JPH06242470A - 薄膜二端子素子および該薄膜二端子素子を使用した液晶表示装置 - Google Patents
薄膜二端子素子および該薄膜二端子素子を使用した液晶表示装置Info
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- JPH06242470A JPH06242470A JP4731293A JP4731293A JPH06242470A JP H06242470 A JPH06242470 A JP H06242470A JP 4731293 A JP4731293 A JP 4731293A JP 4731293 A JP4731293 A JP 4731293A JP H06242470 A JPH06242470 A JP H06242470A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、微細加工における信頼性、制御性
を向上させた薄膜二端子素子の提供を目的とする。 【構成】 第一導体(下部電極)と第二導体(上部電
極)の間に絶縁体層を有する薄膜二端子素子において、
前記第一導体と絶縁体層の間あるいは前記絶縁体層と第
二導体の間に、該第一導体の表面の一部あるいは前記絶
縁体層の表面の一部を露出させる開口部を有する、第二
絶縁体層を配置してあることを特徴とする薄膜二端子素
子および該薄膜二端子素子をスイッチング素子として用
いた液晶表示装置。
を向上させた薄膜二端子素子の提供を目的とする。 【構成】 第一導体(下部電極)と第二導体(上部電
極)の間に絶縁体層を有する薄膜二端子素子において、
前記第一導体と絶縁体層の間あるいは前記絶縁体層と第
二導体の間に、該第一導体の表面の一部あるいは前記絶
縁体層の表面の一部を露出させる開口部を有する、第二
絶縁体層を配置してあることを特徴とする薄膜二端子素
子および該薄膜二端子素子をスイッチング素子として用
いた液晶表示装置。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、薄膜二端子素子に関し、詳しく
は、OA機器やTV等のフラットパネルディスプレイ等
に好適に使用しうるスィッチング素子、特に液晶表示装
置のスイッチング素子として有用な薄膜二端子素子と薄
膜二端子素子を有する液晶表示素子に関する。
は、OA機器やTV等のフラットパネルディスプレイ等
に好適に使用しうるスィッチング素子、特に液晶表示装
置のスイッチング素子として有用な薄膜二端子素子と薄
膜二端子素子を有する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来技術】近年、液晶表示素子は薄型軽量で、消費電
力が小さいという特色をもっていることから、ディスプ
レイとしての市場が急速に大きくなっている。特にOA
機器やTVには大面積液晶パネル使用の要望が強く、そ
のため、アクティブ・マトリックス方式では各画素ごと
にスイッチング素子を設け電圧を印加するよう工夫され
ている。前記スイッチング素子の一つとしてMIM素子
が多く使われている。これは薄膜二端子素子がスイッチ
ングに好適な非線形の電流−電圧特性を示すためであ
る。従来からの二端子素子はガラスなどの絶縁性基板上
に下部電極としてAl、Ta、Ti等の金属電極を設
け、その上に前記金属の酸化物あるいは絶縁体層を設
け、更にその上に上部電極としてAl、Ni、Cr等の
金属電極を設けたものが知られている。MIM素子を用
いて、液晶デイスプレイの中間調表示を行う場合には液
晶への印加電圧はあるフレームの走査期間内で時定数C
LC・RON(液晶容量・MIM素子のオン抵抗)により充
電され、これによって液晶が駆動される。また特に、絶
縁膜に金属酸化物を用いた薄膜二端子素子(特開昭57
−196589号、同62−62333号等の公報に記
載)の場合、絶縁膜は下部電極の陽極酸化または熱酸化
により形成されるため、工程が複雑であり、しかも高温
熱処理を必要とし、また膜の制御性(膜質及び膜厚の均
一性及び再現性)に劣る上、基板が耐熱材料に限られる
こと、および、絶縁膜は物性が一定な金属酸化物からな
ることなどから、素子の材料や特性を自由に変えること
が出来ず、設計上の自由度が狭いという欠点が有る。こ
れは薄膜二端子素子を組み込んだ液晶表示装置からの仕
様を充分に満たすデバイスを設計、作製することが困難
で有ることを意味する。またこのように膜制御性が悪い
と、素子特性としてのI−V特性やI−V特性の対称性
(プラスバイアス時とマイナスバイアス時の電流比)の
バラツキが大きくなるという問題も生じる。その他、薄
膜二端子素子を液晶表示装置用に使用する場合液晶部容
量部/MIM素子容量比は一般に10以上が望ましい
が、金属酸化物の場合は誘電率が大きいことから素子容
量も大きくなり、従って素子容量を減少させること、即
ち素子面積を小さくするための微細加工を必要とする。
またこの場合、液晶材料封入前のラビング工程等で絶縁
膜が機械的損傷を受けることにより、微細加工とも相ま
って歩留まり低下を来すという問題も有る。ツイストネ
マチック、スーパーツイストネマチック方式の液晶表示
装置は、電圧による液晶のネマチック相の複屈折変化を
利用する。通常のツイストネマチック液晶表示装置で
は、あらかじめ表面に配向層を設け、綿、ナイロン、テ
トロン製のラビング布などで配向処理を施した上下の基
板の周辺をシールし配向処理面を内側にして貼りあわせ
た空セルを作製し、その注入口から液晶を注入する。一
般に液晶表示素子の基板間隔を保持するためには、球形
あるいは棒状のプラスチックまたはガラス製のスペーサ
ーを配向処理した後の基板上に散布したり、非画素部に
突起を設けるなどしていた。また高分子分散型液晶表示
装置では電極付き基板間に液晶を分散させた高分子層を
挟持し、電圧の印加により光の透過、散乱状態を制御す
る。この高分子分散型液晶表示装置ではラビングなどの
基板の配向処理を必要とせず、高分子中に分散した液晶
の光散乱をともなった電気光学効果を利用するため、偏
光板を使わない明るく大面積のディスプレイが構成でき
る。
力が小さいという特色をもっていることから、ディスプ
レイとしての市場が急速に大きくなっている。特にOA
機器やTVには大面積液晶パネル使用の要望が強く、そ
のため、アクティブ・マトリックス方式では各画素ごと
にスイッチング素子を設け電圧を印加するよう工夫され
ている。前記スイッチング素子の一つとしてMIM素子
が多く使われている。これは薄膜二端子素子がスイッチ
ングに好適な非線形の電流−電圧特性を示すためであ
る。従来からの二端子素子はガラスなどの絶縁性基板上
に下部電極としてAl、Ta、Ti等の金属電極を設
け、その上に前記金属の酸化物あるいは絶縁体層を設
け、更にその上に上部電極としてAl、Ni、Cr等の
金属電極を設けたものが知られている。MIM素子を用
いて、液晶デイスプレイの中間調表示を行う場合には液
晶への印加電圧はあるフレームの走査期間内で時定数C
LC・RON(液晶容量・MIM素子のオン抵抗)により充
電され、これによって液晶が駆動される。また特に、絶
縁膜に金属酸化物を用いた薄膜二端子素子(特開昭57
−196589号、同62−62333号等の公報に記
載)の場合、絶縁膜は下部電極の陽極酸化または熱酸化
により形成されるため、工程が複雑であり、しかも高温
熱処理を必要とし、また膜の制御性(膜質及び膜厚の均
