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JPH07101885A - 光学分割膜 - Google Patents

光学分割膜

Info

Publication number
JPH07101885A
JPH07101885A JP24924393A JP24924393A JPH07101885A JP H07101885 A JPH07101885 A JP H07101885A JP 24924393 A JP24924393 A JP 24924393A JP 24924393 A JP24924393 A JP 24924393A JP H07101885 A JPH07101885 A JP H07101885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
cellulose
film
optically resolving
carbamate derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24924393A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Okamoto
佳男 岡本
Eiji Yashima
栄次 八島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP24924393A priority Critical patent/JPH07101885A/ja
Publication of JPH07101885A publication Critical patent/JPH07101885A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 セルロースの6位にのみアゾベンゼン残基を
有するセルロースのカルバメート誘導体等のアゾベンゼ
ン残基を有する多糖のカルバメート誘導体を製膜してな
ることを特徴とする光学分割膜。 【効果】 各種化合物の光学分割が可能であり、特にこ
れまで光学分割膜であまり対象とされていなかった複雑
な構造を有する医薬品や有機化合物等の光学分割に対し
て有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な光学分割膜に関す
る。詳しくは光応答性の芳香族アゾ基を有する光学活性
な多糖をキラルセレクターとする光学分割膜に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学異
性体とは物理的、化学的性質に関して同じであるが、光
学的性質が異なるものを言い、これらは通常、生体に対
する作用を異にすることが知られている。従って、医
薬、農薬、生化学関連産業等の分野において、単位あた
りの薬効の向上や、副作用、薬害の防止等のために、光
学的に純粋な化合物を調製することが極めて重要な課題
となっている。
【0003】現在までに光学異性体の混合物を分離、す
なわち光学分割するために、数多くの分割手段について
研究されてきた。しかし、いずれの手段においても一長
一短があり、決定的な手段になり得ていない。特に膜に
よる光学分割については近年盛んに研究が行われ、今後
が期待されている分野の一つである。しかしながら、こ
れまでの光学分割膜の対象化合物はほとんどがアミノ酸
及びアミノ酸誘導体が主であり、汎用性に関してはあま
り期待できる膜がなかった(特開昭62−180701号、特開
平4−110026号、特開平5−25060 号各公報、Desalina
tion, 90(1993)127 など参照)。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決しようと鋭意研究を進めた結果、アゾベンゼン残
基を有する多糖のカルバメート誘導体、特にセルロース
の6位にのみアゾベンゼン残基を有するセルロースのカ
ルバメート誘導体をキラルセレクターとする膜が優れた
不斉識別能を有することを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、アゾベンゼン残基を有する多
糖のカルバメート誘導体を製膜してなることを特徴とす
る光学分割膜を提供するものである。
【0005】本発明で用いられるアゾベンゼン残基を有
する多糖のカルバメート誘導体としては、多糖の水酸基
を光応答性のアゾベンゼン残基を有する下記一般式
(I)で表される基で置換した多糖芳香族カルバメート
誘導体が好ましく、特にセルロースの6位にのみアゾベ
ンゼン残基を有するセルロースのカルバメート誘導体が
好ましい。
【0006】
【化1】
【0007】(ただし、上記式中のベンゼン環上に置換
基を有していても良い。) 本発明で用いられるセルロースのカルバメート誘導体と
しては、特にセルロースの数平均重合度(一分子中に含
まれるグルコースユニットの平均数)が5以上のものが
好ましく、10以上のものが特に好ましい。また特に数平
均重合度の上限はないがその取り扱いやすさから 500以
下のものが好ましい。
【0008】本発明の多糖のカルバメート誘導体をなす
カルバモイル基としては、上記の一般式(I)で示され
