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JPH0647603B2 - 高置換度セルロ−スエ−テルの製法 - Google Patents

高置換度セルロ−スエ−テルの製法

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Publication number
JPH0647603B2
JPH0647603B2 JP59068903A JP6890384A JPH0647603B2 JP H0647603 B2 JPH0647603 B2 JP H0647603B2 JP 59068903 A JP59068903 A JP 59068903A JP 6890384 A JP6890384 A JP 6890384A JP H0647603 B2 JPH0647603 B2 JP H0647603B2
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Japan
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cellulose
reaction
substitution
degree
group
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JP59068903A
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洋之 中村
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0647603B2 publication Critical patent/JPH0647603B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B11/00Preparation of cellulose ethers
    • C08B11/02Alkyl or cycloalkyl ethers
    • C08B11/04Alkyl or cycloalkyl ethers with substituted hydrocarbon radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B11/00Preparation of cellulose ethers
    • C08B11/187Preparation of cellulose ethers with olefinic unsaturated groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B13/00Preparation of cellulose ether-esters

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した
均一溶液に、塩基の存在下エーテル化剤を作用させるこ
とを特徴とする高置換度セルロースエーテルの製法に関
するものである。
セルロースエーテルの製法としては、セルロースを水と
塩基の存在下でアルカリセルロースとしてから、エーテ
ル化剤を作用させるのが一般的に行われている方法であ
る(以下この範疇に入る製法を一般法と略す)。一般法
では、アルカリセルロースに含まれている水がエーテル
剤を消費してセルロースのエーテル化が妨げられたり、
エーテル化反応が不均一系で進行することが多いことか
ら、1段の反応で高置換度のセルロースエーテルを製造
することは不可能である。
一般法において、高置換度セルロースエーテルの製造
や、エーテル化剤の反応効率の向上を目差した製法とし
ては、(a)目的の置換度まで再エーテル化する多段階反
応法、(b)アルカリの多段添加法〔特開昭58−452
01〕、(c)多段階反応とアルカリの多段添加を併用し
た方法〔特開昭58−176202〕(d)反応系に分散
助剤や相間移動触媒等の添加物を加える方法〔特開昭5
8−103501〕〔W.H.Daly、J.D.Caldwel
l:J.Polymer Sci:Polymer Letters Ed.、17、55(19
79)〕等が挙げられる。(a)による製法は、高置換度のセ
ルロースエーテルを製造する場合一般的な方法である
が、反応回数が多く、製造コストも増大するので有利な
方法ではない。(b)では、カルボキシメチル化において
置換度が1.7〜1.8が限界であったところを、同じ試薬量
で置換度2.2までを達成していたが、1段の反応ではこ
れ以上の置換度は望めない。(c)では、(b)の方法で2回
カルボキシメチル化を行ない置換度2.95のCMCを得て
おり、(a)のみの方法よりかなり有利な製法である、(d)
では、ベンジルセルロースの合成に相間移動触媒として
4級アンモニウム塩を用いることにより、ベンジル化が
すみやかに進むことを示しているが、置換度は2.4まで
であった。このようにいくつかの方法や提案が為されて
いるが、1段の反応で置換度が2.5以上のセルロースエ