一性及び再現性)に劣る上、基板が耐熱材料に限られる
こと、および、絶縁膜は物性が一定な金属酸化物からな
ることなどから、素子の材料や特性を自由に変えること
が出来ず、設計上の自由度が狭いという欠点が有る。こ
れは薄膜二端子素子を組み込んだ液晶表示装置からの仕
様を充分に満たすデバイスを設計、作製することが困難
で有ることを意味する。またこのように膜制御性が悪い
と、素子特性としてのI−V特性やI−V特性の対称性
(プラスバイアス時とマイナスバイアス時の電流比)の
バラツキが大きくなるという問題も生じる。その他、薄
膜二端子素子を液晶表示装置用に使用する場合液晶部容
量部/MIM素子容量比は一般に10以上が望ましい
が、金属酸化物の場合は誘電率が大きいことから素子容
量も大きくなり、従って素子容量を減少させること、即
ち素子面積を小さくするための微細加工を必要とする。
またこの場合、液晶材料封入前のラビング工程等で絶縁
膜が機械的損傷を受けることにより、微細加工とも相ま
って歩留まり低下を来すという問題も有る。ツイストネ
マチック、スーパーツイストネマチック方式の液晶表示
装置は、電圧による液晶のネマチック相の複屈折変化を
利用する。通常のツイストネマチック液晶表示装置で
は、あらかじめ表面に配向層を設け、綿、ナイロン、テ
トロン製のラビング布などで配向処理を施した上下の基
板の周辺をシールし配向処理面を内側にして貼りあわせ
た空セルを作製し、その注入口から液晶を注入する。一
般に液晶表示素子の基板間隔を保持するためには、球形
あるいは棒状のプラスチックまたはガラス製のスペーサ
ーを配向処理した後の基板上に散布したり、非画素部に
突起を設けるなどしていた。また高分子分散型液晶表示
装置では電極付き基板間に液晶を分散させた高分子層を
挟持し、電圧の印加により光の透過、散乱状態を制御す
る。この高分子分散型液晶表示装置ではラビングなどの
基板の配向処理を必要とせず、高分子中に分散した液晶
の光散乱をともなった電気光学効果を利用するため、偏
光板を使わない明るく大面積のディスプレイが構成でき
る。
【0003】
【目的】本発明は、微細加工における信頼性、制御性を
向上させた薄膜二端子素子の提供を目的とする。
向上させた薄膜二端子素子の提供を目的とする。
【0004】
【構成】本発明は、第一導体と第二導体との間に2層の
絶縁体層を介在させ、かつ前記第二絶縁体層が第一導体
あるいは第一絶縁体層の表面の一部を露出させる開口部
を有するものであることを特徴とする薄膜二端子素子お
よび該薄膜二端子素子基板を用いた液晶表示素子に関す
る。本発明の薄膜二端子素子としては、例えば、図1お
よび図2で示すようなものがあげられる。本発明の薄膜
二端子素子の製造法を図1および図2に基づいて説明す
る。 ガラス、プラスチック板、プラスチックフィルム等の
基板6上にAl、Td、Ti、Cr、Ni、Au、C
u、Ag、W、Mo、Pt、ITO、ZnO、Al、I
n2O3、SnO2等の導電性薄膜を数十から数百nmの
厚さに成膜し、所定のパターンにエッチングして下部電
極1とする。同様に第一絶縁体層2を数十から数百nm
の厚さに成膜し、所定のパターンにエッチングする。次
に第二絶縁体層3を数十〜数千nm(数μm)の厚さに
成膜し、該第二絶縁体層3をエッチングして下部電極2
上の一部の第一絶縁体層2を露出させた後、最後に上部
電極4としてAl、Td、Ti、Cr、Ni、Au、C
u、Ag、W、Mo、Pt、ITO、ZnO、Al、I
n2O3、SnO2等の導電性薄膜を数十から数百nmの
厚さに成膜し、所定のパターンにエッチングして完成す
る。前記各薄膜の形成方法としては、スパッタリング、
蒸着法等の慣用の薄膜の形成方法が採用できる。このよ
うにして得られた薄膜二端子素子は、図1に示すよう
に、第一導体(下部電極)1と第二導体(上部電極)4
の間に第一絶縁体層2を有する薄膜二端子素子におい
て、前記第一絶縁体層2と上部電極4との間に該第一絶
縁体層の表面の一部を露出させる開口部を有する、第二
絶縁体層3を配置した構成を有することを特徴とする。 前記に示す方法において、絶縁体層として最初に第
二絶縁体層3を成膜し、該第二絶縁体層3をエッチング
して下部電極1上の一部を露出させた後、第一絶縁体層
2を形成する以外は同様にして薄膜二端子素子を作成し
た。このようにして得られた薄膜二端子素子は、図2に
示すように、第一導体(下部電極)1と第二導体(上部
電極)4の間に第一絶縁体層を有する薄膜二端子素子に
おいて、前記下部電極と第一絶縁体層2の間に開口部を
有する、第二絶縁体層3を配置した構成を有することを
特徴とする。 従来の薄膜二端子素子の製造法においては、第一、第二
導体をエッチングする際の加工精度(具体的にはサイド
エッチング量)により素子面積のばらつきが生じていた
が、本発明においては第二絶縁体層の加工寸法精度のみ
を制御することによって、微細加工における信頼性、制
御性を向上することである。さらに、従来、絶縁体層は
下部電極の形状によって凹凸が生じ、下部電極端部で膜
厚が薄くなるなどにより電界が集中し絶縁破壊を生じや
すかったが、前記の方法によると絶縁体層の段差を無
くすことによって電圧印加時の絶縁破壊や素子短絡を低
減することができる。また、前記の方法では第一絶縁
体層と上部電極を連続して堆積、エッチングする工程に
よっても製造できるため、本発明の薄膜二端子素子の製
造工程を簡略化できる。
絶縁体層を介在させ、かつ前記第二絶縁体層が第一導体
あるいは第一絶縁体層の表面の一部を露出させる開口部
を有するものであることを特徴とする薄膜二端子素子お
よび該薄膜二端子素子基板を用いた液晶表示素子に関す
る。本発明の薄膜二端子素子としては、例えば、図1お
よび図2で示すようなものがあげられる。本発明の薄膜
二端子素子の製造法を図1および図2に基づいて説明す
る。 ガラス、プラスチック板、プラスチックフィルム等の
基板6上にAl、Td、Ti、Cr、Ni、Au、C
u、Ag、W、Mo、Pt、ITO、ZnO、Al、I
n2O3、SnO2等の導電性薄膜を数十から数百nmの
厚さに成膜し、所定のパターンにエッチングして下部電
極1とする。同様に第一絶縁体層2を数十から数百nm
の厚さに成膜し、所定のパターンにエッチングする。次
に第二絶縁体層3を数十〜数千nm(数μm)の厚さに
成膜し、該第二絶縁体層3をエッチングして下部電極2
上の一部の第一絶縁体層2を露出させた後、最後に上部
電極4としてAl、Td、Ti、Cr、Ni、Au、C
u、Ag、W、Mo、Pt、ITO、ZnO、Al、I
n2O3、SnO2等の導電性薄膜を数十から数百nmの
厚さに成膜し、所定のパターンにエッチングして完成す
る。前記各薄膜の形成方法としては、スパッタリング、
蒸着法等の慣用の薄膜の形成方法が採用できる。このよ
うにして得られた薄膜二端子素子は、図1に示すよう
に、第一導体(下部電極)1と第二導体(上部電極)4
の間に第一絶縁体層2を有する薄膜二端子素子におい
て、前記第一絶縁体層2と上部電極4との間に該第一絶
縁体層の表面の一部を露出させる開口部を有する、第二
絶縁体層3を配置した構成を有することを特徴とする。 前記に示す方法において、絶縁体層として最初に第
二絶縁体層3を成膜し、該第二絶縁体層3をエッチング
して下部電極1上の一部を露出させた後、第一絶縁体層
2を形成する以外は同様にして薄膜二端子素子を作成し
た。このようにして得られた薄膜二端子素子は、図2に
