JPH06346787A - 内燃機関のピストン - Google Patents
内燃機関のピストンInfo
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- JPH06346787A JPH06346787A JP5138244A JP13824493A JPH06346787A JP H06346787 A JPH06346787 A JP H06346787A JP 5138244 A JP5138244 A JP 5138244A JP 13824493 A JP13824493 A JP 13824493A JP H06346787 A JPH06346787 A JP H06346787A
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- piston
- skirt
- sliding
- length
- diameter
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F3/00—Pistons
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ピストンの摺動抵抗を減少させること。
【構成】 ピストン2のスカート部8の長さLと、シリ
ンダボア径Dと、スカート部摺動投影面積Sとを、0.
4≦S/(D・L)≦0.55の関係としたピストン。
この領域に入るように形状を設定したスカート部8をも
つピストン2は、摺動抵抗が小さくなる。
ンダボア径Dと、スカート部摺動投影面積Sとを、0.
4≦S/(D・L)≦0.55の関係としたピストン。
この領域に入るように形状を設定したスカート部8をも
つピストン2は、摺動抵抗が小さくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のピストンに関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃費の向上、出力の向上のため
に、内燃機関のピストンの軽量化、摺動抵抗の減少を狙
った構成が種々提案されている。たとえば、特開昭61
−58954号公報は、ピストンスカート部長さのボア
径に対する比を0.15〜0.25の範囲に設定してス
カートの長さを極端に短くし、軽量化と摩擦低減をはか
ったピストンを提案している。
に、内燃機関のピストンの軽量化、摺動抵抗の減少を狙
った構成が種々提案されている。たとえば、特開昭61
−58954号公報は、ピストンスカート部長さのボア
径に対する比を0.15〜0.25の範囲に設定してス
カートの長さを極端に短くし、軽量化と摩擦低減をはか
ったピストンを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術には
次の問題があった。摺動抵抗は、スラスト/反スラスト
力と摺動面積、面圧から定まるが、スカートの長さのみ
を規定してもスカートの幅も考慮に入れなければ、スカ
ートの摺動面積、面圧を考慮したことにならない。ま
た、ピストンスカート部長さのボア径に対する比を0.
15〜0.25に設定すると、通常のピストンではスカ
ート部下端がピストンピン径下端より上にきてピストン
ピン中心位置に近づき、スラスト/反スラスト方向のピ
ストン姿勢を保つことが難しくなって局所的に面圧が大
になる。したがって、摺動抵抗減少上、従来提案は最適
構造になっていない。本発明の目的は、ピストンのシリ
ンダボアとの摺動抵抗を最小にし、しかもピストンの軽
量化もはかれる内燃機関のピストンを提供することにあ
る。
次の問題があった。摺動抵抗は、スラスト/反スラスト
力と摺動面積、面圧から定まるが、スカートの長さのみ
を規定してもスカートの幅も考慮に入れなければ、スカ
ートの摺動面積、面圧を考慮したことにならない。ま
た、ピストンスカート部長さのボア径に対する比を0.
15〜0.25に設定すると、通常のピストンではスカ
ート部下端がピストンピン径下端より上にきてピストン
ピン中心位置に近づき、スラスト/反スラスト方向のピ
ストン姿勢を保つことが難しくなって局所的に面圧が大
になる。したがって、摺動抵抗減少上、従来提案は最適
構造になっていない。本発明の目的は、ピストンのシリ
ンダボアとの摺動抵抗を最小にし、しかもピストンの軽
