JPH06264338A - 織機の運転開始方法 - Google Patents
織機の運転開始方法Info
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- JPH06264338A JPH06264338A JP5257993A JP5257993A JPH06264338A JP H06264338 A JPH06264338 A JP H06264338A JP 5257993 A JP5257993 A JP 5257993A JP 5257993 A JP5257993 A JP 5257993A JP H06264338 A JPH06264338 A JP H06264338A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 製織停止による綾枕発生を防止する。
【構成】 ワープビーム2から送り出される経糸Tはバ
ックローラ3及びテンションローラ4によって案内さ
れ、綜絖枠5及び筬6に通される。綾織物Wはクロスロ
ーラ11に巻き取られる。製織停止後、制御コンピュー
タCは機台モータMをスロー正転して綜絖枠5を上下動
し、次いで機台モータMをスロー正転量と同じだけスロ
ー逆転して綜絖枠を上下動する。その後、機台モータM
が通常の製織回転に入る。
ックローラ3及びテンションローラ4によって案内さ
れ、綜絖枠5及び筬6に通される。綾織物Wはクロスロ
ーラ11に巻き取られる。製織停止後、制御コンピュー
タCは機台モータMをスロー正転して綜絖枠5を上下動
し、次いで機台モータMをスロー正転量と同じだけスロ
ー逆転して綜絖枠を上下動する。その後、機台モータM
が通常の製織回転に入る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機台の製織停止に起因す
る織段発生を防止するための装置に関するものである。
る織段発生を防止するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】手動あるいは経糸切断発生によって織機
運転が停止した後に再び起動する際には機台立ち上がり
特性に関連して筬打ち強度が充分でなく、織布に薄段が
発生する傾向にある。又、緯入れミス発生によって織機
の運転が停止した後に機台を逆転してミス糸処理を行
い、その後機台再起動を行なった場合にはミス糸除去の
ために行われる機台逆転の際に製織直後の織前近傍の織
物組織が緩み、織前が本来の位置より織機の後方へ移動
してしまうことに起因して厚段発生の傾向がある。
運転が停止した後に再び起動する際には機台立ち上がり
特性に関連して筬打ち強度が充分でなく、織布に薄段が
発生する傾向にある。又、緯入れミス発生によって織機
の運転が停止した後に機台を逆転してミス糸処理を行
い、その後機台再起動を行なった場合にはミス糸除去の
ために行われる機台逆転の際に製織直後の織前近傍の織
物組織が緩み、織前が本来の位置より織機の後方へ移動
してしまうことに起因して厚段発生の傾向がある。
【0003】このような織段発生を防止するために従来
では機台起動トルクを増したり、機台再起動時に織前位
置を補正して織段発生を防止している。織段の種類には
所謂綾枕と言われるものがある。製織停止中の織機機台
のスロー正転あるいはスロー逆転によって綾織物の織前
が筬によって叩かれ、この作用によって織前上の緯糸が
織布の上下方向にずれ、この製織部位が織布の上で枕状
に盛り上がる。
では機台起動トルクを増したり、機台再起動時に織前位
置を補正して織段発生を防止している。織段の種類には
所謂綾枕と言われるものがある。製織停止中の織機機台
のスロー正転あるいはスロー逆転によって綾織物の織前
が筬によって叩かれ、この作用によって織前上の緯糸が
織布の上下方向にずれ、この製織部位が織布の上で枕状
に盛り上がる。
【0004】特開平3−76848号公報には製織停止
中の機台スロー作動時に織前と筬との相対位置を変更し
て両者を当接させないようにした織段発生防止装置が開
示されている。機台スロー作動時に織前と筬とを当接さ
せないようにすれば織前が筬によって叩かれることはな
く、機台スロー作動に起因する織段発生を防止すること
