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JPH0670975A - 生体内留置具 - Google Patents

生体内留置具

Info

Publication number
JPH0670975A
JPH0670975A JP4227556A JP22755692A JPH0670975A JP H0670975 A JPH0670975 A JP H0670975A JP 4227556 A JP4227556 A JP 4227556A JP 22755692 A JP22755692 A JP 22755692A JP H0670975 A JPH0670975 A JP H0670975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
obturator
erbd
viscoelasticity
clip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4227556A
Other languages
English (en)
Inventor
Isami Hirao
勇実 平尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP4227556A priority Critical patent/JPH0670975A/ja
Publication of JPH0670975A publication Critical patent/JPH0670975A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体内に留置後、留置不用あるいは交換が必
要になった時、簡単な操作で、任意に体外へ取り出すこ
とが可能な生体内留置具を提供すること。 【構成】 生体内留置具としての閉塞具1は、紫外光の
非照射時は粘弾性が高く、紫外光の照射時は粘弾性が低
くなり流動化する材料により構成した。閉塞具1は、留
置状態では、紫外光を照射せずに粘弾性を高くしておく
一方、閉塞具1の留置が不用になった時、紫外光を照射
し、粘弾性が低くなり流動化するので、吸引操作によ
り、任意に体外へ取り出せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体内に中長期的に留
置する生体内留置具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内に中長期的に留置する生体内留置
具としては、次のようなものがある。生体内留置具とし
ては、避妊目的のため卵管内に留置する卵管閉塞具、血
管吻合に用いる血管スプリント、外科手術で用いられ胆
のう管や血管等の管腔臓器を外周側から閉じるクリッ
プ、胆汁排出のため胆管内に留置するERBDチューブ
等がある。
【0003】従来、例えば卵管閉塞具を用いて、卵管内
にシリコーン等から成る生体接着剤を注入、硬化させ、
卵管を閉塞する手技が知られている。
【0004】また、胆汁排出を目的として胆管内に留置
するERBDチューブとしては、例えば実開平1−15
2636号公報に示される様に、チューブの内面をフッ
素系樹脂層で形成したものがある。このチューブとして
は、チューブ周壁の一部を、それぞれ前後端面に向けて
深くなる方向に傾斜して楔状に切り込んだサイドフラッ
プを設けたものが、知られている。そして、このERB
Dチューブは、経内視鏡的に胆管内に挿入・留置されい
る。
【0005】一方、外科手術において用いられる、血管
または胆のう管を外周側から閉じるクリップとしては、
特開昭58−27548号公報に示される様に、ポリシ
オキサノンから成り、一定時間経過後生体内で吸収され
る生体吸収性材料で構成されたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の卵管閉
塞具は卵管内に生体接着剤を注入、硬化させるため、避
妊効果は永久的に続くことになる。このため、その後妊
娠を希望しても、卵管を開通させることはできなかっ
た。
【0007】また、従来のERBDチューブは、その内
腔が経時的につまるため、経内視鏡的に交換する必要が
