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JPH06277289A - 自己ガイド型カテーテル - Google Patents

自己ガイド型カテーテル

Info

Publication number
JPH06277289A
JPH06277289A JP5069883A JP6988393A JPH06277289A JP H06277289 A JPH06277289 A JP H06277289A JP 5069883 A JP5069883 A JP 5069883A JP 6988393 A JP6988393 A JP 6988393A JP H06277289 A JPH06277289 A JP H06277289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow
self
catheter
monofilament
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5069883A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Domoto
由修 堂本
Hirotoku Yamada
廣徳 山田
Akira Sakugi
朗 柵木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Monofilament Co Ltd
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Monofilament Co Ltd filed Critical Toray Monofilament Co Ltd
Priority to JP5069883A priority Critical patent/JPH06277289A/ja
Publication of JPH06277289A publication Critical patent/JPH06277289A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 合成樹脂製中空モノフィラメント2を基本構
造とし、先端部に薬液導出口21を、また後端部に薬液
注入口22をそれぞれ設け、中空部3内にはこの中空部
内壁との間に連通する空隙3aを確保可能な線径を有す
る金属線4を内蔵させ、かつ上記空隙3aを薬液輸送路
としてなる自己ガイド型カテーテルにおいて、前記中空
モノフィラメント2を、(a)ポリエーテルブロックア
ミド共重合体25〜40重量%、(b)ポリウレタン2
5〜40重量%および(c)X線造影剤50〜20重量
%からなる組成物により構成したことを特徴とする自己
ガイド型カテーテル。 【効果】 ガイドワイヤとカテーテルの役目を兼備する
ため、血管内へ一度挿入するのみで、薬液を患部へと注
入することができる。柔軟性および操作性にすぐれ、操
作中にキンクを起こすことがなく、抗血栓性加工処理が
きわめて容易ですぐれた抗血栓性を有し、しかも造影性
が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管内の患部の状態検
査およびカテーテル治療などに使用するガイドワイヤと
カテーテルの役目を兼備した自己ガイド型カテーテルに
関するものである。さらに詳しくは、操作性がきわめて
すぐれ、患者に対する苦痛が著しく軽減され、しかも血
管内患部の超選択的な治療が可能な自己ガイド型カテー
テルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体の血管内に発生した患部の状態検査
やその患部に薬液を輸送するために使用する従来のカテ
ーテルとしては、あらかじめ血管内にガイドワイヤーを
送り込み、その外壁面に沿って患部へと導入される形式
のものが主流である。
【0003】この形式のガイドワイヤーとしては、たと
えば米国のCOOK社、UMI社およびUSCI社など
から製造、販売されているもののように、たとえばステ
ンレス鋼線やピアノ線などを素材とし、本体部から先端
部にかけて次第に断面積を縮小したコイル状金属線が一
般的であり、またこのガイドワイヤーと組合せて用いら
れるカテーテルとしては、たとえば米国のUMI社、E
CC社およびUSCI社などから製造、販売されている
合成樹脂製チューブが一般的であった。
【0004】そして、上記の金属製ガイドワイヤーと合
成樹脂製カテーテルを用いてカテーテル治療を行なう場
合には、まずガイドワイヤーを血管内に挿入してこれを
患部へ到達せしめ、次いでガイドワイヤーを中子として
これを被覆するような形でカテーテルを導入し、患部へ