ーテルを製造することは、一般法では未だに困難であ
る。
工業的に製造されている高置換度セルロースエーテルと
しては、置換度2.5のエチルセルロースが挙げられる
が、その他については製造されていないこともあり、そ
の特性や応用面について未開拓なものが多い。セルロー
ス誘導体は、置換基の性質により様々の機能を有する
が、それに加えてセルロースの構造が高度の機能を附与
する可能性も秘めている。例えば、ベンジルセルロース
は、軟化点をもち、また優れた電気的特性を有すること
が知られていたが、最近ではトリベンジルセルロース
(置換度3)が医薬、農薬、食品等の生理活性化合物の
光学異性体に対し優れた光学分割能を持つことが見いだ
されている〔特願昭58−226527〕、また、セル
ロース誘導体に見られる、液晶の形成もその例として挙
げられる。一方、側鎖に不飽和結合の置換基を持つセル
ロース誘導体は、反応性セルロース誘導体として利用価
値の高いものである。例えば、セルロースのアリルエー
テルはスチレン等のグラフトが容易であり、またシンナ
ミルセルロースは光や熱等により溶剤に不溶となる性質
を持っていることから、熱硬化性塗料やフォトレジスト
等への応用が期待できる。しかし、ベンジルセルロース
やシンナミルセルロースを一般法、即ちアルカリセルロ
ースをエーテル化剤と反応させる方法で製造した場合、
均一にエーテル化が行なわれないため、溶剤溶解性の良
好なものや高置換度のものは得られ難い。これは、反応
初期にエーテル化を受けたセルロース繊維表面が疎水性
になるため、アルカリ水溶液による膨潤が不能となり、
エーテル化剤が内部へ浸透できなくなることが原因と考
えられる。
一般法以外で、高置換度のベンジルセルロースを得る方
法としては、溶剤可溶性のセルロース誘導体を原料とし
て用いる方法と、セルロースを溶解する特殊な溶剤を用
いる方法等が挙げられる。これらの方法は、セルロース
の繊維形態による反応の困難さや不均一性を、原料を溶
解して均一溶液とすることによって解決しようとした方
法である。原料にセルロース誘導体を用いる方法として
は、セルロースアセテートを箱守法〔S.Hakomori、
J.Biochem.(Tokyo)、35、205-208(1964)〕によってベ
ンジル化する方法が挙げられる。これは、原料のセルロ
ースモノアセテート(置換度1)をジメチルスルホキシ
ドに溶解して、ジムシルイオン(CH3SOCH- 2)とベンジ
ルクロリドを用いてベンジル化する方法である〔G.Ke
ilich、N.Frank and E.Husemann:Makromol。Che
m.、176、3269(1975)〕。この方法では、置換度2.95の
ベンジルセルロースが得られているが、収率は30%と
低いものであった。セルロースの溶剤を用いる方法で
は、セルロースをSO2・ジエチルアミン・ジメチルスル
ホキシドの溶剤系に溶解した後、粉末の水酸化ナトリウ
ムを加えてからベンジルクロリドを分割添加してベンジ
ル化を行なっている〔A.Ishizu、A.Isogai、T.Is
hii and J.Nakano、paper contributed for Internat
ional Symposium on Wood and Pulping Chemistry、vo
l.1、70(1983)〕。この方法では、置換度3.0のベンジ
ルセルロースが収率よく得られている。しかし、この方
法はセルロースを溶解するための特殊な溶剤系が必要で
あり、溶解操作も煩雑である。またこの方法では、セル
ロースを溶解してから粉末の水酸化ナトリウムを添加す
るが、このときセルロースが不溶化して粒状に折出する
ため、反応系は一旦不均一系となる。したがってベンジ
ル化が進み、生成物が溶解して均一系となり反応が完結
するまで、長時間を要する。これらの方法は、一般法に
比べ水がほとんど存在しない条件下でベンジル化を行な
い、しかもセルロース原料とベンジスセルロースの双方
の良溶媒を用いているため、反応の均一性は向上して高
置換度のベンジルセルロースは得られていた。しかし、
収率が低いとか、反応時間が長過ぎる(16〜20時
間)等の欠点があった。
本発明者は、以上のような公知セルロースエーテルの製
法の欠点に鑑み、鋭意検討の結果、1段の反応により高
置換度のセルロースエーテルを与える製法を見いだした
のである。
即ち、本発明は、置換度2.0以上のセルロースアセテー
トを有機溶媒に溶解した均一溶液に、塩基の存在下一般
式RCHX(但しRは芳香族基、複素芳香族基、ビニ
ル基、アセチニル基、又はそれらの置換体であり、Xは
塩素または臭素である)で表わされるエーテル化剤を作
用させて無水グルコース単位当りの置換度が2.0以上で
ある高置換度のセルロースエーテルを1段の反応で製造
することを特徴とする高置換度セルロースエーテルの製
法を提供するものである。
本発明の製法において、使用するセルロースアセテート
とは、置換度が2.0以上、好ましくは2.0〜2.6のセルロ
ースアセテートである。特に、置換度が2.3〜2.5のセル
ロースアセテートは、セルロースジアセテートと言われ
るものであり、有機溶媒に対する溶解性が優れている。
現在工業的に製造されているもの、即ちセルローストリ