量化もはかれる内燃機関のピストンを提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係わる内燃機関のピストンは、次のピストン
から成る。すなわち、ピストンのスカート部の長さLと
シリンダボア径Dとスカート部摺動投影面積Sとを、
0.4≦S/(D・L)≦0.55の関係とした内燃機
関のピストン。
の本発明に係わる内燃機関のピストンは、次のピストン
から成る。すなわち、ピストンのスカート部の長さLと
シリンダボア径Dとスカート部摺動投影面積Sとを、
0.4≦S/(D・L)≦0.55の関係とした内燃機
関のピストン。
【0005】
【作用】ピストンはスカート部でシリンダボアに摺接す
る。摺動抵抗を決める要因は、スカートの高さではなく
スカートの摺動投影面積であると推察した。スカートの
摺動投影面積のピストン摺動抵抗に及ぼす影響を、ピス
トンサイズの影響を大きく受けることなくみるために、
スカート摺動投影面積Sをフルスカート(スカートが全
周にわたってあるピストン)のスカート摺動投影面積
(D・L)で割って無次元化し、S/(D・L)の値を
種々に変化させてその時の摺動摩擦抵抗を測定したとこ
ろ、S/(D・L)が0.4〜0.55の範囲にある場
合に摺動摩擦が低減することがみられたので、本発明で
はS、D、Lの関係を上記の通りに設定した。したがっ
て、ピストン形状を、スカート長さからではなく、スカ
ート幅も考慮したスカート摺動投影面積から特定したの
で、最適な摺動抵抗低減がはかられる。また、通常の従
来ピストンはS/(D・L)が約0.6近傍にあるの
で、本発明のピストンのスカートは通常の従来ピストン
のスカートより小型であり、ピストンの軽量化、それに
伴なうコネクティングロッド等の軽量化もはかられ、燃
費の改善にとって有利である。
る。摺動抵抗を決める要因は、スカートの高さではなく
スカートの摺動投影面積であると推察した。スカートの
摺動投影面積のピストン摺動抵抗に及ぼす影響を、ピス
トンサイズの影響を大きく受けることなくみるために、
スカート摺動投影面積Sをフルスカート(スカートが全
周にわたってあるピストン)のスカート摺動投影面積
(D・L)で割って無次元化し、S/(D・L)の値を
種々に変化させてその時の摺動摩擦抵抗を測定したとこ
ろ、S/(D・L)が0.4〜0.55の範囲にある場
合に摺動摩擦が低減することがみられたので、本発明で
はS、D、Lの関係を上記の通りに設定した。したがっ
て、ピストン形状を、スカート長さからではなく、スカ
ート幅も考慮したスカート摺動投影面積から特定したの
で、最適な摺動抵抗低減がはかられる。また、通常の従
来ピストンはS/(D・L)が約0.6近傍にあるの
で、本発明のピストンのスカートは通常の従来ピストン
のスカートより小型であり、ピストンの軽量化、それに
伴なうコネクティングロッド等の軽量化もはかられ、燃
費の改善にとって有利である。
【0006】
【実施例】以下に、本発明の望ましい実施例を、図1〜
図5を参照して説明する。ここで、図1、図2、3、4
は、それぞれ、本発明の第1、2、3、4実施例を示
し、図5はそれらの摺動抵抗試験結果を示している。は
じめに、各実施例に共通な構成を、例えば図1を参照し
て説明する。なお、全実施例にわたって同一又は類似の
構成部分には同一符号を付してある。図1において、ピ
ストン2は、頂部4、その下側に一体に連なる一対のボ
ス部6、6、頂部4の下側に一体に連なり一対のボス部
6、6を結ぶ方向と直交する方向に一対設けられたスカ
ート部8から成る。頂部4にはピストンリング溝10、
12、オイルリング溝14が形成され、ボス部6には同
芯状にピン穴16が形成される。ピストンリング溝1
0、12には、ピストンリング(図示略)が嵌着され、
オイルリング溝14にはオイルリング(図示略)が嵌着
される。ピン穴16にはピストンピン(図示略)がピス
トンピンのボス部の間の部分に連結される。ピストン2
はピストンピン、したがってピン穴軸芯まわりに回動す
る。スカート部8はシリンダボアに摺接して、ピストン
2の姿勢を保ち、かつスラスト/反スラスト力を受け
る。スカート部8の円弧の直径は頂部4の直径より若干
大きくしてあるので、スラスト/反スラスト力はスカー
ト部8のみによって受けられる。ここ迄は従来ピストン
構造と同じである。
図5を参照して説明する。ここで、図1、図2、3、4
は、それぞれ、本発明の第1、2、3、4実施例を示
し、図5はそれらの摺動抵抗試験結果を示している。は