と到達させた後、ガイドワイヤーを抜き出し、あるいは
そのままの状態で、カテーテルの端部より治療薬液を注
入し、患部へ導入するという一連のステップが必要とさ
れる。
【0005】しかしながら、上記の治療操作において
は、金属製ガイドワイヤー自体の表面にコイル線特有の
凹凸があるために血栓が付着しやすいこと、金属製で硬
いため血管への挿入操作に複雑な手順や高度なテクニッ
クを必要とし、操作に要する時間も長いこと、および金
属線であるために操作中に血管内膜を損傷したり、血管
内膜下にもぐりこんだりしやすいことなどの問題があっ
て、実際には治療中の患者に与える苦痛および負担が大
きいばかりか、たとえば冠状静脈などの末梢血管内の患
部へガイドワイヤーの先端を選択的に到達させることが
きわめて困難であった。
【0006】他方、カテーテルを導入する際には、カテ
ーテル自体がガイドワイヤよりも太いため、患者に与え
る負担がさらに大きくなり、この傾向は末梢血管になる
ほど著しい。
【0007】したがって、上記ガイドワイヤとカテーテ
ルとを併用する従来の治療システムにおいては、ガイド
ワイヤの挿入、カテーテルの挿入、ガイドワイヤの引抜
き、および薬液の注入などの多くの手順を必要とするば
かりか、種々の形状を有する複数のガイドワイヤやカテ
ーテルを組合わせて用いる場合が多いため、操作に長時
間を要したり、さらには患者の負担が大きく、多大な費
用を必要とするなどの問題があった。
【0008】また、上記カテーテルの素材としては、ポ
リアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィ
ンおよびフッ素樹脂などの溶融紡糸可能な樹脂からなる
中空モノフィラメントまたはチューブが一般的に使用さ
れており、なかでも特開昭55−148568号公報お
よび特公昭57−55426号公報などに開示されてい
るように、ポリエチレンテレフタレートモノフィラメン
トが、ある程度の柔軟性を有し、溶融紡糸が容易で、し
かも低コストであることから有利とされているが、それ
でもなお、キンクの発生が著しく、操作性に劣ること、
抗血栓性加工処理が難しく、滑り特性がいまだに充分満
足のいくものではないため、血管内に導入して目的とす
る患部、たとえば分岐血管へ導く際に、患者へ与える苦
痛および負担が増大したり、末梢血管への超選択的な導
入が困難であること、および造影性が乏しく、体外から
レントゲン線を投射してレントゲン線テレビモニターの
影像を監視する際の監視性能が劣ることなどの問題を残
しており、カテーテルとしての機能を十分に発揮し得て
いなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来のカテーテル治療における問題点を解決するために検
討した結果達成されたものである。
【0010】したがって、本発明の目的は、ガイドワイ
ヤとカテーテルの役目を兼備し、かつ柔軟性および操作
性がきわめてすぐれ、抗血栓性加工処理がきわめて容易
ですぐれた抗血栓性を有し、しかも造影性にもすぐれた
自己ガイド型カテーテルを提供することにある。
【0011】本発明者らの検討によれば、上記本発明の
目的は、合成樹脂製中空モノフィラメントを基本構造と
し、その中空部内に金属線を内蔵せしめて、中空モノフ
ィラメントの内壁と金属線の表面との間の空隙を薬液輸
送路として構成すると共に、上記中空モノフィラメント
の素材として特定の樹脂組成物を用いることによって、
効果的に達成できることが見出された。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の自己
ガイド型カテーテルは、合成樹脂製中空モノフィラメン
トを基本構造とし、先端部に薬液導出口を、また後端部
に薬液注入口をそれぞれ設け、中空部内にはこの中空部
内壁との間に連通する空隙を確保可能な線径を有する金
属線を内蔵させ、かつ上記空隙を薬液輸送路としてなる
自己ガイド型カテーテルにおいて、前記中空モノフィラ
メントを、(a)ポリエーテルブロックアミド共重合体
25〜40重量%、(b)ポリウレタン25〜40重量
%および(c)X線造影剤50〜20重量%からなる組
成物により構成したことを特徴とするものである。
【0013】本発明の自己ガイド型カテーテルにおい
て、合成樹脂製中空モノフィラメントの中空部に内蔵さ
せる金属線は、上記中空部の内径よりも小さい直径を有
するものであり、その具体例としてはステンレス鋼線、
ピアノ線およびタングステン線などが挙げられ、これら
金属線は、上記中空モノフィラメントに対し適度の柔軟
性および弾力性を付与し、その操作性を高めるために機
能する。
【0014】そして、これら金属線は、使用される薬液
