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JPH0655900A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

Info

Publication number
JPH0655900A
JPH0655900A JP4226409A JP22640992A JPH0655900A JP H0655900 A JPH0655900 A JP H0655900A JP 4226409 A JP4226409 A JP 4226409A JP 22640992 A JP22640992 A JP 22640992A JP H0655900 A JPH0655900 A JP H0655900A
Authority
JP
Japan
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layer
matte
transparent
base material
synthetic resin
Prior art date
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Granted
Application number
JP4226409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3150439B2 (ja
Inventor
Hiroshi Matsubara
弘 松原
Seiichi Ishida
石田誠一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP22640992A priority Critical patent/JP3150439B2/ja
Publication of JPH0655900A publication Critical patent/JPH0655900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3150439B2 publication Critical patent/JP3150439B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工メーカーでの基材とのラミネート等の各
部材製造工程、建設現場等の施工時、各搬送工程等にお
いて発生する表面塗膜の擦り傷や塗膜剥離等の外観欠
陥、および上記の理由による傷や、日光照射等の経時の
加熱による最表面のエンボス凹凸の消失による外観変化
を視覚的に目立たなくする化粧材を提供する。 【構成】 少なくとも、基材23の表面に、艶消し剤粒
子を含有する艶消し透明塗膜層9と、上記艶消し透明塗
膜層9の表面、又は/及び上記基材23の表面に賦型さ
れた艶消し微小凹凸層7とを有し、上記艶消し透明塗膜
層9自体の光沢度と、上記艶消し微小凹凸層7自体の光
沢度とを一致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面の照りや艶の異なる部分が設
けられた化粧材として、例えば木目調化粧シート等があ
る。このようなものとして例えば、特公昭49−39
166号公報に記載のように、基材の上に木目模様を印
刷し、その上に、硬化性樹脂からなる透明合成樹脂塗膜
層を形成し、その上に硬化性艶消しインキにより、導管
溝模様を印刷してなるものがある。また特開平3−8
477号公報に記載のように、透明性の基材シートの裏
面側に凹凸模様を設け、該凹凸模様面に木目模様層が形
成され、該木目模様層の裏面に光輝性インキベタ層が設
けられているとともに、上記基材シートの表面側に、透
明樹脂層を介して硬化性艶消しインキによる導管模様が
印刷形成されたものがある。また特開平4−6444
3号公報に記載のように、表面に特定の線群のパターン
からなる凹条溝が設けられた光輝性を有する熱可塑性支
持シートと、該支持シートの表面側に積層される透明合
成樹脂基材と、該支持シートの凹凸模様面側に設けられ
る木目模様印刷層とからなり、最表面にエンボス加工に
よる凹凸形状を付したもの等のように、木目の光沢(照
り)が移動するように形成された化粧材等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
、の化粧材のように、表面の塗膜層が硬化性インキ
からなるものは、通常の使用環境(建築物内表材等とし
て用いられた場合)における摩擦や打撲、或いは引っ掻
きの作用に対して、可塑性のインキからなる塗膜層より
も比較的耐性を有するが、この化粧材も含め一般の化粧
材は、(a) 加工メーカーで基材にラミネートする場合の
ような製造工程、(b) 建設現場等の施工時、および(c)
各搬送工程等では、艶のある透明塗膜の部分に擦り傷も
しくは塗膜の剥離等が発生し易く、特に艶のある部分は
このような擦り傷が発生すると、塗膜表面の光沢が大き
く変化するため、視覚的に傷のある部分が外観欠陥にな
るという問題があった。
【0004】また上記の化粧材のように、最表面にエ
ンボス凹凸を施してなるものは、上記の理由による傷、
