JPH0682862A - 半導体レーザ励起固体レーザ装置 - Google Patents
半導体レーザ励起固体レーザ装置Info
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- JPH0682862A JPH0682862A JP4260542A JP26054292A JPH0682862A JP H0682862 A JPH0682862 A JP H0682862A JP 4260542 A JP4260542 A JP 4260542A JP 26054292 A JP26054292 A JP 26054292A JP H0682862 A JPH0682862 A JP H0682862A
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Landscapes
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 LD励起固体レーザ装置に関し、高効率
化を可能とする3層反射防止膜と、該反射防止膜を設け
たSHG素子と、該素子を用いたLD励起固体レーザ装
置の提供を目的とする。 【構成】 3層反射防止膜はSiO2層、Al2O3
層、SiO2層の順に構成され、かつ、それぞれの層の
波長1.06μm付近における光学的膜厚が所定の関係
を満たす3層反射防止膜と、そのレーザ入出射端面に本
発明の3層反射防止膜を設けたSHG素子とは、このS
HG素子を用いたLD励起固体レーザ装置である。 【効果】 残留反射をさらに低減できるため、該3
層反射防止膜を設けて作成したSHG素子を用いて構成
したLD励起固体レーザ装置を用いれば、より効率よく
高出力のSH波を得ることができる。
化を可能とする3層反射防止膜と、該反射防止膜を設け
たSHG素子と、該素子を用いたLD励起固体レーザ装
置の提供を目的とする。 【構成】 3層反射防止膜はSiO2層、Al2O3
層、SiO2層の順に構成され、かつ、それぞれの層の
波長1.06μm付近における光学的膜厚が所定の関係
を満たす3層反射防止膜と、そのレーザ入出射端面に本
発明の3層反射防止膜を設けたSHG素子とは、このS
HG素子を用いたLD励起固体レーザ装置である。 【効果】 残留反射をさらに低減できるため、該3
層反射防止膜を設けて作成したSHG素子を用いて構成
したLD励起固体レーザ装置を用いれば、より効率よく
高出力のSH波を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、第2高調波発生素子を
用いた半導体レーザ励起固体レーザ装置に関する。
用いた半導体レーザ励起固体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】第2高調波発生素子を用いた半導体レー
ザ(以下「LD」と示す。)、固体レーザ装置は、高密
度記録媒体である光ディスク等の記録および再生に利用
できると考えられている。
ザ(以下「LD」と示す。)、固体レーザ装置は、高密
度記録媒体である光ディスク等の記録および再生に利用
できると考えられている。
【0003】図1は、固体レーザ素子は、発振波長が
1.06μm付近であるNdドープYVO4、Ndドー
プYAG等のNdドープ固体レーザ結晶から作成される
代表的な端面励起型LD励起固体レーザ装置の概略図お
よびLDからの励起光、基本波、第2高調波(以下「S
H波」と示す。)の光路である。LD励起固体レーザ装
置は、LD1、集光レンズ2、固体レーザ素子3、第2
高調波発生(以下「SHG」と示す。)素子4、出力鏡
5および固体レーザ素子のLD側の光学薄膜6とその反
対側の光学薄膜7、SHG素子の固体レーザ素子側の光
学薄膜8とその反対側の光学薄膜9、出力鏡のSHG素
子側の光学薄膜10から構成される。なお、Ndドープ
YAGに代表される固体レーザ素子から発振するレーザ
が直線偏光でない場合は、ブリュースタ板等の偏光制御
素子が固体レーザ素子とSHG素子との間に配置される
場合がある。
1.06μm付近であるNdドープYVO4、Ndドー
プYAG等のNdドープ固体レーザ結晶から作成される
代表的な端面励起型LD励起固体レーザ装置の概略図お
よびLDからの励起光、基本波、第2高調波(以下「S
H波」と示す。)の光路である。LD励起固体レーザ装
置は、LD1、集光レンズ2、固体レーザ素子3、第2
高調波発生(以下「SHG」と示す。)素子4、出力鏡
5および固体レーザ素子のLD側の光学薄膜6とその反
対側の光学薄膜7、SHG素子の固体レーザ素子側の光
学薄膜8とその反対側の光学薄膜9、出力鏡のSHG素
子側の光学薄膜10から構成される。なお、Ndドープ
YAGに代表される固体レーザ素子から発振するレーザ
が直線偏光でない場合は、ブリュースタ板等の偏光制御
素子が固体レーザ素子とSHG素子との間に配置される
場合がある。
【0004】集光レンズ2により、集光されたLD1の
励起光(波長0.809μm)は、固体レーザ素子3を
励起し、そこで発生した基本波は、固体レーザ素子3の
集光レンズ2側の光学薄膜6と出力鏡5の固体レーザ素
子3側の光学薄膜10の間を共振し増幅される。この光
学薄膜6と光学薄膜10で構成されるファブリペロー干
渉計をレーザ共振器と言うが、基本波はこのレーザ共振
器内に閉じこめられ増幅を繰り返し、SHG素子4を通
