JPH06322455A - 金属アンチモンの製造方法 - Google Patents
金属アンチモンの製造方法Info
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- JPH06322455A JPH06322455A JP13515093A JP13515093A JPH06322455A JP H06322455 A JPH06322455 A JP H06322455A JP 13515093 A JP13515093 A JP 13515093A JP 13515093 A JP13515093 A JP 13515093A JP H06322455 A JPH06322455 A JP H06322455A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 硫化アンチモンを主体とするアンチモン鉱石
から、金属アンチモンを実収率高く、また排ガス処理費
を低減して、製造する。 【構成】 化学反応式Sb2 S3 +3Na2 CO3 +6
C=2Sb+3Na2 S+9COにより、金属アンチモ
ンを生成する化学量論的当量で、Na2 CO3 を1.1
〜2.0当量、炭材を1.0〜1.5当量添加し、さら
に生成するスラグの組成を調整するためCaO等を添加
して加熱溶融還元する。
から、金属アンチモンを実収率高く、また排ガス処理費
を低減して、製造する。 【構成】 化学反応式Sb2 S3 +3Na2 CO3 +6
C=2Sb+3Na2 S+9COにより、金属アンチモ
ンを生成する化学量論的当量で、Na2 CO3 を1.1
〜2.0当量、炭材を1.0〜1.5当量添加し、さら
に生成するスラグの組成を調整するためCaO等を添加
して加熱溶融還元する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫化アンチモン(Sb
2 S3 、鉱物名スティブナイト)を主成分とするアンチ
モン鉱石から、金属アンチモンを製造する方法に関す
る。
2 S3 、鉱物名スティブナイト)を主成分とするアンチ
モン鉱石から、金属アンチモンを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属アンチモンを製造する方法に
は、主要な化学反応が下記に示される(a)鉄沈法、
(b)還元法、(C)相互反応法があり、実用化されて
いる。
は、主要な化学反応が下記に示される(a)鉄沈法、
(b)還元法、(C)相互反応法があり、実用化されて
いる。
【0003】 (a) Sb2 S3 +3Fe=2Sb+3FeS (b) Sb2 O3 +3C=2Sb+3CO (C) 2Sb2 O3 +Sb2 S3 =6Sb+3SO2
【0004】しかしながら、各方法には一長一短があ
り、例えば、次のような問題点がある。すなわち、
(a)の鉄沈法においては、FeSを主体としSb2 S
3 −FeS系のマットが生成し、これに金属アンチモン
が溶解するため、一次収率が悪いという欠点がある。
り、例えば、次のような問題点がある。すなわち、
(a)の鉄沈法においては、FeSを主体としSb2 S
3 −FeS系のマットが生成し、これに金属アンチモン
が溶解するため、一次収率が悪いという欠点がある。
【0005】(b)の還元法は、原料が硫化物の場合
は、酸化焙焼を必要とし、Sb2 S3の融点が550℃
と比較的低いので通常の発熱をともなう酸化焙焼では融
体を容易に生成するので、焙焼方法に制限があるととも
に、充分に脱硫も進みにくい欠点がある。このため、S
b2 O3 の揮発が容易であることを利用して、酸化揮発
を、例えば転炉または溶鉱炉にて行ない、Sb2 O3 を
製造した後、これを還元して金属アンチモンを製造して
いる。このSb2 O3 の回収には、バグフィルター等の
大容量の収塵装置が必要である。
は、酸化焙焼を必要とし、Sb2 S3の融点が550℃
と比較的低いので通常の発熱をともなう酸化焙焼では融
体を容易に生成するので、焙焼方法に制限があるととも
