JPH0699353B2 - 光学活性ヒドロキシビフェニル - Google Patents
光学活性ヒドロキシビフェニルInfo
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- JPH0699353B2 JPH0699353B2 JP29801291A JP29801291A JPH0699353B2 JP H0699353 B2 JPH0699353 B2 JP H0699353B2 JP 29801291 A JP29801291 A JP 29801291A JP 29801291 A JP29801291 A JP 29801291A JP H0699353 B2 JPH0699353 B2 JP H0699353B2
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- Japan
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- optically active
- liquid crystal
- phase
- compound
- hydroxybiphenyl
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- Liquid Crystal Substances (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なアルキルオ
キシ基を有するカイラル液晶物質の原料として有用な光
学活性ヒドロキシビフェニル化合物に関する。
キシ基を有するカイラル液晶物質の原料として有用な光
学活性ヒドロキシビフェニル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としてはTN(Tw
isted Nematic)型表示方式が最も広く用
いられているが、応答速度の点に於て発光型表示素子
(エレクトロルミネッセンス、プラズマデイスプレイ
等)と比較して劣っており、この点に於ける改善は種々
試みられているにも拘らず、大巾な改善の可能性はあま
り残っていない様である。そのためTN型表示素子に代
わる別の原理による液晶表示装置が種々試みられている
が、その一つに強誘電性液晶を利用する表示方式がある
(N.A.Clarkら;Applied Phys.
lett.,36,899(1980))。この方式は
強誘電性液晶のカイラルスメクチックC相(以下SC*
相と略称する)或はカイラルスメクチックH相(以下S
H* 相と略称する)を利用するもので、それが室温付近
にあるものが望ましい。
isted Nematic)型表示方式が最も広く用
いられているが、応答速度の点に於て発光型表示素子
(エレクトロルミネッセンス、プラズマデイスプレイ
等)と比較して劣っており、この点に於ける改善は種々
試みられているにも拘らず、大巾な改善の可能性はあま
り残っていない様である。そのためTN型表示素子に代
わる別の原理による液晶表示装置が種々試みられている
が、その一つに強誘電性液晶を利用する表示方式がある
(N.A.Clarkら;Applied Phys.
lett.,36,899(1980))。この方式は
強誘電性液晶のカイラルスメクチックC相(以下SC*
相と略称する)或はカイラルスメクチックH相(以下S
H* 相と略称する)を利用するもので、それが室温付近
にあるものが望ましい。
【0003】これらの強誘電性液晶物質の一つとして不
整炭素を有する光学活性基を有するエステル化合物があ
る。この強誘電性液晶エステルの中間原料として、光学
活性基を有する化合物が知られている。これらは後記す
る(II)式及び(III )式で示されるエステルの原料と
して、光学活性の4−〔4−(2−メチルブチル)フェ
ニル〕安息香酸及び4−(2−メチルブチルオキシ)フ
ェノールが知られている。
整炭素を有する光学活性基を有するエステル化合物があ
る。この強誘電性液晶エステルの中間原料として、光学
活性基を有する化合物が知られている。これらは後記す
る(II)式及び(III )式で示されるエステルの原料と
して、光学活性の4−〔4−(2−メチルブチル)フェ
ニル〕安息香酸及び4−(2−メチルブチルオキシ)フ
ェノールが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した表示方式に用
いられる優れた特性を示す強誘電性液晶物質の原料とし