アセテートを部分加水分解して得るセルロースジアセテ
ートは、硫酸基の加水分解が充分に行なわれているため
イオウ分含有量が低く、さらに有機溶媒溶解性であるこ
とから、本発明の製法の原料として有利に使用すること
ができる。なお、使用するセルロースアセテートは、イ
オウ分含有量が低いものほど有利である。例えば、硫酸
の中和及び加水分解が不充分で、イオウ分含有量の高い
セルロースアセテートを本発明の製法に用いた場合、原
因は明らかではないが、収率が著るしく低く、好ましい
結果を与えない。
本発明の製法において使用する有機溶媒は、セルロース
アセテート及びエーテル化剤を溶解する溶媒から選択さ
れる。例えば、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどが挙げられるが、エーテル化剤
に対し安定であるという点で、1,4−ジオキサン及びテ
トラヒドロフランが特に好ましい。溶媒使用量はセルロ
ースアセテート1重量部あたり4〜20重量部、好まし
くは7〜10重量部である。
本発明の製法において、使用する塩基は如何なるブレン
ステッド塩基(アルカリ金属水酸化物や4級アンモニウ
ム水酸化物等)でもよいが好ましくはアルカリ金属水酸
化物例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウムである。一般法においては、セルロースをア
ルカリセルロースとするため塩基の水溶液を用いるが、
本発明において塩基の水溶液を用いると、有機溶媒に溶
解したセルロースアセテートが急激に不溶化するので好
ましくない。したがって、本発明においては、塩基は水
がほとんど存在しない条件で用いる。塩基としてアルカ
リ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム
等)を用いる時は、固体のものを細く粉砕して、粉末状
にしたものが有利である。使用するアルカリ金属水酸化
物の量は、セルロースアセテート1モル当り(無水グル
コース単位当り)9〜60モル、好ましくは11〜45
モルである。
本発明の製法において、使用するエーテル化剤は一般式
RCH2Xで表わされ、Rは芳香族基、複素芳香族基、ビニ
ル基、アセチニル基、又はこれらの置換体を表わし、X
は脱離基を表わし例えば塩素または臭素である。即ち下
記の構造を有するものを挙げることができる。
但し、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
芳香族基、置換芳香族基、複素芳香族基、置換複素芳香
族基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン、アミノ基、
アルキル置換アミノ基、シアノ基、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基であり、l、m、n、p、qは置換基の個
数を示し、lは0より5であり、mは0より7であり、
nは0より9であり、pは0より3であり、qは0より
4の整数である。Z1、Z2、Z3、Z4は、水素、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、置換芳香族
基、複素芳香族基、置換複素芳香族基、アルコキシ基、
ハロゲンである。Rが芳香族基であるエーテル化剤とし
ては、ベンジルクロリド、P−メチルベンジルクロリ
ド、P−イソプロピルベンジルクロリド、P−メトキシ
ベンジルクロリド、P−クロルベンジルクロリド、P−
ニトロベンジルクロリド、1−(クロルメチル)ナフタ
リン、9−(クロルメチル)アントラセン、10−クロ
ル−9(クロルメチル)アントラセン等が挙げられる。
Rが複素芳香族であるエーテル化剤としては、フルフリ
ルクロリド、(2−チエニル)メチルクロリド、4−ク
ロルメチルピリジン等が挙げられる。Rがビニル基であ
るエーテル化剤としては、アリルクロリド、クロチルク
ロリド、シンナミルクロリド、メタリルクロリド、2−
ブロム−3−クロル−1−プロペン、2,3−ジクロル−
1−プロペン、1,3−ジクロルプロペン、1、3−ジクロル
−2−メチル−1−プロペン、1−クロル−2−メチル
−2−ブテン、1−クロル−3−メチル−2−ブテン、
1−クロル−2,3−ジメチル−2−ブテン、1−クロル
−2−ヘプテン、1−クロル−4,4−ジメチル−2−ペ
ンテン等があげられる、Rがアセチニル基であるエーテ
ル化剤としては、プロパギルクロリド、1−クロル−2
−ブチン等が挙げられる。本発明による製法において、
使用するエーテル化剤の量は、セルロースアセテート1
モル当り(無水グルコース単位当り)3〜60モル、好
ましくは6〜36モルである。
本発明の製法を実施する場合、まず乾燥したセルロース
アセテートを、有機溶媒に溶解して均一溶液とする。使
用する有機溶媒によっては粘度が高くなり完全に溶解し
にくい場合もあるが、このときは加熱して溶解する(5
0〜100℃)。その後塩基とエーテル化剤を添加して
エーテル化を行なう。このとき、エーテル化剤として、
P−ニトロベンジルクロリドのようにラジカルを発生し
て異常反応を起こしやすいものを使用する場合は、塩化