過した基本波の一部はSH波に変換され、SH波のみが
出力鏡5より出射する。
励起光(波長0.809μm)は、固体レーザ素子3を
励起し、そこで発生した基本波は、固体レーザ素子3の
集光レンズ2側の光学薄膜6と出力鏡5の固体レーザ素
子3側の光学薄膜10の間を共振し増幅される。この光
学薄膜6と光学薄膜10で構成されるファブリペロー干
渉計をレーザ共振器と言うが、基本波はこのレーザ共振
器内に閉じこめられ増幅を繰り返し、SHG素子4を通
過した基本波の一部はSH波に変換され、SH波のみが
出力鏡5より出射する。
【0005】ところで、レーザ共振器内に、たとえば、
固体レーザ素子3による吸収や端面での反射、光学薄膜
6,7,8,9,10による吸収や散乱など、基本波に
対する損失があると、基本波のレーザ発振効率を極端に
低下させる原因になり、したがって、SH波出力も大幅
に低下する。そこで、固体レーザ素子およびSHG素子
には、基本波の反射を防ぎ共振器内のレーザ光の損失を
小さくするために反射防止膜を施していた。
固体レーザ素子3による吸収や端面での反射、光学薄膜
6,7,8,9,10による吸収や散乱など、基本波に
対する損失があると、基本波のレーザ発振効率を極端に
低下させる原因になり、したがって、SH波出力も大幅
に低下する。そこで、固体レーザ素子およびSHG素子
には、基本波の反射を防ぎ共振器内のレーザ光の損失を
小さくするために反射防止膜を施していた。
【0006】従来より、基本波として波長1.06μm
のレーザ光を用い、波長1.06μm付近の屈折率が
2.10〜2.50の物をSHG素子として用いる場
合、波長1.06μm付近における屈折率が1.44の
SiO2膜あるいは1.60のAl2O3膜の光学的膜厚
0.25λ0(λ0は基本波の発振波長1.06μm)の
単層反射防止膜を施している。と言うのは、波長1.0
6μm付近における屈折率が2.23のLiNbO3に
光学的膜厚0.25λ0の単層反射防止膜を設ける場
合、残留反射を零にするために必要とされる該単層反射
防止膜の理論屈折率nFは、n0,nSをそれぞれ空気
(n0≒1),SHG素子の波長1.06μm付近にお
ける屈折率としたときに、反射防止条件式(6)により求
めることができ、1.49となるが、一般的な光学薄膜
の中に1.49の屈折率を有する光学薄膜は存在しな
い。そのため、屈折率か1.49に近いSiO2あるい
はAl2O3を用いた単層反射防止膜が採用されていた。
このSHG素子の単層反射防止膜により、SHG素子の
レーザ入出射端面の反射率が極端に低下したため、レー
ザ共振器内の基本波は、共振しながらレーザエネルギー
を増幅することができた。
のレーザ光を用い、波長1.06μm付近の屈折率が
2.10〜2.50の物をSHG素子として用いる場
合、波長1.06μm付近における屈折率が1.44の
SiO2膜あるいは1.60のAl2O3膜の光学的膜厚
0.25λ0(λ0は基本波の発振波長1.06μm)の
単層反射防止膜を施している。と言うのは、波長1.0
6μm付近における屈折率が2.23のLiNbO3に
光学的膜厚0.25λ0の単層反射防止膜を設ける場
合、残留反射を零にするために必要とされる該単層反射
防止膜の理論屈折率nFは、n0,nSをそれぞれ空気
(n0≒1),SHG素子の波長1.06μm付近にお
ける屈折率としたときに、反射防止条件式(6)により求
めることができ、1.49となるが、一般的な光学薄膜
の中に1.49の屈折率を有する光学薄膜は存在しな
い。そのため、屈折率か1.49に近いSiO2あるい
はAl2O3を用いた単層反射防止膜が採用されていた。
このSHG素子の単層反射防止膜により、SHG素子の
レーザ入出射端面の反射率が極端に低下したため、レー
ザ共振器内の基本波は、共振しながらレーザエネルギー
を増幅することができた。
【0007】 nF=(n0nS)1/2 (6)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術として前述
したSHG素子の単層反射防止膜では、SHG素子のレ
ーザ入出射端面に、反射防止膜を施したにもかかわらず
反射防止膜の屈折率条件が完全でないためにわずかに反
射が残る残留反射があり、LD励起固体レーザ装置の高
効率化の妨げになっていた。すなわち、従来の単層反射
防止膜の残留反射率Rは、n0,nS,nFをそれぞれ空
気(n0≒1),SHG素子,単層反射防止膜の波長
1.06μm付近における屈折率としたときに式(7)に
より求めることができ、屈折率が2.23のLiNbO
3にSiO2膜あるいはAl2O3膜の反射防止膜を施した
場合の残留反射率は、それぞれ0.13%、0.47%
である。この残留反射はレーザ共振器内の基本波のレー
ザエネルギーの損失になり、レーザ発振効率を低下させ
ていた。
したSHG素子の単層反射防止膜では、SHG素子のレ
ーザ入出射端面に、反射防止膜を施したにもかかわらず
反射防止膜の屈折率条件が完全でないためにわずかに反
射が残る残留反射があり、LD励起固体レーザ装置の高
効率化の妨げになっていた。すなわち、従来の単層反射
防止膜の残留反射率Rは、n0,nS,nFをそれぞれ空
気(n0≒1),SHG素子,単層反射防止膜の波長
1.06μm付近における屈折率としたときに式(7)に
より求めることができ、屈折率が2.23のLiNbO
3にSiO2膜あるいはAl2O3膜の反射防止膜を施した