示すように、第一導体(下部電極)1と第二導体(上部
電極)4の間に第一絶縁体層を有する薄膜二端子素子に
おいて、前記下部電極と第一絶縁体層2の間に開口部を
有する、第二絶縁体層3を配置した構成を有することを
特徴とする。 従来の薄膜二端子素子の製造法においては、第一、第二
導体をエッチングする際の加工精度(具体的にはサイド
エッチング量)により素子面積のばらつきが生じていた
が、本発明においては第二絶縁体層の加工寸法精度のみ
を制御することによって、微細加工における信頼性、制
御性を向上することである。さらに、従来、絶縁体層は
下部電極の形状によって凹凸が生じ、下部電極端部で膜
厚が薄くなるなどにより電界が集中し絶縁破壊を生じや
すかったが、前記の方法によると絶縁体層の段差を無
くすことによって電圧印加時の絶縁破壊や素子短絡を低
減することができる。また、前記の方法では第一絶縁
体層と上部電極を連続して堆積、エッチングする工程に
よっても製造できるため、本発明の薄膜二端子素子の製
造工程を簡略化できる。
【0005】本発明の薄膜二端子素子においては、第一
絶縁体層だけではなく第二絶縁体層にも電流が流れ、本
来の薄膜二端子素子の特性からはずれる場合が生じるた
め、第二絶縁体層の面積、膜厚、比抵抗、誘電率を以下
のように限定することが好ましい。 “下部電極−(第一絶縁体層、第二絶縁体層)−上
部電極”と積層している部分の面積が“下部電極−第一
絶縁体層−上部電極”と積層している部分の面積の概ね
10倍以下であること。前記の面積比が10倍以上にな
ると、第二絶縁体層の比抵抗が第一絶縁体層の数百倍以
上にしなければ積層部を流れる電流が有効な薄膜二端子
素子部を流れる電流の1%以上になるため素子設計上の
制約が大きくなる。また一般に数μm2から数十μm2の
素子面積の十倍以上の積層部ができると、液晶表示素子
の開口率の減少にもつながる。なお、“下部電極−(第
一絶縁体層、第二絶縁体層)−上部電極”と積層してい
る部分とは、例えば図1のAとBの部分である。 一般の絶縁体層は絶縁耐圧が高くとも数kV/μm
から数百kV/μmであり、駆動電圧により第二絶縁体
層が絶縁破壊を起こさないためには、第二絶縁体層の膜
厚は、数十nm〜数百nmの第一絶縁体層より大きい方
が好ましい。またこの薄膜二端子素子付き基板を高分子
分散型液晶表示装置に用いた場合でも、液晶−高分子複
合層の厚みをより小さくする必要がある。 第二絶縁体層の比抵抗は大きければ大きい方が好ま
しいが、第一絶縁体層より小さい場合、第二絶縁体層の
膜厚を大きくし、面積を小さくしても絶縁体層積層部を
リークする電流が多い。 第二絶縁体層の誘電率が第一絶縁体層と同じなら
ば、プール−フレンケル係数の比だけの電流が第一絶縁
体層と積層部に流れる。第二絶縁体層の誘電率は第一絶
縁体層と比較して大きい方が素子のon電圧印加時に積
層部を流れる電流は小さくすることができる。 前記のように、第二絶縁体層の面積、膜厚や比抵抗、誘
電率を限定すると実質的に第二絶縁体層に流れる電流は
第一絶縁体層を流れる電流に対して無視できるため、薄
膜二端子素子として働く絶縁体層の面積は第二絶縁体層
の開口部だけに制限することができる。
絶縁体層だけではなく第二絶縁体層にも電流が流れ、本
来の薄膜二端子素子の特性からはずれる場合が生じるた
め、第二絶縁体層の面積、膜厚、比抵抗、誘電率を以下
のように限定することが好ましい。 “下部電極−(第一絶縁体層、第二絶縁体層)−上
部電極”と積層している部分の面積が“下部電極−第一
絶縁体層−上部電極”と積層している部分の面積の概ね
10倍以下であること。前記の面積比が10倍以上にな
ると、第二絶縁体層の比抵抗が第一絶縁体層の数百倍以
上にしなければ積層部を流れる電流が有効な薄膜二端子
素子部を流れる電流の1%以上になるため素子設計上の
制約が大きくなる。また一般に数μm2から数十μm2の
素子面積の十倍以上の積層部ができると、液晶表示素子
の開口率の減少にもつながる。なお、“下部電極−(第
一絶縁体層、第二絶縁体層)−上部電極”と積層してい
る部分とは、例えば図1のAとBの部分である。 一般の絶縁体層は絶縁耐圧が高くとも数kV/μm
から数百kV/μmであり、駆動電圧により第二絶縁体
層が絶縁破壊を起こさないためには、第二絶縁体層の膜
厚は、数十nm〜数百nmの第一絶縁体層より大きい方
が好ましい。またこの薄膜二端子素子付き基板を高分子
分散型液晶表示装置に用いた場合でも、液晶−高分子複
合層の厚みをより小さくする必要がある。 第二絶縁体層の比抵抗は大きければ大きい方が好ま
しいが、第一絶縁体層より小さい場合、第二絶縁体層の
膜厚を大きくし、面積を小さくしても絶縁体層積層部を
リークする電流が多い。 第二絶縁体層の誘電率が第一絶縁体層と同じなら
ば、プール−フレンケル係数の比だけの電流が第一絶縁
体層と積層部に流れる。第二絶縁体層の誘電率は第一絶
縁体層と比較して大きい方が素子のon電圧印加時に積
層部を流れる電流は小さくすることができる。 前記のように、第二絶縁体層の面積、膜厚や比抵抗、誘
電率を限定すると実質的に第二絶縁体層に流れる電流は
第一絶縁体層を流れる電流に対して無視できるため、薄
膜二端子素子として働く絶縁体層の面積は第二絶縁体層
の開口部だけに制限することができる。
【0006】前記薄膜二端子素子の第一絶縁体層2およ
び第二絶縁体層3はSiNx、SiOx、SiCx、A
l2O3、Ta2O3、硬質炭素、ポリイミド、ポリエチレ
ン、ポリスチレン等を、スパッタリング、蒸着法、陽極
酸化法、プラズマCVD、プラズマ重合法あるいは塗布
法等の方法により形成することが出来る。本発明の薄膜
二端子素子における、第一絶縁体層は比較的膜物性
(ε、ρ)の制御が自由にできる硬質膜炭素膜で形成さ
れているのが有利である。絶縁体層として硬質炭素膜を
用いることにより、素子特性制御の範囲が広く、加え
て、他の絶縁体層と比較して低温でしかも簡単な工程で
形成できる。また、第二絶縁体層は、第一絶縁体層と比
較して比抵抗が高く、微細加工における寸法精度が優れ
ている材料が適している。絶縁体層を構成する層として
硬質炭素膜を用いた場合この膜は、 プラズマCVD法等の気相合成法で作製されるた
め、成膜条件によって物性が広範囲に制御でき、従って
デバイス設計の自由度が大きい、 硬質でしかも厚膜にできるため、機械的損傷を受け
がたく、また厚膜化によるピンホールの減少も期待でき
る、 室温付近の低温においても良質な膜を形成できるの
で、基板材質に制約がない、 膜厚、膜質の均一性に優れているため、薄膜デバイ
ス用として適している、 誘電率が低いので、高度の微細加工技術を必要とせ
ず、したがって素子の大面積化に有利である、 等の特徴を有し、このような絶縁体層を用いた薄膜二端
子素子は液晶表示用スイッチング素子として好適であ
る。前記図1および図2で表された薄膜二端子素子の電
流電圧特性(I−V特性)を調べてみると、この特性は
近似的に以下に示すような伝導式で表される。
び第二絶縁体層3はSiNx、SiOx、SiCx、A
l2O3、Ta2O3、硬質炭素、ポリイミド、ポリエチレ
ン、ポリスチレン等を、スパッタリング、蒸着法、陽極
酸化法、プラズマCVD、プラズマ重合法あるいは塗布
法等の方法により形成することが出来る。本発明の薄膜
二端子素子における、第一絶縁体層は比較的膜物性
(ε、ρ)の制御が自由にできる硬質膜炭素膜で形成さ
れているのが有利である。絶縁体層として硬質炭素膜を
