[go: up one dir, main page]

JPH07109128A - ガラス成形用型およびその製造方法 - Google Patents

ガラス成形用型およびその製造方法

Info

Publication number
JPH07109128A
JPH07109128A JP25410293A JP25410293A JPH07109128A JP H07109128 A JPH07109128 A JP H07109128A JP 25410293 A JP25410293 A JP 25410293A JP 25410293 A JP25410293 A JP 25410293A JP H07109128 A JPH07109128 A JP H07109128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
carbon film
ion
base
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25410293A
Other languages
English (en)
Inventor
Shojiro Miyake
正二郎 三宅
Masao Murakawa
正夫 村川
Shuichi Watabe
修一 渡部
Masaru Uno
賢 宇野
Yasushi Kumagai
泰 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NANOTETSUKU KK
Hoya Corp
Original Assignee
NANOTETSUKU KK
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NANOTETSUKU KK, Hoya Corp filed Critical NANOTETSUKU KK
Priority to JP25410293A priority Critical patent/JPH07109128A/ja
Publication of JPH07109128A publication Critical patent/JPH07109128A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/14Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
    • C03B2215/24Carbon, e.g. diamond, graphite, amorphous carbon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/30Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/30Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material
    • C03B2215/31Two or more distinct intermediate layers or zones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/30Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material
    • C03B2215/34Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material of ceramic or cermet material, e.g. diamond-like carbon

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数回にも及ぶプレス成形によってもガラス
の融着が起こらず、所望のガラス成形体を得ること。 【構成】 炭化ケイ素焼結体1にCVD法により炭化ケ
イ素膜2を形成して基盤を得、この炭化ケイ素膜2上に
イオンプレーティング法により炭素膜3を形成した後、
不活性ガスのイオン注入処理を行うことによって、炭化
ケイ素膜2の炭素膜3との界面に非晶質層4を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス成形型に関し、特
に、ガラス素材(プリフォーム)をプレス成形してガラ
スレンズ等のガラス成形体を製造するために用いられる
ガラスプレス成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス素材(プリフォーム)をプレス成
形することによりガラス成形体を得る製造方法の1つに
“直接プレス成形法”がある。この直接プレス成形法で