に、充分に脱硫も進みにくい欠点がある。このため、S
b2 O3 の揮発が容易であることを利用して、酸化揮発
を、例えば転炉または溶鉱炉にて行ない、Sb2 O3 を
製造した後、これを還元して金属アンチモンを製造して
いる。このSb2 O3 の回収には、バグフィルター等の
大容量の収塵装置が必要である。
【0006】(C)の相互反応法においては、Sb2 O
3 とSb2 S3 は相互溶解度が大きく、いわゆるアンチ
モンスラグを形成するので、反応が十分に右方向に進み
にくく、金属アンチモンの一次収率が悪いという欠点が
ある。
3 とSb2 S3 は相互溶解度が大きく、いわゆるアンチ
モンスラグを形成するので、反応が十分に右方向に進み
にくく、金属アンチモンの一次収率が悪いという欠点が
ある。
【0007】一般に採用されているのは、(a)の鉄沈
法と(b)の酸化揮発によって生成するSb2 O3 の還
元法であるが、(a)の方法は前記したように一次収率
が悪く、また(b)の方法においても生成したスラグ中
に金属アンチモンが比較的多量に含まれて一次収率は良
くない。
法と(b)の酸化揮発によって生成するSb2 O3 の還
元法であるが、(a)の方法は前記したように一次収率
が悪く、また(b)の方法においても生成したスラグ中
に金属アンチモンが比較的多量に含まれて一次収率は良
くない。
【0008】また、(b)の方法の前段階でのSb2 O
3 の製造工程では、例えば転炉法においてはSb2 S3
−Sb2 O3 系のスラグを生成し、Sb2 O3 の直接実
収は約50%程度と低く、生成したスラグは電気炉法等
で還元して粗アンチモン金属として回収した後、再び転
炉に繰り返されているのが現状である。すなわち、スラ
グやメタルの系内循環の負荷が大きい。また、酸化揮発
で生成したSO2 はH2 SO4 などに転化すればよい
が、発生量が少なく通常NaOH溶液に吸収させNa2
SO3 等として回収されており、排ガス処理が必要であ
る。
3 の製造工程では、例えば転炉法においてはSb2 S3
−Sb2 O3 系のスラグを生成し、Sb2 O3 の直接実
収は約50%程度と低く、生成したスラグは電気炉法等
で還元して粗アンチモン金属として回収した後、再び転
炉に繰り返されているのが現状である。すなわち、スラ
グやメタルの系内循環の負荷が大きい。また、酸化揮発
で生成したSO2 はH2 SO4 などに転化すればよい
が、発生量が少なく通常NaOH溶液に吸収させNa2
SO3 等として回収されており、排ガス処理が必要であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うに従来の方法がいずれも一次実収率が低い欠点を解消
して、一次実収率が高く、連続化、省力化の可能性があ
るとともに、排ガス処理費も低減できる金属アンチモン
の製造方法を提供することを課題とする。
うに従来の方法がいずれも一次実収率が低い欠点を解消
して、一次実収率が高く、連続化、省力化の可能性があ
るとともに、排ガス処理費も低減できる金属アンチモン
の製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、硫化アンチモン(Sb2 S3 )を主体と
する粉状あるいは塊状のアンチモン鉱石に、下記の反応
式、Sb2 S3 +3Na2 CO3 +6C=2Sb+3N
a2 S+9COにおける化学量論的当量で1.1〜2.
0当量のNa2 CO3 を添加し、炭材を同じく化学量論
的当量で1.0〜1.5当量添加するとともに、生成す
るスラグの組成がNa2 S30〜50重量%、CaO1
0〜30重量%、SiO2 1〜10重量%となるように
CaO生成物および必要に応じSiO2 含有物を添加し
て加熱溶融還元して金属アンチモンを生成させることを
特徴とする金属アンチモンの製造方法にある。
に、本発明は、硫化アンチモン(Sb2 S3 )を主体と
する粉状あるいは塊状のアンチモン鉱石に、下記の反応
式、Sb2 S3 +3Na2 CO3 +6C=2Sb+3N
a2 S+9COにおける化学量論的当量で1.1〜2.
