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JPH066614B2 - 球形状架橋重合体の製造方法 - Google Patents

球形状架橋重合体の製造方法

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Publication number
JPH066614B2
JPH066614B2 JP60004920A JP492085A JPH066614B2 JP H066614 B2 JPH066614 B2 JP H066614B2 JP 60004920 A JP60004920 A JP 60004920A JP 492085 A JP492085 A JP 492085A JP H066614 B2 JPH066614 B2 JP H066614B2
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JP
Japan
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water
crosslinked polymer
polymer
dispersant
spherical
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP60004920A
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English (en)
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JPS61163908A (ja
Inventor
弘美 上木
浩 涌本
貴幸 中野
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP60004920A priority Critical patent/JPH066614B2/ja
Publication of JPS61163908A publication Critical patent/JPS61163908A/ja
Publication of JPH066614B2 publication Critical patent/JPH066614B2/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は(メタ)アクリルアミド類および架橋性単量体
から水耕栽培用人工土壌や土壌改質剤等の用途に利用で
きる、水膨潤性および透明性に優れ、しかも形状が球形
状を有する水膨潤ゲル状架橋重合体あるいはこれを乾燥
して得られる水膨潤性架橋重合体を製造する方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、(メタ)アクリルアミド類および架橋性単量体か
ら水膨潤性架橋重合体を製造する方法としては、例えば
特開昭56-145908号公報および特開昭53-145893号公報に
はアクリルアミドおよびN,N′-メチレンビスアクリルア
ミドを水溶液中でラジカル重合開始剤の存在下に重合さ
せる方法が提案されている。
また本出願人は該水膨潤ゲル状架橋重合体あるいは水膨
潤性架橋重合体を園芸用土壌として用いるために、粒形
の揃つた架橋重合体を製造する目的で新しい方法を提案
した(特公平4−25297号公報)。しかし、これら
従来の方法では、得られる水膨潤ゲル状架橋重合体を所
望の形状とするためには以下に示すような方法を採用せ
ねばならず、しかも球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体は
得られないという問題がある。すなわち、従来法とし
て、単量体混合物を含むモノマー水溶液を加熱された所
定の円筒管中に連続的に供給して重合し、得られるスト
ランド状の水膨潤ゲル状架橋重合体を所定の長さに切断
する方法(チユーブラー方式)やモノマー水溶液を所定
の大きさの鋳形の中で重合して得られた大きな塊(イン
ゴツト)状の架橋重合体を縦、横に裁断して、種々の形
状にする方法(インゴツト法)があるが、例えばチユー
ブラー方式では、生成物の詰りの点から重合管の長さに
制限を受け、またインゴツト方式では裁断が面倒であ
り、然もいずれの方法によつても得られる水膨潤ゲル状
架橋重合体等はその形状が柱状であり、その生産性も低
いという欠点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は従来の水膨潤ゲル状架橋重合体あるいは水