用いることにより、素子特性制御の範囲が広く、加え
て、他の絶縁体層と比較して低温でしかも簡単な工程で
形成できる。また、第二絶縁体層は、第一絶縁体層と比
較して比抵抗が高く、微細加工における寸法精度が優れ
ている材料が適している。絶縁体層を構成する層として
硬質炭素膜を用いた場合この膜は、 プラズマCVD法等の気相合成法で作製されるた
め、成膜条件によって物性が広範囲に制御でき、従って
デバイス設計の自由度が大きい、 硬質でしかも厚膜にできるため、機械的損傷を受け
がたく、また厚膜化によるピンホールの減少も期待でき
る、 室温付近の低温においても良質な膜を形成できるの
で、基板材質に制約がない、 膜厚、膜質の均一性に優れているため、薄膜デバイ
ス用として適している、 誘電率が低いので、高度の微細加工技術を必要とせ
ず、したがって素子の大面積化に有利である、 等の特徴を有し、このような絶縁体層を用いた薄膜二端
子素子は液晶表示用スイッチング素子として好適であ
る。前記図1および図2で表された薄膜二端子素子の電
流電圧特性(I−V特性)を調べてみると、この特性は
近似的に以下に示すような伝導式で表される。
【数1】 I:電流 V:印加電圧 κ:導電係数 β:プールフ
レンケル係数 n:キャリヤ密度 μ:キャリヤモビリティ q:電子
の電荷量 Φ:トラップ深さ ρ:比抵抗 d:絶縁体層の膜厚 k:ボルツマン定数 T:雰囲気温度 ε:絶縁体層の
誘電率 S:素子面積 本発明の薄膜二端子素子においては、薄膜二端子素子部
が従来の薄膜二端子素子より厚くなるが高分子分散型液
晶表示装置に用いた場合、配向層のラビング処理を必要
としないため素子の損傷がないこと、及び、配向不良が
生じないこと等の利点がある。
レンケル係数 n:キャリヤ密度 μ:キャリヤモビリティ q:電子
の電荷量 Φ:トラップ深さ ρ:比抵抗 d:絶縁体層の膜厚 k:ボルツマン定数 T:雰囲気温度 ε:絶縁体層の
誘電率 S:素子面積 本発明の薄膜二端子素子においては、薄膜二端子素子部
が従来の薄膜二端子素子より厚くなるが高分子分散型液
晶表示装置に用いた場合、配向層のラビング処理を必要
としないため素子の損傷がないこと、及び、配向不良が
生じないこと等の利点がある。
【0007】次に本発明において絶縁体層として好適に
用いられる硬質炭素膜について詳しく説明する。この膜
は、炭素および水素原子を主要な組織形成元素として非
晶質及び微結晶の少なくとも一方を含む硬質炭素膜(i
−C膜、ダイヤモンド状炭素膜、アモルファスダイヤモ
ンド膜、ダイヤモンド薄膜とも呼ばれる)からなってい
る。硬質炭素膜の一つの特徴は気相成長膜であるがため
に、後述するように、その諸物性が成膜条件によって広
範囲に制御できることである。従って、絶縁体層といっ
てもその抵抗値は半絶縁体層から絶縁体層までの領域を
カバーしており、この意味では本発明の二端子素子はM
IM素子はもちろんのこと、それ以外でも例えば特開6
1−260219号公報で言うところのMSI素子(M
etal−Semi−Insurator)やSIS
(半導体−絶縁体層−半導体であって、ここでの「半導
体」は不純物を高濃度にドープさせたものである)とし
ても位置づけられるものである。なお、この硬質炭素膜
中には、さらに物性制御範囲を広げるために、構成元素
の一つとして少なくとも周期律表第III属元素を全構成
元素にたいし5原子%以下、同じく第IV属元素を35原
子%以下、同じく第V属元素を5原子%以下、アルカリ
土類金属元素を5原子%以下、アルカリ金属元素を5原
子%以下、窒素原子を5原子%以下、酸素原子を5原子
%以下、カルコゲン元素を35原子%以下、またはハロ
ゲン元素を35原子%以下の量で含有させても良い。こ
れら元素または原子の量は元素分析の常法、例えばオー
ジェ分析によって測定することができる。または、この
量の多少は原料ガスに含まれる他の化合物の量や成膜条
件で調節可能である。こうした硬質炭素膜を形成するた
めには有機化合物ガス、特に炭化水素ガスが用いられ
る。これら原料における相状態は常温常圧において必ず
しも気相である必要はなく、加熱あるいは減圧等により
溶融、蒸発、昇華を経て気化しうるものであれば、液相
でも固相でも使用可能である。原料ガスとしての炭化水
素ガスについては、例えばCH4、C3H8、C4H10等の
パラフィン系炭化水素、C2H4等のオレフィン系炭化水
素、ジオレフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、
さらには芳香族炭化水素など全ての炭化水素を少なくと
も含むガスが使用可能である。本発明における原料ガス
からの硬質炭素膜の形成方法としては、成膜活性種が、
直流、低周波、高周波あるいはマイクロ波等を用いたプ
ラズマ法により生成されるプラスマ状態を経て形成され
る方法が好ましいが、より大面積化、均一性向上および
/または低温成膜の目的で低圧下で堆積を行わせしめる
のには磁界効果を利用する方法がさらに好ましい。ま
た、高温における熱分解によっても活性種を形成でき
る。その他には、イオン化蒸着法、あるいはイオンビー
ム蒸着法等により生成されるイオン状態を経て形成され
ても良いし、真空蒸着法、あるいはスパッタリング法等
により生成される中性粒子から形成されても良いし、さ
らには、これらの組合せにより形成されても良い。こう
して作製される硬質炭素膜の堆積条件の一例はプラスマ
CVDの場合、概ね次の通りである。 RF出力:0.1〜50W/cm2 圧 力:10-3〜10Torr 堆積温度:室温〜950℃で行うことができるが、好ま
しくは室温〜300℃ このプラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオンに
分解され反応することによって、基板上に炭素原子Cと
水素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び微結
晶(結晶の大きさは数1nmから数μm)の少くとも一
方を含む硬質炭素膜が堆積する。硬質炭素膜の諸特性を
表1に示す。
用いられる硬質炭素膜について詳しく説明する。この膜
は、炭素および水素原子を主要な組織形成元素として非
晶質及び微結晶の少なくとも一方を含む硬質炭素膜(i
−C膜、ダイヤモンド状炭素膜、アモルファスダイヤモ
ンド膜、ダイヤモンド薄膜とも呼ばれる)からなってい
る。硬質炭素膜の一つの特徴は気相成長膜であるがため
に、後述するように、その諸物性が成膜条件によって広
範囲に制御できることである。従って、絶縁体層といっ
てもその抵抗値は半絶縁体層から絶縁体層までの領域を
カバーしており、この意味では本発明の二端子素子はM
IM素子はもちろんのこと、それ以外でも例えば特開6
1−260219号公報で言うところのMSI素子(M
etal−Semi−Insurator)やSIS
(半導体−絶縁体層−半導体であって、ここでの「半導
体」は不純物を高濃度にドープさせたものである)とし
ても位置づけられるものである。なお、この硬質炭素膜
中には、さらに物性制御範囲を広げるために、構成元素
の一つとして少なくとも周期律表第III属元素を全構成
元素にたいし5原子%以下、同じく第IV属元素を35原
子%以下、同じく第V属元素を5原子%以下、アルカリ
土類金属元素を5原子%以下、アルカリ金属元素を5原
子%以下、窒素原子を5原子%以下、酸素原子を5原子
%以下、カルコゲン元素を35原子%以下、またはハロ
