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JPH06247951A - アルキレンオキシド製造触媒用担体及びそれを用いた触媒 - Google Patents

アルキレンオキシド製造触媒用担体及びそれを用いた触媒

Info

Publication number
JPH06247951A
JPH06247951A JP5036853A JP3685393A JPH06247951A JP H06247951 A JPH06247951 A JP H06247951A JP 5036853 A JP5036853 A JP 5036853A JP 3685393 A JP3685393 A JP 3685393A JP H06247951 A JPH06247951 A JP H06247951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
alumina
carrier
silver
spinning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5036853A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunobu Komatsubara
克展 小松原
Hiroaki Kezuka
博明 毛塚
Tamio Nishi
多美雄 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining Co Ltd filed Critical Mitsui Mining Co Ltd
Priority to JP5036853A priority Critical patent/JPH06247951A/ja
Publication of JPH06247951A publication Critical patent/JPH06247951A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルケン類の酸化によりアルキレンオキシド
を製造するための効率よい触媒を提供すること。 【構成】 特定のアルミナ原料を使用し、特定のプロセ
スに従って製造したα−アルミナ質担体及びそれに銀そ
の他の触媒活性成分を担持させた触媒。 【効果】 反応抑制剤を使用することなく、速い反応速
度と高い選択率でアルキレンオキシドを製造することが
でき、エチレンオキシド製造工程の著しい簡略化や建設
費の低減が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルキレンオキシド製
造触媒用α−アルミナ質担体、及びその担体に銀並びに
その他の助触媒成分を担持させたアルキレンオキシド製
造用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシドの製造方法として、
触媒の存在下に、エチレン、プロピレン等のアルケンを
分子状酸素と高温で気相接触反応させる方法がある。例
えば、エチレンオキシドは、銀含有触媒の存在下に、エ
チレンを酸化することによって工業的に製造されてい
る。この触媒は、アルミナ等の無機耐熱性多孔質体より
なる担体に、含浸法等により銀を担持させたものである
が、さらに触媒の活性、反応の選択率あるいは触媒寿命
等の向上を目的として、Na、K、Rb、Cs、Reな
どの金属類よりなる助触媒成分を添加した触媒が種々提
案されている(特公昭32−8167号公報、特開昭5
0−74589号公報、特開昭50−90591号公
報、特開昭52−151690号公報、特開昭53−1
191号公報など)。
【0003】これらの触媒には、エチレンオキシドへの
高反応選択性、高耐久性、高い反応活性、触媒充填層に
おける圧力損失が低いことなどの特性が要求されるが、
このような触媒の特性に大きな影響を与える因子の一つ
に、使用する担体の物性がある。エチレンオキシド製造
用触媒の担体には、エチレンオキシドに対し不活性であ
ること、細孔容積の小さいこと(細孔内拡散、滞留時間
を最小にする)、表面積が大きいこと、熱伝導性及び機