膨潤性架橋重合体の製造方法には前記問題点のあること
を認知した上で、例えば園芸用人工土壌として用いる場
合に好ましい球状でかつ水を吸つて膨潤したときに透明
性が高く、比較的大きな球状形を呈する水膨潤ゲル状架
橋重合体あるいはこれを乾燥した水膨潤性架橋重合体を
効率良く製造する方法について検討した。
〔発明の概要〕
その結果、下記なる方法を見出し本発明を完成するに到
つた。すなわち、本発明の方法によれば、(メタ)アク
リルアミド類(a)、架橋性単量体(b)およびラジカル重合
開始剤(c)を含有する水溶液を、高級樹脂酸塩、高級脂
肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルフエノールエーテルおよびゼラチンよりなる群
から選ばれる分散剤(d)の存在下に非水性分散媒(e)に分
散させながら反応させることを特徴とする粒径1ないし
20mmの球形状架橋重合体の製造法、が提供される。
〔単量体成分〕
本発明の方法では(メタ)アクリルアミド類(a)および
架橋性単量体(b)からなる単量体成分が反応の原料とし
て使用される。
この場合の(メタ)アクリルアミド類(a)は、アクリル
アミド、メタクリルアミドまたはこれらのN−アルキル
置換体であり、具体的にはアクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N-ジメチ
ルメタアクリルアミドなどを例示することができる。こ
れらの(メタ)アクリルアミド類のうちでは、アクリル
アミドまたはメタクリルアミドであることが好ましい。
また、他の原料単量体成分である架橋性単量体(b)とし
て具体的には、N,N′-メチレンビス(メタ)アクリルア
ミド、N,N′-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,
N′-プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′-ヘ
キサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′-フエ
ニレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)
アクリルアミド類、エチレンビス(メタ)アクリレー
ト、プロピレンビス(メタ)アクリレート、ヘキサメチ
レンビス(メタ)アクリレートなどのビス(メタ)アク
リレート類、ジエチレングリコールビス(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールビス(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールビス(メタ)アクリレー
トなどを例示することができる、二種以上の混合成分で
あつても差しつかえない。これらの架橋性単量体成分の
うちでは、N,N′-メチレンビス(メタ)アクリルアミド
であることがとくに好ましい。
本発明の方法において使用される単量体成分は前記必須
の単量体のみから構成されてもよいし、さらに共重合が
可能な不飽和単量体を少量含んでいても差しつかえな
い。該共重合可能な不飽和単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、これらの酸の酸無水
物、塩またはエステル、酢酸ビニル、スチレン、ビニル
トルエンなどの通常の不飽和単量体を例示することがで
きる。また、最終的に得られる水膨潤性架橋重合体に防
藻性、防黴性または着色性を付与するために、該単量体
混合物にビニル結合含有トリアジン系誘導体、ビニル結
合含有有機錫化合物などの防藻性不飽和単量体、防黴性
不飽和単量体、着色性不飽和単量体などの不飽和単量体
成分を添加し、共重合させることもできる。
本発明の方法において使用される架橋性単量体(b)の割
合は該(メタ)アクリルアミド類(a)100モルに対して0.
01ないし5モルの範囲、さらに好ましくは0.05ないし3
モルの範囲である。該架橋性単量体(b)の割合が0.01モ
ルよりすくなくなると、水膨潤性架橋重合体が柔らかく
なりすぎて、水耕栽培用人工土壌のような用途に使用す
る際には植物を支えることが難かしくなり、5モルより
多くなると、水膨潤性架橋重合体が著しく白濁して透明
性が低下し、前記用途に使用した場合に外観が悪くなる
という欠点が生じる。また、前記必要に応じて共重合さ
れる他の共重合可能な不飽和単量体の割合は(メタ)ア
クリルアミド類(a)100モルに対して通常0.01ないし60モ
ル、好ましくは1ないし40モルの範囲である。
