JPH0654621B2 - 架空送電線用避雷碍子装置 - Google Patents
架空送電線用避雷碍子装置Info
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- JPH0654621B2 JPH0654621B2 JP6981287A JP6981287A JPH0654621B2 JP H0654621 B2 JPH0654621 B2 JP H0654621B2 JP 6981287 A JP6981287 A JP 6981287A JP 6981287 A JP6981287 A JP 6981287A JP H0654621 B2 JPH0654621 B2 JP H0654621B2
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- Insulators (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は懸垂碍子装置あるいは耐張碍子装置、V吊碍子
装置等の架空送電線用避雷碍子装置に関するものであ
る。
装置等の架空送電線用避雷碍子装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 一般に、送電線路に雷サージ電圧が加わったとき、その
サージ電流を速やかに放電するとともに、その後生じる
続流を遮断し地絡事故を防止する送電線用避雷碍子装置
が提案されている。この避雷碍子装置として従来、第6
図に示すように、鉄塔1の支持アーム2に支持碍子7を
介して送電線10を支持するとともに、電圧−電流特性
が非直線性の酸化亜鉛を主材とする限流素子20を内蔵
した避雷碍子15を支持し、同避雷碍子15の下端部に
取着した接地側の放電電極18と、前記送電線10側に
取着した課電側の放電電極19との間に所定の放電ギャ
ップGを設けた送電線用避雷碍子装置において、 前記支持碍子7の気中絶縁ギャップG0の距離、 つまり絶縁ギャップ長Z0と、前記放電ギャップGの距
離、つまり放電ギャップ長Zとの関係が Z/Z0≦0.5 になるように、前記絶縁ギャップ長、放電ギャップ長を
設定した装置があった。(特開昭60−262312号
公報参照) (発明が解決しようとする問題点) ところが、前記従来の避雷碍子装置においては送電線1
0に雷サージ電圧が印加されたとき、必ずしも前記放電
ギャップGでフラッシオーバさせることができず支持碍
子の気中絶縁ギャップG0でフラッシオーバし、従って、
地絡事故を未然に防止することができなかった。すなわ
ち、66〜77KVの比較的低い送電電圧階級において
は前述した「Z/Z0≦0.5」なる関係で満足のいく結
果がでたが、154KV以上の高電圧階級の送電線路で
は実験の結果、必ずしも放電電極間のギャップでハラッ
シオーバしないことが判明した。
サージ電流を速やかに放電するとともに、その後生じる
続流を遮断し地絡事故を防止する送電線用避雷碍子装置
が提案されている。この避雷碍子装置として従来、第6
図に示すように、鉄塔1の支持アーム2に支持碍子7を
介して送電線10を支持するとともに、電圧−電流特性
が非直線性の酸化亜鉛を主材とする限流素子20を内蔵
した避雷碍子15を支持し、同避雷碍子15の下端部に
取着した接地側の放電電極18と、前記送電線10側に
取着した課電側の放電電極19との間に所定の放電ギャ
ップGを設けた送電線用避雷碍子装置において、 前記支持碍子7の気中絶縁ギャップG0の距離、 つまり絶縁ギャップ長Z0と、前記放電ギャップGの距
離、つまり放電ギャップ長Zとの関係が Z/Z0≦0.5 になるように、前記絶縁ギャップ長、放電ギャップ長を
設定した装置があった。(特開昭60−262312号
公報参照) (発明が解決しようとする問題点) ところが、前記従来の避雷碍子装置においては送電線1
0に雷サージ電圧が印加されたとき、必ずしも前記放電
ギャップGでフラッシオーバさせることができず支持碍
子の気中絶縁ギャップG0でフラッシオーバし、従って、
地絡事故を未然に防止することができなかった。すなわ
ち、66〜77KVの比較的低い送電電圧階級において
は前述した「Z/Z0≦0.5」なる関係で満足のいく結
果がでたが、154KV以上の高電圧階級の送電線路で
