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JPH0665263A - シランカップリング剤および積層板用ガラス繊維製品 - Google Patents

シランカップリング剤および積層板用ガラス繊維製品

Info

Publication number
JPH0665263A
JPH0665263A JP4225985A JP22598592A JPH0665263A JP H0665263 A JPH0665263 A JP H0665263A JP 4225985 A JP4225985 A JP 4225985A JP 22598592 A JP22598592 A JP 22598592A JP H0665263 A JPH0665263 A JP H0665263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silane coupling
coupling agent
glass fiber
group
fiber product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4225985A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Watanabe
健一 渡辺
Atsuko Sawai
敦子 澤井
Hideaki Kakiuchi
秀明 垣内
Yoshiharu Suzuki
芳治 鈴木
Koichi Matsumoto
公一 松本
Eiji Wakita
英治 分田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Boseki Co Ltd, Chisso Corp filed Critical Nitto Boseki Co Ltd
Priority to JP4225985A priority Critical patent/JPH0665263A/ja
Publication of JPH0665263A publication Critical patent/JPH0665263A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性に優れた積層板を与えることができる積
層用ガラス繊維製品を提供すること、および該ガラス繊
維製品を製造するための新規シランカップリング剤を提
供することを目的とする。 【構成】アミノ基の水素が、ケイ素原子に加水分解性基
が置換されたシリルアルキル基(a)およびビニルベン
ジル基(b)で示される基で置換され、(a)および
(b)の数をそれぞれna およびnb と表示したときに
a =2、1≦nb≦2であるジアミン化合物またはそ
の塩からなることを特徴とするシランカップリング剤お
よびこのシランカップリング剤を含む処理液で処理され
た積層板用ガラス繊維製品。 【効果】本発明のシランカップリング剤で処理したガラ
ス繊維製品を用いて製造した積層板はミーズリングを起
こすことがなく、半田耐熱性に優れるなど高い耐熱性を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシランカップリング剤お
よびこのシランカップリング剤で処理した積層板用ガラ
ス繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基板は各方面で多用されている
が、近年、コンピューター関係、通信機関係などでます
ますその重要性を増している。プリント基板の中でも、
その性能の点から、ガラス繊維を補強材とするものが主
流となりつつあり、その中でもガラス繊維織物を補強材
とし、不飽和ポリエステルをマトリックスとするものが
多く用いられるようになってきている。このようなプリ
ント基板は、銅箔回路を形成したプリント配線板とな
り、さらにIC,LSI等のチップを装着してコンピュ
ーター、通信機等に使用される。
【0003】プリント配線板にチップ部品を装着する場
合、従来はプリント配線板に開けられたスルーホール部
分にチップの足を挿入し、溶融半田にディップして半田
によるチップの固定を行うディップ法が採用されてい
る。しかし、チップの高集積化に伴い、チップの固定は
半田ペーストによる点付け法に変わりつつある。点付け
法の場合には、瞬間的に半田ペーストを溶融してチップ
を接着固定する必要があるため、ディップ法よりもさら
に高温での加熱が行われる。この際の加熱によりプリン
ト基板自体にも熱衝撃が加わり、その結果、基材織物の
タテ糸とヨコ糸の交点部分にミーズリングと呼ばれる小
さな剥離が起こる場合がある。このような剥離が起こる
と、スルーホールメッキ時に、メッキ液がこの剥離部分
に浸み込み、その結果、不必要な部分での回路導通が起
こるという問題があった。また、ガラス繊維とマトリッ
クスの密着力が弱いとスルーホール内壁が粗くなり、メ
ッキ液がガラス繊維とマトリックスの界面に浸み込み、
やはり不必要な部分での回路導通が起こることになる。