ラジカル重合開始剤 本発明の方法において使用されるラジカル重合開始剤
(c)は水溶性のものであり、具体的には過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどを例示す
ることができ、これらを2種以上からなる混合物として
使用することもできる。このラジカル開始剤には必要に
応じてトリエタノールアミン、3−ジメチルアミノプロ
ピオニトリルなどのアミン類を併用することもできる。
〔反応方法〕
本発明の方法では、前記した単量体(a)および(b)とラジ
カル重合開始剤(c)を含有する水溶液を、高級脂肪酸か
ら誘導される塩、アミドおよびエステルならびにポリオ
キシエチレンアルキルフエノールエーテル、ゼラチンよ
りなる群から選ばれる分散剤(d)の存在下に非水性分散
媒(e)に分散させながら反応させることにより、球形状
水膨潤ゲル状架橋重合体が得られる。
分散剤 本発明の方法において使用される分散剤(d)は、高級脂
肪酸塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルなどの
高級脂肪酸誘導体、ポリオキシエチレンアルキルフエノ
ールエーテルおよびゼラチンの群から選ばれる分散剤で
ある。
前記高級脂肪酸誘導体を構成する高級脂肪酸成分として
具体的には、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リシノール酸、12−ヒド
ロキシステアリン酸等の炭素数12ないし22の置換あるい
は非置換の高級飽和脂肪酸、および2−ドデセン酸、2
−ヘプタデセン酸、オレイン酸、エルカ酸等の炭素数12
ないし22の置換あるいは非置換の高級不飽和脂肪酸を例
示することができる。本発明ではこれら高級脂肪酸の中
でも特にステアリン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシ
ステアリン酸、エルカ酸を使用することが好ましい。ま
た前記高級脂肪酸の塩として具体的にはリチウム、ナト
リウム、カリウム、ルビジウム等のアルカリ金属、マグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の
アルカリ土類金属および亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニ
ウム、銅、カドミウム、コバルト、セレン、アルミニウ
ム、スズ、鉛等の重金属類の塩(金属セツケン)からな
る高級脂肪酸金属塩などを例示できる。本発明では該高
級脂肪酸金属塩のうちでも特にリチウム、カルシウム、
マグネシウム、亜鉛の中から選ばれる高級脂肪酸金属塩
を使用することが好ましい。
本発明の方法で分散剤として使用できる高級脂肪酸アミ
ドとして具体的には、エチレンビスステアロミド、エル
カ酸アミド、オレイン酸アミド等を例示できるが、この
中ではオレイン酸アミドが好ましい。
本発明の方法において分散剤として使用される高級脂肪
酸エステルとして具体的には、ポリオキシエチレングリ
コールのラウレート、ステアレート、オレート等の前記
高級脂肪酸のポリオキシアルキレングリコールエステ
ル、またソルビタンのラウレート、パルミテート、ステ
アレート、オレート等の前記高級脂肪酸のソルビタンエ
ステルまたポリオキシエチレンソルビタンラウレート、
ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンオレート等の前記高級脂肪酸のポ
リオキシエチレンソルビタンエステル〔ソルビタンに結
合している のポリオキシエチレン基においてnは通常1なし20の整
数が好ましい〕、また前記高級脂肪酸とグリセリンとの
エステルであるグリセリドまたグリセロールボレイトラ
ウレート、グリセロールボレイトステアレート、グリセ
ロールボレイトオレート等の一般式〔I〕 (式中、XはH又はCORで、Rは炭素数11ないし21のア
ルキル基又はアルキレン基を示す)で表わされるグリセ
ロールボレイトの前記高級脂肪酸エステルおよびポリオ
キシエチレングリセロールボレイトラウレート、ポリオ
キシエチレングリセロールボレイトステアレート、ポリ
オキシエチレングリセロールボレイトオレート等の一般
式〔II〕 (式中、XおよびRは前記一般式〔I〕の場合と同一
で、lとmはそれぞれ通常は1ないし20の整数を示す)
で表わされるポリオキシエチレングリセロールボレイト
の前記高級脂肪酸エステルを例示できる。前記した各種
の高級脂肪酸エステルの中では通常ソルビタンエステル
およびグリセロールボレイトの高級脂肪酸エステルが好
ましい。
