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JPH0699353B2 - 光学活性ヒドロキシビフェニル - Google Patents

光学活性ヒドロキシビフェニル

Info

Publication number
JPH0699353B2
JPH0699353B2 JP29801291A JP29801291A JPH0699353B2 JP H0699353 B2 JPH0699353 B2 JP H0699353B2 JP 29801291 A JP29801291 A JP 29801291A JP 29801291 A JP29801291 A JP 29801291A JP H0699353 B2 JPH0699353 B2 JP H0699353B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optically active
liquid crystal
phase
compound
hydroxybiphenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29801291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06184033A (ja
Inventor
孝 犬飼
顕治 古川
兼詞 寺島
伸一 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP29801291A priority Critical patent/JPH0699353B2/ja
Publication of JPH06184033A publication Critical patent/JPH06184033A/ja
Publication of JPH0699353B2 publication Critical patent/JPH0699353B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なアルキルオ
キシ基を有するカイラル液晶物質の原料として有用な光
学活性ヒドロキシビフェニル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としてはTN(Tw
isted Nematic)型表示方式が最も広く用
いられているが、応答速度の点に於て発光型表示素子
(エレクトロルミネッセンス、プラズマデイスプレイ
等)と比較して劣っており、この点に於ける改善は種々
試みられているにも拘らず、大巾な改善の可能性はあま
り残っていない様である。そのためTN型表示素子に代
わる別の原理による液晶表示装置が種々試みられている
が、その一つに強誘電性液晶を利用する表示方式がある
(N.A.Clarkら;Applied Phys.
lett.,36,899(1980))。この方式は
強誘電性液晶のカイラルスメクチックC相(以下SC*
相と略称する)或はカイラルスメクチックH相(以下S
* 相と略称する)を利用するもので、それが室温付近
にあるものが望ましい。
【0003】これらの強誘電性液晶物質の一つとして不
整炭素を有する光学活性基を有するエステル化合物があ
る。この強誘電性液晶エステルの中間原料として、光学
活性基を有する化合物が知られている。これらは後記す
る(II)式及び(III )式で示されるエステルの原料と
して、光学活性の4−〔4−(2−メチルブチル)フェ
ニル〕安息香酸及び4−(2−メチルブチルオキシ)フ
ェノールが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した表示方式に用
いられる優れた特性を示す強誘電性液晶物質の原料とし
て光学活性化合物が求められている。本発明の目的は強
誘電性液晶として優れたカイラルスメクチック液晶の中
間原料として好適な光学活性化合物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、後記の一般式
(1)で表わされる光学活性4−ヒドロキシ−4′−
(1−メチルアルキルオキシ)ビフェニル化合物であ
る。
【化2】 ただし、(1)式中nは1〜5の整数を示し、*は不整
炭素原子を示す。また、本発明の好ましい態様は(1)
式でnが5である光学活性4−ヒドロキシ−4′−(1
−メチルヘプチルオキシ)ビフェニルである。本発明の
光学活性ヒドロキシビフェニル化合物から得られる強誘
電性液晶物質の一例として一般式(I)
【化3】 ((I)式中、Xは炭素数1〜18の直鎖又は分岐のア
ルキル基又はアルコキシ基を示し、nは1〜5の整数を
示し、*は不整炭素原子を示す)にて表わされるカイラ
ル液晶物質が挙げられる。
【0006】(I)式の光学活性エステルはSC* 相と
ch相とを有し、SA相を示さない液晶が多い。(I)
式でnが5である光学活性エステルを表1に例示する。
【表1】 これらの化合物は強誘電性を有するSC* 相の存在する
温度より上の温度に於てはSA相を呈しないでコレステ
リック相(ch相)を呈する。このことは強誘電性液晶
を用いる表示素子に使用する場合に特に好ましいことで
ある。その理由の1つは表示素子を製作する際に、コレ
ステリック状態で液晶を配向させ、次いで冷却して、他
の相を経由することなく直接SC* 相を生成させること
ができ、従って高い均一性をもった配向液晶相を得るこ
とが容易であるということである。又もう一つの理由と
しては、SC* 相より高い温度にSA相がある場合より
もSA相がない場合の方がSC* 相のら旋軸の方向の、
温度変化が少く、表示のコントラストの温度変化が無視
できる程度に小さくなるということがあげられる。SC