場合の残留反射率は、それぞれ0.13%、0.47%
である。この残留反射はレーザ共振器内の基本波のレー
ザエネルギーの損失になり、レーザ発振効率を低下させ
ていた。
【0009】 R=(n0nS−nF 2)2/(n0nS+nF 2)2 (7)
【0010】本発明は、上記観点よりなされたものであ
り、半導体レーザと、集光レンズと、Ndドープ固体レ
ーザ結晶から成る固体レーザ素子と、波長1.06μm
付近における屈折率が2.10〜2.50のSHG素子
と、出力鏡とから基本的に構成される半導体レーザ励起
固体レーザ装置において、さらに高効率化を可能とする
3層反射防止膜と、該反射防止膜を設けたSHG素子
と、該素子を用いたLD励起固体レーザ装置の提供を目
的とする。
り、半導体レーザと、集光レンズと、Ndドープ固体レ
ーザ結晶から成る固体レーザ素子と、波長1.06μm
付近における屈折率が2.10〜2.50のSHG素子
と、出力鏡とから基本的に構成される半導体レーザ励起
固体レーザ装置において、さらに高効率化を可能とする
3層反射防止膜と、該反射防止膜を設けたSHG素子
と、該素子を用いたLD励起固体レーザ装置の提供を目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の3層反射防止膜はSiO2層、Al2O3層、SiO2
層の順に構成され、かつ、それぞれの膜の波長1.06
μm付近におけるSiO2とAl2O3との屈折率をnL、
nH とし、物理的膜厚をdL、dH とした時に、第1及
び第3層の光学的膜厚nLdLと、第2層の光学的膜厚n
HdH とが、下記式(8)〜(12)を満足するものであり、好
ましくは第2層のAl2O3の平均グレインサイズ(粒
径)が10nm以下となっているものである。そして、
本発明のSHG素子は、そのレーザ入出射端面に本発明
の3層反射防止膜を設けたものであり、さらに本発明の
LD励起固体レーザ装置は、本発明のSHG素子を用い
たLD励起固体レーザ装置である。
明の3層反射防止膜はSiO2層、Al2O3層、SiO2
層の順に構成され、かつ、それぞれの膜の波長1.06
μm付近におけるSiO2とAl2O3との屈折率をnL、
nH とし、物理的膜厚をdL、dH とした時に、第1及
び第3層の光学的膜厚nLdLと、第2層の光学的膜厚n
HdH とが、下記式(8)〜(12)を満足するものであり、好
ましくは第2層のAl2O3の平均グレインサイズ(粒
径)が10nm以下となっているものである。そして、
本発明のSHG素子は、そのレーザ入出射端面に本発明
の3層反射防止膜を設けたものであり、さらに本発明の
LD励起固体レーザ装置は、本発明のSHG素子を用い
たLD励起固体レーザ装置である。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】但し、nS はSHG素子の波長1.06μ
m付近における屈折率を示し、δL、δH はそれぞれ第
1層及び第3層のSiO2層と、第2層のAl2O3層の
位相差を示し、λ0 は基本波の発振波長1.06μmを
示す。
m付近における屈折率を示し、δL、δH はそれぞれ第
1層及び第3層のSiO2層と、第2層のAl2O3層の
位相差を示し、λ0 は基本波の発振波長1.06μmを
示す。
【0018】
【作用】反射防止膜は、基本波に対して低損失でなけれ
ばならない。もし、この反射防止膜に損失があるとレー
ザの発振効率を低下させる原因となるからである。反射
防止膜のレーザ共振器内の基本波に対する損失の原因に
は、吸収、散乱そして反射がある。吸収と散乱について
は、各層を構成する膜材質の物性に直接関係するもので
あるが、反射防止膜として用いる材質には耐湿性が求め
られているため、耐湿性に優れた酸化物系の誘電体光学
薄膜とする必要があり、この観点より膜材質としてSi
O2、Al2O3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、TiO2
の適否を検討した。
ばならない。もし、この反射防止膜に損失があるとレー
ザの発振効率を低下させる原因となるからである。反射
防止膜のレーザ共振器内の基本波に対する損失の原因に
は、吸収、散乱そして反射がある。吸収と散乱について
は、各層を構成する膜材質の物性に直接関係するもので
あるが、反射防止膜として用いる材質には耐湿性が求め
られているため、耐湿性に優れた酸化物系の誘電体光学
薄膜とする必要があり、この観点より膜材質としてSi
O2、Al2O3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、TiO2
の適否を検討した。
【0019】1) 低吸収材料の選定 波長1.06μmにおける光学薄膜の吸収は、光学薄膜
にレーザを照射し、その温度上昇特性を解析することか
ら光学薄膜の吸収を求める特開平3−223659記載
のレーザカロリーメータ法を適用して測定した。表1に
示す測定結果から、SiO2膜とAl2O3膜の吸収が小
さいことがわかる。
にレーザを照射し、その温度上昇特性を解析することか
ら光学薄膜の吸収を求める特開平3−223659記載
のレーザカロリーメータ法を適用して測定した。表1に
示す測定結果から、SiO2膜とAl2O3膜の吸収が小
さいことがわかる。