るものが挙げられるが、セルロースの有する6位の水酸
基の50%以上が該カルバモイル基とウレタン結合を形成
し、残りの水酸基が他の置換基で一部又は全部置換され
ているものが特に好ましい。また、ここで言う他の置換
基とは置換フェニルカルバメート、置換ベンゾエート、
置換ベンジルエーテルなどであり、これらの置換基を用
いることによりセルロース誘導体の不斉識別能を単一の
置換基で置換したときと異なったものとすることができ
る。上記一般式(I)において、そのベンゼン環上に置
換基(アルキル、ハロゲン、アルコキシ、アリールな
ど)があってもよく、またこれら置換基の存在によって
多糖誘導体の不斉識別能を変えることもできる。本発明
で用いられる多糖カルバメート誘導体の代表的なものと
して、下記式(II)で表される繰り返し単位を有するセ
ルロースのカルバメート誘導体が例示される。
【0009】
【化2】
【0010】本発明に係わる多糖カルバメート誘導体の
合成には通常のアルコールとイソシアネートからウレタ
ンを生じる反応をそのまま適用することができる。例え
ば適当な溶媒中で三級アミンなどのルイス塩基、又はス
ズ化合物等のルイス酸を触媒として、対応するイソシア
ネートと多糖を反応させることにより得ることができ
る。また、イソシアネートの合成は、例えば対応するア
ニリン誘導体のアミノ基にホスゲンを作用させることに
より容易に合成することができる。
【0011】本発明における光学分割膜は、上記多糖カ
ルバメート誘導体を製膜することにより得られる。製膜
方法は公知あるいは周知の方法でよい。例えば多糖カル
バメート誘導体を良溶媒に溶解してなるドープ溶液をテ
フロン板、金属板、ガラス板などの上に展延した後、良
溶媒を蒸発させる方法、または多孔質の支持体、例えば
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜などをドープ溶
液に浸漬した後、引き上げ乾燥する方法、または支持体
上に膜厚が均一になるようにドープ溶液を塗布する方法
などがある。また、水酸基などの官能基を有する膜(例
えばポリビニルアルコールなど)と置換反応を制御し、
水酸基が残っている多糖カルバメート誘導体を二官能性
の架橋剤で結合することも可能である。
【0012】このようにして得られる本発明の多糖カル
バメート誘導体の膜は、そのアゾベンゼン残基が光(h
ν)あるいは熱(Δ)により次式に示す如くその−N=
N−二重結合に関してシス−トランス異性化が可逆的に
起こる。従って、本発明の光学分割膜は光あるいは熱に
より不斉識別能の制御が可能である。
【0013】
【化3】
【0014】
【発明の効果】本発明の膜材を利用することにより各種
化合物の光学分割が可能であり、特にこれまで光学分割
膜であまり対象とされていなかった複雑な構造を有する
医薬品や有機化合物等の光学分割に対して有効である。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】実施例1 (1) セルロース 2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニルカ
ルバメート)−6−(4−フェニルアゾフェニルカルバ
メート)(1-CPAPC)の合成 (a) 6−O−トリチルセルロースの合成 5g(30.5mmol) の微結晶性セルロース(Merk社)、20
g(71.7mmol) トリチルクロライド(東京化成)を80ml
の乾燥ピリジン中、80℃、24時間、加熱攪拌した後室温
に戻し、この黄色の均一反応溶液をメタノール 400mlに
加え、生じた沈澱をろ取することにより目的物を6.20
g、収率50.0%で得た。元素分析値を以下に示す。
【0017】C :57.73 %、 H :8.05% (b) セルロース 2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニルカ
ルバメート)−6−(4−フェニルアゾフェニルカルバ
メート)(1-CPAPC)の合成 乾燥ピリジン(115ml)中、6−O−トリチルセルロース
(5.5g)を過剰の3,5 −ジメチルフェニルイソシアネー
ト(8.8g)と95℃で26時間反応させ定量的にセルロース
6−O−トリチル−2,3 −ビス(3,5−ジメチルフェニ
ルカルバメート)を得た。次に1%の塩酸を含むメタノ
ール中でトリチル基を外し、セルロース 6−ヒドロキ
シ−2,3 −ビス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)
を定量的に得た。これを 1.5g採り、30mlの乾燥ピリジ
ン中、過剰の4−フェニルアゾフェニルイソシアネート
(1.6g)と90℃で18時間反応させた。その後メタノール
中に注ぎ、ろ過、乾燥後、副生成物である尿素を除くた
めに酢酸エチルで溶媒分別した。可溶部を過剰のメタノ
ールに注ぎ込み、ろ過、乾燥して標記化合物を 1.5g、
収率63%で得た。元素分析の結果、6位の70%が4−フ
ェニルアゾフェニルカルバメート基で、30%が 3,5−ジ
メチルフェニルカルバメート基で置換されていることが
分かった。精製は得られたポリマー 1.5gを60mlのテト
ラヒドロフランに溶解させ、メタノール800ml 中に再沈
澱させることにより行った。元素分析値を以下に示す。