0当量のNa2 CO3 を添加し、炭材を同じく化学量論
的当量で1.0〜1.5当量添加するとともに、生成す
るスラグの組成がNa2 S30〜50重量%、CaO1
0〜30重量%、SiO2 1〜10重量%となるように
CaO生成物および必要に応じSiO2 含有物を添加し
て加熱溶融還元して金属アンチモンを生成させることを
特徴とする金属アンチモンの製造方法にある。
【0011】本発明者等は、出発原料として硫化アンチ
モンを用いて金属アンチモンを生成する反応について検
討した結果、以下に示される反応式での金属アンチモン
の生成の可能性が示された。
モンを用いて金属アンチモンを生成する反応について検
討した結果、以下に示される反応式での金属アンチモン
の生成の可能性が示された。
【0012】 (1) Sb2 S3 +3Na2 CO3 +6C=2Sb+3Na2 S+9CO ΔG°=356,030−32.88T (2) Sb2 S3 +3CaO+3C=2Sb+3CaS+3CO ΔG°=101,690−1.83T
【0013】これらの反応式の標準生成自由エネルギー
変化ΔG°を高温において計算した結果を表1に示す。
変化ΔG°を高温において計算した結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】すなわち、(1)式により金属アンチモン
を生成させることができることが判明した。さらに、前
記したように酸化揮発−還元法の場合、SO2 の中和処
理が必要であるが、この点を比較すると次のようにな
る。すなわち、従来法の酸化揮発の場合の排ガス中SO
2 の中和処理の反応は次のようになる。
を生成させることができることが判明した。さらに、前
記したように酸化揮発−還元法の場合、SO2 の中和処
理が必要であるが、この点を比較すると次のようにな
る。すなわち、従来法の酸化揮発の場合の排ガス中SO
2 の中和処理の反応は次のようになる。
【0016】 (3) Sb2 S3 +9/2O2 =Sb2 O3 +3SO2 (4) 3SO2 +6NaOH=3Na2 SO3 +3H2 O (3)+(4) Sb2 S3 +6NaOH+9/2O2 =Sb2 S3 +3Na2 SO3 +3H2 O
【0017】すなわち、Sb2 S3 の硫黄を固定するた
めには、従来法においても、同量のソーダ源が必要とな
る。したがって(1)式による方が、排ガス中和処理設
備が無くてすむか、少なくとも少量の排ガスを中和処理
すれば良い分だけ利点があると考えられる。
めには、従来法においても、同量のソーダ源が必要とな
る。したがって(1)式による方が、排ガス中和処理設
備が無くてすむか、少なくとも少量の排ガスを中和処理
すれば良い分だけ利点があると考えられる。
【0018】以上の理論的考察をもとに、実際入手し得
るボリビア産の鉱石を用いて、金属アンチモンの生成条
件を追求した結果、特許請求の範囲に記載した条件で、
実収率良く金属アンチモンを回収できることを把握し、
本発明に到達した。なお、ボリビア産の鉱石の代表的品
位を表2に示す。
るボリビア産の鉱石を用いて、金属アンチモンの生成条
件を追求した結果、特許請求の範囲に記載した条件で、
実収率良く金属アンチモンを回収できることを把握し、
本発明に到達した。なお、ボリビア産の鉱石の代表的品
位を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【作用】本発明方法において、主反応は前記(1)式で
あるが、実際に充分に反応を進行させるためには、Na
2 CO3 は(1)式の化学量論的当量の1.1〜2.0
倍が必要である。最適なのは略1.5当量であり、2.
0当量を越えると、スラグ中のNa源の量も増大するの
で、後記するスラグ組成を保つ上で不利である。
あるが、実際に充分に反応を進行させるためには、Na
2 CO3 は(1)式の化学量論的当量の1.1〜2.0
倍が必要である。最適なのは略1.5当量であり、2.
0当量を越えると、スラグ中のNa源の量も増大するの
で、後記するスラグ組成を保つ上で不利である。
【0021】炭材、すなわち炭素質還元剤の量について
も、(1)式の反応式の化学量論的当量の1.0〜1.
5倍が適当である。1.5倍を越えて添加しても効果は
変らず、経済的に不利である。
も、(1)式の反応式の化学量論的当量の1.0〜1.