は実験の結果、必ずしも放電電極間のギャップでハラッ
シオーバしないことが判明した。
従来は限流素子20を介在させた場合、それにより、放
電ギャップGと限流素子20とを合わせた全体のフラッ
シオーバ電圧は、限流素子20を使用しない場合と比較
して、約2〜3割高くなると考えられていた程度で、し
かも支持碍子7側の絶縁ギャップ長Z0と放電ギャップ長
Zとの寸法上の関係のみを要素としていたので、限流素
子20固有の特性を無視する結果となり、従って、前述
したように放電ギャップGで所望の確率(通常50%確
率)をもってフラッシオーバが生じないと推測される。
電ギャップGと限流素子20とを合わせた全体のフラッ
シオーバ電圧は、限流素子20を使用しない場合と比較
して、約2〜3割高くなると考えられていた程度で、し
かも支持碍子7側の絶縁ギャップ長Z0と放電ギャップ長
Zとの寸法上の関係のみを要素としていたので、限流素
子20固有の特性を無視する結果となり、従って、前述
したように放電ギャップGで所望の確率(通常50%確
率)をもってフラッシオーバが生じないと推測される。
ところで、支持碍子7側の絶縁ギャップG0における雷
インパルスによるフラッシオーバ電圧をVg0とし、限
流素子20と放電ギャップGとを合わせた全体の雷イン
パルスによるフラッシオーバ電圧をVtと仮定すると、 Vg0>Vt の条件を満足する必要があることは、知られていた。安
全度を見て Vg0>1.3Vt にする必要性も実験的に知られていた。
インパルスによるフラッシオーバ電圧をVg0とし、限
流素子20と放電ギャップGとを合わせた全体の雷イン
パルスによるフラッシオーバ電圧をVtと仮定すると、 Vg0>Vt の条件を満足する必要があることは、知られていた。安
全度を見て Vg0>1.3Vt にする必要性も実験的に知られていた。
しかしながら、前記フラッシオーバ電圧Vtが実際はい
かなるものであるかは、解明されていなかった。
かなるものであるかは、解明されていなかった。
従来の避雷碍子装置においては限流素子20を絶縁物と
して把握するか、導体として把握するかしかなく、この
ような前提のもとでは、適正な絶縁設計をすることがで
きないことが確認された。
して把握するか、導体として把握するかしかなく、この
ような前提のもとでは、適正な絶縁設計をすることがで
きないことが確認された。
この発明は上記問題が生じる原因を究明すべく、実験を
行った結果、前記フラッシオーバ電圧Vtがいかなる要
素によるもるであるかが、発見され、この発見に基づい
て成されたものである。
行った結果、前記フラッシオーバ電圧Vtがいかなる要
素によるもるであるかが、発見され、この発見に基づい
て成されたものである。
発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明は前記問題点を解消するため、鉄塔の支持アーム
に支持碍子を介して送電線を支持し、同支持碍子から所
定間隔をもって接地側及び課電側の放電電極を対向配置
し、前記両放電電極のうち少なくとも一方の放電電極側
に電圧−電流特性が非直線性を有する酸化亜鉛を主材と
する限流素子を設け、さらに、前記送電線に雷サージが
侵入した場合その後の続流を遮断する機能を備えた架空
送電線用避雷碍子装置において、 前記支持碍子の気中絶縁ギャップにおける雷インパルス
・フラッシオーバ電圧をVg0とし、前記限流素子の動
作開始電圧をVbとし、前記限流素子を電気的に短絡し
た場合の前記気中放電ギャップにおける雷インパルス・
フラッシオーバ電圧をVgとした場合、 Vg0>Vb+Vg となるように、前記支持碍子の気中絶縁ギャップ長及び
放電電極間の気中放電ギャップ長、限流素子の電気的特
性を設定するという手段を採っている。
に支持碍子を介して送電線を支持し、同支持碍子から所
定間隔をもって接地側及び課電側の放電電極を対向配置
し、前記両放電電極のうち少なくとも一方の放電電極側
に電圧−電流特性が非直線性を有する酸化亜鉛を主材と
する限流素子を設け、さらに、前記送電線に雷サージが
侵入した場合その後の続流を遮断する機能を備えた架空
送電線用避雷碍子装置において、 前記支持碍子の気中絶縁ギャップにおける雷インパルス
・フラッシオーバ電圧をVg0とし、前記限流素子の動
作開始電圧をVbとし、前記限流素子を電気的に短絡し
