JPH06240584A - ポリエステル系繊維を含む基材からなる銀付き人工皮革および製造方法 - Google Patents
ポリエステル系繊維を含む基材からなる銀付き人工皮革および製造方法Info
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- JPH06240584A JPH06240584A JP2664493A JP2664493A JPH06240584A JP H06240584 A JPH06240584 A JP H06240584A JP 2664493 A JP2664493 A JP 2664493A JP 2664493 A JP2664493 A JP 2664493A JP H06240584 A JPH06240584 A JP H06240584A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶剤抽出等の特殊処理することなく、ポリエ
チレンテレフタレート系繊維の特徴を生かしつつ、風合
いが柔軟でタッチ感が良好であり、少なくとも2年以上
銀面表面に曇りが発生しない銀付き調人工皮革を提供す
る。 【構成】 芯成分がポリエチレンテレフタレート系ポリ
マーを主体とし、鞘成分がポリアミド系ポリマーを主体
とした複合繊維を含む繊維質基材層とポリウレタン系ポ
リマーを主体とした被覆層とからなる銀付き調人工皮
革。芯鞘複合繊維を含む繊維不織布を熱水または水蒸気
で処理し面積で15〜50%収縮させたのちポリウレタ
ン系ポリマーで処理する。
チレンテレフタレート系繊維の特徴を生かしつつ、風合
いが柔軟でタッチ感が良好であり、少なくとも2年以上
銀面表面に曇りが発生しない銀付き調人工皮革を提供す
る。 【構成】 芯成分がポリエチレンテレフタレート系ポリ
マーを主体とし、鞘成分がポリアミド系ポリマーを主体
とした複合繊維を含む繊維質基材層とポリウレタン系ポ
リマーを主体とした被覆層とからなる銀付き調人工皮
革。芯鞘複合繊維を含む繊維不織布を熱水または水蒸気
で処理し面積で15〜50%収縮させたのちポリウレタ
ン系ポリマーで処理する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンテレフタ
レート系複合繊維を含む繊維質基材とポリウレタン系ポ
リマーを主体とした被覆層とからなる銀付き調人工皮革
において、柔軟で熱セット性が良好でありしかも銀面表
面白化および曇りのない人工皮革およびその製造方法に
関するものである。
レート系複合繊維を含む繊維質基材とポリウレタン系ポ
リマーを主体とした被覆層とからなる銀付き調人工皮革
において、柔軟で熱セット性が良好でありしかも銀面表
面白化および曇りのない人工皮革およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリエチレンテレフタレート系繊維
は、そのすぐれたヒートセット性、高い強力、低コス
ト、といった特徴のために人工皮革の繊維質基材として
使用されて来た。しかし、銀付き調人工皮革の繊維質基
材として使用した場合、ナイロン系繊維と比較して風合
いが硬い、ドライタッチである、等の問題がある。ま
た、数カ月〜1年の自然放置によりポリエチレンテレフ
タレートオリゴマーが銀面表面で結晶化し表面全体が白
く曇って外観を悪化させるという問題があった。
は、そのすぐれたヒートセット性、高い強力、低コス
ト、といった特徴のために人工皮革の繊維質基材として
使用されて来た。しかし、銀付き調人工皮革の繊維質基
材として使用した場合、ナイロン系繊維と比較して風合
いが硬い、ドライタッチである、等の問題がある。ま
た、数カ月〜1年の自然放置によりポリエチレンテレフ
タレートオリゴマーが銀面表面で結晶化し表面全体が白
く曇って外観を悪化させるという問題があった。
【0003】ポリエチレンテレフタレート系繊維質基材
を使用して基材の風合いを改良する方法としては、特公
昭59−53388号公報等に記載の潜在的自発伸長性
を有する高収縮ポリエステル繊維を使用する方法、特公
昭48−5886号公報、特公昭48−37801号公
報等に記載の収縮繊維と非収縮繊維を混綿する方法、特
公昭52−30628号公報、特公昭56−31380
号公報等記載の分割タイプ複合繊維を使用する方法、特
公昭54−963号公報、特公昭49−40921号公
報等記載の多島型海島複合繊維から海成分を除去し極細
繊維束として使用する方法等が提案されている。
を使用して基材の風合いを改良する方法としては、特公
昭59−53388号公報等に記載の潜在的自発伸長性