塗膜剥離などのほか、直射日光、雰囲気温度、後加工時
の加熱(例えば鋸引きの摩擦熱、貼合せ接着剤を硬化す
るための熱等)や経時変化によりエンボス凹凸の消失等
が起こる。それに伴い、外観として艶(光沢度)や艶以
外の外観(例えば粗粒感等)が変化して、化粧材の意匠
価値が低下すると言う問題があった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
上記従来技術の欠点を解消し、化粧材を使用した各部材
の製造工程、建設現場、各搬送工程等において発生する
表面塗膜の擦り傷や塗膜剥離等の外観欠陥や、日光照射
等の経時の加熱による最表面のエンボス凹凸の消失によ
る外観変化を視覚的に目立たなくした化粧材を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明化粧材は、少なく
とも基材の表面に、艶消し剤粒子を含有する艶消し透明
塗膜層と、上記艶消し透明塗膜層の表面、又は/及び上
記基材の表面に賦型された艶消し微小凹凸層とを有し、
上記艶消し透明塗膜層自体の光沢度と、上記艶消し微小
凹凸層自体の光沢度とを一致させてなることを特徴とす
る。
【0007】また上記化粧材において、表面に、凹部の
幅、凸部の幅、および深さが1〜100μmの平行曲線
群もしくは平行曲線群と平行直線群との組み合わせ線群
からなる凹条溝を形成してなる光輝性熱可塑性樹脂基材
と、該基材の凹条溝側上に積層された透明合成樹脂基材
と、上記熱可塑性樹脂基材の凹条溝上、または上記透明
合成樹脂基材の、上記熱可塑性樹脂基材と対向する側の
いずれかの表面に設けられた木目模様層とからなり、か
つ上記透明合成樹脂基材と上記光輝性熱可塑性樹脂基材
とが透明接着剤層を介して積層一体化されており、更に
上記透明合成樹脂基材の表面に艶消し透明塗膜層が設け
られ、上記透明合成樹脂基材の表面、又は/及び上記艶
消し透明塗膜層の表面に、艶消し微小凹凸層が形成され
ていることが好ましい。
【0008】また上記化粧材において、透明合成樹脂基
材の裏面側に平行曲線群若しくは平行曲線群と平行直線
群を組み合わせた線群のパターンからなる凹条溝および
木目模様層が形成され、その裏面に光輝性樹脂層を積層
してなり、かつ上記透明合成樹脂基材の表面に艶消し透
明塗膜層が設けられ、上記透明合成樹脂基材の表面、又
は/及び上記艶消し透明塗膜層の表面に、艶消し微小凹
凸層が形成されていることが好ましい。
【0009】また上記化粧材において、好ましくは、艶
消し透明塗膜層および艶消し微小凹凸層上に、該両層よ
りも低光沢度のインキからなる模様層を形成してなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図は本発明の一例を示すものであり、化粧材24
は、図1に示すように、少なくとも基材23の表面に、
艶消し剤粒子を含有する艶消し透明塗膜層9と、上記艶
消し透明塗膜層9の表面、又は/及び上記基材23の表
面に賦型された艶消し微小凹凸層7とを有し、上記艶消
し透明塗膜層9自体の光沢度と、上記艶消し微小凹凸層
7自体の光沢度とを一致させていればよく、本発明は、
基材23の表面に、艶消し透明塗膜層9と、艶消し微小
凹凸層7とを、それ自体の光沢度を一致させて設けるこ
とが重要である。図1(a) は艶消し微小凹凸層7が基材
23の表面に形成されている例であり、図1(b) は艶消
し微小凹凸層7が艶消し透明塗膜層9の表面に形成され
ている例であり、また図1(c) は艶消し微小凹凸層7が
基材23の表面と艶消し透明塗膜層9の表面との両方に
形成されている例である。
【0011】本発明の別の例である化粧材1は、図2に
示すように、表面に平行曲線群若しくは平行曲線群と平
行直線群を組み合わせた線群のパターンからなる凹条溝
3と木目模様層4とを設けた光輝性熱可塑性樹脂基材2
と、表面に艶消し微小凹凸層7とエンボス凹部8と光沢
性艶消し透明塗膜層9および模様層10とを順次設けた
透明合成樹脂基材6と、上記光輝性熱可塑性樹脂基材2
と上記透明合成樹脂基材6とを積層一体化させるための
透明接着剤層5から構成される。
【0012】艶消し微小凹凸層7は、化粧材1表面の外
観上の変化を目立たなくするために設けられるもので、
上記艶消し微小凹凸層7の個有の光沢度が、艶消し透明
塗膜層9の個有の光沢度と一致するように、艶消し微小
凹凸層7の凹凸の程度を選んで形成する。化粧材1表面
の外観上の変化を目立たなくするとは具体的には、艶消
し微小凹凸層7が失われても艶消し透明塗膜層9の個有
の光沢によって、化粧材1表面の外観は保たれ、また艶
消し透明塗膜層9の表面に傷がついても、艶消し微小凹
凸層7の凹凸外観が傷の外観を欺瞞して目立たなくする
ことである。
【0013】艶消し微小凹凸層7の個有の光沢度とは、
艶消しなしの樹脂層表面(光沢度100)に凹凸形成し
たときの光沢度であり、上記個有の光沢度が、JIS−
Z−8741の60°法光沢度で、艶消し透明塗膜層9
の個有の光沢度と一致するように、かつ好ましくは光沢
度が5〜80の範囲となるように凹凸形状の粗さの程度
を選択する。木目板の光沢を表現する場合は、10〜3
0程度の光沢度がより好ましい。
