JPH06312613A - サスペンション - Google Patents
サスペンションInfo
- Publication number
- JPH06312613A JPH06312613A JP10470693A JP10470693A JPH06312613A JP H06312613 A JPH06312613 A JP H06312613A JP 10470693 A JP10470693 A JP 10470693A JP 10470693 A JP10470693 A JP 10470693A JP H06312613 A JPH06312613 A JP H06312613A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- turning
- wheel
- kingpin
- changing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 旋回中の制動時には車輪のキングピン軸を変
位させて車輪のトー角を適正方向に変化させ、もって車
両がオーバーステア気味になるのを防止して、車両旋回
時および制動時の姿勢安定化を図る。 【構成】 アッパー,ロアアーム14,16のリアリン
ク14b,16b基端部を車体18に連結するブッシュ
14c,16cを前後移動可能に取り付ける。ブッシュ
14a,16aを油圧シリンダ22,24を介して駆動
する。油圧シリンダ22,24は電磁切換弁22a,2
4aを介してポンプ22b,24bで加圧した油圧を供
給する。油圧シリンダ22,24を伸縮駆動して、リア
リンク14b,16bと前記フロントリンク14a,1
6aとを延長した交点P,Qの位置を車幅方向に変更
し、KP軸20の傾角θを変化する。電磁切換弁22
a,24aおよびポンプ22b,24bを、マイクロコ
ンピュータ28から出力される制御信号により駆動す
る。
位させて車輪のトー角を適正方向に変化させ、もって車
両がオーバーステア気味になるのを防止して、車両旋回
時および制動時の姿勢安定化を図る。 【構成】 アッパー,ロアアーム14,16のリアリン
ク14b,16b基端部を車体18に連結するブッシュ
14c,16cを前後移動可能に取り付ける。ブッシュ
14a,16aを油圧シリンダ22,24を介して駆動
する。油圧シリンダ22,24は電磁切換弁22a,2
4aを介してポンプ22b,24bで加圧した油圧を供
給する。油圧シリンダ22,24を伸縮駆動して、リア
リンク14b,16bと前記フロントリンク14a,1
6aとを延長した交点P,Qの位置を車幅方向に変更
し、KP軸20の傾角θを変化する。電磁切換弁22
a,24aおよびポンプ22b,24bを、マイクロコ
ンピュータ28から出力される制御信号により駆動す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明、車両のサスペンションに
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体はサスペンションを介して
車輪に懸架されるようになっており、このサスペンショ
ンによって自動車の乗り心地性とか走行性能等が決定さ
れるようになっている。前記車輪は車体に対してホイー
ルアライメントと称する傾きをもって取り付けられるよ
うになっており、このアライメントによって走行時の安
定性とか旋回時のコーナリング特性が決定される。アラ
イメントはキングピン軸の傾角,キャンバ角,キャスタ
角とかトー角等によって決定される。
車輪に懸架されるようになっており、このサスペンショ
ンによって自動車の乗り心地性とか走行性能等が決定さ
れるようになっている。前記車輪は車体に対してホイー
ルアライメントと称する傾きをもって取り付けられるよ
うになっており、このアライメントによって走行時の安
定性とか旋回時のコーナリング特性が決定される。アラ
イメントはキングピン軸の傾角,キャンバ角,キャスタ
角とかトー角等によって決定される。
【0003】ところで、従来の自動車は直進状態で制動
する際に、車輪のトー角を内方(トーイン方向)に指向
させることにより、安定させた車両姿勢を維持できるこ
とは一般に知られている。一方、車両の旋回中にあって
はその安定性を高めるために従来から各種提案がなされ
ているが、例えば、特公平3−59846号公報には電
子制御を用いて旋回時のロールを防止するようにしたサ
スペンションが開示される。
する際に、車輪のトー角を内方(トーイン方向)に指向
させることにより、安定させた車両姿勢を維持できるこ
とは一般に知られている。一方、車両の旋回中にあって
はその安定性を高めるために従来から各種提案がなされ
ているが、例えば、特公平3−59846号公報には電
子制御を用いて旋回時のロールを防止するようにしたサ
スペンションが開示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のサスペンションにあっては、旋回状態で制動する
場合、特にオーバーステア気味の車両では、単に車体の
ロールを防止したとしても、スピンによる不安定な挙動
が発生し易い。この不安定な挙動を抑制するためにはス
テアリングをアンダーステアとすることが望ましい。
従来のサスペンションにあっては、旋回状態で制動する
場合、特にオーバーステア気味の車両では、単に車体の
ロールを防止したとしても、スピンによる不安定な挙動
が発生し易い。この不安定な挙動を抑制するためにはス
テアリングをアンダーステアとすることが望ましい。
【0005】ところで、このように旋回中の制動時にア
ンダーステアとするためには、旋回時に外輪側となる車
輪をトーアウト方向に指向させ、かつ、内輪側となる車
輪をトーイン方向に指向させることにより達成できるこ
とが本願発明者等によって見出だされた。しかし、従来
のサスペンションでは一般的に旋回中の横力が作用する
ことにより、外輪がトーイン方向を指向するようにコン
プライアンスステア設定が行われていたため、前記制動
時にアンダーステア特性を得ることが困難になって、急
制動時にはどうしてもスピンが発生され易くなってしま
うという課題があった。
ンダーステアとするためには、旋回時に外輪側となる車
輪をトーアウト方向に指向させ、かつ、内輪側となる車
輪をトーイン方向に指向させることにより達成できるこ
とが本願発明者等によって見出だされた。しかし、従来
のサスペンションでは一般的に旋回中の横力が作用する
ことにより、外輪がトーイン方向を指向するようにコン
プライアンスステア設定が行われていたため、前記制動
時にアンダーステア特性を得ることが困難になって、急
制動時にはどうしてもスピンが発生され易くなってしま