本発明の方法では分散剤としてポリオキシエチレンオク
チルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
エノールエーテル等の炭素数7〜10のアルキル基および
エチレンオキシドが1ないし20重縮合したポリオキシエ
チレン基をもつポリオキシエチレンアルキルフエノール
エーテルも使用することができる。
また、本発明の方法ではゼラチンを分散剤として使用す
ることができる。
本発明では以上挙げた分散剤(d)は、該分散剤(d)の群か
ら選ばれる一種あるいは必要に応じて二種以上を混合し
て使用することができる。混合使用する場合の例として
例えばゼラチン/カルシウム−12−ヒドロキシステアレ
ート(CHSと略称)のようなゼラチンと高級脂肪酸金属
塩の混合物、ポリオキシエチレンノニルフエノールエー
テル/カルシウムステアレートのようなポリオキシエチ
レンアルキルフエノールエーテルと金属セツケンの混合
物を使用する方法を例示できる。
本発明の方法で使用される前記した特定の分散剤(d)を
用いて製造される水膨潤ゲル状架橋重合体は形状、粒径
の大きさ、粒径分布、表面平滑性および透明性の点で優
れている。すなわち該形状が球に近く、粒径が1ないし
20mmと大きくて均一にそろつており、表面がなめら
かで透明性の高い球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体が得
られる。
本発明の分散剤を混合物の形で使用する場合には、必要
に応じてポリアルキレングリコールを添加すると分散剤
としての効果が向上する場合がある。例えばポリオキシ
エチレンアルキルフエノールエーテルと金属セツケンの
混合物を分散剤として使用する場合にはポリプロピレン
グリコールを加えることが好ましい。
本発明では前記した特定の分散剤(d)を本発明の方法に
使用することにより、球形状でかつ粒径の大きい水膨潤
ゲル状架橋重合体を得ることが初めて可能になつたので
ある。
非水性分散媒 本発明の方法において使用される非水性分散媒(e)とし
て具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、メシチレン、イソプロピルベンゼン等の芳香
族炭化水素類およびオクタン、ノナン、デカン、灯油等
のアルカン類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、デカリン等のシクロアルカン類などを例示すること
ができる。これらの非水性分散媒のうちではベンゼン、
トルエン、キシレン、デカリンを使用することが好まし
い。
使用割合 本発明の方法において使用される前記単量体成分(a)お
よび(b)の混合物(単量体混合物)と水、前記ラジカル
重合開始剤(c)、前記分散媒(d)および前記非水性分散剤
(e)の使用割合は以下のとおりである。
単量体成分の(a)と(b)の使用割合は前記したとおりであ
り、この単量体混合物に対する水の使用割合としては、
単量体混合物が水溶液を形成する限りにおいて任意であ
るが、単量体混合物100重量部に対して通常200ないし30
00重量部、好ましくは300ないし1200重量部の範囲であ
る。
前記ラジカル重合開始剤(c)の使用割合は前記(メタ)
アクリル酸アミド類(a)の100モル部に対して通常0.001
ないし10モル部、好ましくは0.01ないし5モル部の範囲
である。
分散剤(d)の使用割合は水100重量部に対して通常0.0
01ないし10重量部、好ましくは0.01ないし1重量部の
範囲である。分散剤の使用割合が通常0.001重量部
以下の場合には分散剤の効果が示されず、たとえ撹拌速
度を大きくするなどしても生成物は無定形状の破状態若
しくは極少粒径となる傾向があるので好ましくない。
又、通常10重量部以上の場合には油水のエマルジヨンが
激しく、生成物は極微少物あるいは破状物となりやすい
ので好ましくない。
非水性分散媒(e)の使用割合は、水の100重量部に対して
通常100ないし5000重量部、好ましくは150ないし1000重
量部の範囲である。非水性分散媒の使用割合が150重量
部以下の場合にはモノマー水溶液の分散性が悪くなるば
かりでなく、重合時に発生する反応熱の除去が困難とな
り分散性が悪く、この結果異形物の生成が増大するので
好ましくなく、又5000重量部以上の場合には反応熱の除
去、調整などは十分可能であるが、モノマー水溶液の分
散性が悪く粒径が不均一となり、又生産性が低くなるの
で好ましくない。
反 応 本発明の方法では、前記した単量体(a)および(b)とラジ
カル重合開始剤(c)を含有する水溶液を、前記分散媒(d)