は、プレス成形後の冷間研磨を不要にすることができる
ので、ガラス成形体を製造する工程の簡素化とコストダ
ウンを実現できる。
【0003】この直接プレス成形法では、ガラス成形体
面は高温下において成形型の表面形状をそのまま転写し
ている必要があり、更に成形型表面は、ガラス成形体面
に必要な面精度並びに面粗度が確保されていなければな
らない。このため、ガラス成形用型としては、次に述べ
る事項が必要となる。高温下においてガラスと化学的
な反応を起こさないこと。耐酸化性及び耐熱性に優れ
ていること。硬度が高くプレス成形時に組織変化又は
塑性変形しないこと。型形状の加工性が良く、型表面
の摩擦抵抗が極力小さいこと。
【0004】従来、ガラス成形用型としては、超硬合
金、サーメットや窒化ケイ素(Si34 )、炭化ケイ
素(SiC)等のセラミックスが用いられている。これ
らガラス成形用型はいずれも、500℃以上の高温プレ
スでは数回〜数十回のプレスで型表面にガラスの融着が
起こる。これを防止する手段として、各種離型膜が基盤
の表面上に設けられている。この離型膜としては、特に
カーボンから成るものが多用されている。
【0005】一例として、特開平2−199036号公
報には、イオンプレーティング法により、アノード電極
とカソード電極とから成るイオン源にて炭化水素イオン
を生成して、炭化ケイ素焼結体上にCVD法による炭化
ケイ素膜を有する基盤表面に炭素膜を形成してガラスプ
レス成形型とする方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のイオンプレーテ
ィング法により得られた炭素膜は、耐熱性、耐酸化性及
び基盤との密着性に優れかつ成形時にガラスの融着も起
こりにくい。しかしながら、数百〜数千回に及ぶプレス
成形によってガラスが軟化成形される際に、ガラス表面
と成形型表面に生じる剪断応力や成形型面のエッヂ等の
応力集中の生じ易い場所で炭素膜の剥離が起こり、この
剥離部分から露出した基盤表面がわずかに酸化している
ためガラスの融着が起こり易くなる。さらに、同様の理
由で、基盤材となるCVD法で得られた炭化ケイ素膜表
面にもクラックやカケが生じて、プレス成形したガラス
表面に凸部として転写され、所望のガラス成形体が得ら
れないという問題点を有している。
【0007】したがって、本発明の目的は、数百〜数千
回に及ぶプレス成形によっても、ガラスの融着が起こり
難いガラス成形用型及びその製造方法を提供することに
ある。
【0008】本発明の他の目的は、所望のガラス成形体
を得ることができるガラス成形用型及びその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるガラス成形
用型は、プリフォームをプレス成形することによりガラ
ス成形体を得るために使用されるものであって、製造さ
れるべきガラス成形体の形状に加工した基盤と、この基
盤材料表面上に形成された炭素膜と、この炭素膜と基盤
との界面にアルゴン又は窒素などの不活性ガスをイオン
注入することによって形成された非晶質層とを含むこと
を特徴とする。
【0010】基盤材料としては、ケイ素(Si)、窒化
ケイ素(Si3 4 )、炭化タングステン(WC)、酸
化アルミニウム(Al2 3 )と炭化チタン(TiC)
のサーメット等を使用できるが、炭化ケイ素焼結体を用
いることが好ましい。更に、この基盤としては、炭化ケ
イ素焼結体の表面、特に、プレス成形の際、ガラスと接
する面に、CVD法による炭化ケイ素膜を有するものが
好ましい。
【0011】次に、イオンプレーティング法による炭素
膜の成膜について説明する。イオンプレーティング法は
イオンプレーティング装置を用いて実施される。イオン
プレーティング装置は、アノード電極と、第1のカソー
ド電極と、ガラスプレス成形型の基盤を保持する第2の
カソード電極として働く基盤ホルダーとを有する。更
に、イオンプレーティング装置は、第1のカソード電極
とアノード電極とを取り囲む形で配置したリフレクター
を有する。このイオンプレーティング装置において、ア
ノード電極と第1のカソード電極との間に50〜150
Vの低電圧を印加して、炭化水素イオンのプラズマを発
生させる。
【0012】ここで用いられる炭化水素としては、炭素
(C)の原子数(NC )と水素(H)の原子数(NH
との比率(NC /NH )が1/3以上であるものが好ま
しい。この比率(NC /NH )が1/3未満の炭化水素
や酸素、窒素を含む炭化水素化合物は、離型膜の成膜性
及びプレス成形時のプレス成形品離型性の少なくともい
ずれか一方が不十分であり、使用することが不適当であ
ることが知られている。
【0013】次に、アノード電極に対して基盤ホルダー
が第2のカソード電極となるように、それらの間に0.