うという課題があった。
【0006】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、旋回中の制動時には車輪のキングピン軸を変位させ
て車輪のトー角を適正方向に変化させ、もって車両がオ
ーバーステア気味になるのを防止して、車両旋回時およ
び制動時の姿勢安定化を図るようにしたサスペンション
を提供することを目的とする。
て、旋回中の制動時には車輪のキングピン軸を変位させ
て車輪のトー角を適正方向に変化させ、もって車両がオ
ーバーステア気味になるのを防止して、車両旋回時およ
び制動時の姿勢安定化を図るようにしたサスペンション
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の第1の構成にあっては、車両が旋回状態に
あることを検出する車両旋回検出手段と、車輪のキング
ピンオフセット量を変化させるキングピンオフセット量
変更手段と、車両が旋回状態にあることを検出した際に
キングピンオフセット量変更手段を作動して外輪側のキ
ングピンオフセットを正方向に増加する実行手段と、を
備えることにより構成する。
めに本発明の第1の構成にあっては、車両が旋回状態に
あることを検出する車両旋回検出手段と、車輪のキング
ピンオフセット量を変化させるキングピンオフセット量
変更手段と、車両が旋回状態にあることを検出した際に
キングピンオフセット量変更手段を作動して外輪側のキ
ングピンオフセットを正方向に増加する実行手段と、を
備えることにより構成する。
【0008】また、前記第1の構成においてキングピン
オフセット量変更手段を、キングピン軸の傾角を変化さ
せる機構として構成することが望ましい。
オフセット量変更手段を、キングピン軸の傾角を変化さ
せる機構として構成することが望ましい。
【0009】更に、前記キングピンオフセット量変更手
段は、キングピン軸を車幅方向に平行移動させる機構と
して構成することができる。
段は、キングピン軸を車幅方向に平行移動させる機構と
して構成することができる。
【0010】また、前記第1の構成において実行手段
は、ホイールセンタ・キングピンオフセット量を零に近
付ける制御を行なう構成とすることができる。
は、ホイールセンタ・キングピンオフセット量を零に近
付ける制御を行なう構成とすることができる。
【0011】更に、前記実行手段は、ホイールセンタ・
キングピンオフセット量を増加させる構成とすることが
できる。
キングピンオフセット量を増加させる構成とすることが
できる。
【0012】更にまた、前記実行手段は、車両旋回検出
手段で検出した旋回量に応じて、キングピンオフセット
の変化量を制御する構成とする。
手段で検出した旋回量に応じて、キングピンオフセット
の変化量を制御する構成とする。
【0013】また、かかる目的を達成するために本発明
の第2の構成にあっては、車両が旋回状態にあることを
検出する車両旋回検出手段と、車輪のトレッドを変化さ
せるトレッド変更手段と、車両が旋回状態にあることを
検出した際に車両旋回量に応じてトレッド変更手段を作
動する実行手段と、を備えることにより構成する。
の第2の構成にあっては、車両が旋回状態にあることを
検出する車両旋回検出手段と、車輪のトレッドを変化さ
せるトレッド変更手段と、車両が旋回状態にあることを
検出した際に車両旋回量に応じてトレッド変更手段を作
動する実行手段と、を備えることにより構成する。
【0014】更に、かかる目的を達成するために本発明
の第3の構成にあっては、車両が旋回状態にあることを
検出する車両旋回検出手段と、車輪のキングピンオフセ
ット量を変化させるキングピンオフセット量変更手段
と、車輪のトレッドを変化させるトレッド変更手段と、
車両が旋回状態にあることを検出した際にキングピンオ
フセット量変更手段を作動して外輪側のキングピンオフ
セットを正方向に増加すると共に、トレッド変更手段を
作動する実行手段と、を備えて構成する。
の第3の構成にあっては、車両が旋回状態にあることを
検出する車両旋回検出手段と、車輪のキングピンオフセ
ット量を変化させるキングピンオフセット量変更手段
と、車輪のトレッドを変化させるトレッド変更手段と、
車両が旋回状態にあることを検出した際にキングピンオ
フセット量変更手段を作動して外輪側のキングピンオフ
セットを正方向に増加すると共に、トレッド変更手段を
作動する実行手段と、を備えて構成する。
【0015】
【作用】以上の構成により本発明にかかるサスペンショ
ンの第1の構成にあっては、車両が旋回状態にあること
を検出した際に、実行手段がキングピンオフセット量変
更手段を作動して外輪側のキングピンオフセットを正方
向に増加するようにしたので、旋回時に外輪がトーイン
になる傾向を抑制してコーナリングステアをアンダース
テアにして、旋回時の車体安定性を向上することができ
る。また、旋回中に制動した時に路面との間の摩擦によ
りタイヤに制動力が発生すると、正方向に増加した前記
キングピンオフセットと制動力とによって生ずるモーメ
ントで外輪をトーアウト方向に変化させることができ、
この制動時にアンダーステア化をより増大することがで
きるため、急制動によっても車体がスピンするのを防止
して姿勢を安定させることができる。
ンの第1の構成にあっては、車両が旋回状態にあること
を検出した際に、実行手段がキングピンオフセット量変
更手段を作動して外輪側のキングピンオフセットを正方
向に増加するようにしたので、旋回時に外輪がトーイン
になる傾向を抑制してコーナリングステアをアンダース
テアにして、旋回時の車体安定性を向上することができ
る。また、旋回中に制動した時に路面との間の摩擦によ
りタイヤに制動力が発生すると、正方向に増加した前記
キングピンオフセットと制動力とによって生ずるモーメ
ントで外輪をトーアウト方向に変化させることができ、
この制動時にアンダーステア化をより増大することがで
きるため、急制動によっても車体がスピンするのを防止
して姿勢を安定させることができる。
【0016】また、前記第1の構成においてキングピン
オフセット量変更手段を、キングピン軸の傾角を変化さ
せる機構として構成することにより、このキングピン軸
の傾角変化で容易にキングピンオフセット量を変更する
ことができる。
オフセット量変更手段を、キングピン軸の傾角を変化さ
せる機構として構成することにより、このキングピン軸
の傾角変化で容易にキングピンオフセット量を変更する
ことができる。
【0017】更に、前記キングピンオフセット量変更手
段は、キングピン軸を車幅方向に平行移動させる機構と
して構成することにより、このキングピン軸の平行移動
で容易にキングピンオフセット量を変更することができ
る。
