[go: up one dir, main page]

JPH0631845A - 透湿防水性ラミネート布帛の製法 - Google Patents

透湿防水性ラミネート布帛の製法

Info

Publication number
JPH0631845A
JPH0631845A JP4185425A JP18542592A JPH0631845A JP H0631845 A JPH0631845 A JP H0631845A JP 4185425 A JP4185425 A JP 4185425A JP 18542592 A JP18542592 A JP 18542592A JP H0631845 A JPH0631845 A JP H0631845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fabric
moisture
water
density
permeable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4185425A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Takase
清 高瀬
Hiromi Tanaka
広美 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP4185425A priority Critical patent/JPH0631845A/ja
Publication of JPH0631845A publication Critical patent/JPH0631845A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Multi-Layer Textile Fabrics (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた透湿性と剥離強度を備え、しかも風合
いが良好な透湿防水性ラミネート布帛の製法を提供す
る。 【構成】 フィブリル化型複合フィラメントに由来する
平均単糸繊度0.5デニール以下のフィブリル束からな
る糸を経糸および緯糸の少なくとも一方に用いた高密度
織物2の撥水性を高めた上で、その片面に水系接着剤液
を塗工して基布1と一体化するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、透湿防水性に優れた
ラミネート布帛の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、屋外で着用されるスポーツ衣
料や靴には、雨天時に雨水が内側に入らず、しかもむれ
にくい、という防水性と透湿性を兼ね備えた素材が用い
られている。このような素材としては、例えば布帛に四
フッ化ポリエチレン樹脂フィルム(皮膜自身に透湿性の
あるもの)をラミネートしたものや、ポリウレタン系樹
脂やアクリル酸エステル系樹脂をコーティングしたもの
等があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ラ
ミネートタイプのものは、布帛とフィルムの剥離強度が
弱く界面が剥がれてこの部分から水が浸入しやすいとい
う問題がある。一方、上記樹脂コーティングタイプのも
のは、使用によって樹脂層が剥がれやすく、また樹脂層
ががさついた感触となって風合いが悪いという問題を有
している。
【0004】そこで、上記ラミネートタイプのものにお
いて、布帛とフィルムの剥離強度を高めるために、使用
するフィルムや接着剤の種類、各層の厚み等について検
討されているが、透湿性に優れ、しかも両者間の剥離強
度が高いものは得られていないのが実情である。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、優れた透湿性と剥離強度を備え、しかも風合
いが良好な透湿防水性ラミネート布帛の製法の提供をそ
の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の透湿防水性ラミネート布帛の製法は、基
布を準備する工程と、フィブリル化型複合フィラメント
に由来する平均単糸繊度0.5デニール以下のフィブリ
ル束からなる糸を経糸および緯糸の少なくとも一方に用
いた撥水性高密度織物を準備する工程と、上記高密度織
物の片面に水系接着剤液を塗工し、この塗工面に、基布
の片面を当接させて両者を接合一体化する工程とを備え
るという構成をとる。
【0007】
【作用】すなわち、本発明者らは、優れた透湿性と剥離
強度を備えた透湿防水性ラミネート布帛を開発するため
に、各種の素材について研究を重ねた。そして、その過
程で、本出願人が先に開発した特殊な高密度織物(特公
昭62−8535号公報)が優れた透湿防水性を示すこ
とに着目し、この織物の透湿防水性および風合いを損な
うことなく基布と接合一体化することができれば優れた