ゲン元素を35原子%以下の量で含有させても良い。こ
れら元素または原子の量は元素分析の常法、例えばオー
ジェ分析によって測定することができる。または、この
量の多少は原料ガスに含まれる他の化合物の量や成膜条
件で調節可能である。こうした硬質炭素膜を形成するた
めには有機化合物ガス、特に炭化水素ガスが用いられ
る。これら原料における相状態は常温常圧において必ず
しも気相である必要はなく、加熱あるいは減圧等により
溶融、蒸発、昇華を経て気化しうるものであれば、液相
でも固相でも使用可能である。原料ガスとしての炭化水
素ガスについては、例えばCH4、C3H8、C4H10等の
パラフィン系炭化水素、C2H4等のオレフィン系炭化水
素、ジオレフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、
さらには芳香族炭化水素など全ての炭化水素を少なくと
も含むガスが使用可能である。本発明における原料ガス
からの硬質炭素膜の形成方法としては、成膜活性種が、
直流、低周波、高周波あるいはマイクロ波等を用いたプ
ラズマ法により生成されるプラスマ状態を経て形成され
る方法が好ましいが、より大面積化、均一性向上および
/または低温成膜の目的で低圧下で堆積を行わせしめる
のには磁界効果を利用する方法がさらに好ましい。ま
た、高温における熱分解によっても活性種を形成でき
る。その他には、イオン化蒸着法、あるいはイオンビー
ム蒸着法等により生成されるイオン状態を経て形成され
ても良いし、真空蒸着法、あるいはスパッタリング法等
により生成される中性粒子から形成されても良いし、さ
らには、これらの組合せにより形成されても良い。こう
して作製される硬質炭素膜の堆積条件の一例はプラスマ
CVDの場合、概ね次の通りである。 RF出力:0.1〜50W/cm2 圧 力:10-3〜10Torr 堆積温度:室温〜950℃で行うことができるが、好ま
しくは室温〜300℃ このプラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオンに
分解され反応することによって、基板上に炭素原子Cと
水素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び微結
晶(結晶の大きさは数1nmから数μm)の少くとも一
方を含む硬質炭素膜が堆積する。硬質炭素膜の諸特性を
表1に示す。
【表1】 注)測定法; 比抵抗(ρ) :コプレナー型セルによるI-V特性より
求める。 光学的バンドギャップ(Egopt):分光特性から吸
収係数(α)を求め、
求める。 光学的バンドギャップ(Egopt):分光特性から吸
収係数(α)を求め、
【数2】 の関係より決定する。 膜中水素量〔C(H)〕:赤外吸収スペクトルから29
00cm-1付近のピークを積分し、吸収断面積Aをかけ
て求める。すなわち、
00cm-1付近のピークを積分し、吸収断面積Aをかけ
て求める。すなわち、
【数3】〔C(H)〕=A・∫α(ν)/ν・dν SP3/SP2比:赤外吸収スペクトルを、SP3,SP2
にそれぞれ帰属されるガウス関数に分解し、その面積比
より求める。 ビッカース硬度(H):マイクロビッカース計による。 屈折率(n) :エリプソメーターによる。 欠陥密度 :ESRによる。 こうして形成される硬質炭素膜はIR吸収法及びラマン
分光法による分析の結果、夫々、図4及び図5に示すよ
うに炭素原子がSP3の混成軌道とSP2の混成軌道とを
形成した原子間結合が混在していることが明らかになっ
ている。SP3結合とSP2結合の比率は、IRスペクト
ルをピーク分離することで概ね推定できる。IRスペク
トルには、2800〜3150cm-1に多くのモードの
スペクトルが重なって測定されるが、それぞれの波数に
対応するピークの帰属は明らかになっており、図6に示
したごときガウス分布によってピーク分離を行ない、そ
れぞれのピーク面積を算出し、その比率を求めればSP
3/SP2を知ることができる。また、前記の硬質炭素膜
は、X線及び電子線回折分析によればアモルファス状態
(a-C:H)、及び/又は約10Å〜数μm程度の微
結晶粒を含むアモルファス状態にあることが判かる。一
般に量産に適しているプラズマCVD法の場合には、R
F出力が小さいほど膜の比抵抗値および硬度が増加し、
また、低圧力なほど活性種の寿命が増加するために、基
板温度の低温化、大面積での均一化が図られ、かつ比抵
抗、硬度が増加する傾向にある。更に、低圧力ではプラ
ズマ密度が減少するため、磁場閉じ込め効果を利用する
方法は、比抵抗の増加には特に効果的である。更にま
た、この方法(プラズマCVD法)は常温〜150℃程
度の比較的低い温度条件でも同様に良質の硬質炭素膜を
形成できるという特徴を有しているため、薄膜二端子素
子製造プロセスの低温化には最適である。従って、使用
する基板材料の選択自由度が広がり、基板温度をコント
ロールし易いために大面積に均一な膜が得られるという
特徴をもっている。硬質炭素膜の構造、物性は表1に示
したように、広範囲に制御可能であるため、デバイス特
性を自由に設計できる利点もある。さらには、膜の誘電
率も3〜5と従来のMIM素子に使用されていたTa2
O5,Al2O3,SiNxなどと比較して小さいため、
同じ電気容量を持った素子を作る場合、素子サイズが大
きくてすむので、それほど微細加工を必要とせず、歩留
りが向上する(駆動条件の関係からLCDとMIM素子
の容量比はCLCD/CMIM=10:1程度必要である)。
さらに膜の硬度が高いため、液晶材料封入時のラビング
工程による損傷が少なく、この点からも歩留まりが向上
する。液晶駆動用薄膜二端子素子として好適な硬質炭素
膜は、駆動条件から膜厚が100〜8000Å、比抵抗
が106〜1013Ω・cmの範囲であることが有利であ
る。なお、駆動電圧と耐圧(絶縁破壊電圧)とのマージ
ンを考慮すると膜厚は200Å以上であることが望まし
く、また、画素部と薄膜二端子素子部の段差(セルギャ
ップ差)に起因する色むらが実用上問題とならないよう
にするには膜厚は6000Å以下であることが望ましい
ことから、硬質炭素膜の膜厚は200〜6000Å、比
抵抗は5×105〜1012Ω・cmであることがより好まし
い。硬質炭素膜のピンホールによる素子の欠陥数は膜厚
の減少にともなって増加し、300Å以下では特に顕著
になること(欠陥率は1%を越える)、及び、膜厚の面内
分布の均一性(ひいては素子特性の均一性)が確保でき
なくなる(膜厚制御の精度は30Å程度が限度で、膜厚
のバラツキが10%を越える)ことから、膜厚は300
Å以上であることがより望ましい。また、ストレスによ
る硬質炭素膜の剥離が起こりにくくするため、及び、よ
り低デューティ比(望ましくは1/1000以下)で駆
動するために、膜厚は4000Å以下であることがより
望ましい。これらを総合して考慮すると、硬質炭素膜の
膜厚は300〜4000Å、比抵抗率は107〜1011Ω・c
mであることが一層好ましい。高分子分散型液晶表示装
置は少なくとも一方が透明な2枚の基板からなり、画素
に対応する電極と各画素ごとに電圧を印加するスイッチ
ング素子を形成した基板ともう一方の電極付き基板のう
ち、透明な基板には透明な電極が形成されてある一対の
基板をそれぞれ前記電極が形成された面が内面となるよ
うに対向させ2枚の基板間に、液晶を分散した網目状の
高分子層を設け、スイッチング素子のオン、オフにより
