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JPH0667014A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

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Publication number
JPH0667014A
JPH0667014A JP22148992A JP22148992A JPH0667014A JP H0667014 A JPH0667014 A JP H0667014A JP 22148992 A JP22148992 A JP 22148992A JP 22148992 A JP22148992 A JP 22148992A JP H0667014 A JPH0667014 A JP H0667014A
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JP
Japan
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color filter
micelle
dye
film
substrate
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Application number
JP22148992A
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English (en)
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JP3037511B2 (ja
Inventor
Nobuaki Watabe
暢明 渡部
Seiichiro Yokoyama
清一郎 横山
Hideaki Kurata
英明 倉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP22148992A priority Critical patent/JP3037511B2/ja
Publication of JPH0667014A publication Critical patent/JPH0667014A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3037511B2 publication Critical patent/JP3037511B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粗大粒子の発生を抑え、かつ色分離,剥離の
ない赤色,緑色,青色三原色の優れた分光特性を有する
各色間の膜厚が均一または制御されたカラーフィルタを
製造する方法の開発。 【構成】 三原色の分光特性を有する色素および/また
は透明粒子の各々のミセル分散液あるいはミセル可溶化
溶液の平衡濃度が、0.1〜2.8ミリモル/リットルであ
る透明粒子のミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液と
色素のミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液の混合分
散液を用いることを特徴とするカラーフィルタの製造方

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルタの製造方
法に関し、カラーフィルタを製造する際に色素,透明粒
子各々からなるミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液
の平衡濃度を最適化することにより粗大粒子の発生を抑
え、かつ色分離,剥離を起こさない赤色,緑色,青色三
原色の優れた分光特性を有する各色間の膜厚が均一、ま
たは制御された(マルチギャップ)カラーフィルタの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、ミセル電解法による薄膜やカラーフィルタの製造法
(特開昭63−243298号公報,同63−5053
84号公報)が知られているが、単純な顔料のみを用い
るカラーフィルタでは分光特性を適切なものとするため
赤色,緑色,青色三原色の分光特性を有する色素(RG
B色素)の厚さが異なり、平滑な膜が得られない。一
方、印刷法において、カラーフィルタ中の顔料に無機粒
子を添加する方法は、特開昭63−254403号公報
に記載されているが、これはインクに透明粒子を添加す
る方法にしか過ぎず、ミセル電解法に適応することはで
きない。また、特開平2−101193号公報にはミセ
ル電解法における混合法について、有機材料と無機材料
の混合材料をミセル電解法により電極上に析出すること
は記載されているが、各材料の分散液の平衡濃度を調整
していないため、粗大粒子の発生,薄膜の剥離または透
過率の低下が生じる問題を有している。この発明は、無
機材料の粒径を小さくすることにより電極と色素膜との
密着性を高めることを目的としており、実際には有機材
料との混合に関しては全く触れていない。また、無機粒
子を疎水化してミセル電解法で製膜する方法については
特開平2−101195号公報および特開平2−267
298号公報に記載されているが、特開平2−1011
95号公報には混合組成比の規定が無く、疎水化の方法
が不明瞭である。特開平2−267298号公報には、
シラン処理した無機粒子と有機色素の共析についての記
載はあるが、導電性を付加することを目的としているた
め、膜厚を均一または制御するためのミセル電解用の分
散液の調製法については記載されていない。膜厚を均一
または制御する目的で、樹脂を有機材料に添加するミセ
ル電解法については特開平4−401号公報に記載され
ているが、ポリプロピレンの実施例しかなく耐熱性やそ
の他の物性に問題があった。
【0003】さらに、二種類の疎水性物質を水溶液に分
散しミセル電解する場合、単純に2種類の分散液を混
合する方法(特開平2−129602号公報)と二種
類の疎水性物質の混合粉末を分散する方法の2つの方法
が考えられる。しかし、カラーフィルタのような微細な
特性(表面平滑性,色均一性,ミクロサイズの薄膜構造
の均一性)を制御する場合、上記2つの方法でも不都合
が生じる。の場合は、一般に単一疎水性物質の分散液
の最適平衡濃度が疎水性物質ごとに異なるため、二種類
の分散液を混合すると平衡濃度の違いによりどちらかの
界面活性剤が一方の疎水性物質から離脱し、他方の疎水
性物質に吸着されて2つの液の平衡濃度が一定になろう
とする。このとき、一方の疎水性物質は界面活性剤が離
脱するため分散が不安定となり、通電処理を行わなくて
も通電処理により形成される薄膜形成機能に従い分散粒
子の凝集が起こる。このような凝集が溶液中で発生する
と、分散粒子は粗大化し、分散液を用いて電解処理によ
って形成された薄膜は粗大粒子からなるため均一性がと
れなくなる。具体的には、数μmの薄膜上に数μm〜数
十μmの粗大粒子が析出し、透過率,平坦性,均一性お
よび再現性に問題が生じる。また、の実施例に従い、
分散液の組成が異なるものを混合すると、その際一方の
疎水性物質が沈澱あるいは凝集といった不都合が生じ、
ミセル電解法の製膜時に粗大粒子の発生,色分離あるい
は薄膜の剥離といった問題が発生する。の場合は、2