【0004】ガラス繊維とマトリックスの接着力を増大
し、かつプリント基板の耐熱性を改良するためにガラス
繊維をシランカップリング剤で処理する方法が採られて
いる。このシランカップリング剤としては、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシランまたはN−(ビニ
ルベンジル)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシランの塩酸塩等が用いられるが、前者は
シラン化合物自体の耐熱性が充分でなく、また後者はこ
のシラン化合物のアミノ基の部分の耐熱性が悪いため充
分な効果は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、それ自体耐熱性に優れ、補強材であるガラス繊維製
品に優れた耐熱性を付与することができる新規なシラン
カップリング剤を提供することにある。本発明の第2の
目的は、上記のシランカップリング剤で処理された、耐
熱性に優れた積層板を得ることができる積層板用ガラス
繊維製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明は、アミ
ノ基の水素が下記(a)および(b)で示される基で置
換され、(a)および(b)の数をそれぞれna および
b と表示したときにna =2、1≦nb ≦2であるジ
アミン化合物またはその塩からなることを特徴とするシ
ランカップリング剤、 (a)ケイ素原子に加水分解性基が置換されたシリルア
ルキル基 (b)ビニルベンジル基に関する。本願の第2発明は、
前記記載のシランカップリング剤を含む処理液で処理さ
れた積層板用ガラス繊維製品に関する。
【0007】以下、本発明のシランカップリング剤およ
び積層板用ガラス繊維製品を順次説明する。本発明のシ
ランカップリング剤は、ジアミノシラン化合物にハロメ
チルスチレンを反応させることによって得られる。ジア
ミノシラン化合物は、アルコキシ基、アシロキシ基など
の加水分解性基がケイ素原子に置換され、このケイ素原
子がアミノ基に2個連結された化合物であり、該化合物
は、例えばハロアルキルアルコキシシランとジアミンと
の脱ハロゲン化水素反応、不飽和二重結合を持つジアミ
ノ化合物とアルコキシシランとのヒドロシリル化反応等
の公知の方法で得ることができる。
【0008】このようなジアミノシラン化合物として
は、N,N′−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロ
ピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(トリメ
トキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N′
−ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレ
ンジアミン、N,N−ビス[3−(トリエトキシシリ
ル)プロピル]エチレンジアミン、N,N′−ビス[3
−(トリメトキシシリル)プロピル]ジアミノプロパ
ン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]ジアミノプロパン、N,N′−ビス [3−(トリ
メトキシシリル)プロピル]ジアミノヘキサン、N,N
−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジアミ
ノヘキサンなどが挙げられる。これらは混合物であって
もよく、例えば、N,N−ビス[3−(トリメトキシシ
リル)プロピル]エチレンジアミンとN,N−ビス[3
−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
の混合物を用いてもよい。
【0009】ハロメチルスチレンとしては、塩化メチル
スチレン、臭化メチルスチレン、ヨウ化メチルスチレン
等が用いられるが、工業的に入手が容易な塩化メチルス
チレンが好都合である。ジアミノシラン化合物とハロメ
チルスチレンの反応は、原料に対して不活性な有機溶媒
中で行うことができる。このような溶媒としては、例え
ばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール等
のアルコール類が使用できる。これらの溶媒は乾燥した
状態で使用することが望ましい。水分の含有量が多い場
合には、原料及び生成物のアルコキシ基が加水分解を受
け、縮合物が生成し、目的物の収率が低下する。
【0010】耐熱性に優れたシランカップリング剤を得
るためには、原料の転化率が100%となるように反応
を十分に完結させることが肝要である。上記反応ではハ
ロゲン化水素が副生するため、必要に応じて脱ハロゲン
化水素剤を用いて反応を行うこができる。脱ハロゲン化
水素剤としては、原料のジアミノシラン化合物とハロメ
チルスチレンに対して不活性な塩基性物質が好ましく、
