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JPH07105800A - 高速再閉路接地開閉器 - Google Patents

高速再閉路接地開閉器

Info

Publication number
JPH07105800A
JPH07105800A JP5253026A JP25302693A JPH07105800A JP H07105800 A JPH07105800 A JP H07105800A JP 5253026 A JP5253026 A JP 5253026A JP 25302693 A JP25302693 A JP 25302693A JP H07105800 A JPH07105800 A JP H07105800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
puffer
arc
cylinder
piston
power transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5253026A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Mizoguchi
均 溝口
Isao Hioki
功 日置
Takashi Yokota
岳志 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5253026A priority Critical patent/JPH07105800A/ja
Publication of JPH07105800A publication Critical patent/JPH07105800A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Circuit Breakers (AREA)
  • Gas-Insulated Switchgears (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高電圧送電線において、数サイクルの間零点
を形成しない誘導電流を遮断可能であり、小形で安価な
高速再閉路接地開閉器を提供する。 【構成】 操作装置に連結される筒状の操作ロッド15
にパッファシリンダー16を取り付ける。パッファシリ
ンダー16上に可動接触子17およびノズル18を取り
付ける。パッファシリンダー16内にパッファピストン
19を挿入する。パッファシリンダー16とパッファピ
ストン19とによってガス圧縮室Cを構成する。可動接
触子部Bを支持部19a,19bにより操作ロッド15
に支持する。パッファピストン19の後部にパッファシ
リンダー16の内面とパッファピストン19の小径部を
摺動する浮動ピストン20を設け、副容積部Dを構成す
る。浮動ピストンを接触子方向に付勢するバネ21を設
ける。ガス圧縮室Cと副容積部Dとを連通する連通穴1
9cをパッファピストン19に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力用高電圧送電線にお
いて、送電線路の碍子連アークホーン間の逆閃絡(逆フ
ラッシュオーバー)によって発生する地絡事故を線路用
遮断器によって除去した後、アークホーン部に持続する
電磁誘導電流アークを遮断器の開閉動作と協調した高速
閉極動作によって消弧し、かつ即時の開極動作により誘
導電流を遮断して、遮断器の再閉路による再送電を可能
にする高速再閉路接地開閉器(HSES)に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線は碍子連によって鉄塔の腕に吊ら
れているが、送電経路に雷が落ちると、碍子連の両端に
設けられたアークホーン間に大きな電流が発生し、この
電流がアークホーン間の絶縁耐力を超えると逆フラッシ
ュオーバーが発生する。送電線に生じる事故の大半は、
この逆フラッシュオーバーを原因とする1線地絡事故で
ある。このような地絡事故による故障を解消するために
は、故障を起こした送電線の両端にある送電線路用の遮
断器によって再閉路動作をおこなうことが有効である。
再閉路動作とは、両端の遮断器を開極することにより故
障区間を送電線から切り離して無電圧とし、逆フラッシ
ュオーバーを消弧した後、直ちに遮断器を投入して故障
