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JPH0645964Y2 - 写真感光材料用包装材料 - Google Patents

写真感光材料用包装材料

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Publication number
JPH0645964Y2
JPH0645964Y2 JP1985133057U JP13305785U JPH0645964Y2 JP H0645964 Y2 JPH0645964 Y2 JP H0645964Y2 JP 1985133057 U JP1985133057 U JP 1985133057U JP 13305785 U JP13305785 U JP 13305785U JP H0645964 Y2 JPH0645964 Y2 JP H0645964Y2
Authority
JP
Japan
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ldpe
layer
light
resin
film
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP1985133057U
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English (en)
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JPS6243356U (ja
Inventor
睦男 赤尾
卓一 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP1985133057U priority Critical patent/JPH0645964Y2/ja
Publication of JPS6243356U publication Critical patent/JPS6243356U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0645964Y2 publication Critical patent/JPH0645964Y2/ja
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は感光物質用、特に写真感光材料に適した包装材
料に関するものである。
〔従来の技術〕
写真感光材料用包装材料は種々のタイプのものが広く実
用化されており、その使途に従って様々の性能が要求さ
れている。
光に曝するとその品質価値を失なう写真感光材料用包装
材料としては光を完全に遮断する包装材料が使用され
る。この場合、要求される特性としてはガスバリヤ性、
遮光性、防湿性、帯電防止性、物理強度(破断強度、引
裂強度、衝撃穴あき強度、ゲルボテスト強度、摩耗強度
等)、ヒートシール適正(ヒートシール強度、ホットタ
ック性、夾雑物シール性等)、すべり特性、自動装袋適
性、層間ハクリ強度、すべり特性などが挙げられる。こ
れらの諸性質を単一層のフィルム材料で兼ねそなえるこ
とは困難であり、従来、一般には第11図に示すようなカ
ーボンブラックや顔料等を練り込んだ高圧法分岐状低密
度ポリエチレン(以後LDPEと表示)樹脂の非常に厚い単
一層フィルムやLDPEフィルム層と紙、アルミニウム箔、
セロハン等のフレキシブルシートとの複合ラミネートフ
ィルムなどが使用されてきた。複合ラミネートフィルム
の例を第12図に示すが、このものはLDPE遮光フィルム層
7に接着層5を介して金属箔層8を積層し、さらに接着
層5を介してフレキシブルシート層4を積層したもので
ある。
また、カラー印画紙用としては、第13図に示すように第
12図の例にさらに接着層5を介してLDPE遮光フィルム層
7を積層して7層構造としたものもあった。
本考案者は、感光物質用包装材料を改良すべく鋭意研究
を行ない、2層の一軸延伸フィルムを組み合わせること
によって物理強度を向上させたもの(特開昭57−6754号
公報)を既に開示している。例えば第15図に示すよう
に、金属箔層8の両側に接着層5を介して一軸分子配向
遮光フィルム層9を積層したものである。
また、シート状の発泡体の両面に一軸分子配向熱可塑性
樹脂フィルム層を積層してなる三層を含む積層フィルム
においてシート状発泡体の厚さは0.3〜2.0mmでありかつ
発泡倍率が5〜50倍であり二層の一軸分子配向フィルム
層は、分子配向軸が30度以上の角度で交差する様に発泡
体の両面に熱溶融接着層を介して又は介さずに熱溶融接
着した積層フィルムの厚さが、各層の理論和の40〜85%
の厚さ(残留厚味率)に圧縮した衝撃穴アケ強度やゲル
ボテスト強度が大きく、カールの小さい特に重量物用包
装材料として非常にすぐれた積層フィルムを既に開示し
た。(特開昭59−201848号公報) さらに、L−LDPE樹脂を利用した包装材料についても、
ポリエチレン系ポリマーと1重量%以上の遮光性物質か
らなり、全エチレン系ポリマーの50重量%以上がL−LD
PE樹脂である遮光性フィルム層を少なくとも一層有する
ものを既に開示した(特開昭58−132555号公報)。例え
ば第16図に示すように、L−LDPE遮光フィルム層1と金
属箔層8とフレキシブルシート層4を接着層5で積層し
たものである。
〔考案が解決しようとする問題点〕 従来の複合ラミネートフィルムは前述の物理特性を向上
させるべく構成されたものであるが、ガスバリヤ性、帯
電防止性や防湿性等を改善する為金属薄膜層を積層する
と重量製品やエッジがシャープなロールフィルム製品等
ではそれでもなお物理特性は十分とはいえず、包装作業
中に裂けたり穴があいたり、ヒートシール部がはがれる
などの欠点があった。さらにカーボンブラック等の遮光
性物質を大量に添加すると物理強度の劣化が大きくなる
ため、添加量は3%前後としさらに他のフレキシブルシ
ート層と積層するフィルムの厚さは100μm以上とする
必要があった。このため包装はカサばり積層フィルムの
剛度が大きくなり包装作業性が悪化し且つコスト的にも
高価なものとなっていた。
また、フィルムの厚さを100μm以上にするとフィルム
成形性が悪化するだけでなく、フィルム冷却性も悪化し
表裏のすべり特性に差が生じ、外観や物理特性も悪化す
る。例えば、第13図に示す7層構成の積層フィルムで