種類の疎水性物質の混合物質を均一に分散することがで
きない。具体的には、分散は超音波ホモジナイザーやサ
ンドミルにより分散するが、疎水性物質の粒径と表面物
性が等しくない限り、同じ条件で複数の疎水性物質を全
て分散する条件を満足することはできない。このような
問題点は、カラーフィルタを製造する場合に色むら,色
ずれ,白抜けあるいは平滑性の喪失といった不都合を起
こすのみならず、所望の色度に調節できなくなる原因に
なる。さらに、顔料系の薄膜では透過率と膜厚が比例関
係にあり、充分な分光特性を得るための膜厚では各色間
の膜厚に相違が発生し、液晶を駆動する際に問題が生じ
る。
【0004】他方、ミセル電解法によりRGB色素膜製
膜後、電気化学的処理(電着法による2段階の製膜)を
行い、保護膜を形成して膜厚を均一にする方法(特開平
3−293634号公報)が開示されているが、ミセル
電解法を2段階行う方法は記載されていない。また、カ
ラーフィルタ製造の際、背面露光でブラックマトリック
ス形成時に紫外線感光型黒色顔料含有レジストを用いた
場合、パターンエッジでの遮光性が悪く境界が不明瞭と
なる傾向がある。それに対して、有機透明紫外線吸収剤
を添加する方法(特開平2−77014号公報)が開示
されているが、ミセル電解法においては、水系であるた
め上記有機透明紫外線吸収剤を用いることができなかっ
た。そこで本発明者らは、製膜時に粗大粒子の発生や、
色分離,薄膜の剥離を起こさず、膜厚を自在に制御した
カラーフィルタを形成することのできる方法を開発すべ
く鋭意研究を重ねた。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、以下の2つの
方法により目的を達成することを見出した。即ち、透
明粒子と色素を混合して、ミセル電解法により薄膜を形
成する際に、水性媒体のミセル分散液あるいはミセル可
溶化溶液の平衡濃度を特定範囲に調整する方法あるいは
透明粒子と色素を各々単独で2段階にミセル電解法で
薄膜を形成する方法により上記目的を達成することを見
出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもの
である。
【0006】すなわち、本発明は、赤色,緑色,青色三
原色の分光特性を有する色素および透明粒子を水性媒体
中でフェロセン誘導体界面活性剤を用いて各々独立に分
散して得られるミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液
を混合し、該混合分散液あるいはミセル可溶化溶液にパ
ターニングされた透明導電薄膜を有するカラーフィルタ
製造用基板を挿入し、前記基板に通電処理を行い、電極
上に膜厚を調整した色素膜を形成するカラーフィルタを
製造するにあたり、前記色素および透明粒子の各々のミ
セル分散液あるいはミセル可溶化溶液の平衡濃度が0.1
〜2.8ミリモル/リットルである透明粒子のミセル分散
液あるいはミセル可溶化溶液と色素のミセル分散液ある
いはミセル可溶化溶液の混合液を用いることを特徴とす
るカラーフィルタの製造方法を提供する。また、本発明
は赤色,緑色,青色三原色の分光特性を有する色素を水
性媒体中でフェロセン誘導体界面活性剤を用いて各々独
立に分散して得られるミセル分散液あるいはミセル可溶
化溶液を混合し、該混合分散液あるいは溶液にパターニ
ングされた透明導電薄膜を有するカラーフィルタ製造用
基板を挿入し、前記基板に通電処理を行い電極上に膜厚
を調整した色素膜を形成するカラーフィルタを製造する
にあたり、前記各色素膜を形成した後、透明粒子を水性
媒体中でフェロセン誘導体界面活性剤を用いて得られる
ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液に、得られた色
素膜形成基板を挿入して通電処理を行い色素膜形成基板
上に透明粒子を積層することを特徴とするカラーフィル
タの製造方法を提供するものである。さらに、本発明
は、透明粒子を水性媒体中でフェロセン誘導体界面活性
剤を用いて得られるミセル分散液あるいはミセル可溶化
溶液に、パターニングされた透明導電性薄膜を有するカ
ラーフィルタ製造用基板を挿入し、前記基板に通電処理
を行い電極上に透明粒子の薄膜を形成した後、赤色,緑
色,青色三原色の分光特性を有する色素を水性媒体中で
フェロセン誘導体界面活性剤を用いて各々独立に分散し
て得られるミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液に透
明粒子薄膜を有する基板を挿入し、前記基板に各色素毎
に通電処理を行い電極上に色素膜を形成することを特徴
とするカラーフィルタの製造方法を提供し、パターニン
グされた透明導電薄膜を有するカラーフィルタ製造用基
板に、赤色,緑色,青色三原色の分光特性を有する色素
膜を形成後、ネガ型ブラックレジストを塗布して背面か
ら露光することによりブラックマトリックスを形成する
カラーフィルタの製造方法において、平均粒径が300
nm以下で、可視波長領域である380〜780nmで
の透過率が60%以上,波長が450nm以上での透過
率が70%以上,波長が350nm以下での透過率が6
5%以下であり、耐熱性が230℃以上である透明粒子
の紫外線遮蔽能を利用し、これを遮光膜とすることによ
り、前記ネガ型ブラックレジストを前記色素膜の間隙に
のみ形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方
法を提供するものである。
【0007】本発明のカラーフィルタを構成するRGB
(R:赤色系色素,G:緑色系色素,B:青色系色素)
色素膜を形成するには、例えば、三原色の色素を、フェ
ロセン誘導体界面活性剤を用いて分散あるいは可溶化し
て、それぞれの色素含有ミセル分散溶液あるいはミセル
可溶化溶液を調製する。
【0008】ここで用いられるRGBの分光特性を有す
る色素、すなわち、RGBの疎水性色素としては以下の
ものが挙げられる。赤色色素としては、ペリレン系顔
料,レーキ顔料,アゾ系顔料,ジアントラキノン,キナ
クリドン系顔料,アントラキノン系顔料あるいはアント
ラセン系顔料等があり、例えばペリレン顔料,レーキ顔
料(Ca,Ba,Sr,Mn),キナクリドン,ナフト
ールAS,シコミン顔料,アントラキノン,ジスアゾ
(SudanI,II,III ,R),ベンゾピラン,硫化カド
ミウム系顔料,Fe(III)酸化物系顔料などがあり、そ
のうちペリレン顔料やレーキ顔料が好ましい。また、緑
色色素としては、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔
料,ハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料あるいはト
リフェニルメタン系塩基性染料等があり、例えばクロロ
多置換フタロシアニン,その銅錯体あるいはバリウム−
トリフェニルメタン染料などがあり、青色色素として
は、銅フタロシアニン系顔料,インダンスロン系顔料,
インドフェノール系顔料あるいはシアニン系顔料などが
あり、例えばクロロ銅フタロシアニン,クロロアルミニ
ウムフタロシアニン,バナジン酸フタロシアニン,マグ
ネシウムフタロシアニン,亜鉛フタロシアニン,鉄フタ
ロシアニン,コバルトフタロシアニンなどのフタロシア
ニン金属錯体,フタロシアニン,メロシアニンあるいは
インドフェノールブルーなどがある。また、色度調整用
