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JPH06335974A - 中空引抜成形体の製造方法 - Google Patents

中空引抜成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH06335974A
JPH06335974A JP5126338A JP12633893A JPH06335974A JP H06335974 A JPH06335974 A JP H06335974A JP 5126338 A JP5126338 A JP 5126338A JP 12633893 A JP12633893 A JP 12633893A JP H06335974 A JPH06335974 A JP H06335974A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mandrel
hollow
cross
section
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5126338A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Naito
一 内藤
Masayasu Shinobu
正廉 信夫
Tadanori Oonishi
廸典 大西
Minoru Isshiki
稔 一色
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIKOKU SEKISUI KOGYO KK
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
SHIKOKU SEKISUI KOGYO KK
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIKOKU SEKISUI KOGYO KK, Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical SHIKOKU SEKISUI KOGYO KK
Priority to JP5126338A priority Critical patent/JPH06335974A/ja
Publication of JPH06335974A publication Critical patent/JPH06335974A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱硬化性繊維強化樹脂(FRP)製の中空引
抜成形体の製造方法において、中空引抜成形体の引出し
速度(成形速度)を増大し、生産性を向上する。繊維強
化樹脂中空引抜成形体の強度を増大し、品質を向上す
る。 【構成】 引抜成形法による長尺の繊維強化樹脂中空引
抜成形体の製造方法であって、外型2 内のマンドレル3
の断面の大きさを、外型2 一端部より引き込まれた樹脂
配合物含浸繊維基材10の樹脂配合物がゲル化を開始する
位置に対応する部分X を境目として変化させる。外型2
一端部に対応するマンドレル部分A からゲル化開始位置
対応部分X までのマンドレル前部3aの外形の断面を、形
成される中空引抜成形体11の内形の断面に略等しい一定
の大きさとし、ゲル化開始位置対応部分X から先端まで
のマンドレル残部3bの外形の断面を中空引抜成形体11の
引出し方向に向かって漸次小さくなるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、引抜成形法による繊維
強化樹脂中空引抜成形体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂(FRP)製の中空
体は、軽量で、かつ大きな曲げ強度が得られるため、広
く使用されている。このような中空体を、長尺体の成形
にすぐれた引抜成形法により製造することは、例えば特
開平4−105924号公報にも開示されていて、既に
知られている。この従来法によれば、熱硬化性樹脂配合
物を含浸した繊維基材を、引抜成形機の金型の外型の一
端部より該外型とマンドレルとの間隙内に引き込み、樹
脂配合物を加熱硬化させ、繊維強化樹脂中空体を外型の
他端部より引き出して、繊維強化樹脂中空引抜成形体を
製造するものであるが、従来法では、マンドレルの断面
の大きさが、マンドレルの全長にわたって中空引抜成形
体の内形の断面に略等しい一定のものとなされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、引抜成
