キシ
リレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−ジアミ
ノベンゼン、p−ジアミノベンゼン、H2 N−(C
H2 )n −NH2 (nは2〜20の整数)、両末端にア
ミノ基を有する分子量500〜5,000程度のポリマ
ー(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリブタジエン、ポリイソプレン等)などがある。
又は2記載の連結分子の代表的なものとして、m−キシ
リレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−ジアミ
ノベンゼン、p−ジアミノベンゼン、H2 N−(C
H2 )n −NH2 (nは2〜20の整数)、両末端にア
ミノ基を有する分子量500〜5,000程度のポリマ
ー(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリブタジエン、ポリイソプレン等)などがある。
【0035】上記の2個以上のカルボキシル基を持つ請
求項1又は2記載の連結分子の代表的なものとして、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、HOOC−(CH2 )n −
COOH(nは2〜20の整数)、両末端にカルボキシ
ル基を有する分子量500〜5,000程度のポリマー
(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリブタジエン、ポリイソプレン等)などがある。
求項1又は2記載の連結分子の代表的なものとして、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、HOOC−(CH2 )n −
COOH(nは2〜20の整数)、両末端にカルボキシ
ル基を有する分子量500〜5,000程度のポリマー
(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリブタジエン、ポリイソプレン等)などがある。
【0036】請求項1又は2記載の上記イソシアネート
化合物である連結分子の代表的なものとしては、m−キ
シリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、O=C=N−(CH2 )n −N
=C=O(nは2〜20の整数)、両末端にイソシアネ
ート基を有する分子量500〜5,000程度のポリマ
ー(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリブタジエン、ポリイソプレン等)などがある。
化合物である連結分子の代表的なものとしては、m−キ
シリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、O=C=N−(CH2 )n −N
=C=O(nは2〜20の整数)、両末端にイソシアネ
ート基を有する分子量500〜5,000程度のポリマ
ー(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリブタジエン、ポリイソプレン等)などがある。
【0037】請求項3に記載した架橋星型ナイロンの成
形体の製造方法について実施態様を説明すると、まず、
星型ナイロンと架橋用連結分子との混合比は、星型ナイ
ロンの重合鎖の末端基−カルボキシル基又はアミノ基で
ある−の濃度と、連結分子の官能基−カルボキシル基、
アミノ基又はイソシアネート基である−の濃度とによっ
て決めることができる。
形体の製造方法について実施態様を説明すると、まず、
星型ナイロンと架橋用連結分子との混合比は、星型ナイ
ロンの重合鎖の末端基−カルボキシル基又はアミノ基で
ある−の濃度と、連結分子の官能基−カルボキシル基、
アミノ基又はイソシアネート基である−の濃度とによっ
て決めることができる。
【0038】重合鎖の末端基濃度(mol/g)は、次
の式で求められる。 末端基濃度=(1/星型ナイロンの分子量)×星型ナイ