た場合の前記気中放電ギャップにおける雷インパルス・
フラッシオーバ電圧をVgとした場合、 Vg0>Vb+Vg となるように、前記支持碍子の気中絶縁ギャップ長及び
放電電極間の気中放電ギャップ長、限流素子の電気的特
性を設定するという手段を採っている。
(作用) 今、送電線に雷サージ電圧が印加されると、そのサージ
電流は気中放電ギャップをフラッシオーバして源流素子
へ流れ、支持アームから鉄塔へ至り、大地に放電され
る。このとき、支持碍子側の気中絶縁ギャップの雷サー
ジ・フラッシオーバ電圧Vg0が、限流素子の動作開始
電圧Vbと素子を短絡して得られる直列気中放電ギャッ
プのみの雷サージ・フラッシオーバ電圧Vgを加えた電
圧Vtよりも大きいので、雷サージ電流は気中絶縁ギャ
ップではフラッシオーバしないで、放電ギャップで確実
にフラッシオーバする。この結果、避雷碍子装置の雷サ
ージ電流処理に対する信頼性が高まり、かつ合理的な設
計によって鉄塔の小型化が図られる。
電流は気中放電ギャップをフラッシオーバして源流素子
へ流れ、支持アームから鉄塔へ至り、大地に放電され
る。このとき、支持碍子側の気中絶縁ギャップの雷サー
ジ・フラッシオーバ電圧Vg0が、限流素子の動作開始
電圧Vbと素子を短絡して得られる直列気中放電ギャッ
プのみの雷サージ・フラッシオーバ電圧Vgを加えた電
圧Vtよりも大きいので、雷サージ電流は気中絶縁ギャ
ップではフラッシオーバしないで、放電ギャップで確実
にフラッシオーバする。この結果、避雷碍子装置の雷サ
ージ電流処理に対する信頼性が高まり、かつ合理的な設
計によって鉄塔の小型化が図られる。
(実施例) 以下、この発明を具体化した一実施例を第1図〜第5図
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
第5図に示すように、鉄塔に接着した支持アーム2の先
端部には連結金具3が固着され、同連結金具3にはUク
レビスリンク4及びホーン取付金具5を介して懸垂碍子
6を直列に連結してなる支持碍子7が路線方向及び同直
交方向へ揺動可能に支持されている。前記支持碍子7の
下端部のホーン取付金具8には連結リンク9及び電線ク
ランプ11を介して送電線10が支持されている。前記
ホーン取付金具5,8には、支持碍子7の沿面閃絡の損
傷を軽減するためのアーキングホーン12,13が装着
され、両アーキングホーンの間に所定の気中絶縁ギャッ
プG0(絶縁ギャップ長Z0)を設けている。
端部には連結金具3が固着され、同連結金具3にはUク
レビスリンク4及びホーン取付金具5を介して懸垂碍子
6を直列に連結してなる支持碍子7が路線方向及び同直
交方向へ揺動可能に支持されている。前記支持碍子7の
下端部のホーン取付金具8には連結リンク9及び電線ク
ランプ11を介して送電線10が支持されている。前記
ホーン取付金具5,8には、支持碍子7の沿面閃絡の損
傷を軽減するためのアーキングホーン12,13が装着
され、両アーキングホーンの間に所定の気中絶縁ギャッ
プG0(絶縁ギャップ長Z0)を設けている。
前記支持アーム2の先端部には導体よりなる取付ブラケ
ット14がボルトにより横方向に固定され、同ブラケッ
ト14の先端部には避雷碍子15がその接地側の電極金
具16をもってボルトにより垂下固定されている。又、
避雷碍子15下端部の課電側の電極金具17には、ホー
ン状をなす接地側の放電電極18が支持されている。
ット14がボルトにより横方向に固定され、同ブラケッ
ト14の先端部には避雷碍子15がその接地側の電極金
具16をもってボルトにより垂下固定されている。又、
避雷碍子15下端部の課電側の電極金具17には、ホー
ン状をなす接地側の放電電極18が支持されている。
一方、前記ホーン取付金具8にはほぼ路線方向にホーン
状をなす課電側の放電電極19がボルトにより片持ち支
持され、同放電電極19と前記放電電極18との間には
所定の気中放電ギャップG(放電ギャップ長Z)が設け
られている。
状をなす課電側の放電電極19がボルトにより片持ち支
持され、同放電電極19と前記放電電極18との間には
所定の気中放電ギャップG(放電ギャップ長Z)が設け
られている。
前記避雷碍子15は、FRP等の耐張材料により円筒状
に形成された耐圧絶縁筒(図示略)と、その内部に収容
された電圧−電流特性が非直線性の酸化亜鉛(ZnO)