5〜2.5kVの電圧を印加して、炭化水素イオンの加
速を促進する。
【0014】イオンプレーティング処理時の基盤温度は
200〜400℃の範囲内にあるのが好ましい。その理
由は次の通りである。基盤温度を200℃未満として形
成した炭素膜は膜質が脆弱であり、窒素雰囲気中におけ
る650℃の加熱保持テストにおいて、昇温直後に炭素
膜がフィルム状に基盤表面から浮き上がり耐熱性が劣
る。これに対して、基盤温度を200〜400℃の範囲
内にした場合では、上記加熱保持テストにおいて30時
間保持後も何ら変化を示さないからである。基盤温度を
400℃を越える温度にした場合は、膜構造がグラファ
イト化して、上記加熱保持テストでは局所的に酸化され
て肌荒れ現象を生じた。また、炭素膜の厚さの実用範囲
は50〜5000オングストロームである。この理由は
次の通りである。炭素膜の厚さが50オングストローム
未満であると、均一な膜の形成が困難である。一方、炭
素膜の厚さが5000オングストロームを越えると、膜
中の歪みのために剥離を生じるためである。
【0015】次に、イオン注入による炭素膜上への処理
について説明する。イオン注入はイオン注入装置を用い
て実施される。イオン注入装置は、上記のイオンプレー
ティング法により炭素膜が形成されたプレス成形型基盤
を保持する基盤ホルダーと、カソード電極とアノード電
極から成るイオン化源との間に加速器とを有する。この
イオン注入装置において、イオン化されるべきアルゴン
(Ar)あるいは窒素(N2 )ガスは、アノード電極と
カソード電極間に導入されてイオン化された後、加速器
で15〜200keVの範囲の加速電圧で加速エネルギ
ーが付与される。ここで、加速電圧が15keV未満で
あると、基盤表面へのイオン注入量が減少してスパッタ
現象が支配的となる。また、加速電圧が200keVを
越えると、照射イオン種が基盤のかなり深い所まで注入
されるため、炭素膜と基盤との界面での密着性改善が成
されないことが知られている。
【0016】イオン種は基盤ホルダーへ1013〜1017
ION/cm2 のイオン密度で照射される。この際、均
一にイオン種を基盤ホルダーへ照射するために、イオン
種を収束レンズ中を通過させる。また、供給するイオン
種としては、質量分離器を使用して必要なもののみ選択
することが好ましい。
【0017】尚、上述の炭素膜の成膜とイオン注入処理
は、それぞれ、独立したイオンプレーティング装置及び
イオン注入装置にて行っても良いが、処理時間短縮の効
率化を考えれば、イオンプレーティング及びイオン注入
のいずれの機能をも満たした装置にて行う方が好まし
い。また、炭素膜の形成前に、(CVD法で得られた)
炭化ケイ素膜表面にイオン注入にて非晶質層を形成して
おいても良く、更に、イオンプレーティング法による炭
素膜の成膜時に、イオンの注入を同時に行う、いわゆる
ダイナミックミキシング法によっても同様の効果が得ら
れる。
【0018】
【作用】本発明のガラス成形用型は、基盤の表面上に炭
素膜を成膜した後、イオン注入処理することを特徴とす
る。
【0019】アルゴン(Ar)あるいは窒素(N2 )の
不活性ガスを、炭素膜を形成した基盤表面にイオン注入
すると、炭素膜を構成する原子は照射イオン種と衝突し
て反跳し、基盤の内部にまで侵入するいわゆるイオンミ
キシング効果が高まって、炭素膜と基盤の密着性が向上
し、炭素膜の剥離が生じにくくなる。
【0020】更に、炭素膜を形成した炭化ケイ素膜の極
表面層は、イオン注入の際に発生する照射損傷によっ
て、格子欠陥が生じ非晶質化する。これによって、基盤
面の靭性が改善されて引張応力に対する強度が向上し、
クラックやカケが起こりにくくなる。このため、対破壊
性及び離型性において非常に良好な成形型となり、半永
久的な使用が可能となる。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明する。
【0022】〔実施例1〕本発明の第1の実施例による
プレス成形用型を次のようにして製造した。図1に示す
ように、プレス成形用型の基盤材料として炭化ケイ素
(SiC)焼結体1を用い、研削によりプレス成形型形
状に加工後、さらに加工面側にCVD法により炭化ケイ
素膜2を形成して、更に研削及び研磨して製造されるべ
きガラス成形体に対応する形状に鏡面仕上げして成形型
基盤を得た。次に、成形型基盤の炭化ケイ素膜2上に炭
素膜3をイオンプレーティング法により成膜した。
【0023】図2は、炭素膜を成膜するために用いられ
るイオンプレーティング装置とイオン注入に用いられる
イオン注入装置のいずれの機能も付加した装置の概略図
である。図2に示す装置の右側にある真空槽11の内部
には、アノード電極15と、第1のカソード電極14
と、これら電極と対向する位置にヒーター18を内蔵し
た基盤ホルダー12とが設けられている。この基盤ホル
ダー12には、炭化ケイ素膜2(図1)を有するガラス
成形型基盤13が保持されている。
【0024】最初に、炭素膜3(図1)を成膜するイオ
ンプレーティング法について説明する。先ず、タンタル
(Ta)フィラメントから成る第1のカソード電極14
とタングステン(W)基盤からなるアノード電極15間
に80Vの電圧を印加し、真空槽11内に導入されたア
ルゴンガスをイオン化する。更に第2のカソード電極と
して作用する基盤ホルダー12とアノード電極15間に
1.5kVの電圧を印加するとともに、第1のカソード
電極14とアノード電極15とを取り囲む形で配置され
たリフレクター16に80Vの電圧を印加してアルゴン
イオンを基盤13へ集中的に加速させることで基盤表面
をイオンボンバードし清浄化した。
【0025】次に真空槽11内の導入ガスをアルゴンガ
スからベンゼンガスに替え、第1のガソード電極14と
アノード電極15間に80Vの電圧を印加してベンゼン
ガスを炭化水素イオンとし、更に第2のカソード電極と
して働く基盤ホルダー12とアノード電極15間に1.