区間を再び送電線に接続することである。このような再
閉路動作をおこなうことによって、停電に至ることな
く、送電をおこなうことができる。たとえば、再閉路の
代表的な方式である単相再閉路方式は、電力の変動が少
なく、過渡安定度に優れているので、広く使用されてい
る。
【0003】ところが、近年の電力需要の増大に伴い、
1100kV(UHV)系統電線が用いられるようにな
ってきている。このUHV系統電線は、従来の基幹送電
線である500kV系統電線に比較して静電容量が大き
いので、同一回線の他相や併架された他回線から受ける
静電誘導電流が大きい。このため、アークホーン間で逆
フラッシュオーバーが起こった場合、たとえ故障区間両
端の遮断器を開極状態にして系統短絡による事故電流を
遮断しても、アークホーンのアークが消弧されず、静電
誘導電流が長時間流れ続ける。よって、再閉路動作によ
る再送電を実施できないという問題がある。
【0004】これに対処するため、UHV系のような高
電圧の送電線では、1線地絡相に高速再閉路接地開閉器
(HSES)が設置されている。そして、事故発生箇所
をその両端の遮断器によって送電経路から切り離した
後、この高速再閉路接地開閉器を遮断器の開閉動作と協
調して高速投入し、碍子連アークホーンに持続する電磁
誘導電流アークを消弧して、即座に開極動作をおこない
誘導電流を遮断することにより、遮断器の再閉路による
再送電を可能にしている。
【0005】このような高速再閉路接地開閉器を採用し
た保護システムを、図面を参照して具体的に説明する。
図3は本システムの構成を示す説明図である。図におい
て、1はブッシング、2は高電圧用の送電線、3はUH
V系の鉄塔である。
【0006】送電線2は、上相、中相、下相の3線を有
し、ブッシング1と鉄塔3または鉄塔3同士の間に張り
渡されている。各鉄塔3の腕には、アークホーン3aを
備えた碍子連3bが設けられ、この碍子連3bによって
送電線2が鉄塔3に吊り下げられている。送電線2の一
定区間の両端には、遮断器GCBと高速再閉路接地開閉
器HSESが設けられている。なお、4は雷雲、5は雷
である。
【0007】このようなシステムにおいて、3線の送電
線2のうちのある1線に雷雲4から雷5が落ちると、そ
の送電線を吊り下げている碍子連3bの両端のアークホ
ーン3a間に、逆フラッシュオーバー3cが発生し、送
電線2からこの逆フラッシュオーバー3cを介して鉄塔
3へ地絡事故電流が流れ、地絡事故が生じる。
【0008】この逆フラッシュオーバー3cによって1
線地絡事故が起きた場合の遮断器GCBおよび高速再閉
路接地開閉器HSESの動作順序を、図4のシーケンス
図に沿って説明する。すなわち、地絡発生前は、遮断器
GCBは投入状態、高速再閉路接地開閉器HSESは開
極状態にある。送電線2に地絡事故が発生すると、送電
保護リレー時間であるT1時間が経過した後、まず、遮
断器GCBが開極動作をおこなう。しかし、事故送電線
2は同回路の健全相および併架他回線からの静電電磁誘
導により誘導電流が流れ、それによってアークホーン3
a間には依然として逆フラッシュオーバー3cが持続し
ている。そこで、遮断器GCBが開極した状態で、高速
再閉路接地開閉器HSESを強制的に高速で投入し、ア
ークホーン3a部分で持続している誘導電流を高速再閉
路接地開閉器HSES側に導くことにより、アークホー
ン3aの逆フラッシュオーバー3cを消弧する。高速再
閉路接地開閉器HSESは、θ時間投入状態を続けて逆
フラッシュオーバー3cを消弧した後、開極状態に戻っ
て誘導電流を遮断し、最後に遮断器を投入して送電を再
開する。
【0009】つづいて、図5を参照して、地絡事故電流
および高速再閉路接地開閉器HSESに流れる電流につ
いて説明する。前記の通り、送電線2は上相、中相、下
相を有し、各相には所定の負荷電流が流れているが、前
記の地絡事故が送電線2の中相において発生したと仮定
する。送電線2の中相において、図中T01が地絡事故
発生時、T02が遮断器GCBの開極動作開始時で、送
電線2の中相にT01〜T02だけ事故電流が流れてい
る。ところが、送電線2の中相は他の健全相である上相
および下相や、併架された他の回線から静電電磁誘導を
受けるため、遮断器が開極した状態では、そのアークホ
ーン3aには誘導電流に起因する逆フラッシュオーバー
3cが依然として生じている。そこで、逆フラッシュオ
ーバー3cの消弧のために高速再閉路接地開閉器HSE