ある。そこで、スネア等をERBDチューブのフラップ
に引っかけ、胆管から抜去する。しかし、抜去時にフラ
ップが破断してしまう虞があり、このためチューブ本体
は、胆管内に残ってしまうという欠点があった。
【0008】一方、外科処置に用いられる吸収性クリッ
プは、最終的に生体内に吸収されるものの、その吸収速
度を任意に設定できるものではなかった。
【0009】本発明は前記課題に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、生体内に留置した
後、不用になった時、簡単な操作で、任意に体外へ取り
出すことが可能な生体内留置具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の生体内留置具は、光の非照射時は粘弾性が
高く、光の照射時は粘弾性が低くなり流動化する材料で
構成したものである。
【0011】
【作用】本発明の生体内留置具は、保存または留置状態
では、光非照射状態にして粘弾性を高くしておく一方、
不用になった時、光を照射し、粘弾性が低くなり流動化
した状態で吸引する。このような簡単な操作で、生体内
留置具は、任意に体外へ取り出せる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。図1ないし図3は本発明の第1実施例に
係り、図1は閉塞具の留置を示す説明図、図2は閉塞具
の留置状態と回収を示す説明図、図3は閉塞具の回収を
示す説明図である。
【0013】図1に示す閉塞具1は、紫外線を照射する
ことで粘弾性が低下する材料で、略球形状に一体的に構
成している。前記粘弾性が変化する材料としては、例え
ば、『インテリジェント・マテリアル』(株)シー・エ
ム・シー発行(P.156〜158)に記載されている
様に、紫外線を照射することで、トランス型からシス型
に構造変化を起こすアゾベンゼン(図24参照)を含ん
だポリアミド等の光粘性変化材料が用いられる。
【0014】例えば、LiClを含むピロリドン(N−
methyl−2−pyrrolidone)溶液に溶
かしたポリアミドIIは、紫外光(410>λ>350n
m)を照射すると粘度が63%減少し、λ=470nm以
上の光を当てると元の粘度に戻る。
【0015】前記粘度の変化の大きさは、アゾベンゼン
に結合している高分子鎖の剛直性、長さに依存する。す
なわち、結合している分子の構造が剛直である場合は、
アゾベンゼンでの構造変化が、高分子鎖全体に速やかに
伝わり、大きな粘性変化が誘起されるが、分子構造が柔
軟な場合は、立体構造がこの分子鎖の形態変化に吸収さ
れてしまって、高分子鎖全体の形態は変化せず、粘性の
変化は小さい。
【0016】次に、前述のように、アゾベンゼンを含ん
だポリアミド等の光粘性変化材料で構成した閉塞具1の
使用方法について説明する。まず、暗所で光非照射状態
で保存していた閉塞具1を取り出して、把持鉗子2で把
持する。そして、把持した状態で、経内視鏡的に卵管3
内に挿入し、把持鉗子2を開き、閉塞具1を卵管3内に
留置する。
【0017】この時、卵管3内は暗所であるため、閉塞
具1を構成するアゾベンゼンはトランス状態であり、粘
弾性が大きい。このため、閉塞具1は、その形状を保持
した状態で卵管3を閉塞し、患者に避妊効果をもたら
す。
【0018】次に、患者が再度妊娠を希望し、閉塞具1
を卵管3から取り除く場合について説明する。まず、卵
管3内に内視鏡4を挿入し、図示しない光源より紫外光
を送り、内視鏡4のライトガイド5から、紫外光を閉塞
具1に照射する(図2及び図3参照)。閉塞具1は、紫
外光が照射されることで粘弾性が低下し、その形状が保
てなくなり流動化することになる。そこで、図3に示す
ように、内視鏡4のチャンネル孔6を介して、吸引プロ
ーブ7を卵管3内に挿入し、流動化した閉塞具1を吸引
して体外へ取り出す。
【0019】本実施例の閉塞具1は、光非照射時は粘弾
性が高く、光照射時は粘弾性が低下して流動化する材料
でできているため、体内留置後、閉塞具1の留置が不用
になった場合、簡単な操作で取り出すことが可能であ
る。
【0020】図4は本発明の第1実施例の変形例に係る
閉塞具の断面図である。図4に示す閉塞具1′は、シリ