との反応性を考慮して、通常はポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレートおよびフッ素樹脂などの樹脂でコー
ティングして用いる必要があるが、なかでもステンレス
鋼線は、上記樹脂コーティングを施さずとも問題なく使
用可能であることから、最も好適である。
【0015】これら金属線の直径は、0.1〜1.0m
m、とくに0.2〜0.5mmの範囲が好適であり、さら
には先端方向の端部がテーパー状に加工されているもの
が好適である。
【0016】一方、本発明の自己ガイド型カテーテルの
基本構造をなす合成樹脂製中空モノフィラメントを構成
する素材としては、(a)ポリエーテルブロックアミド
共重合体25〜40重量%、(b)ポリウレタン25〜
40重量%および(c)X線造影剤50〜20重量%か
らなる樹脂組成物を使用することが重要である。
【0017】上記(a)ポリエーテルブロックアミド共
重合体を基体樹脂として用いることによって、中空モノ
フィラメント自体に、すぐれた柔軟性、寸法安定性、お
よび強力保持率を確保することができる。
【0018】また、ポリエーテルブロックアミド共重合
体は、他の熱可塑性樹脂との相溶性がすぐれ、様々な硬
度を持つという特徴があるため、以下に述べる(b)成
分とのすぐれた相溶性を確保することができるばかり
か、カテーテル自体の柔軟性を任意に設定することがで
きる。
【0019】本発明で使用されるポリエーテルブロック
アミド共重合体の具体例とては、例えば東レ(株)製
“ペバックス”が挙げられる。
【0020】上記(a)成分に、(b)ポリウレタンを
特定量配合することによって、カテーテル自体の柔軟性
および生体適合性を損なうことなく、抗血栓加工処理性
を著しく改良することができる。
【0021】本発明で使用されるポリウレタンとして
は、とくに医療用として使用されるものが好ましく、具
体的にはサーメディックス(株)製“テコフレックス”
および“ペルセン”などが挙げられる。
【0022】また、上記(a)および(b)の樹脂成分
に対し、さらに上記(c)X線造影剤を特定量配合する
ことによって、カテーテル自体の造影性をきわめて高め
ることができ、これによって血管内に導入中のカテーテ
ルの全体位置を、外部からモニター監視することが可能
となる。
【0023】本発明で使用するX線造影剤の具体例とし
ては、バリウム、タングステン、ビスマスおよび鉛など
の金属単体もしくは化合物からなる微粉末状物が挙げら
れ、これら微粉末状物の粒径は0.20〜1.00μの
範囲が好適である。
【0024】上記樹脂組成物の配合割合は、(a)ポリ
エーテルブロックアミド共重合体25〜40重量%、と
くに30〜35重量%、(b)ポリウレタン25〜40
重量%、とくに30〜35重量%、および(c)X線造
影剤50〜20重量%、とくに30〜40重量%からな
る。
【0025】ここで、上記(a)成分の配合量が25重
量%以下では、中空モノフィラメントの耐圧性および強
度などが低下する傾向となり、40重量%以上では中空
モノフィラメントの寸法安定性などが向上するものの、
上記(c)成分の配合量を少なくせざるを得なくなり、
十分な造影性を確保できなくなるため好ましくない。
【0026】また、上記(b)成分の配合量が25重量
%以下では、中空モノフィラメントに対する抗血栓加工
処理性を十分に改良することができず、40重量%以上
では中空モノフィラメントの抗血栓加工処理性は向上す
るものの、上記(c)成分の配合量が少なくなり、十分
な造影性を確保できなくなるため好ましくない。
【0027】さらに、上記(b)成分の配合量が20重
量%以下では、中空モノフィラメントに対し十分な造影
性を基体できず、50重量%以上では、中空モノフィラ
メントの溶融紡糸性が低下するばかりか、強力の低下が
著しくなるため好ましくない。
【0028】本発明の自己ガイド型カテーテルは、中空
モノフィラメントが上記(a)成分を含有するため、す
ぐれた操作性を有しており、操作中におけるキンクの生
起が解消して、操作性が著しく向上したもとなる。
【0029】さらに、本発明の自己ガイド型カテーテル
は、前記中空モノフィラメントの全長または少なくとも
一部に、抗血栓加工処理を施すことにより、血管内部へ
案内する際の滑り特性が向上し、先端の案内性がすぐ
れ、無理のない自然に近い操作ができるという効果が得
られるが、上記(b)成分を含有することから、この場
合における抗血栓加工処理の加工性がすぐれており、加
工後のカテーテテルは、きわめてすぐれた抗血栓性を発
揮する。
【0030】上記抗血栓加工処理に用いる抗血栓性処理
剤としては、東レ(株)製“アンスロン”、日本シャー
ウッド製“スロンボライト”およびニプロ医学製“バイ
オライン”などが挙げられるが、なかでも東レ(株)製
のヘパリンをイオン結合したヘパリン化親水性材料から