形において、加熱により熱硬化性樹脂を硬化させると、
樹脂に熱硬化収縮が生じるため、従来法のように全長に
わたってほゞ一定の断面を有するマンドレルを用い、熱
硬化性樹脂含浸繊維基材の引出し速度をはやめると、マ
ンドレルと樹脂含浸繊維基材との接触抵抗により、非常
に大きな引出し力を必要とするという問題があった。ま
た樹脂含浸繊維基材の引出し速度をはやめた状態で長時
間成形作業を行なうと、マンドレルの表面温度が次第に
大きくなり、それにより樹脂の熱硬化収縮がより一層進
んで、熱硬化性樹脂含浸繊維基材の引出しがさらに困難
となるという問題があった。
【0004】ところで、一般に中実体を引抜成形により
製造する場合は、例えば長さ1mの金型については引出
し速度が1m/分程度であるが、上記従来法により中空
体を引抜成形すると、これの半分程度の速度でしか引き
抜くことができず、生産性が悪いという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、成形速度を大幅に増大することができて、生産
性を向上し得、しかも品質が非常にすぐれている繊維強
化樹脂中空引抜成形体を製造する方法を提供しようとす
るにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、熱硬化性樹脂配合物を含浸した繊維基
材を、引抜成形機の金型の外型の一端部より該外型とマ
ンドレルとの間隙内に引き込み、金型内を所定温度に保
持しつつ熱硬化性樹脂配合物を硬化させ、中空状の熱硬
化性樹脂含浸繊維基材を外型の他端部より引き出して、
長尺の繊維強化樹脂中空引抜成形体を連続して製造する
方法であって、外型内のマンドレルの断面の大きさを、
外型の一端部より引き込まれた樹脂配合物含浸繊維基材
の樹脂配合物がゲル化を開始する位置に対応する部分を
境目として変化させ、外型の一端部に対応するマンドレ
ル部分からゲル化開始位置対応部分までのマンドレル前
部の外形の断面を、形成される中空引抜成形体の内形の
断面に略等しい一定の大きさとし、ゲル化開始位置対応
部分から先端までのマンドレル残部の外形の断面を中空
引抜成形体の引出し方向に向かって漸次小さくなるよう
にすることを特徴とする、繊維強化樹脂中空引抜成形体
の製造方法を要旨としている。
【0007】上記において、繊維基材には、熱硬化性樹
脂の強化用として使用可能な連続繊維のすべてが使用で
きる。具体的には、例えばガラス繊維、炭素繊維、アル
ミナ繊維などの無機繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維
などの有機繊維をあげることができる。この連続強化繊
維は、直径1〜数10μmの連続フィラメントよりなる
ロービング状およびストランド状のもの、あるいはクロ
ス状やマット状に加工されたものが用いられる。また上
記連続強化繊維に、短い強化繊維を含ませてもよい。
【0008】上記熱硬化性樹脂としては、とくに限定さ
れず、引抜成形に用いることが可能なものが採用され得
る。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエス
テル(エポキシアクリレート)樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いるが、本発明の
方法は、ラジカル反応により速い反応系で硬化する不飽
和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂に適用す
ることにより、最もすぐれた効果を発揮する。なお、熱
硬化性樹脂には、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔
料のような添加剤、無機充填材、加工助剤、あるいはま
た連続強化繊維との接着性を改良するための改質剤など
を、その配合物中に配合してもよい。
【0009】なお、上記繊維基材には、これを引抜成形
機の金型に引き込む前に、熱硬化性樹脂配合物を含浸さ
せても良いし、金型内において含浸させるようにしても
良い。
【0010】引抜成形機の金型は、外型とこれに挿入さ
れたマンドレルとよりなり、外型の入口側の開口端部の
内形の断面は、中空引抜成形体の外形断面に等しい大き
さとなされ、同入口側のマンドレル端部の外形の断面
は、中空引抜成形体の内形の断面に等しい大きさとなさ
れている。
【0011】外型の長さは200〜2000mm、好まし
くは600〜1500mmであり、マンドレルの長さは、