械的強度が大きいことなどが要求される。従来、この種
の触媒用担体としては表面積が0.05〜10m2 /g
程度の各種無機耐熱性多孔質体が使用されており(前記
公報類参照)、中でもアランダム等の商品名で市販され
ているα−アルミナが代表的なものである。また、これ
らの担体についてその細孔分布を制御する方法も提案さ
れている(特公昭43−13137号公報、特公昭45
−11217号公報、特公昭45−21373号公報な
ど)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの銀系触媒の中
には、非常に活性が高く、エチレンの転化率の高い(反
応速度の速い)ものも多い。しかしながら、実用化に際
しては転化率のほかにエチレンオキシドへの選択率がコ
スト的に重要であり、工業的には反応ガス中にジクロロ
エタン、塩化ジフェニル等の有機ハロゲン化合物等の反
応抑制剤を添加して転化率を低く抑えながら選択率を8
0%前後に高めた形で操業されているのが実状である。
本発明の目的は、前記触媒類における問題点を解決し、
反応抑制剤を必要とせず、高い転化率(速い反応速度)
と選択率を与える、工業的に有用なアルキレンオキシド
製造用触媒を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オレフィ
ン類の酸化によるアルキレンオキシド類の製造に使用す
る銀系触媒について種々検討の結果、特定の原料を使用
し、特定のプロセスに従って製造した、αーアルミナを
主体とする焼成物を担体とし、銀その他の触媒活性成分
を担持させることにより、触媒活性が高く、反応速度が
速く、しかも高い選択率を示す触媒が得られることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の第1は、
水溶性アルミニウム塩の水溶液とアルミナ粉末を主成分
とし、必要により粘度調整剤及び/又は焼結助剤を添加
して調製したスラリーを、塊を生じさせないように乾燥
させて粒子を形成させ、この粒子を1100〜1600
℃の温度範囲で0.5〜10分間加熱焼成して得られ
る、アルキレンオキシド製造銀系触媒用α−アルミナ質
担体、及びこの担体に、アルカリ金属、アルカリ土類金
属若しくはこれらの化合物から選ばれる1種以上及び銀
を担持させたことを特徴とするアルキレンオキシド製造
用触媒である。また、本発明の第2は、水溶性アルミニ
ウム塩の水溶液とアルミナ粉末を主成分とし、必要によ
り紡糸助剤及び/又は焼結助剤を添加して調製したスラ
リーを紡糸原料とし、口径0.2〜0.5mmの紡糸口
を有する紡糸口金を用いて乾式紡糸し、得られた前駆体
繊維を乾燥後、1100〜1600℃の温度範囲で0.
5〜10分間加熱焼成して得られる、アルキレンオキシ
ド製造銀系触媒用α−アルミナ質担体、及びこの担体
に、アルカリ金属、アルカリ土類金属若しくはこれらの
化合物から選ばれる1種以上及び銀を担持させたことを
特徴とするアルキレンオキシド製造用触媒である。
【0006】本発明のアルキレンオキシド製造銀系触媒
用担体は、特定の原料を特定の調製条件で調製し、特定
の条件下に焼成することによって製造される。以下、本
発明の担体の製造方法について説明する。先ず、水溶性
アルミニウム塩の水溶液中に、スラリーの流動性を向上
させ、取扱性をよくし、かつ焼成時の揮発分を少なくす
るため粒度0.1μm以下のアルミナ粉末を添加し、ス
ラリーを調製する。次いでこのスラリーを塊を生じさせ
ないようにして乾燥させながら、均一な加熱ができ、し
かも短時間で焼成が可能な形状に調製する。調製方法は
特に制限されるものではないが、スラリーを噴霧乾燥し
て顆粒状にする、紡糸して繊維状にする、薄膜状にして
乾燥したのち適当な粒度に粉砕するなど任意の方法をと
ることができる。これらの方法により調製したものの中
で繊維状に成形したものが、あとの焼成工程での均一な
加熱と速やかな焼成が容易で、特に好ましい。
【0007】以下は、繊維状の担体を得る場合について
説明するが、繊維以外の形状をとる場合には、通常、使
用原料の混合割合についての許容範囲は繊維の場合より
大きくてもよい。スラリー中のアルミナ粉末の濃度は、
担体中の全酸化物基準で10〜40重量%相当量とする