【0020】 表 1 ─────────────────────────────────── 膜材質 SiO2 Al2O3 ZrO2 HfO2 Ta2O5 TiO2 ─────────────────────────────────── 吸収(ppm) <10 <10 20 15 30 40 ───────────────────────────────────
【0021】2) 低散乱材料の選定 散乱をTISとし、表面粗さをσとすると、両者の間に
は式(13)に示される関係がある。 TIS=(4πσ/λTIS)2 (13) ここで、λTIS は測定レーザ波長である。
は式(13)に示される関係がある。 TIS=(4πσ/λTIS)2 (13) ここで、λTIS は測定レーザ波長である。
【0022】式13が示すように、散乱は表面粗さの自
乗に比例するので、散乱を小さくするためには表面粗さ
を小さくしなければならない。光学薄膜の場合、表面粗
さを小さくすることは、グレインサイズを小さくするこ
とに相当する。このことより、本発明において、光学薄
膜の散乱については波長1.06μmのレーザ光の散乱
を直接測定せずに走査型電子顕微鏡を用いて、光学薄膜
のグレインサイズを測定し、評価した。測定結果を表2
に示した。そして、表2よりSiO2膜とAl2O 3膜の
グレインサイズが小さいことがわかった。 1) の結果と
合せれば、SHG素子の多層反射防止膜を構成する各層
の膜材質は、SiO2膜とAl2O3膜の組合せが最適と
言える。
乗に比例するので、散乱を小さくするためには表面粗さ
を小さくしなければならない。光学薄膜の場合、表面粗
さを小さくすることは、グレインサイズを小さくするこ
とに相当する。このことより、本発明において、光学薄
膜の散乱については波長1.06μmのレーザ光の散乱
を直接測定せずに走査型電子顕微鏡を用いて、光学薄膜
のグレインサイズを測定し、評価した。測定結果を表2
に示した。そして、表2よりSiO2膜とAl2O 3膜の
グレインサイズが小さいことがわかった。 1) の結果と
合せれば、SHG素子の多層反射防止膜を構成する各層
の膜材質は、SiO2膜とAl2O3膜の組合せが最適と
言える。
【0023】 表 2 ─────────────────────────────────── 膜材質 SiO2 Al2O3 ZrO2 HfO2 Ta2O5 TiO2 ─────────────────────────────────── グレイン 5 10 25 20 20 10 サイズ(nm) 〜15 〜20 〜30 〜30 〜30 〜30 ───────────────────────────────────
【0024】3) 2層反射防止膜の可能性 吸収と散乱によるレーザ共振器内の基本波に対する損失
を小さくするために、多層反射防止膜の全体の膜厚を薄
くすれば良いことは明かである。しかし、膜厚と反射率
と材料の屈折率とは一定の関係があり、単に薄くしても
反射率を低減するという目的は達成できない。そこで、
SiO2膜(屈折率:1.44)とAl2O3膜(屈折
率:1.60)とを組合せ、反射率を最小とし得る膜厚
に付いて検討した。
を小さくするために、多層反射防止膜の全体の膜厚を薄
くすれば良いことは明かである。しかし、膜厚と反射率
と材料の屈折率とは一定の関係があり、単に薄くしても
反射率を低減するという目的は達成できない。そこで、
SiO2膜(屈折率:1.44)とAl2O3膜(屈折
率:1.60)とを組合せ、反射率を最小とし得る膜厚
に付いて検討した。
【0025】空気側から第1層目の材質の屈折率をn1
とし、物理的膜厚をd1とし、第2層目の材質の屈折率
をn2とし、物理的膜厚をd2とした時、光学的膜厚n1
d1、n2d2がそれぞれ0.25λ0の2層反射防止膜で
は式(14)、あるいは式(15)を満足しなければならない。
とし、物理的膜厚をd1とし、第2層目の材質の屈折率
をn2とし、物理的膜厚をd2とした時、光学的膜厚n1
d1、n2d2がそれぞれ0.25λ0の2層反射防止膜で
は式(14)、あるいは式(15)を満足しなければならない。
【0026】 n1 2nS=n2 2n0 (14)
【0027】 n1n2=n0nS (15) 但し、n0、nSは、それぞれ空気(n0≒1)、SHG
素子の波長1.06μm付近における屈折率である。
素子の波長1.06μm付近における屈折率である。
【0028】式(14)、あるいは式(15)のn1,n2にSi
O2膜とAl2O3膜の屈折率を代入すると、式14も式
15は成立しない。よって、SiO2膜とAl2O3膜と
を用いる限り、第1層目の光学的膜厚n1d1が0.25
λ0、第2層目の光学的膜厚n2d2が0.25λ0となる
の2層反射防止膜は設計不可能である。
O2膜とAl2O3膜の屈折率を代入すると、式14も式
15は成立しない。よって、SiO2膜とAl2O3膜と
を用いる限り、第1層目の光学的膜厚n1d1が0.25
λ0、第2層目の光学的膜厚n2d2が0.25λ0となる
の2層反射防止膜は設計不可能である。
【0029】次に、空気側から第1層、第2層とした時
の各層の光学的膜厚が何れも0.25λ0ではない2層
膜が反射防止膜として機能するためには、第1層目の屈
折率n1と第2層目の屈折率n2は式(16)を満足しなけれ
ばならない。式(16)の屈折率n2にAl2O3膜の屈折率
を代入すると、屈折率n1は1.07以下となり、第1
層膜の材質としてSiO2を用いることはできないこと
がわかる。よって、第1,2層膜の各光学的膜厚が0.