ロンの重合鎖数 一方、連結分子の官能基濃度(mol/g)は、次の式
で求められる。 官能基濃度=(1/連結分子の分子量)×1分子中の官
能基数
の式で求められる。 末端基濃度=(1/星型ナイロンの分子量)×星型ナイ
ロンの重合鎖数 一方、連結分子の官能基濃度(mol/g)は、次の式
で求められる。 官能基濃度=(1/連結分子の分子量)×1分子中の官
能基数
【0039】理論的には、上記の末端基濃度と官能基濃
度とが等しい時に、星型ナイロンの重合鎖の末端基と架
橋用連結分子の官能基とが全て架橋形成に関与し、架橋
構造が最も発達する。しかし実際には、星型ナイロンと
連結分子との混合の均一度の問題もあり、また機械的物
性の改善のためには必ずしも全ての末端基と官能基とが
反応している必要もない。従って、末端基濃度/官能基
濃度の比率を、狭くとも、5〜0.3の範囲で余裕を見
ておいた方が良い。
度とが等しい時に、星型ナイロンの重合鎖の末端基と架
橋用連結分子の官能基とが全て架橋形成に関与し、架橋
構造が最も発達する。しかし実際には、星型ナイロンと
連結分子との混合の均一度の問題もあり、また機械的物
性の改善のためには必ずしも全ての末端基と官能基とが
反応している必要もない。従って、末端基濃度/官能基
濃度の比率を、狭くとも、5〜0.3の範囲で余裕を見
ておいた方が良い。
【0040】架橋用連結分子中に占める、ポリエーテル
部分あるいはポリオレフィン部分を持った連結分子の比
率、あるいは、そのポリエーテル部分あるいはポリオレ
フィン部分の分子量の大きさは、架橋星型ナイロンに対
して特にどのような物性を強く要求するかによって相対
的に異なり、必ずしも一律に規定できない。ただ、一般
的には、架橋星型ナイロンにおけるポリエーテル部分あ
るいはポリオレフィン部分の割合が5〜50wt%であ
るのが望ましい。これより少ないと、星型ナイロンの脆
さの改善が不足し、これより多いと、架橋星型ナイロン
の強度、弾性率の低下につながる。
部分あるいはポリオレフィン部分を持った連結分子の比
率、あるいは、そのポリエーテル部分あるいはポリオレ
フィン部分の分子量の大きさは、架橋星型ナイロンに対
して特にどのような物性を強く要求するかによって相対
的に異なり、必ずしも一律に規定できない。ただ、一般
的には、架橋星型ナイロンにおけるポリエーテル部分あ
るいはポリオレフィン部分の割合が5〜50wt%であ
るのが望ましい。これより少ないと、星型ナイロンの脆
さの改善が不足し、これより多いと、架橋星型ナイロン
の強度、弾性率の低下につながる。
【0041】星型ナイロンと架橋用連結分子との混合
は、溶融状態において行う。その際の温度は、星型ナイ
ロンの融点以上で、かつ、ナイロンの熱分解温度以下で
ある。かかる温度範囲内において、融点と殆ど変わらな
い温度では星型ナイロンの溶融に時間がかかり相対的に
生産性が低下し易いことに注意し、上限に近い温度では
星型ナイロンと架橋用連結分子との架橋反応が迅速に進
行し過ぎて注型前に粘度が上昇してしまわないように注
意する必要がある。溶融温度の一例として、低分子量の
星型ナイロン6の場合では、200°C以上、望ましく
は220〜260°Cである。
は、溶融状態において行う。その際の温度は、星型ナイ
ロンの融点以上で、かつ、ナイロンの熱分解温度以下で
ある。かかる温度範囲内において、融点と殆ど変わらな
い温度では星型ナイロンの溶融に時間がかかり相対的に
生産性が低下し易いことに注意し、上限に近い温度では
星型ナイロンと架橋用連結分子との架橋反応が迅速に進
行し過ぎて注型前に粘度が上昇してしまわないように注
意する必要がある。溶融温度の一例として、低分子量の
星型ナイロン6の場合では、200°C以上、望ましく
は220〜260°Cである。
【0042】溶融混合物の注型は、その溶融混合物にお
ける架橋反応が十分に進行しない内に行う。さもない
と、架橋反応の進行により溶融混合物の粘性が上昇して
必要な注型圧力が増大し、第3発明の低粘性注型の利点