透湿防水性ラミネート布帛が得られるのではないかと想
起した。そして、さらに研究を重ねた結果、上記高密度
織物の撥水性を高めた上で、その片面に水系接着剤液を
塗工して基布と接合一体化すると、高密度織物の透湿性
が接着剤によって損なわれることがなく、優れた透湿性
と剥離強度,風合いを備えたラミネート布帛となること
を見いだし、この発明に到達した。
【0008】つぎに、この発明を詳細に説明する。
【0009】この発明に用いられる基布は、透湿防水性
ラミネート布帛全体を補強するためのもので、ラミネー
ト布帛の目的・用途に応じた強度と柔軟性を備えたもの
が選択される。ただし、上記基布は、これと接合する高
密度織物の透湿性を損なうことのないよう、透湿性に優
れたものであることが好ましい。例えば、綿,麻等の天
然繊維糸やポリエステル,ナイロン等の合成繊維糸を織
成もしくは編成してなる織編地、適度な空隙を有する不
織布、通気性樹脂フィルム等があげられる。
【0010】また、上記基布とともに用いられる撥水性
高密度織物は、フィブリル化型複合フィラメントに由来
する平均単糸繊度0.5デニール以下のフィブリル束か
らなる糸を経糸および緯糸の少なくとも一方に用いて織
成した高密度織物を撥水処理して得られるものである。
【0011】上記フィブリル化型複合フィラメントと
は、ポリアミドと、上記ポリアミドと親和性のない重合
体(例えばポリエステル等)とが、複合紡糸によって長
手方向に沿って接合されているものであり、具体的に
は、その横断面において、両成分A,B(いずれがポリ
アミド成分であっても可)が、図1(a)に示すような
サイドバイサイド型になったもの、同図(b),(c)
に示すようにサイドバイサイド繰り返し型になったも
の、図2(a)〜(d)および図3(a)に示すように
放射状の形状を有する成分とこの放射部を補完する形状
を有する他の成分Bからなるもの、図3(b),(c)
に示すように放射型の形状を有する成分Aとこの放射部
を補完する他の成分Bからなり一方の放射形状が中心側
において途切れているもの、同図(d)に示すようにサ
イドバイサイド繰り返し型であって中空部があるもの等
があげられる。
【0012】上記複合フィラメントの一成分であるポリ
アミドとしては、例えばナイロン4,ナイロン6,ナイ
ロン7,ナイロン11,ナイロン12,ナイロン66,
ナイロン6・10,ポリメタキシレンアジパミド,ポリ
パラキシリレンデカンアミド,ポリビスシクロヘキシル
メタンデタンアミドおよびこれらを成分とするコポリア
ミド等があげられる。
【0013】また、上記ポリアミドとともに複合フィラ
メントを形成する、ポリアミドと親和性のない重合体と
しては、ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアクリロ
ニトリル等があげられるが、上記ポリアミドとの溶融複
合紡糸を容易に行うという観点からポリエステルおよび
ポリオレフィンが好ましく、なかでもポリエステルが最
適である。すなわち、ポリアミドとポリエステルの組み
合わせを用いると、得られる織物の色調,光沢,風合い
等が最も好ましいものとなる。上記ポリエステルとして
は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾエー
ト、ポリ1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレー
ト、ポリピバロラクトンおよびこれらを成分とするコポ
リエステル等があげられ、上記ポリオレフィンとして
は、ポリエチレン,ポリプロピレンおよびこれらを成分
とするコポリオレフィン等があげられる。
【0014】上記二成分を組み合わせた複合フィラメン
トは、互いの重合体が相互に親和性を有しないため、通
常、機械的屈曲や摩擦等の物理的な衝撃によって、ある
いは上記ポリアミドを薬液で膨潤させる化学的方法によ
って、細いフィブリルの束に割繊することができる。こ
のような薬液(以下「フィブリル化剤」という)として
は、例えばベンジルアルコール,β−フェニルエチルア
ルコール,フェノール,m−クレゾール,ギ酸,酢酸等
があげられる。これらは、単品を直接用いるよりも、そ
の水溶液もしくはその水性エマルジョンとして用いるの
が適している。特に、ベンジルアルコールの水性エマル
ジョンを用いると、織物の収縮性やフィブリル化効果の
点で、また取り扱いが比較的容易な点で好適である。そ
して、その濃度は、1〜50重量%、なかでも3〜30
重量%に設定することが好適である。1重量%未満では
フィブリル化の効果が弱く、逆に50重量%を超えると
水性エマルジョンの場合には不安定となり、のちのフィ
ブリル化剤の除去が非常に困難となるだけでなく、ポリ
アミド成分以外の繊維成分に悪影響を及ぼす傾向がみら
れるからである。
【0015】なお、上記複合フィラメントを割繊するこ
とによって得られるフィブリル束の平均単糸繊度は0.