も、引裂き強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテスト強度等
が不足していた。
特開昭59−201848号公報記載の包装材料は、引裂き強
度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテスト強度等の物理強度は
改善されているが、この積層フィルムは厚さが大きく、
遮光性や防湿性等を確保するためのヒートシール適正が
悪く、高価でかつ嵩張るものであった。また自動製袋適
性がなくヒートシール面に耐熱フィルムを挟み特殊な冷
却装置を用いたヒートシーラーで製袋した袋に製品を挿
入、密封包装するため非常に高価な包装となっていた。
さらに、従来の金属箔層を含む包装材料では、引裂強
度、衝撃穴あけ強度、ヒートシール強度、ゲルボテスト
強度等が必ずしも良好ではないものであった。
本考案は以上の問題点を解消し、物理強度が大きく、遮
光性等の良い安価な包装材料を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案は上記目的を達成するためになされたもので、特
定物質を特定濃度で含むL−LDPE遮光フィルム層をイン
フレーション法により同時共押し出しして2層の共押し
出しL−LDPE遮光フィルム層を形成し、略同一樹脂組成
で略同一厚さの単層フィルムよりフィルム成形性、物理
特性、遮光性等を向上させたものである。
すなわち、少なくともエチレンと炭素数が3〜13個のα
−オレフィンよりなる直鎖状低密度ポリエチレン(以後
L−LDPEと表示)樹脂と特定のカーボンブラックと滑剤
とを含む2つのL−LDPE遮光フィルム層からなり独立し
て形成された同時2層共押し出しインフレーションL−
LDPE遮光フィルム層(以下、同時2層共押し出しL−LD
PE遮光フィルム層と略記する。)を具備していることを
特徴とする写真感光材料用包装材料である。
本考案の写真感光材料用包装材料は同時2層共押し出し
L−LDPE遮光フィルム層を具備していることを特徴とし
ている。この共押し出しL−LDPE遮光フィルム層を具備
していれば、共押し出しL−LDPE遮光フィルム層のみか
ら構成されても、フレキシブル層、金属箔層と積層して
構成されてもよい。
この共押し出しL−LDPE遮光フィルム層は2層のL−LD
PE遮光フィルム層から成るものである。この両L−LDPE
遮光フィルムの厚さ又は組成を異なるようにしてもよ
い。
この共押し出しL−LDPE遮光フィルム層を構成するL−
LDPE遮光フィルムは、L−LDPE樹脂と特定のカーボンブ
ラックと滑剤とを含んでおり、各成分中でL−LDPE樹脂
が35重量%以上でかつ一番重量%が大きければよい。例
えばL−LDPE樹脂の最も少ない場合の例をあげると、L
−LDPE樹脂が35重量%、カーボンブラックが7重量%、
LDPE樹脂が34重量%、滑剤が1重量%、エチレンアクリ
ル酸エチル(以後EEAと表示)樹脂23重量%の場合であ
る。一般的には、L−LDPEフィルム層とはフィルム層中
の50重量%以上がL−LDPE樹脂であることを意味する
が、本考案では上記の例のようにL−LDPE樹脂の重量%
が1番大きければ50重量%以下であっても含まれる。し
かし、好ましくはL−LDPE樹脂が50重量%以上、特に好
ましくは60重量%以上である。
本考案においてL−LDPE遮光フィルム層の各成分中の50
重量%以上がL−LDPE樹脂であり、1重量%〜7重量%
がpH6〜8のファーネスカーボンブラックであり、0.02
〜0.50重量%が脂肪酸アミド系滑剤を含む、厚さは各層
の厚さが10〜120μmのL−LDPE遮光フィルム層が最も
好ましく使用できる。
前記L−LDPE遮光フィルム層の成分中のL−LDPE樹脂以
外の残部樹脂は、実質上LDPE樹脂とすることが好ましい
が、部分的にこれら以外の他の熱可塑性樹脂、特に好ま
しいのはポリオレフィン系樹脂、例えばエチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂(以後EVA樹脂と表示)や、EEA樹脂
や、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂(以後EM
Aと表示)や、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(以
後EAAと表示)、ポリイソブチレン樹脂等を含有せしめ
ることも、基本的特性を変更しない範囲で可能である。
L−LDPEフィルム層は第3のポリエチレンフィルムと称
され、中低圧法、高圧法両ポリエチレンフィルムの利点
を併せもつ省エネルギー、省資源という時代の要請に合
致する低コスト、高強度のフィルムである。組成として
は、エチレンと炭素数が3〜13ケ、望ましくは4〜10ケ
のα−オレフィンを共重合させたコポリマーでエチレン
含有量が86〜99.5モル%の線状の直鎖に短分岐をもった
構造の低中密度のポリエチレン系樹脂である。
一般的にはL−LDPE樹脂(inear ow ensity Poly
etylene即ち直鎖状低密度ポリエチレンの頭文字の略
号)と呼ばれる低密度ポリエチレン系樹脂である。重合
プロセスとしては低圧装置を用いる気相法、液相法と改
良高圧法装置を用いるイオン重合法等がある。特に低圧
法のL−LDPE樹脂が低コストなので好ましい。
具体例を商品名で示せば、ユニポール(UCC社)、ダウ
レックス(ダウケミカル社)、スクレアー(デュポンカ
ナダ社)、マーレックス(フィリップス社)、ネオゼッ
クスとウルトゼックス(三井石油化学)、日石リニレッ
クス(日本石油化学)、スタミレックス(DSM社)、NUC
ポリエチレン−LLとTUFLIN(日本ユニカー)などが挙げ
られる。α−オレフィンとしてはブテン−1、オクテン
−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテ
ン−1などが使用され、その量はポリマーの0.5〜1.5モ
ル%程度である。密度は一般に低中密度程度とされてい
るが、市販品では0.87〜0.95g/cm3の範囲内にあるもの
が多い。
これらのL−LDPE樹脂の中で、物理強度とヒートシール
強度の点から特に好ましいのは、エチレン含有量が90〜
99.5モル%、αオレフィン含有量が0.5〜10モル%、メ
ルトインデックス(以後MIと表示)が0.4〜30g/10分(A
STMD−1238),密度が0.870〜0.940g/cm3(ASTM D−150