を主材とする限流素子20と、前記耐圧絶縁筒の両端部
に嵌合固定したキャップ状をなす課電側及び接地側の前
記電極金具17,16と、さらに耐圧絶縁筒の外周に設
けたゴムモールド21とにより形成されている。なお、
前記避雷碍子15の両電極金具17,16にはゴムモー
ルド21の沿面閃絡時の損傷を軽減するためのアーキン
グリング(図示略)が設けられている。
に形成された耐圧絶縁筒(図示略)と、その内部に収容
された電圧−電流特性が非直線性の酸化亜鉛(ZnO)
を主材とする限流素子20と、前記耐圧絶縁筒の両端部
に嵌合固定したキャップ状をなす課電側及び接地側の前
記電極金具17,16と、さらに耐圧絶縁筒の外周に設
けたゴムモールド21とにより形成されている。なお、
前記避雷碍子15の両電極金具17,16にはゴムモー
ルド21の沿面閃絡時の損傷を軽減するためのアーキン
グリング(図示略)が設けられている。
ここで、本発明の避雷碍子装置が創作されるに至った経
緯について説明する。
緯について説明する。
前記支持碍子7の気中絶縁ギャップ長G0と、雷インパ
ルスによるフラッシオーバ電圧Vg0との関係は、第2
図に示すように絶縁ギャップ長Z0が増大するほど前記
フラッシオーバ電圧Vg0が直線的に増加することは従
来知られている。
ルスによるフラッシオーバ電圧Vg0との関係は、第2
図に示すように絶縁ギャップ長Z0が増大するほど前記
フラッシオーバ電圧Vg0が直線的に増加することは従
来知られている。
又、第3図に示すように限流素子20を短絡した状態に
おける前記両放電電極18,19の放電ギャップ長Z
と、放電ギャップG間の雷インパルス・フラッシオーバ
電圧Vgとの関係をみた場合、放電ギャップ長Zが増加
すると、前記フラッシオーバ電圧Vgも比例して直線的
に増加することも従来知られている。
おける前記両放電電極18,19の放電ギャップ長Z
と、放電ギャップG間の雷インパルス・フラッシオーバ
電圧Vgとの関係をみた場合、放電ギャップ長Zが増加
すると、前記フラッシオーバ電圧Vgも比例して直線的
に増加することも従来知られている。
さらに、限流素子20を単独でみた場合、その素子20
に流れる電流Ibと、同素子20の動作開始電圧Vb
(雷インパルスに関係なく個々の限流素子20により決
定される電圧)との関係を示すと、第4図に示すよう
に、電流Ibが一定の領域、例えば1mmA〜20mmAの
第一のターニング領域を越えると数10A〜数KAの第
二のターニング領域の大電流域までは、前記動作開始電
圧Vbがほぼ一定となり、さらに電流Ibが第二のター
ニング領域を越えると再びこの電圧Vbが増大すること
も従来知られていることである。
に流れる電流Ibと、同素子20の動作開始電圧Vb
(雷インパルスに関係なく個々の限流素子20により決
定される電圧)との関係を示すと、第4図に示すよう
に、電流Ibが一定の領域、例えば1mmA〜20mmAの
第一のターニング領域を越えると数10A〜数KAの第
二のターニング領域の大電流域までは、前記動作開始電
圧Vbがほぼ一定となり、さらに電流Ibが第二のター
ニング領域を越えると再びこの電圧Vbが増大すること
も従来知られていることである。
しかしながら、前述した第2図〜第4図に示す三つの法
則の間には、実際の避雷碍子装置においてそれらがいか
なる関係にあるかは、全く究明されていなかった。
則の間には、実際の避雷碍子装置においてそれらがいか
なる関係にあるかは、全く究明されていなかった。
そこで、放電ギャップGをもつ限流素子20側の全体の
雷インパルス・フラッシオーバ電圧Vtはどのように決
定されるのかを把握するために、実験してみたところ、
第1図に示すデータを得た。このグラフから放電ギャッ
プ長Zを大きくすると全体の雷インパルス・フラッシオ
ーバ電圧Vtが直線的に増大することが判明した。
雷インパルス・フラッシオーバ電圧Vtはどのように決
定されるのかを把握するために、実験してみたところ、
第1図に示すデータを得た。このグラフから放電ギャッ
プ長Zを大きくすると全体の雷インパルス・フラッシオ
ーバ電圧Vtが直線的に増大することが判明した。
従来においても放電ギャップ長Zを増加していくと、前
記電圧Vtが増加するだろうと推測することは可能であ
ったが、本発明ではこれが実際にどのように増加するか
