JPH0674951U - エンジンダイナモメータ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンダイナモメータのモード切換え時に
おけるエンジンダイナモメータおよびエンジンにおける
負荷の急激な変動を防止し、モード切換えをスムーズに
行うことができるエンジンダイナモメータ装置を提供す
ること。 【構成】 手動操作盤３にダイナモ速度制御のための設
定ダイヤルとダイナモトルク制御のための設定ダイヤル
９，１０を専用的に設けると共に、これらの設定ダイヤ
ル９，１０によって設定される出力を択一的にダイナモ
コントローラ２に対して供給するための設定出力切換え
スイッチ１３を設け、この設定出力切換えスイッチ１３
と、モード設定信号を出力するモード切換えスイッチ７
とを連動して切り換わるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジンダイナモメータ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車などのエンジンの性能をチェックするためのエンジンダイナモメータ装 置においては、エンジンダイナモメータを制御するダイナモコントローラに対し て手動操作盤からダイナモ速度制御信号やダイナモトルク制御信号を送ることに よってエンジンダイナモメータを制御している。

【０００３】 すなわち、この種のエンジンダイナモメータ装置においては、ダイナモ速度制 御（ＡＳＲ）およびダイナモトルク制御（ＡＴＲ）によってそれぞれダイナモ速 度およびダイナモトルクを一定にし、エンジンダイナモメータにおける速度やト ルクを制御している。この制御を行うため、従来のエンジンダイナモメータ装置 においては、図２に示すように構成されていた。

【０００４】 図２において、１は図外のエンジンと機械的に接続されたエンジンダイナモメ ータとしての例えばコイルを用いたエディックダイナモ、２はこのエディックダ イナモ１を制御するダイナモコントローラである。そして、詳細に図示してない が、エンジンダイナモメータ１には速度センサやトルクセンサを設けてあり、こ れらのセンサからの検出出力はダイナモコントローラ２に送られるようにしてあ る。

【０００５】 ３はダイナモコントローラ２に対するダイナモ速度制御信号やダイナモトルク 制御信号を設定するための手動操作盤で、ダイナモ速度制御モードまたはダイナ モトルク制御モードを設定するための２つのモード設定キー４，５と制御電圧を 設定するための設定ダイヤル６が設けられている。７はモード設定キー４，５に オン動作によって切換えられる切換えスイッチで、ダイナモ速度制御モードおよ びダイナモトルク制御モードの接点７Ａ，７Ｂと切換え切片７Ｃとからなる。８ は可変電源で、設定ダイヤル６を例えば矢印方向に回転すると、設定電圧として 大きい信号を出力するように構成されている。

【０００６】 上記構成のエンジンダイナモメータ装置においては、ダイナモ速度制御を行う 場合には、モード設定キー４をオンする。これによって接点７Ａが閉じ、ダイナ モコントローラ２は、ダイナモ速度制御モードとなる。この状態で、設定ダイヤ ル６を矢印方向に回転すると、設定電圧が大となって、エンジンダイナモメータ １の回転が上昇（増加）し、矢印と反対方向に回転すると、設定電圧が小となっ て、エンジンダイナモメータ１の回転が下降（減少）する。一方、ダイナモトル ク制御を行う場合には、モード設定キー５をオンする。これによって接点７Ｂが 閉じ、ダイナモコントローラ２は、ダイナモトルク制御モードとなる。この状態 で、設定ダイヤル６を矢印方向に回転すると、設定電圧が大となって、エンジン ダイナモメータ１の回転が下降し、矢印と反対方向に回転すると、設定電圧が小 となって、エンジンダイナモメータ１の回転が上昇する。上記の動作を簡潔に表 したものが下記表１である。

【０００７】

【表１】

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上記説明および表１から理解されるように、エンジンダイナモメータ装置にお けるダイナモ速度制御とダイナモトルク制御とでは、設定ダイヤル６の操作方向 が逆になっている。そして、上述した従来のエンジンダイナモメータ装置におい ては、２つのモード設定キー４，５と１つの設定ダイヤル６によって、エンジン ダイナモメータ１の制御を行っている。このため、従来のエンジンダイナモメー タ装置においては次のような不都合があった。

【０００９】 例えばダイナモ速度制御モードで無負荷状態にあるとき、モードをダイナモト ルク制御に急に切り換えた場合、設定ダイヤル６が両モードに共通であるため、 何らかの負荷がエンジンダイナモメータ１に急激にかかり、エンジンダイナモメ ータ１およびこれと機械的に接続されているエンジンに対して悪影響が及ぼされ ることがあった。

【００１０】 本考案は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、エンジンダイ ナモメータのモード切換え時におけるエンジンダイナモメータおよびエンジンに おける負荷の急激な変動を防止し、モード切換えをスムーズに行うことができる エンジンダイナモメータ装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案に係るエンジンダイナモメータ装置は、手動 操作盤にダイナモ速度制御のための設定ダイヤルとダイナモトルク制御のための 設定ダイヤルを専用的に設けると共に、これらの設定ダイヤルによって設定され る出力を択一的に前記ダイナモコントローラに対して供給するための設定出力切 換えスイッチを設け、この設定出力切換えスイッチと、前記モード設定信号を出 力するモード切換えスイッチとを連動して切り換わるように構成されている。