が可能となる。
中の機台スロー作動時に織前と筬との相対位置を変更し
て両者を当接させないようにした織段発生防止装置が開
示されている。機台スロー作動時に織前と筬とを当接さ
せないようにすれば織前が筬によって叩かれることはな
く、機台スロー作動に起因する織段発生を防止すること
が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】機台の停止状態では経
糸の不要な伸びを回避するために経糸を閉口位置で止め
るのが一般的である。しかしながら、綾織物では経糸の
一部が開口位置で停止するときがある。開口位置に停止
する経糸と閉口位置に停止する経糸とでは張力が異な
り、この張力差が織前上の緯糸を上下に変位させる。そ
のため、製織停止中の機台スロー作動時に織前と筬との
相対位置を変更して両者を当接させないようにしても、
綾枕の完全な防止ができない。
糸の不要な伸びを回避するために経糸を閉口位置で止め
るのが一般的である。しかしながら、綾織物では経糸の
一部が開口位置で停止するときがある。開口位置に停止
する経糸と閉口位置に停止する経糸とでは張力が異な
り、この張力差が織前上の緯糸を上下に変位させる。そ
のため、製織停止中の機台スロー作動時に織前と筬との
相対位置を変更して両者を当接させないようにしても、
綾枕の完全な防止ができない。
【0006】本発明は綾織物における綾枕発生を確実に
防止することを目的とする。
防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1に記
載の発明では、織機の運転開始に先立ち、全ての綜絖枠
を開口位置及び閉口位置に少なくとも1回移動すると共
に、綜絖枠を移動前の位置に復帰してから運転開始する
ようにした。
載の発明では、織機の運転開始に先立ち、全ての綜絖枠
を開口位置及び閉口位置に少なくとも1回移動すると共
に、綜絖枠を移動前の位置に復帰してから運転開始する
ようにした。
【0008】請求項2に記載の発明では、機台を正転し
て全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少なくとも1
回移動し、その後、機台を逆転して綜絖枠を移動前の位
置に復帰してから運転開始するようにした。
て全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少なくとも1
回移動し、その後、機台を逆転して綜絖枠を移動前の位
置に復帰してから運転開始するようにした。
【0009】請求項3に記載の発明では、経糸張力調整
あるいは織布の織前移動によって筬打ち力を変更し、次
いで機台を正転して全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位
置に少なくとも1回移動し、その後、機台を逆転して綜
絖枠を移動前の位置に復帰し、さらに経糸張力調整ある
いは織布の織前移動によって筬打ち力を元に戻してから
運転開始するようにした。
あるいは織布の織前移動によって筬打ち力を変更し、次
いで機台を正転して全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位
置に少なくとも1回移動し、その後、機台を逆転して綜
絖枠を移動前の位置に復帰し、さらに経糸張力調整ある
いは織布の織前移動によって筬打ち力を元に戻してから
運転開始するようにした。
【0010】請求項4に記載の発明では、機台を正逆転
することなく全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少
なくとも1回移動すると共に、綜絖枠を移動前の位置に
復帰してから運転開始するようにした。
することなく全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少
なくとも1回移動すると共に、綜絖枠を移動前の位置に
復帰してから運転開始するようにした。
【0011】
【作用】機台運転に先立って全ての綜絖枠を開口位置及
び閉口位置に少なくとも1回移動すれば、開口位置に停
止していた経糸が閉口位置で張力低減し、閉口位置に停
止していた経糸が開口位置で張力増加する。このような