段は、キングピン軸を車幅方向に平行移動させる機構と
して構成することにより、このキングピン軸の平行移動
で容易にキングピンオフセット量を変更することができ
る。
【0018】また、前記実行手段は、ホイールセンタ・
キングピンオフセット量を零に近付ける制御を行なう構
成とすることにより、ハンドル操作を軽くできると共
に、路面から車輪を介して入力される外乱による影響を
低減でき、低速走行時の運転性を著しく向上することが
できる。
キングピンオフセット量を零に近付ける制御を行なう構
成とすることにより、ハンドル操作を軽くできると共
に、路面から車輪を介して入力される外乱による影響を
低減でき、低速走行時の運転性を著しく向上することが
できる。
【0019】更に、前記実行手段は、ホイールセンタ・
キングピンオフセット量を増加させる構成とすることに
より、ハンドルの保舵力を高めて高速走行時の安定性を
より高めることができる。
キングピンオフセット量を増加させる構成とすることに
より、ハンドルの保舵力を高めて高速走行時の安定性を
より高めることができる。
【0020】更にまた、前記実行手段は、車両旋回検出
手段で検出した旋回量に応じて、キングピンオフセット
の変化量を制御する構成とすることにより、制動時に外
輪が必要以上にトーアウトを指向するのを防止して、そ
の旋回量に応じたステア状態を保つことができる。
手段で検出した旋回量に応じて、キングピンオフセット
の変化量を制御する構成とすることにより、制動時に外
輪が必要以上にトーアウトを指向するのを防止して、そ
の旋回量に応じたステア状態を保つことができる。
【0021】また、本発明の第2の構成にあっては、車
両が旋回状態にあることを検出した際に、実行手段がト
レッド変更手段を作動して車両旋回量に応じてトレッド
を変化させるようにしたので、このトレッド変化により
タイヤの接地面に横力をいち早く発生させることがで
き、この横力でコーナリングフォースを発生させて車両
の安定化を図ることができる。
両が旋回状態にあることを検出した際に、実行手段がト
レッド変更手段を作動して車両旋回量に応じてトレッド
を変化させるようにしたので、このトレッド変化により
タイヤの接地面に横力をいち早く発生させることがで
き、この横力でコーナリングフォースを発生させて車両
の安定化を図ることができる。
【0022】更に、本発明の第3の構成にあっては、車
両が旋回状態にあることを検出した際に、実行手段によ
りキングピンオフセット量変更手段を作動して外輪側の
キングピンオフセットを正方向に増加すると共に、トレ
ッド変更手段を作動するようにしたので、制動力によっ
て生ずるモーメントで外輪をトーアウト方向に変化させ
てアンダーステア気味とすると共に、トレッド変更手段
によりコーナリングフォースをいち早く発生させること
ができるため、キングピンオフセット変更によるトーア
ウト変化を早期に行って車体の安定化をより向上するこ
とができる。
両が旋回状態にあることを検出した際に、実行手段によ
りキングピンオフセット量変更手段を作動して外輪側の
キングピンオフセットを正方向に増加すると共に、トレ
ッド変更手段を作動するようにしたので、制動力によっ
て生ずるモーメントで外輪をトーアウト方向に変化させ
てアンダーステア気味とすると共に、トレッド変更手段
によりコーナリングフォースをいち早く発生させること
ができるため、キングピンオフセット変更によるトーア
ウト変化を早期に行って車体の安定化をより向上するこ
とができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図1から図11は本発明にかかるサス
ペンションの一実施例を示し、図1はフロントサスペン
ション10とリアサスペンション10aをそれぞれ正面
方向から見て1つの図に示す概略図、図2はフロントサ
スペンション10の概略平面図、図3はリアサスペンシ
ョン10aの概略平面図、図4は本実施例のサスペンシ
ョンを制御するためのシステム図、図5はフロントサス
ペンション10の車輪の接地状態を正面方向から見た説
明図、図6はフロントサスペンション10の車輪の接地
状態を底面方向から見た説明図、図7はリアサスペンシ
ョンの車輪の接地状態を底面方向から見た説明図、図8
は旋回時におけるフロントサスペンション10の内,外
輪のキングピン軸傾角の変化特性図、図9はフロントサ
スペンション10の旋回時における内,外輪のキングピ
ンオフセット量の変化特性図、図10はリアサスペンシ
ョン10の単位時間当たりのトレッド変更量を示す特性
図、図11はフロントサスペンション10の旋回時にお
ける外輪側のホイールセンタ・キングピンオフセット量
の変化特性図である。
詳細に説明する。図1から図11は本発明にかかるサス
ペンションの一実施例を示し、図1はフロントサスペン
ション10とリアサスペンション10aをそれぞれ正面
方向から見て1つの図に示す概略図、図2はフロントサ
スペンション10の概略平面図、図3はリアサスペンシ
ョン10aの概略平面図、図4は本実施例のサスペンシ
ョンを制御するためのシステム図、図5はフロントサス
ペンション10の車輪の接地状態を正面方向から見た説
明図、図6はフロントサスペンション10の車輪の接地
状態を底面方向から見た説明図、図7はリアサスペンシ
ョンの車輪の接地状態を底面方向から見た説明図、図8
は旋回時におけるフロントサスペンション10の内,外
輪のキングピン軸傾角の変化特性図、図9はフロントサ
スペンション10の旋回時における内,外輪のキングピ
ンオフセット量の変化特性図、図10はリアサスペンシ
ョン10の単位時間当たりのトレッド変更量を示す特性
図、図11はフロントサスペンション10の旋回時にお
ける外輪側のホイールセンタ・キングピンオフセット量
の変化特性図である。
【0024】即ち、本実施例のフロントサスペンション
10は図1,図2に示したように、操舵輪となる前輪1
2がアッパーアーム14とロアアーム16とを介して車
体18に連結されている。前記アッパー,ロアアーム1
4,16は、車体外方に配置される先端部が狭まるハ字
状のフロントリンク14a,16aとリアリンク14
b,16bとで構成され、図5に示したようにアッパー
アーム14とロアアーム16の回転中心O1 ,O2 を結
んだ直線がキングピン軸(以下、KP軸と称する)20
となる。KP軸20は通常上方が車両内方に傾斜され、
路面Eの垂直線と成す角度θをもってKP軸傾角が決定
される。また、KP軸20の延長が路面Eと交差する点
Sと前輪12の幅方向中央の接地点Tとの距離L1 でキ
ングピンオフセットが決定される。このキングピンオフ
セットは車両内方に存在する場合を正方向とし、車両外
方に存在する場合を負方向とする。更に、前記前輪12