【0014】艶消し微小凹凸層7の微小凹凸形状として
は、中心線表面粗さ(JIS−B−0610)Ra=
0.5〜10μmになるように加工するのが好ましく、
例えば、砂目等公知の方法によって加工されたエンボス
版等を用いてエンボス加工する方法等が挙げられる。
【0015】艶消し微小凹凸層7を設けるにあたって
は、例えば透明合成樹脂基材6の表面にエンボス加工を
施した後、艶消し透明塗膜層9を印刷積層する方法等を
用いることができる。
【0016】艶消し透明塗膜層9は、人工木目板(また
は人工シート)、人工皮革、人工石板等の光沢を再現す
るために設けられ、個有の光沢度をJIS−Z−874
1の60°法で5〜80とするのが好ましい。上記艶消
し透明塗膜層9は、インキまたは塗料に艶消し顔料を練
り混んだ、上記の光沢を有する艶消しインキ、または艶
消し塗料を用いて形成する。艶消し透明塗膜層9の個有
の光沢度とは、艶消し透明塗膜層9の表面に艶消し微小
凹凸層を形成しないときの光沢度である。
【0017】艶消し透明塗膜層9を構成する光沢性イン
キとしては、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、
アミノアルキド等の熱硬化性樹脂、又はウレタンアクリ
レート、ポリエステルアクリレート等の電離放射線硬化
性樹脂をビヒクルとしたインキ又は塗料を用いることが
できる。反対に、艶消し微小凹凸層を上記艶消し透明塗
膜層9の表面に設けない場合には、塗膜表面の硬さ物性
上、硬化性樹脂を用いることがより好ましい。この艶消
し透明塗膜層9はグラビアコータ、ロールコータなどの
方法で塗工形成される。塗工形成後の艶消し塗膜層9の
光沢度は、相対的に導管模様層10よりも目視で明瞭に
判別できる程度のものであればよい。
【0018】艶消し透明塗膜層9のインキビヒクルに
は、艶調整のため、必要に応じて、粒径が0.1〜10
μm程度の炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、ア
ルミナ、ガラスバルーン、ポリエチレン等の微粉末など
の艶消剤を添加することができる。
【0019】透明合成樹脂基材6は、艶消し透明塗膜層
9を支持するための基材であって、下層の木目模様など
を認識できるように透明である。透明合成樹脂基材6に
用いられる樹脂としては、塩化ビニル系、ウレタン系、
アクリル系、エポキシ系等の樹脂からなる基材であり、
特に艶消し微小凹凸層7を上記透明合成樹脂基材6の表
面に設ける場合は、加工適性上、熱可塑性樹脂が好まし
い。この透明合成樹脂基材6の厚さは20〜200μm
程度、好ましくは50〜100μm程度である。また透
明合成樹脂基材7は、微小エンボス凹凸の光沢を観察可
能な範囲であれば、染料等により着色されていてもよ
い。
【0020】木目模様層4は天然木等の木目模様を再現
するパターン印刷層であり、光輝性熱可塑性樹脂基材2
の表面に設けられる。この木目模様層4はビヒクルに着
色剤、可塑剤等を添加したインキ又は塗料を用いて形成
される。上記ビヒクルとしては、ポリ塩化ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ニトロセルロ
ース、アミノアルキッド樹脂、ブチラール樹脂、ニトロ
セルロース、アセチルセルロース、エチルセルロース、
ベンジルセルロース等のセルロース誘導体、フェノール
系樹脂、尿素系樹脂、フタル酸系樹脂、マレイン酸系樹
脂、メラミン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、エポキシ系樹脂、シリコン
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、その他の合成樹脂類、或いは塩化ゴム、
環化ゴム、合成ゴム等のゴム誘導体等を使用することが
できる。また紫外線硬化剤を添加して紫外線硬化型とし
た樹脂を用いることもできる。
【0021】木目模様層4の印刷方法としてはグラビア
印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等が採用で
きる。
【0022】光輝性熱可塑性樹脂基材2の有する光輝性
は、照り外観を現出させるための要素となるもので、光
輝性熱可塑性樹脂基材2は、熱可塑性樹脂に光輝性顔料
を練り混んで形成されている。
【0023】光輝性熱可塑性樹脂基材2に使用する熱可
塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリフッ化
ビニル、ポリビニルブチラール、ポリフッ化ビニリデン
等のビニル重合体、ポリスチレン、アクリルスチレン、
ABS等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸エチル、
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル等のア
クリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン等のオレフィン系樹脂、酢酸セルロース、ニ
トロセルロース等のセルロース誘導体、ナイロン6、ナ
イロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート
共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレ
ート等のポリエステル樹脂、ブタジエン、クロロプレン
ゴム等のゴム系樹脂、ビニロン、ポリビニルアルコール
等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート等
が使用できる。
【0024】光輝性熱可塑性樹脂基材2に使用する光輝
性顔料としては、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉等の金
属粉や金属片や金属蒸着合成樹脂フィルムの裁断片等の
金属光沢を有する顔料、二酸化チタン被覆雲母等の雲母
顔料、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢
を有する顔料が使用できる。
【0025】光輝性熱可塑性樹脂基材2の厚さは20〜
200μm程度であるが、好ましくは50〜100μm
である。また光輝性熱可塑性樹脂基材2は必要に応じて
着色を施したものであってもよい。この着色を施せば、
化粧材全体の色調の調整ができる他、化粧材を他の基材
に貼合わせて使用する場合に基材の色、汚れ、傷等を隠
蔽することができる。
【0026】凹条溝3は照り外観を現出させるためのも
う一つの要素となるもので、特に見る角度によって移動
して視認される照りを現出する役割を果たす凹凸模様で
ある。即ち凹条溝3は、図3に示すように平面パターン
が、平行曲線群14のパターン(図3(a) 、(c) 、(d)
及び(e))または平行曲線群14と平行直線群15を適宜
組合わせてなる線群のパターン(図3(b))、若しくは正
弦波の如き波状曲線を多数平行に並べた曲線群 (図3
(e))からなるものである。しかもその線群のパターンは
いずれも断面形状が、図4に示すように凸部16の幅:
1 と凹部17の幅:d2 が1〜1000μm、深さ
(高さ):d3 が1〜100μmである凹凸形状をなす
ものである。上記波状曲線の平行曲線群としては正弦
波、サイクロイド曲線、円弧の曲線単位を連結したもの
を複数本互いに平行移動して配列したものが代表例であ
る。図3(d) に図示の線群パターンは輪郭線にて囲まれ
た各領域内にそれぞれの平行曲線群を有する線群の集合
体であり且つ該輪郭線及び平行曲線群の形状又は線方向
が各輪郭線領域毎に異なるよう構成されたパターン例で
ある。特に図3(c) 及び(d) に例示の如き構成からなる
線群パターンによれば、照り部分が塊状或いは渦巻状に
なって分散して現出する所謂、杢(もく)調の如き照り
外観が得られる。また、図3(f) に示すように、節穴部
分の周囲を走行する流線状曲線群凹上溝であって、その
流線状曲線群21が、節穴形状22と同じ横断面形状の
柱状物体を、該柱状物体の長軸と直交する方向の平面内
にのみ速度ベクトルをもつ2次元流の中に浸漬した場合
の周囲の流線群となるように選んだ場合、または、図3
(g) に示すように、流線状曲線群21が、水槽や、風洞
実験を行い、流れを公知の方法で可視化して写真撮影す
るか、または、ナビエ・ストークス方程式や複素速度ポ
テンシャル等を用いて数値計算した結果を、X−Yプロ
ッター等でグラフ化したものなども用いることができ
る。
【0027】凹条溝3において、凸部及び凹部の幅が1
000μmを越える場合は、各平行線群が1本1本の線
が識別できる程度に目立って幾何学的な風合いとなり、
天然木目の照り再現には不向きである。上記の幅d1
2 が明瞭でリアル感のある照りを現出し易い点から5
〜100μmであることがより好ましい。また凹部の深
さは通常1〜100μm程度であり、より好ましくは5
〜25μmである。更に凹部の深さは単一なものではな
く、区画した各領域毎に深さを適宜配分して規則的(段
階的)に異ならしめることにより、該領域によって照り
感が微妙に変化する照り外観を現出させることができ
る。
【0028】凹条溝3は従来公知のエンボス加工方法に
より形成される。具体的には、例えばフォトエッチング
法によって形成した凹凸模様を有するエンボス版(ロー
ル形態のものでもよい)を使用し、該エンボス版に、木
目模様層4を設けた光輝性熱可塑性樹脂基材2の、木目
模様層4を設けてある側を加熱、加圧下で当接させるこ
とにより該光輝性熱可塑性樹脂基材2の表面に凹条溝3
を形成することができる。
【0029】凹条溝3と上記木目模様層4とを適宜組合
わせて形成することにより所望の照りが発する木目に近
似した外観を現出させることができる。特に柾目木目板
の照り外観を再現するためには、図5に示すように木目
模様層4の木目の流れ方向と、凹条溝3のウェーブ状曲
線の流れ方向(図中矢印方向)とが略直行するように設
けると良い。
【0030】エンボス凹部8は、本発明において、更に
美麗でリアル感に富む木目外観を有する化粧材とするた
め、図2に示すように、化粧材1の表面に、天然木表面
に存在する凹凸形状を模したエンボス加工により設ける
こともでき、通常、艶消し微小凹凸層7と同時に設けら