経糸張力変化を与えることによって織前上の緯糸の上下
変位が補正され、綾枕発生が防止される。
び閉口位置に少なくとも1回移動すれば、開口位置に停
止していた経糸が閉口位置で張力低減し、閉口位置に停
止していた経糸が開口位置で張力増加する。このような
経糸張力変化を与えることによって織前上の緯糸の上下
変位が補正され、綾枕発生が防止される。
【0012】請求項2に記載の発明では機台の正逆転に
よって綜絖枠を移動しており、請求項4に記載の発明で
は機台を正逆転することなく綜絖枠のみを移動する。請
求項3に記載の発明では、運転停止中の機台のスロー正
転あるいはスロー逆転に伴って筬によって叩かれる織前
上の緯糸の上下変位が筬打ち力を低減することによって
回避される。運転開始直前には筬打ち力は元の状態に戻
される。
よって綜絖枠を移動しており、請求項4に記載の発明で
は機台を正逆転することなく綜絖枠のみを移動する。請
求項3に記載の発明では、運転停止中の機台のスロー正
転あるいはスロー逆転に伴って筬によって叩かれる織前
上の緯糸の上下変位が筬打ち力を低減することによって
回避される。運転開始直前には筬打ち力は元の状態に戻
される。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図6に基づいて説明する。図1は織機全体の側面を略体
的に示し、Mは機台モータであり、機台モータMは制御
コンピュータCの作動制御を受ける。1は機台モータM
から独立した正逆転可能な送り出しモータであり、ワー
プビーム2を駆動する。ワープビーム2から送り出され
る経糸Tはバックローラ3及びテンションローラ4を経
由して綜絖枠5及び筬6を通される。織前W1 から製織
された綾織物Wはエキスパンションバー7、サーフェス
ローラ8、プレスローラ9及びしわ取りガイド部材10
を経由してクロスローラ11に巻き取られる。クロスロ
ーラ11は機台モータMから駆動力を得ており、機台モ
ータMに同期して正逆転する。
図6に基づいて説明する。図1は織機全体の側面を略体
的に示し、Mは機台モータであり、機台モータMは制御
コンピュータCの作動制御を受ける。1は機台モータM
から独立した正逆転可能な送り出しモータであり、ワー
プビーム2を駆動する。ワープビーム2から送り出され
る経糸Tはバックローラ3及びテンションローラ4を経
由して綜絖枠5及び筬6を通される。織前W1 から製織
された綾織物Wはエキスパンションバー7、サーフェス
ローラ8、プレスローラ9及びしわ取りガイド部材10
を経由してクロスローラ11に巻き取られる。クロスロ
ーラ11は機台モータMから駆動力を得ており、機台モ
ータMに同期して正逆転する。
【0014】テンションローラ4はテンションレバー1
2の一端部に取付られており、テンションレバー12の
他端部に取付られた引っ張りばね13により張力が経糸
Tに付与されるようになっている。テンションレバー1
2は検出レバー14の一端に回転可能に支持されてお
り、検出レバー14の他端にはロードセル15が連結さ
れている。そして、経糸張力はテンションローラ4、テ
ンションレバー12及び検出レバー14を介してロード
セル15に伝えられ、ロードセル15は経糸張力に応じ
た電気信号を制御コンピュータCに出力する。
2の一端部に取付られており、テンションレバー12の
他端部に取付られた引っ張りばね13により張力が経糸
Tに付与されるようになっている。テンションレバー1
2は検出レバー14の一端に回転可能に支持されてお
り、検出レバー14の他端にはロードセル15が連結さ
れている。そして、経糸張力はテンションローラ4、テ
ンションレバー12及び検出レバー14を介してロード
セル15に伝えられ、ロードセル15は経糸張力に応じ
た電気信号を制御コンピュータCに出力する。
【0015】制御コンピュータCは予め設定された経糸
張力F0 と前記入力信号によって把握される検出張力F
との比較及び機台回転角度検出用ロータリエンコーダ1
6からの検出信号で把握されるワープビーム径に基づい
て送り出しモータ1の回転速度を制御する。これにより
通常運転時の経糸張力F0 が制御され、織段発生防止が
行われる。制御コンピュータCは起動スイッチ17から