の黄色顔料として、ジスアゾ顔料,イソインドリノン顔
料等、紫色顔料として、ジオキサジン顔料も用いること
ができる。また、上記疎水性有機物質は、その形状や大
きさ等に関しては特に制限はないが、好ましくは粒径1
0μm以下の粉末が用いられる。
【0009】カラーフィルタを構成するRGBの疎水性
色素薄膜を形成するには、R,GおよびBの疎水性色素
のいずれか一つを水性媒体に加えて、上述の操作で所望
色調の薄膜を所望のパターンで形成し、次いで疎水性色
素の種類を変えて上述の操作を繰返し行えばよい。ま
た、ここでは二種以上のミセル分散液あるいはミセル可
溶化溶液を用いて所望の色素含有ミセル分散液あるいは
ミセル可溶化溶液を調製してもよい。例えば、RとY
(黄色系色素)の色素含有ミセル分散液あるいはミセル
可溶化溶液をそれぞれ調製し、上記二種以上のミセル分
散液あるいはミセル可溶化溶液を用いて薄膜の製造時に
通常の混合方法を用いればよい。
【0010】また、透明粒子は種々のものが挙げられ、
例えばチタニア(出光興産(株)製:IT−UD),シ
リカ,アルミナ,ポリシロキサン,酸化亜鉛,疎水性チ
タニアなど挙げられ、好ましくはチタニア,シリカ,ア
ルミナ,ポリシロキサン、特に好ましくはチタニアであ
る。チタニアは、300nm以下の微粒子であれば良い
が、チタンのアルコキシドの気相加水・熱分解法により
作られる超微粒子チタニアの製造時にシランのアルコキ
シドを添加し疎水化した一次粒径が20nm以下となる
ものを用いても良い。このように、気相加水・熱分解法
による金属酸化物の超微粒子の製造時にシランのアルコ
キシドを添加して疎水化した粒子は、他の方法により製
造された微粒子に比して透明性および分散性が大変優れ
ている。また、市販のチタニア,シリカ,アルミナを用
いる場合は平均粒径を電子顕微鏡写真より測定し、好ま
しくは300nm以下、特に好ましくは190nm以下
のものを用いる。測定結果を第2表に示す。また、透明
粒子の可視光透過率(日立UV−3100で測定)は、
380〜780nmでいずれも60%以上、好ましくは
70%以上、450nm以上で70%以上、好ましくは
80%以上、350nm以下で65%以下のものを選定
した。この350nm以下の波長のものをカットする理
由は、ブラックマトリックスのバック露光で光を遮蔽す
るため365nmの紫外線露光を行うことによる。さら
に、耐熱温度は230℃以上のものが好ましい。
【0011】また、フェロセン誘導体界面活性剤(以下
ミセル化剤あるいは界面活性剤ともいう)とは、フェロ
セン誘導体を有効成分として含有する界面活性剤であ
り、非イオン性,カチオン性,アニオン性等各種のもの
がある。具体的には、特開昭63−243298号公報
に示されるようなアンモニウム型のフェロセン誘導体、
国際公開WO89/01939号明細書に示されるよう
なエーテル型のフェロセン誘導体やエステル型のフェロ
セン誘導体、特開平1−226894号公報に示される
ようなピリジニウム型のフェロセン誘導体、さらには特
開平2−88387号公報,同1−45370号公報,
同2−96585号公報,同2−250892号公報に
示されるような各種のフェロセン誘導体を挙げることが
できる。
【0012】次に、水性媒体としては、水をはじめ、水
とアルコールの混合液,水とアセトンの混合液など様々
な媒体をあげることができる。本発明では、上記色素あ
るいは透明粒子およびフェロセン誘導体界面活性剤を上
記水性媒体に分散し、ミセル分散液あるいはミセル可溶
化溶液を調製する。なお、必要に応じて支持塩を用いて
もよい。
【0013】本発明のミセル分散液あるいはミセル可溶
化溶液の調製方法としては、例えば、上記水性媒体中に
上記色素および/または透明粒子,フェロセン誘導体界
面活性剤、また必要に応じて支持塩を水性媒体に入れ
て、メカニカルホモジナイザー,超音波ホモジナイザ
ー,パールミル,サンドミル,スターラー,三本ロール
ミル等により充分攪拌することが挙げられる。この操作
で色素や透明粒子は、界面活性剤の作用で、水性媒体中
に均一に分散あるいは可溶化して、ミセル分散液あるい
はミセル可溶化溶液となる。ここで、このミセル化剤の
全濃度は、好ましくは0.1ミリモル/リットル〜1モル
/リットルの範囲で選定する。また、色素あるいは透明
粒子の濃度は、1〜500g/リットルの範囲が好まし
い。
【0014】本発明のミセル分散液あるいはミセル可溶
化溶液を調製するにあたっては、必要に応じて支持塩
(支持電解質)を用いてもよい。この支持塩は、水性媒
体の電気伝導度を調節するために加えるものである。支
持塩の添加量は、可溶化あるいは分散している色素ある
いは透明粒子の析出を妨げない範囲であればよく、通常
は上記ミセル化剤の0〜300倍程度の濃度、好ましく
は50〜200倍程度の濃度を目安とする。この支持塩
を加えずに電解を行うこともできるが、この場合支持塩
を含まない純度の高い薄膜が得られる。また、支持塩を
用いる場合、その支持塩の種類は、ミセルの形成や電極
への色素あるいは透明粒子の析出を妨げることなく、水
性媒体の電気伝導度を調節しうるものであれば特に制限
はない。
【0015】具体的には、一般に広く支持塩として用い
られている硫酸塩(リチウム,カリウム,ナトリウム,
ルビジウム,アルミニウムなどの塩),酢酸塩(リチウ
ム,カリウム,ナトリウム,ルビジウム,ベリリウム,
マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウ
ム,アルミニウムなどの塩),ハロゲン化物塩(リチウ
ム,カリウム,ナトリウム,ルビジウム,カルシウム,
マグネシウム,アルミニウムなどの塩),水溶性酸化物
塩(リチウム,カリウム,ナトリウム,ルビジウム,カ
ルシウム,マグネシウム,アルミニウムなどの塩)が好
適である。
【0016】このミセル分散液あるいはミセル可溶化溶
液の構成で最も重要な因子は、色素あるいは透明粒子と
ミセル化剤(界面活性剤)の関係である。通常、界面活
性剤溶液に色素あるいは透明粒子を入れると界面活性剤
が色素あるいは透明粒子の表面に吸着する。この吸着に
より溶液中の界面活性剤濃度は低下する。充分な時間が
経過すると吸着が平衡に達し、この界面活性剤の水溶液
中の濃度が一定になる。この状態での水溶液中の界面活
性剤の濃度を平衡濃度と称する。平衡濃度の測定は、遠
心分離(1,000rpm以上)により色素あるいは透明
粒子を完全に分離し、水溶液中に残存する界面活性剤の
濃度をプラズマ発光分析(ICP)などの元素分析によ
り決定することにより求められる。本発明のフェロセン
誘導体界面活性剤については鉄の分析を行えばよい。
【0017】このミセル分散液あるいはミセル可溶化溶
液の平衡濃度を0.1〜2.8ミリモル/リットルに調整す
ることにより、色素あるいは透明粒子を安定にかつ容易
に分散することができる。ミセル電解法の原理によれ
ば、電気化学的に界面活性剤を酸化し、その結果、色素
あるいは透明粒子に吸着していた界面活性剤を脱離させ
る。この操作が繰り返されると、最後には、吸着界面活
性剤だけでは色素あるいは透明粒子を分散することがで
きなくなり、いくつかの色素あるいは透明粒子が凝集
し、表面積を小さくする。しかし、最後には、分散しき
れなくなり色素あるいは透明粒子を析出させることとな
る。従って、この原理を作用させるためには、逆に、界
面活性剤の濃度即ち、平衡濃度が高過ぎると、電解でい
