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JPH0625766B2 - 測定試薬を可逆的に固定化した多区域又は多層試験具 - Google Patents

測定試薬を可逆的に固定化した多区域又は多層試験具

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Publication number
JPH0625766B2
JPH0625766B2 JP62148151A JP14815187A JPH0625766B2 JP H0625766 B2 JPH0625766 B2 JP H0625766B2 JP 62148151 A JP62148151 A JP 62148151A JP 14815187 A JP14815187 A JP 14815187A JP H0625766 B2 JPH0625766 B2 JP H0625766B2
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reagent
layer
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test device
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JP62148151A
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Miles Inc
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Publication date
Application filed by Miles Inc filed Critical Miles Inc
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Publication of JPH0625766B2 publication Critical patent/JPH0625766B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54366Apparatus specially adapted for solid-phase testing
    • G01N33/54386Analytical elements
    • G01N33/54387Immunochromatographic test strips
    • G01N33/54391Immunochromatographic test strips based on vertical flow
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
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    • G01N33/52Use of compounds or compositions for colorimetric, spectrophotometric or fluorometric investigation, e.g. use of reagent paper and including single- and multilayer analytical elements
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の背景] (発明の分野) 本発明は液状試験媒体中の分析対象物の測定に有用な分
析試験具に関する。特に、本発明は2種またはそれ以上
の相互に作用する又は不適合性の試薬、特にイムノアッ
セイ用の試薬が組みこまれた、液状試験媒体からの分析
対象物と接触すると検知可能な信号を呈する多区域試験
具に関する。
(先行技術の説明) 測定試薬を組みこんだ1つまたはそれ以上の試薬区域又
は層からなる試験具の製造において直面する問題点の1
つは、製造工程中の又はこのような試験具を液状試験材
料に施す以前の、該試薬の早期相互作用又は移行であ
る。具体的にはこのような早期相互作用又は移行は、例
えば、該区域又は層の流延が、種々の測定試薬を包含さ
せるために又は多層試験具の製造を容易にするために水
和された紙、ゼラチン、又はアガロースのような材料を
包含する場合に生じる。特に、該試薬の早期相互作用又
は移行は、相互に作用する測定試薬を含有する単一の区
域又は層が水和状態で流延される場合に、同様に2つ以
上の該区域又は層が同時に流延される場合、又はそれに
続く水わ区域又は層が予め乾燥された又はゲル化された
区域又は層の上に流延される場合に生じる。したがっ
て、区域又は層が水和状態であるため、測定試薬がこの
ような区域又は層内において自由に拡散すること、又は
このような区域又は層間において移行することを可能に
し、流延中及び/又は乾燥工程中において早期に相互作
用し、それによって試験具の性能に影響を与え、またこ
のような相互作用の結果、場合によっては試験具を完全
に無効にすることもある。
そこで、分析試験素子の種々の区域又は層内の測定試薬
を固定化、分離又はその他の方法によってそれらの早期
移行及びそれに続く相互作用を防止することが望まし
い。このような分析試験素子は、種々のものが当業界で
公知であり、例えば米国特許第4,333,733号及
び第4,356,149号によって開示されている。分
析素子中の試薬を連続的に放出して測定障害を減少させ
ることが米国特許第4,333,733号によって開示
されており、そこでは、液状試験試料が施される分析素
子は、反応区域と発色性指示薬を組みこんだ試薬区域か
らなる。試薬区域は分析対象物及び蛋白質の妨害物質に
対して不浸透性であるので、試験試料を施すとその液状
部が試薬区域に浸透して指示薬を反応区域に放出させ
る。尿の検査用の多層化学分析材料が米国特許第4,3
56,149号によって開示されており、そこでは親水
性バインダーかならる試薬層に、測定試薬を含有する疎
水性の粒子が組みこまれている。該粒子は水不浸透性
で、アンモニアなどのガス状の反応生成物に対してのみ
浸透性を有し、その場合測定試薬は直接的又は間接的に
ガス状の反応生成物と反応し色の変化を起こす。
種々の固定化された試薬を組みこんだ多区域又は多層試
験具の製造もまた当業界で公知である。このような固定
化された試薬は一般に、例えば抗原−抗体反応によって
形成された結合及び遊離種を固有に分離するために、該
素子又は試験具において使用される。
例えば、そのような多層イムノアッセイ用分析素子は、
欧州特許公報第97,952号及び西独国特許公開公報
(DE−OS)第3329728号に記載されており、
そこには、抗原に対する固定化抗体のような結合相手の
固定化体と検知可能な物質によって標識された抗原とが
組み込まれている。液状試験媒体をそのような試験具に
施すと、試験媒体からの抗原は、固定化抗体との結合に
関して試験具に組み込まれた標識抗原と競合する。標識
抗原の遊離種が固定化区域から離れて移動すると、遊離
種と結合種との分離が起きる。
同様に、欧州特許公報第51,183号及び66,64
8号には、そのような試験具が開示されているが、これ
らにおいては液状試験媒体中の抗原又は抗体の測定が、
抗原(又は抗体)と抗原(又は抗体)の標識体との、固
定化抗体(又は抗原)のような、その結合相手の固定化
体に対する競合的結合に依存している。
また別のそのような試験具が、米国特許第4,446,
232号に記載されており、これは、酵素標識抗体上の
一定数の認識部位に対する分析対象物の結合種及び遊離
種間の競合という原理に基づいている。試験試料中の分
析対象物の測定は、該分析対象物の試験具の一区域にお
ける酵素標識抗体との結合に依存しており、その分析対
象物は次に該試験具の別の区域に入り、そこで分析対象
物に結合した酵素連結抗体の酵素活性が検出される。そ
れらの区域の一つは、さらに結合し固定化された分析対
象物を含み、それが試験試料からの分析対象物と、酵素
標識抗体との結合に関して競合し、試験試料からの分析
対象物に結合しない酵素標識抗体があればそれと結合し
固体化する。
試験具内での種々の特異的結合測定反応から生じる反応
生成物を局所化するために、一つ又は複数の試験具内に
固定化剤を使用する分析素子及び試験具も当業界で公知
である。
例えば欧州特許公報第51,183号及び66,648
号は、親水性の高分子物質から成る検知可能な反応生成
物を捕集するための層を提案している。欧州特許第6
6,648号は検知層に、検知可能な反応生成物に対し
て強力な相互作用を示す媒染剤を組み込んで、該層中に
検知可能な反応生成物を捕集することを更に提案してい
る。かかる媒染剤としては陽イオンポリマー、陰イオン
ポリマー及び第4級塩が載げられる。
同様に、米国特許第4,144,306号及び4,04
2,335号は多層分析素子を開示しており、これは、
検知し得る種のための媒染体を包含する登録層(regisi
ration leyer)を含み、そこへ、検知し得る種を捕集す
ることにより、該登録層から検知し得る種が拡散又は移
行することを防いでいる。
かかる試験具の変種が、米国特許第4,459,358
号に開示されており、展開層、拡散性の標識化された抗
体を包含する反応層及びラテックス粒子のような抗体と
非特異的に結合、固定化若しくはこれを「媒染」するた
めの物質を包含する登録層を含む多層素子について記載
している。該試験具に、液状試験媒体を施すことによ
り、試験媒体からの分析対象物は反応層中の標識化され
た抗体と結合して、そこで免疫反応による沈澱物を生ず
る。分析対象物と結合しない標識化された抗体があれば
登録層へ拡散し、そこで該層中に包含された媒染剤によ
って固定化される。
しかしながらこのような分析素子及び試験具は液状試験
媒体中の分析対象物の検知に必要な、初期の測定反応に
関与しない試薬を永久的に固定化するものである。この