外型の長さと同じか、または若干短いものとなされてい
る。ここで、外型の長さが200mm未満であれば、樹脂
の硬化が不充分となり、2000mmを越えると、本発明
の方法によっても非常に大きな引出し力を必要とし、好
ましくない。
【0012】そして、本発明においては、とくに外型内
のマンドレルの断面の大きさを、外型の入口側の一端部
より引き込まれた樹脂配合物含浸繊維基材の樹脂配合物
がゲル化を開始する位置に対応する部分を境目として変
化させている。
【0013】すなわち、外型の一端部に対応するマンド
レル部分からゲル化開始位置対応部分までのマンドレル
前部の外形の断面を、形成される中空引抜成形体の内形
の断面に略等しい一定の大きさとし、ゲル化開始位置対
応部分から先端までのマンドレル残部の外形の断面を中
空引抜成形体の引出し方向に向かって漸次小さくなるよ
うにしているものである。
【0014】上記ゲル化開始位置対応部分以後のマンド
レル残部の外形の断面形状の変化率は、使用する熱硬化
性樹脂の膨脹率および収縮率に左右されるが、通常1/
1000〜5/1000程度とし、マンドレル残部の外
形の断面を中空引抜成形体の引出し方向に向かって漸次
小さくなるように、いわば先細となるように変化させる
のが、好ましい。
【0015】ここで、マンドレル残部の外形の断面形状
の変化率が1/1000未満であれば、引抜成形速度を
増大する効果を期待することができず、変化率が5/1
000を越えると、熱硬化性樹脂の硬化時の膨脹により
いわゆるボイドが発生し、中空引抜成形体の強度の低下
を来したり、該成形体の中空部の内側寸法精度が低下し
たりするので、好ましくない。
【0016】なお、金型の内部は、樹脂配合物を硬化さ
せるために、所定温度に保持する。この場合、金型内温
度は、熱硬化性樹脂の種類によっても異なるが、通常、
100℃以上、好ましくは110〜180℃に設定す
る。ここで、金型内温度が100℃未満であれば、樹脂
が充分に硬化できず、また金型内温度が180℃を越え
ると、樹脂の硬化収縮が大きくなりすぎ、引抜抵抗が増
大して、引出し速度が低下するので、好ましくない。
【0017】また、マンドレルの内部には、該マンドレ
ルを所定温度に保持するために、冷却手段および加熱手
段を具備せしめるのが望ましい。この場合、具体的に
は、マンドレル温度が140℃を越えると、樹脂の硬化
収縮が大きくなるため、マンドレルを140℃以下の温
度に保持するのが望ましい。ここで、加熱手段として
は、例えばヒーターを用い、冷却手段としては、例えば
水あるいは油を用いる。
【0018】
【作用】上記の繊維強化樹脂中空引抜成形体の製造方法
においては、金型の外型内のマンドレルの断面の大きさ
を、外型の一端部より引き込まれた樹脂配合物含浸繊維
基材の樹脂配合物がゲル化を開始する位置に対応する部
分を境目として変化させており、外型の一端部に対応す
るマンドレル部分からゲル化開始位置対応部分までのマ
ンドレル前部の外形の断面を、形成される中空引抜成形
体の内形の断面に略等しい一定の大きさとし、ゲル化開
始位置対応部分から先端までのマンドレル残部の外形の
断面を、例えば1/1000〜5/1000程度の変化
率で、中空引抜成形体の引出し方向に向かって漸次小さ
くなる(先細となる)ようにしているものである。
【0019】これは、基材に含浸された樹脂配合物がゲ
ル化を開始することにより、樹脂の硬化膨脹および中空
部断面の収縮がはじまり、中空引抜成形体の引抜抵抗が
大幅に増大するためである。
【0020】従って、外型の一端部に対応するマンドレ
ル部分から樹脂配合物のゲル化開始位置対応部分までの
マンドレル前部の外形の断面は、ゲル化前で引抜抵抗の
増大がないため、一定の大きさとし、ゲル化開始位置対
応部分から先端までのマンドレル残部の外形の断面を、
中空引抜成形体の引出し方向に向かって漸次小さくなる
ようにして、ゲル化された樹脂配合物を含む繊維基材の
内部収縮よりマンドレル表面を逃がし、接触抵抗をでき
るだけ小さいものとしている。しかしながら、マンドレ
ル残部の外形の断面形状の変化率があまり大きいと、当
然のことながら、中空引抜成形体製品の寸法精度が低下
し、あるいは内面に凹凸が生じて、中空引抜成形体の強
度が低下する。
【0021】また、中空引抜成形体の引出し速度を増大
すると、引抜抵抗が増大し、大きな引出し力を必要とす
る。これは、樹脂配合物のゲル化による樹脂の硬化収縮
によって樹脂含浸基材のマンドレルへの抱き付き力(締
付力)が増大し、それに基づく応力が発生するが、引出
し速度をはやめると、樹脂含浸基材のマンドレルへの抱