が確保されなくなる。従って、ナイロンが溶融した直後
に注型するのが最も良い。星型ナイロンと架橋用連結分
子との混合は、注型工程そのものにおいて十分になされ
る可能性があり、更に溶融混合物の注入路や注入口に公
知の混合促進手段を施すこともできる。それでも混合が
不足する場合は、ナイロンが溶融した直後に適当な攪拌
手段等により混合し、その後直ちに注型するのが良い。
ける架橋反応が十分に進行しない内に行う。さもない
と、架橋反応の進行により溶融混合物の粘性が上昇して
必要な注型圧力が増大し、第3発明の低粘性注型の利点
が確保されなくなる。従って、ナイロンが溶融した直後
に注型するのが最も良い。星型ナイロンと架橋用連結分
子との混合は、注型工程そのものにおいて十分になされ
る可能性があり、更に溶融混合物の注入路や注入口に公
知の混合促進手段を施すこともできる。それでも混合が
不足する場合は、ナイロンが溶融した直後に適当な攪拌
手段等により混合し、その後直ちに注型するのが良い。
【0043】溶融混合物の注型後は、ナイロンの分解温
度に達しない限りにおいて、なるべく高い温度で星型ナ
イロンと架橋用連結分子との架橋反応を速やかに進行さ
せれば良い。例えば低分子量の星型ナイロン6を用いて
いる場合、注型後の加熱温度は、200°C以上、望ま
しくは220〜260°Cである。また、有効な程度の
架橋反応を起こさせるのに必要な注型後の加熱時間は、
加熱温度にもよるが、1〜20分程度である。上記の加
熱温度や加熱時間が不十分であると、架橋度が不十分と
なり、架橋星型ナイロンの機械的物性に不満を残しがち
である。また、加熱温度や加熱時間が過度であると、ナ
イロンの熱分解による物性の低下を招きがちである。
度に達しない限りにおいて、なるべく高い温度で星型ナ
イロンと架橋用連結分子との架橋反応を速やかに進行さ
せれば良い。例えば低分子量の星型ナイロン6を用いて
いる場合、注型後の加熱温度は、200°C以上、望ま
しくは220〜260°Cである。また、有効な程度の
架橋反応を起こさせるのに必要な注型後の加熱時間は、
加熱温度にもよるが、1〜20分程度である。上記の加
熱温度や加熱時間が不十分であると、架橋度が不十分と
なり、架橋星型ナイロンの機械的物性に不満を残しがち
である。また、加熱温度や加熱時間が過度であると、ナ
イロンの熱分解による物性の低下を招きがちである。
【0044】
(重合核化合物の合成)5−ブロモイソフタル酸51.
0gを、水120mlとカ性ソーダ33.3gの水溶液
に溶解させ、この溶液にPdCl2 ・2NaClを0.
330g加えて温度を90°Cに上げた。その昇温過程
で水30ml、メタノール6.66g、ギ酸9.57g
を1時間かけて滴下した。昇温後、90°Cで4時間攪
拌した後、ろ過によりPdを除去した。このろ液に水1
00mlを加え、氷冷しながら36%の塩酸溶液を90
g加えると、白色の固体が析出した。この白色の固体
を、ろ過後、ジメチルホルムアミドで再結晶することに
より、3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボン
酸13.0gを得た。
0gを、水120mlとカ性ソーダ33.3gの水溶液
に溶解させ、この溶液にPdCl2 ・2NaClを0.
330g加えて温度を90°Cに上げた。その昇温過程
で水30ml、メタノール6.66g、ギ酸9.57g
を1時間かけて滴下した。昇温後、90°Cで4時間攪
拌した後、ろ過によりPdを除去した。このろ液に水1
00mlを加え、氷冷しながら36%の塩酸溶液を90
g加えると、白色の固体が析出した。この白色の固体
を、ろ過後、ジメチルホルムアミドで再結晶することに
より、3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボン
酸13.0gを得た。
【0045】(星型ナイロン6の合成)十分に乾燥した
前記3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボン酸
7.60gと、ε−カプロラクタム115gとをガラス