じめに、各実施例に共通な構成を、例えば図1を参照し
て説明する。なお、全実施例にわたって同一又は類似の
構成部分には同一符号を付してある。図1において、ピ
ストン2は、頂部4、その下側に一体に連なる一対のボ
ス部6、6、頂部4の下側に一体に連なり一対のボス部
6、6を結ぶ方向と直交する方向に一対設けられたスカ
ート部8から成る。頂部4にはピストンリング溝10、
12、オイルリング溝14が形成され、ボス部6には同
芯状にピン穴16が形成される。ピストンリング溝1
0、12には、ピストンリング(図示略)が嵌着され、
オイルリング溝14にはオイルリング(図示略)が嵌着
される。ピン穴16にはピストンピン(図示略)がピス
トンピンのボス部の間の部分に連結される。ピストン2
はピストンピン、したがってピン穴軸芯まわりに回動す
る。スカート部8はシリンダボアに摺接して、ピストン
2の姿勢を保ち、かつスラスト/反スラスト力を受け
る。スカート部8の円弧の直径は頂部4の直径より若干
大きくしてあるので、スラスト/反スラスト力はスカー
ト部8のみによって受けられる。ここ迄は従来ピストン
構造と同じである。
【0007】スカート部8の長さをL、シリンダボア径
をD(ピストン径にほぼ等しい)、スカート部摺動投影
面積(ピストン軸芯とピストンピン軸芯とを含む平面に
投影した面積、図1〜図3で斜線を施した部分の面積)
をS、スカート部の投影幅(前記平面への投影)をWと
した場合に、次の条件を有するようにスカート部8の形
状が決定されている。 0.4≦S/(D・L)≦0.55 L/D≦0.45 スカート部下端がピストンピン穴下端より下方にあ
る。 上記、に関しては、とくに次の条件を有する場合が
とくに望ましい。 ´ 0.45≦S/(D・L)≦0.5 ´ L/D≦0.4
をD(ピストン径にほぼ等しい)、スカート部摺動投影
面積(ピストン軸芯とピストンピン軸芯とを含む平面に
投影した面積、図1〜図3で斜線を施した部分の面積)
をS、スカート部の投影幅(前記平面への投影)をWと
した場合に、次の条件を有するようにスカート部8の形
状が決定されている。 0.4≦S/(D・L)≦0.55 L/D≦0.45 スカート部下端がピストンピン穴下端より下方にあ
る。 上記、に関しては、とくに次の条件を有する場合が
とくに望ましい。 ´ 0.45≦S/(D・L)≦0.5 ´ L/D≦0.4
【0008】ピストン摺動抵抗は、スカート部8の摺動
投影面積とスラスト/反スラスト方向のスカート部とシ
リンダボア間の荷重との積によってほぼ決定されると考
え、このうちスカート部摺動投影面積Sと摺動抵抗(摩
擦損失)との関係を試験によって求めてみた。ピストン
のサイズと無関係な規則性を確立するために、スカート
部8の摺動投影面積を、フルスカート(スカートが全周
にわたって存在するピストンのスカート)の摺動投影面
積D・Lで割った値S/(D・L)によって、試験結果
を整理したものを図5の破線(ピストンA)に示す。た
だし、試験は、1000〜3000rpm、スロットル
全開(WOT)で行い、摩擦損失として、摩擦平均有効
圧(kPa)を用いた。摩擦平均有効圧が小な程、摺動
抵抗小、摩擦損失小を意味する。図5の破線の特性から
明らかなように、特性曲線は上方に向かって凹となり、
摺動抵抗小の領域は、0.4〜0.55であり、とくに
最小値は0.45〜0.5の範囲にある。ピストンサイ
ズが変わっても、これと同じ傾向を示す。
投影面積とスラスト/反スラスト方向のスカート部とシ
リンダボア間の荷重との積によってほぼ決定されると考
え、このうちスカート部摺動投影面積Sと摺動抵抗(摩
擦損失)との関係を試験によって求めてみた。ピストン
のサイズと無関係な規則性を確立するために、スカート
部8の摺動投影面積を、フルスカート(スカートが全周
にわたって存在するピストンのスカート)の摺動投影面
積D・Lで割った値S/(D・L)によって、試験結果
を整理したものを図5の破線(ピストンA)に示す。た
だし、試験は、1000〜3000rpm、スロットル
全開(WOT)で行い、摩擦損失として、摩擦平均有効
圧(kPa)を用いた。摩擦平均有効圧が小な程、摺動
抵抗小、摩擦損失小を意味する。図5の破線の特性から
明らかなように、特性曲線は上方に向かって凹となり、
摺動抵抗小の領域は、0.4〜0.55であり、とくに
最小値は0.45〜0.5の範囲にある。ピストンサイ
ズが変わっても、これと同じ傾向を示す。
【0009】S/(D・L)>0.55では、摩擦力が