のが好ましい。アルミナ粉末の使用量が10重量%未満
ではスラリーの流動性が悪く、紡糸性が悪くなり、また
焼成時の収縮が大きく、さらに紡糸後の前駆体繊維が再
吸湿しやすく、繊維送りローラーへの付着やフィラメン
ト間の融着を起こしやすくなるので好ましくない。一方
アルミナ粉末の使用量が40重量%を超えるとスラリー
の流動性が大きくなり過ぎて曳糸性が乏しくなり、また
前駆体繊維が乾燥し易くなって糸切れを生じ易く、さら
に焼成後の繊維の均質性、緻密性が不良となり好ましく
ない。
【0008】アルミナ粉末の粒子径は、紡糸性あるいは
焼成後の担体中の結晶粒をできるだけ微細でかつ均一緻
密にする観点からできるだけ小さいものが好ましい。水
溶性アルミニウム塩の水溶液は、該塩を30重量%以上
溶解しているものが好ましい。ここで使用する水溶性ア
ルミニウム塩の例としては塩基性塩化アルミニウム、塩
基性硝酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩基
性アルミニウムクロロアセテートなどがあげられる。必
要により、このスラリー中に粘度調整剤あるいは紡糸助
剤としてポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシド等の水溶性有機高分子化合
物等を、担体の全酸化物量基準で10重量%相当量以下
の範囲で添加してもよい。さらに、アルミナ質担体の強
度を向上させるため、担体の全酸化物量基準で3重量%
相当量以下のCuO、MgO、ZrO2 、PbO、Cr
2 3 、Fe2 3 等の酸化物よりなる焼結助剤を添加
することができる。
【0009】次に、このようにして調製されたスラリー
を紡糸して前駆体繊維とする。紡糸は通常、口径0.2
〜0.5mmの紡糸口を有する紡糸口金を用いて乾式紡
糸する。得られた前駆体繊維を乾燥後、1100〜16
00℃の温度範囲で0.5〜10分間加熱して焼成する
ことによって、α−アルミナ質繊維を得ることができ
る。焼成は1段で行ってもよいが、先ず750〜100
0℃の範囲で0.3〜6分間加熱して仮焼し、次いで1
100〜1600℃に加熱して焼成するのが好ましい。
繊維の径は特に限定されるものではなく、通常の方法で
紡糸が可能な範囲であれば本発明の担体として十分使用
できるが、直径0.1〜50μmの範囲が好ましい。焼
成温度が1100℃未満ではアルミナの結晶がα−型に
ならず、また1600℃を超えると焼結が進み過ぎ、い
ずれの場合もエチレンオキシドへの選択性が低下するの
で好ましくない。この焼成工程は、繊維が連続繊維の場
合には、紡糸から焼結までを連続で行ってもよく、また
前駆体繊維の段階で一旦ボビンに巻き取った形で保存
し、必要の都度、焼成工程に供給することができる。ま
た、短繊維の形で得られた前駆体繊維は、適当な容器に
入れるか、ベルト上に載置した状態で焼成工程に供すれ
ばよい。
【0010】このようにして得られたα−アルミナ質繊
維は、アルキレンオキシド製造触媒用担体として好適な
性能を有している。これを適当な長さに切断し、担体と
して使用する。必要により適当なバインダー成分を添加
して成形した形で使用することもできる。繊維の長さ
は、使用条件によって適当に定めればよいが、通常は1
0μm〜5mm程度の範囲が好適である。また、長繊維
のままで、シート状、スリーブ状など任意の形状に編組
みして使用することもできる。
【0011】本発明で使用する触媒担体の他の製造方法
として、水溶性アルミニウム塩の水溶液中にアルミナ粉
末を分散させたスラリーを噴霧乾燥して顆粒状にした
り、薄膜状にして乾燥したのち適当な粒度に粉砕して得
られた粒径0.05〜1.2mm程度の粒子を、適当な
容器に入れて加熱するか、加熱炉中を気流搬送させるな
どの方法によって加熱焼成し、必要により適当なバイン
ダー成分を添加して成形することによって、α−アルミ
ナ質の担体を得ることができる。この場合の好ましい焼
成条件は、1100〜1600℃の範囲で0.5〜10
分間である。また、焼成によりα−アルミナ化したあと
はできるだけ速やかに冷却するのが好ましい。加熱条件
がこの範囲を外れるとエチレンオキシドへの選択性が低
下する。