5デニール以下でなければならない。すなわち、平均単
糸繊度が0.5デニールを超えると、得られる織物の割
繊後の構成本数が減少して撥水処理を施しても充分な耐
水性が得られず、また織物の風合いも悪くなるからであ
る。ただし、上記「平均単糸繊度」とは、(フィブリル
化前の単糸繊度)/(フィブリル化後の単糸繊維本数)
によつて規定されるもので、例えば図3(a)に示す形
状の複合フィラメントの単糸繊度が2デニールであり、
割繊によって、この複合フィラメントが、図4に示すよ
うに13本の単糸繊維(フィブリル)となる場合に、そ
の平均単糸繊度は0.2デニールとなる。この条件を満
足させるためには、ポリアミドと、ポリアミドと親和性
のない重合体との重量比を、1:4〜4:1に設定する
ことが好適である。この範囲を外れると、フィブリル化
後に繊度の太い単糸繊維が残りやすい。
【0016】上記フィブリル化型複合フィラメントと、
必要であれば他の糸を用い、例えばつぎのようにして高
密度織物を得ることができる。すなわち、まず経糸とし
て用いる糸を紙管に巻き取りチーズ(もしくはコーン)
化してクリールに掛けたのち、経糸の糸本数の数だけ各
チーズから糸を引き出して、必要に応じサイジング工程
を経由させて整経ビームに巻き取る。つぎに、上記整経
ビームを織機に掛け、緯糸として用いる糸を打ち込んで
製織する。このようにして得られた生機を、前記フィブ
リル化剤に浸すか、あるいはパッディングして長手方向
に沿って割繊して細いフィブリル束にした上で、70℃
以上、好ましくは90〜120℃、より好ましくは90
〜100℃の湯または水蒸気で加熱処理することによ
り、フィブリル束からなる糸を10〜40%収縮させ
る。そして、上記のようにして経糸および緯糸の少なく
とも一方が割繊され高密度化された生機を、染色工程,
撥水処理工程を経由させて、目的とする撥水性高密度織
物を得ることができる。
【0017】なお、上記撥水処理は、公知の方法によっ
て適宜に行われるが、なかでも、撥水処理剤として、フ
ッ素系撥水剤を用いることが好ましい。そして、JIS
L1092に定められた撥水度が80点以上、最適に
は100点であることが好適である。このように、高撥
水性を与えることにより、後述するように、この織物表
面に水系接着剤液を塗工しても、得られるラミネート布
帛に優れた透湿性を与えることができる。
【0018】また、上記撥水性高密度織物において、フ
ィブリル化型複合フィラメントとして抗菌性粒子を含有
するものを用いて織物に抗菌性を付与するようにしても
よい。
【0019】上記抗菌性粒子とは、充分な抗菌性能を有
すれば無機系,有機系のいずれであってもよいが、一般
に無機系のものが安定で、繊維製造時の変質が少ないた
め好適である。このような無機系抗菌性粒子としては、
銀,銅,亜鉛等の金属またはそれらの化合物、セラミツ
ク系化合物、ゼオライト系化合物等があげられ、なかで
もゼオライトに抗菌性金属を担持させたものが、安定で
抗菌効果が持続するので好適である。
【0020】上記抗菌性ゼオライトは、特開昭59−1
33235号公報に開示されているようなもので、アル
ミノシリケートからなる天然ゼオライトまたは合成ゼオ
ライトのイオン交換可能な部分に抗菌性の金属イオンが
1種または2種以上担持されているものである。上記天
然ゼオライトとしては、アナルシン,チャパサイト,ク
リノブチロライト,エリオナイト,フオジャサイト,モ
ルデナイト,フイリップサイト等があげられ、上記合成
ゼオライトとしては、A−型ゼオライト,X−型ゼオラ
イト,Y−型ゼオライト,モルデナイト等の合成ゼオラ
イト等があげられる。また、上記抗菌性金属イオンとし
ては、銀(Ag)イオン,銅(Cu)イオン,亜鉛(Z
n)イオン,ビスマス(Bi)イオン,カドミウム(C
d)イオン,クロム(Cr)イオン,水銀(Hg)イオ
ン等があげられ、なかでも銀イオン,銅イオン,亜鉛イ
オンが好適である。
【0021】また、上記抗菌性ゼオライトとして、特開
昭62−70220号公報に開示されているような、抗
菌性無定形アルミノシリケートのイオン交換可能な部分
に抗菌性の金属イオンが1種または2種以上担持された
抗菌性無定形アルミノ珪酸塩を用いることもできる。
【0022】このような抗菌性粒子は、フィブリル化型
複合フィラメントの成分材料であるポリアミド成分もし
くはポリアミドと親和性のない重合体成分、あるいはこ
れらの双方に含有される。その含有方法としては、例え
ば、フィブリル化型複合フィラメントの紡出工程におい
て、ポリアミドチップ(または上記他の成分材料チッ
プ)と上記抗菌性粒子とを混合し、両者を相溶状態で紡
出する方法があげられる。また、金属イオンを担持して
いないゼオライト系固体粒子とポリアミドチップとを相
溶状態で紡出したのち、抗菌性金属の水溶性塩類の溶液