コーン、またはウレタン等の弾性体から成る中心部1A
と、その外周部を覆うように形成され、前述の光非照射
時は粘弾性が高く、光照射時は粘弾性が低下する材料か
ら成る外周部1Bの二層構造となっており、略球形状に
形成されている。
【0021】この様に構成された閉塞具1′は、第1実
施例と同じく内視鏡的に卵管3内に挿入留置され、避妊
効果をもたらす。
【0022】そして、患者が再度妊娠を希望する場合
は、第1実施例と同じく、内視鏡4を挿入し、前記ライ
トガイド5より紫外光を閉塞具1′に照射する。紫外光
が照射されると、閉塞具1′の外周部1Bは、前述の通
り流動化する。一方、中心部1Aはその形状を保ったま
まである。
【0023】前述の通り、流動化した外周部1Bを吸引
プローブで体外へ除去し、一方中心部1Aは、前記把持
鉗子2等で体外へ摘出する。
【0024】本実施例の閉塞具1′は、その外周部1B
が光照射により粘弾性が低下する材料で構成されている
ため、体内留置後、閉塞具1′が不用になった場合、簡
単な操作で取り出すことが可能である。
【0025】図5及び図6には、本発明の第2実施例に
係る生体内留置具を示してある。本実施例の留置具は、
血管スプリントへの応用である。
【0026】図5に示す血管スプリント8は、管状に形
成されており、門脈再建、閉塞性脳血管障害の治療等に
適応されるものである。この血管スプリント8は、前記
第1実施例と同様に、光非照射時は粘弾性が高く、光照
射時は粘弾性が低下して流動化する材料から構成されて
いる。また、血管スプリント8の両端部8a,8bは、
血管内に挿入しやすい様に、軸方向に対して斜めに、か
つ互いに平行に、切断されたように形成されている。
【0027】この様に構成された血管スプリント8は、
暗所より取り出され、結合する第1の血管10、及び第
2の血管11の内腔にて、両方に渡るように挿入する。
第1の血管10の端部10a、及び第2の血管11の端
部11aを互いに密着させる。
【0028】次に、図示しないレーザープローブを血管
スプリント8の管内に挿入し、血管スプリント8の端部
8a,8b近傍に、YAGレーザを照射する。YAGレ
ーザ照射により、血管スプリント8は、第1の血管壁、
第2の血管壁にそれぞれ固定される。この時、血管内の
スプリント8は、暗所に留置されているため、粘弾性が
高く、その形状を保持した状態にある。尚、レーザの波
長は、血管スプリント8の粘弾性を低下させない波長と
する。
【0029】一定期間経過後、第1,第2の血管10,
11の各々の端部10a,11aは、互いに密着させて
いたため、生体の自己修復機能により接合し、元の血管
機能を回復する。
【0030】そして、前記各端部10a,11aが接合
したら、図6に示す様に、血管スプリント8内に、内視
鏡4を挿入し、ライトガイド5より紫外光を照射する。
紫外光を照射すると、血管スプリント8は、第1実施例
と同じく粘性が低くなり、流動状態となるため、チャン
ネル孔6を介して挿入した吸引プローブ7によって体外
に吸引除去する。
【0031】本実施例の血管スプリント8は、第1実施
例と同じく、体内に留置後、不用になった場合、光照射
でその粘性を低くして流動化させられ、容易に取り出し
が可能となる。
【0032】尚、本実施例では、血管再建術について述
べたが、腸管吻合、胆管再建、尿管再建等にも、同様の
スプリントを用いることが可能である。
【0033】次に、第3実施例について説明する。図7
ないし図9に示すのは、本発明の第3実施例に係る生体
内留置具である。本実施例は、外科用クリップへの応用
である。
【0034】図7に示すクリップ13は、閉塞後、互い
に嵌合する凹部14と凸部15とから構成されている。
前記クリップ13は、前述の光非照射時は粘弾性が高
く、光照射時は粘弾性が低くなる材料から構成されてい
る。
【0035】この様に構成されたクリップ13は、例え
ば腹腔鏡的胆のう摘出術に用いる場合、周知の方法によ
り、図8に示す様に胆のう管、あるいは胆のう動脈の管
腔臓器16外周に、暗所から取り出したクリップ13を
かけ、凹部14と凸部15を嵌合させる。次に、管腔臓
器16の一端部17は、電気メス等で切断する。
【0036】前記端部17の切断端面の組織は、互いに