の中心軸上でKP軸20と前輪12の中心との間に設け
られる距離L2 でホイールセンタ・キングピンオフセッ
トが決定される。
10は図1,図2に示したように、操舵輪となる前輪1
2がアッパーアーム14とロアアーム16とを介して車
体18に連結されている。前記アッパー,ロアアーム1
4,16は、車体外方に配置される先端部が狭まるハ字
状のフロントリンク14a,16aとリアリンク14
b,16bとで構成され、図5に示したようにアッパー
アーム14とロアアーム16の回転中心O1 ,O2 を結
んだ直線がキングピン軸(以下、KP軸と称する)20
となる。KP軸20は通常上方が車両内方に傾斜され、
路面Eの垂直線と成す角度θをもってKP軸傾角が決定
される。また、KP軸20の延長が路面Eと交差する点
Sと前輪12の幅方向中央の接地点Tとの距離L1 でキ
ングピンオフセットが決定される。このキングピンオフ
セットは車両内方に存在する場合を正方向とし、車両外
方に存在する場合を負方向とする。更に、前記前輪12
の中心軸上でKP軸20と前輪12の中心との間に設け
られる距離L2 でホイールセンタ・キングピンオフセッ
トが決定される。
【0025】前記フロントサスペンション10では、図
2に示したようにアッパー,ロアアーム14,16のリ
アリンク14b,16b基端部を車体18に連結するブ
ッシュ14c,16cを前後移動可能に取り付け、それ
ぞれのブッシュ14a,16aをアクチュエータとして
の油圧シリンダ22,24を介して駆動することによ
り、キングピンオフセット量変更手段26が構成され
る。油圧シリンダ22,24は電磁切換弁22a,24
aを介してポンプ22b,24bで加圧された油圧が供
給され、この電磁切換弁22a,24aの切り換えによ
り油圧シリンダ22,24のピストンロッドが伸縮して
前記ブッシュ14a,16aを前後移動する。
2に示したようにアッパー,ロアアーム14,16のリ
アリンク14b,16b基端部を車体18に連結するブ
ッシュ14c,16cを前後移動可能に取り付け、それ
ぞれのブッシュ14a,16aをアクチュエータとして
の油圧シリンダ22,24を介して駆動することによ
り、キングピンオフセット量変更手段26が構成され
る。油圧シリンダ22,24は電磁切換弁22a,24
aを介してポンプ22b,24bで加圧された油圧が供
給され、この電磁切換弁22a,24aの切り換えによ
り油圧シリンダ22,24のピストンロッドが伸縮して
前記ブッシュ14a,16aを前後移動する。
【0026】従って、前記油圧シリンダ22,24が伸
縮駆動されることにより、前記リアリンク14b,16
bの水平方向の傾斜角が変化され、このリアリンク14
b,16bと前記フロントリンク14a,16aとを延
長した交点P,Qの位置を車幅方向に変更することがで
きる。つまり、前記アッパーアーム14のフロント,リ
アリンク14a,14bの交点Pと、前記ロアアーム1
6のフロント,リアリンク16a,16bの交点Qとを
結んだ直線が前記KP軸20となるが、これら交点P,
Qが移動することによりKP軸20の傾角θを変化した
りKP軸20自体を平行移動することができる。
縮駆動されることにより、前記リアリンク14b,16
bの水平方向の傾斜角が変化され、このリアリンク14
b,16bと前記フロントリンク14a,16aとを延
長した交点P,Qの位置を車幅方向に変更することがで
きる。つまり、前記アッパーアーム14のフロント,リ
アリンク14a,14bの交点Pと、前記ロアアーム1
6のフロント,リアリンク16a,16bの交点Qとを
結んだ直線が前記KP軸20となるが、これら交点P,
Qが移動することによりKP軸20の傾角θを変化した
りKP軸20自体を平行移動することができる。
【0027】前記電磁切換弁22a,24aおよび前記
ポンプ22b,24bは、実行手段としてのマイクロコ
ンピュータ28から出力される制御信号により駆動さ
れ、前記ブッシュ14a,16aの移動量が制御され
る。前記マイクロコンピュータ28には図4に示したよ
うに、車速(V)信号,舵角(θH )信号,転舵速度
(θH ドット)信号,ヨーレイト(ψドット)信号,横
加速度(G)信号,ショックアブソーバのストローク信
号および地上高(X)の各信号が入力され、これら各信
号に基づいて前記電磁切換弁22a,24aおよびポン
プ22b,24bの制御信号が決定される。
ポンプ22b,24bは、実行手段としてのマイクロコ
ンピュータ28から出力される制御信号により駆動さ
れ、前記ブッシュ14a,16aの移動量が制御され
る。前記マイクロコンピュータ28には図4に示したよ
うに、車速(V)信号,舵角(θH )信号,転舵速度
(θH ドット)信号,ヨーレイト(ψドット)信号,横
加速度(G)信号,ショックアブソーバのストローク信
号および地上高(X)の各信号が入力され、これら各信
号に基づいて前記電磁切換弁22a,24aおよびポン
プ22b,24bの制御信号が決定される。
【0028】一方、前記リアサスペンション10aは、
図1,図3に示したように、従動輪となる後輪30は前
記前輪12と同様にアッパー,ロアアーム32,34を
介して車体18に取り付けられるようになっている。前
記アッパー,ロアアーム32,34の車体外方に配置さ
れる先端部は、後輪30を回転自在に支持するスピンド
ル36に取り付けられると共に、車両内方に配置される
基端部は車体18に対して車幅方向に移動可能なガセッ
ト38に取り付けられる。
図1,図3に示したように、従動輪となる後輪30は前
記前輪12と同様にアッパー,ロアアーム32,34を
介して車体18に取り付けられるようになっている。前
記アッパー,ロアアーム32,34の車体外方に配置さ
れる先端部は、後輪30を回転自在に支持するスピンド
ル36に取り付けられると共に、車両内方に配置される
基端部は車体18に対して車幅方向に移動可能なガセッ
ト38に取り付けられる。
【0029】そして、前記ガセット38をアクチュエー
タとしての油圧シリンダ40を介して車体18に取り付
けることにより、トレッド変更手段42が構成される。
油圧シリンダ40は電磁切換弁40aを介してポンプ4
0bで加圧された油圧が供給され、この電磁切換弁40
aの切り換えにより油圧シリンダ40のピストンロッド
が伸縮して前記ガセット38を前後移動する。また、前
記電磁切換弁40aおよびポンプ40bは、前記マイク
ロコンピュータ28から出力される制御信号により駆動
される。
タとしての油圧シリンダ40を介して車体18に取り付
けることにより、トレッド変更手段42が構成される。
油圧シリンダ40は電磁切換弁40aを介してポンプ4
0bで加圧された油圧が供給され、この電磁切換弁40