5),αオレフィンの炭素数が6〜8ケの低圧法の液相
法プロセスと気相法プロセスによるL−LDPE樹脂であ
る。
最も好ましい代表的な商品名をあげるとエチレンにαオ
レフィン側鎖として炭素数6ケの4メチルペンテン−1
を用いたL−LDPE樹脂としては三井石油化学(株)のウ
ルトゼックスがあり、αオレフィン側鎖として炭素数8
ケのオクテン−1を用いたL−LDPE樹脂としてはDSM社
のスタミレックスとダウケミカル社のダウレックスがあ
る。(以上3社品共低圧法の液相法プロセスによるL−
LDPE樹脂である。)低圧法の気相法プロセス品としては
α−オレフィン側鎖としてヘキセン−1を用いた日本ユ
ニカー(株)のTUFLINがある。
L−LDPE樹脂よりなるL−LDPEフィルムは、強度的には
LDPEよりなるLDPEフィルムよりすぐれるが、透明性に劣
ること、加工性の困難さ、フィルム同志のブロッキング
の発生、滑性不足等のため、従来は包装用フィルムとし
ては不適とされていた。
本考案者らは、LDPE樹脂を用いたLDPEフィルムの代りに
従来は、包装用フィルムとしては上述のように多くの問
題があったL−LDPE樹脂を用いたL−LDPEフィルムを使
って、カーボンブラック配合の影響を試験した。この結
果、L−LDPE樹脂にカーボンブラックを配合した場合に
は、LDPE樹脂の場合とは逆に物理強度が大幅に増大する
という予想外の結果が見いだされた。
即ち、LDPEフィルムはL−LDPEフィルムに比しもともと
強度が小さいが、特にカーボンブラックを添加した時の
強度の低下が著しい。それに対しL−LDPEフィルムはカ
ーボンブラック添加により強度が大きく向上する。
カーボンブラック配合の効果は、1重量%で明らかに現
われ、3重量%を越えると顕著になってゆくが、配合量
がさらに増大するとブツ発生が多くなり、且つコストア
ップになる。30重量%を越えると特にカーボンブラック
の分散不良によるブツの発生が多くなり、ピンホールに
よる遮光性不良の点で問題となってくる。又コストも割
高になる。写真感光材料用包装材料としては吸湿性、平
面性、フィルム表面強度、ヒートシール性、写真感光材
料汚染等も問題になるので、従ってカーボンブラックの
配合量は経済性、ブツ発生、引裂き強度等も考慮すると
0.1〜15重量%が好ましく、1〜7重量%が特に好まし
い。
本考案のL−LDPE遮光フィルムに必須の第2の組成であ
る遮光性と帯電防止性とブロッキング防止性と防湿性と
物理強度を改善させるカーボンブラックについて説明す
る。
カーボンブラックを原料により分類するとガスブラッ
ク、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、
アントラセンブラック、アセチレンブラック、油煙、松
煙、アニマルブラック、ベジタブルブラック等がある。
これらの中では遮光性、コスト、物性向上の点ではファ
ーネスカーボンブラックが好ましく、高価であるが帯電
防止効果を有する点でアセチレンカーボンブラック、変
性副生カーボンブラックであるケッチェンカーボンブラ
ックが好ましい。必要により2種以上を必要特性に従っ
てミックスすることもできる。一方、これらのカーボン
ブラックの中で本発明ではpH5〜9、平均粒子径10〜120
mμのものを用いる。特に、pH6〜8、平均粒子径15〜30
mμのオイルファーネスカーボンブラックが好ましい。
このようなpH及び粒子径のものを使用することによっ
て、写真感光材料に対しカブリの発生が少ない、感光度
の増減の発生が少ない、遮光能力が大きい、写真感光材
料に悪影響を与えず、熱可塑性樹脂フィルムに添加した
場合でもカーボンブラックの塊(ブツ)やフィッシュア
イ等のピンホールが発生しにくい等の数々の利点を有す
る包装材料を得ることができる。
カーボンブラックを樹脂に配合する使用形態としては粉
末添加法、ペースト状添加法、潤性添加法、コンパウン
ド法、マスターバッチ法等がある。これらの中でマスタ
ーバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で好まし
い。
公知文献の特公昭40−26196号公報には有機溶媒に溶解
した重合体の溶液中にカーボンブラックを分散せしめ
て、重合体カーボンブラックのマスターバッチをつくる
方法を、特公昭43−10362号公報にはカーボンブラック
をポリエチレンに分散してマスターバッチをつくる方法
が示されている。
マスターバッチ方法の場合には、まずLDPE又はポリオレ
フィン系樹脂等に2重量%以上一般には10重量%以上の
高濃度にカーボンブラックを混合してマスターバッチを
作る。最終製品のカーボンブラック量が所定の値になる
様にこのマスターバッチを計量し、L−LDPE樹脂と混合
する。
この方法には2つの利点を認めることができる。第一に
カーボンブラックをL−LDPE樹脂に直接混合するよりも
この方が混合,分散が容易であり、コストダウンになり
且つフィッシュアイも改良される。
第二にL−LDPE樹脂単独よりもLDPE又はポリオレフィン
系樹脂とL−LDPE樹脂との混合系の方がフィルムを製造
する場合の加工性にすぐれている。カーボンブラック混
合のコストダウンのためマスターバッチ用樹脂としてL
−LDPE樹脂を使用してもよい。特にマスターバッチ用ベ
ース樹脂のメルトインデックスはL−LDPE樹脂より高い
熱可塑性樹脂が好ましい。特にLDPE,EVA,EEA等の共重合
体樹脂が好ましい。
本考案者らは、HDPEやLDPE単独樹脂の代りに従来は、包
装用フィルムとしては問題があったL−LDPE樹脂とLDPE
樹脂又はEVA,EEA等の共重合体樹脂との混合樹脂を使っ
て、カーボンブラック配合の影響を試験した。この結
果、L−LDPE樹脂にカーボンブラックを配合した場合に
はHDPE単独樹脂やLDPE単独樹脂の場合とは逆に物理強度
が大幅に増大するという予想外の結果が見いだされた。
即ちHDPE単独樹脂系フィルムやLDPE単独樹脂系フィルム
は、L−LDPE−ポリオレフィン系樹脂フィルムに比較し
てもともと強度が小さいが、特にカーボンブラックを添
加した時の強度の低下が著しい。それに対し、L−LDPE
−ポリオレフィン系樹脂フィルムはカーボンブラック添
加により強度が向上する。
同様のことがL−LDPE単独樹脂系フィルムでも言える。
L−LDPE単独樹脂系フィルム及びL−LDPE−ポリオレフ
ィン系樹脂フィルムのカーボンブラック配合の効果は、