容器に入れ、真空ポンプで減圧下に封管した。この容器
を、オーブン中で120°Cで2時間加熱してε−カプ
ロラクタムを溶融させた後、振とう攪拌して3,5,
3’,5’−ビフェニルテトラカルボン酸を均一な混合
状態で溶解した。そして温度を250°Cに上げて72
時間反応させ、その後に冷却して封管を開き、重合した
樹脂を取り出して凍結粉砕し、十分に洗浄した後真空乾
燥して、分子量4,450の4本鎖星型ナイロン6を得
た(以下これを「星型ナイロン試料」という。)。
前記3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボン酸
7.60gと、ε−カプロラクタム115gとをガラス
容器に入れ、真空ポンプで減圧下に封管した。この容器
を、オーブン中で120°Cで2時間加熱してε−カプ
ロラクタムを溶融させた後、振とう攪拌して3,5,
3’,5’−ビフェニルテトラカルボン酸を均一な混合
状態で溶解した。そして温度を250°Cに上げて72
時間反応させ、その後に冷却して封管を開き、重合した
樹脂を取り出して凍結粉砕し、十分に洗浄した後真空乾
燥して、分子量4,450の4本鎖星型ナイロン6を得
た(以下これを「星型ナイロン試料」という。)。
【0046】〔実施例1〕この実施例では、請求項1に
記載の架橋星型ナイロン、請求項2に記載の架橋星型ナ
イロンおよび未架橋星型ナイロンについて、以下の通り
に物性の評価を行った。
記載の架橋星型ナイロン、請求項2に記載の架橋星型ナ
イロンおよび未架橋星型ナイロンについて、以下の通り
に物性の評価を行った。
【0047】(実験例1)星型ナイロン試料10.0g
と、m−キシリレンジアミン0.306gを混合してC
SI社製の Mini Max 成形機CS−183のシリンダー
内に入れ、230°Cで2分間かけて溶融させた。そし
てこの溶融混合物を、図1に示す形状及び寸法の試験片
が成形される、230°Cに加熱した型内に注型し、そ
の温度で更に7分間型を加熱した後、型を冷却して試験
片を取り出した。この試験片について引張速度0.06
30cm/min.(2.0r.p.m.)で引張試験を行っ
たところ、降伏強さは66.1 MPa、弾性率は812 M
Pa、破断伸びは15%であった。
と、m−キシリレンジアミン0.306gを混合してC
SI社製の Mini Max 成形機CS−183のシリンダー
内に入れ、230°Cで2分間かけて溶融させた。そし
てこの溶融混合物を、図1に示す形状及び寸法の試験片
が成形される、230°Cに加熱した型内に注型し、そ
の温度で更に7分間型を加熱した後、型を冷却して試験
片を取り出した。この試験片について引張速度0.06
30cm/min.(2.0r.p.m.)で引張試験を行っ
たところ、降伏強さは66.1 MPa、弾性率は812 M
Pa、破断伸びは15%であった。
【0048】(実験例2)星型ナイロン試料12.0g
と、両末端がアミノ基のポリエチレンオキシド(広栄化
学工業製、分子量1,000)3.0gを混合してCS
I社製の Mini Max 成形機CS−183のシリンダー内
に入れ、230°Cで2分間かけて溶融させた。そして
この溶融混合物を、230°Cに加熱した実験例1と同
じ型内に注型し、その温度で更に10分間型を加熱した
後、型を冷却して試験片を取り出した。この試験片につ
いて引張速度0.0630cm/min.(2.0r.p.
m.)で引張試験を行ったところ、降伏強さは17.5 M
Pa、弾性率は271 MPa、破断伸びは118%であっ
た。
と、両末端がアミノ基のポリエチレンオキシド(広栄化
学工業製、分子量1,000)3.0gを混合してCS
I社製の Mini Max 成形機CS−183のシリンダー内
に入れ、230°Cで2分間かけて溶融させた。そして
この溶融混合物を、230°Cに加熱した実験例1と同
じ型内に注型し、その温度で更に10分間型を加熱した
後、型を冷却して試験片を取り出した。この試験片につ
いて引張速度0.0630cm/min.(2.0r.p.