て光学活性化合物が求められている。本発明の目的は強
誘電性液晶として優れたカイラルスメクチック液晶の中
間原料として好適な光学活性化合物を提供することにあ
る。
いられる優れた特性を示す強誘電性液晶物質の原料とし
て光学活性化合物が求められている。本発明の目的は強
誘電性液晶として優れたカイラルスメクチック液晶の中
間原料として好適な光学活性化合物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、後記の一般式
(1)で表わされる光学活性4−ヒドロキシ−4′−
(1−メチルアルキルオキシ)ビフェニル化合物であ
る。
(1)で表わされる光学活性4−ヒドロキシ−4′−
(1−メチルアルキルオキシ)ビフェニル化合物であ
る。
【化2】 ただし、(1)式中nは1〜5の整数を示し、*は不整
炭素原子を示す。また、本発明の好ましい態様は(1)
式でnが5である光学活性4−ヒドロキシ−4′−(1
−メチルヘプチルオキシ)ビフェニルである。本発明の
光学活性ヒドロキシビフェニル化合物から得られる強誘
電性液晶物質の一例として一般式(I)
炭素原子を示す。また、本発明の好ましい態様は(1)
式でnが5である光学活性4−ヒドロキシ−4′−(1
−メチルヘプチルオキシ)ビフェニルである。本発明の
光学活性ヒドロキシビフェニル化合物から得られる強誘
電性液晶物質の一例として一般式(I)
【化3】 ((I)式中、Xは炭素数1〜18の直鎖又は分岐のア
ルキル基又はアルコキシ基を示し、nは1〜5の整数を
示し、*は不整炭素原子を示す)にて表わされるカイラ
ル液晶物質が挙げられる。
ルキル基又はアルコキシ基を示し、nは1〜5の整数を
示し、*は不整炭素原子を示す)にて表わされるカイラ
ル液晶物質が挙げられる。
【0006】(I)式の光学活性エステルはSC* 相と
ch相とを有し、SA相を示さない液晶が多い。(I)
式でnが5である光学活性エステルを表1に例示する。
ch相とを有し、SA相を示さない液晶が多い。(I)
式でnが5である光学活性エステルを表1に例示する。
【表1】 これらの化合物は強誘電性を有するSC* 相の存在する
温度より上の温度に於てはSA相を呈しないでコレステ
リック相(ch相)を呈する。このことは強誘電性液晶
を用いる表示素子に使用する場合に特に好ましいことで
ある。その理由の1つは表示素子を製作する際に、コレ
ステリック状態で液晶を配向させ、次いで冷却して、他
の相を経由することなく直接SC* 相を生成させること
ができ、従って高い均一性をもった配向液晶相を得るこ
とが容易であるということである。又もう一つの理由と
しては、SC* 相より高い温度にSA相がある場合より
もSA相がない場合の方がSC* 相のら旋軸の方向の、
温度変化が少く、表示のコントラストの温度変化が無視
できる程度に小さくなるということがあげられる。SC
* 相の上の温度領域に於てSA相を呈することなく直接
にコレステリック相を呈する物質としては次の(II)式
の化合物が知られている(G.W.Grayら;Mo
l.Cryst.Liq.Cryst.37(197
6)189)。
温度より上の温度に於てはSA相を呈しないでコレステ
リック相(ch相)を呈する。このことは強誘電性液晶
を用いる表示素子に使用する場合に特に好ましいことで
ある。その理由の1つは表示素子を製作する際に、コレ
ステリック状態で液晶を配向させ、次いで冷却して、他
の相を経由することなく直接SC* 相を生成させること
ができ、従って高い均一性をもった配向液晶相を得るこ
とが容易であるということである。又もう一つの理由と
しては、SC* 相より高い温度にSA相がある場合より
もSA相がない場合の方がSC* 相のら旋軸の方向の、
温度変化が少く、表示のコントラストの温度変化が無視
できる程度に小さくなるということがあげられる。SC
* 相の上の温度領域に於てSA相を呈することなく直接
にコレステリック相を呈する物質としては次の(II)式
の化合物が知られている(G.W.Grayら;Mo
l.Cryst.Liq.Cryst.37(197
6)189)。
【化4】 但しnは5〜10の整数である。
【0007】しかし、上記の化合物が表示素子用として
好適な強誘電性液晶材料であるか否かは示されていな
い。又本発明者らが先に出願した(特願昭58−640
号)次の(III )式の化合物はすべてSC* 相の上の温
度でSA相を有する。
好適な強誘電性液晶材料であるか否かは示されていな