1重量%で明らかに現われ、3重量%を超えると顕著に
なってゆくが、配合量がさらに増大するとブツ発生が多
くなり、且つコストアップになる。30重量%を越えると
特にカーボンブラックの分散不良によるブツの発生や輸
送中の振動により写真感光材料への摩耗クズ付着が多く
なり、又ピンホールによる遮光性不良の点で問題となっ
てくる。又コストも割高になる。
従ってカーボンブラックの配合量は経済性、ブツ発生、
引裂き強度等より0.1〜15重量%が適当であり、1〜7
重量%が特に好ましいといえる。
本考案のL−LDPE遮光フィルムに必須の第3の組成であ
る滑剤は加工機適改善と、製品を挿入しやすくするだけ
でなく、フィルム成形時や写真感光材料の包装時に静電
気が発生するのを防止したり、フィルムのブロッキング
を防止したり、インフレーション法によるフィルム成形
時のフィルム成形性改善のために添加する。
滑剤の添加量が多ければ上記の特性は大巾に改善できる
がヒートシール性が悪化したり、写真感光材料に悪影響
を与えたり(現像阻害を起す)、ベト付いたり、ゴミが
付着しやすくなる為滑剤の添加量は0.01〜1.0重量%と
する。また、その種類もシリコーン系滑剤、脂肪酸アミ
ド系滑剤及びアルキルアミン系滑剤のなかから選択す
る。すなわち、写真感光材料に悪影響を及ぼさず上記の
種々の特性を改善し写真感光材料との滑り特性を良くす
る滑剤である、ジメチルポリシロキサンと脂肪酸アミド
系滑剤(オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリ
ン酸アミド、エシル酸アミド等)、脂肪酸系が特に好ま
しい。すべり特性と帯電防止効果のある花王石けん製エ
レクトロストリッパーは特に好ましい。
本考案に好ましい滑剤の市販品の代表例を以下に記載す
るが本考案はこれに限定されるものではない。
シリコーン系滑剤; ジメチルポリシロキサン各種(信越シリコーン、東レシ
リコーン) オレイン酸アミド系滑剤; アーモスリップCP(ライオン・アクゾ)、ニユートロン
(日本精化)、ニユートロンE18(日本精化)、アマイ
ドO(日東化学)、アルフローE10(日本油脂)、ダイ
ヤミッドO−200(日本化成)、ダイヤミッドG−200
(日本化成)等エルカ酸アミド系滑剤; アルフローP−10(日本油脂)等 ステアリン酸アミド系滑剤; アルフローS−10(日本油脂)、ニユートロン2(日本
精化)、ダイヤミッド200(日本化成)等ビス脂肪酸ア
ミド系滑剤; ビスアマイド(日本化成)、ダイヤミッド−200ビス
(日本化成)、アーモワックス−EBS(ライオン・アク
ゾ)等 アルキルアミン系滑剤; エレクトロストリッパーTS−2(花王石けん)等 L−LDPE樹脂系フィルム層中にLDPE樹脂以外に必要によ
りブレンド可能な他の樹脂としてはHDPEが好ましく使用
されるが、部分的に他のポリオレフィン系ポリマー等、
例えば中密度ポリエチレン(以後MDPEと表示)樹脂、各
種ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(以後EVAと表示)やエチレン−エチルアクリレート共
重合体(以後EEAと表示)、エチレン−メタクリレート
共重合体(以後EMAと表示)、ポリイソブチレン樹脂、
エチレン−アクリル酸共重合体(以後EAAと表示)等を
ブレンドせしめることも基本的特性を変更しない範囲で
可能である。必要により2種類以上ブレンドしても良
い。
本考案のL−LDPE遮光フィルム層中には、前述必須添加
剤以外の各種の添加剤が必要に応じて必要量添加させる
ことが出来る。
添加剤の代表例を以下に記載するが本考案はこれに限定
されるものではなく公知のあらゆる物の中から選択でき
る。
(添加剤種類) (代表例) (1)可塑剤;フタル酸エステル、グリコールエステル 、脂肪酸エステル、リン酸エステル等 (2)安定剤;鉛系、カドミウム系、亜鉛系、アルカリ 土類金属系、有機スズ系等 (3)帯電防止剤;陽イオン活性剤、アニオン活性剤、 非イオン活性剤、両面活性剤、等 (4)難燃剤;燐酸エステル、ハロゲン化燐酸エステル 、ハロゲン化物、無機物、含燐ポリオー ル等 (5)充填剤;アルミナ、カオリン、クレー、炭酸カル シウム、マイカ、タルク、酸化チタン、 シリカ等 (6)補強剤;ガラスロービング、金属繊維、ガラス繊 維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維 等 (7)着色剤;無機顔料(Al,Fe2O3,TiO2,ZnO,Cd S等)、有機顔料、染料、等 (8)発泡剤;無機発泡剤(炭酸アンモニア、重炭酸ソ ーダ)有機発泡剤(ニトロソ系、アゾ系 )、等 (9)加硫剤;加硫促進剤、促進助剤等 (10)劣化防止剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属不 活性剤、過酸化物分解剤等 (11)カップリング剤;シラン系、チタネート系、クロ ム系、アルミニウム系等 (12)各種の熱可塑性樹脂,ゴム等 本考案の表裏両面にL−LDPE遮光フィルム層を有する同
時2層共押し出しL−LDPEフィルム層を具備する写真感
光材料用包装材料は、用いられる包装袋等により種々の
構成を採ることができる。即ち、同時2層共押し出しL
−LDPEフィルム層のみから構成することができ、またこ
の共押し出しL−LDPEフィルム層を2層以上積層して
も、さらに同時2層共押し出しL−LDPEフィルム層にフ
レキシブルシート層、金属薄膜層等を積層して構成する
こともできる。例えば、2重遮光袋用の内紙として用い
る際に最も安価で有効な層構成としては、L−LDPE遮光
フィルム層とL−LDPE遮光フィルム層の同時2層共押し
出しL−LDPE遮光フィルム層のみからなる構成である。
この場合、暗室作業のため表裏を見わけるのが困難な写
真感光材料を2重袋の形態で包装する場合の内紙として
は、表裏のL−LDPE遮光フィルム層の樹脂組成及び層の
厚さが略同じであることが好ましい。
前記、必要に応じて同時2層共押し出しL−LDPE遮光フ
ィルム層に積層される金属薄膜層は、帯電防止、防湿
性、遮光性、ガスバリヤ性等を向上させるものである。
この金属薄膜層の代表的なものとしては厚さ5〜60μm
のアルミニウム箔、スズ箔、鉛箔、亜鉛メッキした薄層
鋼板、電気分解法によりイオン化金属を薄膜にした金属
箔と写真感光材料用包装材料として薄層で物理強度が大
きく、防湿性、ガスバリヤー性、帯電防止性にすぐれた