ような試薬の固定化は試験具内で生成される反応生成物
のさらなる移行を防止する手段を提供するが、液状試験
媒体中の分析対象物の量と相互に関連しうる反応生成物
の生成に必要な測定試薬の早期移行及び相互作用の問題
はやはり未解決のままである。
したがって本発明の目的は、製造中及び液状試験媒体を
試験具に施す以前に、試薬が早期に移行及び/又は相互
作用することが防止され、液状試薬媒体からの分析対象
物の測定に必要な測定反応に関与する測定試薬の、分析
試験具用における提供である。
本発明の別の目的は、試験具に液状試験媒体を施すよう
な分析試験具における可逆的に固定化された測定試薬の
実質的に瞬時の放出を提供することである。
さらに、本発明の目的は、試薬は製造工程で拡散性の及
び相互に作用する別の測定試薬を同時に試験具内に組み
込むことを可能にすることである。
[発明の要約] 本発明は、液状試験媒体中の分析対象物の測定に必要な
測定反応に関与し、また液状試験媒体を試験具に施す以
前の試薬の早期移行及びそれに続く相互作用の防止する
ために試験具内に可逆的に固定化されている2つまたは
それ以上の相互に作用する測定試薬を組みこんだ多区域
試験具を提供する。本発明は、通常の場合は測定試薬が
可溶化されて水和期間中に早期に相互作用し、試験具が
有用性の低い又は実質的に無効なものとなる、多区域試
験具の製造及び保存中に特に有用である。
試験具は、流体が流通するような接触状態で可逆的に固
定化された第1の試薬を組みこんだ固体の多孔性マトリ
ックスからなる試薬区域と、第1の試薬と相互作用しう
る第2の試薬を組みこんだ固体の多孔性マトリックスか
らなる反応区域とからなる。第1の試薬は、第1の試薬
と試薬区域のマトリックスに組み込まれた結合基質の不
溶化体との間のような、第1の試薬と試薬区域のマトリ
ックスとの間に存在する可逆的な結合相互作用によって
試薬区域内に可逆的に固定化され、そこでは第1の試薬
は固定化され、液状試験媒体を第1の試薬に施す以前
の、試薬区域からの及び反応区域への移行が防止され
る。可逆的結合相互作用は、試薬区域と、第1の試薬及
び試薬区域のマトリックスと特異的に相互作用してそれ
らの間の可逆的結合相互作用を崩壊し、試薬区域内の分
析上有効な量の第1の試薬を放出し拡散性にする、液状
試験媒体との接触によって十分に崩壊しうる。次に第1
の試薬は自由に拡散し反応区域へ移行してそこに組みこ
まれた第2の試薬と相互作用して、液状試験媒体中の分
析対象物の量と相互に関連しうる検知可能な信号を発生
させる。
第1の試薬と試薬区域のマトリックスは、第1の試薬及
び/又はマトリックスに対し、それらの間の結合相互作
用を崩壊させる特異的な相互作用性を有する所定の液状
試験媒体によってのみ十分に崩壊されまた可逆的である
ような第1の試薬とマトリックスの間の安定した特異的
結合相互作用を有する結合組成物からなるように選ばれ
る。第1の試薬とマトリックスの間のこのような特異的
な、相互作用的な結合性により、例えば種々の層の形成
中に使用する溶媒による又は保存期間中の試験具の水和
による、結合相互作用に対して特異的な崩壊性を有する
適切な液状試験媒体を施す以前の、結合相互作用の非特
異的な崩壊が防止される。したがって、可逆的結合相互
作用は、選ばれた、第1の試薬及びマトリックスの組成
物に依存し、イオン結合相互作用、可逆的共有結合相互
作用、疎水性結合相互作用、可逆的生化学結合相互作用
のような可逆的結合作用を包含する。
[好ましい実施様態の説明] 本発明によれば、液状試験試料を施す以前の、多区域又
は多層の分析試験具における、測定試薬の早期移行及び
それに続く相互作用は、該試験具内の1つまたはそれ以
上の区域又は層内での1つまたはそれ以上の測定試薬の
可逆的な固定化の結果防止される。本発明は当業界にお
いて公知の方法による多区域又は多層試験具の製造工程
において特に有利である。該公知の方法によって、種々
の区域又は層が同時にあるいは連続的に、水和又は別の
流体の状態が形成され、そこでは区域又は層に組みこま
れた測定試薬の移行が、特に製造工程において著しく増
大する。以下に、更に詳細に述べるように、本発明の多
区域又は多層試験具に可逆的に固定化された測定試薬は
非拡散性のままであり、そのため、分析試薬を適切な液
状試験試料と直接流体接触(fluid contact)させるま
での該試験具の保存期間中と同様に、該製造工程におけ
る早期移行が防止される。試料と接触すると、可逆的に
固定化された試薬は放出され拡散性となって、該試験具
内で自由に移行する。
以下の記載を簡単にするために、本発明の明細書中で述
べる試験具は、その他の種類の区域でも同様の結果を達
成すると理解されるが、主として成層構造からなるもの
として記述する。特に、本発明に係る試験具は、試薬層
及び反応層のような少なくとも2つの層からなり、以下
に更に詳細に述べるように、さらに検知層を含むことが
できる。種々の層は固体の多孔性マトリックスからな
り、互いに流体接触しているので、試験具の互いに結合
している層がこれらの層への及びこれらの層の間での流
体の拡散が可能になる。このような流体接触は、流体試
料からの分析対象物及び試験試薬の、試験具の層間の移
行を可能にし、また流体接触層の間で接触界面に沿って
均一であることが好ましい。したがって、液状試験試料
を試薬層に施すと、液状試験試料は試薬層へ及び試薬層
を通って反応層へ、また検知層が具備されている場合に
は検知層へ浸透及び拡散する。
本発明によれば、試薬層には試薬層のマトリックスに対
して可逆的な相互作用的結合性を有する可逆的に固定化
された第1の試薬が組みこまれており、反応層には第1
の試薬と相互作用して検知可能な信号を発生させる第2
の試薬が組みこまれている。本発明による試薬の可逆的
な固定化が第1の試薬の又は試薬層のマトリックス内の
可逆的な固定化に限定されないだけでなく、同様に第2
の試薬及び上記以外の層のその他の相互に作用する測定
試薬の可逆的な固定化をも含むことが意図されているこ
とが理解される。したがって、第1の試薬の可逆的な固
定化を、意図されているような種々のその他の層のその
他の相互に作用する測定試薬の可逆的な固定化とともに
ここで説明する。
第1の試薬と試薬層のマトリックスの間の可逆的な相互
に作用する結合性は、試薬層のマトリックス及び/又は
第1の試薬の特定な組成物に依存する結合相互作用であ
り、そこでは第1の試薬と試薬層の間の結合相互作用
は、マトリックスと特定の液状試験試料との接触で十分
に崩壊しうる。適切な液状試験試料との接触時の、本発
明による可逆的に固定化された測定試薬の放出速度が実
質的に瞬時であることが好ましいことが理解される。こ
のような測定試薬の瞬時の放出が、必要な測定の相互作
用が試験試薬を施してから秒数以内に開始することを可
能にする、十分量の該可逆的に固定化された測定試薬の
放出のための迅速なメカニズムを提供する。
したがって、試験具に液状試験試料を施し、それに続い
て第1の試薬とマトリックスの間の結合相互作用が崩壊
すると、分析上有効な量の第1の試薬が放出され試薬層
内で拡散性になることにより、自由に反応層に移行す
る。反応層に移行した第1の試薬は、いずれも、反応層
に組みこまれた第2の試薬と相互作用せしめられ、液状
試験試料中の分析対象物の量と相互に関連しうる検知可
能な信号を発生させる。例えば、第1の試薬とマトリッ
クスの間の結合相互作用の性質が弱イオン性である場
合、それらの間の結合相互作用は全血又は血清のような
塩の濃度が比較的低い液状試験試料によって崩壊しう
る。したがって本発明では、マトリックス及び第1の試
薬の組成物が、第1の試薬とマトリックスの間の結合相
互作用を崩壊させるのに必要な、特定の相互作用的な崩
壊性を有する所定量の液状試験試料によってのみ実質的
に崩壊し可逆的である、それらの間の安定した結合相互
作用を有する結合組成物からなるように選ばれることが
不可欠である。本発明による試薬層の形成中に、また同
様にそれに続く層の形成中に使用する適切な溶媒の選択
も本発明に不可欠であることが理解される。特に該溶媒
は第1の試薬と試薬層のマトリックスの間の可逆的結合
相互作用に関して不活性でなければならない。したがっ
て、第1の試薬は溶媒の存在下で試薬層のマトリックス
に結合して残存し、そこでは結合相互作用は安全性を維
持し、その不活性は性質の結果、溶媒によって崩壊され
ることはない。
本発明は、公知の従来の方法及び多層試験具の製造工程
において特に有利である。例えば、当業界で公知の方法
によれば、多層試験具の製造は、代表的には、(a)第
1の又は上層区域に反応系の数種の測定試薬を組みこ
み、(b)第2の又は下層区域に、工程(a)の測定試
薬との相互作用に必要な残りの測定試薬を組みこみ、
(c)個々の層を乾燥し、及び(d)該層を互いに層状
関係に固定する工程を包含する。その他の方法はメイヤ
ーロッド(Meyer rod)又はカスケードコーター(casca
de coater)で個々の層を形成し、該層を間隔層をはさ
んで積層する工程を包含し、同様に、積層する前に層を
乾燥することを必要とする。このような方法では、湿潤
している際に、他の積層を行なった場合の、区域間の流
動性の結果としての、例えば第1の区域から第2の区域
への又はその逆の試薬に移行を防止するために、積層す
る前にそれぞれの個々の層を乾燥することが必要であ
る。
したがって、本発明による所望の相互作用性を有する、
このような適合性組成物を選択することにより、上記し
たように種々の層に測定試薬を同時に組みこむことが可
能となり、同様に該層を組立又は積層する前にそれぞれ
の層を乾燥する必要なしに、該層を同時に組立ることが
可能となる。該相互作用性はこのようにして、例えば上
記したような該層の形成中、又は完成した試験具の保存
期間中に使用される溶媒によって、試薬とマトリックス
との間の結合相互作用に対して特異的な崩壊性を有する
適切な液状試験試料を施す前の測定試薬とマトリックス
の間の結合相互作用の非特異的な崩壊を防止する。