い。又本発明者らが先に出願した(特願昭58−640
号)次の(III )式の化合物はすべてSC* 相の上の温
度でSA相を有する。
【化5】 但しm=1でXが炭素数4〜18のアルコキシ基、又は
m=2でXが炭素数1〜18のアルコキシ基又はアルキ
ル基である。(I)式の光学活性化合物は、これらをネ
マチック液晶に添加することによって捩れた構造を誘起
する能力を有する。捩れた構造を有するネマチック液
晶、即ちカイラルネマチック液晶はTN型表示素子のい
わゆるリバース・ドメイン(reverse doma
in,しま模様)を生成することがないのでリバース・
ドメイン生成の防止剤として使用できる。即ちこれらを
ネマチック液晶に対して0.05〜3重量%程度添加す
ることによって分子に一定方向へのねじり力を与え、リ
バース・ドメインは解消される。
m=2でXが炭素数1〜18のアルコキシ基又はアルキ
ル基である。(I)式の光学活性化合物は、これらをネ
マチック液晶に添加することによって捩れた構造を誘起
する能力を有する。捩れた構造を有するネマチック液
晶、即ちカイラルネマチック液晶はTN型表示素子のい
わゆるリバース・ドメイン(reverse doma
in,しま模様)を生成することがないのでリバース・
ドメイン生成の防止剤として使用できる。即ちこれらを
ネマチック液晶に対して0.05〜3重量%程度添加す
ることによって分子に一定方向へのねじり力を与え、リ
バース・ドメインは解消される。
【0008】(I)式の光学活性液晶を用いて強誘電性
カイラルスメクチックC液晶組成物を提供する場合、複
数の(I)式の化合物のみより構成することも可能であ
り、又(I)式の化合物と他のスメクチック液晶とを混
合してSC* 相を呈する液晶組成物を製造することも可
能である。SC* 相の光スイッチング効果を表示素子と
して応用する場合TN表示方式にくらべて3つのすぐれ
た特徴がある。第1の特徴は非常に高速で応答し、その
応答時間は通常のTN表示方式の素子と比較すると、1
/100以下である。第2の特徴はメモリー効果がある
ことであり、上記の高応答性とあいまって、時分割駆動
が容易である。第3の特徴はTN表示方式で濃淡の階調
をとるには、印加電圧を調節して行なうが、しきい値電
圧の温度依存性や応答速度の電圧依存性や応答速度の電
圧依存性などの難問がある。しかしSC* 相の光スイッ
チング効果を応用する場合には極性の反転時間を調節す
ることにより、容易に階調を得ることができ、グラフィ
ック表示に非常に適している。
カイラルスメクチックC液晶組成物を提供する場合、複
数の(I)式の化合物のみより構成することも可能であ
り、又(I)式の化合物と他のスメクチック液晶とを混
合してSC* 相を呈する液晶組成物を製造することも可
能である。SC* 相の光スイッチング効果を表示素子と
して応用する場合TN表示方式にくらべて3つのすぐれ
た特徴がある。第1の特徴は非常に高速で応答し、その
応答時間は通常のTN表示方式の素子と比較すると、1
/100以下である。第2の特徴はメモリー効果がある
ことであり、上記の高応答性とあいまって、時分割駆動
が容易である。第3の特徴はTN表示方式で濃淡の階調
をとるには、印加電圧を調節して行なうが、しきい値電
圧の温度依存性や応答速度の電圧依存性や応答速度の電
圧依存性などの難問がある。しかしSC* 相の光スイッ
チング効果を応用する場合には極性の反転時間を調節す
ることにより、容易に階調を得ることができ、グラフィ
ック表示に非常に適している。
【0009】表示方法としては、2つの方式が考えら
れ、1つの方法は2枚の偏光子を使用する複届折型、他
の1つの方法は二色性色素を使用するゲストホスト型で
ある。SC* 相は自発分極をもつため、印加電圧の極性
を反転することにより、らせん軸を回転軸として分子が
反転する。SC* 相を有する液晶組成物を液晶分子が電
極面に平行にならぶように配向処理を施した液晶表示セ
ルに注入し、液晶分子のダイレクターと一方の偏光面を
平行になるように配慮した2枚の偏光子の間に該液晶セ
ルをはさみ、電圧を印加して、極性を反転することによ
り、明視野および暗視野(偏光子の対向角度により決ま
る)が得られる。一方ゲスト・ホスト型で動作する場合
には、印加電圧の極性を反転することにより明視野及び
着色視野(偏光板の配置により決まる)を得ることがで
きる。一般にスメクチック状態で液晶分子をガラス壁面
に平行に配向させることは難かしく、数十キロガウス以
上の磁場中で等方性液体から非常にゆっくりと(1℃〜