例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン等のアミン類が挙げられる。このアミン類の添加量
は、通常ハロメチルスチレンに対して当量以下の量で用
いられる。反応を行う際には、ビニル基の重合を防ぐ目
的で、重合禁止剤、例えばp−ベンゾキノン、t−ブチ
ルカテコール等を添加することも可能である。
【0011】反応温度や反応時間は、用いる原料や溶媒
により影響を受けるため特に限定はしないが、ハロメチ
ルスチレン自身の重合を防ぐためには、あまり高温では
好ましくなく、通常0〜120℃の範囲で0.5〜30
時間程度で反応が完結するような条件で行われる。反応
は、通常の方法、例えばジアミノシラン化合物と有機溶
媒、脱ハロゲン化水素剤および重合禁止剤の混合物を攪
拌しながら、所定の温度に加熱または冷却しておき、こ
こにハロメチルスチレンを滴下する方法により実施され
る。その後、必要に応じて、ハロゲン化水素塩や、有機
溶媒、過剰の脱ハロゲン化水素剤等を濾過や蒸留により
除くことも可能である。
【0012】本発明のシランカップリング剤であるジア
ミン化合物は、出発原料のジアミノシラン化合物に由来
するケイ素原子に加水分解基が置換されたシリルアルキ
ル基(a)と、出発原料のハロメチルスチレンに由来す
るビニルベンジル基(b)とを有し、これらが出発原料
のジアミノシラン化合物中の2個のアミノ基に由来する
2個の窒素原子に置換されており、(a)および(b)
の数をna およびnbとそれぞれ表示したとき、na
2、1≦nb ≦2の関係を有する。本発明のシランカッ
プリング剤は、上記ジアミン化合物と有機酸または無機
酸との酸塩であってもよい。有機酸塩としては酢酸、プ
ロピオン酸等の脂肪族酸、安息香酸等の芳香族酸、無機
酸としては塩酸を例示することができる。酸塩は、例え
ばジアミン化合物を、対応する酸で中和すれば容易に製
造できる。本発明のシランカップリング剤はそれ自体耐
熱性に優れ、後記するように補強材であるガラス繊維製
品を表面処理した場合に耐熱性に優れた積層板を与える
ことができる。
【0013】本発明のシランカップリング剤は、公知の
シランカップリング剤と混合して使用することも可能で
ある。公知のシランカップリング剤としては、前述のジ
アミノシラン化合物、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランなどのエポキシシラン類、3−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン
類、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロ
ロアルキルシラン類、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシランなどのメルカプトシラン類、ビニルトリメト
キシシランなどのビニルシラン類等を例示することがで
きる。
【0014】次に本発明のシランカップリング剤を用い
て複合材料の補強材であるガラス繊維製品を処理して積
層板用ガラス繊維製品を得る方法について説明する。本
発明に用いられるガラス繊維製品としては、公知のガラ
ス繊維、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、
低誘電ガラス、高弾性ガラス、電気用のEガラスなどを
紡糸したガラスフィラメントを集束して得られるストラ
ンド(ガラス糸)、不織のガラスマット、ガラスペーパ
ー、ヤーンを織ったガラスクロス、ガラステープ等を挙
げることができる。本発明におけるガラス繊維製品は広
義に解釈するものとし、マイカ製品をも包含する。マイ
カ製品としては、例えば薄片を抄造した軟質の集成マイ
カシートまたはこれらの焼成品を挙げることができる。
【0015】シランカップリング剤によるガラス繊維製
品(以下、補強材と称することがある)の処理は、シラ
ンカップリング剤を適当な溶剤で希釈した処理液を用い
て行うことができる。この溶剤としては、水、0.5〜
5.0重量%の酢酸水溶液、5〜99重量%含水アルコ
ール、酢酸を含む含水アルコールなどを挙げることがで
きる。またこれら溶媒にポリオキシエチレン高級アルコ
ールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
などの乳化剤を添加してもよい。さらには、この処理液
に必要に応じて染料、顔料、帯電防止剤、潤滑油などを
添加することもできる。溶媒中のシランカップリング剤
の濃度は、通常0.1〜5.0重量%、好ましくは0.
2〜1.0重量%とされる。
【0016】この処理液による補強材の処理は、補強材
を処理液に浸漬して行えばよいが、場合によっては補強
材中の処理液の保持率をスクイズロールなどを用いて調
節したり、マイカシートなどについてはこの処理液をス
プレー塗布してもよい。この処理後、60〜150℃で
乾燥して溶媒を除去すると同時に補強材とシランカップ
リング剤のシラノール基を反応させる。ガラス繊維製品
に対する本発明のシランカップリング剤の付着量は0.