(可逆的結合システム) 本発明によれば、種々の結合相互作用は、多層試験具の
種々の層内で測定試薬を可逆的に固定化するために用い
て良い。上記したように、該結合相互作用は、(a)測
定試薬及び(b)可逆的に固定化された測定試薬を組み
こんだ層からなるマトリックス、及び(c)測定試薬と
マトリックスの間の特有の可逆的結合相互作用を崩壊
し、それによって試験具内に分析上有効な量の測定試薬
を放出し、拡散性にするために必要な液状試験試料の崩
壊性の及びそれらの間の相互作用性に依存している。該
崩壊可能な結合相互作用は当業界で公知であり、次のよ
うな相互作用:イオン結合相互作用;可逆的共有結合相
互作用;疎水性結合相互作用;可逆的生化学的結合親和
力;等が挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。
(a)相互作用性測定試薬 本発明による試験具内で可逆的に固定化されうる測定試
薬は、(i)液状試験試料からの分析対象物と相互に作用
して、存在する分析対象物の量に依存する強度を有する
検知可能な信号を発生させるすべての測定試薬、又は(i
i)測定反応に関与するために必要な、さもなければ分析
対象物及び/又はその他の測定試薬と相互に作用して該
検知可能な信号を発生させるすべての測定試薬である。
したがって、発生した信号と特定の試験具に組み込まれ
た信号検知システムによって、今まで述べたように液状
試験試料と接触し、続いて可逆的に固定化された測定試
薬とマトリックスの間の可逆的結合相互作用が崩壊する
と、測定試薬が放出され、拡散性となることにより分析
対象物及び/又はその他の測定試薬と相互作用して検知
可能な信号を発生させる。
一般に、測定される分析対象物と1つ又はそれ以上の測
定試薬との間の、又は例えば第1の試薬と第2の試薬の
間のこのような信号を発生させる相互作用は、化学的相
互作用もしくは活性、酵素−基質複合体の生成における
ような触媒活性でもよく、又はその他の公知の、測定さ
れる分析対象物の存在又は濃度と相互に関連しうる検知
可能な信号を放出、製造又は発生させる化学的又は物理
的相互作用であればどのような形態のものであってもよ
い。
本発明はイムノアッセイを行なう場合に特に有用であ
る。該測定法においては、上記記載の可逆的に固定化さ
れた第1の試薬は、検知可能な物理的、化学的又は相互
作用性を有する検知可能な化学基で標識された、分析対
象物もしくはその結合類縁体の標識体、又は分析対象物
の結合相手の標識体からなることが好ましい。該検知可
能な化学基は測定反応系の分野で十分に開発されてお
り、一般に該方法におけるほとんどすべての標識を本発
明に適用することができる。
特に検知可能な物理的性質を有する該化学基は、検知可
能な信号を提供するための別の薬剤又は物質との化学反
応又は相互作用を必要としない、それら自身の物理的性
質に基づいて検知される基である。そのような基には主
として、ウンベリフェロン、フルオレセイン、レゾルフ
ィン、種々のローダミン類、ダンシル誘導体及びアミノ
ナフタレンスルホン酸(Clin.Chem.(1979)25:353参照)
のような蛍光体;ピレン、4−ニトロビフェニル、ベン
ズアルデヒド、ベンゾフェノン又はジベンゾイルメタン
の三価の金属キレート(例えばA+3,Sc+3,T
+3)のようなリン光分子;パラー又はオルト−ニトロ
フェノール、フェノールフタレイン、ナフトールAS、
パラーニトロアニリド及びチモールフタレインのような
発色団;H、35S、32P、125I及び14Cの
ような放射性同位元素;DOXYL,PROXYL及び
TEMPO誘導体のような窒素酸化物基を始めとするス
ピン標識;又はプロトン、フッ化物、酸素、アンモニア
及び過酸化水素のような電気活性残基がある。
検知可能な化学的性質を有する化学基は検知可能な信号
を発生させるためのそれら自身の化学反応性又は別の物
質との相互作用に基づいて検知される。検知可能な化学
的性質を有する該化学基は検知可能な生成物を発生させ
ず、また、別の試薬と相互作用する前に検知可能な信号
を提供せず、そのような基としては酵素(Clin.Chem.(1
976)22:1232,米国再発行特許第31,006号及び英
国特許第2,019,308号参照)、酵素基質(英国
特許第1,548,741号明細書参照)、補酵素(米
国特許第4,230,797号及び4,238,565
号参照)、酵素阻害剤及び酵素活性剤、化学発光種、化
学触媒、金属触媒、酵素反応関連物質、蛍光消光剤、又
はエネルギー伝達対(米国特許第3,996,345
号、4,174,384号、4,199,559号及び
4,233,402号参照)のような酵素活性基及びビ
オチン又はハプテンのような特異的に結合しうるリガン
ドがある。例えば、補因子標識種は、標識がその補因子
である酵素、及び、酵素の一つ又は複数の基質を加える
ことにより検知される。また、ハプテン又はその他の特
異的に結合しうるリガンド(例えばビオチン)標識種
も、ハプテンに対する抗体、又は、検知可能な分子で付
加又は標識されたリガンドと結合する蛋白質(例えばア
ビジン)を加えることにより検知される。該検知可能な
分子は、測定可能な物理的性質(例えば蛍光又は吸光)
を有する分子であればよい。
本発明によれば、例えば第1の試薬と、それを組みこん
だ層のマトリックスとの間の、可逆的結合相互作用は、
(i)分析対象物もしくはその類縁体、又は分析対象物の
結合相手とマトリックスの間、又は(ii)特定の標識とマ
トリックスの間であることが理解される。上記の(i)及
び(ii)で示した結合相互作用に加えて、「一般的な(ge
neric)」可逆的結合相互作用を、マトリックスと標識
がそれを介して分析対象物もしくはその類縁体、又は分
析対象物の結合相手に結合している連結基との間で、又
はマトリックスと分析対象物、類縁体、又は結合相手に
化学的に添加されたその他の誘導体部分との間に与える
ことができる。これは、組みこんだ層のマトリックスと
相互に作用して、第1の試薬をマトリックス内に可逆的
に固定化させる連結基又はその他の誘導基に、一般的な
部分を組み込むことにより達成される。システムの基礎
化学的な修正は必要ではないので、信頼性に関しては、
標識及び/又は分析対象物もしくはその類縁体、又は第
1の試薬の分析対象物の結合相手との可逆的結合性より
は、むしろ該連結基又は誘導基の、可逆的な相互に作用
する結合性の方が特に好ましく、したがってそこでは多
数の第1の試薬組成物が標準化された、又は一般的な連
結基又は誘導基を用いて合成され、該組成物はすべて通
常のマトリックス組成物に適合する。例えばローダミン
やスルホローダミンのような染料標識はピペラジン基を
介して分析対象物結合し、そこでは、各々の場合におい
て、ピペラジン基とカルボキシメチルセルロースのよう
な通常の適合したマトリックス組成物の間の相互作用の
結果、該試薬の可逆的な固定化が起こる。
その他の一般的な部分には、α−D−マノピラノシル、
α−D−グルコピラノシル又は標識試薬の連結基又は誘
導基に組み込まれ、例えばコンカナバリン−A及び架橋
アガロースからなるマトリックス組成物に可逆的に固定
化されうる立体化学的関連基が挙げられ、そこでは該結
合相互作用はα−メチルマンノシドを含有する液状試験
試料によって崩壊される。同様に、N−アセチルグルコ
サミン及びその二糖類並びに三糖類誘導体は標識試薬の
連結基又は誘導基に組み込まれ、例えば小麦胚芽のレク
チン及び架橋アガロースからなるマトリックス組成物に
可逆的に固定化され、そこでは該結合相互作用はN−ア
セチルグルコサミンを含有する液状試験試料によって崩
壊される。
(b)相互作用性マトリックス ここで述べる種々の層は、分析対象物及び臨界試験試薬
に対して浸透性を有する多孔性マトリックスからなり、
そのような浸透性は一般に多孔性、膨潤能又はその他の
特性により生じる。試験具の層はセルロース、紙、フリ
ース、フェルト、織布等のような種々の多孔性、繊維性
材料(例えば米国特許第3,802,842号;3,8
09,605号;3,897,214号及び3,98
7,213号参照)、又は微孔性ポリマーのような非繊
維性、多孔性材料(例えば米国特許3,552,929
号参照)からなるが、本発明による測定試薬を可逆的に
固定化させる試験具の層のマトリックス形成材料は、ポ
リビニルアルコール、ポリビニル−ピロリドン、アクリ
ルアミドポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、メタク
リル酸ポリヒドロキシエチル、アクリル酸又はマレイン
酸を含有するコポリマー等のような合成ポリマー;及び
ゼラチン、アガロース、アルギン酸ナトリウム、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース等のような親
水性コロイドからなる。ゼラチン、アガロース等のよう
な浸透性材料は、それらの液体に対する均一な浸透性、
光又はその他の電磁放射線の通過を許容する能力、及
び、以下で更に詳細に述べるような、本発明による測定
試薬に対して所望の可逆的結合性を有する結合物質の不
溶化体を浸透性材料に組みこむ能力の故に、特に好まし
い。
本発明によれば、試薬を組みこむ層のマトリックス内で
の測定試薬の可逆的な固定化は、測定試薬とマトリック
ス材料の間に存在する、可逆的な相互に作用する結合性
によるものである。マトリックス材料は、該試薬に対し
て、所望の、可逆な相互に作用する結合性を有する結合
物質の不溶化体を組みこんだ、固体の多孔性、浸透性材
料からなることが好ましいが、例えば化学的に、生物学
的に、又は結合物質を組みこむことによって、変性され
ることにより、又は独自に、該測定試薬に対する、所望
の、可逆的な相互に作用する結合性を有する、固体の多
孔性、浸透性材料からなるマトリックス材料も使用する
ことができる。
多層試験具の種々の層にはそれぞれ可逆的に固定化され
た測定試薬を包含させることができるが、多層試験具