き付き間隔(長さ)が長くなるため、換言すれば、ゲル
化樹脂の硬化収縮によって発生する圧力((締付力)を
受けるマンドレルの表面積が増大するため、引抜抵抗が
増大し、大きな引出し力を必要とする。
【0022】この点、上記方法によれば、外型の一端部
に対応するマンドレル部分から樹脂配合物のゲル化開始
位置対応部分までのマンドレル前部の外形の断面を、ゲ
ル化前で引抜抵抗の増大がないため、一定の大きさと
し、ゲル化開始位置対応部分から先端までのマンドレル
残部の外形の断面を、中空引抜成形体の引出し方向に向
かって漸次小さくなるようにして、ゲル化された樹脂配
合物を含む繊維基材の内部収縮よりマンドレル表面を逃
がし、接触抵抗をできるだけ小さいものとしているか
ら、ゲル化樹脂の硬化収縮による圧力((締付力)を緩
和し、その結果、通常の引出し力で、引出し速度を増大
し、高速成形することが可能となったものである。
【0023】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0024】まず図2に、繊維強化樹脂中空引抜成形体
の製造ラインが示されている。
【0025】同図において、繊維基材(10)としてガラス
・ロービング(#4450)とコンテニュアス・マット
(#450)よりなるガラス繊維を使用した。
【0026】これらのガラス繊維基材(10)を、上下各3
段のテンションローラ(14)を経て、含浸用ローラ(19)(1
9)を有する上下2つの樹脂配合物含浸用バット(13)(13)
内に、それぞれ3層積層物として導いた。各バット(13)
内には、イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂原料1
00重量部と、硬化剤であるt−ブチルパーオキシベン
ゾエート1.0重量部とよりなる熱硬化性樹脂配合物を
入れておき、樹脂配合物を繊維基材(10)に含浸させた。
【0027】ついで、樹脂配合物を含浸した繊維基材(1
0)を、中間のガイド(14)を経て、引抜成形機の金型(1)
の外型(2) の左端部より該外型(2) とマンドレル(3) と
の間隙内に引き込み、樹脂配合物含浸繊維基材(10)によ
ってマンドレル(3) に巻き込むようにした。そして、金
型(1) 内を所定温度に保持しつつ樹脂配合物を硬化さ
せ、熱硬化性樹脂含浸繊維基材を外型(2) の右端部より
引取り機(15)により引き出して、長尺の繊維強化樹脂中
空引抜成形体(11)を連続して製造した。
【0028】ここで、外型(2) の長さを1200mm、お
よび外型(2) 内のマンドレル(3) の長さを1000mmと
した。
【0029】また、金型(1) の外型(2) の外面に、3つ
のプレート・ヒーター(16)を取り付けて、金型(1) 内の
温度を、前部110℃、中部155℃、および後部15
0℃に設定し、かつマンドレル(3) の内部に、冷却用通
水パイプ(17)および加熱ヒーター(18)を具備せしめて
(図1参照)、マンドレル(3) を140℃に保持した。
【0030】製造後の繊維強化樹脂中空引抜成形体(11)
は、カッター(図示略)により2000mmの長さに順次
切断した。
【0031】図3に示すように、中空引抜成形体(11)の
大きさは、外形60mm×60mm、および肉厚6mmであ
り、また、図2に示す引取り機(15)の熱硬化性樹脂含浸
繊維基材の引取り能力は、4トンであった。
【0032】そして、マンドレル(3) として、下記実施
例1と2、および比較例1〜4に示す形状のものを用意
し、それぞれのマンドレル(3) を使用して、繊維強化樹
脂中空引抜成形体(11)を製造した。
【0033】実施例1 図1に示すように、この実施例では、外型(2) 内のマン
ドレル(3) の断面の大きさを、上記イソフタル酸系不飽
和ポリエステル樹脂原料配合物がゲル化を開始する外型
(2) の一端部に対応するマンドレル部分(A) から300
mmの位置に対応する部分(X) を境目として変化させ、外
型(2) の一端部に対応するマンドレル部分(A) からゲル
化開始位置対応部分(X) までのマンドレル前部(3a)の外
形の断面を、形成される中空引抜成形体(11)の内形の断
面に略等しい48mm×48mmの大きさとし、ゲル化開始
位置対応部分(X) から先端までのマンドレル残部(3b)の
外形の断面を、変化率2/1000の割合で、中空引抜
成形体(11)の引出し方向に向かって漸次小さくなるよう
にした。
【0034】また、中空引抜成形体(11)の引出し速度
(成形速度)は1500mm/分であり、引取り力は3.