くら酸化しても充分な界面活性剤が存在し、色素あるい
は透明粒子の凝集が起こらなくなり、かえって目的を達
成できなくなる。本発明における、この平衡濃度の最適
値は0.10〜2.8ミリモル/リットルである。
【0018】本発明では、上記で得られたミセル分散液
あるいはミセル可溶化溶液を用いて薄膜を製造する。本
発明において薄膜は、ミセル分散液あるいはミセル可溶
化溶液に上記支持塩を添加して、静置したまま、あるい
は若干の攪拌を加えながら導電性基板(透明電極)を用
いて電解処理することによって得られる。また、電解処
理中に上記の色素あるいは透明粒子をミセル分散液ある
いはミセル可溶化溶液に補充添加してもよく、また、陽
極近傍のミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液を系外
へ抜き出し、抜き出したミセル分散液あるいはミセル可
溶化溶液に色素あるいは透明粒子を加えて充分に混合攪
拌し、しかる後にこの液を陰極近傍へ戻す循環回路を併
設してもよい。このときの電解条件は、各種状況に応じ
て適宜選定すればよいが、通常は液温0〜90℃、好ま
しくは20〜70℃であり、また電圧条件はミセル化剤
であるフェロセン誘導体界面活性剤の酸化還元電位以上
で水素発生電位以下の電圧、具体的には通常0.1〜1.5
V、好ましくは0.3〜1.0Vとし、電流密度は10mA
/cm2 以下、好ましくは50〜300μA/cm2
する。この電解処理を行うと、ミセル電解法の原理にし
たがった反応が進行する。これをフェロセン誘導体中の
Feイオンの挙動に着目すると、陽極ではフェロセンの
Fe 2+がFe3+となって、ミセルが崩壊し、色素あるい
は透明粒子の粒子が陽極(透明電極)上に析出する。一
方、陰極では陽極で酸化されたFe3+がFe2+に還元さ
れてもとのミセルに戻るので、繰返し同じ溶液で製膜操
作を行うことができる。このようにして形成された薄膜
には、必要に応じて焼付(ベーク),純水洗浄,電解洗
浄を行うことが好ましい。なお、ミセル分散液あるいは
ミセル可溶化溶液を調製時に、支持塩を用いた場合は新
たに支持塩を添加する必要はない。このようなミセル電
解処理により、陽極(透明電極)上には色素あるいは透
明粒子を含んだ所望する薄膜が形成される。
【0019】ここで用いる導電性基板としては、アルミ
ニウムなどの板、あるいはガラス,ポリマー,セラミッ
ク等の絶縁性基板にITO,白金,グラファイト,ネサ
膜,クロム,ニッケル,酸化アンチモン等を薄膜として
付加した透明電極を用いることが好ましい。透明電極の
材料は、フェロセン誘導体の酸化電位(+0.15〜0.3
0V対飽和甘コウ電極)より貴な金属もしくは導電体で
あればよい。具体的にはITO,二酸化スズ,導電性高
分子フィルムなどが挙げられる。
【0020】また、本発明では、二種以上のミセル分散
液あるいはミセル可溶化溶液を用いて薄膜を製造するこ
ともできる。この製造方法は、上記一種類のミセル分散
液あるいはミセル可溶化溶液を用いた場合に準じればよ
い。但し、ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液の少
なくとも1つ以上の平衡濃度が0.1〜2.8ミリモル/リ
ットルで、それぞれの平衡濃度差を1.2ミリモル/リッ
トル以下となるよう調整するのが好ましい。また、ミセ
ル分散液あるいはミセル可溶化溶液を混合する際の混合
方法は、超音波分散(100〜10kWで5〜1000
分),スターラー攪拌(5〜200rpmで1〜500
分),メカニカルホモジナイザー(1〜30000rp
mで1〜1000分)が好ましい。
【0021】ここで、カラーフィルタを製造する手順を
説明する。本発明のカラーフィルタを製造する方法とし
ては、種々のものが挙げられるが、混合製膜と2段階製
膜によるものを挙げる。 混合製膜 ここで、カラーフィルタを製造する手順を説明する。本
発明のカラーフィルタを製造する方法としては、種々の
ものが挙げられるが、ここでは具体例として保護層/色
素膜/ITO膜/シリカ膜/ブラックマトリックス(B
M)/ガラス基板からなるものを挙げる。先ず、BMを
作成するため、ガラス基板にCrをスパッタリング法等
で形成し、その上に紫外線硬化型レジスト剤を製膜後適
度にプリベークする。得られたレジスト/Cr/ガラス
基板のレジスト面に適当なマスクを用いて露光を行う。
露光後、現像液にて硬化していないレジストを洗い流
し、露出したCrのエッチングを行う。エッチング後、
不要なレジストを剥離させることによりBMを作成する
ことができる。次いで、得られたBM上に絶縁層として
例えばシリカをスピンコート後、その上にITOを適当
な表面抵抗を有するようにスパッタする。作成したIT
O膜/シリカ膜/BM/ガラス基板のITO面上に紫外
線硬化型レジスト剤を製膜後適度にプリベークする。得
られたレジスト/ITO膜/シリカ膜/BM/ガラス基
板のレジスト面に適当なマスクを用いて露光を行う。露
光後、現像液にて硬化していないレジストを洗い流し、
露出したITOのエッチングを行う。エッチング後、不
要なレジストを剥離させることによりITOパターニン
グBM付き基板を作成することができる。次いで、得ら
れたITOパターニングBM付き基板上に紫外線硬化型
レジスト剤を製膜後適度にプリベークする。得られたレ
ジスト/ITO膜/シリカ膜/BM/ガラス基板のレジ
スト面に電極に当たる部位に相当する適当なマスクを用
いて露光を行う。露光後、現像液にて硬化していないレ
ジストを洗い流すことによって電極取り出し部位を形成
することができる。そして、それぞれの色素含有ミセル
分散液あるいはミセル可溶化溶液および透明粒子の分散
液を混合して混合分散液として、上記と同様のミセル電
解操作を行うことによって、基板上にカラーフィルタ薄
膜を製造することができる。このときの各分散および溶
液の平衡濃度は0.1ミリモル/リットル以上であり、平
衡濃度差は1.2ミリモル/リットル以内である。その
後、該カラーフィルタ薄膜基板に構造補強樹脂をスピン
コートしてカラーフィルタ上に保護膜を形成することが
好ましい。これによりカラーフィルタの疎水性色素薄膜
の空孔中に構造補強樹脂粒子が導入されて疎水性色素薄
膜の膜強度が向上する。ここで用いられる構造補強樹脂
としては、例えばアクリル系,エステル系,ポリイミド
系,環化ゴム系,シロキサン系,エポキシ系の重合体あ
るいは共重合体が挙げられる。さらに、得られたカラー
フィルタには、必要に応じて焼付(ベーク),純水洗
浄,電解洗浄を行うことが好ましい。特にベークを行え
ば、さらに安定なカラーフィルタが得られる。これは熱
処理により前述した粒子同士がシンタリングを起こし、
より密で粒子同士の結合力の強い膜が得られ、膜の安定
性が増すものと思われる。この熱処理は、例えば電気炉
中などで行われるが、薄膜を加熱することができる方法
であれば、特に制限されるものではない。加熱温度およ
び加熱時間は、疏水性物質の種類により異なるが、ミセ
ル電解法で形成された膜が閉孔されず、結合力が強くな
る範囲であればよく、好ましくは80〜200℃、さら
に好ましくは80〜150℃で、好ましくは5分〜10
時間、さらに好ましくは30分〜2時間の範囲である。
【0022】2段階製膜 において透明粒子の分散液を用いずにRGB色素から
なるミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液を用いて、