は、本発明により構成された層を、1つ以上の層に有す
るが、全部の層には有さないように構成される。したが
って、全部の層ではない多層試験具の層に、本発明によ
る1つまたはそれ以上の可逆的に固定化された測定試薬
が組みこまれる場合、その他の層のマトリックス形成材
料は、本発明によって構成されたそれらの層と同一でも
異なっていてもよい。例えば多層試験具が通常のマトリ
ックス材料としてアガロースを用いた試薬層と反応層か
らなる場合、試薬層のみのマトリックスが、化学的に又
は生物学的に変性されるか又はさらに結合物質の不溶化
体を含むことができ、そこでは本発明により、第1の試
薬が試薬層に可逆的に固定化され、一方そのマトリック
スは同時に反応層のマトリックス材料と一致するように
なる。
逆に、別のマトリックス物質を、一つの層内で測定試薬
を可逆的に固定化するために用いてもよく、その別のマ
トリックス物質は隣接層のマトリックス材料と異なって
いてもよいため、全く異なった組成の独特の層ができ
る。しかしながら、隣接層又はそれに続く層とは異なっ
た独特の別のマトリックス物質を、上記のような互いに
一致しているマトリックス物質の代わりに用いる場合、
そのような別のマトリックスが、今まで述べてきたよう
な、測定試薬の自由な移行、及びそれらの間での流体の
拡散を可能にするために、このようなその他の異なった
層に適合する満足しうる輸送媒体を提供することが不可
欠である。
(i)不溶化された結合物質を組みこんだマトリックス 多層試験具の特定の層内での測定試薬の可逆的な固定化
は、該層内の該測定試薬と相互に作用する、結合物質の
不溶化体を組みこむことにより達成されることが好まし
い。該結合物質は、測定試薬の層への可逆的な固定化に
必要な、適切な、可逆的な相互に作用する結合性を有す
る。したがって、相互に作用する結合物質は、特に該層
の製造中に溶媒が存在する間に、すべての流体条件下で
該層内で不溶化された状態を維持できる物質であるだけ
でなく、同時に層への測定試薬の可逆的な固定化を助け
るものでなければならず、その場合、測定試薬と、相互
に作用する結合物質との間の結合相互作用は、今まで述
べたように崩壊され測定試薬を放出することができる。
測定試薬を、特定の層内で相互に作用する結合物質に可
逆的に固定化させる所望のメカニズム、例えばイオン結
合相互作用、疎水性結合相互作用等に応じて、該層内に
組みこむために用いられる、当業者で公知の、多数の相
互に作用する結合物質が利用できる。可逆的に固定化さ
れた測定試薬を有する、このような相互に作用する結合
物質は、その後、当業界で公知の方法により所望の層を
形成するために使用することができる、例えばゼラチン
又はアガロースの均質な懸濁液又は乳剤に組み込むこと
ができ、これらとしては、セルロース誘導体、合成ポリ
マーの誘導体等のような繊維性材料の誘導体;セファデ
ックス(Sephadex )誘導体、ラテックス微小球の誘導
体等のような粒状材料の誘導体;及び微晶性セルロース
誘導体等のような微晶性材料の誘導体が挙げられる。特
に好ましい材料としては、ジエチルアミノエチルセルロ
ース、エピクロロヒドリントリエタノールアミンセルロ
ース、臭化トリエチルアミノエチルセルロース、ポリエ
チレンイミンセルロース、第四級イオン交換セルロース
等のような陰イオン交換材料;及びカルボキシメチルセ
ルロース、リン酸セルロース等のような陽イオン交換材
料がある。
例えば、全陽電荷を有する標識試薬、例えばローダミン
のような発色性染料で標識された分析対象物又はその類
縁体を、ゼラチン又はアガロースからなる特定の層内で
可逆的に固定化することが望ましい場合、該層は、可逆
的に固定化された該標識試薬を有する、カルボキシメチ
ルセルロースのような弱酸性の陽イオン交換材料を該層
に組みこむことにより形成される。したがって、全血又
は尿のような液状試験試料を、該層からなる試験具に施
すと、試験試料中に含有された生理的食塩が、カルボキ
シメチルセルロースと標識試薬との間の可逆的結合相互
作用を崩壊し、そこでは標識試薬が放出されることによ
り該試験具の隣接層へ又は隣接層を通って自由に移行す
ることが可能となり、今まで述べたように検知可能な信
号を発生させるのに必要な相互作用を開始する。
同様に、フルオレセインで標識された抗分析対象物抗体
の複合体のような全陰電荷を有する標識試薬も用いるこ
とができ、そこではジエチルアミノエチルセルロースの
ような弱い陰イオン交換材料が、該包含層における、不
溶化された相互に作用する結合物質として用いられる。
非免疫源の蛋白質又は糖蛋白質であるレクチンは、測定
試薬と本発明による多層試験具の特定の層のマトリック
スとの間の、可逆的生化学的結合親和力を確立するのに
特に有用である。このような可逆的生化学的結合親和力
は、小麦胚芽レクチン−セファロース(Sepharose
6MB,ヘリックス ポマチア(helix pomatia)レク
チン−セファロース6MB,レンズ豆レクチン−セファ
ロース4B等のような固体の支持体上に固定化された測
定試薬とレクチンとの間に存在することができる。測定
試薬に、可逆的な生化学的結合親和力を与えるその他の
不溶化された相互に作用する結合物質としては、コンカ
ナバリンA−セファロース4B、シバクロンブルー−セ
ファロースCL−6B、リジン−セファロース4B等が
挙げられる。
同様に、測定試薬は、測定試薬と相互に作用する結合物
質との間の水素結合を包含する、可逆的な生化学的結合
親和力によって、可逆的に固定化することができる。こ
のような相互に作用する結合物質は固体の支持体上に固
定化することができ、これらとしては、ポリウリジル酸
−セファロース4B、ポリアデニル酸−セファロース4
B等が挙げられる。
さらに、その他の可逆的結合相互作用としては、例えば
アガロースのマトリックスに組み込まれたチオプロピル
−セファロースに可逆的に固定化された測定試薬を包含
する可逆的な共有結合相互作用、及び、測定試薬とフェ
ニル−セファロース4B、オクチル−セファロース4
B、ヘキシル−セファロース4B等のような疎水性の支
持体の間の結合相互作用の包含する疎水性結合相互作用
がある。
今までに述べた、相互に作用する結合物質によって確立
された、特定の可逆的結合相互作用は、以下で更に詳細
に述べるように、特定の液状試験試料及び/又は希釈剤
によって崩壊されることが理解される。
(ii)マトリックス材料の変性 また、マトリックス材料、又は組成物は、該測定試薬を
マトリックスに可逆的に固定化するための、特定の試薬
に対する所望の可逆的な相互に作用する結合性を有する
ために、反応性基で化学的に変性される。該変性は、今
まで述べたように上記以外の繊維性又は微晶性材料のよ
うな相互に作用する結合物質を包含せしめる必要なし
に、測定試薬をマトリックスに可逆的に固定化するため
にマトリックスと測定試薬の間の必要な結合相互作用を
提供し、それにより、上記の、相互に作用する結合物質
と同様の機能を提供する。
測定試薬をマトリックスに可逆的に固定化させるため
の、マトリックス材料又は組成物の変性は、相互に作用
する結合物質又は反応性基を、直接にマトリックス材料
又は組成物に化学的に連結又は結合させることにより達
成される。反応性基は、当業界で公知の方法によって、
例えばゼラチン又はアガロースのようなマトリックス材
料に化学的に連結又は結合でき、またそれらは、今まで
述べたような必要な可逆的な相互に作用する結合性を提
供しうるどのような反応性基であってもよいことが認め
られる。該反応性基としては、ジエチルアミノエチル、
エピクロロヒドリン、トリエチルアミノエチル、カルボ
キシメチル及びリン酸置換基等のようなイオン性反応性
基;フェニル、オクチル及びヘキシル置換基等のような
疎水性反応性基;チオプロピル置換基等のような可逆的
な共有結合基;及びコンカナバリンA、アビジン、5′
−アデニンモノホスフェート、2′,5′−アデニンジ
ホスフェート、リジン、ポリウリジル酸、ポリアデニル
酸等のような可逆的な生化学的結合親和力の結合基があ
る。
(c)液状試験試料 測定される分析対象物を含有する液状試験試料は、分析
対象物を含有すると推定される、自然に存在する又は人
工的に生成された液体であり、通常、マトリックスと測
定試薬の間の特定の可逆的な相互に作用する結合相互作
用を崩壊するのに必要な崩壊性に依存する生物学流体又
はその希釈物である。分析対象物を測定することができ
る生物学的流体としては、血清、全血、血漿、尿、唾液
及び羊水又は脳脊髄液が挙げられる。
液状試験試料の性質は、マトリックスと可逆的に固定化
された測定試薬との間に存在する、特有の結合相互作用
の性質、及びその相互作用の崩壊に必要な該液状試験試
料崩壊性に依存する。代表的には、液状試験試料が生物
学的流体である場合、マトリックスと、マトリックスに
可逆的に固定化された1つ又は複数の測定試薬と間の結
合相互作用の性質は、実際には弱イオン性、即ち陰イオ
ン性又は陽イオン性であり、そこでは、それらの間の結
合相互作用は、該生物学的試験試料の比較的低い濃度の
生理的食塩によって崩壊されることにより、試験具内で
の必要な測定の相互作用に関与する、一つ又は複数の試
薬を放出し、かつ、それらの移行を可能にする。
しかしながら、液状試験試料は、希釈されていない生物
学的試験試料に限定されるものではなく、生物学的試験
試料と、特定のマトリックスと1つの又は複数の測定試
薬の間の結合相互作用を崩壊しうる生理食塩水のよう
な、希釈剤又は添加剤との混合物であってもよいことが
認められる。使用する希釈剤又は添加剤の選択は、言う
までもなく、マトリックスと測定試薬の間の特定の結合
相互作用に対する該希釈剤の崩壊性を測定することによ
り、該結合相互作用に依存する。例えば、上記のよう
に、可逆的結合相互作用が実際にイオン性である場合、
さらに該結合相互作用に対する、希釈されていない生物
学的試験試料の崩壊性のために、生理食塩水(例えば1
00mMのリン酸塩で緩衝された食塩水)のような希釈
剤を試験試料に添加して、試験試料と、例えばジエチル
アミノエチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロ
ースからなるマトリックス材料との間の、該結合相互作
用を崩壊することができる。
同様に、疎水性の結合相互作用が、特定のマトリックス
と測定試薬との間に存在する場合、そのような結合相互
作用は、液状試験試料のイオン強度を減少させることに
より、又は、例えば試験試料の極性を減少させることに
より崩壊される。液状試験試料の極性は、NP−40
(NP−40 )又はトウィーン(Tween )のような
非イオン性洗浄剤、又はエチレングリコールを、試験試
料に添加することにより減少される。
測定試薬と、相互に作用する結合物質又はマトリックス
材料との間の可逆的な生化学的結合親和力を包含する特
異的結合相互作用が、試薬層に組み込まれたリガンド又
はリガンド受容体に対する結合物質の不溶化体に結合し
うる競合リガンドからなる試験媒体中に、特有の希釈剤
又は添加剤の存在を必要とする場合があることが認めら
れる。そのような場合には、標識測定試薬は、該リガン
ドとも接合し、そこでは測定試薬のリガンドが、リガン
ド又はリガンド受容体に対する結合物質との結合に関し
て競合するリガンドの希釈剤又は添加剤と競合する。そ
のような競合の条件下では、結合物質又はその受容体と
の競合リガンドの結合により、測定試薬の結合物質への
結合が防止され、それによって試薬の検知層への自由な
移行が可能となることが理解される。
特に、コンカナバリンA、小麦胚芽レクチン、ヘリック
スプロマチアレクチン、レンズ豆レクチン、モノマー性
アビジン、5′−アデニンモノホスフェート、又は
2′,5′−アデニンジホスフェート及びリジンのよう
な結合物質との結合相互作用を包含する、可逆的な生化
学的結合親和力の相互作用は、それぞれ、α−メチルマ
ンノシド、N−アセチルグルコサミン、N−アセチル−
α−D−ガラクトサミン、メチル−α−D−マンノシド
又はメチル−α−D−グリコシドのような競合リガン
ド、デスチオビオチン、ジアミノビオチン、又は2−イ
ミノビオチン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
もしくはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフ
ェート及びε−アミノカプロン酸のようなビオチン誘導
体により特異的に崩壊する。
その他の可逆的な生化学的結合親和力の相互作用として
は、L−システイン、ジチオールトレイトール、β−メ
ルカプトエタノール又はその他のチオール還元剤により
特異的に崩壊する、例えばチオプロピルの置換基と測定
試薬の間の可逆的共有結合相互作用と同様に、ホルムア
ミドを含有する緩衝液により特異的に崩壊する、ポリウ
リジル酸又はピリアデニン酸と測定試薬との間の可逆的
な生化学的結合親和力が挙げられる。
(多層分析素子) 本発明による測定試薬の可逆的な固定化は、液状試験試
料からの分析対象物の測定のために、測定反応系におい
て1つまたはそれ以上の測定試薬の関与を必要とする、
イムノアッセイ又は非イムノアッセイ試験構成を包含し
た、ほとんどすべての多層試験具に適用することがで
き、そこでは、該測定試薬は、液状試験試料を施す前
の、早期移行及び互いの相互作用が防止されていなけれ
ばならない。多層試験具の組立に使用する種々の層の形
成中に、該測定試薬を組みこむことにより、1つの層を
別の層に積層する前に、各層を乾燥させる必要なしに該
層を互いに積層関係に固定することが可能となる。これ
は、上記のように、従来の多層試験具の製造方法に特に
有利であり、従来の方法では、層に包含させた測定試薬
の可溶化及びそれに続く早期相互作用を防止するため
に、形成された種々の層を積層前に乾燥しなければなら
ない。特有の測定構成に応じて、全部の又は数種の必要
な測定試薬を、本発明による1つ以上の該層に可逆的に
固定化することができる。全部ではない必要な測定試薬
が本発明により可逆的に固定化されている場合、残りの
測定試薬は1つまたはそれ以上の該層中に溶解した状態
で組みこむことができ、又は、当業界で公知の方法によ
り固定化せしめることもできる。しかしながら、数種の
該測定試薬が溶解した状態で組みこまれている場合、該
測定試薬は、液状試験試料を施す前に、その他の測定試
薬と早期に相互作用しないものでなければならないこと
が認められる。
本発明によれば、1つまたはそれ以上の可逆的に固定化
された測定試薬を組みこんだ複数の層は、形成される各
層を乾燥する前に、次々に、上に重なるコーティングを
形成する膜形成剤を用いることにより、又はフィルター
ペーパー、グラスファイバー又は織物状ポリエステルの
ような繊維性マトリックスの層を重ねることによって、
同時に又は連続的に製造することができる。また、複数
の連続層を、カスケードコーターで同時に流延させるこ
とができる。該層又は区域中の測定試薬の可逆的固定化
により、例えば、それに続く隣接層の形成中に使用され
る、前に形成された1つの又は複数の隣接層へ拡散し
て、それらの層での、及び層の間での測定試薬の可溶化
及び早期移行を生ぜしめる溶媒による、該測定試薬の可
溶化が防止される。
多層試験具の1つまたはそれ以上の層に可逆的に固定化
される、特有の測定試薬の性質は、特有の測定構成、即
ち、非イムノアッセイ又はイムノアッセイの構成に依存
する。例えば、測定が液状試験試料中のトランスアミナ
ーゼ検知用のような非イムノアッセイタイプの構成を包
含する場合、トランスアミナーゼ活性の検知に必要な測
定試薬を、本発明による多層試験具に組みことができ
る。代表的には、トランスアミナーゼ活性の検知は、そ
の結果として例えばピルビン酸を生成する、トランスア
ミナーゼ触媒の存在下でのアミノ酸とケト酸との初期反
応、及びそれに続く、液状試験試料中のトランスアミナ
ーゼの量に相互に関連する適切な基質及び指示薬システ
ムを用いた、トランスアミナーゼ活性の測定を包含す
る。そのような反応条件下では、遊離アミノ基及び/又
は遊離アミノ基を含有する試薬からケト酸を単離して、
液状試料を試験具に施す前にケト酸の早期相互作用を防
止することが必要である。したがって、ケト酸は本発明
による試薬層に可逆的に固定化され、残りの測定試薬は
該試験具のそれに続く層に組みこまれる。
同様に、イムノアッセイのような特異的結合測定を行な
うのに必要な測定試薬は、本発明による多層試験具の種
々の層に組むこむことができる。特異的結合測定法で
の、液状試験媒体からの分析対象物の測定は、代表的に
は、分析対象物、可逆的に固定化された標識試薬と、分
析対象物の結合相手又は分析対象物もしくはその結合類
縁体との間の結合を必要とする。標識試薬は、それぞ
れ、今までに述べてきたような検知可能な化学的又は物
理的性質を有する、検知可能な化学基で標識された固定
化試薬の性質に応じて、分析対象物もしくはその結合類
縁体、又は、分析対象物の結合相手からなる。相互に作
用するイムノアッセイ試薬を包含するような反応条件下
では、液状試験試料を該試験具に施す以前の、標識試薬
と、該標識試薬に関する適切な検知システム試薬との早
期相互作用を防止することが必要である。したがって、
以下に更に詳細に述べるように、標識試薬は本発明によ
る試薬層に可逆的に固定化することができ、また、検知
システム試薬は該試験具のそれに続く層に組みこむこと
ができる。
第2の試薬、又は、同様に第1の試薬と相互作用して、
検知可能な信号を発生させるその他の測定試薬は、当業
界で公知の方法により、固定化された状態で、検知層へ
組みこまれることが好ましい。今まで述べてきたよう
な、本発明による可逆的に固定化された第1の試薬とは
異なり、該固定化測定試薬は可溶化されない、あるいは
液状試験媒体又はその他の液状試薬と接触しても該層か
ら除去されない。したがって、該測定試薬の固定化によ
り、固定化しない場合には、試薬の早期移行の結果、測
定試薬の早期相互作用及び/又はそれに続く妨害的、非
特異的信号の発生及び検知につながる、試験具の隣接層
及びそれに続く層への試薬の早期移行が防止される。
特に、測定反応又は相互作用が、今まで述べてきた検知
可能な化学的性質を有する化学基からなる、酵素のよう
な、標識試薬を包含する場合、検知層に組みこまれた、
例えば、酵素と、酵素の基質のような第2の試薬との相
互作用により、標識試薬の標識及び第2の試薬の性質に
応じて、独自に検知可能な信号を発するか、又は検知可
能な信号を発するために1つ又は複数の物質とさらに相
互作用することを必要とする、反応生成物が発生する。
反応生成物は、標識試薬と第2の試薬の固定化の結果と
して独自に固定化されていてもよく、又は反応生成物に
対して結合親和力を有する、検知層の固定化された結合
剤によって固定化できる可溶性の状態で、生ぜしめられ
てもよいことが認められる。そのような固定化された結
合剤は、反応生成物が今まで述べてきたような検知可能
な信号を独自に発生させない場合、反応生成物と相互作
用して検知可能な信号を発生させるのに必要な固定化さ
れた物質であってもよい。
同様に、標識試薬が、今まで述べたような検知可能な物
理的性質を有する化学基からなる場合、該標識試薬はさ
らに、標識試薬の結合部位のための結合物質、又は結合
対象物からなる第2の試薬との結合部位を含んでもよ
い。したがって検知層中の固定化のための適切な結合性
物質の選択は必ず結合性物質によるそのような結合部位
に対する選択的認識力によって決定される。例えば、標
識試薬は、結合性物質と特異的な結合対を形成するリガ
ンド部分を含む。特に、リガンド部分と結合性物質の好
ましい、代表的な結合対としてはハプテン類とかかるハ
プテン類に対する抗体若しくはそれらのフラグメント;
ビオチンとアビジン;炭水化物とレクチン;プロテイン
Aのための完全な結合部位を有する抗体若しくはそれら
のフラグメントとプロテインA等のような結合対が挙げ
られる。さらに、結合対としては相補的一重鎖オリゴヌ
クレオチド配列;エフェクター分子と受容体の対;補欠