増大する理由は、スカート面積が大になって油膜のせん
断力が増加するからであると推察される。逆に、S/
(D・L)<0.4ではスカート面積が小さくなるにも
かかわらず摩擦力が増加するが、これはスカート部とシ
リンダボア間で油膜切れが発生し、境界潤滑の領域が増
えるためと推察される。以上の結果から、本発明ではS
/(D・L)の領域を0.4〜0.55、とくに望まし
くは0.45〜0.5と設定した。なお、従来の通常ピ
ストンのS/(D・L)値は約0.6である。これは、
本発明の形状寸法のスカート部8がLまたはWまたはL
とWの両方において従来スカートより小になっているこ
とを意味する。
増大する理由は、スカート面積が大になって油膜のせん
断力が増加するからであると推察される。逆に、S/
(D・L)<0.4ではスカート面積が小さくなるにも
かかわらず摩擦力が増加するが、これはスカート部とシ
リンダボア間で油膜切れが発生し、境界潤滑の領域が増
えるためと推察される。以上の結果から、本発明ではS
/(D・L)の領域を0.4〜0.55、とくに望まし
くは0.45〜0.5と設定した。なお、従来の通常ピ
ストンのS/(D・L)値は約0.6である。これは、
本発明の形状寸法のスカート部8がLまたはWまたはL
とWの両方において従来スカートより小になっているこ
とを意味する。
【0010】Sの、フルスカートの投影面積D・Lに対
する比をの条件を満たす範囲で一定にしたままスカー
トの長さを自在に変えることができるが、その場合には
スラスト/反スラスト荷重の観点から不具合を生じるこ
ともあるので、前記の、の条件が必要になる。たと
えば、図1のようなピストンスカートでW=0.5Dと
設定したとするとS/(D・L)=(L・0.5D)/
DL=0.5となり、スカート投影幅Wを0.5Dにし
たままLを自由に大または小にしてもの条件は満足さ
れる。しかし、Lを大にし過ぎると、ピストン姿勢は安
定するものの、ピストン重量が大になって慣性力も大に
なり、折角の条件を設けた利点が少なくなるし、Lを
小にし過ぎるとピストンのピストンピン軸芯まわりの首
振りが激しくなって、ピストンが傾き、局所的に面圧が
それだけ大になり、摺動抵抗に悪影響を与える。これら
を防止する意味で、Lの上限と下限を決定したのが、
、´、の条件である。さらに詳しくは、L/D≦
0.45はスカート部下端がピンボス部下端より下方、
L/D≦0.4はスカート部下端がほぼピンボス部下端
と同じ高さにある場合に対応し、ピストン姿勢を保ちな
がら、スカート部長さを従来より小として、ピストン重
量の減少、局所的な面圧増加の防止を狙う条件である。
また、スカート部下端がピン穴下端より下方は、スカー
ト投影面積のうちピン穴軸芯より上方にある部分より下
方にある部分が大のための条件で(ピストンピン穴上端
とスカート部上端とはほぼ同じ高さ)、ピストン姿勢を
保ってピストン傾き、スラスト/反スラスト力の増加を
抑える条件である。
する比をの条件を満たす範囲で一定にしたままスカー
トの長さを自在に変えることができるが、その場合には
スラスト/反スラスト荷重の観点から不具合を生じるこ
ともあるので、前記の、の条件が必要になる。たと
えば、図1のようなピストンスカートでW=0.5Dと
設定したとするとS/(D・L)=(L・0.5D)/
DL=0.5となり、スカート投影幅Wを0.5Dにし
たままLを自由に大または小にしてもの条件は満足さ
れる。しかし、Lを大にし過ぎると、ピストン姿勢は安
定するものの、ピストン重量が大になって慣性力も大に
なり、折角の条件を設けた利点が少なくなるし、Lを
小にし過ぎるとピストンのピストンピン軸芯まわりの首
振りが激しくなって、ピストンが傾き、局所的に面圧が
それだけ大になり、摺動抵抗に悪影響を与える。これら
を防止する意味で、Lの上限と下限を決定したのが、
、´、の条件である。さらに詳しくは、L/D≦
0.45はスカート部下端がピンボス部下端より下方、
L/D≦0.4はスカート部下端がほぼピンボス部下端
と同じ高さにある場合に対応し、ピストン姿勢を保ちな
がら、スカート部長さを従来より小として、ピストン重
量の減少、局所的な面圧増加の防止を狙う条件である。
また、スカート部下端がピン穴下端より下方は、スカー
ト投影面積のうちピン穴軸芯より上方にある部分より下
方にある部分が大のための条件で(ピストンピン穴上端
とスカート部上端とはほぼ同じ高さ)、ピストン姿勢を