5kVの電圧を印加するとともに、アノード電極15と
リフレクター16間に80Vの電圧を印加して炭化水素
イオンをガラス成形型基盤13の方向に集中的に加速
し、あらかじめ300℃に加熱しておいたガラス成形型
基盤13の表面に膜厚500オングストロームの炭素膜
3(図1)を形成した。
【0026】次に、炭素膜3上に窒素イオンを照射して
イオン注入を行う方法について説明する。イオン注入装
置は、図2におけるイオンプテーティング用真空槽11
の左側に位置する真空管(図示せず)内部に、アノード
電極(図示せず)とカソード電極(図示せず)とから成
るイオン源19と、このイオン源19と対向する位置に
上述した炭素膜3を形成したガラス成形型基盤13を保
持した基盤ホルダー12と、この基盤ホルダー12とイ
オン源19間に配置された、照射イオンの加速器21、
質量分離器20および収束レンズ22とから構成されて
いる。
【0027】先ず、イオン源19に導入された窒素ガス
はここでイオン化された後、質量分離器20で必要とさ
れるイオン源が選択される。この選択されたイオン種に
は更に加速器21によって100keVの加速電圧が印
加されて、基盤ホルダー12へ1×1016ION/cm
2 のイオン密度で照射され、炭素膜3(図1)と炭化ケ
イ素膜2(図1)との界面に非晶質層4(図1)を形成
した。
【0028】このようにして、図1に示すように、所定
形状の炭化ケイ素焼結体1上のプレス型基盤面にCVD
法により形成された炭化ケイ素膜2を有し、更にこの炭
化ケイ素膜2上にイオンプレーティング法により炭素膜
3を形成し、さらにこの炭素膜3上より窒素イオンをイ
オン注入することにより炭化ケイ素膜2の表面に非晶質
層4を形成した、ガラス成形用型5が得られた。
【0029】次に、本実施例で得られたガラス成形用型
5を用いてプレス成形を行った結果を示す。図1の如
く、一対のガラス成形用型5、5と案内型6との間にガ
ラス転移点温度475℃からなるガラス7(以下、この
ガラスを“ガラスA”と呼ぶ)を配置した後、窒素雰囲
気中でガラス7を温度545℃(ガラス粘性109 ポア
ズに相当)にて50kgf/cm2 のプレス圧で60秒
間の成形を行い、室温まで急冷する操作を繰り返した。
その結果、下記の表1中の実施例1のガラスAの欄に示
すように、本実施例1のガラス成形用型5(同一方法で
得られた5個の成形用型を用いた。以下同様)では、3
000回のプレス成形でもガラスの融着は認められず、
また炭素膜3の表面は何ら劣化を示さなかった。
【0030】
【表1】
【0031】また、上記ガラスAとは異なるガラスB
(ガラス転移点温度545℃)を温度650℃にて前述
したのと同条件でプレス成形を行ったところ、上記表1
中の実施例1のガラスBの欄に示すように、本実施例1
のプレス成形用型では2503回と2714回にガラス
の融着が確認されたが、炭素膜3の表面には何ら異常は
認められなかった。
【0032】これに対して、炭素膜3を形成せず、イオ
ン注入も施さない、形成面が炭化ケイ素膜である参考例
のガラス成形用型では、上記表1中の参考例のガラスA
及びガラスBの欄に示すように、ガラスAで5〜9回、
ガラスBで2〜3回でガラスの融着が発生し、ガラス成
形用型の表面にクラック及びカケが多数確認された。
【0033】〔実施例2〕実施例2は、炭素膜3の膜厚
を500オングストロームから1000オングストロー
ムに代えた以外は、実施例1と同様である。
【0034】第1のカソード電極14とアノード電極1
5間に80Vの電圧を印加してベンゼンガスを炭化水素
イオンとし、更に第2のカソード電極として働く基盤ホ
ルダー12とアノード電極15間に1.5kVの電圧を
印加するとともに、アノード電極15とリフレクター1
6間に80Vの電圧を印加して炭化水素イオンをガラス
成形型基盤13の方向に集中的に加速し、あらかじめ3
00℃に加熱しておいたガラス成形型基盤13の表面に
膜厚1000オングストロームの炭素膜3を形成した。
【0035】次に、上記炭素膜3上に、アノード電極と
カソード電極とから成るイオン源19に窒素ガスを導入
してイオン化し、質量分離器20で必要とされるイオン
源を選択し、この選択したイオン種に更に加速器21に