分子族とアポ蛋白質;酵素補因子と酵素;高分子酸と塩
基:染料と蛋白質結合剤;ペプチドと特異的蛋白質結合
剤(例えばリボヌクレアーゼ、S−ペプチド及びリボヌ
クレアーゼS蛋白質);酵素阻害物質(可逆性及び不可
逆性)と酵素等が挙げられる。
さらに、標識試薬は、検知層内に固定化される結合性物
質として作用する、イオン交換材料のような、標識試薬
のための吸着材と結合せしめることにより選択的に固定
化される。言うまでもなく、標識試薬上の結合部位及び
結合性物質が相互の結合に関して選択性を有し、かつ試
験系中の他の試薬と実質的に非特異的結合しないなら
ば、その他の材料も第1の又は標識試薬の結合性物質と
して用いてもよい。
一般に、該多層試験具は、(i)本発明による可逆的に固
定化された標識試薬を組みこんだ試薬層、(ii)分析対象
物に対する抗体のような、分析対象物の結合相手の固定
化体、又は不溶化体を組みこんだ、標識試薬が分析対象
物もしくはその結合類縁体の標識体、又は、標識試薬が
分析対象物の結合相手の標識体からなる分析対象物もし
くはその結合類縁体の固定化体もしくは不溶化体からな
る、反応層、及び(iii)その中に移行する、分析対象物
が結合した標識試薬をすべて受容し測定する検知層から
なる。
本発明によれば、試薬層の、可逆的に固定化された標識
試薬は、液状試験試料を試験具に施す前は不動性のまま
であり、その液状試験試料は、今まで述べてきたよう
な、標識試薬と試薬層のマトリックスの間の、可逆的結
合相互作用を崩壊するのに必要な相互作用性を有するこ
とが認められる。したがって、液状試験試料を試験具に
施すと、液状試験試料は、試薬層に拡散して、標識試薬
と試薬層のマトリックスと相互作用し、また、それらの
間の結合相互作用を崩壊し、それによって試薬層内に分
析上有効な量の自由な拡散性の標識試薬を放出する。同
時に、液状試験試料からの分析対象物は、標識試薬と混
合され、混合物はひき続き試薬層から反応層へ、及び反
応層を通って、標識試薬の標識が検知され、液状試験試
料中の分析対象物の量と関連づけられる、検知層へ移行
する。
当業界で公知の種々の方法が、本発明の試験具の反応層
又は検知層におけるような、可逆的に固定化された試薬
以外の試薬の、永久的な固定化に利用できる。非共有的
関係を利用するその他の手段と同様に、試薬の共有結合
による固定化が利用される。試薬の固定化は、例えば、
紙中のセルロース等の試験具の担体マトリックス中に、
あるいは、薄膜状のゼラチン又はアガロース中に直接包
含せしめることにより達成することができる。あるいは
また、試薬は、ポリマー担体に結合せしめ、それを次に
試験具のマトリックス中い包含せしめることが可能であ
るが、該ポリマーは結合用及び検出用の層間での有意な
拡散が防止されるに足る大きさである。例えばゼラチン
においては、分子量10,000より大きなポリマーが
示すゼラチンマトリックスへの拡散は無視することがで
きる。試薬はポリスチレンマイクロビーズのような極め
て小さい粒子に直接又はポリマー主鎖を介して結合され
てもよく、このマイクロビーズは次に試験具のマトリッ
クスに包含せしめる。そのような粒子は、ある粒径の範
囲で容易に入手可能であり、ポリスチレン、微晶質セル
ロース、架橋デキストラン及び架橋アガロース等があ
る。試薬を担体上に結合するのに、当業界で公知の広範
囲の化学技術を用いることができる。
以下に、より詳細に説明するように、反射層及び放射線
遮蔽剤を除く、本発明の種々の区域すなわち層及び支持
体は、殆んどの場合放射線透過性のものである。かかる
区域すなわち層及び支持体は可視光、蛍光又はルミネセ
ンスの発光を有効に通過せしめる。特定の放射線透過性
材料は、該材料が包含される素子に用いるために選ばれ
る特定の放射線に応じて選ばれる。
標識によって発せられる信号の検知は分光光度計のよう
な適切な器具、即ち、反射光度計、蛍光光度計又はルミ
ネセンス光度計を用いることにより達成される。例えば
検知が吸収若しくは蛍光に基く場合は、かかる器具から
のエネルギービームは試薬層に向けられてこれを透過す
るか又は反応層に向けられてこれを透過するか又は検知
層が具備されている場合、検知層に向けられてこれを透
過する。一方、検知がルミネセンスに基く場合は、エネ
ルギー源を必要とせずにそのようなルミネセンスを検知
する適切な器具が用いられる。
本発明の多層試験具の種々の層は、それ自体が支持体で
あってもよいが、そのような層を支持部材上にコーティ
ングするか、さもなければその上に位置せしめることが
好ましい。支持部材は、光又は他のエネルギーに対して
不透明、反射性又は透明である。種々の層に選ばれる支
持部材は意図された信号検知の態様と両立可能なもので
ある。例えば、試験具の化学反応により、気体検知電極
によって検出される気体状生成物が発生する場合は、支
持部材は、そのような電極と流体接触する液状浸透性の
層である。好ましい支持部材としては、約200nm〜約
90nmの間の領域内の波長の電磁放射線を通すことの可
能な透明な支持体材料がある。支持体は、勿論、200
〜900nmの全領域にわたって透過性である必要はない
が、分析結果の支持体を介しての蛍光測定による検出に
とっては、支持体はより広い領域にわたって透過性であ
ること、あるいは、検出用に用いられる蛍光物質の励起
スペクトル及び発光スペクトルで透過性であることが望
ましい。また、狭い波長帯において透過性で、透過率を
隣接する波長に縮小した支持体を有することが望まし
い。このことは、例えば、支持体に適当な吸収特性を有
する1つ以上の着色剤を含浸せしめるか又は被覆するこ
とによって達成することができる。
放射線透過性又透明な支持部材は、光のようなエネルギ
ーのビームがそこを通過することを可能にする。該ビー
ムは、以下に詳細に述べるように、次の放射線遮蔽層等
から反射して、機器の検知用構成部分に還るか、又は試
験具を通って機器の検知用構成部分へ透過する。不透明
又は反射性の支持部材を利用する場合、エネルギーのビ
ームを試験具の種々の層に向け、反射層によって反射さ
せ、機器の検知用構成部分へ還る。
例えば、ここで図面を参照すると、第1図は、酵素で標
識された抗分析対象物の抗体からなる、可逆的に固定化
された標識試薬を組みこんだ試薬層、分析対象物又はそ
の類縁体の固定化体を組みこんだ反応層、及び該酵素の
基質の固定化体を組みこんだ検知層が、すべて反射性支
持部材上に設置せしめられ、又は他の方法で配置せしめ
られる多層イムノアッセイ試験具を示す。今まで述べて
きたような、検知層の基質の固定化体と同様に、反応層
の分析対象物の固定化体は、可溶化されない、又は反応
層内に拡散する液状試験試料と接触しても、それら各層
から除去されないことが認められる。
液状試験試料を試薬層に施すと、試験試料は試薬層へ拡
散し、標識試薬と試薬層のマトリックスとの間の、可逆
的結合相互作用を崩壊させ、そこでは、試験試料からの
分析対象標識が標識試薬の分析対象物に対する抗体と結
合し、それによって生成された分析対象標識抗体の複合
体が遊離して、反応層へ及び反応層を通って検知層へ移
行する。試験試料からの分析対象物と結合しない標識試
薬は、反応層の固定化試薬と結合することにより、固定
化される。検知層に移行する分析対象物−標識抗体複合
体の酵素は、基質と反応して、好ましくは検知層に閉じ
込められたままで検知可能な生成物、例えば蛍光物又は
発光物を発生させる。
所望の酵素−基質反応を測定するために、試薬層、反応
層及び検知層のそれぞれを通してエネルギーのビームを
当てると、次にビームは反射性支持部材により反射し
て、機器の検知用構成部分に還る。種々の層を通過して
支持部材により反射されるビームの性質は、検知層内の
生成物の量に影響され、そこでは、ビームの検知可能な
変化が試験媒体中の分析対象物の量と相互に関連してい
る。検知可能な信号は、酵素−基質反応でのみ発生する
ので、検知可能な物理的性質を有する化学基を利用する
場合のような、妨害信号がないため、放射線遮蔽層等が
必要ないことが認められる。この点においては、エネル
ギーのビームは酵素−基質反応の反応生成物によっての
み影響される。
逆に、結合相手が検知可能な物理的性質を有する化学基
で標識される場合、反応層に固定化された分析対象物に
よって、結合する過剰の標識されたすべての結合相手に
よって発生する、信号の検知を防止する試験具を用意す
ることが必要である。そのような試験具は第2図に示さ
れており、染料で標識された、可逆的に固定化された結
合相手、即ち抗分析対象物の抗体、を組みこんだ試薬
層、分析対象物又はその類縁体の固定化体を組みこんだ
反応層、及び試薬層から検知層へ移行する、分析対象物
と結合した、標識された結合相手の信号を局所化する、
染色複合体のバインダーの固定化体を組みこんだ検知層
を含む。種々の層は、それらの層を通してエネルギーの
ビームを当てる、透明な又は放射線透過性支持部材上
に、設置されているか、又は他の方法で配置されてい
る。試験試料からの分析対象物に結合しない、標識され
た結合相手は、いずれも反応層で固定化されるので、そ
こから発生した信号の検知を防止することが必要である
ことが認められる。このことは放射線遮蔽性及び/又は
反射性物質を反応層へ組みこむことにより、又は反応層
と検知層の間に放射線遮蔽性及び/又は反射層を置くこ
とにより達成される。したがって、エネルギー源を放射
線透過性支持部材を通して検知層へ当てた時、エネルギ
ーは吸収されるか、又は放射線遮蔽性物質又は層によ
り、検知層及び支持部材を通して反射させるため、反応
層の固定化され標識された結合相手ではなく検知層に存
在する標識に影響される。
反射層は、場合によっては、反射放射線測定法、例えば
反射測光法、蛍光分析、又は同様の技術による信号の検
知を容易にする程度に、検知する放射線に対して吸光性
であってもよい。該層を反応層と検知層との間に組み込
むことにより、それらの層の間に該非透過性反射層を組
み込んだ結果、固定化されているが結合していない反応
層の標識結合相手により発生した妨害信号がなく、検知