Sを投入すると、その投入時点T03以降、高速再閉路
接地開閉器HSESには図5に示すような電流が流れ
る。すなわち、最初は直流成分の含まれた地絡事故電流
と電磁誘導電流とが重畳され電流零点よりも変移した電
流が流れ、その後、地絡電流事故電流が接地されるにつ
れて電磁誘導電流成分が多くなり、電流零点を通る交流
電流が流れることになる。そして、高速再閉路接地開閉
器HSESによって、この誘導電流を遮断する場合に
は、電流零点になるタイミングを捕らえて開極動作をお
こなう。
【0010】しかし、このような電磁誘導電流は、図6
に示すように、2000Aにも達するものであり、この
電流を遮断するために高速再閉路接地開閉器HSESを
開極して、故障送電線を接地状態から解放すると、図7
に示すように、高速再閉路接地開閉器HSESの接触子
間には、電気回路の過渡現象分と故障送電線が他線から
受ける静電誘導電圧が重畳した過渡回復電圧が印可され
る。このような比較的大きな電流と、比較的大きな上昇
率および高い波高値の過渡回復電圧条件においては、単
にSF6 ガス中で棒状の接触子を開閉するだけの並切り
形の消弧室による接地開閉器で遮断することができず、
遮断器と同様にパッファ形の消弧室を有する高速再閉路
接地開閉器HSESが必要となる。
【0011】ここで、従来のパッファ形消弧室を具備す
る高速再閉路接地開閉器HSESの構成を、図面を参照
して以下に説明する。図8において、6は接地容器であ
り、この接地容器6内には、パッファ形消弧室7、導体
8などが収納されている。パッファ形消弧室7の可動部
は、操作装置9によってを開閉駆動できるように構成さ
れている。操作装置9中の9aは油圧シリンダー(制御
弁を含む)である。パッファ形消弧室7の可動部と操作
装置9との間には、操作装置9の動きを、接触子を開閉
極する方向の動きに変換するリンク部10が設けられて
いる。導体8は、その両端部にて、絶縁スペーサ11
a,11bを介して接地容器6に対して支持され、電気
的に絶縁されている。また、パッファ形消弧室7の可動
部の近傍には、接地容器6を貫通する形で接地端子部1
2が設けられている。この接地端子部12は、パッファ
形消弧室7の可動部に電気的に接続されていて、接地開
閉器の開極時には、導体8はパッファ形消弧室部7を介
して接地端子部12に接続されて接地される。
【0012】以上のような高速再閉路接地開閉器HSE
Sの構成は、パッファ形ガス遮断器の構成と近似してい
る。ただし、高速再閉路接地開閉器HSESの遮断責務
は、遮断器の遮断責務に比べて格段に軽微であるため、
低いシリンダー圧力上昇で遮断をおこなうことができ
る。
【0013】ところで、上記のような高速再閉路接地開
閉器HSESによる電流遮断時において、図5に示すよ
うに、地絡事故発生相である中相以外の2相のうち1相
(この例では上相)で時差をもって(時間T04におい
て)、直流電流成分が多い地絡事故(後追い故障)が発
生する場合がある。この場合には、中相の送電線には、
上相の事故電流による電磁誘導で生じた直流電流成分の
多い誘導電流が流れ、図5のA部に示すように、中相の
高速再閉路接地開閉器HSESには、数サイクルの間電
流零点を形成しない零ミス電流が流れることになる。こ
の零ミス電流を遮断することは、通常の交流電流の零点
遮断に比較すると格段に困難であり、従来の高速再閉路
接地開閉器の能力を超えたものである。その結果、後追
い故障のタイミングがちょうど中相の高速再閉路接地開
閉器HSESの閉極タイミングと重なり、合わせて後追
い故障電流分に直流電流分が多く含まれている場合に
は、再閉路が実現されず、高電圧の電力送電に対し由々
しい問題が発生することになる。
【0014】このような問題に対処するため、特願平4
−285901のような構成のパッファ形消弧室による
高速再閉路接地開閉器が提案されている。この高速再閉
路接地開閉器を、図面にしたがって以下に説明する。基
本的な構成は図8に示す接地開閉器と同様であるので、
パッファ形ガス消弧室部分のみを説明する。図9は、開
極動作終了時におけるパッファ形ガス消弧室部分を示
す。図でAは固定接触子部であり、固定接触子13、シ
ールド14aによって構成されている。また、Bは可動
接触子部であり、前記操作装置9(図8参照)に連結さ
れる筒状の操作ロッド15にパッファシリンダー16が
取り付けられ、かつパッファシリンダー16上に可動接