保ってピストン傾き、スラスト/反スラスト力の増加を
抑える条件である。
【0011】つぎに、各実施例に特有の構成を説明す
る。第1実施例においては、図1に示すように、スカー
ト部8の幅Wが全長にわたって一定とされているので、
製作が他の実施例に比べて容易である。なお、図1では
D=86mm、ピン径=20mmとしS/(D・L)=
0.48の場合を示す。第2実施例においては、図2に
示すように、スカート部の上部8aに巾方向のくびれを
設け、下部8bをピストン周方向に張り出させた構造と
なっている。下部8bに大きな摺動投影面積を設けるこ
とによって、スラスト/反スラスト力を受けるのに有利
となり、ピストン姿勢を保つ上に有利である。なお、図
2ではD=86mm、ピン径=20mmとし、S/(D
・L)=0.48の場合を示す。第3実施例において
は、図3に示すように、スカート部上部8a´のくびれ
を大きくし、スカート部下部8b´と上部8a´の間の
Rを、第2実施例よりも小さくしたものを示す。図3で
は、D=86mm、ピン径=20mmとしS/(D・
L)=0.53の場合を示す。
る。第1実施例においては、図1に示すように、スカー
ト部8の幅Wが全長にわたって一定とされているので、
製作が他の実施例に比べて容易である。なお、図1では
D=86mm、ピン径=20mmとしS/(D・L)=
0.48の場合を示す。第2実施例においては、図2に
示すように、スカート部の上部8aに巾方向のくびれを
設け、下部8bをピストン周方向に張り出させた構造と
なっている。下部8bに大きな摺動投影面積を設けるこ
とによって、スラスト/反スラスト力を受けるのに有利
となり、ピストン姿勢を保つ上に有利である。なお、図
2ではD=86mm、ピン径=20mmとし、S/(D
・L)=0.48の場合を示す。第3実施例において
は、図3に示すように、スカート部上部8a´のくびれ
を大きくし、スカート部下部8b´と上部8a´の間の
Rを、第2実施例よりも小さくしたものを示す。図3で
は、D=86mm、ピン径=20mmとしS/(D・
L)=0.53の場合を示す。
【0012】第4実施例においては、図4に示すよう
に、D=86mm、ピン径=20mm、S/(D・L)
=0.42の場合を示す。この場合は、S/(D・L)
<0.45で、かつスカート部8の外表面(図4で斜線
を施した部分)に固体潤滑剤18(たとえば、二硫化モ
リブデン)をコーティングしてある。S/(D・L)が
0.45より小かつ0.4以上の場合は、本発明の範囲
に含まれるが、接触面積が小でS/(D・L)≧0.4
5の場合に比べて面圧がかなり高いため、たとえ油膜切
れが生じてもピストンのシリンダボアとのスカッフィン
グや焼き付きが生じないようにしておくことが望まし
い。この意味で、スカート部8の外側表面の全面に固体
潤滑剤をコーティングしたものである。なお、S/(D
・L)≧0.45の場合であっても固体潤滑剤をコーテ
ィングしてもよい。固体潤滑剤のコーティングによっ
て、摩擦平均有効圧/摺動面積(スカート長さ×ボア
径)特性は下がり、図5の実線(ピストンB)のように
なる。
に、D=86mm、ピン径=20mm、S/(D・L)
=0.42の場合を示す。この場合は、S/(D・L)
<0.45で、かつスカート部8の外表面(図4で斜線
を施した部分)に固体潤滑剤18(たとえば、二硫化モ
リブデン)をコーティングしてある。S/(D・L)が
0.45より小かつ0.4以上の場合は、本発明の範囲
に含まれるが、接触面積が小でS/(D・L)≧0.4
5の場合に比べて面圧がかなり高いため、たとえ油膜切
れが生じてもピストンのシリンダボアとのスカッフィン
グや焼き付きが生じないようにしておくことが望まし
い。この意味で、スカート部8の外側表面の全面に固体
潤滑剤をコーティングしたものである。なお、S/(D
・L)≧0.45の場合であっても固体潤滑剤をコーテ
ィングしてもよい。固体潤滑剤のコーティングによっ
て、摩擦平均有効圧/摺動面積(スカート長さ×ボア
径)特性は下がり、図5の実線(ピストンB)のように
なる。
【0013】つぎに作用を説明する。本発明実施例のピ
ストンでは、摺動抵抗減少のためのピストン形状の条件
を、スカート部摺動投影面積基準で0.4≦S/(D・
L)≦0.55となるように設定したので、スカート部
の高さだけでなく幅も考慮され、摺動摩擦損失が最小か
ほぼ最小となるようにピストン形状が設定され得る。た
とえば、従来の通常ピストンではS/(D・L)=0.