で処理して上記ゼオライト系固体粒子中に金属イオンを
担持させる方法を用いてもよい。これらの方法によれ
ば、単に繊維表面に抗菌性粒子を付着させるのではな
く、繊維内部に抗菌性粒子が含有されるため、摩擦等に
よって上記抗菌性粒子が脱落することがなく、長期にわ
たって抗菌性が持続する。
【0023】なお、上記抗菌性粒子の大きさは、0.0
5〜2ミクロン程度に設定することが、抗菌性能,紡糸
性の点で好適である。そして、上記抗菌性粒子の含有量
は、含有させる繊維成分材料に対し1〜5重量%程度に
設定することが好適である。この範囲内で、最も効果的
に抗菌性を発現させることができ、しかも繊維強度が低
下しない。
【0024】このように、抗菌性粒子を含有するフィブ
リル化型複合フィラメントを用いると、従来にない風合
いと耐水性を有し、しかも抗菌効果を有する撥水性高密
度織物となる。
【0025】一方、上記基布と撥水性高密度織物とを接
合するための水系接着剤液としては、公知の各種の水系
接着剤液が用いられるのであり、例えば市販品であるボ
ンコートES141(大日本インキ社製、固形分45
%)等をあげることができる。
【0026】上記基布と撥水性高密度織物との接合は、
例えば図5に示す装置によって連続的に行うことができ
る。すなわち、上方から徐々に水系接着剤液4が滴下供
給され表面のスポンジ層5aが水系接着剤液4を含浸し
た状態になっている塗工ローラ5と、ガイドローラ6と
の間に、上記撥水性高密度織物2を通し、その片面に水
系接着剤液4を塗布する(塗布層は図示せず)。そし
て、他方から順次供給される基布1を、この接着剤液4
の塗工面に接合し、その状態で乾燥手段(図示せず)を
通過させることによって、図6に示すような透湿防水性
ラミネート布帛を得ることができる。
【0027】上記透湿防水性ラミネート布帛は、撥水性
高密度織物2の有する透湿性が、基布1との間に介在す
る接着剤層3によって殆ど低下することがなく、優れた
透湿防水性を備えている。すなわち、その透湿性は、撥
水性高密度織物2自体の透湿度を基準にすると、80%
以上に維持されており、従来のラミネート布帛に比べ、
大幅に優れた透湿性を示す。これは、上記接着剤層3
が、完全に膜化したものではなく、ところどころ微細な
空隙が生じているためと思われる。また、この透湿防水
性ラミネート布帛は、基布1と撥水性高密度織物2の剥
離強度が非常に高く、長期の使用によっても両者が剥離
することがない。したがって、このラミネート布帛は、
屋外で着用するスポーツウエアや靴・鞄の表地、あるい
はレジャー用品のケース等、各種のものに適用すること
ができる。
【0028】なお、上記製法において、水系接着剤液の
塗工量は、撥水性高密度織物2の表面に対し15〜60
g/m2 の割合で塗工することが好適である。すなわ
ち、上記の範囲よりも塗工量が少なすぎると、基布1と
撥水性高密度織物2との接着が不充分で剥離強度が低く
なる傾向がみられ、逆に上記の範囲よりも塗工量が多す
ぎると、部分的に水系接着剤液が水溜まりのように集合
して厚くなり、透湿性および風合いが悪くなる傾向がみ
られる。
【0029】また、基布1と撥水性高密度織物2は、一
枚ずつ重ねてラミネートする以外に、例えば図7に示す
ように、片面に水系接着剤液の粒子を塗工した撥水性高
密度織物2を、基布1の両面に接合して各層が接着剤層
3によって接合された三層構造にしてもよい。このよう
にすると、得られたラミネート布帛の表裏面がともに撥
水性高密度織物2で形成されるため、身体に着用するも
の(靴,帽子等)にこれを利用すると、外側に露出する
面の見栄えがよく、しかも身体に接する内側面の風合い
が良好で着用感に優れたものが得られる。
【0030】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0031】
【実施例1】下記の緯糸,経糸を準備し、下記の製織条
件で生機をつくった。 経糸:ポリエステルフィラメント(75d/72f) S撚200T/M 140本/インチ 緯糸:前記フィブリル化型複合フィラメント(100d
/50f) 不撚 割繊後の平均単糸繊度 0.2デニール 2成分の重量比 1 : 2 分割態様 図8のもの 90本/インチ 織り:α平織
【0032】このようにして得られた生機を、通常に方
法に従って精練し、染色加工したのち、フッ素系撥水剤
(アサヒガードLS−317,旭硝子社製)を0.5g
/m 2 付与して撥水処理を行い、撥水性高密度織物を得
た。このものは、撥水度(JIS L1092)100
点、透湿度(JIS L1099)10000g/m 2
・24Hの生地であった。
【0033】この撥水性高密度織物を用い、前述の方法
により、水系接着剤液(ボンコートES141,大日本