【0018】C :65.52 %、 H :5.74%、 N :7.97
% (2) トランス膜の調製 上記方法により得られたトランス 1-CPAPCのテトラヒド
ロフラン溶液(50mg/ml)1mlに市販のテフロン製メン
ブレンフィルター(25mmφ;0.10μm pore;ADVANTEC
社)を浸漬し、超音波照射後、膜を取り出し、窒素気流
下乾燥させた。膜上のポリマー重量は15mgであった。
【0019】(3) 不斉吸着 ラセミ体の1−(9−アンスリル)−2,2,2 −トリフル
オロエタノール及びオクスプレノロールのヘキサンと2
−プロパノールの9:1混合溶液(1mg/ml)4mlに上
記トランス膜を15℃で90分間浸漬し、その後膜を取り出
し、ヘキサン:2−プロパノール=9:1で素早く膜の
表面を洗浄した後、ヘキサン:2−プロパノール=7/
3、3mlに膜を30℃で30分間浸漬し、膜に吸着した化合
物を脱着させた。この溶液を光学活性体分離用HPLCカラ
ムCHIRALCEL OD(ダイセル化学工業:0.46cmφ×25cm)
を用いて、その光学純度(%ee)、及び吸着量(重量
%)を求めた。結果は、表1に吸着物の光学純度を、表
2に膜上のポリマーに対する吸着物の量を示した。
【0020】実施例2 (1) トランス 1-CPAPCのシス体への変換 東芝硝子社製のフィルターを付けた400W高圧水銀ランプ
を用いた光照射により、実施例1で得たトランス 1-CPA
PCをシス体へ異性化した。トランス体からシス体への異
性化にはUV−D36CとUV−35フィルターを二枚重ね、 340
〜400nmの光を照射することにより行った。この光によ
る異性化に関して、光異性化に伴う吸収スペクトル及び
CDスペクトルの変化を調べたところ、吸収スペクトルに
は、 350nm付近にアゾベンゼン残基のトランス体のπ−
π* 遷移、440nm にシス体のn−π* 遷移に由来すると
考えられる吸収が見られ、明確な等吸収点が299nmと413
nmに存在した。CDスペクトルには 370nm付近にトラン
ス−アゾベンゼン残基に由来するピークが見られ、シス
化が進むにつれてこの強度が小さくなり、シス体ではこ
の領域にピークが見られなかった。これらのスペクトル
は異性化に伴い可逆的に変化した。
【0021】(2) シス膜の調製 上記方法でシス異性化することにより得られた、シス 1
-CPAPC(シス体の含有率65%)のテトラヒドロフラン溶
液(10mg/ml)をガラス板にのせたテフロン製メンブレ
ンフィルター上にキャストし、窒素下乾燥することによ
ってシス膜を調製した。膜上のポリマー重量は6〜11mg
であった。
【0022】(3) 不斉吸着 上記シス膜を用い、実施例1に従って、ラセミ体の1−
(9−アンスリル)−2,2,2 −トリフルオロエタノール
及びオクスプレノロールの不斉吸着を行った。結果は、
表1に吸着物の光学純度を、表2に膜上のポリマーに対
する吸着物の量を示した。
【0023】実施例3 実施例2で得られたシス 1-CPAPC膜を、熱および Y−47
フィルターを用い 470nm以上の光を照射することにより
再度トランス体に変換した(変換率100 %)。この膜を
用いて、同様の不斉吸着を行った。結果は、表1に吸着
物の光学純度を、表2に膜上のポリマーに対する吸着物
の量を示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アゾベンゼン残基を有する多糖のカルバ
    メート誘導体を製膜してなることを特徴とする光学分割
    膜。
  2. 【請求項2】 アゾベンゼン残基を有する多糖のカルバ
    メート誘導体が、セルロースの6位にのみアゾベンゼン
    残基を有するセルロースのカルバメート誘導体である請
    求項1記載の光学分割膜。
JP24924393A 1993-10-05 1993-10-05 光学分割膜 Pending JPH07101885A (ja)

Priority Applications (1)

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JP24924393A JPH07101885A (ja) 1993-10-05 1993-10-05 光学分割膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24924393A JPH07101885A (ja) 1993-10-05 1993-10-05 光学分割膜

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JPH07101885A true JPH07101885A (ja) 1995-04-18

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ID=17190059

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24924393A Pending JPH07101885A (ja) 1993-10-05 1993-10-05 光学分割膜

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