上記と同様のミセル電解操作を行うことによって、カラ
ーフィルタ薄膜基板を得ることができる。さらに、透明
粒子の分散液を用いてミセル電解操作を行うことによっ
て、カラーフィルタ薄膜基板上に透明粒子薄膜を製造す
ることができる。後処理として、と同様に保護膜の形
成およびベーク処理を行うこともできる。この2段階製
膜は、透明粒子薄膜を先に形成した後、カラーフィルタ
薄膜を形成してもよい。
【0023】
【実施例】次に、本発明を製造例,実施例および比較例
によりさらに詳しく説明する。 製造例1 分散液の調製 界面活性剤の吸着量の決定 ペリレンレッドの添加量を15.65gとし、水溶液中に
おけるペリレンレッド15.65gへの下記式(I)で表
されるフェロセン誘導体ミセル化剤FPEG(同仁化学
(株)製)の吸着量を決定するため、500ミリリット
ルの純水にペリレンレッド15.65g,FPEGの濃度
2.0ミリモル,LiBr10.4g(0.1モル)それぞれ
添加し、1リットルとなるように純水をさらに加えた。
充分に平衡になるようにスターラーで3日間攪拌し、1
日静置した。その後、50,000rpmで遠心分離し、
顔料のみを分離した。上澄み液をICPを用いて金属鉄
元素分析を行い、吸着量を測定した。
【0024】
【化1】
【0025】界面活性剤の添加量の決定 その結果、ペリレンレッド15.65gへのFPEGの吸
着量は1.05ミリモルであり、フェロセン誘導体ミセル
化剤FPEGの平衡濃度を0.46ミリモル/リットルと
するため、FPEGを合計1.51ミリモル/リットル添
加した。 平衡濃度の調整されたミセル分散液あるいはミセル可
溶化溶液の調整 次いで、実際に1リットルの純水にフェロセン誘導体ミ
セル化剤としてFPEG(同仁化学製)を1.51ミリモ
ル(1.416g)、支持塩としてLiBr(和光純薬
製)を0.1モル(10.4g)と疎水性色素としてペリレ
ンレッドを15.65g加えてミセル化分散液とし、超音
波ホモジナイザーで30分間分散させ、ミセル分散液あ
るいはミセル可溶化溶液とした。
【0026】製造例2〜16 製造例1と同様にして、第1表に示す顔料粒子または透
明粒子を第1表に示す条件で操作し、製造例2〜8の
R,G,B顔料分散液および製造例9〜16の透明粒子
の分散液を調製した。なお、支持塩としてはLiBr
(和光純薬製)を用いた。また、用いた透明粒子の平均
粒径は、電子顕微鏡写真から測定の結果、製造例9〜1
6の透明粒子の平均粒径はいずれも0.3μm以下であっ
た。得られた結果を第2表に示す。可視光透過率(日立
UV−3100で測定)は、測定波長380〜780n
mでいずれも60%以上、特に450nmでは70%以
上であった。耐熱温度は、各透明粒子の分散液にITO
基板(50mm×25mm×1.1t)を挿入し、対極に
SUS板を用い、電位0.5Vで10分間製膜し、その
後、得られた薄膜を180,200,230,250℃
でそれぞれ60分間加熱した後の透過率が5%以上減少
したときの温度である。得られた結果を第2表に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例1 (1)ITOのパターニング ITO膜として20Ω/□の面抵抗を持つガラス基板
(青板ガラスを研磨しシリカに浸積したもの:松崎真空
製)に紫外線硬化型レジスト剤(FH2030M:富士
ハントエレクトロニクステクノロジー社製)をキシレン
で2倍に希釈した溶液を1,000rpmの回転速度でス
ピンコートした。スピンコート後、80℃で15分間プ
リベークを行い、その後、このレジスト/ITO基板を
露光機にセットした。このとき用いるマスクは、線幅1
00μm・ギャップ20μm,線長230mm,192
0本のストライプ縦パターンで、光源は2kWの高圧水
銀灯を用いた(露光能力:10mW/(cm2
秒))。プロキシミティギャップ70μmをとり、60
秒間で露光し現像後、純水にてリンスして、180℃で
ホストベークした。次に、エッチャントとして1モルF
eCl3 ・6規定HCl・0.1規定HNO3 ・0.1規定
Ce(NO3 4 の混合水溶液を準備し、前記基板のI
TOをエッチングした。エッチングの終点は電気抵抗に
より測定した。前記エッチングには約20分の時間を必
要とした。エッチング後、純水でリンスし、レジストを
1規定NaOHにて剥離した。
【0030】(2)ブラックマトリックス(BM)の作
成 BM形成レジスト剤として、富士ハントエレクトロニク
ステクノロジー社製のカラーモザイクCKに同CR,C
G,CBをそれぞれ、3:1:1:1重量部混合したも
のを用いた。実施例1(1)で作製したITOパターニ
ングカラス基板を10rpmで回転させ、この上に上記
レジスト剤30cc噴霧し、スピンコートの回転数2,5
00rpmで、基板上に均一に製膜した。次いで、この
基板を80℃で15分間プリベークした。そして、高圧
水銀灯2kWのアライメント機能のある露光機で位置合
わせしながら、BMのデザイン(90×310μm角−
20μm線幅)マスクを用いて露光した。光源は2kW
の高圧水銀灯(露光能力:100mJ/cm2 )を用い
た。プロキシミティギャップ70cmをとり、200秒
間露光した後、アルカリ現像液で現像し、その後、富士
ハントCD(現像液)を純水4倍希釈し、30秒現像し
た。さらに、純水で洗浄し、200℃、100分間ポス
トベークした。
【0031】(3)混合分散 Rの混合ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液とし
て、実施例1で調製して得られた分散液と製造例5で調
製して得られた分散液を各々超音波ホモジナイザーで3
0分間分散させた後、9:1(体積比)の割合でそれぞ
れの液を混合し、さらに、混合液を超音波ホモジナイザ
ーで30分間分散させた。Gの混合ミセル分散液あるい
はミセル可溶化溶液として、製造例3で調製して得られ
た分散液と製造例5で調製して得られた分散液を各々超
音波ホモジナイザーで30分間分散させた後、6:4
(体積比)の割合でそれぞれの液を混合し、さらにこの
混合液と製造例12で調製して得られた分散液とを1:
1(重量比)の割合で混合した混合液を超音波ホモジナ
イザーで30分間分散させた。Bの混合分散液として、
製造例7で調製して得られた分散液と製造例8で調製し
て得られた分散液各々超音波ホモジナイザーで30分間
分散させた後、7:3(体積比)の割合でそれぞれの液
を混合し、さらにこの混合液と製造例12で調製して得
られた分散液とを1:1(重量比)の割合で混合した混
合液を超音波ホモジナイザーで30分間分散させた。そ
の結果、RGBの混合ミセル分散液あるいはミセル可溶
化溶液を得た。
【0032】(4)色素膜の製造 前記ITOパターニング基板をRの前記ミセル溶液に挿
入し、ストライプのR列にポテンショスタットを接触し
た。電圧0.8Vで15分間の定電位電解を行い、カラー
フィルタRの薄膜を得た。その後、純水で洗浄後、オー
ブンにてプリベーク(120℃で10分間)した。次
に、この基板をGの前記ミセル溶液挿入し、同様に電圧
0.4Vで18分間の定電位電解を行い、カラーフィルタ
RGの薄膜を得た。製膜後、Rの製膜と同じ条件で後処
理を行った。最後に、この基板をBの前記ミセル溶液挿
入し、電圧0.7Vで10分間の定電位電解を行い、カラ
ーフィルタRGBの薄膜を得た。製膜後、Rの製膜と同
じ条件で後処理を行い、RGBのカラーフィルタ色素薄