25λ0でない2層膜反射防止膜も設計不可能である。
の各層の光学的膜厚が何れも0.25λ0ではない2層
膜が反射防止膜として機能するためには、第1層目の屈
折率n1と第2層目の屈折率n2は式(16)を満足しなけれ
ばならない。式(16)の屈折率n2にAl2O3膜の屈折率
を代入すると、屈折率n1は1.07以下となり、第1
層膜の材質としてSiO2を用いることはできないこと
がわかる。よって、第1,2層膜の各光学的膜厚が0.
25λ0でない2層膜反射防止膜も設計不可能である。
【0030】 n1≦(n0/nS)0.5n2 (16)
【0031】4) 3層反射防止膜 種々検討した結果、本発明者は3層反射防止膜としてS
iO2とAl2O3とを用いることにより本発明の目的を
達成できる反射防止膜の作成が可能であることがわかっ
た。以下これについて説明する。
iO2とAl2O3とを用いることにより本発明の目的を
達成できる反射防止膜の作成が可能であることがわかっ
た。以下これについて説明する。
【0032】すなわち、第1層と第3層とが同じ材質で
同じ厚さの3層反射防止膜を想定した光学計算によれ
ば、SHG素子と第1及び第3層と第2層との波長1.
06μm付近における屈折率をそれぞれnS、nL、nH
とし、第1及び第3層と第2層との位相差をそれぞれδ
L、δH とし、第1及び第3層と第2層との物理的膜厚
をそれぞれdL、dH とし、λ0を基本波の発振波長1.
06μmとしたとき、下記式(17)〜(21)を満足する第1
及び第3層の光学的膜厚nLdLと第2層の光学的膜厚n
HdHとが有理解として存在するならば、その解を光学的
膜厚とする3層反射防止膜が本発明の目的を達成するも
のとなる。
同じ厚さの3層反射防止膜を想定した光学計算によれ
ば、SHG素子と第1及び第3層と第2層との波長1.
06μm付近における屈折率をそれぞれnS、nL、nH
とし、第1及び第3層と第2層との位相差をそれぞれδ
L、δH とし、第1及び第3層と第2層との物理的膜厚
をそれぞれdL、dH とし、λ0を基本波の発振波長1.
06μmとしたとき、下記式(17)〜(21)を満足する第1
及び第3層の光学的膜厚nLdLと第2層の光学的膜厚n
HdHとが有理解として存在するならば、その解を光学的
膜厚とする3層反射防止膜が本発明の目的を達成するも
のとなる。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】 但し、nS はSHG素子の波長1.06μm付近におけ
る屈折率を示し、δL、δH はそれぞれ第1層及び第3
層のSiO2層と、第2層のAl2O3層の位相差を示
し、λ0 は基本波の発振波長1.06μmを示す。
る屈折率を示し、δL、δH はそれぞれ第1層及び第3
層のSiO2層と、第2層のAl2O3層の位相差を示
し、λ0 は基本波の発振波長1.06μmを示す。
【0038】本発明において、例えば第1,3層がSi
O2で、第2層がAl2O3のLiNbO3製SHG素子用
3層反射防止膜の各層の光学的膜厚を求めると、LiN
bO3の屈折率nSは2.23と前記各値より、空気側か
ら第1層目のSiO2の光学的膜厚nLdLは0.097
λ0、第2層目のAl2O3の光学的膜厚nHdHは0.0
56λ0、第3層目のSiO2の光学的膜厚nLdLは0.
097λ0となる。よって、各層の光学的膜厚が上記対
応する値となる3層反射防止膜が本発明の3層反射防止
膜の1例となる。
O2で、第2層がAl2O3のLiNbO3製SHG素子用
3層反射防止膜の各層の光学的膜厚を求めると、LiN
bO3の屈折率nSは2.23と前記各値より、空気側か
ら第1層目のSiO2の光学的膜厚nLdLは0.097
λ0、第2層目のAl2O3の光学的膜厚nHdHは0.0
56λ0、第3層目のSiO2の光学的膜厚nLdLは0.