層での分析対象物は結合した標識結合相手から発生した
信号はいずれも検知される。このようにして、各層で発
生した信号は検知され、測定されて液状試験媒体中の分
析対象物の量と関連づけられる。
あるいは、反応層に包含せしめる放射線遮蔽剤を利用す
ることが望ましい。二酸化チタン、硫酸バリウム、又は
酸化亜鉛のような反射性顔料をこの目的に用いることが
できる。ブラッシュポリマーも、単独に用いるか又は反
射性顔料に包含せしめて、反射性又は他の特性を高めて
もよい。そのような放射線遮蔽層及び放射線遮蔽剤は当
業界公知であり、米国特許第4,042,335号及び
米国特許第4,255,384号に記載のものが挙げら
れる。
標識試薬において、発蛍光団が標識として用いられる時
は、検知可能な信号は、どちらか一方を消光現象を利用
して検知システムから隠すことができ、放射線遮蔽層又
は放射線遮蔽材料の必要がない。信号が遮蔽されるべき
層すなわち区域、例えば検出層で測定する時の試薬層に
は、媒体の極性における変化又は例えば沃素のような重
い原子の消光基の包含の結果として効果的に標識の蛍光
を消光する固定化物質を包含せしめることができる。
ここで第3図を参照すると、第3図は、可逆的に固定化
された染料標識分析対象物の複合体を組みこんだ試薬
層、抗分析対象物の抗体の固定化体を組みこんだ反応
層、反射層及びそこに移行した染料標識分析対象物の複
合体を受容し測定するためのものであり、また必要に応
じて染料複合体のバインダーの固定化体を組みこんでも
よい検知層を、それぞれ透過性支持部材上に設置し、又
は他の方法で配置させてなる多層試験具を示す。分析対
象物を含む液状試験試料を試薬層に施すと、液状試験試
料が試薬及び反応層へ、同様に検知層へ拡散し、標識複
合体及び試薬層のマトリックスとの可逆的結合相互作用
と相互に作用して、それを崩壊させることにより、試験
具内の分析上有効な量の標識複合体を拡散性にする。
この特定のイムノアッセイ構成によれば、試験試料から
の分析対象物は、反応層に固定化された抗分析対象物の
抗体に結合するために試薬層から放出された、染料−標
識分析対象物の複合体と競合する。固定化された抗分析
対象物の抗体に結合する試験試料からの分析対象物、又
は染料−標識分析対象物の複合体は、いずれも、反応層
からさらに移行することが防止され、また逆に、そのよ
うに結合しない場合には、検知層へ移行する。検知層へ
移行する、複合体の標識は、検知され、試験試料中の分
析対象物の量と関連づけられる。染料複合体のバインダ
ーが、必要に応じて検知層に固定化される場合、染料複
合体はバインダーに結合し、それによってその中の染料
複合体により発生した信号を局所化することが認められ
る。
その他のイムノアッセイ構成としては、米国特許第4,
493,890号に記載され、本発明の譲受人に譲渡さ
れているもののような、イムノアッセイシステムにおい
てフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)と標識さ
れた分析対象物との複合体を使用する分析対象物の検知
であって、該複合体が、第4図に示されるように多層試
験具に組み込まれているもの、及び、イムノアッセイシ
ステムにおいて、発光性分析対象物の複合体を第5図に
示されるように、多層試験具に組み込んで使用する、分
析対象物の検知が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
特に、第4図の多層試験具は、可逆的に固定化されたF
AD標識分析対象物の複合体を組みこんだ試薬層、場合
によって検知層で発生した信号を強化するための反射
層、分析対象物に対する可逆的に固定化された抗体を組
みこんだ反応層、及びアポグルコースオキシダーゼ、ペ
ルオキシダーゼ、グルコース及びペルオキシダーゼの存
在下で、過酸化水素に発色性応答を示す指示薬組成物を
はじめとする検知試薬を組みこんだ検知層からなる。試
験試料を添加し、その結果としてFAD−分析対象物の
複合体を放出すると、混合物は反応層へ移行し、そこで
分析対象物と標識分析対象物は抗体と結合するために競
合する。結合しないFAD−分析対象物の複合体は、続
いて検知層に移行し、そこでは該複合体のFAD部分が
アポグルコースオキシダーゼを活性化する。得られたグ
ルコースオキシダーゼはグルコースに作用して、試料中
の分析対象物の濃度に比例する指示薬組成物の発色性応
答を引き起こす過酸化水素を生ぜしめる。
第5図は多層試験具は、発色性基質材料で標識された分
析対象物のような、可逆的に固定化された発色性分析対
象物の複合体を組みこんだ試薬層、場合によって、検知
層で発生した信号を強化するための反射層、分析対象物
に対する可逆的に固定化された抗体を組みこんだ反応
層、及び該基質に作用して色素原を放出する酵素の固定
化体を組みこんだ検知層を、透過性支持部材上に備え付
けあるいは位置させてなる。ここでまた、試験試料を施
すと、放出された標識複合体が試験試料からの分析対象
物と混合され、反応層に移行し、そこで抗体に結合する
ために競合する。反応層で抗体に結合しない標識試薬は
続いて検知層に移行し、そこで酵素に作用されて試料中
の分析対象物の濃度に比例する発色性の信号を発色させ
る。
本発明の多層分析試験具の種々の層は、上に説明した層
及び配置に限定されるものではないことは理解されるべ
きである。多層試験具と共に用い、そのような試験具の
性能を高め、及び/又は調節する追加の層は、すでに開
示されており当業界で公知である。例えば、試薬層のす
ぐ上にそれに隣接して位置せしめられる展開(spreadin
g)区域又は層を具備せしめてよい。展開層は、施した
液状試験試料を測定し、下にある試薬区域に等しく分布
せしめる。そのような展開区域又は層は、当業界で公知
であり、米国特許第3,992,158号及び第4,4
27,632号に記載されているものがある。
試験具は、また、種々の層の間に、接着性の又は下塗り
の層として機能して層間の接着を容易にし、さらに、層
の固体支持部材への接着を容易にする中間区域又は層を
具備することができる。中間の区域又は層は、例えば、
分析対象物の中のあるものの検出をさまたげる妨害物質
を除くための試薬を含有するものを用いてもよく、ある
いはまた、生成物検出時の妨害を防ぐために試験具の区
域又は層を隠蔽する放射線遮蔽区域又は層であってもよ
い。全血中の赤血球のような試験試料中にある種々の妨
害物質の存在を隠蔽するそのような放射線遮蔽層を用い
ることもできる。また、試薬区域からの検知可能な物質
を隠蔽する、又はその検知を困難にする展開層への検知
可能な物質の望ましくは逆移行を抑制又は防止する、米
国特許第4,166,093号に記載されているような
中間区域又は中間層も用いることができる。
本発明の試験具は、特にクロマトグラフィー分析に適
合した配置に組み立てた、試薬区域、検出区域等を有す
る多区域試験具であってもよい。そのような試験具は、
液状試験媒体中に浸漬される吸収性区域を具備し、その
場合、該試験媒体は上向きに拡散して種々の区域に入
る。
その様な多区域試験具の区域は、液状試験媒体中に浸漬
されるか又は短時間浸漬されるのに適合したプラスチッ
ク製の支持部材上に取り付けられた試薬パッドの形態で
あってもよい。区域を形成する試薬パッドは、支持部材
上に端部から端部へという関係で位置せしめられ、それ
らの端部は互いに流体接触(流体が流れるような接触状
態)下にある。特に、このような試薬パッドは、それぞ
れをその上に位置せしめた、最下層の液状試験媒体吸収
性パッド又は区域、試薬及び反応パッド又は区域と、反
応区域上に位置せしめた検知パッド又は区域を具備す
る。
上記の試薬区域、反応区域及び検知区域には、既に説明
した多層試験具の種々の試薬を包含せしめてあり、それ
らの機能と同様の機能を遂行することは評価されるべき
である。しかし、この態様においては、液状試験媒体の
試料を試験具に施す代わりに、多区域試験具の最下層の
吸収性パッドが液状試験媒体中に浸漬される。このよう
にして、吸収性パッドは試験媒体を吸収し試薬区域、反
応区域及び検知区域にそれぞれ上向きに拡散せしめる燈
芯として機能する。米国特許第4,301,139号及
び第4,361,537号に記載され、展開液の使用を
必要とする配置の試験具も、本発明に適合させることが
できる。
ここで本発明を次の実施例により説明するが、本発明は
これによって限定されるものではない。
実施例 陰イオン試薬層マトリックスの陽イオン染料で標識され
た分析対象物の可逆的固定化 (a)陽イオン染料で標識された分析対象物複合体 無水ジメチルアセトアミド(米国、ウィスコンシン州、
ミルウォーキーのAldrich Chemical Co.製)5m、及
び、トリエチルアミン(米国、ウィスコンシン州、ミル
ウォーキーのAldrich Chemical Co.製)15μ中に溶
解した8−[カルボキシプロピル−(ビス−N,N−3
−アミノプロピルピペラジン)]−テオフィリントリヒ
ドロクロリドの水和物24.2mg(54μmol)の溶液
を、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(米
国、オハイオ州、クリーブランドのResearch Organics
社製)24mg(54μmol)との反応混合物として、一
晩室温で撹拌した。反応の進行を、95:5(容量/容
量)のメタノール及びトリエチルアミンの混合物で展開
させた薄層クロマトグラフィーシリカゲル板上で監視し
た。24時間後、ロータリーエバポレーター上で反応混
合物の溶媒を除去して反応を終了させ、ローダミンの複
合体生成物(テトラメチルローダミンイソチオシアナト
−8−[カルボキシプロピル−(ビス−N,N−3−ア
ミノプロピルピペラジン)]テオフィリン)を、メタノ
ールで平衡化したメルク(Merck)シリカゲル、グレー
ド60、230−400メッシュ、60Å(米国、ウィ
スコンシン州、ミルウォーキーのAldrich Chemical Co.