aの切り換えにより油圧シリンダ40のピストンロッド
が伸縮して前記ガセット38を前後移動する。また、前
記電磁切換弁40aおよびポンプ40bは、前記マイク
ロコンピュータ28から出力される制御信号により駆動
される。
【0030】従って、前記油圧シリンダ40が伸縮駆動
されることにより、ガセット38はアッパー,ロアアー
ム32,34と共に後輪30を車幅方向に移動すること
ができ、このことにより後輪30のトレッドを変化させ
ることができる。
されることにより、ガセット38はアッパー,ロアアー
ム32,34と共に後輪30を車幅方向に移動すること
ができ、このことにより後輪30のトレッドを変化させ
ることができる。
【0031】ところで、前記マイクロコンピュータ28
には車速(V)信号,舵角(θH )信号,転舵速度(θ
H ドット)信号,ヨーレイト(ψドット)信号,横加速
度(G)信号,ショックアブソーバのストローク信号お
よび地上高(X)の各信号が入力されることを上述した
が、前記マイクロコンピュータ28には車両旋回検出手
段を構成する回路が内蔵され、この車両旋回検出手段は
前記各信号のいずれかに基づいて車両の旋回状態が判断
されるようになっている。即ち、車両の旋回状態を検出
する信号としては車速と舵角とを用いて検出する方法が
あり、また、横加速度を用いて検出する方法があり、更
には車体のロールを見るために車高を用いて検出する方
法がある。従って、前記車両旋回検出手段は、車速セン
サと舵角センサとで構成することができ、また、横Gセ
ンサで構成することができ、更には車高センサと車高セ
ンサで構成することができる。
には車速(V)信号,舵角(θH )信号,転舵速度(θ
H ドット)信号,ヨーレイト(ψドット)信号,横加速
度(G)信号,ショックアブソーバのストローク信号お
よび地上高(X)の各信号が入力されることを上述した
が、前記マイクロコンピュータ28には車両旋回検出手
段を構成する回路が内蔵され、この車両旋回検出手段は
前記各信号のいずれかに基づいて車両の旋回状態が判断
されるようになっている。即ち、車両の旋回状態を検出
する信号としては車速と舵角とを用いて検出する方法が
あり、また、横加速度を用いて検出する方法があり、更
には車体のロールを見るために車高を用いて検出する方
法がある。従って、前記車両旋回検出手段は、車速セン
サと舵角センサとで構成することができ、また、横Gセ
ンサで構成することができ、更には車高センサと車高セ
ンサで構成することができる。
【0032】以上の構成になる本実施例のフロントサス
ペンション10にあっては、まず、車両旋回検出手段に
よって車両が旋回状態であると判断した場合は、電磁切
換弁22a,24aに駆動信号を出力して油圧シリンダ
22,24を伸縮駆動する。すると、アッパー,ロアア
ーム14,16のリアリンク14a,16aの角度が変
化してKP軸20を移動することができる。
ペンション10にあっては、まず、車両旋回検出手段に
よって車両が旋回状態であると判断した場合は、電磁切
換弁22a,24aに駆動信号を出力して油圧シリンダ
22,24を伸縮駆動する。すると、アッパー,ロアア
ーム14,16のリアリンク14a,16aの角度が変
化してKP軸20を移動することができる。
【0033】図8は旋回時に内輪および外輪となる前輪
12の前記KP軸20の傾角θを変化した場合の特性図
で、内輪は油圧シリンダ22を短縮させてアッパーアー
ム14のフロント,リアリンク14a,14bの交点Q
を車体内方に引き込むと共に、油圧シリンダ24を伸長
させてロアアーム16のフロント,リアリンク16a,
16bの交点Pを車体外方に押し出すことにより、前記
KP軸20を倒す方向に移動して傾角θを増大する。外
輪は油圧シリンダ22を伸長させてアッパーアーム14
のフロント,リアリンク14a,14bの交点Qを車体
外方に押し出すと共に、油圧シリンダ24を短縮させて
ロアアーム16のフロント,リアリンク16a,16b
の交点Pを車体内方に引き込むことにより、前記KP軸
20を直立方向に移動して傾角θを減少する。
12の前記KP軸20の傾角θを変化した場合の特性図
で、内輪は油圧シリンダ22を短縮させてアッパーアー
ム14のフロント,リアリンク14a,14bの交点Q
を車体内方に引き込むと共に、油圧シリンダ24を伸長
させてロアアーム16のフロント,リアリンク16a,
16bの交点Pを車体外方に押し出すことにより、前記
KP軸20を倒す方向に移動して傾角θを増大する。外
輪は油圧シリンダ22を伸長させてアッパーアーム14
のフロント,リアリンク14a,14bの交点Qを車体
外方に押し出すと共に、油圧シリンダ24を短縮させて
ロアアーム16のフロント,リアリンク16a,16b
の交点Pを車体内方に引き込むことにより、前記KP軸
20を直立方向に移動して傾角θを減少する。
【0034】従って、内輪は傾角θが増大され、外輪は
傾角θが減少されることにより、図9の特性図に示すよ
うに内輪のキングピンオフセットL1 は負方向に移動
し、外輪のキングピンオフセットL1 は正方向に移動す
る。従って、車両が旋回される際には、外輪がトーイン
になる傾向を抑制する一方、内輪はそのトーイン化傾向
を強めることにより、コーナリングステアをアンダース
テアとすることができる。
傾角θが減少されることにより、図9の特性図に示すよ
うに内輪のキングピンオフセットL1 は負方向に移動
し、外輪のキングピンオフセットL1 は正方向に移動す
る。従って、車両が旋回される際には、外輪がトーイン
になる傾向を抑制する一方、内輪はそのトーイン化傾向
を強めることにより、コーナリングステアをアンダース
テアとすることができる。
【0035】また、このように内,外輪のキングピンオ
フセットL1 が変化されることにより、制動時における
前輪12のトー角を変化させることができる。例えば、
外輪では図6に示したように前輪12に制動力Rが作用
すると、この前輪12はKP軸20が路面Eに交わる点
Sを中心にトー角変化されるが、キングピンオフセット
L1 が正方向に移動しているため、交点Sを中心とする
制動力RのモーメントMは大きくなって前輪12をトー
アウト方向に変化させる。尚、内輪は図示は省略したが
前記外輪とは逆にキングピンオフセットL1 が負方向に
移動しているため、制動力Rに対して逆向きのモーメン
トMが作用し、前輪12はトーイン方向に変化される。
従って、旋回中に制動時した場合に外輪のトーアウトを
強めることがことができるため、アンダーステア傾向を
大きくしてスピン等の不安定な車体挙動を防止すること
ができる。
フセットL1 が変化されることにより、制動時における
前輪12のトー角を変化させることができる。例えば、
外輪では図6に示したように前輪12に制動力Rが作用