097λ0となる。よって、各層の光学的膜厚が上記対
応する値となる3層反射防止膜が本発明の3層反射防止
膜の1例となる。
【0039】また、式(17)〜(21)のnLをAl2O3の屈
折率、dLをAl2O3の物理的膜厚とし、nHをSiO2
の屈折率、dHをSiO2の物理的膜厚に置き換えて計算
した場合、空気側から第1層目のAl2O3の光学的膜厚
nLdLは0.068λ0、第2層目のSiO2の光学的膜
厚nHdHは0.114λ0、第3層目のAl2O3の光学
的膜厚nLdLは0.068λ0の膜構成となり、上記の
3層反射防止膜と同様本発明の3層反射防止膜となり得
る。しかし、第1層目にはより硬度が高く、耐湿性に優
れたSiO2を用いることが必要であり、よってこの観
点よりこの構成の膜は本発明の3層反射防止膜とはなり
得ない。また、3層反射防止膜のレーザ共振器内の基本
波に対する損失を低減するために、第2層目のAl2O3
層のグレインサイズを10nm以下とすることが好まし
い。
折率、dLをAl2O3の物理的膜厚とし、nHをSiO2
の屈折率、dHをSiO2の物理的膜厚に置き換えて計算
した場合、空気側から第1層目のAl2O3の光学的膜厚
nLdLは0.068λ0、第2層目のSiO2の光学的膜
厚nHdHは0.114λ0、第3層目のAl2O3の光学
的膜厚nLdLは0.068λ0の膜構成となり、上記の
3層反射防止膜と同様本発明の3層反射防止膜となり得
る。しかし、第1層目にはより硬度が高く、耐湿性に優
れたSiO2を用いることが必要であり、よってこの観
点よりこの構成の膜は本発明の3層反射防止膜とはなり
得ない。また、3層反射防止膜のレーザ共振器内の基本
波に対する損失を低減するために、第2層目のAl2O3
層のグレインサイズを10nm以下とすることが好まし
い。
【0040】次に本発明の第2次高調波発生素子は、上
記の様な構成の本発明の3層反射防止膜をそのレーザ入
出射端面に設けたものである。この3層反射防止膜を設
けるに際し適用できる方法としては、真空蒸着法、スパ
ッタリング法等があり、特にこだわるものではないが、
第2層のAl2O3膜のグレインサイズを小さくするため
には酸素のイオンアシスト蒸着法を用いることが好まし
い。因みに、基板加熱温度を300℃とする一般的な電
子ビーム蒸着法によりAl2O3膜を作成すれば、グレイ
ンサイズは10〜20nmであるが、イオン化ガスとし
て酸素を用い、加速電圧を100Vとし、加速電流を1
0mAとしてイオンアシスト蒸着法によりAl2O3膜を
作成すれば、グレインサイズを5〜10nmとなる。な
お、第1及び第3層目のSiO2膜ついては、イオンア
シストを適用してもグレインサイズは変化しないが、膜
形成の都合上イオンアシスト法を適用しても支障はな
い。この際、イオン加速電圧が500V程度より高くな
るとSiO2膜がわずかに着色することがあるので注意
を要する。最後に、本発明のLD励起固体レーザ装置
は、本発明のSHG素子を用いたLD励起固体レーザ装
置であり、それ以上説明を要しない。
記の様な構成の本発明の3層反射防止膜をそのレーザ入
出射端面に設けたものである。この3層反射防止膜を設
けるに際し適用できる方法としては、真空蒸着法、スパ
ッタリング法等があり、特にこだわるものではないが、
第2層のAl2O3膜のグレインサイズを小さくするため
には酸素のイオンアシスト蒸着法を用いることが好まし
い。因みに、基板加熱温度を300℃とする一般的な電
子ビーム蒸着法によりAl2O3膜を作成すれば、グレイ
ンサイズは10〜20nmであるが、イオン化ガスとし
て酸素を用い、加速電圧を100Vとし、加速電流を1
0mAとしてイオンアシスト蒸着法によりAl2O3膜を
作成すれば、グレインサイズを5〜10nmとなる。な
お、第1及び第3層目のSiO2膜ついては、イオンア
シストを適用してもグレインサイズは変化しないが、膜
形成の都合上イオンアシスト法を適用しても支障はな
い。この際、イオン加速電圧が500V程度より高くな
るとSiO2膜がわずかに着色することがあるので注意
を要する。最後に、本発明のLD励起固体レーザ装置
は、本発明のSHG素子を用いたLD励起固体レーザ装
置であり、それ以上説明を要しない。
【0041】
【実施例】次に本発明の実施例について述べる。 (実施例1)以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
具体的には、LD励起固体レーザ装置に用いている屈折
率nSが2.23のLiNbO3のSHG素子の3層反射
防止膜について説明する。
具体的には、LD励起固体レーザ装置に用いている屈折
率nSが2.23のLiNbO3のSHG素子の3層反射
防止膜について説明する。
【0042】はじめに、各層の光学的膜厚を求める。
(17)〜(21)式のnL、nHにそれぞれSiO2膜
の屈折率1.44、Al2O3膜の屈折率1.60を代入
して計算すると、第1層目と第3層目(SiO2膜)の
光学的膜厚nLdLと、第2層目(Al2O3膜)の光学的
膜厚nHdHとはそれぞれ0.097λ0,0.056λ0
となる。
(17)〜(21)式のnL、nHにそれぞれSiO2膜
の屈折率1.44、Al2O3膜の屈折率1.60を代入
して計算すると、第1層目と第3層目(SiO2膜)の
光学的膜厚nLdLと、第2層目(Al2O3膜)の光学的
膜厚nHdHとはそれぞれ0.097λ0,0.056λ0
となる。
【0043】次に、3層反射防止膜の作成方法を述べ
る。SHG素子を洗剤,有機溶剤等を用いて超音波洗浄
を行った。反射防止膜の作成にはイオンアシスト蒸着装
置を用い、試料をセットした後、300℃ に加熱しな
がら、1×10-6Torrまで排気し、イオン化ガスと
して酸素を用い、蒸着速度0.5nm/secで所定の