液晶を含む高分子層に電圧を印加し光の透過状態を制御
する液晶表示装置である。液晶高分子複合層は液晶が多
孔質高分子層中に分散した構造を有し、各画素のスイッ
チング素子のオン、オフによって液晶の配向状態が変わ
り、光の透過状態を制御する。液晶高分子複合層を通過
する光透過量は液晶高分子複合層に印加される電圧によ
って変化するので、信号電圧によって光透過量を制御す
ることが可能である。液晶に2色性色素を混ぜることに
よって、表示を着色したり、白黒化したりすることも可
能である。液晶高分子複合層中の構造はドロップレット
状の液晶が高分子層中に分散したものや、高分子のスポ
ンジ状3次元網目構造内に液晶の連続層を形成している
ものがある。液晶高分子複合層の作製にはいくつかの方
法があり、高分子と液晶を共通溶媒に溶解し基板上にキ
ャストするキヤスト法、高分子多孔質膜の空隙中に液晶
を含浸させる含浸法、高分子の水溶液に乳化、分散させ
てキャストするキャスト法、液晶と重合性モノマの混合
溶液からモノマを重合させる重合法などである。液晶高
分子複合層の厚さは5から30μm程度、印加電圧の低
減コントラストなどを考慮すると、10から20μmが
適当である。次に実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
にそれぞれ帰属されるガウス関数に分解し、その面積比
より求める。 ビッカース硬度(H):マイクロビッカース計による。 屈折率(n) :エリプソメーターによる。 欠陥密度 :ESRによる。 こうして形成される硬質炭素膜はIR吸収法及びラマン
分光法による分析の結果、夫々、図4及び図5に示すよ
うに炭素原子がSP3の混成軌道とSP2の混成軌道とを
形成した原子間結合が混在していることが明らかになっ
ている。SP3結合とSP2結合の比率は、IRスペクト
ルをピーク分離することで概ね推定できる。IRスペク
トルには、2800〜3150cm-1に多くのモードの
スペクトルが重なって測定されるが、それぞれの波数に
対応するピークの帰属は明らかになっており、図6に示
したごときガウス分布によってピーク分離を行ない、そ
れぞれのピーク面積を算出し、その比率を求めればSP
3/SP2を知ることができる。また、前記の硬質炭素膜
は、X線及び電子線回折分析によればアモルファス状態
(a-C:H)、及び/又は約10Å〜数μm程度の微
結晶粒を含むアモルファス状態にあることが判かる。一
般に量産に適しているプラズマCVD法の場合には、R
F出力が小さいほど膜の比抵抗値および硬度が増加し、
また、低圧力なほど活性種の寿命が増加するために、基
板温度の低温化、大面積での均一化が図られ、かつ比抵
抗、硬度が増加する傾向にある。更に、低圧力ではプラ
ズマ密度が減少するため、磁場閉じ込め効果を利用する
方法は、比抵抗の増加には特に効果的である。更にま
た、この方法(プラズマCVD法)は常温〜150℃程
度の比較的低い温度条件でも同様に良質の硬質炭素膜を
形成できるという特徴を有しているため、薄膜二端子素
子製造プロセスの低温化には最適である。従って、使用
する基板材料の選択自由度が広がり、基板温度をコント
ロールし易いために大面積に均一な膜が得られるという
特徴をもっている。硬質炭素膜の構造、物性は表1に示
したように、広範囲に制御可能であるため、デバイス特
性を自由に設計できる利点もある。さらには、膜の誘電
率も3〜5と従来のMIM素子に使用されていたTa2
O5,Al2O3,SiNxなどと比較して小さいため、
同じ電気容量を持った素子を作る場合、素子サイズが大
きくてすむので、それほど微細加工を必要とせず、歩留
りが向上する(駆動条件の関係からLCDとMIM素子
の容量比はCLCD/CMIM=10:1程度必要である)。
さらに膜の硬度が高いため、液晶材料封入時のラビング
工程による損傷が少なく、この点からも歩留まりが向上
する。液晶駆動用薄膜二端子素子として好適な硬質炭素
膜は、駆動条件から膜厚が100〜8000Å、比抵抗
が106〜1013Ω・cmの範囲であることが有利であ
る。なお、駆動電圧と耐圧(絶縁破壊電圧)とのマージ
ンを考慮すると膜厚は200Å以上であることが望まし
く、また、画素部と薄膜二端子素子部の段差(セルギャ
ップ差)に起因する色むらが実用上問題とならないよう
にするには膜厚は6000Å以下であることが望ましい
ことから、硬質炭素膜の膜厚は200〜6000Å、比
抵抗は5×105〜1012Ω・cmであることがより好まし
い。硬質炭素膜のピンホールによる素子の欠陥数は膜厚
の減少にともなって増加し、300Å以下では特に顕著
になること(欠陥率は1%を越える)、及び、膜厚の面内
分布の均一性(ひいては素子特性の均一性)が確保でき
なくなる(膜厚制御の精度は30Å程度が限度で、膜厚
のバラツキが10%を越える)ことから、膜厚は300
Å以上であることがより望ましい。また、ストレスによ
る硬質炭素膜の剥離が起こりにくくするため、及び、よ
り低デューティ比(望ましくは1/1000以下)で駆
動するために、膜厚は4000Å以下であることがより
望ましい。これらを総合して考慮すると、硬質炭素膜の
膜厚は300〜4000Å、比抵抗率は107〜1011Ω・c
mであることが一層好ましい。高分子分散型液晶表示装
置は少なくとも一方が透明な2枚の基板からなり、画素
に対応する電極と各画素ごとに電圧を印加するスイッチ
ング素子を形成した基板ともう一方の電極付き基板のう
ち、透明な基板には透明な電極が形成されてある一対の
基板をそれぞれ前記電極が形成された面が内面となるよ
うに対向させ2枚の基板間に、液晶を分散した網目状の
高分子層を設け、スイッチング素子のオン、オフにより
液晶を含む高分子層に電圧を印加し光の透過状態を制御
する液晶表示装置である。液晶高分子複合層は液晶が多
孔質高分子層中に分散した構造を有し、各画素のスイッ
チング素子のオン、オフによって液晶の配向状態が変わ
り、光の透過状態を制御する。液晶高分子複合層を通過
する光透過量は液晶高分子複合層に印加される電圧によ
って変化するので、信号電圧によって光透過量を制御す
ることが可能である。液晶に2色性色素を混ぜることに
よって、表示を着色したり、白黒化したりすることも可
能である。液晶高分子複合層中の構造はドロップレット
状の液晶が高分子層中に分散したものや、高分子のスポ
ンジ状3次元網目構造内に液晶の連続層を形成している
ものがある。液晶高分子複合層の作製にはいくつかの方
法があり、高分子と液晶を共通溶媒に溶解し基板上にキ
ャストするキヤスト法、高分子多孔質膜の空隙中に液晶
を含浸させる含浸法、高分子の水溶液に乳化、分散させ
てキャストするキャスト法、液晶と重合性モノマの混合
溶液からモノマを重合させる重合法などである。液晶高
分子複合層の厚さは5から30μm程度、印加電圧の低
減コントラストなどを考慮すると、10から20μmが
適当である。次に実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0008】
実施例1 図1に示すようにパイレックスガラス基板上にITOを
スパッタリング法により約100nmの厚さに堆積後、
パターン化して画素電極5を形成した。次に薄膜二端子
素子を次の様にして設けた。まずAlを蒸着法により約
80nm厚に堆積後パターン化して下部電極1を形成し
た。その上に、第一絶縁体層2として硬質炭素膜をプラ
ズマCVD法により約70nm堆積させた後、ドライエ