2℃/hr)冷却することにより、液晶分子を配向させ
ているが、コレステリック相を有する液晶物質では磁場
の代わりに50V〜100Vの直流電圧を印加しながら
1℃/minの冷却速度で冷却することにより、容易に
均一に配向したモノドメイン状態を得ることができる。
れ、1つの方法は2枚の偏光子を使用する複届折型、他
の1つの方法は二色性色素を使用するゲストホスト型で
ある。SC* 相は自発分極をもつため、印加電圧の極性
を反転することにより、らせん軸を回転軸として分子が
反転する。SC* 相を有する液晶組成物を液晶分子が電
極面に平行にならぶように配向処理を施した液晶表示セ
ルに注入し、液晶分子のダイレクターと一方の偏光面を
平行になるように配慮した2枚の偏光子の間に該液晶セ
ルをはさみ、電圧を印加して、極性を反転することによ
り、明視野および暗視野(偏光子の対向角度により決ま
る)が得られる。一方ゲスト・ホスト型で動作する場合
には、印加電圧の極性を反転することにより明視野及び
着色視野(偏光板の配置により決まる)を得ることがで
きる。一般にスメクチック状態で液晶分子をガラス壁面
に平行に配向させることは難かしく、数十キロガウス以
上の磁場中で等方性液体から非常にゆっくりと(1℃〜
2℃/hr)冷却することにより、液晶分子を配向させ
ているが、コレステリック相を有する液晶物質では磁場
の代わりに50V〜100Vの直流電圧を印加しながら
1℃/minの冷却速度で冷却することにより、容易に
均一に配向したモノドメイン状態を得ることができる。
【0010】以上に(I)式の光学活性エステル化合物
の液晶材料としての有用性について述べた。次に(I)
式の化合物の一方の原料である本発明の光学活性ヒドロ
キシビフェニル化合物の製法を示す。光学活性2−アル
カノールとp−トルエンスルホン酸クロリドから得られ
る光学活性p−トルエンスルホン酸アルキルエステル
を、アルカリ存在下に4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ルとモノエーテル化反応させることによって4,4′−
ジヒドロキシビフェニルの光学活性モノエーテルを得る
ことができる。本発明の光学活性ヒドロキシビフェニル
の原料としては、例えば2−ブタノールのような2−位
に水酸基のある光学活性二級アルコールが好ましい。こ
の外に工業的に容易に入手し得る原料として光学活性2
−オクタノールがある。
の液晶材料としての有用性について述べた。次に(I)
式の化合物の一方の原料である本発明の光学活性ヒドロ
キシビフェニル化合物の製法を示す。光学活性2−アル
カノールとp−トルエンスルホン酸クロリドから得られ
る光学活性p−トルエンスルホン酸アルキルエステル
を、アルカリ存在下に4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ルとモノエーテル化反応させることによって4,4′−
ジヒドロキシビフェニルの光学活性モノエーテルを得る
ことができる。本発明の光学活性ヒドロキシビフェニル
の原料としては、例えば2−ブタノールのような2−位
に水酸基のある光学活性二級アルコールが好ましい。こ
の外に工業的に容易に入手し得る原料として光学活性2
−オクタノールがある。
【0011】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明し、
さらに参考例によって本発明の光学活性化合物の有用性
を詳細に説明する。 実施例1 4′−(2−オクチルオキシ)−4−ヒドロキシビフェ
ニル S−(+)−2−オクタノールとp−トルエンスルホン
酸クロリドとから製造したS−(+)−2−オクチル−
p−トルエンスルホン酸エステル115g、4,4′−
ジヒドロキシビフェニル95g、KOH34g、エタノ
ール1000mlの混合物を7時間加熱還流させた。そ
の後、エタノール500mlを常圧下に留去し、残液に
水800mlを加えた。この混合液にトルエン500m
lを加えて生成物を抽出し、有機層を稀塩酸で洗浄し、
次いで純水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥した。乾燥剤を分離したトルエン溶液から溶媒を一
部留去した濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフに
よって精製して、目的の4′−(2−オクチルオキシ)
−4−ヒドロキシビフェニル25gを得た。融点98.