を有する高収縮ポリエステル繊維を使用する方法、特公
昭48−5886号公報、特公昭48−37801号公
報等に記載の収縮繊維と非収縮繊維を混綿する方法、特
公昭52−30628号公報、特公昭56−31380
号公報等記載の分割タイプ複合繊維を使用する方法、特
公昭54−963号公報、特公昭49−40921号公
報等記載の多島型海島複合繊維から海成分を除去し極細
繊維束として使用する方法等が提案されている。
【0004】銀面表面の曇りを改良する方法としては、
特公昭63−20947号公報にポリエステル繊維中の
オリゴマー含有率を0.3%以下にする方法が提案され
ている。
特公昭63−20947号公報にポリエステル繊維中の
オリゴマー含有率を0.3%以下にする方法が提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の混綿および分割
タイプ複合繊維を繊維質基材に使用する方法では、ポリ
エチレンテレフタレート系繊維特有のドライタッチ感お
よび銀面表面の曇りを改良することは困難であった。ま
た、多島型海島複合繊維を使用する方法およびポリエス
テル繊維中のオリゴマー含有率を0.3%以下にする方
法は溶剤抽出等の特殊処理が必要であり、製造工程が複
雑になる、コストが高くなる等の問題があった。
タイプ複合繊維を繊維質基材に使用する方法では、ポリ
エチレンテレフタレート系繊維特有のドライタッチ感お
よび銀面表面の曇りを改良することは困難であった。ま
た、多島型海島複合繊維を使用する方法およびポリエス
テル繊維中のオリゴマー含有率を0.3%以下にする方
法は溶剤抽出等の特殊処理が必要であり、製造工程が複
雑になる、コストが高くなる等の問題があった。
【0006】本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレ
ート系繊維の特徴を生かしつつ、風合いが柔軟でタッチ
感が良好であり、少なくとも2年以上銀面表面に曇りが
発生しない銀付き調人工皮革を提供することにある。
ート系繊維の特徴を生かしつつ、風合いが柔軟でタッチ
感が良好であり、少なくとも2年以上銀面表面に曇りが
発生しない銀付き調人工皮革を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はポリエチレンテ
レフタレート系繊維を含む繊維質基材層とポリウレタン
系ポリマーを主体とする被覆層とからなる銀付き調人工
皮革を製造するに際し、繊維質基材として、芯成分がポ
リエチレンテレフタレート系ポリマーを主体とし、鞘成
分がポリアミド系ポリマーを主体とする芯鞘型複合繊維
を使用する事を特徴とする。
レフタレート系繊維を含む繊維質基材層とポリウレタン
系ポリマーを主体とする被覆層とからなる銀付き調人工
皮革を製造するに際し、繊維質基材として、芯成分がポ
リエチレンテレフタレート系ポリマーを主体とし、鞘成
分がポリアミド系ポリマーを主体とする芯鞘型複合繊維
を使用する事を特徴とする。
【0008】また、本発明は、芯鞘複合繊維を含む繊維
不織布を熱水または水蒸気で処理し面積で15〜50%
収縮させたのちポリウレタン系ポリマーで処理すること
を特徴とする銀付き調人工皮革の製造方法である。
不織布を熱水または水蒸気で処理し面積で15〜50%
収縮させたのちポリウレタン系ポリマーで処理すること
を特徴とする銀付き調人工皮革の製造方法である。
【0009】また、本発明は、収縮繊維として、温水可
溶性ポリビニルアルコール系繊維を10〜30%含む不
織布を熱水または水蒸気で処理し面積で15〜50%収
縮させたのち、ポリウレタン系ポリマーを付与し、その
後水溶性ポリビニルアルコールを除去することを特徴と
する銀付き調人工皮革の製造方法である。
溶性ポリビニルアルコール系繊維を10〜30%含む不
織布を熱水または水蒸気で処理し面積で15〜50%収
縮させたのち、ポリウレタン系ポリマーを付与し、その
後水溶性ポリビニルアルコールを除去することを特徴と
する銀付き調人工皮革の製造方法である。
【0010】また、本発明は、芯成分であるポリエチレ
ンテレフタレート系ポリマーを鞘成分であるポリアミド
系ポリマーが完全に包み込んだ実質的に同心芯鞘状複合
繊維を繊維質基材として含むことを特徴とする銀付き調
人工皮革である。
ンテレフタレート系ポリマーを鞘成分であるポリアミド
系ポリマーが完全に包み込んだ実質的に同心芯鞘状複合
繊維を繊維質基材として含むことを特徴とする銀付き調
人工皮革である。
【0011】本発明で使用するポリエチレンテレフタレ
ート系ポリマーは、ポリエチレンテレフタレート、イソ