の存在下に前記した非水性分散媒(e)に分散させて反応
が行われる。
一般に単量体を溶解しない分散媒の中で強くかきまぜて
分散させ、該媒体に不溶で単量体に可溶の開始剤を加え
て行う重合方法は懸濁重合として知られている。この方
法の中でもたとえばスチレン、メタクリル酸メチル、酢
酸ビニルなどの単量体を用いて、重合体が単量体に溶解
するような場合には生成重合体は小さい透明な粒子状に
得られるのでパール(真珠)重合と呼ばれることがあ
り、分散媒が油(oil)か水(water)かによつてその方
法には更にwater in oil及びoil in waterの二種があ
る。oil in waterの方法に関しては公知文献も多いが、
water in oilの方法については報告例は少ない。
本発明の方法は分散媒がトルエン等の非水性分散媒(e)
であり、これに分散される単量体混合物が水可溶性の
(メタ)アクリルアミド類(a)と架橋性単量体(b)であつ
て、該単量体混合物は水に溶解した液滴の状態で非水性
分散媒に分散されて重合が行われる。生成した重合体は
水を吸つて球形状に膨潤した水膨潤ゲル状架橋重合体と
して得られる。本発明の方法はwater in oilのパール重
合方法に属するが、本発明のように(メタ)アクリルア
ミド類を該方法に適用する例は知られていないし、まし
てこのような単量体混合物を水に溶解して分散させるこ
とも知られていない。また本発明の方法は前記した特定
の分散剤(d)を使用することにより、粒径が大きくしか
もその形が球形状をした水膨潤ゲル状架橋重合体を得る
ことが可能となつたものである。ちなみに、本発明のよ
うな水膨潤ゲル状架橋重合体あるいは水膨潤性架橋重合
体をパール重合法によつて得る方法はこれまで知られて
おらず、またパール重合法によつて得られる他の重合体
についてはいずれも粒径が通常1mm以下と小さく、粒径
を大きくする方法についてはこれまで知られていなかつ
た。
本発明の方法によつて反応を行う場合の反応温度として
は、通常25いし100℃、好ましくは60ないし95℃の範囲
にある。反応を行うに当たつては、反応温度を一定にし
て反応を行うか、あるいは反応開始と共に系内の温度を
一定時間かけて所定の温度まで昇温後、その温度で一定
時間保持する方法を例示することができる。ここで該温
度はいずれも前記した反応温度の範囲内に保持されるこ
とは勿論のことである。本発明の方法では反応開始後に
系内の温度を昇温する方法を採用すると系の均一分散状
態の保持および均一反応が再現よく得られるので好まし
い。この場合の昇温速度としては通常0.1ないし10℃
/分、好ましくは0.5ないし3℃/分の範囲にあり、
反応開始温度としては通常5ないし30℃の範囲にあり普
通には室温が用いられる。また、昇温後の所定温度とし
ては通常60ないし95℃、好ましくは80ないし90℃の範囲
にあり、該所定温度で通常10分ないし300分、好ましく
は30ないし180分更に反応が続けられる。ここで反応の
開始時点とは単量体混合物、水、分散剤(d)、および非
水性分散媒(e)を含む系にラジカル重合開始剤が加えら
れた時点である。ラジカル重合開始剤を系へ添加する方
法は通常ラジカル重合開始剤を適宜量の水へ溶解した溶
液を系へ加えることによつて行われる。この場合の水の
量としては添加後の系内の水の全量が前記した範囲内に
なるように選ばれる。
本発明の方法では、系内に空気が混入すると反応速度が
低下するので反応は窒素等の不活性ガスの存在下に実施
される。
本発明の方法では撹拌下に実施される。この場合の撹拌
方法としては公知の方法を採用することができ、例えば
種々の形状を有する撹拌羽根を用いて機械的に回転撹拌
を行う方法を示すことができる。この場合の好ましい撹
拌速度としては撹拌羽根の種類、反応器の形状などによ
つても多少異なり一概には言えないが、これを周速とし
て示した場合、通常は2,000cm/minないし10
0,000cm/minであり、撹拌速度を適宜選ぶことに
よつて得られる球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体の粒径
をコントロールすることが出来る。すなわち、撹拌速度
を速くすると通常は粒径が小さく形状も球に近い球形状
の水膨潤ゲル状架橋重合体が得られる。また撹拌速度を
遅くすると通常は粒径が大きく、形状はまが玉状あるい
は粒径の不均一な球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体が得
られる。前記した撹拌速度において周速が通常2,00