触子17およびノズル18が取り付けられている。そし
て、可動接触子部Bは、支持部19a,19bによって
操作ロッド15に支持されている。
【0015】パッファシリンダー16内には、パッファ
ピストン19が挿入されており、また、パッファシリン
ダ16の外周部には、固定接触子部Aのシールド14a
に対向するシールド14bが設けられ、これらのパッフ
ァピストン19およびシールド14bは、接地容器6
(図1参照)に対して固定されている。そして、このよ
うに固定されたパッファピストン19およびシールド1
4bに対して、部材16〜18が一体に移動するように
構成されている。なお、図9に示す開極終了時におい
て、パッファシリンダー内の空気長さL0 は、遮断時の
パッファシリンダー内容積が閉極時の容積の15〜50
%となるように設定されている。加えて、遮断責務に対
して、圧力上昇の時間幅が十分に広くなるように、図中
Scで示したシリンダー断面積が適正に調整されてい
る。
【0016】なお、図9中の固定接触子部A側に記載さ
れた点線部分は、閉極状態における可動接触子17、ノ
ズル18などの位置を示す。
【0017】このような構成を有するパッファ形消弧室
の動作は次の通りである。すなわち、開極動作時には、
パッファシリンダ16内のガスが圧縮され、先端のノズ
ル18部に図中点線矢印で示すような二方向のガス流が
生じ、固定接触子13と可動接触子17間に生ずるアー
クが消弧される。また、開極終了後はシールド14a,
14bの効果により、固定接触子部と可動接触子部の間
の絶縁が確保される。
【0018】上記のようなの接地開閉器の閉極動作時の
ストローク特性(開極特性)とパッファシリンダー圧力
上昇の特性とを図10にしたがって以下に説明する。X
0 は閉極位置である。開極位置からの開離距離(L)が
十分大きければ、図6,図7に示した電流と電圧の条件
を遮断できる圧力上昇をΔP1a(開極初期)、ΔP1b
(開極終期)とする。ガス遮断器に採用されていること
で明らかなように、パッファ形の消弧室の遮断性能は優
秀なので、2000A〜3000Aである電磁誘導電流
の消弧は比較的容易である。したがって、図10に示す
ように低い圧力上昇(ΔP1a,ΔP1b)で消弧できる。
その反面、高い過渡回復電圧が印可されるので、開極距
離を十分大きく取らないと遮断は成功しない。また、図
10において、開極初期の遮断可能な最小の圧力上昇値
ΔP1aが得られた時の開離極距離L1 は遮断するために
は十分な大きさではなく、L2 になってはじめて遮断可
能になる。従って、この場合、開極開始位置X0 から遮
断可能な開極距離L2 となる開極位置X2 までの時間
が、遮断できる最短アーク時間Tamin となり、開極開
始位置X0 から開極終期に遮断可能な最小の圧力上昇値
ΔP1bが得られるまでの時間が、遮断できる最長アーク
時間Tamax となる。そして、遮断可能な開極距離L2
となる開極位置X2 から、開極終期に遮断可能な最小の
圧力上昇値ΔP1bが得られるまでの時間が、遮断でき
るアーク時間幅Twとなる。この遮断可能アーク時間幅
Twは、一般的に、遮断電流の半波の時間以上であれば
十分である。
【0019】以上のような接地開閉器により、必要な遮
断可能アーク時間幅(4サイクル程度)が得られ、零ミ
ス電流を遮断することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような高速再閉路接地開閉器には、以下のような問題点
があった。すなわち、遮断可能な時間幅を十分に得るた
めには、遮断位置でのシリンダー容積を十分に大きくす
ることが必要である。そして、そのためには、パッファ
シリンダー16内の長さL0 と断面積Scとを十分に大
きくしなければならない。したがって、可動質量が大き
くなるので駆動エネルギーが大きくなり、全体寸法が大
形化し、製作費用が増大することになる。
【0021】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解消するために提案されたものであり、その目的は、
高電圧送電線において、数サイクルの間零点を形成しな
い誘導電流を遮断可能であり、小形で安価な高速再閉路
接地開閉器を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、遮断器を結ぶ高電圧送電
線の1線地絡相に接地されており、前記送電線に設けら