なる“アンスロン”を用いた処理が、抗血栓性の効果が
高く、しかも作業性が良好であることから好ましい。
【0031】上記のように、中空モノフィラメントが、
ポリウレタンを含有することによって、上記抗血栓性処
理剤に対してポリウレタンがすぐれたバインダー効果を
発揮し、中空モノフィラメントの表面に対する抗血栓性
処理剤の接着性が向上し、従来よりもはるかにすぐれた
抗血栓性を確保することができるため、カテーテル自体
の操作性がきわめて向上するのである。
【0032】さらに、中空モノフィラメントは、上記
(c)成分を混入せしめたため、外部からレントゲン線
を投射した際に、その全体位置を充分にモニター監視す
ることが可能であり、全体としての造影性が向上し、血
管内への挿入時における所定部位への走行安定性がきわ
めてすぐれている。
【0033】次に本発明の自己ガイド型カテーテルの実
施例について、図面にしたがって説明する。
【0034】図1は本発明の自己ガイド型カテーテルの
第1実施例を示す断面説明図、第2図は同じく第2実施
例を示す断面説明図である。
【0035】図1に示した第1実施例において、自己ガ
イド型カテーテル1は、全体に連通した中空部3を有す
る合成樹脂製中空モノフィラメント2を基本構造として
構成されている。
【0036】そして、中空モノフィラメント2の先端側
には薬液導出口21が、また後端側には薬液注入口22
がそれぞれ開口され、中空部3には、この中空部3の内
径よりも小さい直径を有する金属線4が内蔵されててお
り、中空モノフィラメント2の内壁と金属線の表面との
間の空隙3aを薬液輸送路として利用する構造となって
いる。
【0037】また、金属線4の後端は、薬液注入口22
で折り曲げられ、チューブを被せるなどの手段で固定さ
れ、先端側は、好ましくは図示したようにテーパー状に
加工されて、遊嵌状態となっている。
【0038】さらに、中空モノフィラメント2の先端薬
液導出口21には、好ましくは図示したようにレントゲ
ン線不透過性金属からなる中空チップ5が嵌合されてお
り、なじく後端側には、注射器などと接続されるための
コネクター6が結合されている。
【0039】この第1実施例の構造を有する自己ガイド
型カテーテル1は、その先端を血管中に挿入し、外部か
らモニター監視しつつ先端を患部へ到達させた後、後端
の薬液注入口22から薬液を注入することによって、薬
液は薬液輸送路(3a)を通って先端の薬液導出口21
から患部へと注出されることになるため、この自己ガイ
ド型カテーテル1を血管内に一度挿入する操作のみで、
必要な薬液を投与することができ、従来のカテーテル治
療手段を簡略化して、患者に対する苦痛を軽減すること
が可能となる。
【0040】次に、図2に示した第2実施例は、中空モ
ノフィラメント2の外形形状を工夫することによって、
操作性をより一層改良した構造を示す。
【0041】すなわち、本第2実施例の自己ガイド型カ
テーテル1は、中空モノフィラメント2の先端側に、球
部7、フレキシブル部8、テーパー部9が、先端から後
端にかけてそれぞれ形成されており、さらに球部7には
レントゲン不透過金属からなる中空チップ5が内蔵され
ている。
【0042】そして、先端部のテーパー部9以降から後
端の薬液注入口22までは、同一直径を有する中空モノ
フィラメント2を基本構造とする操作部10となってい
る。
【0043】なお、金属線4の先端は、必ずしも中空モ
ノフィラメント2の球部7の位置にまで到達させる必要
はなく、たとえばその先端位置をフレキシブル部8また
はテーパー部9の位置となすことができる。
【0044】このように、中空モノフィラメント2に対
し、球部7、フレキシブル部8、テーパー部9からなる
先端部、および操作部10の外形形状を形成することに
よって、目的とする血管内患部へフローガイドワイヤー
の先端を案内する操作性が一層すぐれたものとなる。
【0045】すなわち、先端の球部7は中空構造を有
し、その中空部には金属線3の先端か、または必要に応
じて金またはタングステンなどのレントゲン線不透過金
属のチップ5が封入されており、この球部7は血管内で
血流に乗って自由に動くことができ、血管内膜を損傷し
たり、内膜下にもぐりこむことがないので、従来の押し
込む操作に比べて無理のない自然に近い操作で患者に苦
痛を与えることなく、目的とする患部へ到達する。
【0046】しかも、先端球部7は、レントゲン線を投
射した際に、レントゲン線テレビモニターに映る影像が
きわめて鮮明であり、体内に挿入した先端部の位置を体
外から容易に確認することができる。
【0047】フレキシブル部8は、細くしなやかな部分
で、かつ充分な腰の強さを備えており、細く柔軟に設計
されているため、球部の血管内における自由運動を一層