* 相の上の温度領域に於てSA相を呈することなく直接
にコレステリック相を呈する物質としては次の(II)式
の化合物が知られている(G.W.Grayら;Mo
l.Cryst.Liq.Cryst.37(197
6)189)。
【化4】 但しnは5〜10の整数である。
【0007】しかし、上記の化合物が表示素子用として
好適な強誘電性液晶材料であるか否かは示されていな
い。又本発明者らが先に出願した(特願昭58−640
号)次の(III )式の化合物はすべてSC* 相の上の温
度でSA相を有する。
【化5】 但しm=1でXが炭素数4〜18のアルコキシ基、又は
m=2でXが炭素数1〜18のアルコキシ基又はアルキ
ル基である。(I)式の光学活性化合物は、これらをネ
マチック液晶に添加することによって捩れた構造を誘起
する能力を有する。捩れた構造を有するネマチック液
晶、即ちカイラルネマチック液晶はTN型表示素子のい
わゆるリバース・ドメイン(reverse doma
in,しま模様)を生成することがないのでリバース・
ドメイン生成の防止剤として使用できる。即ちこれらを
ネマチック液晶に対して0.05〜3重量%程度添加す
ることによって分子に一定方向へのねじり力を与え、リ
バース・ドメインは解消される。
【0008】(I)式の光学活性液晶を用いて強誘電性
カイラルスメクチックC液晶組成物を提供する場合、複
数の(I)式の化合物のみより構成することも可能であ
り、又(I)式の化合物と他のスメクチック液晶とを混
合してSC* 相を呈する液晶組成物を製造することも可
能である。SC* 相の光スイッチング効果を表示素子と
して応用する場合TN表示方式にくらべて3つのすぐれ
た特徴がある。第1の特徴は非常に高速で応答し、その
応答時間は通常のTN表示方式の素子と比較すると、1
/100以下である。第2の特徴はメモリー効果がある
ことであり、上記の高応答性とあいまって、時分割駆動
が容易である。第3の特徴はTN表示方式で濃淡の階調
をとるには、印加電圧を調節して行なうが、しきい値電
圧の温度依存性や応答速度の電圧依存性や応答速度の電
圧依存性などの難問がある。しかしSC* 相の光スイッ
チング効果を応用する場合には極性の反転時間を調節す
ることにより、容易に階調を得ることができ、グラフィ
ック表示に非常に適している。
【0009】表示方法としては、2つの方式が考えら
れ、1つの方法は2枚の偏光子を使用する複届折型、他
の1つの方法は二色性色素を使用するゲストホスト型で
ある。SC* 相は自発分極をもつため、印加電圧の極性
を反転することにより、らせん軸を回転軸として分子が
反転する。SC* 相を有する液晶組成物を液晶分子が電
極面に平行にならぶように配向処理を施した液晶表示セ
ルに注入し、液晶分子のダイレクターと一方の偏光面を
平行になるように配慮した2枚の偏光子の間に該液晶セ
ルをはさみ、電圧を印加して、極性を反転することによ
り、明視野および暗視野(偏光子の対向角度により決ま
る)が得られる。一方ゲスト・ホスト型で動作する場合
には、印加電圧の極性を反転することにより明視野及び
着色視野(偏光板の配置により決まる)を得ることがで
きる。一般にスメクチック状態で液晶分子をガラス壁面
に平行に配向させることは難かしく、数十キロガウス以
上の磁場中で等方性液体から非常にゆっくりと(1℃〜
2℃/hr)冷却することにより、液晶分子を配向させ
ているが、コレステリック相を有する液晶物質では磁場
の代わりに50V〜100Vの直流電圧を印加しながら
1℃/minの冷却速度で冷却することにより、容易に
均一に配向したモノドメイン状態を得ることができる。
【0010】以上に(I)式の光学活性エステル化合物
の液晶材料としての有用性について述べた。次に(I)
式の化合物の一方の原料である本発明の光学活性ヒドロ
キシビフェニル化合物の製法を示す。光学活性2−アル
カノールとp−トルエンスルホン酸クロリドから得られ
る光学活性p−トルエンスルホン酸アルキルエステル
を、アルカリ存在下に4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ルとモノエーテル化反応させることによって4,4′−
ジヒドロキシビフェニルの光学活性モノエーテルを得る
ことができる。本発明の光学活性ヒドロキシビフェニル
の原料としては、例えば2−ブタノールのような2−位
に水酸基のある光学活性二級アルコールが好ましい。こ
の外に工業的に容易に入手し得る原料として光学活性2
−オクタノールがある。
【0011】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明し、
さらに参考例によって本発明の光学活性化合物の有用性
を詳細に説明する。 実施例1 4′−(2−オクチルオキシ)−4−ヒドロキシビフェ
ニル S−(+)−2−オクタノールとp−トルエンスルホン
酸クロリドとから製造したS−(+)−2−オクチル−
p−トルエンスルホン酸エステル115g、4,4′−
ジヒドロキシビフェニル95g、KOH34g、エタノ
ール1000mlの混合物を7時間加熱還流させた。そ
の後、エタノール500mlを常圧下に留去し、残液に
水800mlを加えた。この混合液にトルエン500m
lを加えて生成物を抽出し、有機層を稀塩酸で洗浄し、
次いで純水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥した。乾燥剤を分離したトルエン溶液から溶媒を一
部留去した濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフに
よって精製して、目的の4′−(2−オクチルオキシ)
−4−ヒドロキシビフェニル25gを得た。融点98.