m.)で引張試験を行ったところ、降伏強さは17.5 M
Pa、弾性率は271 MPa、破断伸びは118%であっ
た。
【0049】(比較実験例1)星型ナイロン試料2.0
gをCSI社製の Mini Max 成形機CS−183のシリ
ンダー内に入れ、230°Cで2分間かけて溶融させ
た。そしてこの溶融物を、90°Cに加熱した実験例1
と同じ型内に注型した後、型を冷却して試験片を取り出
した。この試験片について引張速度0.0630cm/
min.(2.0r.p.m.)で引張試験を行ったところ、
降伏強さは14.9 MPa、弾性率は404MPa、破断伸
びは4%であった。
gをCSI社製の Mini Max 成形機CS−183のシリ
ンダー内に入れ、230°Cで2分間かけて溶融させ
た。そしてこの溶融物を、90°Cに加熱した実験例1
と同じ型内に注型した後、型を冷却して試験片を取り出
した。この試験片について引張速度0.0630cm/
min.(2.0r.p.m.)で引張試験を行ったところ、
降伏強さは14.9 MPa、弾性率は404MPa、破断伸
びは4%であった。
【0050】(実施例1の評価)実験例1は、比較実験
例1に比して、強さ、弾性率の向上が見られ、市販ナイ
ロン(直鎖状、分子量13,000)の強さ、弾性率と
同程度であった。実験例2は、破断伸びが市販ナイロン
(直鎖状、分子量13,000)と同程度まで向上し、
比較実験例1に比して格段に脆さの改善がなされた。
例1に比して、強さ、弾性率の向上が見られ、市販ナイ
ロン(直鎖状、分子量13,000)の強さ、弾性率と
同程度であった。実験例2は、破断伸びが市販ナイロン
(直鎖状、分子量13,000)と同程度まで向上し、
比較実験例1に比して格段に脆さの改善がなされた。
【0051】〔実施例2〕この実施例では、請求項3に
記載の架橋星型ナイロン成形体の製造方法に関し、架橋
星型ナイロン、未架橋星型ナイロン及び直鎖状ナイロン
の一定条件における溶融粘度あるいは注型圧力につい
て、以下の通りに評価を行った。
記載の架橋星型ナイロン成形体の製造方法に関し、架橋
星型ナイロン、未架橋星型ナイロン及び直鎖状ナイロン
の一定条件における溶融粘度あるいは注型圧力につい
て、以下の通りに評価を行った。
【0052】(実験例3)オス型とメス型の間に200
μmの空隙のある金型の前記メス型に、星型ナイロン試
料10.0gと、m−キシリレンジアミン0.306g
との混合物3.0gを入れ、230°Cで2分間かけて
溶融させた。次いで、オス型を2kg/cm2 の力で2
秒間を要して圧入し、そのまま230°Cで更に10分
間加熱した。その後冷却し、オス型を抜き出すと、20
0μmの厚さの架橋星型ナイロンの皮膜が均一にコーテ
ィングされていた。
μmの空隙のある金型の前記メス型に、星型ナイロン試
料10.0gと、m−キシリレンジアミン0.306g
との混合物3.0gを入れ、230°Cで2分間かけて
溶融させた。次いで、オス型を2kg/cm2 の力で2
秒間を要して圧入し、そのまま230°Cで更に10分
間加熱した。その後冷却し、オス型を抜き出すと、20
0μmの厚さの架橋星型ナイロンの皮膜が均一にコーテ
ィングされていた。
【0053】(比較実験例2)実験例3と同じ金型のメ
ス型に実験例3と同じ混合物を3.0g入れ、230°
Cで12分間加熱を続けた。そしてメス型中へのオス型
の圧入を試みたが、25kg/cm2 の力で5分間かけ
ても圧入できなかった。
ス型に実験例3と同じ混合物を3.0g入れ、230°
Cで12分間加熱を続けた。そしてメス型中へのオス型
の圧入を試みたが、25kg/cm2 の力で5分間かけ
ても圧入できなかった。
【0054】(比較実験例3)実験例3と同じ金型のメ
ス型に、4本鎖の星型ナイロン6(分子量13,00
0)3.0gを入れ、230°Cで2分間加熱溶融し
た。その後オス型を圧入するのに20kg/cm2 の力
で10秒間を要した。冷却後、オス型を抜き出すと、2
00μmの厚さの星型ナイロンの皮膜がコーティングさ
れていた。
ス型に、4本鎖の星型ナイロン6(分子量13,00
0)3.0gを入れ、230°Cで2分間加熱溶融し
た。その後オス型を圧入するのに20kg/cm2 の力
で10秒間を要した。冷却後、オス型を抜き出すと、2
00μmの厚さの星型ナイロンの皮膜がコーティングさ
れていた。
【0055】(比較実験例4)実験例3と同じ金型のメ
ス型に、直鎖状のナイロン6(分子量13,000)
3.0gを入れ、230°Cで2分間加熱溶融した。そ
の後オス型の圧入を試みたが、25kg/cm2 の力で
5分間かけても圧入できなかった。
ス型に、直鎖状のナイロン6(分子量13,000)
3.0gを入れ、230°Cで2分間加熱溶融した。そ
の後オス型の圧入を試みたが、25kg/cm2 の力で
5分間かけても圧入できなかった。
【0056】(実施例2の評価)実験例3は、比較実験
例2に対しては未架橋であるという理由から、比較実験
例3に対しては低分子量であるという理由から、比較実