製)の2.5×30cmのカラム上でフラッシュクロマト
グラフィーにより単離した。該カラムをまず1000m
のメタノールで、次に95:5(容量/容量)のメタ
ノール−トリエチルアミン混合物1000m、及び、
補集されたローダミンの複合体生成物で溶離した。
(b)陰イオン試薬層のマトリックス カルボキシメチルセルロース(ホワトッマン(Whatma
n)CM−52、米国、ニュージャージー州、クリフト
ンのWhatman,Inc.製)の微粒状体(30−60μ)を
0.2M酢酸中で洗浄し、次に脱イオン水中で洗浄し
た。工程(a)からの1.0mMローダミン複合体を、
等容量の脱イオン水中で洗浄したカルボキシメチルセル
ロースの50%スラリーに添加し、5分間室温で温置し
た。ローダミン複合体溶液を脱イオン水で洗浄し、0.
2%アガロース(IEFグレード、米国、ニュージャー
ジー州、ピスキャタウェイのPharmacia,Inc.製)及び
0.1%トライトン(TRITON )X−100(米国、モ
ンタナ州、セントルイスのSigma Chemical Co.製)の約
3倍の容量の溶液に、湿潤塊状で添加し、50℃で約3
0秒スラリー状で混合した。
(c)多層試験具 透明な支持体部材(トリサイト(Trycite )、米国、
ミシガン州、ミッドランドのDow Chemical Co.製)を使
用し、その上に厚さ300μmの湿潤層にした10%ゼ
ラチン(米国、イリノイ州、マクゴーパークのAmerican
Scientific Company製)及び0.1%トライトンX−
100の検知層、厚さ60μmの湿潤層にした10%ゼ
ラチンと0.1%トライトンX−100に拡散せしめた
30%二酸化チタン(米国、ニュージャージー州、フィ
リップスバーグのJ.T.Baker Chemical Co.製)の反射
層、厚さ100μmの湿潤層にした5%ゼラチン 0.
5%カルゴン(Calgon)(米国、ペンシルバニア州、ピ
ッツバーグのCalgon Corp.製)、0.016%スルホン
酸ドデシルベンゼンナトリウム(米国、ウィスコンシン
州、ミルウォーキーのAldrich Chemical Co.製)及び
0.1%トライトンX−100の第2の上層、厚さ20
milの湿潤層にした1.0%アガロース及び0.1%ト
ライトンX−100の第1の上層、及び第1の上層の上
に厚さ20milの湿潤層にした工程(b)からのローダ
ミン複合体のスラリーをそれぞれ形成して、多層試験具
を製造する。その後、試験具を完全に乾燥するまで(約
30分)冷却した空気気流下で乾燥した。乾燥時に、ロ
ーダミン複合体の桃色の着色が試験具の試薬層から目視
されたが、桃色の着色は試験具の検知層からは全く目視
されず、ローダミン複合体が湿潤積層及び乾燥工程の間
試薬層に可逆的に固定化された状態を維持したことを示
した。
(d)試験具の操作 リン酸塩で緩衝された食塩水(pH7.5)の液状試験媒
体溶液の試料50μを、試薬層のマトリックスに施
し、ローダミン複合体とマトリックスの間のイオン結合
相互作用を崩壊させて、ローダミン複合体を試薬層内に
放出せしめ拡散性にした。次にローダミン複合体を隣接
層へ拡散及び移行させ、また隣接層を通じて検知層へ移
行させ、そこでは、ローダミン複合体のローダミン標識
によって発生した光学的な信号(桃色の着色)が明白に
目視された。反応終了(約60秒)後、桃色の着色は試
験具の試薬層からは全く目視されず、検知層への実質的
にすべてのローダミン複合体の放出及びそれに続く拡散
が行なわれたことを示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、測定試薬の1つとして酵素標識抗体を包含す
るイムノアッセイを行なうための、本発明による可逆的
に固定化された測定試薬を組みこんだ多層試験具の断面
図である。 第2図は、測定試薬の1つとして染料標識抗体を包含す
るイムノアッセイを行なうための、本発明による可逆的
に固定化された測定試薬を組みこんだ多層試験具の断面
図である。 第3図は、測定試薬の1つとして染料で標識された分析
対象物を包含する、分析対象物検知用のイムノアッセイ
を行なうための、本発明による可逆的に固定化された測
定試薬を組みこんだ多層試験具の断面図である。 第4図は、測定試薬の1つとしてFADで標識された分
析対象物を包含する、分析対象物検知用のイムノアッセ
イを行なうための、本発明による可逆的に固定化された
測定試薬を組みこんだ多層試験具の断面図である。 第5図は、測定試薬の1つとして発色性物質材料で標識
された分析対象物を包含する、分析対象物検知用のイム
ノアッセイを行なうための、本発明による可逆的に固定
化された測定試薬を組みこんだ多層試験具の断面図であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イムノアッセイによる液状試験媒体中の抗
    原又はハプテン分析対象物測定用の多区域試験具であっ
    て、流体が流通するような接触状態で: (a)イオン交換材料からなるマトリックス、ならびに
    該マトリックスに該試験媒体が接触することにより十分
    に崩壊されて、該試験媒体中の分析対象物の存在又は量
    に依存せずに分析上有効な量の標識試薬を放出させ拡散
    性とするような、標識試薬とイオン交換材料との結合相
    互作用によって、イオン交換材料に可逆的に固定化され
    た、 (i)分析対象物又はその結合類縁体の標識試薬、又は (ii)分析対象物の結合相手の検知可能な化学基で標識さ
    れた抗体 を含む、固体の多孔質マトリックスからなる試薬区域 (b)分析対象物と標識試薬の両方と相互作用して、標
    識試薬を結合して固定化する一方、液状試験媒体中の分
    析対象物の量の関数としてある量の標識試薬を拡散性の
    まま残すための、 (i)(a)の標識試薬が(i)ならば、分析対象物の結合相
    手の抗体、又は (ii)(a)の標識試薬が(ii)ならば、分析対象物又はそ
    の結合類縁体 を固定化形態で含む、固体の多孔質マトリックスからな
    る反応区域、及び (c)反応区域から自由に拡散して来て、液状試験媒体
    中に存在する分析対象物の量により検知可能な信号を与
    える標識試薬を受け取るための、固体の多孔質マトリッ
    クスからなる検知区域 を包含することを特徴とする試験具。
  2. 【請求項2】イオン交換材料が、ジエチルアミノエチル
    セルロース、エピクロロヒドリントリエタノールアミン
    セルロース、臭化トリエチルアミノエチルセルロース及
    びポリエチレンイミンからなる群より選ばれた陰イオン
    交換材料である請求項1記載の試験具。
  3. 【請求項3】イオン交換材料が、カルボキシメチルセル
    ロース、リン酸セルロース及び硫酸デキストランからな
    る群より選ばれた陽イオン交換材料である請求項1記載
    の試験具。
  4. 【請求項4】液状試験媒体が、試薬区域のイオン交換材
    料と標識試薬との間の結合相互作用を崩壊させることが
    できる、希釈されていない生物学的流体からなる請求項
    1記載の試験具。
  5. 【請求項5】液状試験媒体が、試薬区域のイオン交換材
    料と標識試薬との間の結合相互作用を崩壊させることが
    できる、生物学的流体と希釈剤との混合物からなる請求
    項1記載の試験具。
  6. 【請求項6】液状試験媒体が、全血、血清、血漿、羊
    水、脳脊髄液又は尿である請求項1記載の試験具。
  7. 【請求項7】標識試薬が、検知区域において検知可能な
    物理的特性を有する化学基を含む請求項1記載の試験
    具。
  8. 【請求項8】検知可能な化学基が、蛍光体又は発色団で
    ある請求項7記載の試験具。
  9. 【請求項9】検知可能な化学基が、酵素又は該酵素の基
    質もしくは補因子であり、検知区域がその他方の要素を
    含有する請求項7記載の試験具。
  10. 【請求項10】試薬層から見て検知層の反対側に設置さ
    れた固体の非多孔質支持部材を、さらに有する請求項1
    記載の試験具。
JP62148151A 1986-06-18 1987-06-16 測定試薬を可逆的に固定化した多区域又は多層試験具 Expired - Lifetime JPH0625766B2 (ja)

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