のON信号に基づいて送り出しモータ1の正転作動を指
令し、送り出しモータ1に組み込まれたロータリエンコ
ーダ1aからの回転速度検出信号に基づいて送り出しモ
ータの回転速度をフィードバック制御する。
張力F0 と前記入力信号によって把握される検出張力F
との比較及び機台回転角度検出用ロータリエンコーダ1
6からの検出信号で把握されるワープビーム径に基づい
て送り出しモータ1の回転速度を制御する。これにより
通常運転時の経糸張力F0 が制御され、織段発生防止が
行われる。制御コンピュータCは起動スイッチ17から
のON信号に基づいて送り出しモータ1の正転作動を指
令し、送り出しモータ1に組み込まれたロータリエンコ
ーダ1aからの回転速度検出信号に基づいて送り出しモ
ータの回転速度をフィードバック制御する。
【0016】制御コンピュータCには入力装置19が接
続されている。入力装置19は製織停止中の機台スロー
作動時の経糸張力を設定するためのものであり、緯入れ
ミス発生に伴う機台スロー逆転時の経糸張力F1 が入力
装置19によって設定される。この張力値F1 はワープ
ビーム交換という機仕掛け後の試織段階で織段発生状況
を見ながら設定される。例えば緯入れミス発生に伴う機
台スロー逆転に起因する織段が厚段傾向にある場合には
張力F1 は通常張力F0 よりも低く設定される。
続されている。入力装置19は製織停止中の機台スロー
作動時の経糸張力を設定するためのものであり、緯入れ
ミス発生に伴う機台スロー逆転時の経糸張力F1 が入力
装置19によって設定される。この張力値F1 はワープ
ビーム交換という機仕掛け後の試織段階で織段発生状況
を見ながら設定される。例えば緯入れミス発生に伴う機
台スロー逆転に起因する織段が厚段傾向にある場合には
張力F1 は通常張力F0 よりも低く設定される。
【0017】18は停止スイッチである。制御コンピュ
ータCは図4〜図6のフローチャートで示す綾枕防止制
御を行なう。この実施例では緯入れミス発生後の運転開
始についてのみ説明する。
ータCは図4〜図6のフローチャートで示す綾枕防止制
御を行なう。この実施例では緯入れミス発生後の運転開
始についてのみ説明する。
【0018】制御コンピュータCは、緯入れミス検出器
20からの異常検出信号に応答して機台モータM、送り
出しモータ1の作動停止を指令する。これにより機台モ
ータM及び送り出しモータ1が図2に曲線C1 ,C2 で
示すように同期して停止し、経糸送り出しが停止すると
ともに、筬6が図1に鎖線で示す筬打ち直前の位置に停
止する。
20からの異常検出信号に応答して機台モータM、送り
出しモータ1の作動停止を指令する。これにより機台モ
ータM及び送り出しモータ1が図2に曲線C1 ,C2 で
示すように同期して停止し、経糸送り出しが停止すると
ともに、筬6が図1に鎖線で示す筬打ち直前の位置に停
止する。
【0019】綾織物では綾をつくる経糸(以下、綾糸と
いう)の綜絖枠は所定の綾パターンに従って上下動す
る。例えば2−1サイクルの綾織物では、2回の緯入れ
サイクルで連続して綾糸が上開口位置にあり、次の緯入
れサイクルで綾糸が下開口位置に移動し、その次の緯入
れサイクルで上開口位置へ移動して再び2回の緯入れサ
イクルで連続して綾糸が上開口位置にある。本実施例で
は2−1サイクルの綾織物を前提としている。このよう
な綾織物では織機運転が停止したときには図3(a)に
示すように綾糸T1 が上開口位置に停止することがあ
る。
いう)の綜絖枠は所定の綾パターンに従って上下動す
る。例えば2−1サイクルの綾織物では、2回の緯入れ
サイクルで連続して綾糸が上開口位置にあり、次の緯入
れサイクルで綾糸が下開口位置に移動し、その次の緯入
れサイクルで上開口位置へ移動して再び2回の緯入れサ
イクルで連続して綾糸が上開口位置にある。本実施例で
は2−1サイクルの綾織物を前提としている。このよう
な綾織物では織機運転が停止したときには図3(a)に
示すように綾糸T1 が上開口位置に停止することがあ
る。
【0020】図2に示すように製織停止信号S1 が緯入
れミス検出器20から出た場合、制御コンピュータCは
送り出しモータ1に対してスロー正転を指令する。送り
出しモータ1がスロー正転すれば経糸張力Fが低下す