れる。図6は上記エンボス凹部8を設けない例である。
該凹部8としては、天然木板の表面から型取りした微細
凹凸模様のほか、ヘアライン等の凹凸模様を再現させた
もの等が挙げられる。また本発明においては、図8に示
すように、上記エンボス凹部8の中に、ワイピングイン
キ19を充填することもできる。
【0031】模様層10は、マット(低光沢度)部分が
グロス(高光沢度)部分に対して窪んで見える、所謂グ
ロスマット効果を現出させるために、艶消し透明塗膜層
9および艶消し微小凹凸層7よりも低光沢度の艶消しイ
ンキを用いてグラビア印刷等の方法で印刷形成される。
【0032】模様層10の模様を、例えば木目導管模様
とした場合は、上記の艶消し透明塗膜層9による光沢
(艶)と艶消しインキの模様層10との組合わせによっ
て見かけ上木目導管模様が窪んで見え、天然木に極めて
似た繊維状微細凹凸表面を再現した自然な木目感が得ら
れる。この効果を確実に得るため、艶消し透明塗膜層
9、導管模様層10における表面光沢度は5〜90°程
度相違するように構成することが望ましい。
【0033】模様層10を構成する艶消しインキは、例
えば艶消し透明塗膜層9に用いたインキと同様のビヒク
ルに艶消し剤を添加したものを使用することができる。
艶消し剤としては例えば、粒径が0.1〜10μm程度
の炭酸カルシウム、沈降性炭酸バリウム、シリカ、タル
ク、クレイ、ガラスバルーン等の粉末が挙げられる。艶
消し剤の好ましい添加量はインキ100重量部当たり1
〜20重量部程度である。
【0034】模様層10の印刷に用いるインキは無色透
明であっても着色してあってもよく、印刷に用いるイン
キが無色透明のときは、図7に示すように、上記模様層
10の下層の上記導管模様に相応する位置に、更にもう
一層、黒または茶褐色系のインキで模様層18を設け
る。このとき下層に設けられる方の模様層18は、図7
(a) に示すように、その上層の模様層10の下面に接し
ていても、また図7(b)に示すように、艶消し透明塗膜
層9の中に埋没していてもよい。
【0035】また模様層10および艶消し透明塗膜層9
の両層は化粧材1において最表層部分となるが、艶消し
微小凹凸層を透明合成樹脂基材6の表面に設ける場合
は、艶消し透明塗膜層9と模様層10とはいずれも硬化
型樹脂をビヒクルとしたインキにて構成することができ
るので、その場合、化粧材1の表面は耐磨耗性に優れて
いる。
【0036】透明接着剤層5は公知のドライラミネート
法に適用される透明な接着剤にて構成されるもので、透
明接着剤を凹凸模様5を形成した後の光輝性熱可塑性樹
脂基材2側か或いは透明合成樹脂基材6側に塗布し、乾
燥させた後、光輝性熱可塑性樹脂基2と透明合成樹脂基
材6を重ね合わせ圧着して積層一体化させるものであ
る。透明接着剤としては公知の接着剤を用いることがで
き、例えば酢ビ系等のエマルジョン、アクリル系、ウレ
タン系等の接着剤が使用できる。ドライラミネート法に
て上記両シートの積層一体化を図った場合、エンボス加
工により凹条溝3が消失することがない。
【0037】本発明において、艶消し微小凹凸層7は、
図9(a) に示すように、艶消し透明塗膜層9の表面に設
けられていてもよい。艶消し微小凹凸層7を艶消し透明
塗膜層9の表面に設ける場合は、透明合成樹脂基材6の
表面に艶消し塗膜層9を印刷積層した後、エンボス加工
などによって形成する方法を用いればよい。艶消し微小
凹凸層を、艶消し透明塗膜層9の表面に設ける場合に
は、加工適性上、熱可塑性樹脂をビヒクルとしたインキ
を用いることが好ましい。
【0038】また本発明において、艶消し微小凹凸層7
は、図9(b) に示すように、透明合成樹脂基材6の表面
と艶消し透明塗膜層9の表面の両方に設けられていても
よい。艶消し微小凹凸層7を透明合成樹脂基材6の表面
と艶消し透明塗膜層9の表面の両方に設ける場合は、透
明合成樹脂基材6の表面にエンボス加工などによって艶
消し微小凹凸層7を形成した後、該艶消し微小凹凸層7
の表面に艶消し塗膜層9を印刷積層し、その後該艶消し
塗膜層9の表面に、再度上記該艶消し微小凹凸層7をエ
ンボス加工などによって形成する方法を用いればよい。
【0039】本発明はまた、光輝性熱可塑性樹脂基材2
の代わりに、図10に示すように、樹脂基材11の表面
に光輝性顔料を練り混んだ光輝性シート12を設けたも
のを用いてもよく、光輝性シート12に使用する熱可塑
性樹脂としては、上記光輝性熱可塑性樹脂基材2に用い
た樹脂を用いることができる。また、光輝性シート12
に使用する光輝性顔料としては、上記光輝性熱可塑性樹
脂基材2に用いた光輝性顔料を用いることができる。
【0040】本発明はまた、光輝性熱可塑性樹脂基材2
の代わりに、図11(a)(b)(c) に示すように、樹脂基
材11の表面に光輝性インキ印刷層13を設けたものを
用いてもよい。該光輝性インキ印刷層13は、図11
(a) に示すように、樹脂基材11の表面の全面に設けて
もよく、または、図11(b) に示すように、天然木目板
の照り(光沢)のある部分に対応する部分の集合体から
なる絵柄を上記樹脂基材11の表面の任意の位置に設け
てもよい。また、図11(c) に示すように、上記絵柄を