れた碍子連のアークホーンにおける逆フラッシュオーバ
ーによる1線地絡事故時に、前記送電線の両端にある遮
断器を開極することにより切り離された送電線を高速で
閉極接地し、前記碍子連に持続している他相または他回
線からの電磁誘導電流アークを消弧し、その後開極動作
をおこなうことにより、前記遮断器の再閉極による再送
電を可能とする高速再閉路接地開閉器において、対向配
置された固定部と可動部とを有し、前記固定部と可動部
との間のアークを消弧するためのパッファ形消弧室およ
びその操作装置を備え、前記パッファ形消弧室に設けら
れるガス圧縮室を、パッファシリンダーおよびパッファ
ピストンにより構成し、前記パッファピストンにおける
前記パッファシリンダーと対向する面の反対側に、前記
パッファシリンダーの内面との間で空間を形成する小径
部を設け、前記パッファシリンダー内面および前記小径
部を摺動し、消弧ガスを収容可能な副容積部を形成する
浮動ピストンを設け、前記浮動ピストンの摺動により、
前記副容積部内の消弧ガスの圧力を調節可能となるよう
に、前記浮動ピストンを前記副容積部内の前記消弧ガス
の圧力に抗する方向に付勢するバネを設け、前記パッフ
ァピストンに、前記容積部と前記副容積部との間で前記
消弧ガスを連通させる連通穴を設けたことを特徴とす
る。
【0023】請求項2記載の発明は、請求項1記載の高
速再閉路接地開閉器において、前記パッファシリンダー
の内側面と、前記浮動ピストンとの間に固定シリンダー
を設け、前記浮動ピストンを、前記固定シリンダー内側
面と前記小径部との間を摺動可能に設けたことを特徴と
する。
【0024】
【作用】以上のような構成を有する本発明の作用は以下
の通りである。すなわち、高速再閉路接地開閉器の開極
動作が開始されると、ガス圧縮室のガスが圧縮されて圧
力が上昇するので、ガスがガス圧縮室から連通穴を通っ
て副容積部に流入し、ガス圧縮室内と副容積部内とのガ
スの圧力は等しくなる。そして、圧力により浮動ピスト
ンを押す力がバネの力を上回れば、浮動ピストンは後退
し、副容積部の容積が拡大する。すると、圧力の上昇は
遮断に必要な値に抑えられ、ガスの不必要な流出がなく
なる。
【0025】つぎに、開極動作が終了し、圧力が低下し
始めると、浮動ピストンを押す力がバネの力より下回
る。すると、浮動ピストンが前進して、副容積部の容積
が縮小するので、副容積部のガスがガス圧縮室に送り込
まれる。したがって、ガス圧縮室の圧力の低下が抑制さ
れる。
【0026】以上のように、開極の前半の圧力上昇が抑
えられ、それにより副容積部に蓄えられたガスが後半ガ
ス圧縮室内に送り込まれるので、開極時のガス圧縮室が
小さくとも、遮断に必要な圧力上昇での吹き付けが長い
時間持続する。
【0027】請求項2記載の発明では、浮動ピストン
が、固定シリンダー内側面を摺動するので、動きが安定
する。
【0028】
【実施例】本発明の実施例を図面にしたがって以下に説
明する。なお、以下に示す実施例の基本構成は図8と同
じであり、従来の技術において説明したので省略する。
【0029】(1)第1実施例 請求項1記載の発明に対応する実施例を第1実施例とし
て以下に説明する。なお、請求項1記載の固定部は固定
接触子部、可動部は可動接触子部、ガス圧縮室はシリン
ダー容積部とする。図1は第1実施例の接地開閉器にお
けるパッファ形ガス消弧室部分を示す図である。
【0030】(a)第1実施例の構成 本実施例の構成を以下に説明する。すなわち、図1に示
すように、Aは固定接触子部であり、固定接触子13、
シールド14aによって構成されている。また、Bは可
動接触子部であり、前記操作装置9(図8参照)に連結
される筒状の操作ロッド15にパッファシリンダー16
が取り付けられ、かつパッファシリンダー16上に可動
接触子17およびノズル18が取り付けられている。パ
ッファシリンダー16内には、パッファピストン19が
挿入されている。そして、可動接触子部Bは、支持部1
9a,19bによって操作ロッド15に支持されてい
る。
【0031】パッファピストン19の後部には、パッフ
ァシリンダー16の内面とパッファピストン19の小径
部を摺動する浮動ピストン20が設けられている。この
浮動ピストンはバネ21によって接触子方向に押されて
いるので、通常、浮動ピストン20の突起部とパッファ
ピストン19は密着し、浮動ピストン20の存在によっ
て構成される副容積部Dの容積は最小となっている。ま