【００１２】

【作用】

上記構成のエンジンダイナモメータ装置においては、例えばダイナモ速度制御 からダイナモトルク制御にモード切換えを行う場合、そのときのエンジンダイナ モメータにおけるトルクを読み取り、その負荷状態をトルク設定用ダイヤルに反 映させてからモード切換えを行うことによってエンジンダイナモメータおよびこ れと機械的に連結されているエンジンにおける急激な負荷変動を防止することが できる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を、図面を参照しながら説明する。

【００１４】 図１は、本考案に係るエンジンダイナモメータ装置の構成を概略的に示すもの で、この図において、図２における符号と同一符号は、同一物または相当物を示 している。

【００１５】 図１において、９，１０は手動操作盤３に設けられるダイナモ速度制御のため の設定ダイヤル、ダイナモトルク制御のための設定ダイヤルである。１１，１２ は各設定ダイヤル９，１０の可変電源で、各設定ダイヤル９，１０をそれぞれ矢 印方向に回転すると、設定電圧として大きい信号を出力するように構成されてい る。これらの設定ダイヤル９，１０の設定電圧とダイナモの制御方向は、前記表 １に従う。

【００１６】 １３は設定ダイヤル９，１０によって設定される出力を択一的にダイナモコン トローラ２に対して供給するための設定出力切換えスイッチで、可変電源１１に 接続された接点１３Ａと、可変電源１２に接続された接点１３Ｂと、切換え切片 １３Ｃとからなり、モード切換えスイッチ７とを連動して切り換わるように構成 されている。

【００１７】 上述のように構成されたエンジンダイナモメータ装置においては、例えばダイ ナモ速度制御を行う場合には、モード設定キー４をオンにする。これによって、 モード切換えスイッチ７においては接点７Ａがオンとなり、ダイナモコントロー ラ２がダイナモ速度制御モードに設定されると共に、設定出力切換えスイッチ１ ３においては接点１３Ａがオンになる。この状態で、設定ダイヤル９を矢印方向 に回転すると、設定電圧が大となって、エンジンダイナモメータ１の回転が増加 させることができ、矢印と反対方向に回転すると、設定電圧が小となって、エン ジンダイナモメータ１の回転が減少させることができる。

【００１８】 そして、上記ダイナモ速度制御を行っているとき、ダイナモトルク制御に切換 える場合には、まず、現状のエンジンダイナモメータ１のトルクを読み取る。例 えばこのときのトルクが大きい場合は、それに見合うようにトルク設定用ダイヤ ル１０による出力が大きくなるようにし、その後、モード設定キー５をオンにす ることにより、ダイナモコントローラ２がダイナモ速度制御モードからダイナモ トルク制御モードに切り換えられる。このようにすることにより、エンジンダイ ナモメータ１およびこれと機械的に連結されているエンジンにおける急激な負荷 変動を防止することができ、制御モードの切換えをスムーズに行うことができる 。

【００１９】 ダイナモトルク制御モードからダイナモ速度制御モードに切換えを行う場合に も同様に行うことにより、制御モードの切換えをスムーズに行うことができるこ とはいうまでもない。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、エンジンダイナモメータ１を制御を行 うための設定ダイヤルをダイナモ速度制御モード用とダイナモトルク制御用とに それぞれ専用的に設け、各制御モード時にそれぞれの設定ダイヤルを有効となる ように構成したので、エンジンダイナモメータのモード切換え時におけるエンジ ンダイナモメータおよびエンジンにおける負荷の急激な変動を防止し、モード切 換えをスムーズに行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るエンジンダイナモメータ装置の構
成を概略的に示す図である。

【図２】従来のエンジンダイナモメータ装置の構成を概
略的に示す図である。

【符号の説明】

１…エンジンダイナモメータ、２…ダイナモコントロー
ラ、３…手動操作盤、７…モード切換えスイッチ、９，
１０…設定ダイヤル、１３…設定出力切換えスイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンダイナモメータを制御するダイ
   ナモコントローラに対して手動操作盤からモード設定信
   号と設定電圧とを送るようにしたエンジンダイナモメー
   タ装置において、前記手動操作盤にダイナモ速度制御の
   ための設定ダイヤルとダイナモトルク制御のための設定
   ダイヤルを専用的に設けると共に、これらの設定ダイヤ
   ルによって設定される出力を択一的に前記ダイナモコン
   トローラに対して供給するための設定出力切換えスイッ
   チを設け、この設定出力切換えスイッチと、前記モード
   設定信号を出力するモード切換えスイッチとを連動して
   切り換わるように構成したことを特徴とするエンジンダ
   イナモメータ装置。