【0012】得られる担体中のアルミナ含有量は85重
量%以上、さらに好ましくは95重量%以上であること
が望ましく、また、結晶形はα−アルミナ主体であるこ
とが必要である。アルミナ含有率が85重量%未満で
は、ムライトなどα−アルミナ以外の物質を生じやすく
なるので好ましくない。
【0013】このようにして製造したα−アルミナ質担
体は、アルキレンオキシド製造銀系触媒の担体として極
めて優れた性能を有している。すなわち、この担体に主
触媒活性成分である銀、及び助触媒成分としてのNa、
K、Rb、Cs、Reなどの金属若しくはそれらの化合
物を担持させた触媒は、各種アルケン類を分子状酸素と
の接触反応により酸化してアルキレンオキシドを製造す
る反応の触媒として極めて優れた性能を有しており、こ
の触媒を使用することにより速い生成速度で選択率よく
アルキレンオキシドを製造することができる。金属類の
担持は、従来の触媒製造に用いられているそれ自体公知
の方法で実施すればよい。例えば銀を担持させる方法と
しては、硝酸銀、乳酸銀などの分解性銀塩の溶液を含浸
させた担体を加熱し、分解性銀塩を分解あるいは還元し
て銀を析出させる方法、還元性雰囲気中で還元分解して
銀を析出させる方法などが使用できる。これらの触媒の
中でも、α−アルミナ質担体にアルカリ金属、アルカリ
土類金属若しくはこれらの化合物から選ばれる1種以上
(以下アルカリ金属類と略称する)及び銀を担持させて
触媒が特に優れた性能を示す。
【0014】アルカリ金属類を担持させる方法として
は、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の炭酸塩、
硝酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩などの溶液を担体に含浸さ
せ、加熱する方法が一般的である。アルカリ金属類は、
銀と同時に担持させてもよく、また銀を担持させる前又
はあとに担持させてもよい。銀の担持量は、触媒の全重
量に対し1〜25重量%、好ましくは5〜20重量%の
範囲である。1重量%未満では触媒としての活性が低
く、また25重量%を超えてもそれ以上の効果はなく、
不経済である。アルカリ金属類の担持量は、触媒の全重
量に対し0.005〜0.05重量%が好ましい。アル
カリ金属類の担持量が0.005重量%未満では効果が
少なく、また0.05重量%を超えるとアルキレンオキ
シドの生成速度が低下する。このようにして製造した触
媒は、エチレンを分子状酸素により酸化してエチレンオ
キシドを製造する際の触媒として優れた性能を有してい
る。反応条件は、従来のエチレンオキシドの製造工程で
行われている一般的な条件で実施することができる。す
なわち、エチレン0.5〜40容量%、酸素3〜10容
量%、残りが窒素、炭酸ガス、水蒸気等の不活性ガスよ
りなる混合ガスを反応温度150〜400℃、圧力が常
圧〜40kg/cm2 の条件で反応させればよい。な
お、触媒の製造条件によっては、反応に先立ち、触媒を
アルケン類及び/又は酸素の存在下に、反応温度よりも
高い温度で熱処理することにより、反応の選択率が向上
する場合もある。本発明の触媒は、ジクロロエタン、塩
化ジフェニル等の有機ハロゲン化合物の反応抑制剤を使
用することなく、反応抑制剤を使用する場合と比較して
約2〜5倍という高い生成速度のもとで、エチレンオキ
シドへの選択率を60〜85%に高めることができると
いう特長を有している。
【0015】本発明の触媒がこのように高い転化率のも
とでエチレンオキシドへの高い選択率を示す理由は必ず
しも明らかではないが、水溶性アルミニウム塩の水溶液
中にアルミナ粉末を分散させたスラリーを原料とし、繊
維状、細粒状などの均一かつ加熱効率のよい形状で、短
時間に焼成を行わせることにより、エチレンオキシド製
造用触媒の担体として好適な結晶構造、細孔の大きさや
分布状態等の表面性状を有する焼結体が得られているも
のと考えられる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 担体の製造 塩基性塩化アルミニウムの水溶液(Al2O3 に換算した該
塩の含有率23.5重量%)3000gに平均粒径0.