た、パッファシリンダー16とパッファピストン19と
によって構成されるシリンダー容積部Cとこの副容積部
Dとは、パッファピストン19に設けられた連通穴19
cによって連通している。
【0032】パッファシリンダー16の外周部には、固
定接触子部Aのシールド14aに対抗するシールド14
bが設けられ、これらのパッファピストン19およびシ
ールド14bに対して、部材16〜18が一体に移動す
るように構成されている。
【0033】なお、図9と同様、固定接触子部A側に記
載された点線部分は、閉極状態における可動接触子1
7、ノズル18などの位置を示す。
【0034】(b)第1実施例の作用 以上のような構成を有する本実施例の作用は以下の通り
である。基本的な動作は従来例と同様であるので説明を
簡略化する。すなわち、1線地絡事故発生後、遮断器G
CBが開極され、高速再閉路接地開閉器HSESの閉極
後、開極動作が開始される。このとき、シリンダー容積
部Cのガスが圧縮されて圧力が上昇するので、ガスがシ
リンダー容積部Cから連通穴19cを通って副容積部D
に流入する。連通穴の断面積Scは十分に大きく形成さ
れているので、シリンダー容積部Cと副容積部Dとの圧
力は等しくなる。そして、圧力により浮動ピストン20
を押す力がバネ21の力を上回れば、浮動ピストン20
は後退し、副容積部Dの容積が拡大する。すると、圧力
の上昇は遮断に必要な値に抑えられ、ガスがノズル18
から不必要に流出しなくなる。
【0035】つぎに、開極動作が終了し、圧力が低下し
始めると、浮動ピストン20を押す力がバネ21の力よ
り下回る。すると、浮動ピストン20が前進して、副容
積部Dの容積が縮小するので、副容積部Dのガスがシリ
ンダー容積部Cに送り込まれる。したがって、シリンダ
ー容積部Cの圧力の低下が抑制される。
【0036】以上のように、開極の前半の圧力上昇が抑
えられ、それにより副容積部Dに蓄えられたガスが後半
シリンダー容積部C内に送り込まれるので、開極時のシ
リンダー容積部Cが小さくとも(図2に示すL0,Scが
小さくても)、図10に示す圧力特性が得られ、遮断に
必要な圧力上昇での吹き付けが長い時間持続する。
【0037】(c)第1実施例の効果 以上のような本実施例の効果は、以下の通りである。す
なわち、シリンダー容積部Cの長さL0 と断面積Scと
が小さくても、零ミス電流を遮断するために必要なガス
の圧力上昇を長時間持続できる。したがって、可動部接
触部Bを小形することができるので、駆動エネルギーも
小さくなり、全体形状もまた小さくなる。よって、高速
再閉路接地開閉器を安価に製作できる。
【0038】(2)第2実施例 請求項2記載の発明に対応する実施例を、第2実施例と
して以下に説明する。なお、図3は第2実施例の接地開
閉器におけるパッファ形ガス消弧室部分を示す図であ
り、基本的な構成は第1実施例と同じである。
【0039】(a)第2実施例の構成 本実施例の構成を、以下に説明する。すなわち、図3に
示すように、パッファピストン19とパッファシリンダ
ー16内側面との間に、固定シリンダー22がはさみ込
まれている。したがって、浮動ピストン20は、固定シ
リンダー22の内側におけるパッファピストン19の小
径部を摺動するように構成されている。なお、22aは
ガス抜き用の穴である。その他の構成は、図2の第1実
施例と同じである。
【0040】(b)第2実施例の作用 以上のような構成を有する本実施例の作用は、以下の通
りである。すなわち、基本的な動作は第1実施例と同様
であるが、本実施例では、浮動ピストン21が、固定さ
れた固定シリンダー22の内面を摺動する。従って、可
動のパッファシリンダー16内を摺動する実施例1に比
べ、動きが安定し、信頼性が高い。
【0041】(c)第2実施例の効果 本実施例では、パッファシリンダーと浮動ピストンの摺
動が無いことから、パッファシリンダー全長Lctを一層
短くすることが可能であり、零ミス電流遮断可能の高速
再閉路接地開閉器を一層小形かつ安価に製作できる。
【0042】
【発明の効果】以上のような本発明の高速再閉路接地装
置によれば、パッファシリンダーおよびパッファピスト
ンから成るガス消弧室近傍に、ガス圧を調節する浮動ピ
ストンを設けるという構成によって、高電圧送電線にお
いて、数サイクルの間零点を形成しない誘導電流を遮断