0cm/min以下の場合には均一な分散状態が得られず、
生成する水膨潤ゲル状架橋重合体は大きな異形物となり
やすいので好ましくない。また通常100,000cm/
min以上の場合には内容物はエマルジヨン化すると共に
生成物は極微粒子あるいは微少な破状物となりやすいの
で好ましくない。
後処理 重合反応の終了後、反応混合物は通常は室温付近まで冷
却されてから球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体が濾過等
の方法によつて非水性分散媒から分離される。濾過分離
された球形状水膨潤ゲル状架橋重合体は通常低沸点有機
溶剤、例えばヘキサンなどを用いて洗浄する方法、スチ
ームストリツピング等の方法などによつて球形状の水膨
潤ゲル状架橋重合体から非水性分散媒等の付着物が除去
される。続いて該重合体を水と接触させることによりこ
れに付着している未反応の単量体混合物、非水性分散
媒、分散剤が完全に除去される。この場合の水との接触
方法は、通常球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体の5〜10
00倍量好ましくは50〜400倍量の水と該重合体をバツチ
あるいは連続的に接触させることにより行われる。この
場合、流水を用いて新鮮な水と交換しながら行うことが
好ましい。水による洗浄の際の接触時間は通常1〜10時
間、好ましくは2〜5時間である。
前記した方法によつて不純物を除去された球形状の水膨
潤ゲル状架橋重合体は、このままの状態で水耕栽培用土
壌等の用途に使用することができる。また該ゲル状架橋
重合体を乾燥すると球形状の水膨潤性架橋重合体が得ら
れる。この乾燥の際の温度は通常25ないし100℃、好ま
しくは60ないし90℃の範囲にある。
本発明では必要に応じて、先の不純物を除去された球形
状の水膨潤ゲル状架橋重合体あるいはこれを乾燥して得
られる球形状の水膨潤性架橋重合体を水の存在下に加熱
処理して、これら球形状の該重合体の水膨潤性を更に高
くすることができる。該加熱処理の具体的な方法として
は本出願人が特公平4−25297号公報で既に提案し
たと同じ方法を採用することができる。すなわち球形状
の該水膨潤ゲル状架橋重合体を通常105ないし150℃の範
囲で乾燥するか、あるいは該水膨潤性架橋重合体を水の
存在下で通常105ないし150℃の範囲で加熱処理を施すこ
とにより該重合体の水膨潤性を加熱処理を施さない場合
に比較して大巾に増大することも可能である。
本発明の方法によつて得られる球形状の水膨潤性架橋重
合体は水と接触させることによつて容易に球形状水膨潤
ゲル状架橋重合体にすることができる。なお、本発明で
は「球形状」という言葉をその形状が球、楕円、まが玉
状などの球に類似した形を有しているという意味で使用
した。
本発明による球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体の粒径に
ついては、その形状が球のものについてはその直径が、
又楕円やまが玉状などの形状に対してはその短軸直径お
よび長軸直径が1ないし20mmの範囲にある球形状の水膨
潤ゲル状架橋重合体が得られる。
〔発明の効果〕
本発明の方法を採用すれば、水膨潤性および透明性に優
れ、粒径が均一で1ないし20mmと大きい球形状の水
膨潤ゲル状架橋重合体あるいはこれを乾燥した球形状の
水膨潤性架橋重合体を効率良く製造することができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によつて具体的に説明する。
実 施 例 1 撹拌棒、温度計、冷却器および窒素吹込み管を付した50
0ml4口セパラブルフラスコに200mlのトルエンを装入、
つづいて9.79gのアクリルアミド、0.21gのN,N′-メチ
レンビスアクリルアミドおよび0.045gのゼラチン
(分散剤)を85gの水に溶解し、装入する。径内は室温
(25℃)、100rpmの撹拌下、200ml/min流速の窒素で水
層、トルエン層を15分間窒素置換する。つづいて0.01g
の過硫酸アンモニウムを5gの水に溶解して添加し、更
に5分間窒素置換する。しかるのち窒素吹込み管を取り
除き、径内を窒素シール下、撹拌速度を700rpm(イカリ
型羽根を含む3枚羽根、中心からの距離約4.5cmにお
ける線速度約10,000cm/min)に調整後、油浴を
用いて内容物を1.5℃/minの昇温速度で80℃まで昇
温、重合した。700rpmの撹拌下、80℃/15min、更に400
rpmの撹拌下60min、続けて重合を終了した。得られた球
状(および1部まが玉状のゲルを含む)の水膨潤ゲル状