フレキシブルシート層に金属薄膜を加工した(代表例は
真空蒸着)安価な金属薄膜加工(又は金属薄膜形成とも
言う)したものがある。本考案の包装材料用としてもっ
とも適している遮光層の役割もかねる金属薄膜加工フレ
キシブルシート層について詳述する。
金属薄膜加工方法としては真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法など従
来公知の薄膜生成法等によりフレキシブルシートの両面
又は片面(例えば遮光層面側の片面)に金属薄膜を設け
ることができる。
金属薄膜にはAl,Sn,Zn,Co,Cr,Ni,Fe,Cu等の金属単体、
合金、その他薄膜生成可能な金属はすべて使用できるが
コスト、加工しやすさの点でアルミニウム(Al)がもっ
とも適している。1番好ましいのはアルミニウム真空蒸
着薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層である。
金属薄膜は積層体としての物理強度、遮光性、帯電防止
性と防湿性確保及びコスト、品質の点から55〜1200Åの
厚さが好ましい。即ち厚さが55Å未満では金属薄膜加工
フレキシブルシート層だけでは金属薄膜の両面の層に発
生する帯電を減少させることが出来ない上に金属薄膜の
両面のフレキシブルシート層と遮光層の厚さ増加をしな
いと感光材料用包装材料として必要な防湿性、遮光性を
確保することが困難である。
又厚さが1200Åを越えると、帯電防止、防湿性、遮光性
は確保できるがコスト及び真空蒸着法等では加熱による
フレキシブルシート層の劣化、出来あがった積層フィル
ムの物理強度低下等の点で問題があり実用化困難であ
る。アルミニウム真空蒸着膜の場合、70Å以上、通常の
用途には80〜800Åの厚さが好ましく、さらに好ましく
は100〜600Åである。
金属薄膜を形成するフレキシブルシートとしては厚さ5
〜70μmのあらゆる紙状又はフィルム状のシートが利用
出来る。
特に本考案用として好ましいのは包装材料の薄層化とコ
ストダウンと物理強度確保のため厚さが8〜40μmの各
種の紙、合成紙、セロハン、熱可塑性樹脂フィルム等で
あり、もっとも好ましいのは厚さが8〜30μmの一軸又
は二軸分子配向したポリプロピレンフィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリエチレンフィルム、ナイロンフィル
ムである。ポリプロピレンフィルムでは無延伸フィルム
も物理強度が大きく安価で好ましい。高密度ポリエチレ
ン樹脂を用いてブロー比を大きくした極薄強化フィルム
は物理強度が大きく安価で特に好ましい。
フレキシブルシート層と金属薄膜層(代表例としては真
空蒸着薄膜)との密着(接着とも言う)強度向上のため
フレキシブルシートの表面を各種の公知の方法で活性化
させたり、下塗り層(アンカー剤コート層)をもうけた
りしてもよい。
代表的なフレキシブルシート層と金属薄膜層の密着強度
向上方法を記載するが本考案はこれらに限定されず公知
のすべての方法を用いることが出来る。フレキシブルシ
ート層と金属薄膜層の密着強度は5g〜300g/15mmである
ことが積層フィルムの引裂き強度や衝撃穴あけ強度、落
下強度、ゲルボテスト強度確保の為に好ましい。5g/15m
m未満では層間ハクリ故障(一般にはデラミと言う)が
発生し、301g/15mm以上では上記物理強度が劣化し破れ
やピンホール故障が発生しやすくなる。
フレキシブルシート層と金属薄膜層の密着(−接着)強
度向上方法の代表例としては (1)フレキシブルシート層の表面を活性化する方法 (1)コロナ放電処理により表面を活性化する方法 (2)紫外線照射処理 〃 (3)火炎処理 〃 (4)重クロム酸処理 〃 (5)硫酸混液等の酸化剤処理 〃
等。
(2)(1)で活性化処理した表面に金属との親和性の
良好な金属受容性の優れた物質を塗布する方法 (アンカー剤塗布方法) (1)ポリエステル樹脂溶液を塗布する方法 (2)ポリアミド樹脂 〃 (3)ポリウレタン樹脂 〃 (4)エポキシ樹脂 〃 (5)セルローズ誘導体樹脂 〃 (6)ポリ酢酸ビニル樹脂 〃 (7)ポリビニルブチラール樹脂 〃 (8)EAA,EEA,EMA樹脂 〃 等。
(3)金属蒸着剤にエポキシ樹脂等(2)の樹脂を下塗
りし、金属蒸着後ブチラール樹脂等の保護層の上塗りを
行う方法 (4)金属蒸着の前又は後にフレキシブルシート層の融
点前後の温度で短時間熱処理する方法。
(5)金属薄膜を形成するフレキシブルシート層中に金
属との親和性の良好な物質を添加する。
金属薄膜の保護だけでなく金属薄膜と接着層間のハクリ
強度を向上させ、層間ハクリ強度調整する等、必要なら
金属薄膜の上に保護層をもうけてもよい。
金属薄膜保護層としてはブチラール樹脂、アクリル樹
脂、酢酸繊維素等のセルロース系樹脂、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、
EEA樹脂、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂
等適宜の樹脂が使用できる。又ワックス、ゼラチン、ポ
リビニルアルコール等も使用できる。
金属薄膜の保護層は極薄の厚さで形成するのがよい。押
出しラミネート法でもうける場合でも50μm以下にしな
いと静電気の除去は不充分となる。
公知の溶液塗布法又はスプレー塗布法等により5μm以
下の厚さにすると金属薄膜の保護ができ静電気の除去効
果大である。フレキシブルシート層、遮光層、接着層、
金属薄膜保護層に帯電防止剤やカーボンブラック、アル
ミニウム粉末、アルミニウムペースト等の金属粉末や炭
素繊維等の導電物質等を混入することもでき、このよう
にすれば、静電気の除去はさらに万全となる。
前記必要に応じて同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィ
ルムと積層されるフレキシブルシート層としては、各種
の熱可塑性樹脂フィルム、例えば各種ポリエチレン樹
脂、ポリエチレン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリエ
ステル樹脂などよりなる公知のフィルム、及びそれらの
変性樹脂のフィルムがある。
セルロースアセテートフィルム、セロファン、ポリビニ
ルアルコールフィルム、各種の紙、各種の不織布、ワリ
フ、及びポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン等