上記樹脂基材11の表面に、上記木目模様層4の木目模
様に沿った形で設けることもでき、上記絵柄からなる光
輝性インキ印刷層13を、上記樹脂基材11の表面に、
上記木目模様層4の木目模様に沿った形で設けた場合
は、柾目の木目模様だけでなく、板目の木目模様の照り
外観をも忠実に再現することができる。上記樹脂基材1
1に使用する樹脂としては、上記光輝性熱可塑性樹脂基
材2に用いた樹脂を用いることができる。
【0041】光輝性インキ印刷層13を構成する光輝性
インキとしては、公知のビヒクルに上記の光輝性熱可塑
性樹脂基材2に使用するものと同じ光輝性顔料を含有さ
せたインキが用いられ、耐酸性、耐アルカリ性等の化学
的安定性の点で特に雲母顔料を含有するものが好まし
い。
【0042】光輝性インキ印刷層13に使用する光輝性
顔料としては、上記光輝性熱可塑性樹脂基材2に用いた
光輝性顔料を用いることができる。
【0043】光輝性インキ印刷層13を樹脂基材11に
形成するに当たってはグラビア印刷、フレキソ印刷、シ
ルクスクリーン印刷等の印刷法が採用できる。上記光輝
性インキ印刷層13が、天然木目板の照り(光沢)のあ
る部分に対応する部分の集合体からなる絵柄である場合
は、印刷に使用する版としては、天然木板を写真撮影す
る時の光源の角度や強さの調節を行ったり、写真フィル
ム上で不要部を修正除去したりして製版されたものが用
いられる。
【0044】また本発明において、凹条溝3は、図12
に示すように、透明合成樹脂基材6の裏面側に設けられ
ていてもよい。
【0045】本発明はまた、図13に示すように、表面
に艶消し微小凹凸層7とエンボス凹部8とを形成し、該
艶消し微小凹凸層7とエンボス凹部8の表面に艶消し透
明塗膜層9を形成し、該艶消し透明塗膜層9の表面に導
管模様層10を形成し、裏面側に木目模様層4および凹
条溝3を形成した透明合成樹脂基材6の裏面側に光輝性
樹脂層20を積層することもできる。該光輝性樹脂層2
0に使用される樹脂および光輝性顔料としては上記光輝
性熱可塑性樹脂基材に用いたものと同様のものを用いる
ことができる。
【0046】本発明において、木目模様層4は、図14
(a) に示すように、透明合成樹脂基材6の裏面に設けら
れていてもよく、或いは、図14(b) に示すように、光
輝性熱可塑性樹脂基材2の代わりに用いられる、表面に
光輝性シート12を設けた樹脂基材11の該光輝性シー
ト12の表面かもしくは光輝性熱可塑性樹脂基材2の代
わりに用いられる、表面に光輝性インキ印刷層13を設
けた樹脂基材11の該光輝性インキ印刷層13の表面に
設けられていてもよい。また、図14(c) に示すよう
に、上記光輝性インキ印刷層12とともに上記樹脂基材
11の表面に設けられていてもよい。
【0047】本発明化粧材1を製造するに当たっては、
光輝性熱可塑性樹脂基材2に凹条溝3及び木目模様層4
を形成し、一方透明合成樹脂基材6に艶消し微小凹凸層
7、エンボス凹部8、艶消し透明塗膜層9および導管模
様層10を形成した後、上記基材2と上記シート6をド
ライラミネートして積層一体化させる。また凹条溝3
を、光輝性熱可塑性樹脂基材2に各印刷層を形成した後
にエンボス加工すると、エンボス版の欠点、柄パターン
の継ぎ跡等が目立ちにくくなる。更に本発明の化粧材の
構成は、以上に説明したものの他に、例えば図15に示
すような、着色樹脂基材シート24の表面に木目模様層
4が形成され、上記着色樹脂基材シート24の表面の木
目模様層4の側に透明合成樹脂基材6が設けられ、該透
明合成樹脂基材6の表面に艶消し透明塗膜層9が設けら
れ、該艶消し透明塗膜層9の表面に微小凹凸層7及びエ
ンボス凹部8が設けられている通常の人工木目化粧シー
トのような各種公知の化粧シートの構成を適用すること
ができる。
【0048】化粧材1は、光輝性熱可塑性樹脂基材2側
を下側にして合板等に接着することにより美麗な化粧合
板を得ることができる。化粧材1を貼着させ得る基材と
しては通常、化粧材の基材として使用するものであれば
如何なるものでもよい。その具体例としては、薄葉紙、
晒クラフト紙、チタン紙、リターン紙、板紙、石膏ボー
ド紙等の紙類、木、合板、パーチクルボード等の木質基
材、石膏ボード、石膏スラグボード等の石膏系基材、鉄
板、亜鉛メッキ鋼板、銅板、アルミニウム板等の金属板
等が挙げられる。
【0049】次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。実施例1 厚さ0.1mm、の透明な半硬質塩化ビニルシート(理研
ビニル製)の表面に、導管模様エンボス凹部以外の平坦
部の光沢が、JIS−Z−8741の60°法で30で
あるところの導管模様木目エンボス版ロールを用いて、
加熱ドラム温度170℃、エンボスロール温度60℃、
シート送り速度10m/min の条件でエンボス加工を施
し、微小エンボス凹凸とエンボス凹部とを同時に形成
し、その上にJIS−Z−8741の60°法の光沢度
が30の高光沢艶消し透明インキ(2液硬化型・ポリウ
レタン)(昭和インク製)を用いて全面ベタ印刷を施
し、更に木目導管溝の柄版で艶消しの黒褐色印刷インキ
(導管インキ・低光沢・JIS−Z−8741の60°