インキ社製、固形分濃度45%)を、乾燥時20g/m
2 となるよう塗工し、この塗工面に基布(綿布、平織,
経糸・緯糸ともE50C 42番手綿糸,織り密度:タ
テ72本/インチ,ヨコ56本/インチ)を接合したの
ち、120℃〜130℃に設定した乾燥機(長さ15
m)を、布速7m/分で通過させて乾燥し、目的とする
透湿防水性ラミネート布帛を得た。このものの特性を下
記の表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】上記の結果から、実施例1品は、撥水性高
密度織物単独の場合の透湿性がそのまま維持されてお
り、優れた透湿性を示すことがわかる。また、耐水性,
剥離強度および風合いも優れており、従来にはない、総
合的に優れたラミネート布帛であることがわかる。
【0036】
【実施例2〜8、比較例1〜4】下記の表2,表3に示
すように、ラミネート布帛の素材の種類や接着剤塗工条
件を変えて各種のラミネート布帛を得た。これらの布帛
について、上記と同様にして特性を評価した。これらの
結果を、下記の表4,表5に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】 *:各特性の単位,測定方法は表1と同じ。
【0040】
【表5】 *:各特性の単位,測定方法は表1と同じ。
【0041】上記の結果から、実施例品はいずれも比較
例に比べて優れた特性を備えていることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明の透湿防水性ラ
ミネート布帛の製法は、特殊な高密度織物の撥水性を高
め、その片面に水系接着剤液を塗工して基布と接合一体
化するようにしたものである。したがって、この製法に
よれば、水系接着剤液が完全に膜化せず、ところどころ
微細な空隙が形成されるようになると思われ、高密度織
物の透湿性を損なうことなく、優れた透湿性を有するラ
ミネート布帛を簡単に得ることができる。しかも、この
ようにして得られたラミネート布帛は、全体が柔軟性に
富み、風合いも優れている。そして、基布と撥水性高密
度織物の剥離強度が非常に高く、長期の使用によっても
両者が剥離することがない。したがって、このラミネー
ト布帛は、屋外で着用するスポーツウエアや靴・鞄の表
地、あるいはレジャー用品のケース等、各種のものに適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)はいずれも上記実施例
に用いられるフィブリル化型複合フィラメントの一例を
示す横断面図である。
【図2】(a),(b),(c),(d)はいずれも上
記実施例に用いられるフィブリル化型複合フィラメント
の一例を示す横断面図である。
【図3】(a),(b),(c),(d)はいずれも上
記実施例に用いられるフィブリル化型複合フィラメント
の一例を示す横断面図である。
【図4】上記フィブリル化型複合フィラメントの一例の
ものが割繊された状態の説明図である。
【図5】この発明の透湿防水性ラミネート布帛の製法の
説明図である。
【図6】上記製法によって得られた透湿防水性ラミネー
ト布帛の構成図である。
【図7】この発明によって得られる他の態様の透湿防水
性ラミネート布帛の構成図である。
【符号の説明】
1 基布 2 撥水性高密度織物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 17/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布を準備する工程と、フィブリル化型
    複合フィラメントに由来する平均単糸繊度0.5デニー
    ル以下のフィブリル束からなる糸を経糸および緯糸の少
    なくとも一方に用いた撥水性高密度織物を準備する工程
    と、上記高密度織物の片面に水系接着剤液を全面塗工
    し、この塗工面に、基布の片面を当接させて両者を接合
    一体化する工程とを備えたことを特徴とする透湿防水性
    ラミネート布帛の製法。
  2. 【請求項2】 得られる透湿防水性ラミネート布帛が、
    撥水性高密度織物単独の透湿度の80%以上の透湿度を
    有するよう設定された請求項1記載の透湿防水性ラミネ
    ート布帛の製法。
JP4185425A 1992-07-13 1992-07-13 透湿防水性ラミネート布帛の製法 Pending JPH0631845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4185425A JPH0631845A (ja) 1992-07-13 1992-07-13 透湿防水性ラミネート布帛の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4185425A JPH0631845A (ja) 1992-07-13 1992-07-13 透湿防水性ラミネート布帛の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0631845A true JPH0631845A (ja) 1994-02-08