5トンであった。なお、ゲル化点を確認するために、樹
脂原料配合物を含浸した繊維基材(10)と一緒に熱電対
(図示略)を流し、樹脂原料配合物の硬化反応過程を追
跡したところ、外型(2) の一端部に対応するマンドレル
部分(A) から305mmの位置で変極点を示し、マンドレ
ル(3) の断面の大きさが変わる位置に対応する部分(X)
付近で、ゲル化が生じていることを確認することができ
た。
【0035】こうして得られたガラス繊維強化イソフタ
ル酸系不飽和ポリエステル樹脂中空引抜成形体(11)の製
品全長400mmについて、JIS K7055による3
点曲げ試験法に準じて、両サイド支点間スパン1500
mm、クロスヘッドスピード10mm/分の条件下で、3点
曲げ試験を行ない、曲げ強度を測定したところ、ガラス
繊維強化樹脂中空引抜成形体(11)は、450MPa の曲げ
強度を有していた。なお、得られた結果は、表1に示し
た。
【0036】実施例2 この実施例は、上記実施例1を同様に繰り返すが、外型
(2) の一端部に対応するマンドレル部分(A) から300
mmのイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂配合物がゲ
ル化を開始する位置に対応する部分(X) を境目として、
ゲル化開始位置対応部分(X) から先端までのマンドレル
残部(3b)の外形の断面を、変化率4/1000の割合
で、中空引抜成形体(11)の引出し方向に向かって漸次小
さくなるようにした。
【0037】また、中空引抜成形体(11)の引出し速度
(成形速度)は1500mm/分であり、引取り力は3.
3トンであった。また、ガラス繊維強化樹脂中空引抜成
形体(11)について、同様に曲げ試験を行ない、曲げ強度
を測定したところ、ガラス繊維強化樹脂中空引抜成形体
(11)は、435MPa の曲げ強度を有していた。
【0038】比較例1〜4 比較のために、本発明のマンドレル(3) の形状と異なる
下記の形状を有するマンドレル(3) を使用し、かつ繊維
基材(10)および熱硬化性樹脂配合物は、上記実施例1の
ものと同じ材料を使用して、中空引抜成形体(11)を製造
した。
【0039】比較例1では、外型(2) 内のマンドレル
(3) の断面の大きさを、同マンドレル(3) の全長にわた
って、中空引抜成形体(11)の内形の断面に略等しい48
mm×48mmの大きさで一定とした。
【0040】この結果、中空引抜成形体(11)の引出し速
度は500mm/分であり、また引取り力は4.0トンで
あった。また曲げ試験の結果では、ガラス繊維強化樹脂
中空引抜成形体(11)は、445MPa の曲げ強度を有して
いた。
【0041】つぎに、比較例2では、図4に示すよう
に、外型(2) 内のマンドレル(3) の断面の大きさを、上
記イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂配合物がゲル
化を開始する部分より遠い、外型(2) の一端部に対応す
るマンドレル部分(A) から500mmの位置に対応する部
分(Y) を境目として変化させ、外型(2) の一端部に対応
するマンドレル部分(A) から該部分(Y) までのマンドレ
ル前部(3a)の外形の断面を、形成される中空引抜成形体
(11)の内形の断面に略等しい48mm×48mmの大きさと
し、ゲル化開始位置対応部分(X) から先端までのマンド
レル残部(3b)の外形の断面を、変化率2/1000の割
合で、中空引抜成形体(11)の引出し方向に向かって漸次
小さくなるようにした。
【0042】その結果、中空引抜成形体(11)の引出し速
度は、1000mm/分よりあがらず、また熱電対により
測定したところ、外型(2) の一端部に対応するマンドレ