験例4に対しては星型構造であるという理由から、それ
ぞれ注型時間の短縮、注型圧力の低減を実現できた。
例2に対しては未架橋であるという理由から、比較実験
例3に対しては低分子量であるという理由から、比較実
験例4に対しては星型構造であるという理由から、それ
ぞれ注型時間の短縮、注型圧力の低減を実現できた。
【図1】試料片の形状及び寸法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 秀郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 3個以上の重合開始基を有する重合核化
合物における前記重合開始基のそれぞれを起点としてナ
イロンの重合鎖が形成されて星型ナイロンの分子が構成
されており、 かつ、前記星型ナイロンの異なる分子の重合鎖の末端間
が、この末端との反応性を有する2以上の官能基を備え
た架橋用の連結分子を介して架橋構造を構成している、 ことを特徴とする架橋星型ナイロン。 - 【請求項2】 前記架橋用の連結分子の一部または全部
が、その2以上の官能基の間に、星型ナイロンの脆性を
改善するに足る所定の分子量のポリエーテル部分あるい
はポリオレフィン部分を備えていることを特徴とする請
求項1に記載の架橋星型ナイロン。 - 【請求項3】 請求項1に記載の星型ナイロンを溶融状
態において請求項1に記載の架橋用の連結分子と混合
し、その溶融混合物を請求項1に記載の架橋構造が形成
される前に注型し、次いで前記架橋構造を形成させるこ
とにより、請求項1に記載の架橋星型ナイロンの成形体
を得ることを特徴とする架橋星型ナイロンの成形体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28164893A JPH07109352A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 架橋星型ナイロン及びその成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28164893A JPH07109352A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 架橋星型ナイロン及びその成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07109352A true JPH07109352A (ja) | 1995-04-25 |
Family
ID=17642035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28164893A Pending JPH07109352A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 架橋星型ナイロン及びその成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07109352A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0774480A1 (de) * | 1995-11-18 | 1997-05-21 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von verzweigten Polyamiden |
CN115028771A (zh) * | 2022-06-23 | 2022-09-09 | 安徽天润化学工业股份有限公司 | 一种悬浮聚合法制备树枝状两亲型丙烯酰胺类共聚物的方法及其应用 |
-
1993
- 1993-10-15 JP JP28164893A patent/JPH07109352A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0774480A1 (de) * | 1995-11-18 | 1997-05-21 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von verzweigten Polyamiden |
US5760163A (en) * | 1995-11-18 | 1998-06-02 | Basf Aktiengesellschaft | Preparation of branched polyamides |
CN115028771A (zh) * | 2022-06-23 | 2022-09-09 | 安徽天润化学工业股份有限公司 | 一种悬浮聚合法制备树枝状两亲型丙烯酰胺类共聚物的方法及其应用 |
CN115028771B (zh) * | 2022-06-23 | 2023-09-26 | 安徽天润化学工业股份有限公司 | 一种悬浮聚合法制备树枝状两亲型丙烯酰胺类共聚物的方法及其应用 |
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