の発泡シート等の公知のフレキシブルシート層なども使
用することができる。
複合フィルムとする場合には、L−LDPE樹脂と遮光物質
を混練した同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィルム層
を製品と接する最内層に配するのがよい。この同時2層
共押し出しL−LDPE遮光フィルム層は2層を共押出した
インフレーションフィルムである。前記フレキシブルシ
ート層は1層であってもよく、2層以上を組み合わせて
使用してもよい。
写真感光材料用包装材料の最外層としては、晒クラフト
紙や合成紙、不織布、セロハン等の耐熱性フレキシブル
シートが防湿袋等のようにヒートシールにより密封包装
する包装材料として印刷適性を有し、物理強度が大き
く、溶融しない等の点で特に好ましい。又不純物の混入
が少なくL−LDPE遮光性フィルム層より耐熱性を有する
点で一軸又は二軸分子配向(延伸フィルムを含む)ポリ
エステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリエチレンフィルム等も好ましい。
本考案に必須の同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィル
ム層及び必要により積層される金属薄膜層及び各種のフ
レキシブルシート層を積層する方法は通常の方法でよ
く、例えば熱接着法(熱板接着法、インパルス接着法、
超音波接着法)、接着剤による方法(湿式ラミネート
法、乾式ラミネート法、ホットメルトラミネート法、エ
クストルージョンラミネート法、共押し出しラミネート
法も含む)、等が使われる。
接着剤の代表的なものとして各種ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等のポリオレフィン
系熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、エチレン−プロピレン共
重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体樹脂等のオレフィン
共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ア
イオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶融接着剤その他熱
溶融型ゴム系接着剤があり、溶液状接着剤としてはウエ
ットラミネート用接着剤があり、エマルジョン、ラテッ
クス状の接着剤である。エマルジョン型接着剤の代表例
としてはポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレン共重合
物、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共重合物、酢酸ビ
ニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル共重合
物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエマルジョンが
ある。ラテックス型接着剤の代表例としては天然ゴム、
スチレンブタジエン(SBR)、アクリロニトリルブタジ
エン(NBR)、クロロプレン(CR)等のゴムラテックス
がある。又ドライラミネート用接着剤としてはポリウレ
タン接着剤等があり、その他パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂
等をブレンドしたホットメルトラミネート接着剤、感圧
接着剤、感熱接着剤等公知の接着剤を用いることが出来
る。エクストルージョン用(押し出しラミネート用)ポ
リオレフィン系接着剤はより具体的にいえば各種ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、
など及びエチレンと他の物質からなる共重合体{EVA,EE
A、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)}樹脂、DuP
ont社のサーリン、三井ポリケミカル社のハイミラン等
のアイオノマー樹脂(イオン性共重合体)やグラフト重
合させたものをも含む。特に低密度ポリエチレン樹脂が
安価で好ましい。
これらの接着剤は積層させようとする層より5°以上融
点が低いものであることが好ましい。この程度の温度差
があればフレキシブルシートに悪影響を与えず熱溶融接
着を完全に行わせることができる。
熱可塑性樹脂を用いたエクストルーションラミネート法
による接着層の厚さは、通例7μm〜50μm好ましくは
10μm〜25μmとなるが、コスト、ラミネート速度、積
層体の全厚さ等に基いて定められるのでこの数値には特
に限定されない。
以下、本考案の代表的な実施態様を断面図を参照して説
明するが、本考案はこれらに限定されるものではない。
第1図から第10図までは、本考案による写真感光材料用
包装材料の断面図である。
第1図は本考案の最も基本になる金属粉末又はカーボン
ブラックと滑剤を含むL−LDPE遮光フィルム層1aを同時
2層共押し出しした同時2層共押し出しL−LDPE遮光フ
ィルム層2aである。
第2図はフレキシブルシート層4(好ましくは金属薄膜
層)の両面に接着層5によりL−LDPE遮光フィルム層1a
を同時2層共押し出しした共押し出しL−LDPE遮光フィ
ルム層2aを積層した積層フィルムである。
第3図はL−LDPE遮光フィルム層1aを同時2層共押し出
しした共押し出しL−LDPE遮光フィルム層2aと表裏の厚
さ又は組成の少し異なるL−LDPE遮光フィルム1b,1b′
を同時2層共押し出しした共押し出し遮光フィルム層2c
を接着層5で積層した積層フィルムである。
第4図は表裏のL−LDPE遮光フィルム層1aと接着性の良
好な共押し出し中間層3を同時3層共押し出しした同時
3層共押し出しL−LDPE遮光フィルム層2bと第1図の同
時2層共押し出しL−LDPE遮光フィルム層2aを接着層5
で積層した積層フィルムである。
第5図は第1図の同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィ
ルム層2a上にもうけた接着層を穴アキフレキシブルシー
ト層4の穴6を通してもうけた接着層5により反対側の