1℃。〔α〕D 25+0.1°(c 4.5,CHC
l3 ) また、副生物として4,4′−ジ−(2−オクチルオキ
シ)ビフェニル20gを得た。融点35.4°。〔α〕
D 25+1.7°(c 3.0,CHCl3 )
さらに参考例によって本発明の光学活性化合物の有用性
を詳細に説明する。 実施例1 4′−(2−オクチルオキシ)−4−ヒドロキシビフェ
ニル S−(+)−2−オクタノールとp−トルエンスルホン
酸クロリドとから製造したS−(+)−2−オクチル−
p−トルエンスルホン酸エステル115g、4,4′−
ジヒドロキシビフェニル95g、KOH34g、エタノ
ール1000mlの混合物を7時間加熱還流させた。そ
の後、エタノール500mlを常圧下に留去し、残液に
水800mlを加えた。この混合液にトルエン500m
lを加えて生成物を抽出し、有機層を稀塩酸で洗浄し、
次いで純水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥した。乾燥剤を分離したトルエン溶液から溶媒を一
部留去した濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフに
よって精製して、目的の4′−(2−オクチルオキシ)
−4−ヒドロキシビフェニル25gを得た。融点98.
1℃。〔α〕D 25+0.1°(c 4.5,CHC
l3 ) また、副生物として4,4′−ジ−(2−オクチルオキ
シ)ビフェニル20gを得た。融点35.4°。〔α〕
D 25+1.7°(c 3.0,CHCl3 )
【0012】参考例1 実施例1で得られた4′−(2−オクチルオキシ)−4
−ヒドロキシビフェニル7.5gをピリジンに溶解し、
氷冷したところへp−ヘプチルオキシ安息香酸クロリド
6.5gのトルエン溶液を攪拌下に滴下し、更に90℃
で2時間反応させた。反応混合物に水と6N塩酸を加え
て酸性としてから分液、水洗、更に2N苛性ソーダ水に
よる洗浄及び水洗をした後、トルエン層からトルエンを
留去した。残留物をエタノール−酢酸エチル混合溶液か
ら再結晶を行なって光学活性4′−(2−オクチルオキ
シ)−4−(p−ヘプチルオキシベンゾイルオキシ)ビ
フェニル9.5gを得た。この物の相転移温度は表1の
Xがn−C7 H15O−である物の欄に示される。また、
この物の比旋光度は〔α〕D 20+0.7°(c 0.
1,CHCl3 )であった。この化合物の不整炭素にお
ける絶対配置は決定できていないが、実施例1でのエー
テル化段階でワルデン反転が起ったと考えられるので、
R型であると推定される。また、この化合物の自発分極
の大きさを82℃で測定したところ47.2nC/cm
2 であった。これは、光学活性2−メチルブチルオキシ
基を有する同一骨格の液晶化合物である、4′−(2−
メチルブチルオキシ)−4−(p−ヘプチルオキシベン
ゾイルオキシ)ビフェニルの自発分極の大きさ1.5n
C/cm2に比べて極めて大きい値である。
−ヒドロキシビフェニル7.5gをピリジンに溶解し、
氷冷したところへp−ヘプチルオキシ安息香酸クロリド
6.5gのトルエン溶液を攪拌下に滴下し、更に90℃
で2時間反応させた。反応混合物に水と6N塩酸を加え
て酸性としてから分液、水洗、更に2N苛性ソーダ水に
よる洗浄及び水洗をした後、トルエン層からトルエンを
留去した。残留物をエタノール−酢酸エチル混合溶液か
ら再結晶を行なって光学活性4′−(2−オクチルオキ
シ)−4−(p−ヘプチルオキシベンゾイルオキシ)ビ
フェニル9.5gを得た。この物の相転移温度は表1の
Xがn−C7 H15O−である物の欄に示される。また、
この物の比旋光度は〔α〕D 20+0.7°(c 0.