を実験的に検証して、そのなかに重要な法則が存在する
ことに想到して創作されたのである。すなわち、第1図
のグラフに示す事実は、動作開始電圧Vbがほぼ一定の
領域においては、この動作開始電圧Vbに対し放電ギャ
ップGの雷インパルス・フラッシオーバ電圧Vgを加え
たものが全体の雷インパルス・フラッシオーバ電圧Vt
とほぼ等しいという法則を発見したのである。
記電圧Vtが増加するだろうと推測することは可能であ
ったが、本発明ではこれが実際にどのように増加するか
を実験的に検証して、そのなかに重要な法則が存在する
ことに想到して創作されたのである。すなわち、第1図
のグラフに示す事実は、動作開始電圧Vbがほぼ一定の
領域においては、この動作開始電圧Vbに対し放電ギャ
ップGの雷インパルス・フラッシオーバ電圧Vgを加え
たものが全体の雷インパルス・フラッシオーバ電圧Vt
とほぼ等しいという法則を発見したのである。
そこで、本願発明者等は以上の実験検証の結果発見した
法則をもとに、限流素子20それ自体の前記動作開始電
圧Vbに対し放電ギャップGでの雷インパルス・フラッ
シオーバ電圧Vgを加えた電圧より、支持碍子7側の雷
インパルス・フラッシオーバ電圧Vg0を大きくすれ
ば、すなわち、 Vg0>Vb+Vg なる関係が成立するように、放電ギャップ長Z、絶縁ギ
ャップ長Z0を設定すれば、実際の装柱状態において、
雷サージ電流が装置に侵入した場合、放電ギャップGで
所定の確率で確実にフラッシオーバさせることが可能で
あることに想到したのである。
法則をもとに、限流素子20それ自体の前記動作開始電
圧Vbに対し放電ギャップGでの雷インパルス・フラッ
シオーバ電圧Vgを加えた電圧より、支持碍子7側の雷
インパルス・フラッシオーバ電圧Vg0を大きくすれ
ば、すなわち、 Vg0>Vb+Vg なる関係が成立するように、放電ギャップ長Z、絶縁ギ
ャップ長Z0を設定すれば、実際の装柱状態において、
雷サージ電流が装置に侵入した場合、放電ギャップGで
所定の確率で確実にフラッシオーバさせることが可能で
あることに想到したのである。
換言すれば、本願発明は限流素子20の動作開始電圧V
bという要素を導入し、かつその動作開始電圧Vbと気
中放電ギャップGのフラッシオーバ電圧Vgとの関係に
おいて、動作開始電圧Vbが一種のスイッチ、として作
用することに着目したものであり、限流素子20を端に
絶縁物又は導体として把握する従来の考え方とは根本的
に異なるものである。
bという要素を導入し、かつその動作開始電圧Vbと気
中放電ギャップGのフラッシオーバ電圧Vgとの関係に
おいて、動作開始電圧Vbが一種のスイッチ、として作
用することに着目したものであり、限流素子20を端に
絶縁物又は導体として把握する従来の考え方とは根本的
に異なるものである。
次に、本願発明が実験の結果正しいことが、次の事実に
より証明された。
より証明された。
支持碍子7の絶縁ギャップ長Z0を約790mmとし、放
電ギャップ長Zを約450mmとし、 Z/Z0>0.5の関係が成立する装置において次の結
果が得られた。すなわち、動作開始電圧Vbを約120
KVとすると、支持碍子7の雷インパルスフラッシオー
バ電圧Vg0が490KVとなり、限流素子短絡時の放
電ギャップGの雷インパルスフラッシオーバ電圧Vgが
約290KVであるから、 Vg0−Vg=200KV となり、この200KVに動作開始電圧Vb(120K
V)を加えると、320KVとなる。このフラッシオー
バ電圧320KVは前記フラッシオーバ電圧Vg0(4
90KV)よりも小さいから、 Vg0≧Vb+Vg の条件を満足する。この避雷碍子装置について、実験し
たところ、雷インパルス電圧の50%フラッシオーバ確
率の電圧から実験的に可能なその10倍の高電圧の領域
まで放電ギャップG側でフラッシオーバが99%以上の
高い確率で発生することがわかった。
電ギャップ長Zを約450mmとし、 Z/Z0>0.5の関係が成立する装置において次の結
果が得られた。すなわち、動作開始電圧Vbを約120
KVとすると、支持碍子7の雷インパルスフラッシオー
バ電圧Vg0が490KVとなり、限流素子短絡時の放
電ギャップGの雷インパルスフラッシオーバ電圧Vgが
約290KVであるから、 Vg0−Vg=200KV となり、この200KVに動作開始電圧Vb(120K