第1図の同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィルム層2a
と積層した包装材料である。
第6図は第1図の同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィ
ルム層2aを接着層5によりフレキシブルシート層4と積
層した積層フィルムである。
第7図は第3図の同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィ
ルム層2cを接着層5によりフレキシブルシート層4に積
層した積層フィルムである。
第8図は第1図の同時2層共押し出しL−LDPE遮光フィ
ルム層2aを接着層5によりフレキシブルシート層4(好
ましいのは金属薄膜層)に積層しさらに接着層5により
フレキシブルシート層4(紙が好ましい)を積層した積
層フィルムである。
第9図から第14図までは、従来の包装材料の断面図であ
る。
第9図は従来のもっとも基本になるLDPE樹脂遮光フィル
ム層7の単一層である。
第10図は防湿性を特に要求される製品に従来使用されて
いるLDPE樹脂遮光フィルム層7に接着層5で金属箔層8
を積層し、さらに金属箔層8に接着層5でフレキシブル
シート層4を積層した5層構成の積層フィルムである。
第11図はカラー印画紙の2重ガセット袋の内紙等に従来
使用されている物理強度を要求される包装材料で第10図
の包装材料にさらに接着層5でLDPE樹脂遮光フィルム層
7を積層した7層構成の積層フィルムである。
第12図はL−LDPE遮光フィルム層1を金属箔層8の両面
に接着層5で積層した包装材料である。
第13図は一軸分子配向遮光フィルム9を金属箔層8の内
面に接着層5で分子配向軸が交差するように積層したク
ロスラミネートフィルムである。
第14図は第12図のLDPE遮光フィルム層7の代りにL−LD
PE遮光フィルム層1を積層した包装材料である。
第15図と第16図は本考案の包装材料を、カラー印画紙等
に用いられる2重ガゼット袋に適用した具体例であり、
第15図はその部分断面図であり第16図は第15図の直角方
向に切断した断面図である。この2重ガゼット袋10は外
紙11と内紙12で構成されており、その内部に写真感光材
料13が収納される。
外紙11には第17図から第20図の部分断面図で示される包
装材料等が使用される。
第17図は従来もっとも多く用いられているフレキシブル
シート層4に直接ヒートシール層としてLDPEフィルム層
14又はL−LDPEフィルム層15を塗布した積層体である。
第18図はフレキシブルシート層4に接着層5を介して別
途成形したLDPEフィルム層14又はL−LDPEフィルム層15
を積層した積層フィルムである。
第19図はフレキシブルシート層4に接着層5を介して別
途成形したL−LDPE遮光フィルム層1aを積層した積層フ
ィルムである。
第20図はL−LDPEフィルム層15とL−LDPE遮光フィルム
層1aを同時2層共押し出しした層を接着層5を介してフ
レキシブルシート層4に積層した積層フィルムである。
内紙12は、本考案の包装材料で形成されており、例えば
第1図から第8図までに示される包装材料等が使用され
る。これら外紙11と内紙12は、センターシール部18端部
のヒートシール部19でヒートシールされておりさらに端
部において一体に折り込まれ、接着剤16で接着されると
ともにテープ17が貼着されて密封が施されている。
本考案の写真感光材料用包装材料は感光物質の包装用に
も好適である。写真感光材料とはハロゲン化銀写真感光
材料、ジアゾ写真感光材料、感光性樹脂、自己現像型写
真感光材料、拡散転写型写真感光材料などであり感光物
質とは光により変色したり、硬化劣化したりするすべて
の物質を含む。
具体的に例示すれば、チョコレート、マーガリン、ミ
ソ、ワイン、ビール等の食料品、医薬品、染料、その他
の化学物質例えば現像液、染色用媒染液などが挙げられ
る。特にわずかなガスや光や湿度により品質が破壊され
る写真感光材料の包装材料として最適である。
本考案の写真感光材料用包装材料は上記の写真感光材料
や感光物質に適用する場合、1重平袋、2重平袋、角底
袋、自立袋、1重ガゼット袋、2重ガゼット袋、フィル
ムシート、防湿箱の内貼り、リーダー紙等公知のあらゆ
る形態が可能である。2重袋に製袋する方法は使用する
積層フィルムの性質に応じて熱板接着法、インパルス接
着法、溶断接着法、超音波接着法、高周波接着法など、
従来公知のプラスチックフィルムの接着法による。な
お、また適宜のノリを用いる接着法、感圧,感熱接着剤
による接着法などを使用して製袋することも可能であ
る。
〔作用〕
本考案の包装材料の同時共押し出しL−LDPE遮光フィル
ム層は、2層のL−LDPE遮光フィルム層よりなっている
ので、同一組成で同一厚さであれば一層からなる包装材
料に比してフィルム成形性が良好で且つ引裂強度、衝撃
穴あけ強度等が大きい。
〔実施例〕
以下本考案の好ましい実施例とその効果について説明す
る。
本考案品I 第1図の実施態様に相当するL−LDPE遮光フィルム層1a
としてはエチレンと4−メチルペンテン−1を共重合さ
せた三井石油化学製L−LDPE樹脂(商品名ウルトゼック
ス#2021L)にオイルファーネスカーボンブラックを3
重量%、滑剤としてオレイン酸アミドを0.1重量%を添
加した同一組成同一厚さの厚さ25μmのL−LDPE遮光フ
ィルム層1aを同時2層共押し出しインフレーションフィ
ルム成形したトータル厚さ50μmの共押し出しL−LDPE
遮光フィルム層2aである。
比較品I 第9図の実施態様に相当する本考案品Iと同一樹脂組成
の厚さ50μmの単層インフレーションフィルム成形した
L−LDPE遮光フィルム層1aである。
従来品I 第9図の実施態様に相当する比較品Iとは厚さ50μmの
L−LDPE遮光フィルム層1aの代りに厚さ50μmの単層イ
ンフレーションフィルム成形したLDPE遮光フィルム層7
である。
本考案品2 第1図の実施態様に相当する第1表の樹脂組成の厚さ45
μmのL-LDPE遮光フィルム層1aを同時2層共押し出しイ
ンフレーションフィルム成形したトータル厚さ90μmの
共押し出しL-LDPE遮光フィルム層2aである。
比較品2 第9図の実施態様に相当する本考案品2と同一樹脂組成
の厚さ90μmの単層インフレーションフィルム成形した
L-LDPE遮光フィルム層1aである。
本考案品3 第5図の実施態様に準ずる本考案品1のトータル厚さ50