効果的なものとする。しかも、この細いフレキシブル部
にあっても、その肉厚内にX線造影剤を含有しているた
め、すぐれた造影性を有しており、外部から十分にモニ
ター監視することができる。
【0048】テーパー部9は、その直径が操作部10に
向かうにしたがって徐々に大きくなり、操作部10に至
った所で操作部10と同じ直径となるようにテーパー状
に加工されており、操作部10から前方の先端部分の柔
軟性および屈曲回復性を助長し、かつ充分に発揮させ
る。したがって、血液の異常滞留が防止できるととも
に、球部7を目的とする血管の入口へ導入する過程で前
進、後退などの微妙な操作を容易に行なうことができ
る。
【0049】操作部10は、そのほぼ全長にわたる中空
部分に、金属線4を内蔵すると共に、その肉厚内にX線
造影剤を含有しており、適度に硬く、しかも適度に柔軟
で、強い腰を持つことになるため、先端の球部7を目的
とする血管内患部へと到達せしめる操作性、たとえば大
腿部より動脈に導入したカテーテルの先端球部7を、大
動脈および肝動脈からの分岐を経て末梢血管からさらに
患部へと到達させる導入操作を、カテーテルの入口すな
わち大腿部において、操作部10を操作しながら行なう
際の作業性がきわめて向上し、球部の操作を体外から容
易に行なうことができるばかりか、体外からのモニター
監視性もすぐれている。
【0050】本第2実施例の自己ガイド型カテーテル1
を製造するに際しては、まず上記樹脂組成物を、中空口
金を使用する通常の溶融押出または紡糸法に供し、中空
モノフィラメント2を形成した後、所望によりこれを適
宜延伸して適当な長さに切断する。
【0051】次に、上記の切断した中空モノフィラメン
ト2の先端部分について、局部的な高倍率延伸を施し、
先端球部7、フレキシブル部8およびテーパー部9を一
挙に作成した後、必要に応じて先端球部7形成部分の先
端中空部に、金またはタングステンなどのレントゲン線
不透過金属のチップ5を、また中空モノフィラメント2
の中空部3に、この中空部内径よりも小さな直径を有す
る金属線4を夫々挿入した後、金属線4の後端を薬液注
入口22近傍に固定し、中空モノフィラメント2の後端
側をコネクター6と結合する。
【0052】さらに、上記中空モノフィラメント2の表
面に、抗血栓性処理を施すことによって、本実施例の自
己ガイド型カテーテル1が完成する。
【0053】本発明の自己ガイド型カテーテルの外径お
よび全長は、使用する患部の種類や患者の年齢などに応
じて任意に選択できるが、通常は外径が0.7〜3.5
mm、全長が120cm以上、とくに130〜250cmの範
囲にあることが好適である。
【0054】上述した構成からなる本発明の自己ガイド
型カテーテルは、これを血管内に挿入して、レントゲン
線投射による造影をもとに、先端を選択的に目的の患部
へと到達させ、次いで薬液注入口22から薬液を導入し
て、血管内患部の状態検査またはその患部へ治療薬液を
輸送するためのいわゆるカテーテルとして用いられる
が、従来のガイドワイヤを使用する治療手順に比較し
て、血管内にカテーテルを一度挿入するだけで済むた
め、手順が簡略化されて患者に与える苦痛を軽減可能で
あるばかりか、その際カテーテル表面に血栓が付着する
恐れがなく、先端の案内性および全体、とくに操作部の
操作性がきわめてすぐれている。
【0055】したがって、本発明の自己ガイド型カテー
テルは、たとえば血管の蛇行部分や末梢血管へも超選択
的に挿入することができ、とくに操作性がすぐれている
ため、末梢血管あるいは蛇行血管への導入をきわめて容
易に行なうことができる。
【0056】
【試験例】以下に試験例を挙げて、本発明の構成および
効果についてさらに説明する。
【0057】試験例1 ポリエーテルブロックアミド共重合体として、東レ
(株)製“ペバックス”(3533SA00,ショア硬
度:A83)を30重量%、ポリウレタンとして、サー
メディックス(株)製“テコフレックス”を30重量
%、またX線造影剤として硫酸バリウム40重量%を配
合した樹脂組成物を、中空口金を用いる溶融紡糸法に供
し、直径=0.87mm、中空径=0.58mmの中空モノ
フィラメントを紡糸し、これを1.5mの長さに切断し
た。
【0058】そして、上記中空モノフィラメントの一方
の端部に球部形成部分約3mmを残して、局部的に約3倍
の水蒸気延伸を施し、直径=0.32mm、長さ=50mm
のフレキシブル部および長さ=90mmのテーパー部を一
挙に作成した。
【0059】次いで先端球部の中空部に、直径=0.5
6mm、中空径=0.42mm、長さ=2.0mmの金製中空
チップを挿入し、その先端を加熱半溶封することによ
り、直径=0.87mm、長さ=3.0mmの薬液抽出口を
形成した。
【0060】一方操作部他端の中空部から、直径=0.