厚さのSiO2膜を形成した。次いで、酸素ガスを1×
10-4Torrまで導入し、イオン化ガスとして酸素を
用い、加速電圧を100Vとし、加速電流を10mAと
する、所謂イオンアシスト法を用いて0.3nm/se
cの蒸着速度で所定の厚さのAl2O3膜を形成した。そ
して、再度1×10-6Torrまで排気し、イオン化ガ
スとして酸素ガスを用い、蒸着速度0.5nm/sec
で所定の厚さのSiO2膜を形成した。なお、各層の光
学的膜厚の制御には光学的干渉モニターを用いた。
る。SHG素子を洗剤,有機溶剤等を用いて超音波洗浄
を行った。反射防止膜の作成にはイオンアシスト蒸着装
置を用い、試料をセットした後、300℃ に加熱しな
がら、1×10-6Torrまで排気し、イオン化ガスと
して酸素を用い、蒸着速度0.5nm/secで所定の
厚さのSiO2膜を形成した。次いで、酸素ガスを1×
10-4Torrまで導入し、イオン化ガスとして酸素を
用い、加速電圧を100Vとし、加速電流を10mAと
する、所謂イオンアシスト法を用いて0.3nm/se
cの蒸着速度で所定の厚さのAl2O3膜を形成した。そ
して、再度1×10-6Torrまで排気し、イオン化ガ
スとして酸素ガスを用い、蒸着速度0.5nm/sec
で所定の厚さのSiO2膜を形成した。なお、各層の光
学的膜厚の制御には光学的干渉モニターを用いた。
【0044】図2に、この反射防止膜の概略図を示す。
図3に、この3層反射防止膜の分光反射特性を示す。比
較にために、従来のSiO2の単層反射防止膜を施した
LiNbO3製SHG素子とAl2O3の単層反射防止膜
を施したLiNbO3製SHG素子も作成し、上記本発
明の3層反射防止膜付LiNbO3のSHG素子ととも
に500mWLD励起Nd:YVO4レーザに配置して
それぞれのSH波出力を測定し、その結果を表3に示し
た。表3に示すSH波出力の測定結果から、本発明の3
層反射防止膜付LiNbO3のSHG素子を用いたLD
励起固体レーザ装置は、従来の単層反射防止膜付LiN
bO3のSHG素子を用いたLD励起固体レーザ装置よ
り1.5倍以上のSH波出力得ることができた。
図3に、この3層反射防止膜の分光反射特性を示す。比
較にために、従来のSiO2の単層反射防止膜を施した
LiNbO3製SHG素子とAl2O3の単層反射防止膜
を施したLiNbO3製SHG素子も作成し、上記本発
明の3層反射防止膜付LiNbO3のSHG素子ととも
に500mWLD励起Nd:YVO4レーザに配置して
それぞれのSH波出力を測定し、その結果を表3に示し
た。表3に示すSH波出力の測定結果から、本発明の3
層反射防止膜付LiNbO3のSHG素子を用いたLD
励起固体レーザ装置は、従来の単層反射防止膜付LiN
bO3のSHG素子を用いたLD励起固体レーザ装置よ
り1.5倍以上のSH波出力得ることができた。
【0045】 表 3 ─────────────────────────────────── 膜の種類 本発明の3層反射防止膜 単層反射防止膜 SiO2/Al2O3/SiO2 SiO2 Al2O3 ─────────────────────────────────── SH波出力 25 15 6 (mW) ───────────────────────────────────
【0046】
【発明の効果】本発明の3層反射防止膜は残留反射をさ
らに低減できるため、波長1.06μm付近における屈
折率が2.10〜2.50のSHG素子に該3層反射防
止膜を設けて作成したSHG素子を用いて構成したLD
励起固体レーザ装置を用いれば、より効率よく高出力の
SH波を得ることができる。
らに低減できるため、波長1.06μm付近における屈
折率が2.10〜2.50のSHG素子に該3層反射防
止膜を設けて作成したSHG素子を用いて構成したLD
励起固体レーザ装置を用いれば、より効率よく高出力の
SH波を得ることができる。
【図1】 代表的なLD励起固体レーザ装置の概略図で
ある。
ある。
【図2】 本発明のSHG素子に施した3層反射防止膜
の概略図である。
の概略図である。
【図3】 本発明のSHG素子に施した3層反射防止膜
の分光反射特性である。
の分光反射特性である。
1−−−LD、2−−−集光レンズ、3−−−固体レー
ザ素子、4−−−SHG素子、5−−−出力鏡、6−−
−光学薄膜、7−−−光学薄膜、8−−−光学薄膜、9
−−−光学薄膜、10−−−光学薄膜、11−−−光学
薄膜、12−−−光学薄膜、13−−−SiO2膜、1
4−−−Al2O3膜、15−−−SiO2膜、16−−
−SHG素子
ザ素子、4−−−SHG素子、5−−−出力鏡、6−−
−光学薄膜、7−−−光学薄膜、8−−−光学薄膜、9
−−−光学薄膜、10−−−光学薄膜、11−−−光学
薄膜、12−−−光学薄膜、13−−−SiO2膜、1
4−−−Al2O3膜、15−−−SiO2膜、16−−
−SHG素子
Claims (4)
- 【請求項1】 半導体レーザと、集光レンズと、Nd
ドープ固体レーザ結晶から成る固体レーザ素子と、波長
1.06μm付近における屈折率が2.10〜2.50
の第2高調波発生素子と、出力鏡とから基本的に構成さ
れる半導体レーザ励起固体レーザ装置において、SiO
2層、Al2O3層、SiO2層の順に構成され、かつ、そ
れぞれの膜の波長1.06μm付近におけるSiO2と
Al2O3との屈折率をnL、nH とし、物理的膜厚を
dL、dH とした時に、第1及び第3層の光学的膜厚nL
dLと、第2層の光学的膜厚nHdH とが、下記式 (1)
〜(2)を満足するものであることを特徴とする第2高調
波発生素子用3層反射防止膜。 但し、nS は第2高調波発生素子の波長1.06μm付
近における屈折率を示し、δL、δH はそれぞれ第1及