る。送り出しモータ1のスロー作動は検出される経糸張
力Fが設定経糸張力F1 に一致するまで行われ、F=F
1 になると送り出しモータ1のスロー作動が停止する。
れミス検出器20から出た場合、制御コンピュータCは
送り出しモータ1に対してスロー正転を指令する。送り
出しモータ1がスロー正転すれば経糸張力Fが低下す
る。送り出しモータ1のスロー作動は検出される経糸張
力Fが設定経糸張力F1 に一致するまで行われ、F=F
1 になると送り出しモータ1のスロー作動が停止する。
【0021】張力変更のための送り出しモータ1のスロ
ー作動が図2に曲線q+ で示すように行われた後、緯入
れミス処理が遂行される。緯入れミスが発生した場合に
は例えば特開平2ー61138号公報に開示されるよう
な緯糸処理装置を用いて緯入れミス処理が行われる。こ
の緯入れミス処理は織前W1 上に織り込まれたミス糸を
経糸Tの把持作用から解放した状態で行われ、この把持
解放のために機台が1回半ほどスロー逆転される。この
スロー逆転によって筬6は織前W1 の正規の位置、即ち
筬打ち位置を経由する。
ー作動が図2に曲線q+ で示すように行われた後、緯入
れミス処理が遂行される。緯入れミスが発生した場合に
は例えば特開平2ー61138号公報に開示されるよう
な緯糸処理装置を用いて緯入れミス処理が行われる。こ
の緯入れミス処理は織前W1 上に織り込まれたミス糸を
経糸Tの把持作用から解放した状態で行われ、この把持
解放のために機台が1回半ほどスロー逆転される。この
スロー逆転によって筬6は織前W1 の正規の位置、即ち
筬打ち位置を経由する。
【0022】張力変更のための送り出しモータ1のスロ
ー作動後、機台モータMが図2に曲線e1 で示すように
1回半ほどスロー逆転し、機台が経糸Tの最大開口を形
成する位置へスロー逆転する。これにより筬6が図1に
実線で示す最後退位置へ移動し、経糸Tが最大開口を形
成する。この開口形成によって織前W1 上のミス糸が経
糸Tの把持作用から解放され、緯入れミス処理が可能と
なる。
ー作動後、機台モータMが図2に曲線e1 で示すように
1回半ほどスロー逆転し、機台が経糸Tの最大開口を形
成する位置へスロー逆転する。これにより筬6が図1に
実線で示す最後退位置へ移動し、経糸Tが最大開口を形
成する。この開口形成によって織前W1 上のミス糸が経
糸Tの把持作用から解放され、緯入れミス処理が可能と
なる。
【0023】機台モータMのスロー逆転と同期して送り
出しモータ1が曲線q1 で示すようにスロー逆転する。
又、クロスローラ11も同期してスロー逆転する。これ
により経糸Tが機台のスロー逆転量に比例してスロー引
き戻しされ、織布Wが機台のスロー逆転量に比例して巻
き戻しされる。経糸T及び織布Wの同期引き戻し及び同
期巻き戻しによって織前W1 が機台のスロー逆転量に対
応する位置変位を受ける。
出しモータ1が曲線q1 で示すようにスロー逆転する。
又、クロスローラ11も同期してスロー逆転する。これ
により経糸Tが機台のスロー逆転量に比例してスロー引
き戻しされ、織布Wが機台のスロー逆転量に比例して巻
き戻しされる。経糸T及び織布Wの同期引き戻し及び同
期巻き戻しによって織前W1 が機台のスロー逆転量に対
応する位置変位を受ける。
【0024】緯入れミス処理完了後、起動信号S2 が自
動入力すると、機台モータMが図2に曲線d+ で示すよ
うにスロー正転する。機台モータMのスロー正転と同期
して送り出しモータ1も曲線r+ で示すようにスロー正
転する。機台は機台モータMのスロー正転により少なく
とも3回転し、全ての綜絖枠5が上下動すると共に、織
前W1 が筬6から離間する。図3(b)は図3(a)の
状態から機台が1/2回転又は3/2回転した状態、図
3(c)は図3(b)の状態から1/2回転した状態を
表す。従って、2−1サイクルの綾織物Wの綾糸T1 及
びその他の経糸Tはいずれも開口位置及び閉口位置へ少
なくとも1回移動する。このような経糸T,T1 の移動
により開口位置に停止していた綾糸T1 が閉口位置で張
力低減し、閉口位置に停止していた経糸Tが開口位置で
張力増加する。このような経糸張力変化を与えることに
よって織前W1 上の緯糸の上下変位が補正される。