膜を得た。
【0033】(5)保護膜の製造 前記色素薄膜基板をスピンコーターにセットし、平担膜
剤としてOS−808(長瀬産業製)をディスペンサー
を用いて塗布した。このとき、基板を10rpmの回転
数でゆっくり回転し、基板全体に班なく塗った。さらに
800rpmで2分間回転し、均一な薄膜を得た。その
後、260℃で2時間ベークし硬化させ保護膜を形成し
た。
【0034】(6)得られたカラーフィルタの評価 得られたRGBカラーフィルタの評価を以下のように行
った。RGB各色素膜間の最大段差(凹凸差)は、ディ
ックタック(接触式接触膜厚計)を用いて走査距離10
mm(10mmスキャン)にて測定した結果、0.06μ
mの凹凸差が確認された。薄膜の透過率は大塚電子MC
PD分光光度計を用いて測定した結果、R(トップピー
ク)の透過率は88%,G(トップピーク)の透過率は
73%,B(トップピーク)の透過率は60%であっ
た。測定結果からわかるように、透過率が優れた均一な
膜厚のカラーフィルタが得られた。さらに目視検査の結
果、粗大粒子の発生や、色分離,薄膜剥離といった問題
がない良好なカラーフィルタを得ることができた。
【0035】実施例2 (1)ブラックマトリックスの作成 無アルカリガラス基板(NA45/300角−1.1m
m;HOYA製)に、Cr薄膜を約2,000Åスパッタ
した(アルパック製のSDP−550VTを用い
た。)。この上に紫外線硬化型レジスト剤(HPR;富
士ハントエレクトロニクステクノロジー社製)を1,00
0rpmの回転速度でスピンコート後、80℃で15分
間プリベークを行った。その後、このレジスト/Cr/
ガラス基板をステッパー露光機にセットし、マスク(色
素サイズ90μm×310μm・線幅20μm、有効エ
リア160mm×155mmの格子パターンを4分割し
たマスク)を用いて露光(10mW/cm2 ・秒,スキ
ャンスピード5mm/秒)した。露光後、専用の現像液
にて現像し、純水にてリンスした後、150℃でポスト
ベークした。次にエッチャントとして1規定HCl・0.
1規定HNO3 ・0.1規定Ce(NO34 の混合水溶
液を準備し、前記基板のCrをエッチングした。エッチ
ングの終点は電気抵抗により測定した。前記エッチング
には約20分の時間を必要とした。エッチング後、純水
でリンスし、レジストを1規定NaOHにて剥離し、純
水で充分に洗浄し、ブラックマトリックス(BM:図1
参照)および取り出し電極を作成した。
【0036】(2)絶縁膜,ITO薄膜電極の作成 次に、このBM上に絶縁膜としてOCDTYE−7(シ
リカ;東京応化製)を1,000rpmの回転速度でスピ
ンコートして、250℃で60分間ベークした後、室温
まで冷却し、さらに、アルパック:SDP−550VT
に基板をセットし、基板の上からITOを約1,300Å
スパッタした。このときワークを200℃としてITO
の表面抵抗を20Ω/□に調整した。得られたITO膜
/Cr/ガラス基板に紫外線硬化型レジスト剤(FH2
030M;富士ハントエレクトロニクステクノロジー社
製)を1,000rpmの回転速度でスピンコートして、
80℃で15分間プリベークを行った。次いで、このレ
ジスト/ITO/Cr/ガラス基板をコンタクト露光機
(露光能力:10mW/cm2 ・秒)にセットし、パタ
ーニングを行った。用いたマスクは、線幅92μm・ギ
ャップ18μm,線長155mmの縦ストライブパター
ンである。光源は2kWの高圧水銀灯を用いた。アライ
メントした後、プロキシミティギャップ50cmをと
り、15秒間露光した後、アルカリ現像液にて現像し
た。現像後、純水にてリンスした後、150℃でポスト
ベークした。次に、エッチャントとして1モルFeCl
3 ・6規定HCl,0.1規定HNO3 ・0.1規定Ce
(NO34 の混合水溶液を準備し、前記基板のITO
をエッチングした。エッチングの終点は電気抵抗により
測定した。前記エッチングには約20分の時間を必要と
した。エッチング後、純水でリンスし、レジストを1規
定NaOHにて剥離し、さらに純水で洗浄してITO電
極の隣接同志の電気的リークがないことを確認して、I
TOパターニングBM付基板を作成した。
【0037】(3)電極取出帯の作成 アクリル系レジスト(CT;富士ハントエレクトロニク
ステクノロジー社製)を電極取出しとして用いた。上記
実施例2(2)で作成した前記ITOパターニングBM
付き基板を10rpmで回転させ、この上にこの前記レ
ジスト剤を30cc噴霧して、スピンコートの回転数を1,
500rpmにし、基板上に均一に製膜した。この基板
を80℃で15分間プリベークして、高圧水銀灯2kW
のアライメント機能のあるコンタクト露光機で位置合わ
せしながら、電極取出帯の部分のみ作成するデザインの
マスク(図2:太線内は光が当たらない部分)を用いて
露光した。その後、現像液で90秒現像した後、純水で
洗浄し、180℃,100分間ポストベークした。こう
して、電極取出帯を得た。取り出された電極列に銀ペー
ストで導電性を与え、色素膜の製造におけるR,G,B
列とした。
【0038】(4)分散液の調製 Rの混合ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液とし
て、製造例2で調製した分散液を超音波ホモジナイザー
で30分間分散させた。Gの混合ミセル分散液あるいは
ミセル可溶化溶液として、製造例3で調製した分散液と
製造例6で調製した分散液とを各々超音波ホモジナイザ
ーで30分間分散させた後、6:4(体積比)の割合で
それぞれのミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液を混
合し、さらに、混合液を超音波ホモジナイザーで30分
間分散させた。Bの混合ミセル分散液あるいはミセル可
溶化溶液として、製造例7で調製した分散液と製造例8
で調製した分散液とを各々超音波ホモジナイザーで30
分間分散させた後、7:3(体積比)の割合でそれぞれ
の液を混合し、さらに、その混合液と製造例12で得ら
れた分散液とを1:1(重量比)で混合した混合液を超
音波ホモジナイザーで30分間分散させて、RGBの混
合ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液を得た。
【0039】(5)カラーフィルタの製造 前記ITOパターニングBM付基板をRの前記混合ミセ
ル分散液あるいはミセル可溶化溶液に挿入し、ストライ
ブのR列にポテンショスタットを接続した。電圧0.8V
で15分間の定電位電解を行い、カラーフィルタRの薄
膜を得た。その後、純水で洗浄後、オーブンでプリベー
ク(120℃で10分間)した。次に、この基板をGの
前記混合ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液に挿入
し、0.4V,18分間の定電位電解を行い、カラーフィ
ルタRGの薄膜を得た。製膜後、Rの製膜と同じ条件で
後処理を行った。最後に、この基板をBの前記ミセル溶
液挿入し、0.7V,10分間の定電位電解を行い、カラ
ーフィルタRGBの薄膜を得た。製膜後、Rの製膜と同
じ条件で後処理を行った。こうして、RGBのカラーフ
ィルタを得た。
【0040】(6)保護膜の製造 次に、作製したRGBのカラーフィルタ基板を10rp
mで回転させ、この上にJSS7265トップコート剤
(日本合成ゴム製)を30cc噴霧し、スピンコート回転