び第3層目のSiO2層と第2層目のAl2O3層との位
相差を示し、λ0は基本波の発振波長1.06μmを示
す。 - 【請求項2】 請求項1記載の3層反射防止膜におい
て、第2層のAl2O3の平均グレインサイズ(粒径)が
10nm以下となっていることを特徴とする第2高調波
発生素子用3層反射防止膜。 - 【請求項3】 請求項1〜2記載の第2高調波発生素
子用3層反射防止膜を、屈折率が2.10〜2.50の
第2高調波発生素子のレーザ入出射端面に設けたもので
あることを特徴とする第2高調波発生素子。 - 【請求項4】 請求項3記載の第2高調波発生素子を
用いたことを特徴とするLD励起固体レーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4260542A JPH0682862A (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 半導体レーザ励起固体レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4260542A JPH0682862A (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 半導体レーザ励起固体レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0682862A true JPH0682862A (ja) | 1994-03-25 |
Family
ID=17349411
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4260542A Pending JPH0682862A (ja) | 1992-09-04 | 1992-09-04 | 半導体レーザ励起固体レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0682862A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7714343B2 (en) | 2007-09-18 | 2010-05-11 | Hitachi Cable, Ltd. | Light emitting device |
EP1849193B1 (en) * | 2005-01-24 | 2011-09-14 | Cree, Inc. | LED with current confinement structure and surface roughening |
US8421085B2 (en) | 2010-03-11 | 2013-04-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor light-emitting device |
WO2013146382A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズの製造方法 |
JPWO2014051151A1 (ja) * | 2012-09-28 | 2016-08-25 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズ |
-
1992
- 1992-09-04 JP JP4260542A patent/JPH0682862A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013146382A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズの製造方法 |
JPWO2013146382A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2015-12-10 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズの製造方法 |
US9651802B2 (en) | 2012-03-30 | 2017-05-16 | Hoya Corporation | Method of manufacturing eyeglass lens |
JPWO2014051151A1 (ja) * | 2012-09-28 | 2016-08-25 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズ |
JPWO2014051150A1 (ja) * | 2012-09-28 | 2016-08-25 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズ |
AU2013320853B2 (en) * | 2012-09-28 | 2017-11-23 | Hoya Corporation | Spectacle lens |
AU2013320854B2 (en) * | 2012-09-28 | 2017-11-23 | Hoya Corporation | Spectacle lens |
US9927557B2 (en) | 2012-09-28 | 2018-03-27 | Hoya Corporation | Eyeglass lens |
US10054715B2 (en) | 2012-09-28 | 2018-08-21 | Hoya Corporation | Eyeglass lens having improved heat resistance and scratch resistance |
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