25mm、長さ=1.5mで、片側先端をテ―パ加工して
なるステンレス鋼線を、前記中空モノフィラメントの内
径内に、テーパー加工側を先端方向に向けて挿入した
後、後端からはみだした金属線を操作部の外壁に沿って
約20mm折り曲げた。
【0061】次いで、操作部後端に外径=1.1mm、内
径=0.87mm、長さ=10mmのポリ塩化ビニル製チュ
ーブおよびアクリルペットVH型ルアロックコネクター
を、接着剤を介して一挙に取付け、金属線の端部を固定
した。
【0062】そして、中空モノフィラメントの表面に対
し、東レ(株)のヘパリン化親水性材料“アンスロン”
による抗血栓性処理を施すことにより、図2の形状を有
する自己ガイド型カテーテルを完成した。
【0063】上記で得たカテーテルを大腿動脈に経皮的
に挿入し、大動脈を経て冠状動脈に導入し、所望の薬液
を患部に注入する臨床試験に適用した結果、抗血栓性に
すぐれ、血管壁に接触した場合の摩擦抵抗が小さいばか
りか、滑り特性が改良され、しかも腰があり先端がしな
やかですぐれた柔軟性を有していることから、先端部の
案内性および操作性がきわめて良好であり、先端部を目
的とする患部へと容易に到達させることが可能で、カテ
ーテル全体のレントゲンモニター性(造影性)もきわめ
て良好であった。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の自
己ガイド型カテーテルは、全体のレントゲンモニター性
(造影性)がすぐれ,操作部は腰がありしかも先端部が
しなやかで適度の柔軟性を有することから、血管内への
挿入時における所定部位への走行安定性がすぐれてい
る。
【0065】また、本発明の自己ガイド型カテーテル
は、抗血栓性処理を容易に施すことができ、抗血栓性処
理剤の接着性が良好で、かつ血栓が付着しにくく、滑ら
かな表面を有していることから、すべり特性が良好で血
管内への案内性がすぐれており、患者に対する苦痛や負
担の減少が可能である。
【0066】したがって、本発明の自己ガイド型カテー
テルは、従来のガイドワイヤを用いる治療手順に比較し
て、血管内へ一度挿入するのみで薬液の注入を行えるこ
とから、操作手順が簡略化されて患者に対する苦痛が軽
減し、しかもすぐれた操作性および抗血栓性を有するこ
とから、動脈を主としたカテーテル交換術などの広範な
臨床に対して有用な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の自己ガイド型カテーテルの第1
実施例を示す断面説明図である。
【図2】図2は同じく第2実施例を示す断面説明図であ
る。
【符号の説明】
1……自己ガイド型カテーテル 2……中空モノフィラメント 3……中空部 3a…空隙(薬液輸送路) 4……金属線 5……中空金属チップ 6……コネクタ 7……球部 8……フレキシブル部 9……テーパー部 10……操作部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製中空モノフィラメントを基本
    構造とし、先端部に薬液導出口を、また後端部に薬液注
    入口をそれぞれ設け、中空部内にはこの中空部内壁との
    間に連通する空隙を確保可能な線径を有する金属線を内
    蔵させ、かつ上記空隙を薬液輸送路としてなる自己ガイ
    ド型カテーテルにおいて、前記中空モノフィラメント
    を、(a)ポリエーテルブロックアミド共重合体25〜
    40重量%、(b)ポリウレタン25〜40重量%およ
    び(c)X線造影剤50〜20重量%からなる組成物に
    より構成したことを特徴とする自己ガイド型カテーテ
    ル。
  2. 【請求項2】 合成樹脂製中空モノフィラメントが、薬
    液導出口,フレキシブル部およびテーパー部からなる先
    端部を有し、かつこの先端部から後端の薬液注入口まで
    を操作部とした外形形状からなることを特徴とする請求
    項1に記載の自己ガイド型カテーテル。
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