すると、この前輪12はKP軸20が路面Eに交わる点
Sを中心にトー角変化されるが、キングピンオフセット
L1 が正方向に移動しているため、交点Sを中心とする
制動力RのモーメントMは大きくなって前輪12をトー
アウト方向に変化させる。尚、内輪は図示は省略したが
前記外輪とは逆にキングピンオフセットL1 が負方向に
移動しているため、制動力Rに対して逆向きのモーメン
トMが作用し、前輪12はトーイン方向に変化される。
従って、旋回中に制動時した場合に外輪のトーアウトを
強めることがことができるため、アンダーステア傾向を
大きくしてスピン等の不安定な車体挙動を防止すること
ができる。
【0036】尚、前記KP軸20の移動は傾角θを変更
する場合を開示したが、これに限ることなく前記油圧シ
リンダ22,24を同方向に伸縮させ、KP軸20を平
行移動することによってもキングピンオフセットL1 を
変更させることができる。
する場合を開示したが、これに限ることなく前記油圧シ
リンダ22,24を同方向に伸縮させ、KP軸20を平
行移動することによってもキングピンオフセットL1 を
変更させることができる。
【0037】一方、リアサスペンション10aは、車両
旋回検出手段により旋回状態が検出されると、電磁切換
弁40aに駆動信号を出力して油圧シリンダ40を伸長
し、後輪30を瞬間的に外方に押し出し、図10に示し
たようにトレッドを変化させる。図7は外輪のトレッド
を変更した場合の作用を示し、押し出し方向のベクトル
スピードUと車速Vとの関係で瞬間的にスリップ角αが
発生し、このスリップ角αにより横力が早く発生するた
め、コーナリング時の車両安定を早期に行なうことがで
きる。例えば、本実施例では旋回時にフロントサスペン
ション10のKP軸20を移動させるが、前記後輪30
の横力発生を早くすることにより、前輪12のトー角変
化によるアンダーステア傾向を早くして、旋回時の安定
性をより向上することができる。
旋回検出手段により旋回状態が検出されると、電磁切換
弁40aに駆動信号を出力して油圧シリンダ40を伸長
し、後輪30を瞬間的に外方に押し出し、図10に示し
たようにトレッドを変化させる。図7は外輪のトレッド
を変更した場合の作用を示し、押し出し方向のベクトル
スピードUと車速Vとの関係で瞬間的にスリップ角αが
発生し、このスリップ角αにより横力が早く発生するた
め、コーナリング時の車両安定を早期に行なうことがで
きる。例えば、本実施例では旋回時にフロントサスペン
ション10のKP軸20を移動させるが、前記後輪30
の横力発生を早くすることにより、前輪12のトー角変
化によるアンダーステア傾向を早くして、旋回時の安定
性をより向上することができる。
【0038】ところで、前記フロントサスペンション1
0の油圧シリンダ22,24を駆動することによりKP
軸20を移動させ、キングピンオフセットL1 を変更さ
せることを述べたが、同様にKP軸20の移動によりホ
イールセンタ・キングピンオフセットL2 を変更させる
ことができる。図11は前輪12のホイールセンタ・キ
ングピンオフセットL2 の変化特性を示し、同図中特性
Aに示すようにこのホイールセンタ・キングピンオフセ
ット量を零に近付ける制御を行なう構成とすることによ
り、ハンドル操作を軽くできると共に、路面から車輪を
介して入力される外乱による影響を低減でき、低速走行
時の運転性を著しく向上することができる。また、特性
Bに示すようにホイールセンタ・キングピンオフセット
量を増加させる構成とすることにより、ハンドルの保舵
力を高めて高速走行時の安定性をより高めることができ
る。
0の油圧シリンダ22,24を駆動することによりKP
軸20を移動させ、キングピンオフセットL1 を変更さ
せることを述べたが、同様にKP軸20の移動によりホ
イールセンタ・キングピンオフセットL2 を変更させる
ことができる。図11は前輪12のホイールセンタ・キ
ングピンオフセットL2 の変化特性を示し、同図中特性
Aに示すようにこのホイールセンタ・キングピンオフセ
ット量を零に近付ける制御を行なう構成とすることによ
り、ハンドル操作を軽くできると共に、路面から車輪を
介して入力される外乱による影響を低減でき、低速走行
時の運転性を著しく向上することができる。また、特性
Bに示すようにホイールセンタ・キングピンオフセット
量を増加させる構成とすることにより、ハンドルの保舵
力を高めて高速走行時の安定性をより高めることができ
る。
【0039】尚、本実施例ではフロントサスペンション
10にキングピンオフセット量変更手段を適用し、リア
サスペンション10aにトレッド変更手段を適用した場
合を開示したが、車両自体に備わったステア特性によっ
ては、これらキングピンオフセット量変更手段およびト
レッド変更手段をフロント,リアいずれのサスペンショ
ンに適用することもできる。
10にキングピンオフセット量変更手段を適用し、リア
サスペンション10aにトレッド変更手段を適用した場
合を開示したが、車両自体に備わったステア特性によっ
ては、これらキングピンオフセット量変更手段およびト
レッド変更手段をフロント,リアいずれのサスペンショ
ンに適用することもできる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示すサスペンションにあっては、車両が旋回状態にある
ことを検出した際に、実行手段がキングピンオフセット
量変更手段を作動して外輪側のキングピンオフセットを
正方向に増加するようにしたので、旋回時に外輪がトー
インになる傾向を抑制してコーナリングステアをアンダ
ーステアにして、旋回時の車体安定性を向上することが
できる。また、旋回中に制動した時に、正方向に増加し
た前記キングピンオフセットと制動力とによって生ずる
モーメントで外輪をトーアウト方向に変化させて、この
制動時にアンダーステア化をより増大することができる
ため、急制動によっても車体がスピンするのを防止して
姿勢を安定させることができる。
示すサスペンションにあっては、車両が旋回状態にある
ことを検出した際に、実行手段がキングピンオフセット
量変更手段を作動して外輪側のキングピンオフセットを
正方向に増加するようにしたので、旋回時に外輪がトー
インになる傾向を抑制してコーナリングステアをアンダ
ーステアにして、旋回時の車体安定性を向上することが
できる。また、旋回中に制動した時に、正方向に増加し
た前記キングピンオフセットと制動力とによって生ずる
モーメントで外輪をトーアウト方向に変化させて、この
制動時にアンダーステア化をより増大することができる
ため、急制動によっても車体がスピンするのを防止して
姿勢を安定させることができる。