ル部分(A) から200mmの位置で変極点を示し、ゲル化
が生じていることを確認した。
【0043】この場合、中空引抜成形体(11)の引取り力
は4.0トンであった。また曲げ試験の結果では、ガラ
ス繊維強化樹脂中空引抜成形体(11)は、455MPa の曲
げ強度を有していた。
【0044】比較例3では、図5に示すように、マンド
レル(3) の断面の大きさを、外型(2) の一端部に対応す
るマンドレル部分(A) から先端にいたるまで全長にわた
って、変化率2/1000の割合で、中空引抜成形体(1
1)の引出し方向に向かって漸次小さくなるものとした。
【0045】この結果、中空引抜成形体(11)の引出し速
度は1500mm/分であり、また引取り力は3.0トン
と低かったが、ガラス繊維強化樹脂中空引抜成形体(11)
の曲げ試験では、300MPa の曲げ強度しか得られなか
った。
【0046】比較例4では、図6に示すように、比較例
1では、マンドレル(3) の断面の大きさを、上記実施例
1の場合と同様に、外型(2) の一端部に対応するマンド
レル部分(A) から300mmの位置に対応する部分(X) を
境目として変化させるが、ゲル化開始位置対応部分(X)
から先端までのマンドレル残部(3b)の外形の断面を、変
化率1/100の急勾配となるような割合で、中空引抜
成形体(11)の引出し方向に向かって漸次小さくなるよう
にした。
【0047】この結果、中空引抜成形体(11)の引出し速
度は1500mm/分であり、また引取り力は3.5トン
と低かったが、ガラス繊維強化樹脂中空引抜成形体(11)
の曲げ試験では、350MPa の曲げ強度しか得られなか
った。
【0048】これらの比較例1〜4の結果は、表1にま
とめて示した。
【0049】
【表1】 上記表1から明らかなように、本発明の方法によれば、
外型(2) 内のマンドレル(3) の断面の大きさを、上記イ
ソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂配合物がゲル化を
開始する外型(2) の一端部に対応するマンドレル部分
(A) から300mmの位置に対応する部分(X) を境目とし
て変化させ、外型(2) の一端部に対応するマンドレル部
分(A) からゲル化開始位置対応部分(X) までのマンドレ
ル前部(3a)の外形の断面を、形成される中空引抜成形体
(11)の内形の断面に略等しい一定の大きさとし、ゲル化
開始位置対応部分(X) から先端までのマンドレル残部(3
b)の外形の断面を、変化率2/1000または4/10
00の割合で、中空引抜成形体(11)の引出し方向に向か
って漸次小さくなるようにすることにより、中空引抜成
形体(11)の引出し速度(成形速度)がはやく、なおかつ
引取り力が小さくてすむ上に、得られたガラス繊維強化
樹脂中空引抜成形体(11)は、充分大きな曲げ強度を有す
るものであった。
【0050】これに対し、比較例によれば、中空引抜成
形体(11)の引出し速度(成形速度)がはやく、なおかつ
引取り力が小さい場合は、得られるガラス繊維強化樹脂
中空引抜成形体(11)の曲げ強度が小さく、逆に、繊維強
化樹脂中空引抜成形体(11)の曲げ強度が大きい場合に
は、中空引抜成形体(11)の引出し速度(成形速度)が遅
く、かつ引取り力が大きくなって、生産性が悪いもので
あった。
【0051】
【発明の効果】本発明は、上述のように、熱硬化性樹脂
配合物を含浸した繊維基材を、引抜成形機の金型の外型
の一端部より該外型とマンドレルとの間隙内に引き込
み、金型内を所定温度に保持しつつ熱硬化性樹脂配合物
を硬化させ、中空状の熱硬化性樹脂含浸繊維基材を外型
の他端部より引き出して、長尺の繊維強化樹脂中空引抜
成形体を連続して製造する方法であって、外型内のマン