密着しているため、経時的な生体修復機能により接合す
ることになる。切断端面が接合すればクリップ13は、
不用となる。そこで、腹壁18にトラカール19A,1
9Bを挿入し、各々の内部管路を介して、光プローブ2
0、吸引プローブ21を体腔内に挿入する。
【0037】そして、前述の実施例と同じく、光プロー
ブ20より紫外光を胆のう管、胆のう動脈等の管腔臓器
16外周にかけたクリップ13に、照射する。紫外光照
射により、クリップ13は粘弾性が低下し、その形状を
保持できなくなり流動化する。次に、流動化したクリッ
プ13は、吸引プローブ21を用いて、体外へ吸引排出
される。
【0038】本実施例のクリップ13は、前述の実施例
と同じく、体内に留置後、留置不用になった場合、光照
射でその粘性を低くして流動化させられ、容易に取り出
しが可能である。また、本実施例のクリップ13として
は、外科用のものについて述べたが、止血目的で消化管
に用いられるものでも同様の効果を有する。
【0039】次に、第4実施例について説明する。図1
0ないし図12に示すのは、本発明の第4実施例に係る
生体内留置具である。本実施例は、胆汁排出用のERB
Dチューブへの応用例である。
【0040】図10に示すERBDチューブ22は、そ
の周壁かつ両端部近傍に、胆管内留置後、移動を防止す
る手段としてのフラップ23が、チューブ肉厚に切り込
みを入れる形で、複数形成されている。また、ERBD
チューブ22の前後両端には、胆汁排出機能を増加させ
るため、サイドホール24,24が、チューブ内腔と連
通して設けられている。
【0041】前記ERBDチューブ22は、その素材
が、第1実施例と同様に、前記光非照射時は粘性が高
く、光照射時は粘性が低下する材料でできている。
【0042】この様に構成されたERBDチューブ22
は、暗所より取り出され、周知の方法により、経口内視
鏡的に、胆管内の狭窄部に留置される。
【0043】経時的にERBDチューブ22の内腔につ
まりが生じ、抜去する必要が生じた場合は、図11に示
す様に、内視鏡4を介して、光プローブ20をERBD
チューブ22の内管に挿入する。次に、図12に示す様
に、光プローブ20から紫外光を発し、ERBDチュー
ブ22内壁に照射する。
【0044】ERBDチューブ22は前述の通り光照射
により粘性が低下する材料で構成されているため、図1
2に示す様に、光が照射された部位は流動化する。ER
BDチューブ22の全周にわたり光照射することで、全
体が流動化し、流動化したものは、十二指腸乳頭26を
介して消化管に排出されるので、ERBDチューブ22
は胆管25から抜去されることとなる。
【0045】本実施例のERBDチューブ22は、光照
射により粘性が低下する材料で構成されているので、つ
まり発生し、胆管から抜去する必要がある場合、光プロ
ーブから紫外光を照射することで、容易に抜去が行なえ
る。従来の様に、フラップにスネアを引っかけて引っぱ
る方法と比べ、チューブが途中で破断する虞もなく、容
易に胆管から取り除くことが可能である。
【0046】ところで、『インテリジェント・マテリア
ル』(株)シー・エム・シー発行(P180〜181)
に記載されている様に、基材27と結合したN−イソプ
ロピルアクリルアミド28は、低温状態では水和し、ポ
リマー鎖が引き延ばされた構造をとり、親水性を示す。
逆に、高温状態では脱水和が生起し、ポリマー鎖は収縮
した構造をとり疎水性を示す。細胞29やタンパク質等
は、親水性状態では付着しにくいが、疎水性表面には吸
着しやすいことが知られている。(以上、図25参
照)。
【0047】この場合、臨界温度は32℃であるが、N
−イソプロピルアクリルアミドを化学修飾することで、
臨界温度の変更も可能である。
【0048】図13ないし図16に示すのは、本発明の
第5実施例に係る生体内留置具である。本実施例は、E
RBDチューブへの応用例である。
【0049】第4実施例と同じく、図13に示すERB
Dチューブ30は、その周壁かつ両端部近傍に、胆管内
留置後、移動を防止する手段としてフラップ23が、チ
ューブ肉厚に切り込みを入れる形で、複数形成されてい
る。また、ERBDチューブ30の前後両端には、胆汁
排出機能を増加させるため、サイドホール24,24