第二銅等のラジカル捕捉剤を添加して異常反応を抑制す
る〔N.Kornblum、R.E.Michel、R.C.Kerber、
J.Am.Chem.Soc.、88、5662(1966)〕。試薬の添加順序
は、通常塩基を加えた後、エーテル化剤全量を加える
が、最初に塩基を全量入れずに、エーテル化剤を加えて
から、所定時間反応後残りの塩基を加えることも可能で
ある。試薬の添加方法としては、このほかにエーテル化
剤を分割して添加する方法もあるが、これは製造するセ
ルロースエーテルの種類により最適な方法が選ばれる。
いずれの場合にも反応混合物及び反応容器を酸素を除去
するために窒素のような不活性ガスで洗浄しながら反応
を行なう。セルロースアセテートの溶解及びエーテル化
は、通例良好な攪拌下で行なわれ、エーテル化反応は6
0〜120℃の間の温度、好ましくは90℃を越える温
度で行なう。セルロースアセテートを溶解する時に、エ
ーテル化のために必要な温度まで昇温してから、塩基と
エーテル化剤を添加して反応を開始しても良いが、塩基
とエーテル化剤を添加してからエーテル化に必要な温度
で昇温してもよい。エーテル化で必要とされる反応時間
は3〜10時間である。反応が終了したら、適切な方法
で生成物を分離する。例えば、反応物を室温まで冷却
し、生成物をクロロホルムで抽出する。このクロロホル
ム溶液は洗浄してから、多量のメタノール中に注ぐこと
によりセルロースエーテルを分離折出させる。生成物
は、必要であれば再沈殿精製を行ない、メタノール等の
低級アルコールで洗浄後、乾燥する。
本発明によれば、置換度が2.0以上のセルロースアセテ
ートを原料として用い、これを有機溶媒に溶解して均一
溶液としてから、塩基例えば粉末状アルカリ金属水酸化
物を用いて、ケン化しながら同時にエーテル化すること
により、従来の製法より短い反応時間で、高置換度のセ
ルロースエーテルを収率良く製造することが可能であ
る。セルロースを溶剤系に溶解して、粉末状水酸化ナト
リウムを加える方法では、セルロースが再び折出して反
応時間を多く必要とするが、本発明による製法では、セ
ルロースアセテートを用いているため、急激には不溶化
せず溶解あるいは分散膨潤性が大きい状態でエーテル化
が進み、反応全般を通して均一性が良く保持されてい
る。本発明による製法において、製造するセルロースエ
ーテルの置換度をコントロールする要因としては、塩基
及びエーテル化剤の添加量、反応時間等が主なものであ
る。もし所望の置換度のセルロースエーテルを製造した
い場合は、これらの要因を適宜増減することにより置換
度の調整を行なうことができる。
以下に本発明を具体的に説明する実施例を示すが、本発
明は以下に示す実施例に限定されるものではない。また
実施例中の部とは重量部、%は重量%を示す。尚、生成
セルロースエーテルの置換度は、元素分析による炭素の
含有量(%)より求めた。
実施例1 セルロースアセテート〔置換度2.43、粘度平均重合度1
70(ジクロルメタン−メタノール9:1)を溶媒と
し、0.2%溶液の還元粘度をもって〔η〕と近似し、Km
=8.73×10-4を使用して、DP=〔η〕/Kmにより算出
した)、ダイセル化学工業製〕5.0部を、41.3部の1,4−
ジオキサン中に投じ、攪拌しつつ外部加温して約10分
間還流(100℃近辺)させて溶解した。その後攪拌し
つつ、36.0部の粉末状の水酸化カリウムを加え、次に5
1.7部のベンジルクロリドを除々に加えた。ベンジルク
ロリドの添加後、100℃で8時間攪拌反応させた。反
応終了後、室温まで放冷してから、反応溶液から生成物
をクロロホルムで抽出した。クロロホルム溶液を約1規
定の塩酸水溶液と水で洗浄後、メタノール中に注加する
ことにより、帯黄白色の生成物を折出させた。反応生成
物はメタノールで洗浄後乾燥した。生成物は、置換度2.
9〔元素分析値、C74.75%、H6.54%〕のベンジルセル
ロースであり、収率は91%であった。得られたベンジ
ルセルロースの赤外吸収スペクトルを第1図に示した
が、以下に主要な吸収帯の波数と帰属を記す。
実施例2 反応及び後処理は実施例1に記載されているように実施
するが、ベンジルクロリドのかわりに、P−メチルベン
ジルクロリド58.0部を使用した。その結果、置換度2.9
〔元素分析値、C75.66%、H7.25%〕のP−メチルベ
ンジルセルロースが80%の収率で得られた。得られた
P−メチルベンジルセルロースの赤外吸収スペクトルを
第2図に示したが、以下に主要な吸収帯の波数と帰属を
記す。
実施例3 反応及び後処理は実施例1に記載されているように実施
するが、ベンジルクロリドのかわりに、P−クロルベン
ジルクロリド66.2部を使用した。その結果、置換度3.0
〔元素分析値、C60.49%、H4.76%〕のP−クロルベ
ンジルセルロースが86%の収率で得られた。得られた
P−クロルベンジルセルロースの赤外吸収スペクトルを
第3図に示したが、以下に主要な吸収帯の波数と帰属を
記す。
実施例4 反応及び後処理は実施例1に記載されているように実施
するが、ベンジルクロリドのかわりに、P−メトキシベ
ンジルクロリド64.4部を使用した。その結果、置換度2.