V)を加えると、320KVとなる。このフラッシオー
バ電圧320KVは前記フラッシオーバ電圧Vg0(4
90KV)よりも小さいから、 Vg0≧Vb+Vg の条件を満足する。この避雷碍子装置について、実験し
たところ、雷インパルス電圧の50%フラッシオーバ確
率の電圧から実験的に可能なその10倍の高電圧の領域
まで放電ギャップG側でフラッシオーバが99%以上の
高い確率で発生することがわかった。
反対に、従来例においては、Z/Z0が50%で限流素
子20の動作開始電圧Vbが130KVの条件では、実
験の結果、放電ギャップGでフラッシオーバが生じた
が、Z/Z0が同じ50%で動作開始電圧Vbが210
KVのときには、支持碍子7の絶縁ギャップG0で閃絡
が生じた。
子20の動作開始電圧Vbが130KVの条件では、実
験の結果、放電ギャップGでフラッシオーバが生じた
が、Z/Z0が同じ50%で動作開始電圧Vbが210
KVのときには、支持碍子7の絶縁ギャップG0で閃絡
が生じた。
ところで、実際の避雷碍子装置の絶縁設計においては、
アーキングホーン12,13の先端が尖っているか丸い
か等の電極形状要因により、雷インパルス・フラッシオ
ーバ電圧Vg0が変動するので、このフラッシオーバ電
圧Vg0に係数として0.8〜1.2の係数Kaを乗
じ、同様に、放電電極18,19の先端部の形状により
限流素子短絡時の雷インパルスフラッシオーバ電圧Vg
も変動するので、同じく0.8〜1.2の係数Kcを乗
じ、さらに動作開始電圧Vbに対しても限流素子20の
もつ特性、素子の通電断面積により必要レベルとなる第
1のターニング領域を特定できぬものの、通常は1mA
の電流を流す制御電圧VimAに0.8〜1.2の係数
Kbを乗じて設計がなされる。
アーキングホーン12,13の先端が尖っているか丸い
か等の電極形状要因により、雷インパルス・フラッシオ
ーバ電圧Vg0が変動するので、このフラッシオーバ電
圧Vg0に係数として0.8〜1.2の係数Kaを乗
じ、同様に、放電電極18,19の先端部の形状により
限流素子短絡時の雷インパルスフラッシオーバ電圧Vg
も変動するので、同じく0.8〜1.2の係数Kcを乗
じ、さらに動作開始電圧Vbに対しても限流素子20の
もつ特性、素子の通電断面積により必要レベルとなる第
1のターニング領域を特定できぬものの、通常は1mA
の電流を流す制御電圧VimAに0.8〜1.2の係数
Kbを乗じて設計がなされる。
又、フラッシオーバ確率は統計的な変動を有するもので
安全度を考慮して Vg0/Vt≧1.20 として絶縁設計が行なわれる。
安全度を考慮して Vg0/Vt≧1.20 として絶縁設計が行なわれる。
なお、本発明は次のように具体化することもできる。
(1)前記実施例では避雷碍子15を接地側に設けた
が、これを課電側に設けたり、接地側と課電側の二箇所
に設けたり、放電間隙を直列に複数箇所に設け、そこに
少なくとも一つの避雷碍子15を直列に設けたりするこ
と。
が、これを課電側に設けたり、接地側と課電側の二箇所
に設けたり、放電間隙を直列に複数箇所に設け、そこに
少なくとも一つの避雷碍子15を直列に設けたりするこ
と。
(2)耐張碍子装置(図示略)あるいはV吊碍子装置に
具体化すること。
具体化すること。
発明の効果 以上詳述したように、本発明は送電線に雷サージ電圧が
加わっても、そのサージ電流を放電ギャップ間で確実に
フラッシオーバさせて、支持碍子側の絶縁ギャップでの
フラッシオーバを防止でき、放電ギャップ長や絶縁ギャ
ップ長を最適に設定でき、装柱構造を小型化することが
できる。
加わっても、そのサージ電流を放電ギャップ間で確実に
フラッシオーバさせて、支持碍子側の絶縁ギャップでの
フラッシオーバを防止でき、放電ギャップ長や絶縁ギャ
ップ長を最適に設定でき、装柱構造を小型化することが
できる。
第1図は本発明は放電ギャップ長とフラッシオーバ電圧
との関係を示すグラフ、第2図は絶縁ギャップ長とフラ
ッシオーバ電圧との関係を示すグラフ、第3図は放電ギ
ャップ長とフラッシオーバ電圧との関係を示すグラフ、
第4図は限流素子の電流とその動作開始電圧との関係を
示すグラフ、第5図は送電線用避雷碍子装置全体を示す
正面図、第6図は従来の送電線用避雷碍子装置を示す斜
視図である。 1……鉄塔、2……支持アーム、7……支持碍子、10