動入力すると、機台モータMが図2に曲線d+ で示すよ
うにスロー正転する。機台モータMのスロー正転と同期
して送り出しモータ1も曲線r+ で示すようにスロー正
転する。機台は機台モータMのスロー正転により少なく
とも3回転し、全ての綜絖枠5が上下動すると共に、織
前W1 が筬6から離間する。図3(b)は図3(a)の
状態から機台が1/2回転又は3/2回転した状態、図
3(c)は図3(b)の状態から1/2回転した状態を
表す。従って、2−1サイクルの綾織物Wの綾糸T1 及
びその他の経糸Tはいずれも開口位置及び閉口位置へ少
なくとも1回移動する。このような経糸T,T1 の移動
により開口位置に停止していた綾糸T1 が閉口位置で張
力低減し、閉口位置に停止していた経糸Tが開口位置で
張力増加する。このような経糸張力変化を与えることに
よって織前W1 上の緯糸の上下変位が補正される。
【0025】機台がスロー正転した後、機台モータMが
図2に曲線d- で示すようにスロー逆転する。機台モー
タMのスロー逆転と同期して送り出しモータ1が曲線r
- で示すようにスロー逆転する。機台モータMのスロー
逆転量は曲線d+ で示すスロー正転量と同量であり、綜
絖枠5及び織前W1 が曲線d+ で示すスロー正転を行な
う前の元の位置へ復帰する。このような綜絖枠5の復帰
動作によって綾糸T1及びその他の経糸Tが再度開口位
置及び閉口位置へ少なくとも1回移動し、綾糸T1 及び
他の経糸Tが全て再び張力変化を与えられる。従って、
機台のスロー正転による経糸張力変化付与及び機台のス
ロー逆転による経糸張力変化付与によって織前W1 上の
緯糸の上下変位が補正され、綾織物の製織停止に起因す
る綾枕発生が防止される。
図2に曲線d- で示すようにスロー逆転する。機台モー
タMのスロー逆転と同期して送り出しモータ1が曲線r
- で示すようにスロー逆転する。機台モータMのスロー
逆転量は曲線d+ で示すスロー正転量と同量であり、綜
絖枠5及び織前W1 が曲線d+ で示すスロー正転を行な
う前の元の位置へ復帰する。このような綜絖枠5の復帰
動作によって綾糸T1及びその他の経糸Tが再度開口位
置及び閉口位置へ少なくとも1回移動し、綾糸T1 及び
他の経糸Tが全て再び張力変化を与えられる。従って、
機台のスロー正転による経糸張力変化付与及び機台のス
ロー逆転による経糸張力変化付与によって織前W1 上の
緯糸の上下変位が補正され、綾織物の製織停止に起因す
る綾枕発生が防止される。
【0026】その後、機台モータMが曲線e2 で示すよ
うにスロー逆転し、機台が筬打ち直前の製織開始位置へ
スロー逆転する。これは製織開始時の筬打ち力不足を回
避するためである。
うにスロー逆転し、機台が筬打ち直前の製織開始位置へ
スロー逆転する。これは製織開始時の筬打ち力不足を回
避するためである。
【0027】送り出しモータ1は曲線e2 で示す機台モ
ータMのスロー逆転に同期して曲線q2 で示すようにス
ロー逆転する。これにより織前W1 が機台の製織開始位
置へのスロー逆転量に比例した分だけ引き戻される。
ータMのスロー逆転に同期して曲線q2 で示すようにス
ロー逆転する。これにより織前W1 が機台の製織開始位
置へのスロー逆転量に比例した分だけ引き戻される。
【0028】機台の1回半ほどのスロー逆転によって筬
6が正規の織前位置、即ち筬打ち位置を経由し、織前W
1 が筬6によって叩かれる。又、筬打ち力不足の回避の
ためのスロー逆転の際にも筬6が筬打ち位置を経由し、
織前W1 が叩かれる。しかしながら、緯入れミス処理の
ための機台スロー逆転に先立って経糸張力が製織時の経
糸張力F0 よりも低減しており、この張力低減程度は綾
枕発生を回避するように設定されている。従って、織前
W1 と筬6との当接による綾枕発生が防止される。又、
この張力低減自体が運転停止時の各経糸の張力差を少な
くし、経糸張力差に起因する綾枕発生の防止に寄与す
る。
6が正規の織前位置、即ち筬打ち位置を経由し、織前W
1 が筬6によって叩かれる。又、筬打ち力不足の回避の
ためのスロー逆転の際にも筬6が筬打ち位置を経由し、
織前W1 が叩かれる。しかしながら、緯入れミス処理の
ための機台スロー逆転に先立って経糸張力が製織時の経