Family

ID=16170567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4185425A Pending JPH0631845A (ja) 1992-07-13 1992-07-13 透湿防水性ラミネート布帛の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0631845A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5747392A (en) * 1996-11-19 1998-05-05 Hi-Tex, Inc. Stain resistant, water repellant, interpenetrating polymer network coating-treated textile fabric
US6207250B1 (en) 1995-03-21 2001-03-27 Hi-Tex, Inc. Treated textile fabric
US6251210B1 (en) 1996-08-07 2001-06-26 Hi-Tex, Inc. Treated textile fabric
US6492001B1 (en) 1996-08-07 2002-12-10 Hi-Tex, Inc. Treated textile fabric

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6207250B1 (en) 1995-03-21 2001-03-27 Hi-Tex, Inc. Treated textile fabric
US6251210B1 (en) 1996-08-07 2001-06-26 Hi-Tex, Inc. Treated textile fabric
US6492001B1 (en) 1996-08-07 2002-12-10 Hi-Tex, Inc. Treated textile fabric
US5747392A (en) * 1996-11-19 1998-05-05 Hi-Tex, Inc. Stain resistant, water repellant, interpenetrating polymer network coating-treated textile fabric

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6039776B2 (ja) スエ−ド調起毛織物及びその製造方法
WO2006043677A1 (ja) 水湿潤により空隙率が低下する捲縮繊維含有織編物並びにその製造方法及び繊維製品
WO2005038112A1 (ja) 伸縮性複合布帛及びその衣料製品
JPH0631845A (ja) 透湿防水性ラミネート布帛の製法
DK155191B (da) Ledende sekundaert underlag, der er velegnet til anvendelse i et tuftet taeppe
JP2010095813A (ja) 多層構造織編物および繊維製品
JP2004244758A (ja) ナノファイバーを含む繊維構造体
JP3558451B2 (ja) 多層構造布帛
WO2006027826A1 (ja) 改良された繊維材料及びその改良方法
JP4451613B2 (ja) 制電性と撥水性を有する防水織物
JPH1025643A (ja) 多層構造布帛
CN215704752U (zh) 一种高抗拉吸湿抗菌复合涤纶布
CN114619723A (zh) 一种耐磨性好的纳米银抗菌面料及其制备工艺
JP2001192946A (ja) 高密度織物
JP3018409B2 (ja) 柔軟なナイロン織物の製造方法
JP4196658B2 (ja) 繊維構造物
JPS6358942B2 (ja)
JPH04257308A (ja) 白色系軽量保温性中空繊維
JPH0598536A (ja) 高密度織物の製法
CN220904315U (zh) 一种裙子的尼丝纺面料
JPH0770873A (ja) カットパイル織物
WO2022224666A1 (ja) 繊維構造体
JPH08232136A (ja) 軽量吸汗発散性織物の製造方法
JPS6356353B2 (ja)
JPH0684573B2 (ja) 濃淡模様付高密度織物