よって100keVの加速電圧を印加して、成形用基盤
13へ1×1016ION/cm2 のイオン密度で照射し
て、炭素膜3と炭化ケイ素膜2との界面に非晶質層4を
形成した。
【0036】次に、本実施例で得られたガラス成形用型
を用いて、上記実施例1におけるのと同様にプレス成形
を行った結果、上記表1中の実施例2のガラスA及びガ
ラスBの欄に示すように、ガラスA並びにガラスBに対
する3000回のプレス成形でもガラスの融着は認めら
れず、また炭素膜3の表面は何ら劣化を示さなかった。
【0037】〔実施例3〕実施例3は、炭素膜3の膜厚
を500オングストロームから100オングストローム
に代えた以外は、実施例1と同様である。
【0038】第1のカソード電極14とアノード電極1
5間に80Vの電圧を印加してベンゼンガスを炭化水素
イオンとし、更に第2のカソード電極として働く基盤ホ
ルダー12とアノード電極15間に1.5kVの電圧を
印加するとともに、アノード電極15とリフレクター1
6間に80Vの電圧を印加して炭化水素イオンをガラス
成形型基盤13の方向に集中的に加速し、あらかじめ3
00℃に加熱しておいたガラス成形型基盤13の表面に
膜厚100オングストロームの炭素膜を形成した。
【0039】次に、上記炭素膜3上に、アノード電極と
カソード電極とから成るイオン源19に窒素ガスを導入
してイオン化し、質量分離器20で必要とされるイオン
源を選択し、この選択したイオン種に更に加速器21に
よって100keVの加速電圧を印加して、ガラス成形
用基盤13へ1×1016ION/cm2 のイオン密度で
照射して、炭素膜3と炭化ケイ膜2との界面に非晶質層
4を形成した。
【0040】次に、本実施例3で得られたガラス成形用
型を用いて、上記実施例1におけるのと同様にプレス成
形を行った結果、上記表1中の実施例3のガラスA及び
ガラスBの欄に示すように、ガラスAの場合834〜9
27回目に、またガラスBの場合621〜692回目に
ガラスの融着が確認されたが、炭素膜3の表面は何ら劣
化を示さなかった。
【0041】〔実施例4〕実施例4は、加速電圧を10
0keVから50keVに変更した以外は、実施例2と
同様である。
【0042】すなわち、第1のカソード電極14とアノ
ード電極15間に80Vの電圧を印加してベンゼンガス
を炭化水素イオンとし、更に第2のカソード電極として
働く基盤ホルダー12とアノード電極15間に1.5k
Vの電圧を印加するとともに、アノード電極15とリフ
レクター16間に80Vの電圧を印加して炭化水素イオ
ンをガラス成形型基盤13の方向に集中的に加速し、あ
らかじめ300℃に加熱しておいたガラス成形型基盤1
3の表面に膜厚1000オングストロームの炭素膜3を
形成した。
【0043】次に、上記炭素膜3上に、アノード電極と
カソード電極とから成るイオン源19に窒素ガスを導入
してイオン化し、質量分離器20で必要とされるイオン
源を選択し、この選択したイオン種に更に加速器21に
よって50keVの加速電圧を印加して、ガラス成形用
基盤13へ1×1016ION/cm2 のイオン密度で照
射して、炭素膜3と炭化ケイ素膜2との界面に非晶質層
4を形成した。
【0044】次に、本実施例4で得られたガラス成形用
型を用いて、上記実施例1におけるのと同様にプレス成
形を行った結果、上記表1中の実施例4のガラスAの欄
に示すように、ガラスAの場合3000回でもガラスの
融着が認められず、炭素膜3の表面は何ら劣化を示さな
かった。また、上記表1中の実施例4のガラスBの欄に
示すように、ガラスBの場合2733〜2892回目に
ガラスの融着が確認されたが、炭素膜3の表面は何ら劣
化を示さなかった。
【0045】〔比較例1〕ガラス成形型基盤13の表面
上に炭素膜3を形成することなく、イオン注入のみを行
った比較成形型を用いて上述した実施例との比較実験を
行った。
【0046】すなわち、ガラス成形用基盤13上に、ア
ノード電極とカソード電極とから成るイオン源19に窒
素ガスを導入してイオン化し、質量分離器20で必要と
されるイオン源を選択し、この選択したイオン種に更に
加速器21によって100keVの加速電圧を印加し
て、成形用基盤13へ1×1016ION/cm2 のイオ