ッチングによりパターン化した。さらにスピンコート法
により膜厚1μmのポリイミド膜を得た、これをアルカ
リ水溶液によりウェットエッチングして、下部電極上の
一部の第一絶縁体層を露出させたあと、約250℃でこ
のポリイミドを焼成し第二絶縁体層3を形成した。この
時の硬質炭素膜の成膜条件は以下の通りである。 圧 力:0.035Torr CH4流量 :30SCCM RFパワー:0.5W/cm2 この場合の硬質炭素膜の比抵抗は1010Ω・cm、ポリ
イミド膜は1014Ω・cmであった。更にこの上にNi
をスパッタリング法により約100nm堆積後、パター
ン化して上部電極4を形成した。上記の場合、有効素子
部分は第二絶縁体層の開口部で制限されるため第一絶縁
体層2は従来例(図3)のような下部電極形状に起因す
る凹凸を生じない。従って薄膜二端子素子に電圧を印加
したときに起こる素子周辺部の電界集中が生じず素子の
耐圧が向上した。
スパッタリング法により約100nmの厚さに堆積後、
パターン化して画素電極5を形成した。次に薄膜二端子
素子を次の様にして設けた。まずAlを蒸着法により約
80nm厚に堆積後パターン化して下部電極1を形成し
た。その上に、第一絶縁体層2として硬質炭素膜をプラ
ズマCVD法により約70nm堆積させた後、ドライエ
ッチングによりパターン化した。さらにスピンコート法
により膜厚1μmのポリイミド膜を得た、これをアルカ
リ水溶液によりウェットエッチングして、下部電極上の
一部の第一絶縁体層を露出させたあと、約250℃でこ
のポリイミドを焼成し第二絶縁体層3を形成した。この
時の硬質炭素膜の成膜条件は以下の通りである。 圧 力:0.035Torr CH4流量 :30SCCM RFパワー:0.5W/cm2 この場合の硬質炭素膜の比抵抗は1010Ω・cm、ポリ
イミド膜は1014Ω・cmであった。更にこの上にNi
をスパッタリング法により約100nm堆積後、パター
ン化して上部電極4を形成した。上記の場合、有効素子
部分は第二絶縁体層の開口部で制限されるため第一絶縁
体層2は従来例(図3)のような下部電極形状に起因す
る凹凸を生じない。従って薄膜二端子素子に電圧を印加
したときに起こる素子周辺部の電界集中が生じず素子の
耐圧が向上した。
【0009】実施例2 図2に示すようにパイレックスガラス基板上に薄膜二端
子素子を以下の様にして設けた。まずAlをスパッタリ
ング法により約80nm厚に堆積後パターン化して下部
電極1を形成した。その上に、第二絶縁体層3としてパ
ラズマCVDを用いて、SiNxを700nm堆積し、
ドライエッチングによりパターン化し、次に第一絶縁体
層2として硬質炭素膜をプラズマCVD法により80n
m堆積させた後、続いてこの上にNiをスパッタリング
法により約100nm堆積後、Niをウェットエッチン
グして上部電極4を形成した。同じフォトレジストを用
いて連続してドライエッチングにより硬質炭素膜をパタ
ーン化した。この時の硬質炭素膜の成膜条件は実施例1
とおなじである。最後にITOをスパッタリング法によ
り約100nmの厚さに堆積後、下部電極と一部重なる
ようにパターン化して画素電極5を形成した。本実施例
では上部電極と第一絶縁体層を連続成膜し、同じフォト
レジストで連続してエッチングできるため素子の作製プ
ロセスを短縮することができた。
子素子を以下の様にして設けた。まずAlをスパッタリ
ング法により約80nm厚に堆積後パターン化して下部
電極1を形成した。その上に、第二絶縁体層3としてパ
ラズマCVDを用いて、SiNxを700nm堆積し、
ドライエッチングによりパターン化し、次に第一絶縁体
層2として硬質炭素膜をプラズマCVD法により80n
m堆積させた後、続いてこの上にNiをスパッタリング
法により約100nm堆積後、Niをウェットエッチン
グして上部電極4を形成した。同じフォトレジストを用
いて連続してドライエッチングにより硬質炭素膜をパタ
ーン化した。この時の硬質炭素膜の成膜条件は実施例1
とおなじである。最後にITOをスパッタリング法によ
り約100nmの厚さに堆積後、下部電極と一部重なる
ようにパターン化して画素電極5を形成した。本実施例
では上部電極と第一絶縁体層を連続成膜し、同じフォト
レジストで連続してエッチングできるため素子の作製プ
ロセスを短縮することができた。
【0010】実施例3 実施例1の薄膜二端子素子において“下部電極−第一絶
縁体層−上部電極”と積層している部分の面積、すなわ
ち素子面積を30μm2とし、“下部電極−第一絶縁体
層−第二絶縁体層−上部電極”と積層している部分の面
積を180μm2としたため、第二絶縁体層を流れる電
流は薄膜二端子素子部を流れる電流の約1/10000
でほとんど無視できる程度だった。
縁体層−上部電極”と積層している部分の面積、すなわ
ち素子面積を30μm2とし、“下部電極−第一絶縁体
層−第二絶縁体層−上部電極”と積層している部分の面
積を180μm2としたため、第二絶縁体層を流れる電
流は薄膜二端子素子部を流れる電流の約1/10000
でほとんど無視できる程度だった。
【0011】実施例4 実施例1において第二絶縁体層の膜厚を600nmにし
た薄膜二端子素子付き基板を用いてツイストネマチック
方式の液晶表示装置を作製したところ液晶を配向させる
ためのラビング処理の際に素子部の凹凸が小さいため損
傷が少なく、素子の欠陥となる確立が低くなった。
た薄膜二端子素子付き基板を用いてツイストネマチック
方式の液晶表示装置を作製したところ液晶を配向させる
ためのラビング処理の際に素子部の凹凸が小さいため損
傷が少なく、素子の欠陥となる確立が低くなった。
【0012】実施例5 実施例1の薄膜二端子素子において第二絶縁体層として
プラズマCVDで硬質炭素膜を1μm堆積させた後ドラ
イエッチングによりパターン化した。この時の成膜条件
は以下のとおりである。 圧 力:0.035Torr CH4流量 :30SCCM RFパワー:0.3W/cm2 この場合の硬質炭素膜の比抵抗は5×1010であった。
硬質炭素膜は成膜条件によって膜物性を制御しやすいた
め、さらに高抵抗化することも可能である。二つの絶縁
体層をともに硬質炭素膜で作製したため膜の密着性は良
好で、絶縁体層の剥離も起こらず信頼性の高いものであ
った。
プラズマCVDで硬質炭素膜を1μm堆積させた後ドラ
イエッチングによりパターン化した。この時の成膜条件
は以下のとおりである。 圧 力:0.035Torr CH4流量 :30SCCM RFパワー:0.3W/cm2 この場合の硬質炭素膜の比抵抗は5×1010であった。
硬質炭素膜は成膜条件によって膜物性を制御しやすいた
め、さらに高抵抗化することも可能である。二つの絶縁
体層をともに硬質炭素膜で作製したため膜の密着性は良
好で、絶縁体層の剥離も起こらず信頼性の高いものであ
った。
【0013】実施例6 実施例1において第二絶縁体層としてスパッタリング法
を用いて酸化アルミ膜を700nm堆積し、エッチング
によりパターン化した。酸化アルミ膜の誘電率εは約1
0と硬質炭素膜の約2倍以上あるためプール−フレンケ
ル係数が小さく素子にon電圧をかけても第二絶縁体層
を流れる電流は小さく薄膜二端子素子の特性に影響は無
かった。
を用いて酸化アルミ膜を700nm堆積し、エッチング
によりパターン化した。酸化アルミ膜の誘電率εは約1
0と硬質炭素膜の約2倍以上あるためプール−フレンケ
ル係数が小さく素子にon電圧をかけても第二絶縁体層