数を1,000rpmにし、基板(RGBのカラーフィル
タ)上に均一に製膜した。この基板を180℃、50分
間ポストベークした。こうしてRGB各色素膜間の凸凹
差0.1μm以下のRGBのカラーフィルタを得た。
【0041】(7)得られたカラーフィルタの評価 得られたRGBカラーフィルタの評価を以下のように行
った。RGB各色素膜間の凹凸差は、ディックタック
(接触式接触膜厚計)を用いて走査距離10mm(10
mmスキャン)にて測定した結果、0.07μmの凹凸差
が確認された。薄膜の透過率は大塚電子MCPD分光光
度計を用いて測定した結果、R(トップピーク)の透過
率は73%,G(トップピーク)の透過率は70%,B
(トップピーク)の透過率は58%であった。測定結果
からわかるように、透過率が優れた均一な膜厚のカラー
フィルタが得られた。さらに目視検査の結果、粗大粒子
の発生や、色分離,薄膜剥離といった問題がない良好な
カラーフィルタを得ることができた。
【0042】実施例3〜8 実施例2において、RGBの混合分散液を第3表に示す
溶液に変えた以外は、同様の方法で製膜した。得られた
結果を第4表に示す。このように、いずれの場合も粒子
が細かくなるため、分光特性も大変優れ、また、粗大粒
子の発生や、色分離、薄膜の剥離といった問題がない良
好なカラーフィルタを得ることができた。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】実施例9〜13 実施例2において、RGBの混合分散液を第5表に示す
溶液に変えた以外は、同様の方法で製膜した。得られた
結果を第6表に示す。このように、いずれの場合も粒子
が細かくなるため、分光特性も大変優れ、また、粗大粒
子の発生や、色分離、薄膜の剥離といった問題がない良
好なカラーフィルタを得ることができた。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】比較例1 製造例12の分散液を用いなかった以外は、実施例1と
同様にして作製した。その結果、RGB各色素膜間の凹
凸差は、ディックタック(接触式接触膜厚計)を用いて
走査距離10mm(10mmスキャン)にて測定した結
果、0.58μmの凹凸差が確認された。薄膜の透過率は
大塚電子MCPD分光光度計を用いて測定した結果、R
(トップピーク)の透過率は88%,G(トップピー
ク)の透過率は75%,B(トップピーク)の透過率は
65%であった。さらに、目視検査の結果、粗大粒子の
発生や、色分離,薄膜剥離といった問題はなかった。
【0049】比較例2 製造例12の分散液を用いなかった以外は、実施例2と
同様にして作製した。その結果、RGB各色素膜間の凹
凸差は、ディックタック(接触式接触膜厚計)を用いて
走査距離10mm(10mmスキャン)にて測定した結
果、0.67μmの凹凸差が確認された。薄膜の透過率は
大塚電子MCPD分光光度計を用いて測定した結果、R
(トップピーク)の透過率は73%,G(トップピー
ク)の透過率は73%,B(トップピーク)の透過率は
61%であった。さらに、目視検査の結果、粗大粒子の
発生や、色分離,薄膜剥離といった問題はなかった。
【0050】実施例14 BM以下の条件で、保護膜形成後に形成した以外は、実
施例1と同様に操作した。BM形成レジスト剤として、
富士ハントエレクトロニクステクノロジー社製のカラー
モザイクCKに同CR,CG,CBをそれぞれ、3:
1:1:1重量部混合したものを用いた。実施例1
(1)で作製したITOパターニングカラス基板を10
rpmで回転させ、この上に上記レジスト剤30cc噴霧
し、スピンコートの回転数2,500rpmで、基板上に
均一に製膜した。次いで、この基板を80℃で15分間
プリベークした。そして、露光機でカラーフィルタの背
面から露光した。光源は2kWの高圧水銀灯(露光能
力:100mJ/cm2 )を用いた。200秒間露光し
た後、アルカリ現像液で現像し、その後、富士ハントC
D(現像液)を純水4倍希釈し、30秒現像した。さら
に、純水で洗浄し、200℃、100分間ポストベーク
した。このようにして、カラーフィルタの間隙(ITO
ギャップ)にブラック樹脂のブラックマトリックスを形
成することができた。各色素の厚みをディックタックに
て測定した結果、各色素の膜厚はRで1.21μm,Gで
1.19μm,Bで1.16μmとなり、トップコート(保
護膜)形成後の各色素の凹凸の最大値(RBの膜厚差)
は0.05μmであった。位置ずれは観測されなかった。
【0051】比較例3 製造例12の分散液を用いなかったこと以外は、実施例
19と同様にして作製した。各色素の厚みをディックタ
ックにて測定した結果、各色素の膜厚はRで1.20μ
m,Gで0.92μm,Bで0.53μmとなり、トップコ
ート形成後の凹凸差の最大値(RBの膜厚差)は0.67
μmであった。
【0052】実施例15 製造例12の分散液を用いなかったこと以外は、実施例
13と同様にして作製した。その後、製造例12の分散
液にカラーフィルタ基板を挿入し、Gの薄膜の部分のI
TOに0.5Vで2分間定電位電解を行い、Gの薄膜の上
にチタニアの積層膜を形成した。製膜終了後、100℃
で15分間乾燥した。次いで、Bの薄膜の部分のITO
に0.5Vで6分間定電位電解を行い、Bの薄膜の上にチ
タニアの積層膜を形成した。製膜終了後、100℃で1
5分間乾燥した。洗浄後、各色素の厚みをディックタッ
クにて測定した結果、各色素の膜厚はRで1.20μm,
Gで1.21μm,Bで1.23μmとなり、トップコート
形成後の凹凸差の最大値(RBの膜厚差)は0.04μm
であった。
【0053】実施例16 (1)ITOのパターニング,BMの作成は、実施例1
と同様にして行った。 (2)混合分散 Rの混合ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液とし
て、実施例1で調製して得られた分散液と製造例5で調
製して得られた分散液を各々超音波ホモジナイザーで3
0分間分散させた後、9:1(体積比)の割合でそれぞ
れの液を混合し、さらに、混合液を超音波ホモジナイザ
ーで30分間分散させた。Gの混合ミセル分散液あるい
はミセル可溶化溶液として、製造例3で調製して得られ
た分散液と製造例5で調製で調製して得られた分散液を
各々超音波ホモジナイザーで30分間分散させた後、
6:4(体積比)の割合でそれぞれの液を混合した混合
液を超音波ホモジナイザーで30分間分散させた。Bの
混合分散液として、製造例7で調製して得られた分散液
と製造例8で調製して得られた分散液各々超音波ホモジ
ナイザーで30分間分散させた後、7:3(体積比)の
割合でそれぞれの液を混合した混合液を超音波ホモジナ
イザーで30分間分散させた。その結果、RGBの混合
ミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液を得た。
【0054】(3)色素膜の製造 製造例12のチタニア分散液に前記ITOパターニング
基板を挿入し、Gの薄膜を形成する予定部分のITOに
0.5Vで2分間の定電位電解を行い、ITO上にチタニ
アの薄膜を形成した。製膜終了後、100℃で15分間
乾燥した。さらに、もう1度製造例12のチタニア分散
液に上記チタニア製膜済基板を挿入し、Bの薄膜を形成
する予定部分のITOに0.5Vで6分間の定電位電解を
行い、Bの薄膜を形成する予定部分のITO上にチタニ