5倍が適当である。1.5倍を越えて添加しても効果は
変らず、経済的に不利である。
【0022】さらにスラグの組成を調節し(1)式で生
成するNa2 Sを安定化するためにCaO生成物および
必要に応じSiO2 含有物を添加する。なお、CaO生
成物はCaCO3 等でもよいが、その場合生成するCO
2 が炭材と反応してカーボンソリューション反応によ
り、炭材が消費されるので一般的には有利でなく、生石
灰(CaO)が適している。
成するNa2 Sを安定化するためにCaO生成物および
必要に応じSiO2 含有物を添加する。なお、CaO生
成物はCaCO3 等でもよいが、その場合生成するCO
2 が炭材と反応してカーボンソリューション反応によ
り、炭材が消費されるので一般的には有利でなく、生石
灰(CaO)が適している。
【0023】適正なスラグ組成は、Na2 S30〜50
重量%、CaO10〜30重量%、SiO2 1〜10重
量%の範囲である。Na2 Sについては30重量%未満
ではスラグの融点が上昇して、化学反応を進める上で
も、相分離の上でも不利である。Na2 Sが50重量%
を越えるとNa2 SにSb2 S3 が溶解して、アンチモ
ンの還元不足となり、アンチモンのスラグロスが増大す
る。
重量%、CaO10〜30重量%、SiO2 1〜10重
量%の範囲である。Na2 Sについては30重量%未満
ではスラグの融点が上昇して、化学反応を進める上で
も、相分離の上でも不利である。Na2 Sが50重量%
を越えるとNa2 SにSb2 S3 が溶解して、アンチモ
ンの還元不足となり、アンチモンのスラグロスが増大す
る。
【0024】CaOは10重量%未満でも、30重量%
を越えてもスラグの融点が上昇して不利である。SiO
2 %が1重量%未満や、10重量%を越えた場合も、同
様にスラグの融点が上昇する。
を越えてもスラグの融点が上昇して不利である。SiO
2 %が1重量%未満や、10重量%を越えた場合も、同
様にスラグの融点が上昇する。
【0025】加熱温度は、アンチモン金属のタッピング
を良好に行なうためには、アンチモンの融点である63
0℃より少なくとも100℃高温が実際的であり、アン
チモンの沸点である1380℃よりは少なくとも50℃
低いことが実収率のうえから必要である。最適な温度は
1000〜1300℃である。
を良好に行なうためには、アンチモンの融点である63
0℃より少なくとも100℃高温が実際的であり、アン
チモンの沸点である1380℃よりは少なくとも50℃
低いことが実収率のうえから必要である。最適な温度は
1000〜1300℃である。
【0026】
実施例1 鉱石としては、ボリビア産の塊鉱(大きさ5〜20m
m)で、品位は、Sb65.0重量%、S26.0重量
%、Fe0.7重量%、SiO2 6.5重量%、その他
微量元素としてはPb,Asを含んでいる。鉱物形態と
しては、Sb2 S3 が主体であり、Sb2 S3 純分で9
0.63重量%である。
m)で、品位は、Sb65.0重量%、S26.0重量
%、Fe0.7重量%、SiO2 6.5重量%、その他
微量元素としてはPb,Asを含んでいる。鉱物形態と
しては、Sb2 S3 が主体であり、Sb2 S3 純分で9
0.63重量%である。
【0027】この鉱石100gに対して純度98重量%
のNa2 CO3 を130g及びCaOを22g、T.C
73重量%、F.C65重量%の石炭を28.7gを添
加して充分混合し、アルミナ製のルツボに装入し中性雰
囲気中で、約30分で1100℃まで昇温し1Hr保持
した後、炉冷し、サンプルを取り出した。スラグは均一
融体となっており、メタルの分離も良好であった。結果
の物量バランスを表3に示す。なお、表中%は重量%を
示す。
のNa2 CO3 を130g及びCaOを22g、T.C
73重量%、F.C65重量%の石炭を28.7gを添
加して充分混合し、アルミナ製のルツボに装入し中性雰
囲気中で、約30分で1100℃まで昇温し1Hr保持
した後、炉冷し、サンプルを取り出した。スラグは均一
融体となっており、メタルの分離も良好であった。結果
の物量バランスを表3に示す。なお、表中%は重量%を
示す。
【0028】
【表3】
【0029】生成した金属アンチモンは59.0g(S
b=99.5重量%)で、Sb実収率90.3%であっ
た。また、生成したスラグは140gで、Na2 S3
8.9重量%、CaO15.7重量%、SiO2 4.6
4重量%であった。
b=99.5重量%)で、Sb実収率90.3%であっ
た。また、生成したスラグは140gで、Na2 S3
8.9重量%、CaO15.7重量%、SiO2 4.6
4重量%であった。
【0030】実施例2 スケールアップを検討するために、実施例1と同じ鉱石
を用いて取扱い量を増して実験を行なった。すなわち、
実施例1と同じ鉱石1000gに対して純度98重量%
のNa2 CO3 を1300g、CaOを220g、T.