を流れる電流は小さく薄膜二端子素子の特性に影響は無
かった。
【0014】実施例7 表面に実施例1の薄膜二端子素子を作製したガラス基板
を用いて高分子分散型の液晶表示装置を作製したとこ
ろ、配向膜およびそのラビング処理を必要としないた
め、素子の損傷がなく、画素の一部がラビングされない
などの欠陥の少ないものであった。
を用いて高分子分散型の液晶表示装置を作製したとこ
ろ、配向膜およびそのラビング処理を必要としないた
め、素子の損傷がなく、画素の一部がラビングされない
などの欠陥の少ないものであった。
【0015】
【効果】本発明の目的は、第一に薄膜二端子素子の第
一、第二導体の加工精度に依らず第二絶縁体層の加工寸
法精度のみを制御することによって、微細加工における
信頼性、制御性を向上することである。また、膜制御性
および機械的強度に優れた低誘電率の絶縁体層を使用す
ることにより、広範囲のデバイス設計が可能となる。さ
らに絶縁体層を構成する層として硬質炭素膜を用いた場
合この膜は、 プラズマCVD法等の気相合成法で作製されるた
め、成膜条件によって物性が広範囲に制御でき、従って
デバイス設計の自由度が大きい、 硬質でしかも厚膜にできるため、機械的損傷を受け
がたく、また厚膜化によるピンホールの減少も期待でき
る、 室温付近の低温においても良質な膜を形成できるの
で、基板材質に制約がない、 膜厚、膜質の均一性に優れているため、薄膜デバイ
ス用として適している、 誘電率が低いので、高度の微細加工技術を必要とせ
ず、したがって素子の大面積化に有利である、 等の特徴を有し、このような絶縁体層を用いた薄膜二端
子素子は液晶表示用スイッチング素子として好適であ
る。
一、第二導体の加工精度に依らず第二絶縁体層の加工寸
法精度のみを制御することによって、微細加工における
信頼性、制御性を向上することである。また、膜制御性
および機械的強度に優れた低誘電率の絶縁体層を使用す
ることにより、広範囲のデバイス設計が可能となる。さ
らに絶縁体層を構成する層として硬質炭素膜を用いた場
合この膜は、 プラズマCVD法等の気相合成法で作製されるた
め、成膜条件によって物性が広範囲に制御でき、従って
デバイス設計の自由度が大きい、 硬質でしかも厚膜にできるため、機械的損傷を受け
がたく、また厚膜化によるピンホールの減少も期待でき
る、 室温付近の低温においても良質な膜を形成できるの
で、基板材質に制約がない、 膜厚、膜質の均一性に優れているため、薄膜デバイ
ス用として適している、 誘電率が低いので、高度の微細加工技術を必要とせ
ず、したがって素子の大面積化に有利である、 等の特徴を有し、このような絶縁体層を用いた薄膜二端
子素子は液晶表示用スイッチング素子として好適であ
る。
【図1】本発明の実施例1の薄膜二端子素子の断面構造
を示す図である。
を示す図である。
【図2】本発明の実施例2の薄膜二端子素子の断面構造
を示す図である。
を示す図である。
【図3】従来例の薄膜二端子素子の斜視図である。
【図4】本発明のMIM素子の絶縁体層に使用した硬質
炭素膜をラマンスペクトル法で分光した分析結果を示す
スペクトル図である。
炭素膜をラマンスペクトル法で分光した分析結果を示す
スペクトル図である。
【図5】本発明のMIM素子の絶縁体層に使用した硬質
炭素膜をIR吸収法で分析した分析結果を示すスペクト
ル図である。
炭素膜をIR吸収法で分析した分析結果を示すスペクト
ル図である。
【図6】本発明のMIM素子の絶縁体層に使用した硬質
炭素膜のIRスペクトルのガウス分布を示す。
炭素膜のIRスペクトルのガウス分布を示す。
1 第一導体(下部電極) 2 第一絶縁体層 3 第二絶縁体層 4 第二導体(上部電極) 5 画素電極 6 基板 A “下部電極−(第一絶縁体層、第二絶縁体層)−上
部電極”と積層している部分 B “下部電極−(第一絶縁体層、第二絶縁体層)−上
部電極”と積層している部分
部電極”と積層している部分 B “下部電極−(第一絶縁体層、第二絶縁体層)−上
部電極”と積層している部分
Claims (6)
- 【請求項1】 第一導体(下部電極)と第二導体(上部
電極)の間に絶縁体層を有する薄膜二端子素子におい
て、前記第一導体と絶縁体層の間に該第一導体の表面の
一部を露出させる開口部を有する、第二絶縁体層を配置
してあることを特徴とする薄膜二端子素子。 - 【請求項2】 第一導体(下部電極)と第二導体(上部
電極)の間に絶縁体層を有する薄膜二端子素子におい
て、前記絶縁体層と第二導体との間に該絶縁体層の表面
の一部を露出させる開口部を有する、第二絶縁体層を配
置してあることを特徴とする薄膜二端子素子。 - 【請求項3】 “下部電極−(第一絶縁体層、第二絶縁
体層)−上部電極”と積層している部分の面積が“下部
電極−第一絶縁体層−上部電極”と積層している部分の
面積の10倍以下であることを特徴とする請求項1およ
び2記載の薄膜二端子素子。 - 【請求項4】 第二絶縁体層と第一絶縁体層が、前者の
膜厚が後者のそれに対して1〜10倍であること
(a)、前者の比抵抗が後者のそれより大きいこと
(b)、および前者の誘電率が後者のそれに対して1.
5倍以上であること(c)という要件よりなる群から選
ばれた少なくとも1つの要件を満足するものである請求
項1,2または3記載の薄膜二端子素子。 - 【請求項5】 前記二つの絶縁体層のうちの少なくとも
一方が、硬質炭素膜である請求項1,2,3または4記
載の薄膜二端子素子。 - 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5記載の薄
膜二端子素子をスイッチング素子として用いた液晶表示
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4731293A JPH06242470A (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 薄膜二端子素子および該薄膜二端子素子を使用した液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4731293A JPH06242470A (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 薄膜二端子素子および該薄膜二端子素子を使用した液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06242470A true JPH06242470A (ja) | 1994-09-02 |
Family
ID=12771781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4731293A Pending JPH06242470A (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 薄膜二端子素子および該薄膜二端子素子を使用した液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06242470A (ja) |
-
1993
- 1993-02-12 JP JP4731293A patent/JPH06242470A/ja active Pending
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