……送電線、12,13……アーキングホーン、15…
…避雷碍子、18,19……放電電極、20……限流素
子、G……放電電極18,19の放電ギャップ、G0…
…アーキングホーン12,13の絶縁ギャップ、Vg…
…放電ギャップGでのフラッシオーバ電圧、Vg0……
絶縁ギャップG0での雷インパルス・フラッシオーバ電
圧、Ib……限流素子20の電流、Vt……限流素子2
0と放電ギャップGとの全体の雷インパルス・フラッシ
オーバ電圧。
との関係を示すグラフ、第2図は絶縁ギャップ長とフラ
ッシオーバ電圧との関係を示すグラフ、第3図は放電ギ
ャップ長とフラッシオーバ電圧との関係を示すグラフ、
第4図は限流素子の電流とその動作開始電圧との関係を
示すグラフ、第5図は送電線用避雷碍子装置全体を示す
正面図、第6図は従来の送電線用避雷碍子装置を示す斜
視図である。 1……鉄塔、2……支持アーム、7……支持碍子、10
……送電線、12,13……アーキングホーン、15…
…避雷碍子、18,19……放電電極、20……限流素
子、G……放電電極18,19の放電ギャップ、G0…
…アーキングホーン12,13の絶縁ギャップ、Vg…
…放電ギャップGでのフラッシオーバ電圧、Vg0……
絶縁ギャップG0での雷インパルス・フラッシオーバ電
圧、Ib……限流素子20の電流、Vt……限流素子2
0と放電ギャップGとの全体の雷インパルス・フラッシ
オーバ電圧。
Claims (1)
- 【請求項1】鉄塔の支持アームに支持碍子を介して送電
線を支持し、同支持碍子から所定間隔をもって接地側及
び課電側の放電電極を対向配置し、前記両放電電極のう
ち少なくとも一方の放電電極側にたとえば酸化亜鉛を主
材とする電圧−電流特性が非直線性を有する限流素子等
を直列に設け、さらに、前記送電線に雷サージが侵入し
てフラッシオーバを生ずる場合で、その後の続流を遮断
する機能を備えた架空送電線用避雷碍子装置において、 前記支持碍子の気中絶縁ギャップにおける雷インパルス
・フラッシオーバ電圧をVg0とし、前記限流素子の動
作開始電圧をVbとし、前記限流素子を電気的に短絡し
た場合の前記気中放電ギャップにおける雷インパルス・
フラッシオーバ電圧をVgとした場合、 Vg0>Vb+Vg となるように、前記支持碍子の気中絶縁ギャップ長及び
放電電極間の気中放電ギャップ長、限流素子の電気的特
性を設定したことを特徴とする送電線用避雷碍子装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6981287A JPH0654621B2 (ja) | 1987-03-24 | 1987-03-24 | 架空送電線用避雷碍子装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6981287A JPH0654621B2 (ja) | 1987-03-24 | 1987-03-24 | 架空送電線用避雷碍子装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63236223A JPS63236223A (ja) | 1988-10-03 |
JPH0654621B2 true JPH0654621B2 (ja) | 1994-07-20 |
Family
ID=13413544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6981287A Expired - Lifetime JPH0654621B2 (ja) | 1987-03-24 | 1987-03-24 | 架空送電線用避雷碍子装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0654621B2 (ja) |
-
1987
- 1987-03-24 JP JP6981287A patent/JPH0654621B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63236223A (ja) | 1988-10-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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