糸張力F0 よりも低減しており、この張力低減程度は綾
枕発生を回避するように設定されている。従って、織前
W1 と筬6との当接による綾枕発生が防止される。又、
この張力低減自体が運転停止時の各経糸の張力差を少な
くし、経糸張力差に起因する綾枕発生の防止に寄与す
る。
【0029】機台が製織開始位置へスロー逆転移動した
後、図2に曲線q- で示すように送り出しモータ1がス
ロー逆転する。このスロー逆転は検出経糸張力Fが製織
時の設定張力F0 になるまで行われ、F=F0 になると
送り出しモータ1のスロー逆転が停止する。織前W1 は
機台スロー逆転の際にも送り出しモータ1の同期スロー
逆転によって正規の位置に常に合っており、製織再開時
には筬打ち位置と織前とは一致している。
後、図2に曲線q- で示すように送り出しモータ1がス
ロー逆転する。このスロー逆転は検出経糸張力Fが製織
時の設定張力F0 になるまで行われ、F=F0 になると
送り出しモータ1のスロー逆転が停止する。織前W1 は
機台スロー逆転の際にも送り出しモータ1の同期スロー
逆転によって正規の位置に常に合っており、製織再開時
には筬打ち位置と織前とは一致している。
【0030】経糸張力が製織時の張力F0 に復帰した
後、機台モータM及び送り出しモータ1が曲線D1 ,D
2 で示すように同期して正転作動に入り、製織が開始さ
れる。本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるもので
はなく、例えば経糸張力を低減する代わりに、機台停止
後には機台をスロー正転して織前を筬打ち位置から完全
に離しておき、運転再開直前に機台をスロー逆転して正
規の筬打ち位置へ織前を戻すようにしてもよい。あるい
は経糸張力低減をすることなく、又は織前を筬打ち位置
から離間することなく綜絖枠の上下動による綾枕防止を
行なうようにしてもよい。
後、機台モータM及び送り出しモータ1が曲線D1 ,D
2 で示すように同期して正転作動に入り、製織が開始さ
れる。本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるもので
はなく、例えば経糸張力を低減する代わりに、機台停止
後には機台をスロー正転して織前を筬打ち位置から完全
に離しておき、運転再開直前に機台をスロー逆転して正
規の筬打ち位置へ織前を戻すようにしてもよい。あるい
は経糸張力低減をすることなく、又は織前を筬打ち位置
から離間することなく綜絖枠の上下動による綾枕防止を
行なうようにしてもよい。
【0031】又、機台を正逆転することなく綜絖枠のみ
を上下動して綾枕防止を行なうようにしてもよい。これ
を行なうには機台モータと開口機構との間の駆動伝達経
路上にクラッチを介在しておき、クラッチを切った状態
で開口機構側を別モータで駆動すればよい。
を上下動して綾枕防止を行なうようにしてもよい。これ
を行なうには機台モータと開口機構との間の駆動伝達経
路上にクラッチを介在しておき、クラッチを切った状態
で開口機構側を別モータで駆動すればよい。
【0032】さらに本発明では、送り出しモータを逆転
して織前を筬側へ戻しながら綜絖枠を上下動して綾枕発
生防止を行なうようにしてもよい。
して織前を筬側へ戻しながら綜絖枠を上下動して綾枕発
生防止を行なうようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、機台運転
に先立って全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少な
くとも1回移動するようにしたので、この移動によって
与えられる経糸張力変化によって織前上の緯糸の上下変
位が補正され、綾枕発生を防止し得るという優れた効果
を奏する。
に先立って全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少な
くとも1回移動するようにしたので、この移動によって
与えられる経糸張力変化によって織前上の緯糸の上下変
位が補正され、綾枕発生を防止し得るという優れた効果
を奏する。
【図1】 本発明を具体化した一実施例を示す略体正面
図である。
図である。
【図2】 綾枕防止制御を説明するためのグラフであ