ン密度で照射して、炭化ケイ素膜2の表面に非晶質層4
を形成した。
【0047】次に、この比較例1で得られたガラス成形
用型を用いて、上記実施例1におけるのと同様にプレス
成形を行った結果、上記表1中の比較例1のガラスA及
びガラスBの欄に示すように、ガラスAの場合30〜4
5回目に、またガラスBの場合15〜20回目にガラス
の融着が確認されたが、ガラス成形用型表面にクラック
及びカケは発生しなかった。
【0048】〔比較例2〕比較例2は、加速電圧を10
0keVから220keVに変更した以外は、実施例2
と同様である。
【0049】すなわち、第1のカソード電極14とアノ
ード電極15間に80Vの電圧を印加してベンゼンガス
を炭化水素イオンとし、更に第2のカソード電極として
働く基盤ホルダー12とアノード電極15間に1.5k
Vの電圧を印加するとともに、アノード電極15とリフ
レクター16間に80Vの電圧を印加して炭化水素イオ
ンをガラス成形型基盤13の方向に集中的に加速し、あ
らかじめ300℃に加熱しておいたガラス成形型基盤1
3の表面に膜厚1000オングストロームの炭素膜3を
形成した。
【0050】次に、上記炭素膜3上に、アノード電極と
カソード電極とから成るイオン源19に窒素ガスを導入
してイオン化し、質量分離器20で必要とされるイオン
源を選択し、この選択したイオン種に更に加速器21に
よって220keVの加速電圧を印加して、ガラス成形
用基盤13へ1×1016ION/cm2 のイオン密度で
照射して、ガラス成形用基盤13の深さ方向へイオン注
入を行った。
【0051】次に、本比較例2で得られたガラス成形用
型を用いて、上記実施例1におけるのと同様にプレス成
形を行った結果、上記表1中の比較例2のガラスA及び
ガラスBの欄に示すように、ガラスAの場合763〜9
28回目に、またガラスBの場合524〜598回目に
ガラスの融着が確認され、更に炭素膜3の表面に粗れが
生じた。
【0052】〔比較例3〕比較例3は、加速電圧を10
0keVから7keVに変更した以外は、実施例2と同
様である。
【0053】すなわち、第1のカソード電極14とアノ
ード電極15間に80Vの電圧を印加してベンゼンガス
を炭化水素イオンとし、更に第2のカソード電極として
働く基盤ホルダー12とアノード電極15間に1.5k
Vの電圧を印加するとともに、アノード電極15とリフ
レクター16間に80Vの電圧を印加して炭化水素イオ
ンをガラス成形型基盤13の方向に集中的に加速し、あ
らかじめ300℃に加熱しておいたガラス成形型基盤1
3の表面に膜厚1000オングストロームの炭素膜3を
形成した。
【0054】次に、上記炭素膜3上に、アノード電極と
カソード電極とから成るイオン源19に窒素ガスを導入
してイオン化し、質量分離器20で必要とされるイオン
源を選択し、この選択したイオン種に更に加速器21に
よって7keVの加速電圧を印加して、ガラス成形用基
盤13へ1×1016ION/cm2 のイオン密度で照射
した。
【0055】次に、本比較例3で得られたガラス成形用
型を用いて、上記実施例1におけるのと同様にプレス成
形を行った結果、上記表1中の比較例3のガラスA及び
ガラスBの欄に示すように、ガラスAの場合84〜11
1回目に、またガラスBの場合73〜92回目にガラス
の融着が確認された。
【0056】〔比較例4〕ガラス成形型基盤13の表面
上に炭素膜を形成し、イオン注入を行わない比較成形型
を用いて上述した実施例との比較実験を行った。
【0057】すなわち、第1のカソード電極14とアノ
ード電極15間に80Vの電圧を印加してベンゼンガス
を炭化水素イオンとし、更に第2のカソード電極として
働く基盤ホルダー12とアノード電極15間に1.5k
Vの電圧を印加するとともに、アノード電極15とリフ
レクター16間に80Vの電圧を印加して炭化水素イオ
ンをガラス成形型基盤13の方向に集中的に加速し、あ
らかじめ300℃に加熱しておいたガラス成形型基盤1
3の表面に膜厚1000オングストロームの炭素膜を形
成した。
【0058】次に、本比較例4で得られたガラス成形用
型を用いて、上記実施例1におけるのと同様にプレス成
形を行った結果、上記表1の比較例4のガラスA及びガ