C73重量%、F.C65重量%の石炭を270g添加
して充分混合し、アルミナ製のルツボに装入し、中性雰
囲気で、約30分で1100℃まで昇温し、1Hr保持
した後、炉冷し、サンプルを取り出した。スラグは均一
融体となっており、メタルの分離も良好であった。結果
の物量バランスを表4に示す。なお、表中%は重量%を
示す。
を用いて取扱い量を増して実験を行なった。すなわち、
実施例1と同じ鉱石1000gに対して純度98重量%
のNa2 CO3 を1300g、CaOを220g、T.
C73重量%、F.C65重量%の石炭を270g添加
して充分混合し、アルミナ製のルツボに装入し、中性雰
囲気で、約30分で1100℃まで昇温し、1Hr保持
した後、炉冷し、サンプルを取り出した。スラグは均一
融体となっており、メタルの分離も良好であった。結果
の物量バランスを表4に示す。なお、表中%は重量%を
示す。
【0031】
【表4】
【0032】生成した金属アンチモンは599g(Sb
=99.5重量%)で、Sb実収率91.6%であっ
た。また生成したスラグは1350gで、Na2 S4
1.1重量%、CaO16.3重量%、SiO2 4.8
1重量%であった。
=99.5重量%)で、Sb実収率91.6%であっ
た。また生成したスラグは1350gで、Na2 S4
1.1重量%、CaO16.3重量%、SiO2 4.8
1重量%であった。
【0033】実施例3 SiO2 を添加した場合の実施例として本実験を行なっ
た。すなわち、実施例1と同じ鉱石1000gに純度9
8重量%のNa2 CO3 1300g、CaO220g、
SiO2 60g、T.C73重量%、F.C65重量%
の石炭270gを添加して充分混合し、アルミナ製のル
ツボに装入し、約30分で1100℃まで昇温し、1H
r保持した後、炉冷し、サンプルを取り出した。スラグ
は均一融体となっておりメタルの分離も良好であった。
結果の物量バランスを表5に示す。なお、表中%は重量
%を示す。
た。すなわち、実施例1と同じ鉱石1000gに純度9
8重量%のNa2 CO3 1300g、CaO220g、
SiO2 60g、T.C73重量%、F.C65重量%
の石炭270gを添加して充分混合し、アルミナ製のル
ツボに装入し、約30分で1100℃まで昇温し、1H
r保持した後、炉冷し、サンプルを取り出した。スラグ
は均一融体となっておりメタルの分離も良好であった。
結果の物量バランスを表5に示す。なお、表中%は重量
%を示す。
【0034】
【表5】
【0035】生成した金属アンチモンは593g(Sb
=99.5重量%)で、Sb実収率90.8%であっ
た。また、生成したスラグは1410gで、Na2 S3
8.6重量%、CaO15.6重量%、SiO2 8.6
5重量%であった。
=99.5重量%)で、Sb実収率90.8%であっ
た。また、生成したスラグは1410gで、Na2 S3
8.6重量%、CaO15.6重量%、SiO2 8.6
5重量%であった。
【0036】比較例1 比較のために、Na2 CO3 添加量が1.1当量より少
ない場合を実験した。実施例1と同じ鉱石30gに、純
度98重量%のNa2 CO3 20.2g(0.8当量に
相当)、CaO6.7g、T.C=73重量%、F.C
=65重量%の石炭8.6gを添加して充分混合し、ア
ルミナ製のルツボに装入し、中性雰囲気で約30分で1
100℃まで昇温し、1Hr保持した後、炉冷してサン
プルを取り出した。この場合の物量バランスを表6に示
す。表中%は重量%である。
ない場合を実験した。実施例1と同じ鉱石30gに、純
度98重量%のNa2 CO3 20.2g(0.8当量に
相当)、CaO6.7g、T.C=73重量%、F.C
=65重量%の石炭8.6gを添加して充分混合し、ア
ルミナ製のルツボに装入し、中性雰囲気で約30分で1
100℃まで昇温し、1Hr保持した後、炉冷してサン
プルを取り出した。この場合の物量バランスを表6に示
す。表中%は重量%である。
【0037】
【表6】
【0038】生成した金属アンチモンは9.4gでSb
実収率48.2%に低下した。
実収率48.2%に低下した。
【0039】比較例2 比較のために、従来法である鉄沈法を、実施例1と同じ
鉱石に適用してみた。すなわち、鉱石100gに対して
粒度0.1〜1mmの鉄粉を49.2g(前記(a)式
の化学量論的当量の1.1倍)、コークスを5g添加し
中性雰囲気で約30分で1300℃まで昇温し、1Hr
保持した後炉冷し、サンプリングを行なった。金属アン
チモン32g、マット(Sb2 S3 −FeS系)103
g、スラグ15gが得られた。Sbの実収率としては4