が、チューブ内腔と連通して設けられている。
【0050】そして、前記ERBDチューブ30の基材
表面には、前述のN−イソプロピルアクリルアミドから
成り、温度により親水性、疎水性が変化する高分子鎖3
1が重合により設けられている。
【0051】この様に構成したERBDチューブ30
は、図14に示す様に、経口的に内視鏡4のチャンネル
孔から突出させ、プッシャーチューブ32によって乳頭
26を介して、胆管25内に押し込む。この作業は、プ
ッシャーチューブ32より、ERBDチューブ30に向
けて、冷水を放出しながら行なう。冷水の温度として
は、高分子鎖31が、親水性を示す臨界温度(32℃)
以下の温度とする。
【0052】ERBDチューブ30の外表面に、臨界温
度以下の冷水が放出されると、ERBDチューブ30外
表面に結合した、N−イソプロピルアクリルアミドから
成る高分子鎖31は、前述の通り伸張した状態となり、
親水性を示すこととなる。従って胆管25内への挿入
は、容易に行なえる。
【0053】次に、ERBDチューブ30を胆管25内
に留置中は、ERBDチューブ30の外表面に結合した
高分子鎖31が、臨界温度以上である体温(37℃)に
より、収縮した状態となり疎水性になる。前述の通り細
胞は、疎水性状態では付着しやすいことが知られてい
る。このため、図15に示すように、胆管25と密着し
たERBDチューブ30の外表面33は、胆管25の細
胞と接合し、ERBDチューブ30本体は、留置位置か
ら移動しない。
【0054】次に、経時的にERBDチューブ30の内
管がつまり、交換の必要が生じた場合について説明す
る。経内視鏡的にオーバーチューブ34を挿入し、オー
バーチューブ34を介して高分子鎖31が親水性を示す
臨界温度(32℃)以下の冷水を、ERBDチューブ3
0に向けて放出する。冷水が放出されることで、ERB
Dチューブ30の外表面に結合したN−イソプロピルア
クリルアミドから成る高分子鎖31は、前述の通り伸張
した状態となり、親水性を示すこととなる。従って、図
16に示す様に、胆管25の細胞とERBDチューブ3
0の外表面33とは、接合しなくなる。そして、オーバ
ーチューブ34から冷水を放出した状態で、さらにスネ
ア35を挿入しフラップ23に引っかけ、引き抜く。E
RBDチューブ30は、経内視鏡的に抜去される。
【0055】本実施例のERBDチューブ30は、その
外表面に、温度により親水性、疎水性が変化する高分子
鎖を結合しているため、胆管内挿入時は、冷水を放出す
ることで親水性となり容易に挿入が可能である。また、
留置時は、体温により臨界温度以上となっているため、
疎水性となり留置位置から脱落・迷走することはない。
【0056】一方、このERBDチューブ30は、抜去
時は再び冷水を放出しながら引き抜くことで、表面が親
水性となり、容易に抜去が行なえる。
【0057】図17及び図18に示すのは、本発明の第
6実施例に係る生体内留置具である。本実施例の生体内
留置具は、卵管閉塞具への応用である。
【0058】図17に示す閉塞具36は、シリコーン等
の弾性体で略球状に一体的に構成されている。さらに、
閉塞具36は、その外表面には、前述のN−イソプロピ
ルアクリルアミドから成り、温度により親水性・疎水性
が変化する高分子鎖31が結合して設けられている。
【0059】この様に構成した閉塞具36の使用方法に
ついて説明する。閉塞具36は、オーバーチューブ34
を介して挿入した把持鉗子2により、閉塞具36を把持
され、この状態で、経内視鏡的に卵管3内に挿入され
る。この作業は、オーバーチューブ34を介し、手元側
より閉塞具36に向けて、冷水を放出しながら行なう。
冷水の温度としては、高分子鎖31が親水性を示す臨界
温度(32℃)以下の温度とする。
【0060】閉塞具36の外表面に臨界温度以下の冷水
が放出されると、閉塞具36外表面に結合したN−イソ
プロピルアクリルアミドから成る高分子鎖31は、前述
の通り伸張した状態となり、親水性を示すこととなる。
従って卵管3内への挿入は、容易に行なえることとな
る。
【0061】次に、閉塞具36を卵管3内に留置中は、
閉塞具36の外表面に結合した高分子鎖31が、臨界温
度以上である体温(37℃)のため収縮した状態とな