001〜0.4重量%の範囲が好ましく、より好ましく
は0.01〜0.3重量%である。このようにして得ら
れた積層板用ガラス繊維製品は、耐熱性を有するシラン
カップリング剤で処理されているため、不飽和ポリエス
テル樹脂などをマトリックス樹脂として積層板を製造し
た場合に、この積層板に優れた耐熱性を付与できる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中の部はいずれも重量部を表
すものとする。 合成例1 還流冷却器、温度計および攪拌器を備えた4つ口フラス
コにN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン3670部を仕込み、窒素シール下で攪
拌しながら135℃で3−クロロプロピルトリメトキシ
シラン1639部を1時間で滴下し、さらに同温度で1
時間反応させた。反応液のガスクロマトグラフィー分析
の結果から、3−クロロプロピルトリメトキシシランが
消失していることがわかった。次いで、上記反応液に1
592部のソジウムメチレート溶液(28重量%メタノ
ール溶液)を、室温下、約1時間かけて滴下した。反応
終了後、副生した食塩を濾別し、さらに、この反応液よ
りメタノールと未反応のN−(2−アミノエチル)3−
アミノプロピルトリメトキシシランを留去して反応生成
物を得た。
【0018】反応生成物を核磁気共鳴スペクトルで分析
したところ、下記に示す分析結果が得られ、この結果か
ら反応生成物は下記の構造を有するジアミノシラン化合
物であることが確認された。1 H−NMR分析結果 (CCl4 ,TMS,δ) 0.4−1.2(m,3H,Si−CH2 −+NH) 1.2−1.9(m,2H,Si−C−CH2 −) 2.2−2.9(m,4H,N−CH2 −) 3.5(s,9H,Si−O−CH3
【0019】
【化1】
【0020】実施例1 還流冷却器、温度計、滴下ロートおよび攪拌器を備えた
4つ口フラスコに合成例1で得られたジアミノシラン化
合物260部とメタノール546部を仕込み、窒素シー
ル下に攪拌しながら還流下で、クロロメチルスチレン1
04部を1時間で滴下し、さらに還流下で16時間反応
させた。反応液のガスクロマトグラフィー分析の結果か
ら、クロロメチルスチレンが96%以上反応しているこ
とがわかった。得られた反応液について核磁気共鳴スペ
クトルの測定を行い、その結果を表1に示した。この測
定結果から、得られたジアミン化合物Aは下記の平均構
造を持つことが判明した。
【0021】
【表1】
【0022】
【化2】
【0023】実施例2 実施例1と同じ装置に、合成例1で得られたジアミノシ
ラン化合物210部とメタノール503部を仕込み、窒
素シール下に攪拌しながら還流下でクロロメチルスチレ
ン125部を1時間で滴下し、さらに還流下で24時間
反応させた。反応液のガスクロマトグラフィー分析の結
果から、クロロメチルスチレンが85%以上反応してい
ることがわかった。得られた反応液について核磁気共鳴
スペクトルの測定を行い、その結果を表1に示した。こ
の測定結果から、得られたジアミン化合物Bは下記の平
均構造を持つことが判明した。
【0024】
【化3】
【0025】実施例3 実施例1と同じ装置に、合成例1で得られたジアミノシ
ラン化合物200部とメタノール538部を仕込み、窒
素シール下に攪拌しながら還流下でクロロメチルスチレ
ン159部を1時間で滴下し、さらに還流下で30時間
反応させた。反応液のガスクロマトグラフィー分析の結
果から、クロロメチルスチレンが80%以上反応してい
ることがわかった。得られた反応液について核磁気共鳴
スペクトルの測定を行い、その結果を表1に示した。こ
の測定結果から、得られたジアミン化合物Cは下記の平
均構造を持つことが判明した。
【0026】
【化4】
【0027】実施例4 実施例1で得られたジアミン化合物Aを、酢酸2.0重
量%を含んだ蒸留水中に1.0重量%溶解させた。この
溶液にガラスクロス(WEA−18W、日東紡績社製)
を浸漬し:ピックアップ量を30%にスクイズロールで
絞液し、これを110℃で5分間乾燥させた。ジアミン
化合物Aのガラスクロスに対する付着量は0.08重量
%であった。一方、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部、スチレンモノマー40重量部、およびクメンハイド
ロパーオキサイド1重量部を混合してワニスを調合し
た。前記ジアミン化合物で処理したガラスクロス2枚の
間に、4枚のガラスペーパー(EPM−4050、日本
バイリーン社製)をはさみ、上記ワニスを含浸させた。
さらに、このものを厚さ35μmの2枚の銅箔ではさ
み、2分間脱泡させてから、150℃で1時間加熱して
厚さ1.6mmの積層板を得た。この積層板を全面エッ
チングして銅箔を除去した後、水洗、風乾して試験用積
層板とした。試験用積層板の特性およびジアミン化合物
Aの溶解性の評価試験を下記の方法で行い、結果を表2
に示した。
【0028】(1)樹脂の含浸性 不飽和ポリエステルワニスのガラスクロスへの含浸性を
目視により評価し、極めて良好なものを◎、良好なもの