ラスBの欄に示すように、ガラスAの場合476〜52
3回目に、またガラスBの場合334〜368回目にガ
ラスの融着が生じ、更に炭素膜の表面に粗れが確認され
た。
【0059】本発明についていくつかの好ましい実施例
では、実際には、炭素膜としてi−カーボン膜が形成さ
れたことが確認された。尚、本発明は上述した実施例に
限定されずに本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の
変更/変形が可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
盤表面上に炭素膜を形成した後、不活性ガスのイオン注
入処理を行うことによって、基盤表層部を非晶質化して
カケやクラックなどの脆性破壊を防止でき、更にイオン
ミキシング効果によって炭素膜の密着性が強化されて膜
の剥離を防止できる利点がある。このため、本発明によ
るガラス成形用型は、ガラスプレス成形を多数回繰り返
しても、ガラス離型性を損なうことなく、高品質のガラ
ス成形体を長時間にわたって多数回繰り返し製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるガラス成形用型を用い
るガラス成形例を示す概略図である。
【図2】図1に示したガラス成形用型を製造するために
好適な、炭素膜を成膜するために用いられるイオンプレ
ーティング装置とイオン注入に用いられるイオン注入装
置のいずれの機能をも有する装置の概略図である。
【符号の説明】
1 炭化ケイ素焼結体 2 炭化ケイ素膜 3 炭素膜 4 非晶質層 5 ガラス成形用型 6 案内型 11 真空槽 12 基盤ホルダー 13 ガラス成形型基盤 14 カソード電極 15 アノード電極 16 リフレクター 17 排気口 18 ヒーター 19 イオン源 20 質量分離器 21 加速器 22 収束レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 修一 埼玉県北▲葛▼飾郡杉戸町高野台西5丁目 4番地7 (72)発明者 宇野 賢 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 熊谷 泰 埼玉県南埼玉郡白岡長西8丁目19番8号 ナノテック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリフォームをプレス成形することによ
    りガラス成形体を得るために使用されるガラス成形用型
    に於いて、 表面に得ようとする前記ガラス成形体の最終面形状が形
    成された基盤と、該基盤の表面上に形成された炭素膜
    と、前記基盤と前記炭素膜との界面に、15〜200k
    eVの加速電圧で加速された不活性ガスのイオン注入に
    より形成された非晶質層とを含むことを特徴とするガラ
    ス成形用型。
  2. 【請求項2】 前記基盤が焼結炭化ケイ素母材上にCV
    D法による炭化ケイ素膜を設けてなる、請求項1記載の
    ガラス成形用型。
  3. 【請求項3】 表面に得ようとするガラス成形品の最終
    面形状が形成された基盤の表面上に炭素膜を形成する工
    程と、 前記基盤と前記炭素膜との界面に、15〜200keV
    の加速電圧で加速された不活性ガスのイオン注入により
    非晶質層を形成する工程とを含むことを特徴とするガラ
    ス成形用型の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記炭素膜を形成する工程の前に、焼結
    炭化ケイ素母材上にCVD法による炭化ケイ素膜を設け
    て前記基盤を形成する工程を含む、請求項3記載のガラ
    ス成形用型の製造方法。