法光沢度=13)(昭和インク製)で着色導管溝柄を、
グラビア印刷法により印刷した。
【0050】一方、厚さ0.13mmの着色塩化ビニルシ
ート(理研ビニル製)の表面に、木目板の照り部分を抽
出して製版した版で10μmの膜厚で酸化チタン被覆雲
母粉(平均粒径17μm)を含むパールインキ「化Xパ
ール」(昭和インク製)により光輝性インキ印刷絵柄を
形成し、更にこの上に印刷インキ「化X」(昭和インク
製)で、光輝性インキ印刷絵柄に同調した木目模様を、
グラビア印刷法により印刷し、得られたシートの印刷面
の上から、正弦波からなる平行曲線群万線条溝を有する
エンボスロールを用い、加熱ドラム温度165℃、エン
ボスロール温度60℃、シート送り速度10m/min の
条件でエンボス加工を施し、凹凸模様を形成した。該凹
凸模様は、シート送り方向をy軸、その幅方向をx軸と
したとき、y=30sin(πx/25)(但し単位は
mm)の関係式で表される曲線を基本曲線とし、これをy
軸方向に50μm間隔で複数平行させて配列してなり、
且つ凸部及び凹部の幅が共に50μm、深さ20μmの
線群パターンからなるものである。
【0051】上記の2つのシートを、透明塩化ビニール
シート面(印刷なし面)と凹条溝面とが対向するように
してドライラミネート法(接着剤…2液型ウレタン系の
透明接着剤、接着剤塗布量…12μm/dry )により貼
合して化粧材を得た。
【0052】実施例2 艶消し微小凹凸層とエンボス凹部を同時に設ける加工
を、塩ビシート上に高光沢性艶消し透明インキをベタ印
刷した後に行うことを除いては、実施例1と同様にして
化粧材を形成した。
【0053】実施例3 艶消し微小凹凸層とエンボス凹部を同時に設ける加工
を、塩ビシート上に高光沢性艶消し透明インキをベタ印
刷した後にも行うことを除いては、実施例1と同様にし
て化粧材を形成した。
【0054】比較例1 実施例1の、導管模様エンボス凹部以外の平坦部の光沢
度が、JIS−Z−8741の60°法で95である導
管模様木目エンボスロールを用いた以外は、実施例1と
同様にして化粧材を形成した。
【0055】比較例2 艶消し微小凹凸層とエンボス凹部を同時に設ける加工
を、塩ビシート上に高光沢性艶消し透明インキをベタ印
刷した後に行うことを除いては、比較例1と同様にして
化粧材を形成した。
【0056】比較例3 艶消し微小凹凸層とエンボス凹部を同時に設ける加工
を、塩ビシート上に高光沢性艶消し透明インキをベタ印
刷した後にも行うことを除いては、比較例1と同様にし
て化粧材を形成した。
【0057】実施例1と比較例1、実施例2と比較例
2、実施例3と比較例3を、おのおの同条件でベニヤ合
板に接着、貼り合せを行い、鋸で定寸に切断したのち壁
面に施工したところ、いずれにも工程中に同量だけ擦り
傷、塗膜の剥離が発生したが、外観上は実施例1、2、
3は、それぞれ比較例1、2、3に比べ、格段に欠点が
目立たなかった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧材は
上記の構成を有するので下記のような効果を有する。 (1) 少なくとも基材の表面に、艶消し剤粒子を含有する
艶消し透明塗膜層と、上記艶消し透明塗膜層の表面、又
は/及び上記基材の表面に賦型された艶消し微小凹凸層
とを有し、該艶消し透明塗膜自体の光沢度と、該艶消し
微小凹凸層自体の光沢度とを一致させているので、加工
メーカーでの基材とのラミネート等各部材製造工程、建
設現場等の施工時、各搬送工程等において発生する表面
塗膜の擦り傷や塗膜剥離等の外観欠陥、および上記の理
由による傷や、化粧材表面の汚れを有機溶剤で拭き取っ
た時の溶解や膨潤、及び日光照射等の加熱や経時変化等
による最表面のエンボス凹部の消失による外観変化を視
覚的に目立たなくする効果を具有する。また艶消し微小
凹凸層の存在により、単に艶消し透明塗膜層を塗工した
のみで上記凹凸層がない場合に比べ、鏡面反射の条件
(入射角=反射角)を満たす条件においても、表面に光
沢が発生することもなく、光源、入射光、観察者の観察
方向の広い範囲にわたって均一な艶消しを得ることがで
きる。
【0059】(2) 上記(1) の化粧材において、表面に、
凹部の幅、凸部の幅、および深さが1〜100μmの平
行曲線群もしくは平行曲線群と平行直線群との組み合わ
せ線群からなる凹条溝を形成してなる光輝性熱可塑性樹
脂基材と、該基材の凹条溝側上に積層された透明合成樹
脂基材と、該熱可塑性樹脂基材の凹条溝上、または上記
透明合成樹脂基材の、上記熱可塑性樹脂基材と対向する
側のいずれかの表面に設けられた木目模様層とからな
り、かつ上記透明合成樹脂基材と光輝性熱可塑性樹脂基
材とが透明接着剤層を介して積層一体化されており、更
に上記透明合成樹脂基材の表面に艶消し透明塗膜層が設
けられ、上記透明合成樹脂基材の表面、又は/及び上記
艶消し透明塗膜層の表面に、艶消し微小凹凸層を形成し
た場合は、外観欠陥や外観変化を視覚的に目立たなくす
る効果を具有するとともに、天然木に近い立体感、照
り、および該照りの移動効果を有する。
【0060】(3) 上記(1) の化粧材において、透明合成
樹脂基材の裏面側に平行曲線群若しくは平行曲線群と平