【0041】また、本発明の請求項2にあっては、キン
グピンオフセット量変更手段を、キングピン軸の傾角を
変化させる機構として構成したので、このキングピン軸
の傾角変化で容易にキングピンオフセット量を変更する
ことができる。
グピンオフセット量変更手段を、キングピン軸の傾角を
変化させる機構として構成したので、このキングピン軸
の傾角変化で容易にキングピンオフセット量を変更する
ことができる。
【0042】更に、本発明の請求項3にあっては、キン
グピンオフセット量変更手段を、キングピン軸を車幅方
向に平行移動させる機構として構成したので、このキン
グピン軸の平行移動で容易にキングピンオフセット量を
変更することができる。
グピンオフセット量変更手段を、キングピン軸を車幅方
向に平行移動させる機構として構成したので、このキン
グピン軸の平行移動で容易にキングピンオフセット量を
変更することができる。
【0043】また、本発明の請求項4にあっては、実行
手段を、ホイールセンタ・キングピンオフセット量を零
に近付ける制御を行なう構成としたので、ハンドル操作
を軽くできると共に、路面から車輪を介して入力される
外乱による影響を低減でき、低速走行時の運転性を著し
く向上することができる。
手段を、ホイールセンタ・キングピンオフセット量を零
に近付ける制御を行なう構成としたので、ハンドル操作
を軽くできると共に、路面から車輪を介して入力される
外乱による影響を低減でき、低速走行時の運転性を著し
く向上することができる。
【0044】更に、本発明の請求項5にあっては、実行
手段を、ホイールセンタ・キングピンオフセット量を増
加させる構成としたので、ハンドルの保舵力を高めて高
速走行時の安定性をより高めることができる。
手段を、ホイールセンタ・キングピンオフセット量を増
加させる構成としたので、ハンドルの保舵力を高めて高
速走行時の安定性をより高めることができる。
【0045】更にまた、本発明の請求項6にあっては、
実行手段を、車両旋回検出手段で検出した旋回量に応じ
て、キングピンオフセットの変化量を制御する構成とし
たので、制動時に外輪が必要以上にトーアウトを指向す
るのを防止して、その旋回量に応じたステア状態を保つ
ことができる。
実行手段を、車両旋回検出手段で検出した旋回量に応じ
て、キングピンオフセットの変化量を制御する構成とし
たので、制動時に外輪が必要以上にトーアウトを指向す
るのを防止して、その旋回量に応じたステア状態を保つ
ことができる。
【0046】また、本発明の請求項7にあっては、車輪
のトレッドを変化させるトレッド変更手段を設け、車両
旋回検出手段により車両が旋回状態にあることを検出し
た際に、実行手段により車両旋回量に応じてトレッド変
更手段を作動するようにしたので、このトレッド変化に
よりタイヤの接地面に横力をいち早く発生させることが
でき、この横力でコーナリングフォースを発生させて車
両の安定化を図ることができる。
のトレッドを変化させるトレッド変更手段を設け、車両
旋回検出手段により車両が旋回状態にあることを検出し
た際に、実行手段により車両旋回量に応じてトレッド変
更手段を作動するようにしたので、このトレッド変化に
よりタイヤの接地面に横力をいち早く発生させることが
でき、この横力でコーナリングフォースを発生させて車
両の安定化を図ることができる。
【0047】更に、本発明の第3の構成にあっては、車
輪のキングピンオフセット量を変化させるキングピンオ
フセット量変更手段と、車輪のトレッドを変化させるト
レッド変更手段とを設け、車両旋回検出手段により車両
が旋回状態にあることを検出した際に、実行手段により
キングピンオフセット量変更手段を作動して外輪側のキ
ングピンオフセットを正方向に増加すると共に、トレッ
ド変更手段を作動するようにしたので、制動力によって
生ずるモーメントで外輪をトーアウト方向に変化させて
アンダーステア気味とすると共に、トレッド変更手段に
よりコーナリングフォースをいち早く発生させることが
できるため、キングピンオフセット変更によるトーアウ
ト変化を早期に行って車体の安定化をより向上すること
ができるという各種優れた効果を奏する。
輪のキングピンオフセット量を変化させるキングピンオ
フセット量変更手段と、車輪のトレッドを変化させるト
レッド変更手段とを設け、車両旋回検出手段により車両
が旋回状態にあることを検出した際に、実行手段により
キングピンオフセット量変更手段を作動して外輪側のキ
ングピンオフセットを正方向に増加すると共に、トレッ
ド変更手段を作動するようにしたので、制動力によって
生ずるモーメントで外輪をトーアウト方向に変化させて
アンダーステア気味とすると共に、トレッド変更手段に
よりコーナリングフォースをいち早く発生させることが
できるため、キングピンオフセット変更によるトーアウ
ト変化を早期に行って車体の安定化をより向上すること
ができるという各種優れた効果を奏する。
【図1】本発明にかかるサスペンションの一実施例を示
すフロントサスペンションとリアサスペンションをそれ
ぞれ正面方向から見て1つの図に示す概略図である。
すフロントサスペンションとリアサスペンションをそれ
ぞれ正面方向から見て1つの図に示す概略図である。
【図2】本発明の一実施例を示すフロントサスペンショ
ンの概略平面図である。
ンの概略平面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すリアサスペンション1
0aの概略平面図である。
0aの概略平面図である。
【図4】本発明の一実施例を示すサスペンションを制御
するためのシステム図である。
するためのシステム図である。
【図5】本発明の一実施例を示すフロントサスペンショ
ンの車輪の接地状態を正面方向から見た説明図である。
ンの車輪の接地状態を正面方向から見た説明図である。
【図6】本発明の一実施例を示すフロントサスペンショ
ンの車輪の接地状態を底面方向から見た説明図である。
ンの車輪の接地状態を底面方向から見た説明図である。
【図7】本発明の一実施例を示すリアサスペンションの
車輪の接地状態を底面方向から見た説明図である。
車輪の接地状態を底面方向から見た説明図である。
【図8】本発明の一実施例を示す旋回時におけるフロン
トサスペンションの内,外輪のキングピン軸傾角の変化
特性図である。
トサスペンションの内,外輪のキングピン軸傾角の変化
特性図である。
【図9】本発明の一実施例を示すフロントサスペンショ
ンの旋回時における内,外輪のキングピンオフセット量
の変化特性図である。
ンの旋回時における内,外輪のキングピンオフセット量
の変化特性図である。
【図10】本発明の一実施例を示すリアサスペンション
の単位時間当たりのトレッド変更量を示す特性図であ
る。