ドレルの断面の大きさを、外型の一端部より引き込まれ
た樹脂配合物含浸繊維基材の樹脂配合物がゲル化を開始
する位置に対応する部分を境目として変化させ、外型の
一端部に対応するマンドレル部分からゲル化開始位置対
応部分までのマンドレル前部の外形の断面を、形成され
る中空引抜成形体の内形の断面に略等しい一定の大きさ
とし、ゲル化開始位置対応部分から先端までのマンドレ
ル残部の外形の断面を中空引抜成形体の引出し方向に向
かって漸次小さくなるようにしているから、本発明の方
法によれば、ゲル化された樹脂配合物を含む繊維基材の
内部収縮よりマンドレル表面が逃がされて、接触抵抗が
小さいものとなされ、このため、ゲル化樹脂の硬化収縮
による圧力(締付力)が緩和され、その結果、通常の引
取り力で、繊維強化熱硬化性樹脂中空引抜成形体の引出
し速度(成形速度)を大幅に増大することができて、生
産性を向上することができ、しかも得られた繊維強化樹
脂中空引抜成形体は、曲げ強度が大きく、品質が非常に
すぐれているという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する引抜成形機の金型の一
例を示す拡大縦断面図である。
【図2】本発明の方法を実施する中空引抜成形体の製造
ラインの概略側面図である。
【図3】本発明の方法により製造された繊維強化樹脂中
空引抜成形体の部分拡大斜視図である。
【図4】比較例2の方法を実施する引抜成形機の金型の
一例を示す拡大縦断面図である。
【図5】比較例3の方法を実施する引抜成形機の金型の
一例を示す拡大縦断面図である。
【図6】比較例4の方法を実施する引抜成形機の金型の
一例を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 外型 3 マンドレル A 外型の一端部に対応するマンドレル部分 X 樹脂配合物のゲル化開始位置に対応するマン
ドレル部分 3a マンドレル前部 3b マンドレル残部 10 繊維基材(ガラス繊維) 11 繊維強化樹脂中空引抜成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一色 稔 愛媛県東予市壬生川112

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂配合物を含浸した繊維基材
    (10)を、引抜成形機の金型(1) の外型(2) の一端部より
    該外型(2) とマンドレル(3) との間隙内に引き込み、金
    型(1) 内を所定温度に保持しつつ熱硬化性樹脂配合物を
    硬化させ、中空状の熱硬化性樹脂含浸繊維基材(10)を外
    型(2) の他端部より引き出して、長尺の繊維強化樹脂中
    空引抜成形体(11)を連続して製造する方法であって、外
    型(2)内のマンドレル(3) の断面の大きさを、外型(2)
    の一端部より引き込まれた樹脂配合物含浸繊維基材(10)
    の樹脂配合物がゲル化を開始する位置に対応する部分
    (X) を境目として変化させ、外型(2) の一端部に対応す
    るマンドレル部分(A) からゲル化開始位置対応部分(X)
    までのマンドレル前部(3a)の外形の断面を、形成される
    中空引抜成形体(11)の内形の断面に略等しい一定の大き
    さとし、ゲル化開始位置対応部分(X) から先端までのマ
    ンドレル残部(3b)の外形の断面を中空引抜成形体(11)の
    引出し方向に向かって漸次小さくなるようにすることを
    特徴とする、繊維強化樹脂中空引抜成形体の製造方法。
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