可能であり、小形で安価な高速再閉路接地開閉器を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速再閉路接地開閉器の第1実施
例の主要部の構成を示す図
【図2】本発明による高速再閉路接地開閉器の第2実施
例の主要部の構成を示す図
【図3】逆フラッシュオーバーにより高電圧送電系統の
アークホーン部で発生したアークを、高速再閉路接地開
閉器のシステムが消弧する機能を説明する図
【図4】高速再閉路接地開閉器の動作シーケンス図
【図5】高速再閉路接地開閉器の各相に流れる電流変化
【図6】本発明の高速再閉路接地開閉器動作相への他相
からの電磁誘導電流および静電誘導電流を示す図
【図7】高速再閉路接地開閉器開極時の過渡回復電圧波
形図
【図8】一般的な高速再閉路接地開閉器の全体構成図
【図9】従来の高速再閉路接地開閉器の主要部の一例を
示す構成図
【図10】従来の高速再閉路接地開閉器および本発明の
高速再閉路接地開閉器の開極時の特性を示す図
【符号の説明】
A…固定接触子部 B…可動接触子部 C…シリンダー容積部 D…副容積部 1…ブッシング 2…送電線 3…鉄塔 3a…アークホーン 3b…碍子連 4…雷雲 5…雷 6…接地容器 7…パッファ形消弧室 8…導体 9…操作装置 9a…油圧シリンダー 10…リンク部 11a,11b…絶縁スペーサ 12…接地端子部 13…固定接触子 14a,14b…シールド 15…操作ロッド 16…パッファシリンダー 17…可動接触子 18…ノズル 19…パッファピストン 19a,19b…支持部 19c…連通穴 20…浮動ピストン 21…バネ 22…固定シリンダー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮断器を結ぶ高電圧送電線の1線地絡相
    に接地されており、前記送電線に設けられた碍子連のア
    ークホーンにおける逆フラッシュオーバーによる1線地
    絡事故時に、前記送電線の両端にある遮断器を開極する
    ことにより切り離された送電線を高速で閉極接地し、前
    記碍子連に持続している他相または他回線からの電磁誘
    導電流アークを消弧し、その後開極動作をおこなうこと
    により、前記遮断器の再閉極による再送電を可能とする
    高速再閉路接地開閉器において対向配置された固定部と
    可動部とを有し、前記固定部と可動部との間のアークを
    消弧するためのパッファ形消弧室およびその操作装置を
    備え、 前記パッファ形消弧室に設けられるガス圧縮室を、パッ
    ファシリンダーおよびパッファピストンにより構成し、 前記パッファピストンにおける前記パッファシリンダー
    と対向する面の反対側に、前記パッファシリンダーの内
    面との間で空間を形成する小径部を設け、 前記パッファシリンダー内面および前記小径部を摺動
    し、消弧ガスを収容可能な副容積部を形成する浮動ピス
    トンを設け、 前記浮動ピストンの摺動により、前記副容積部内の消弧
    ガスの圧力を調節可能となるように、前記浮動ピストン
    を前記副容積部内の前記消弧ガスの圧力に抗する方向に
    付勢するバネを設け、 前記パッファピストンに、前記容積部と前記副容積部と
    の間で前記消弧ガスを連通させる連通穴を設けたことを
    特徴とする高速再閉路接地開閉器。
  2. 【請求項2】 前記パッファシリンダーの内側面と、前
    記浮動ピストンとの間に固定シリンダーを設け、 前記浮動ピストンを、前記固定シリンダー内側面と前記
    小径部との間を摺動可能に設けたことを特徴とする請求
    項1記載の高速再閉路接地開閉器。
JP5253026A 1993-10-08 1993-10-08 高速再閉路接地開閉器 Pending JPH07105800A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113745038A (zh) * 2021-08-31 2021-12-03 国网河北省电力有限公司检修分公司 一种隔离开关

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113745038B (zh) * 2021-08-31 2023-07-25 国网河北省电力有限公司检修分公司 一种隔离开关

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