を○、普通のものを△、不良なものを×で表示した。 (2)半田耐熱性 積層板を沸騰水中で1時間、2時間、3時間それぞれ煮
沸した後、260℃の半田浴にそれぞれ20秒間浸漬
し、フクレの有無を調べ、フクレ無しを○で、フクレ有
りを×で表示した。 (3)ミーズリング特性 250℃、270℃、300℃にそれぞれ加熱した直径
3mmの半田鏝を10秒間、100gの荷重をかけて積
層板に押し当て、ミーズリングの有無を調べ、ミーズリ
ングの無いものを○、ミーズリングの有るものを×で表
示した。 (4)溶解性試験 ジアミン化合物に付いて1%酢酸水溶液への溶解性試験
を行った。すなわち、酢酸10gを水1000gで希釈
した溶液に上記シラン化合物10gを加え、室温での溶
解性を観察し、完全に透明なものを◎、やや白濁するも
のを○、白濁するものを×で表示した。
【0029】
【表2】
【0030】実施例5、6 実施例4において、実施例1で得られたジアミン化合物
Aにかえて実施例2、3で得られたジアミン化合物B、
Cをそれぞれ用いたほかは実施例4と同様にしてガラス
クロスを処理した。ジアミン化合物B、Cのガラスクロ
スへの付着量はいずれも0.08重量%であった。次い
で、実施例4と同様にしてそれぞれ厚さ1.6mmの試
験用積層板を作製し、同様の評価試験を行い、結果を表
2に示した。
【0031】比較例1 実施例4において、実施例1で得られたジアミン化合物
にかえてγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ランを用い、このものを酢酸0.1重量%を含んだ蒸留
水中に濃度0.4%となるように溶解したほかは、実施
例4と同様にしてガラスクロスを処理した。シラン化合
物のガラスクロスへの付着量は0.08重量%であっ
た。次いで、実施例4と同様にして厚さ1.6mmの試
験用積層板を作製し同様の評価試験を行い、結果を表2
に示した。
【0032】比較例2 実施例4において、実施例1で得られたジアミン化合物
にかえて(N(ビニルベンジル)β−アミノエチル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン)塩酸塩を用い、
このものを酢酸2.0重量%を含んだ蒸留水中に濃度
0.8%となるように溶解したほかは、実施例4と同様
にしてガラスクロスを処理した。このシラン化合物のガ
ラスクロスへの付着量は0.08重量%であった。次い
で、実施例4と同様にして厚さ1.6mmの試験用積層
板を作製し、同様の評価試験を行い、結果を表2に示し
た。
【0033】表2から、本発明のシランカップリング剤
を用いて得られた実施例4〜6の積層板は、樹脂の含浸
性、半田耐熱性およびミーズリング特性の全てに於て満
足すべき結果を与えた。これに対し、比較例1および2
の積層板はこれらの諸特性のいずれにおいても実施例4
〜6の積層板よりも劣っていることがわかる。また本発
明のシランカップリング剤は、酢酸水溶液などの溶液へ
容易に溶解するので作業性に優れることがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明のシランカップリング剤によれ
ば、酢酸水溶液などの溶液に対する溶解性に優れるため
作業性が向上する。またこのシランカップリング剤で処
理したガラス繊維を用いた複合材料は耐熱性に優れ、補
強材であるガラス繊維製品とマトリックス樹脂が高温時
においても強固な結合を確保するため、両者よりなる複
合材料、たとえばプリント基板においては、補強材がマ
トリックス樹脂から剥離するミーズリングを防止するこ
とができ、点付け法における要請に応えたプリント基板
を提供することが可能になる。さらに本発明のシランカ
ップリング剤で処理したガラス繊維製品は樹脂への含浸
性に優れているので作業性が改善される。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 芳治 福島県福島市南向台1−3−10 (72)発明者 松本 公一 福島県福島市鳥谷野字日野2−2 (72)発明者 分田 英治 福島県福島市蓬莱町34−32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基の水素が下記(a)および
    (b)で示される基で置換され、(a)および(b)の
    数をそれぞれna およびnb と表示したときにna
    2、1≦nb ≦2であるジアミン化合物またはその塩か
    らなることを特徴とするシランカップリング剤、 (a)ケイ素原子に加水分解性基が置換されたシリルア
    ルキル基 (b)ビニルベンジル基。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシランカップリング剤
    を含む処理液で処理された積層板用ガラス繊維製品。
JP4225985A 1992-08-25 1992-08-25 シランカップリング剤および積層板用ガラス繊維製品 Pending JPH0665263A (ja)

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