る。
る。
【図3】 (a),(b),(b)はいずれも経糸の上
下移動を説明するための要部側面図である。
下移動を説明するための要部側面図である。
【図4】 綾枕防止制御プログラムを表すフローチャー
トである。
トである。
【図5】 綾枕防止制御プログラムを表すフローチャー
トである。
トである。
【図6】 綾枕防止制御プログラムを表すフローチャー
トである。
トである。
1…経糸張力を変更するための送り出しモータ、5…綜
絖枠、M…機台モータ、C…綾枕防止制御を行なう制御
コンピュータ、W…綾織物、T…経糸、T1 …綾糸。
絖枠、M…機台モータ、C…綾枕防止制御を行なう制御
コンピュータ、W…綾織物、T…経糸、T1 …綾糸。
Claims (4)
- 【請求項1】織機の運転開始に先立ち、全ての綜絖枠を
開口位置及び閉口位置に少なくとも1回移動すると共
に、綜絖枠を移動前の位置に復帰してから運転開始する
織機の運転開始方法。 - 【請求項2】織機の運転開始に先立ち、機台を正転して
全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少なくとも1回
移動し、その後、機台を逆転して綜絖枠を移動前の位置
に復帰してから運転開始する織機の運転開始方法。 - 【請求項3】織機の運転開始に先立ち、経糸張力調整あ
るいは織布の織前移動によって筬打ち力を変更し、次い
で機台を正転して全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置
に少なくとも1回移動し、その後、機台を逆転して綜絖
枠を移動前の位置に復帰し、さらに経糸張力調整あるい
は織布の織前移動によって筬打ち力を元に戻してから運
転開始する織機の運転開始方法。 - 【請求項4】織機の運転開始に先立ち、機台を正逆転す
ることなく全ての綜絖枠を開口位置及び閉口位置に少な
くとも1回移動すると共に、綜絖枠を移動前の位置に復
帰してから運転開始する織機の運転開始方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5257993A JPH06264338A (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 織機の運転開始方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5257993A JPH06264338A (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 織機の運転開始方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264338A true JPH06264338A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12918721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5257993A Pending JPH06264338A (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 織機の運転開始方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06264338A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110258008A (zh) * | 2019-07-11 | 2019-09-20 | 台嘉玻璃纤维有限公司 | 一种薄织物断经感应装置 |
-
1993
- 1993-03-12 JP JP5257993A patent/JPH06264338A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110258008A (zh) * | 2019-07-11 | 2019-09-20 | 台嘉玻璃纤维有限公司 | 一种薄织物断经感应装置 |
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