行直線群を組み合わせた線群のパターンからなる凹条溝
および木目模様層が形成され、その裏面に光輝性樹脂層
を積層してなり、かつ該透明合成樹脂基材の表面に艶消
し透明塗膜層が設けられ、上記透明合成樹脂基材か艶消
し透明塗膜層かのいずれかの表面に、艶消し微小凹凸層
を形成した場合は、外観欠陥や外観変化を視覚的に目立
たなくする効果を具有するとともに、凹条溝と艶消し微
小凹凸層を、透明合成樹脂基材の表裏面に同時に一度に
設けることができるので、工程が簡略になるという効
果、および天然木に近い立体感、照り、および該照りの
移動効果を有する。
【0061】(4) 上記(1) の化粧材において、艶消し透
明塗膜層および艶消し微小凹凸層上に、該両層よりも低
光沢度のインキからなる模様層を形成した場合は、外観
欠陥や外観変化を視覚的に目立たなくする効果を具有す
るとともに、該模様層が窪んで見える所謂、グロスマッ
ト効果が得られ、立体感が得られる効果を有する。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化粧材の実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明化粧材の別の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図3】凹条溝の線群パターンの代表例を示す平面図で
ある。
【図4】凹条溝の一部断面略図である。
【図5】木目模様と凹凸模様の関係を表す平面図であ
る。
【図6】本発明化粧材の表面にエンボス凹部を設けない
例を示す化粧材の要部縦断面図である。
【図7】模様層の態様を示す化粧材の要部縦断面図であ
る。
【図8】模様層表面にエンボス凹部を設け、該エンボス
凹部の中にワイピングインキを充填した例を示す化粧材
の要部縦断面図である。
【図9】艶消し微小凹凸層の設けられる部位の態様を示
す化粧材の要部縦断面図である。
【図10】光輝性熱可塑性樹脂基材のかわりに樹脂基材
と光輝性シートを用いる例を示す化粧材の要部縦断面図
である。
【図11】光輝性熱可塑性樹脂基材のかわりに表面に光
輝性インキ印刷層を設けた樹脂基材を用いる例を示す化
粧材の要部縦断面図である。
【図12】木目模様層を設ける部位の別の例を示す化粧
材の要部縦断面図である。
【図13】光輝性熱可塑性樹脂基材のかわりに光輝性樹
脂層を設ける例を示す化粧材の縦断面図である。
【図14】凹条溝を設ける部位の態様を示す化粧材の要
部縦断面図である。
【図15】本発明化粧材の構成が適用できる例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 化粧材 2 光輝性熱可塑性樹脂基材 3 凹条溝 4 木目模様層 5 透明接着剤層 6 透明合成樹脂基材 7 艶消し微小凹凸層 8 エンボス凹部 9 艶消し透明塗膜層 10 模様層 23 基材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材の表面に、艶消し剤粒子
    を含有する艶消し透明塗膜層と、上記艶消し透明塗膜層
    の表面、又は/及び上記基材の表面に賦型された艶消し
    微小凹凸層とを有する化粧材において、上記艶消し透明
    塗膜層自体の光沢度と、上記艶消し微小凹凸層自体の光
    沢度とを一致させてなることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】 表面に、凹部の幅、凸部の幅、および深
    さが1〜1000μmの平行曲線群もしくは平行曲線群
    と平行直線群との組み合わせ線群からなる凹条溝を形成
    してなる光輝性熱可塑性樹脂基材と、該基材の凹条溝側
    上に積層された透明合成樹脂基材と、上記熱可塑性樹脂
    基材の凹条溝上、または上記透明合成樹脂基材の、上記
    熱可塑性樹脂基材と対向する側のいずれかの表面に設け
    られた木目模様層とからなり、かつ上記透明合成樹脂基
    材と光輝性熱可塑性樹脂基材とが透明接着剤層を介して
    積層一体化されており、更に上記透明合成樹脂基材の表
    面に艶消し透明塗膜層が設けられ、上記透明合成樹脂基
    材の表面、又は/及び上記艶消し透明塗膜層の表面に、
    艶消し微小凹凸層が形成されてなる請求項1記載の化粧
    材。
  3. 【請求項3】 透明合成樹脂基材の裏面側に平行曲線群
    若しくは平行曲線群と平行直線群を組み合わせた線群の
    パターンからなる凹条溝および木目模様層が形成され、
    その裏面に光輝性樹脂層を積層してなり、かつ上記透明
    合成樹脂基材の表面に艶消し透明塗膜層が設けられ、上
    記透明合成樹脂基材の表面、又は/及び上記艶消し透明
    塗膜層の表面に、艶消し微小凹凸層が形成されてなる請
    求項1記載の化粧材。
  4. 【請求項4】 艶消し透明塗膜層および艶消し微小凹凸
    層上に、該両層よりも低光沢度のインキからなる模様層
    を形成してなる請求項1〜3記載の化粧材。
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