1℃。〔α〕D 25+0.1°(c 4.5,CHC
3 ) また、副生物として4,4′−ジ−(2−オクチルオキ
シ)ビフェニル20gを得た。融点35.4°。〔α〕
D 25+1.7°(c 3.0,CHCl3
【0012】参考例1 実施例1で得られた4′−(2−オクチルオキシ)−4
−ヒドロキシビフェニル7.5gをピリジンに溶解し、
氷冷したところへp−ヘプチルオキシ安息香酸クロリド
6.5gのトルエン溶液を攪拌下に滴下し、更に90℃
で2時間反応させた。反応混合物に水と6N塩酸を加え
て酸性としてから分液、水洗、更に2N苛性ソーダ水に
よる洗浄及び水洗をした後、トルエン層からトルエンを
留去した。残留物をエタノール−酢酸エチル混合溶液か
ら再結晶を行なって光学活性4′−(2−オクチルオキ
シ)−4−(p−ヘプチルオキシベンゾイルオキシ)ビ
フェニル9.5gを得た。この物の相転移温度は表1の
Xがn−C7 15O−である物の欄に示される。また、
この物の比旋光度は〔α〕D 20+0.7°(c 0.
1,CHCl3 )であった。この化合物の不整炭素にお
ける絶対配置は決定できていないが、実施例1でのエー
テル化段階でワルデン反転が起ったと考えられるので、
R型であると推定される。また、この化合物の自発分極
の大きさを82℃で測定したところ47.2nC/cm
2 であった。これは、光学活性2−メチルブチルオキシ
基を有する同一骨格の液晶化合物である、4′−(2−
メチルブチルオキシ)−4−(p−ヘプチルオキシベン
ゾイルオキシ)ビフェニルの自発分極の大きさ1.5n
C/cm2に比べて極めて大きい値である。
【0013】参考例2 4−エチル−4′−シアノビフェニル 20部(重量、以下同じ) 4−ペンチル−4′−シアノビフェニル 40部 4−オクチルオキシ−4′−シアノビフェニル 25部 4−ペンチル−4′−シアノターフェニル 15部 から成る組成物を、PVAを塗布し、表面をラビングし
て平行配向処理を施した透明電極のTNセル(電極間隔
約10μm)に注入し、偏光顕微鏡下で観察したところ
リバース・ドメインが見られた。この組成物に参考例1
で調製した、光学活性4′−(2−オクチルオキシ)−
4−(p−ヘプチルオキシベンゾイルオキシ)ビフェニ
ルを1重量%添加したところ、リバースドメインが解消
され均一なネマチック相が観察された。
【0014】
【発明の効果】本発明の光学活性ヒドロキシビフェニル
化合物から得られる強誘電性液晶の一つである4′−
(2−アルキルオキシ)−4−(p−アルキルオキシベ
ンゾイルオキシ)ビフェニルはカイラルスメクチックC
液晶相を示し、大きな自発分極の値を有し、強誘電性液
晶材料として優れた化合物である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表わされる光学活
    性4−ヒドロキシ−4′−(1−メチルアルキルオキ
    シ)ビフェニル化合物。 【化1】 ただし、(1)式中nは1〜5の整数を示し、*は不整
    炭素原子を示す。
  2. 【請求項2】 請求項1においてnが5である、4−ヒ
    ドロキシ−4′−(1−メチルヘプチルオキシ)ビフェ
    ニル。
JP29801291A 1991-10-18 1991-10-18 光学活性ヒドロキシビフェニル Expired - Lifetime JPH0699353B2 (ja)

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JPH06184033A JPH06184033A (ja) 1994-07-05
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