架橋重合体は室温に冷却後、濾別することでトルエン層
から分離し、続いてスチームストリツピングを行ない、
更に流水で洗浄を行なうことによつて、トルエン、ゼラ
チンおよび粒状中に残存する単量体成分を除去した。洗
浄後の水膨潤ゲル状架橋重合体は60〜80℃の熱風乾燥機
中で乾燥した。得られた水膨潤性架橋重合体は次の物理
的性質を有していた。
(1)重合体の密度(24℃)は1,260(g/cm3)であ
つた。
(2)24℃の水に浸漬すると吸水し、透明(1部空気を含
む)で、かつ3〜7mmの球状あるいは1部まが玉状を含
む水膨潤ゲル状架橋重合体となつた。この時の膨潤度は
20倍であつた。
なお、架橋重合体の乾燥物の密度および膨潤度は次の方
法で測定した値である。
密 度:重合体乾燥物の一定重量(Wg)を25mlのピクノ
メーターに採取した。次いで重合体を入れたピクノメー
ターを24℃の恒温槽に入れ、24℃のトルエンで満した。
これに要したトルエン重量よりトルエン容積(V)を求
め、次式により算出した。
膨潤度:重合体乾燥物の一定重量(Wg)を採取し、
24度で24時間水中に浸漬し、十分重合体を膨潤させた。
しかるのち余剰の水を除去して膨潤性ゲル状物の重量
(Wg)を測定して次式により算出した。
得られた水膨潤ゲル状重合体は乾燥前の重合体と同じ膨
潤率を示しており、乾燥後再吸水したゲル状重合体と同
様に園芸要人工土壌あるいは土壌改質材として使用が可
能であつた。また、本発明者らが先に出願した(特公平
4−25297号公報)処方により、更に水の存在下で
加熱処理することで水膨潤ゲル状架橋重合体の膨潤率を
3〜100倍に調整することも可能である。
実 施 例 2 分散剤としてゼラチンの代りに0.09gのカルシウムヒド
ロキシステアレート(CHS)をトルエン分散媒に分散
して用いた他は実施例1に準じて球形状の水膨潤ゲル状
架橋重合体を製造した。なおCHS分散剤は該ゲル状架
橋重合体を水洗する際に除去され、得られた水膨潤ゲル
状架橋重合体は4〜7mm径の球状ゲルであり気泡も少な
く透明、表面平滑性の点でも優れていた。またこの水膨
潤ゲル状架橋重合体を乾燥した重合体の密度(24℃)は
1.277(g/cm3)であり、この重合体を水に浸漬
すると、4〜7mm径の透明な水膨潤ゲル状架橋物とな
り、この時の膨潤率は21倍であつた。
実 施 例 3〜10 分散剤としてゼラチンの代りに表1に示す分散剤を用い
た他は実施例1に準じて球形状の水膨潤ゲル状架橋重合
体を製造した。なお、表中水溶性分散剤は水に、油溶性
分散剤あるいは油膨潤性分散剤はトルエンに溶解あるい
は分散して用いた。各種分散剤の種類をかえて得られた
球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体の物性を表1に示し
た。また得られた水膨潤ゲル状物の代表例を第1図に示
した。
比 較 例 1〜6 分散剤を用いない場合、あるいは分散剤として表2に示
すような通常乳化剤として使用されているカチオン系あ
るいはアニオン系界面活性剤を用いた他は実施例1に準
じて球形状の水膨潤ゲル状架橋重合体の製造を試みた。
分散剤の種類と生成物の形状を調べた結果を表2に示し
たがいずれの場合も分散剤の量、撹拌速度の調節で重合
前の水/油は適度な分散状態を得られたかのように見え
たが、重合開始と共に乳化あるいは逆に適度な分散状態
は破かいされた。このため生成物は球状物を数パーセン
ト含む場合もあつたが殆どが破状あるいは帯状であつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は実施例2で得られた球形状の水膨
潤ゲル状架橋重合体の粒子構造を示す顕微鏡写真(倍率
はそれぞれ1倍および5倍)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリルアミド類(a)、架橋性単
    量体(b)およびラジカル重合開始剤(c)を含有する水溶液
    を、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エス
    テル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル
    およびゼラチンよりなる群から選ばれる分散剤(d)の存
    在下に非水性分散媒(e)に分散させながら反応させるこ
    とを特徴とする粒径1ないし20mmの球形状架橋重合
    体の製造方法。
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