り、疎水性になる。前述の通り細胞は、疎水性状態では
付着しやすい。このため、卵管3と密着した閉塞具36
の外表面は、卵管3内壁の細胞と接合し、閉塞具36本
体は留置位置から移動せず避妊効果を保つこととなる。
【0062】次に患者が再度妊娠を希望し、閉塞具36
を抜去する方法について説明する。図18に示す様に、
オーバーチューブ34を卵管3内に挿入し、再び手元側
より臨界温度(32℃)以下の冷水を閉塞具36に向け
て放出する。冷水の放出により、閉塞具36外表面に結
合した高分子鎖31は、伸張した状態となり、親水性を
示すこととなる。
【0063】前記状態で、把持鉗子2をオーバーチュー
ブ34越しに挿入し、閉塞具36を把持すれば容易に抜
去でき、卵管3は開通した状態となる。
【0064】本実施例の閉塞具36は、その外表面に、
温度によって親水性・疎水性が変化する高分子鎖を結合
しているため、臨界温度以下の冷水を注入することで親
水性となり、卵管3への挿入・抜去が容易に行なえる。
また、閉塞具36は、卵管内留置時は、体温で臨界温度
以上となり疎水性となるため、卵管内壁の細胞と接合し
留置部からの移動や脱落の虞がなくなる。
【0065】次に、第7実施例について説明する。図1
9ないし図20に示すのは、本発明の第7実施例に係る
図面である。本実施例は、外科用クリップへの応用であ
る。
【0066】図19に示すクリップ37は、閉塞後、互
いに嵌合する凹部14、凸部15を有し、樹脂材料によ
り一体的に作られている。さらに、クリップ37の凹部
14と凸部15との内面には、前述の温度により親水
性、疎水性が変化するN−イソプロピルアクリルアミド
から成る高分子鎖31が、結合して設けられている。
【0067】この様に構成されたクリップ37は、例え
ば腹腔鏡的胆のう摘出術に用いる場合、周知の方法によ
り胆のう管、あるいは胆のう動脈の管腔臓器16外周
に、凹部14と凸部15とをかけ、閉塞させる。そし
て、管腔臓器16の一端部17は、電気メス等で切断す
る。
【0068】体内留置中は、クリップ37の内面に設け
た高分子鎖31は、体温(37℃)により臨界温度以上
となり収縮し、疎水性状態である。従って、前述の通
り、管腔臓器16の細胞と接合し、留置部位から移動し
ない。
【0069】ところで、切断した一端部17が、経時的
な生体修復機能により接合して閉じれば、クリップ37
は不用となる。そこで、腹壁18へ経て、トラカール1
9A,19Bを再度体内に挿入し、各トラカールの内管
を介して、把持鉗子2、シース38を体腔内に挿入す
る。そして、シース38を介して、臨界温度(32℃)
以下の冷水をクリップ37に放出する。冷水を放出する
と、クリップ37内面の高分子鎖31は伸張し親水性と
なり、管腔臓器16の細胞から剥離する。そして、把持
鉗子2を操作して、クリップ37を管腔臓器16から取
り外す。
【0070】本実施例のクリップ37は、その内面に温
度により親水性・疎水性が変化する高分子鎖31を結合
しているため、体内留置中は疎水性となり管腔臓器と密
着し、脱落移動の虞がない。また、クリップ37は、留
置不用となった場合、冷水をかけることで親水性とな
り、容易に組織から剥離して、取り外すことが可能であ
る。
【0071】尚、本実施例では外科用クリップについて
述べたが、止血目的で消化管に用いられるものでも同様
の効果を有する。つまり、前記外科用クリップの用途
は、前記例に限らない。
【0072】次に、第8実施例について説明する◎ 図21ないし図23に示すのは、本発明の第8実施例に
係る発明である。本実施例は、生検鉗子への応用例であ
る。
【0073】図21に示す生検鉗子39の先端カップ4
0は、その内面に、樹脂層がコーティングされており、
さらに、その樹脂層外表面部には、前述のN−イソプロ
ピルアクリルアミドから成る高分子鎖31が結合されて
設けられている。
【0074】この様に構成した生検鉗子39は、内視鏡
チャンネル越しに生検鉗子39を挿入し、先端カップ4
0内によって、体内の目的とする組織を把持回収する。
この場合、生検鉗子39の先端カップ40内面の高分子
鎖は、臨界温度以上である体温(37℃)によって、収
縮し疎水性となっている。従って、生検する組織と接合