02μmのγ−アルミナ粉末(Al2O3 純度97重量%以
上)300gを混合し、さらに平均分子量60万〜11
0万のポリエチレンオキシドの5重量%水溶液1800
gを添加しよく混合させた。この混合液を濃縮し25℃
の粘度が6500ポイズとなるように調製した。この混
合液を紡糸原料とし、直径0.5mmの紡糸孔を有する
300ホールノズルより紡糸し、300本のフィラメン
トよりなる前駆体繊維を得た。この前駆体繊維を巻き取
りながら、それぞれ1100〜1400℃、1100〜
1450℃及び1100〜1200℃の温度勾配をつけ
た加熱炉内を滞留時間がそれぞれ1.33分、30分及
び1.33分となるような速度で通過させて焼成した。
得られた繊維はいずれも、繊維径10.5μm、アルミ
ナ純度99.5重量%であり、X線回折の結果全てα−
アルミナであった。このアルミナ繊維を切断、粉砕して
得られた繊維長約0.05〜0.5mmの長さの混合物
をそれぞれ担体A、B及びHとした。また、前記紡糸原
料と同じスラリーを1450℃で3時間焼成後、粉砕し
たものを担体Cとし、0.7〜1.2mm及び0.00
5〜0.05mmに粉砕したアランダム5202(商品
名)をそれぞれ担体D及びEとした。さらに、市販のア
ルミナ繊維(アルミナ純度約95重量%、δ−アルミナ
主体)及び、市販の炭化ケイ素繊維を窒素気流下に60
0℃で10時間加熱し、サイジング剤を除いたものを担
体F及びGとした。
【0017】触媒の製造(その1、触媒A〜H) エチレンジアミン1.30g及びしゅう酸二水和物1.
26gを蒸留水10mリットルに溶解させた。次に酸化
銀2.31gを添加し溶解させた。この溶液中にしゅう
酸カリウムを蒸留水中に溶解させた6mmol/リット
ルの水溶液を、触媒中のカリウム濃度が約120ppm
となるように添加したのち蒸留水を加えて全体を50m
リットルに調製した。この溶液中に、前記のようにして
製造した担体Aを20g添加し、濃縮したのち、窒素気
流中、105℃で1時間、さらに300℃で3時間加熱
処理して触媒Aを得た。触媒AへのAg及びKの担持量
はそれぞれ9.3重量%及び120ppmであった。以
下、担体B〜Hを用いて同様に操作し、Ag及びKの担
持量がそれぞれ9.3±0.2重量%及び120±5p
pmの触媒B〜Hを製造した。
【0018】触媒の製造(その2、触媒I) 触媒中のカリウム濃度が約240ppmとなるようにし
ゅう酸カリウムの量を増加させたほかは触媒Aの場合と
同様に操作し、触媒Iを製造した。 触媒の製造(その3、触媒J) しゅう酸カリウムの水溶液の代わりに水酸化セシウムの
6mmol/リットルの水溶液を、触媒中のセシウム濃
度が約100ppmとなるように添加したのち蒸留水を
加えて全体を50mリットルに調製したほかは触媒Aと
同様に操作し、触媒Jを製造した。
【0019】得られた触媒と使用した担体及び助触媒成
分との関係を表1に示す。
【表1】
【0020】(実施例1〜3及び比較例1〜6)前記の
ようにして製造した触媒A〜G及びI、Jの各2gを、
内径10mmの反応管に充填し、エチレン28.6モル
%、酸素5.7モル%及び窒素65.7モル%の組成の
原料ガスを毎分175mリットルの割合で供給し、常圧
下に所定温度で反応させ、エチレンオキシドの生成速度
及びエチレンオキシドへの選択率を測定した。結果を表
2に示す。
【0021】(比較例7)触媒D10gを、内径10m
mの反応管に充填し、エチレン21.7モル%、酸素
5.2モル%,窒素73.1モル%及びジクロロエタン
5ppmの組成の原料ガスを毎分203mリットルの割
合で供給し、常圧下に所定温度で反応させ、エチレンオ
キシドの生成速度及びエチレンオキシドへの選択率を測
定した。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2の結果から本発明の触媒を使用した実
施例1、2及び3では、ジクロロエタン等の反応抑制剤
を使用することなく高い選択率でエチレンオキシドが得
られていることが分かる。比較例3では、一般にエチレ
ンオキシド製造用触媒の担体として使用されている市販
のα−アルミナを使用した触媒を使用しているが、選択
率が著しく低く、これにジクロロエタンを併用した比較
例7でも、選択率は向上するものの、エチレンオキシド
の生成速度は本発明の触媒を使用したものに比較して遅
くなっている。また、実施例1の触媒に使用した担体
を、本発明の許容範囲を超える長時間焼成したもの、及
びこれと同じ原料を塊状のまま焼成したものは、見かけ
上結晶型等に差はないものの、いずれも選択率が低下し
ている(比較例1及び2)。さらに、触媒Cの担体を、