JP25410293A 1993-10-12 1993-10-12 ガラス成形用型およびその製造方法 Pending JPH07109128A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25410293A JPH07109128A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 ガラス成形用型およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25410293A JPH07109128A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 ガラス成形用型およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07109128A true JPH07109128A (ja) 1995-04-25

Family

ID=17260254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25410293A Pending JPH07109128A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 ガラス成形用型およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07109128A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385257B1 (ko) * 1995-08-29 2003-08-09 자테크 테크노로지 가부시키가이샤 프레스성형용금형및그것을사용하여성형된컴퓨터메모리용유리원반

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100385257B1 (ko) * 1995-08-29 2003-08-09 자테크 테크노로지 가부시키가이샤 프레스성형용금형및그것을사용하여성형된컴퓨터메모리용유리원반

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3231165B2 (ja) 光学素子成形用型及びその製造方法
US5711780A (en) Mold for molding optical element
EP0581013B1 (en) Mold for forming optical element and method for producing the same
JPH07109128A (ja) ガラス成形用型およびその製造方法
JP2000327344A (ja) 光学素子成形用型の製造方法及び光学素子成形用型
JP3841186B2 (ja) 光学素子成形用型
JP2742362B2 (ja) ガラスプレス成形型
JP3397470B2 (ja) 光学素子成形用型及びその製造方法
JPH10259029A (ja) 光学素子成形用型
JP3009761B2 (ja) 成形用型材料
JP2830969B2 (ja) 光学素子成形用型及びその製造方法
JPH07157318A (ja) 光学素子成形用の成形型の製造方法
JP2892240B2 (ja) ガラス成形用型およびその製造方法
JP3810022B2 (ja) 光学素子成形用型の製造方法
JP2003313046A (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP2000044258A (ja) 光学素子成形用型及びその製造方法
JPH06320636A (ja) 光学素子成形用型の製造方法
JPH08259241A (ja) 光学素子の成形方法
JPH09188536A (ja) 光学素子成形用型及びその製造方法
JP3625295B2 (ja) 光学素子成形用型およびその製造法
JP2002255568A (ja) 光学素子成形用型の製造方法
JPH0948622A (ja) ガラス光学素子の成形用型
JP2962905B2 (ja) ガラス光学素子成形金型の製造方法
JP2000072452A (ja) 光学素子成形用型
JPH0967133A (ja) 光学素子成形用型および製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040317

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02