しやすく、確実に先端カップ40内に取り込まれ、脱落
等の虞がない。
【0075】次に、採取した組織を先端カップ40から
回収するには、図22に示す様に、臨界温度以下の冷水
が入ったシャーレ41内に、生検鉗子39を浸漬する。
【0076】冷水に浸漬することで、先端カップ40内
面に付着した高分子鎖31は、伸張し親水性を示す。そ
して、前述の通り組織との接合は弱くなるため、生検し
た組織42は先端カップ40内面から剥離し、冷水中に
浮遊する。この冷水をろ過すれば、生検組織42の採取
が行なえる。
【0077】本実施例の生検鉗子39は、先端カップ4
0内面に、温度により親水性、疎水性が変化する高分子
鎖を結合している。このため、生検鉗子39は、生検時
は、確実に先端カップ40内に組織を取り込めると共
に、冷水中に浸漬することで、容易に採取して組織を取
り外すことが可能である。
【0078】尚、本実施例の生検鉗子39の代りに、図
23に示す細胞診ブラシ43のブラシ部44に前述の高
分子鎖を設けても同等の効果を有する。
【0079】
【発明の効果】本発明の生体内留置具によれば、生体内
に留置後、不用になった時、簡単な操作で任意に体外へ
取り出すことが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は第1実施例に係り、図1は閉
塞具の留置を示す説明図。
【図2】図2は閉塞具の留置状態と回収を示す説明図。
【図3】図3は閉塞具の回収を示す説明図。
【図4】図4は第1実施例の変形例に係る閉塞具の断面
図。
【図5】図5及び図6は第2実施例に係り、図5は血管
スプリントの留置を示す説明図。
【図6】図6は血管スプリントの回収を示す説明図。
【図7】図7ないし図9は第3実施例に係り、図7は外
科用クリップの斜視図。
【図8】図8は外科用クリップの留置状態を示す説明
図。
【図9】図9は外科用クリップの回収を示す説明図。
【図10】図10ないし図12は第4実施例に係り、図
10は胆汁排出用のERBDチューブの側断面図。
【図11】図11はERBDチューブの留置状態と回収
を示す説明図。
【図12】図12はERBDチューブの回収を示す説明
図。
【図13】図13ないし図16は第5実施例に係り、E
RBDチューブの側断面図。
【図14】図14はERBDチューブの装着と留置状態
を示す説明図。
【図15】図15はERBDチューブの留置状態を示す
説明図。
【図16】図16はERBDチューブの回収を示す説明
図。
【図17】図17及び図18は第6実施例に係り、図1
7は卵管閉塞具の留置を示す説明図。
【図18】図18は卵管閉塞具の留置状態と回収を示す
説明図。
【図19】図19ないし図20は第7実施例に係り、図
19は外科用クリップの斜視図。
【図20】図20は外科用クリップの回収を示す説明
図。
【図21】図21ないし図23は第8実施例に係り、図
21は生検鉗子の斜視図。
【図22】図22は生検鉗子で採取した生体組織の回収
を示す説明図。
【図23】図23は細胞診ブラシの側面図。
【図24】図24は材質の説明図
【図25】図25は材質の説明図。
【符号の説明】 1…閉塞具 2…把持鉗子 3…卵管 4…内視鏡 5…ライトガイド 6…チャンネル孔 7…吸引プローブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の非照射時は粘弾性が高く、光の照射
    時は粘弾性が低下して流動化する材料から構成されてい
    ることを特徴とする生体内留置具。
JP4227556A 1992-08-26 1992-08-26 生体内留置具 Withdrawn JPH0670975A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007500545A (ja) * 2001-06-26 2007-01-18 イマサーグ インコーポレイテッド 体内腔を閉塞するための装置及び方法
JP2007229248A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Olympus Corp 内視鏡装置

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