6程度であり、また実開昭61−58954号公報のよ
うなスカートの長さが短いものはS/(D・L)は0.
4よりはるかに小さくなり、これらは何れも図4から摩
擦損失が本発明に比べて大になることがわかる。
ストンでは、摺動抵抗減少のためのピストン形状の条件
を、スカート部摺動投影面積基準で0.4≦S/(D・
L)≦0.55となるように設定したので、スカート部
の高さだけでなく幅も考慮され、摺動摩擦損失が最小か
ほぼ最小となるようにピストン形状が設定され得る。た
とえば、従来の通常ピストンではS/(D・L)=0.
6程度であり、また実開昭61−58954号公報のよ
うなスカートの長さが短いものはS/(D・L)は0.
4よりはるかに小さくなり、これらは何れも図4から摩
擦損失が本発明に比べて大になることがわかる。
【0014】また、本発明実施例のピストンでは、スカ
ートの長さLに対しても、L/D≦0.45、スカート
下端がピン穴下端より下方にあるという条件を設けたの
で、ピストン姿勢の保持、局所的な面圧増加の防止等を
はかることができ、スカート面圧を条件設定のない場合
に比べて小さくできる。さらに、従来のピストンは、通
常L/D>0.45であり、また特開昭61−5895
4号のような特別な形状のピストンはピストン下端がピ
ン穴下端より上方にあるため、これらの条件によって従
来ピストンは上記本発明ピストンの範囲外にあることが
明らかになる。
ートの長さLに対しても、L/D≦0.45、スカート
下端がピン穴下端より下方にあるという条件を設けたの
で、ピストン姿勢の保持、局所的な面圧増加の防止等を
はかることができ、スカート面圧を条件設定のない場合
に比べて小さくできる。さらに、従来のピストンは、通
常L/D>0.45であり、また特開昭61−5895
4号のような特別な形状のピストンはピストン下端がピ
ン穴下端より上方にあるため、これらの条件によって従
来ピストンは上記本発明ピストンの範囲外にあることが
明らかになる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、スカート部長さLとボ
ア径Dとスカート部摺動投影面積Sとの間に、0.4≦
S/(D・L)≦0.55の関係を設定したので、ピス
トン摺動抵抗を減少させることができる。また、スカー
ト部が小型化され、それにつれてピストンの軽量化もは
かれる。
ア径Dとスカート部摺動投影面積Sとの間に、0.4≦
S/(D・L)≦0.55の関係を設定したので、ピス
トン摺動抵抗を減少させることができる。また、スカー
ト部が小型化され、それにつれてピストンの軽量化もは
かれる。
【図1】本発明の第1実施例に係わる内燃機関のピスト
ンの正面図である。
ンの正面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係わる内燃機関のピスト
ンの正面図である。
ンの正面図である。
【図3】本発明の第3実施例に係わる内燃機関のピスト
ンの正面図である。
ンの正面図である。
【図4】本発明の第4実施例に係わる内燃機関のピスト
ンの正面図である。
ンの正面図である。
【図5】種々のピストンの摩擦平均有効圧対摺動面積
(スカート長さ×ボア径)特性図である。
(スカート長さ×ボア径)特性図である。
2 ピストン 8 スカート部 16 ピン穴 18 固体潤滑剤 S スカート部摺動投影面積 D シリンダボア径 L スカート部長さ
Claims (1)
- 【請求項1】 ピストンのスカート部の長さLとシリン
ダボア径Dとスカート部摺動投影面積Sとを、0.4≦
S/(D・L)≦0.55の関係としたことを特徴とす
る内燃機関のピストン。
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---|---|---|---|
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