μmの同時2層共押し出しL-LDPE遮光フィルム層2aを厚
さ15μmのLDPE接着層5でフレキシブルシート層4とし
て大日本プラスチックス(株)製の穴アキフィルム(商
品名パンホール)の穴6を通した接着層5により反対側
のトータル厚さ50μmの同時2層共押し出しL-LDPE遮光
フィルム層2aと積層した強化積層フィルムである。
本考案品4 本考案品2を内紙とし外紙としては第6図の実施態様の
フレキシブルシート層4として73g/m2のクルパック紙4
にLDPE接着層5で本考案品1の同時2層共押し出しL-LD
PE遮光フィルム層2aを積層した積層フィルムを組み合せ
第15図のような2重ガゼット袋でカラーペーパーを包装
した。その結果は物理強度が大きく安価ですぐれてい
た。
以上の実施例は本考案の写真感光材料用包装材料として
好ましい実施態様の代表例を示したものであるが、本考
案は以上に限定されるものでなく、他の公知の素材やフ
レキシブルシート層との組合せが可能である。
以上本考案品1〜3、比較品1〜2及び従来品1の層構
成、使用材料、各層の厚さ、特性を比較した結果を第1
表及び第2表に示す。
実施例中のL-LDPE樹脂としては三井石油化学社製ウルト
ゼックス2021L(MI2.1g/10分、密度0.920g/cm3),LDPE
エクストルージョン接着層5としては三井ポリケミカル
社製ミラソン14(MI5.1g/10分、密度0.919g/cm3)そし
てカーボンブラックとしては三菱化成社製オイルファー
ネスブラック44B(平均粒子径21mμ、pH7.7)をLDPEフ
ィルム層としては日本ユニカー製DFD−0111(MI2.4g/10
分、密度0.923g/cm3)をそれぞれ使用した。
第2表の評価は下記による。
優;非常に優れている、良;優れている、可;実用限度
内改良必要;問題あり、不可;実用不可 試験方法は下記による。
密度;(ASTMD-1505)に準ずる。
メルトインデックス(MI)…(ASTMD-1238)に準ずる。
A;スベリ角度;テストすべきシートの1部を切取り、 これを縦75mm×横35mmの荷重200gのブロックの 底面に貼着する。一方、テストすべきシートの 1部を同様に切取って傾斜面に貼着し、前記ブ ロックのシート面を傾斜面上に載せ、この傾斜 面の傾斜角度を変化させて、前記ブロックが滑 り始めた角度を読み取る。
B;遮光性;ASA100の写真フィルムを各包装材料を使用 した袋に入れ完全密封後、8万ルックスの光に 1時間さらし、遮光性を写真フィルムのカブリ の程度により検出,評価する。
C;熱間シール性(ホットタック性); 160℃でヒートシールした直後の2枚の包装材 料(巾15mm)の開端を片側45gの荷重で剥離角 度22.5度で引張った場合の熱間剥離距離(cm) により判定。
D;ゲルボテスト強度; 米軍規格MIL-B131による装置を使用し、包装材 料にピンホールが発生し遮光性が確保出来なく なるまでの屈曲回数。数字が大きい程強度大 評価は 不可;2回以下でピンホール発生。
改良必要;3〜7回 〃 可 ;7〜50回 〃 良 ;51〜100回 〃 優 ;101回以上 〃 〔考案の効果〕 本考案の包装材料は同時2層共押し出しL-LDPEフィルム
層だけでも、フレキシブル層を積層した積層フィルムに
しても引裂き強度、衝撃穴アケ強度、ゲルボテスト強
度、抗張力、遮光性、防湿性、滑性、ヒートシール適性
等が良好である。
そして同一物理強度保証であれば従来の単一層フィルム
品に比して大幅に薄肉化が可能であり、その結果コスト
ダウンを計ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図はいずれも本考案の実施例である包装材
料の部分断面図であり、第9図〜第14図は従来の包装材
料の部分断面図であり、第15図は本考案の包装材料を使
用した包装袋の一実施例の部分断面図であり、第16図は
第15図の包装袋を直角方向に切断した図であり、第17図
〜第20図は外紙の部分断面図である。 1a,1b……L-LDPE遮光フィルム層、2a,2b,2c……同時2
層共押し出しL-LDPE遮光フィルム層、3……中間層、4
……フレキシブルシート層、5……接着層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−29743(JP,A) 特開 昭60−111242(JP,A) 特開 昭58−173653(JP,A) 特開 昭57−6765(JP,A) 「ラミネート加工便覧」、加工技術研究 会(昭和53年9月15日発行)P.33〜42

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともエチレンと炭素数が3〜13個の
    α−オレフィンよりなる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
    35重量%以上とpHが5〜9、平均粒子径が10〜120mμの
    カーボンブラック0.1〜15重量%とシリコーン系滑剤、
    脂肪酸アミド系滑剤及びアルキルアミン系滑剤のなかか
    ら選ばれた少なくとも1種の滑剤0.01〜1.0重量%とを
    含む2つのL−LDPE遮光フィルム層からなり独立して形
    成された同時2層共押し出しインフレーションL−LDPE
    遮光フィルムの層を具備していることを特徴とする写真
    感光材料用包装材料
  2. 【請求項2】同時2層共押し出しインフレーションL−
    LDPE遮光フィルムの層は、略同一樹脂組成でかつ略同一
    厚さである2層のL−LDPE遮光フィルムからなっている
    実用新案登録請求の範囲第1項記載の写真感光材料用包
    装材料
  3. 【請求項3】同時2層共押し出しインフレーションL−
    LDPE遮光フィルムの層をフレキシブルシートの両側に接
    着層で積層した実用新案登録請求の範囲第1項記載の写
    真感光材料用包装材料
  4. 【請求項4】インフレーションL−LDPE遮光フィルム層
    の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の量が50重量%以上で
    ある実用新案登録請求の範囲第1項,第2項又は第3項
    記載の写真感光材料用包装材料
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