アの薄膜を形成した。製膜終了後、100℃で15分間
乾燥した。このGB部分のチタニア製膜済基板をRの分
散溶液に挿入し、ストライプのR列にポテンショスタッ
トを接続する。次いで、0.8Vで15分間の定電位電解
を行い、カラーフィルタRの薄膜を得た。その後、純水
で洗浄後、オーブンでプレベーク(120℃で10分
間)した。次に、この基板をGの前記ミセル溶液挿入
し、同様に電圧0.4Vで18分間の定電位電解を行い、
カラーフィルタRGの薄膜を得た。製膜後、Rの製膜と
同じ条件で後処理を行った。最後に、この基板をBの前
記ミセル溶液挿入し、電圧0.7Vで10分間の定電位電
解を行い、カラーフィルタRGBの薄膜を得た。製膜
後、Rの製膜と同じ条件で後処理を行い、RGBのカラ
ーフィルタ色素薄膜を得た。
【0055】(4)保護膜の製造 前記色素薄膜基板をスピンコーターにセットし、平担膜
剤としてJSS−7265(日本合成ゴム)をディスペ
ンサーを用いて塗布した。このとき、基板を10rpm
の回転数でゆっくり回転し、基板全体に班なく塗った。
さらに800rpmで2分間回転し、均一な薄膜を得
た。その後、260℃で2時間ベークし硬化させ保護膜
を形成した。
【0056】(5)得られたカラーフィルタの評価 得られたRGBカラーフィルタの評価を以下のように行
った。洗浄後、各色素の厚みをディックタックにて測定
した結果、各色素の膜厚はRで1.20μm,Gで1.22
μm,Bで1.25μmとなり、トップコート後の凹凸差
の最大値(RBの膜厚差)は0.05μmであった。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、平衡濃度を最適化する
ことにより、粗大粒子の発生を抑えることが可能な安全
なミセル分散液あるいはミセル可溶化溶液を得ることを
可能とした。それによって、膜厚が均一で、色分離がな
く、薄膜剥離が起こらないカラーフィルタの形成を可能
にした。したがって、本発明によれば、ラップトップパ
ソコン,ワープロ,ワークステーション,オーロラビジ
ョン,液晶プロジェクター,液晶TV,OHP,車搭載
インパネ,機器モニター等に有効に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はカラーフィルタの断面図の一部を示す図
である。
【図2】図2はITO薄膜電極形成のマスクを示す正面
図である。
【符号の説明】
1:ブラックマトリックス 2:ガラス基板 3:色素膜 4:保護膜 5:R列 6:G列 7:B列

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤色,緑色,青色三原色の分光特性を有
    する色素および透明粒子を水性媒体中でフェロセン誘導
    体界面活性剤を用いて各々独立に分散して得られるミセ
    ル分散液あるいはミセル可溶化溶液を混合し、該混合分
    散液あるいはミセル可溶化溶液にパターニングされた透
    明導電薄膜を有するカラーフィルタ製造用基板を挿入
    し、前記基板に通電処理を行い、電極上に膜厚を調整し
    た色素膜を形成するカラーフィルタを製造するにあた
    り、前記色素および透明粒子の各々のミセル分散液ある
    いはミセル可溶化溶液の平衡濃度が0.1〜2.8ミリモル
    /リットルである透明粒子のミセル分散液あるいはミセ
    ル可溶化溶液と色素のミセル分散液あるいはミセル可溶
    化溶液の混合液を用いることを特徴とするカラーフィル
    タの製造方法。
  2. 【請求項2】 色素および透明粒子の各々のミセル分散
    液あるいはミセル可溶化溶液の平衡濃度の差が1.2ミリ
    モル/リットル以下であることを特徴とする請求項1記
    載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 赤色,緑色,青色三原色の分光特性を有
    する色素を水性媒体中でフェロセン誘導体界面活性剤を
    用いて各々独立に分散して得られるミセル分散液あるい
    はミセル可溶化溶液、または複数色素のミセル分散液の
    混合分散液あるいは溶液にパターニングされた透明導電
    薄膜を有するカラーフィルタ製造用基板を挿入し、前記
    基板に通電処理を行い電極上に膜厚を調整した色素膜を
    形成するカラーフィルタを製造するにあたり、前記各色
    素膜を形成した後、透明粒子を水性媒体中でフェロセン
    誘導体界面活性剤を用いて得られるミセル分散液あるい
    はミセル可溶化溶液に、得られた色素膜形成基板を挿入
    して通電処理を行い色素膜形成基板上に透明粒子を積層
    することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 透明粒子を水性媒体中でフェロセン誘導
    体界面活性剤を用いて得られるミセル分散液あるいはミ
    セル可溶化溶液に、パターニングされた透明導電性薄膜
    を有するカラーフィルタ製造用基板を挿入し、前記基板
    に通電処理を行い電極上に透明粒子の薄膜を形成した
    後、赤色,緑色,青色三原色の分光特性を有する色素を
    水性媒体中でフェロセン誘導体界面活性剤を用いて各々
    独立に分散して得られるミセル分散液あるいはミセル可
    溶化溶液、または複数色素のミセル分散液を混合した混
    合分散液に透明粒子薄膜を有する基板を挿入し、前記基
    板に各色素毎に通電処理を行い電極上に色素膜を形成す
    ることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 透明粒子が、耐熱温度230℃以上のチ
    タニア,シリカ,アルミナおよびポリシロキサンの中よ
    り選ばれたものである請求項1〜4のいずれかに記載の
    カラーフィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 平均粒径が300nm以下で、可視波長
    領域である380〜780nmでの透過率が60%以
    上,波長が450nm以上での透過率が70%以上,波
    長が350nm以下での透過率が65%以下であり、耐
    熱温度が230℃以上である透明粒子を用いることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  7. 【請求項7】 パターニングされた透明導電薄膜を有す
    るカラーフィルタ製造用基板に、赤色,緑色,青色三原
    色の分光特性を有する色素膜を形成後、ネガ型ブラック
    レジストを塗布して背面から露光することによりブラッ
    クマトリックスを形成するカラーフィルタの製造方法に
    おいて、平均粒径が300nm以下で、可視波長領域で
    ある380〜780nmでの透過率が60%以上,波長
    が450nm以上での透過率が70%以上,波長が35
    0nm以下での透過率が65%以下であり、耐熱性が2
    30℃以上である透明粒子の紫外線遮蔽能を利用し、こ
    れを遮光膜とすることにより、前記ネガ型ブラックレジ
    ストを前記色素膜の間隙にのみ形成することを特徴とす
    るカラーフィルタの製造方法。
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