9.2%であり、メタル、スラグ間にマットが生成して
分離が困難であった。
鉱石に適用してみた。すなわち、鉱石100gに対して
粒度0.1〜1mmの鉄粉を49.2g(前記(a)式
の化学量論的当量の1.1倍)、コークスを5g添加し
中性雰囲気で約30分で1300℃まで昇温し、1Hr
保持した後炉冷し、サンプリングを行なった。金属アン
チモン32g、マット(Sb2 S3 −FeS系)103
g、スラグ15gが得られた。Sbの実収率としては4
9.2%であり、メタル、スラグ間にマットが生成して
分離が困難であった。
【0040】
【発明の効果】本発明により、硫化アンチモンから直接
に、実収率高く金属アンチモンを製造することができ
る。また、SO2 排ガス処理費に関わる費用を節減でき
る。
に、実収率高く金属アンチモンを製造することができ
る。また、SO2 排ガス処理費に関わる費用を節減でき
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 硫化アンチモン(Sb2 S3 )を主体と
する粉状あるいは塊状のアンチモン鉱石に、下記の化学
反応式、 Sb2 S3 +3Na2 CO3 +6C=2Sb+3Na2
S+9CO における化学量論的当量で1.1〜2.0当量のNa2
CO3 を添加し、炭材を同じく化学量論的当量で1.0
〜1.5当量添加するとともに、生成するスラグの組成
がNa2 S30〜50重量%、CaO10〜30重量
%、SiO2 1〜10重量%となるようにCaO生成物
および必要に応じSiO2 含有物を添加して加熱溶融還
元して金属アンチモンを生成させることを特徴とする金
属アンチモンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13515093A JPH06322455A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 金属アンチモンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13515093A JPH06322455A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 金属アンチモンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06322455A true JPH06322455A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=15144987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13515093A Pending JPH06322455A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 金属アンチモンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06322455A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101928842A (zh) * | 2010-09-27 | 2010-12-29 | 娄底市兴华有色金属有限公司 | 用于锑火法精炼的除铅剂及其除铅方法 |
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CN103993184A (zh) * | 2014-04-18 | 2014-08-20 | 江西铜业股份有限公司 | 一种高锑含铋物料的处理工艺 |
CN107008725A (zh) * | 2017-03-16 | 2017-08-04 | 袁俊智 | 一种火法炼铜烟气制酸过程中产生含砷危废渣的处理方法 |
US9926205B2 (en) | 2012-10-02 | 2018-03-27 | Nihon Seiko Co., Ltd. | Method for producing antimony trisulfide |
CN110331279A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-10-15 | 云南民族大学 | 一种微波焙烧硫化锑精矿直接挥发回收氧化锑的方法 |
-
1993
- 1993-05-14 JP JP13515093A patent/JPH06322455A/ja active Pending
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