1,CHCl3 )であった。この化合物の不整炭素にお
ける絶対配置は決定できていないが、実施例1でのエー
テル化段階でワルデン反転が起ったと考えられるので、
R型であると推定される。また、この化合物の自発分極
の大きさを82℃で測定したところ47.2nC/cm
2 であった。これは、光学活性2−メチルブチルオキシ
基を有する同一骨格の液晶化合物である、4′−(2−
メチルブチルオキシ)−4−(p−ヘプチルオキシベン
ゾイルオキシ)ビフェニルの自発分極の大きさ1.5n
C/cm2に比べて極めて大きい値である。
【0013】参考例2 4−エチル−4′−シアノビフェニル 20部(重量、以下同じ) 4−ペンチル−4′−シアノビフェニル 40部 4−オクチルオキシ−4′−シアノビフェニル 25部 4−ペンチル−4′−シアノターフェニル 15部 から成る組成物を、PVAを塗布し、表面をラビングし
て平行配向処理を施した透明電極のTNセル(電極間隔
約10μm)に注入し、偏光顕微鏡下で観察したところ
リバース・ドメインが見られた。この組成物に参考例1
で調製した、光学活性4′−(2−オクチルオキシ)−
4−(p−ヘプチルオキシベンゾイルオキシ)ビフェニ
ルを1重量%添加したところ、リバースドメインが解消
され均一なネマチック相が観察された。
て平行配向処理を施した透明電極のTNセル(電極間隔
約10μm)に注入し、偏光顕微鏡下で観察したところ
リバース・ドメインが見られた。この組成物に参考例1
で調製した、光学活性4′−(2−オクチルオキシ)−
4−(p−ヘプチルオキシベンゾイルオキシ)ビフェニ
ルを1重量%添加したところ、リバースドメインが解消
され均一なネマチック相が観察された。
【0014】
【発明の効果】本発明の光学活性ヒドロキシビフェニル
化合物から得られる強誘電性液晶の一つである4′−
(2−アルキルオキシ)−4−(p−アルキルオキシベ
ンゾイルオキシ)ビフェニルはカイラルスメクチックC
液晶相を示し、大きな自発分極の値を有し、強誘電性液
晶材料として優れた化合物である。
化合物から得られる強誘電性液晶の一つである4′−
(2−アルキルオキシ)−4−(p−アルキルオキシベ
ンゾイルオキシ)ビフェニルはカイラルスメクチックC
液晶相を示し、大きな自発分極の値を有し、強誘電性液
晶材料として優れた化合物である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の一般式(1)で表わされる光学活
性4−ヒドロキシ−4′−(1−メチルアルキルオキ
シ)ビフェニル化合物。 【化1】 ただし、(1)式中nは1〜5の整数を示し、*は不整
炭素原子を示す。 - 【請求項2】 請求項1においてnが5である、4−ヒ
ドロキシ−4′−(1−メチルヘプチルオキシ)ビフェ
ニル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29801291A JPH0699353B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 光学活性ヒドロキシビフェニル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29801291A JPH0699353B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 光学活性ヒドロキシビフェニル |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58078594A Division JPH0623135B2 (ja) | 1983-01-06 | 1983-05-04 | 液晶物質及び液晶組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184033A JPH06184033A (ja) | 1994-07-05 |
JPH0699353B2 true JPH0699353B2 (ja) | 1994-12-07 |
Family
ID=17853984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29801291A Expired - Lifetime JPH0699353B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 光学活性ヒドロキシビフェニル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0699353B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-18 JP JP29801291A patent/JPH0699353B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06184033A (ja) | 1994-07-05 |
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