の単位時間当たりのトレッド変更量を示す特性図であ
る。
【図11】本発明の一実施例を示すフロントサスペンシ
ョンの旋回時における外輪側のホイールセンタ・キング
ピンオフセット量の変化特性図である。
ョンの旋回時における外輪側のホイールセンタ・キング
ピンオフセット量の変化特性図である。
10 フロントサスペンション 10a リアサ
スペンション 12 前輪 14 アッパー
アーム 16 ロアアーム 18 車体 20 キングピン軸 22,24 油
圧シリンダ 26 キングピンオフセット変更手段 28 マイクロコンピュータ(実行手段) 30 後輪 32 アッパー
アーム 34 ロアアーム 40 油圧シリ
ンダ 42 トレッド変更手段
スペンション 12 前輪 14 アッパー
アーム 16 ロアアーム 18 車体 20 キングピン軸 22,24 油
圧シリンダ 26 キングピンオフセット変更手段 28 マイクロコンピュータ(実行手段) 30 後輪 32 アッパー
アーム 34 ロアアーム 40 油圧シリ
ンダ 42 トレッド変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛尾 晃一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 今田 隆夫 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 車両が旋回状態にあることを検出する車
両旋回検出手段と、車輪のキングピンオフセット量を変
化させるキングピンオフセット量変更手段と、車両が旋
回状態にあることを検出した際にキングピンオフセット
量変更手段を作動して外輪側のキングピンオフセットを
正方向に増加する実行手段と、を備えたことを特徴とす
るサスペンション。 - 【請求項2】 キングピンオフセット量変更手段は、キ
ングピン軸の傾角を変化させる機構であることを特徴と
する請求項1に記載のサスペンション。 - 【請求項3】 キングピンオフセット量変更手段は、キ
ングピン軸を車幅方向に平行移動させる機構であること
を特徴とする請求項1に記載のサスペンション。 - 【請求項4】 実行手段は、ホイールセンタ・キングピ
ンオフセット量を零に近付ける制御を行なうことを特徴
とする請求項1に記載のサスペンション。 - 【請求項5】 実行手段は、ホイールセンタ・キングピ
ンオフセット量を増加させることを特徴とする請求項1
に記載のサスペンション。 - 【請求項6】 実行手段は、車両旋回検出手段で検出し
た旋回量に応じて、キングピンオフセットの変化量を制
御することを特徴とする請求項1に記載のサスペンショ
ン。 - 【請求項7】 車両が旋回状態にあることを検出する車
両旋回検出手段と、車輪のトレッドを変化させるトレッ
ド変更手段と、車両が旋回状態にあることを検出した際
に車両旋回量に応じてトレッド変更手段を作動する実行
手段と、を備えたことを特徴とするサスペンション。 - 【請求項8】 車両が旋回状態にあることを検出する車
両旋回検出手段と、車輪のキングピンオフセット量を変
化させるキングピンオフセット量変更手段と、車輪のト
レッドを変化させるトレッド変更手段と、車両が旋回状
態にあることを検出した際にキングピンオフセット量変
更手段を作動して外輪側のキングピンオフセットを正方
向に増加すると共に、トレッド変更手段を作動する実行
手段と、を備えたことを特徴とするサスペンション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10470693A JPH06312613A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | サスペンション |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10470693A JPH06312613A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | サスペンション |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06312613A true JPH06312613A (ja) | 1994-11-08 |
Family
ID=14387932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10470693A Pending JPH06312613A (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | サスペンション |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06312613A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100716384B1 (ko) * | 2005-10-11 | 2007-05-11 | 현대자동차주식회사 | 후륜 현가장치의 토우조절장치 |
JP2008100668A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-05-01 | Nissan Motor Co Ltd | 車輪位置可変車両 |
US7416264B2 (en) | 2004-06-14 | 2008-08-26 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Vehicle steering apparatus and vehicle steering method |
WO2010140237A1 (ja) * | 2009-06-03 | 2010-12-09 | トヨタ自動車株式会社 | 車両のステアリング装置及びその設定装置 |
JP2017178186A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 株式会社エクォス・リサーチ | 車両 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP10470693A patent/JPH06312613A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100716384B1 (ko) * | 2005-10-11 | 2007-05-11 | 현대자동차주식회사 | 후륜 현가장치의 토우조절장치 |
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