実施例1及び2で使用した担体に近い粒子径にまで粉砕
して使用した比較例4も比較例3と大差はなく、単なる
形状の違いによるものではないことが分かる。比較例5
及び6は、α−アルミナ以外の繊維状の担体を使用した
ものであるが、いずれも触媒としての性能はよくない。
【0024】(実施例4)2gの触媒Hを、内径10m
mの反応管に充填し、エチレン28.6モル%、酸素
5.7モル%及び窒素65.7モル%の組成の原料ガス
を毎分175mリットルの割合で供給し、常圧下に22
0℃で反応させ、エチレンオキシドの生成速度及びエチ
レンオキシドへの選択率を測定した。結果を表3に示
す。
【0025】
【表3】 表3から、本発明の触媒は、長時間にわたって安定した
高い選択率を示すことがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の触媒を使用して、エチレンを酸
化すると、従来の触媒を使用して反応抑制剤を使用しな
い場合と同等以上の速い反応速度が得られ、しかもエチ
レンオキシドへの選択率は飛躍的に向上する。このよう
に、反応抑制剤を使用することなく速い反応速度と、高
い選択率が得られるエチレンオキシド製造用触媒は従来
知られていない。従来の触媒を使用したプロセスでは、
有機ハロゲン化合物等の反応抑制剤を使用するので、ハ
ロゲン化合物の処理工程を必要としたり、装置の材質と
して耐食性の材料を使用する必要があるが、本発明の触
媒を使用することによってこれらの問題が解消し、エチ
レンオキシド製造工程の著しい簡略化や建設費の低減が
可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性アルミニウム塩の水溶液とアルミ
    ナ粉末を主成分とし、必要により粘度調整剤及び/又は
    焼結助剤を添加して調製したスラリーを、塊を生じさせ
    ないように乾燥させて粒子を形成させ、この粒子を11
    00〜1600℃の温度範囲で0.5〜10分間加熱焼
    成して得られる、アルキレンオキシド製造銀系触媒用α
    −アルミナ質担体。
  2. 【請求項2】 水溶性アルミニウム塩の水溶液とアルミ
    ナ粉末を主成分とし、必要により紡糸助剤及び/又は焼
    結助剤を添加して調製したスラリーを紡糸原料とし、口
    径0.2〜0.5mmの紡糸口を有する紡糸口金を用い
    て乾式紡糸し、得られた前駆体繊維を乾燥後、1100
    〜1600℃の温度範囲で0.5から10分間加熱焼成
    して得られる、アルキレンオキシド製造銀系触媒用α−
    アルミナ質担体。
  3. 【請求項3】 水溶性アルミニウム塩の水溶液とアルミ
    ナ粉末を主成分とし、必要により粘度調整剤及び/又は
    焼結助剤を添加して調製したスラリーを、塊を生じさせ
    ないように乾燥させて粒子を形成させ、この粒子を11
    00〜1600℃の温度範囲で0.5〜10分間加熱焼
    成して得られるα−アルミナ質担体に、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属若しくはこれらの化合物から選ばれる
    1種以上及び銀を担持させたことを特徴とするアルキレ
    ンオキシド製造用触媒。
  4. 【請求項4】 水溶性アルミニウム塩の水溶液とアルミ
    ナ粉末を主成分とし、必要により紡糸助剤及び/又は焼
    結助剤を添加して調製したスラリーを紡糸原料とし、口
    径0.2〜0.5mmの紡糸口を有する紡糸口金を用い
    て乾式紡糸し、得られた前駆体繊維を乾燥後、1100
    〜1600℃の温度範囲で0.5から10分間加熱焼成
    して得られるα−アルミナ質担体に、アルカリ金属、ア
    ルカリ土類金属若しくはこれらの化合物から選ばれる1
    種以上及び銀を担持させたことを特徴とするアルキレン
    オキシド製造用触媒。
  5. 【請求項5】 アルミナ質担体が、アルミナ純度95重
    量%以上で、かつ直径0.1〜50μmのアルミナ繊維
    である請求項2に記載のアルキレンオキシド製造用触
    媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010036104A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Mitsubishi Chemicals Corp エチレンオキシド製造用触媒及びエチレンオキシドの製造方法

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