8〔元素分析値、C68.45%、H6.55%〕のP−メトキシ
ベンジルセルロースが75%の収率で得られた。得られ
たP−メトキシベンジルセルロースの赤外吸収スペクト
ルを第4図に示したが、以下に主要な吸収帯の波数と帰
属を記す。
実施例5 実施例1に記載したようにセルロースアセテート5.0部
を1,4−ジオキサン41.3部に溶解した。その後、攪拌し
つつ、36.0部の粉末状水酸化カリウムを加え、次に69.3
部のP−イソプロピルベンジルクロリドを除々に加え、
100℃で攪拌反応させた。P−イソプロピルベンジル
クロリドを添加してから、1時間後に、粉末状の水酸化
カリウム20部と1,4−ジオキサン60部を添加し、さ
らに100℃で9時間攪拌反応させた。反応終了後、実
施例1に記載されているように後処理を行なった。その
結果、置換度2.9〔元素分析値、C77.21%、H8.34%〕
のP−イソプロピルベンジルセルロースが87%の収率
で得られた。得られたP−イソプロピルベンジルセルロ
ースの赤外吸収スペクトルを第5図に示したが、以下に
主要な吸収帯の波数と帰属を記す。
実施例6 反応及び後処理は、実施例1に記載されているように実
施するが、1,4−ジオキサンは41.3部から100.0部に変更
し、さらにベンジルクロリドのかわりに、1−(クロル
メチル)ナフタリン72.6部を使用した。その結果、置換
度3.0〔元素分析値、C80.38%、H5.92%〕の1−ナフ
チルメチルセルロースが84%の収率で得られた。得ら
れた1−ナフチルメチルセルロースの赤外吸収スペクト
ルを第6図に示したが、以下に主要な吸収帯の波数と帰
属を記す。
実施例7 反応及び後処理は、実施例1に記載されているように実
施するが、ベンジルクロリドのかわりに、シンナミルク
ロリド62.7部を使用した。その結果、置換度2.8〔元素
分析値、C76.80%、H6.71%〕のシンナミルセルロー
スが87%の収率で得られた。得られたシンナミルセル
ロースの赤外吸収スペクトルは第7図に示したが、以下
に主要な吸収帯の波数と帰属を記す。
比較例1 精製したコットンリンター10部を氷酢酸中で24時間
以上膨潤処理して総量40部まで絞ったものに濃硫酸3.
0部と無水酢酸90部を混合した混酸を滴下し反応温度
40℃で5時間攪拌反応させた。反応終了後、硫酸の中
和及び加水分解は行なわずに反応溶液を大量の水中に滴
下して、セルロースアセテート(置換度約3)を沈殿さ
せた。収率は96%であった。得られたセルロースアセ
テート5.0部を用い、実施例1に記載した方法でベンジ
ル化を実施した。その結果、置換度2.9〔元素分析値、
C74.56%、H6.52%〕のベンジルセルロースが53%
の収率で得られた。反応生成物は置換度2.9のベンジル
セルロースであったが、茶色を呈しており、収率が実施
例1に比べて低いものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図はベンジルセルロース、第2図はP−メチルベン
ジルセルロース、第3図はP−クロルベンジルセルロー
ス、第4図はP−メトキシベンジルセルロース、第5図
はP−イソプロピルベンジルセルロース、第6図は1−
ナフチルメチルセルロース、第7図はシンナミルセルロ
ースのそれぞれ赤外吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】置換度2.0以上のセルロースアセテート
    を有機溶媒に溶解し、塩基の存在下に、一般式RCH
    X(但し、Rは芳香族基、複素芳香族基、ビニル基、ア
    セチニル基又はそれらの置換体であり、Xは塩素又は臭
    素である。)で表わされるエーテル化剤を作用させるこ
    とを特徴とする、高置換度のセルロースエーテルの製
    法。
JP59068903A 1984-04-06 1984-04-06 高置換度セルロ−スエ−テルの製法 Expired - Lifetime JPH0647603B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59068903A JPH0647603B2 (ja) 1984-04-06 1984-04-06 高置換度セルロ−スエ−テルの製法
US06/720,927 US4582899A (en) 1984-04-06 1985-04-08 Manufacturing method for cellulose ether having high degree of substitution

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