フタル酸変成ポリエチレンテレフタレート、5−ソジウ
ムスルホイソフタル酸変成ポリエチレンテレフタレー
ト、ブチレン変成ポリエチレンテレフタレートなどの樹
脂であり、紡糸性、ヒートセット性、物性等の点からポ
リエチレンテレフタレートが特に好ましい。
ート系ポリマーは、ポリエチレンテレフタレート、イソ
フタル酸変成ポリエチレンテレフタレート、5−ソジウ
ムスルホイソフタル酸変成ポリエチレンテレフタレー
ト、ブチレン変成ポリエチレンテレフタレートなどの樹
脂であり、紡糸性、ヒートセット性、物性等の点からポ
リエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0012】本発明で使用するポリアミド系ポリマー
は、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、
6・6−ナイロンなどの線状ポリアミド樹脂であり、ポ
リエチレンテレフタレート系繊維との紡糸性、柔軟性等
物性の点から、6−ナイロンが特に好ましい。
は、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、
6・6−ナイロンなどの線状ポリアミド樹脂であり、ポ
リエチレンテレフタレート系繊維との紡糸性、柔軟性等
物性の点から、6−ナイロンが特に好ましい。
【0013】次いで、芯鞘型複合繊維の製造方法は、従
来公知の溶融紡糸方法に準じて紡糸することができる。
すなわち、一方の溶融系でポリエチレンテレフタテート
系ポリマーを溶融し、他方の溶融系でポリアミド系ポリ
マーを溶融し、それぞれの溶融物をノズルでポリエチレ
ンテレフタテート系ポリマー溶融物を芯成分とし、ポリ
アミド系ポリマー溶融物を鞘成分に規制して、芯鞘型に
統合し、複合紡糸する方法で行う。この芯鞘型複合繊維
は、湿熱延伸あるいは乾熱延伸により1.5〜10倍に
延伸し、必要に応じて熱固定および機械捲縮をかけて、
使用繊維とする。
来公知の溶融紡糸方法に準じて紡糸することができる。
すなわち、一方の溶融系でポリエチレンテレフタテート
系ポリマーを溶融し、他方の溶融系でポリアミド系ポリ
マーを溶融し、それぞれの溶融物をノズルでポリエチレ
ンテレフタテート系ポリマー溶融物を芯成分とし、ポリ
アミド系ポリマー溶融物を鞘成分に規制して、芯鞘型に
統合し、複合紡糸する方法で行う。この芯鞘型複合繊維
は、湿熱延伸あるいは乾熱延伸により1.5〜10倍に
延伸し、必要に応じて熱固定および機械捲縮をかけて、
使用繊維とする。
【0014】また、前記芯鞘型複合繊維は、芯成分であ
るポリエチレンテレフタレート系ポリマーを40〜90
%含有しこのポリエチレンテレフタレート系ポリマーを
鞘成分であるポリアミド系ポリマーが完全に包み込んだ
実質的に同心芯鞘状複合繊維であることが望ましい。ポ
リエチレンテレフタレート系ポリマーの含有率が40%
以下では、ヒートセット性が不良となり、90%以上で
は、ポリエチレンテレフタレート系ポリマーをポリアミ
ド系ポリマーで完全に包み込むことが困難となり、ポリ
エチレンテレフタレート系ポリマーの低分子量オリゴマ
ーが銀面表面で結晶化し銀面表面の曇りが悪化する。
るポリエチレンテレフタレート系ポリマーを40〜90
%含有しこのポリエチレンテレフタレート系ポリマーを
鞘成分であるポリアミド系ポリマーが完全に包み込んだ
実質的に同心芯鞘状複合繊維であることが望ましい。ポ
リエチレンテレフタレート系ポリマーの含有率が40%
以下では、ヒートセット性が不良となり、90%以上で
は、ポリエチレンテレフタレート系ポリマーをポリアミ
ド系ポリマーで完全に包み込むことが困難となり、ポリ
エチレンテレフタレート系ポリマーの低分子量オリゴマ
ーが銀面表面で結晶化し銀面表面の曇りが悪化する。
【0015】得られた芯鞘型複合繊維はクロスラップウ
ェブまたはランダムウェブとし目的とする製品指向に応
じて必要な重量とするが、通常100〜2000g/m2
のウェブとする。ついでニードルパンチングまたは液体
あるいは気体の噴出により繊維絡合不織布とする。これ
らの繊維集合体を作った後、ポリウレタン系ポリマーに
着色剤、活性剤、充填剤、その他添加剤などを必要に応
じて添加した溶液で含浸および/または表面コート処理
して湿式凝固させることによって繊維質基体層とする。
なお、銀面層(被覆層)の付与方法としては、繊維質基
材層にポリウレタン系ポリマーを離型紙造面する方法、
繊維質基材層にポリウレタン系ポリマー溶液をグラビア
塗布し銀面とする方法など必要に応じた方法を採用する
ことができる。
ェブまたはランダムウェブとし目的とする製品指向に応
じて必要な重量とするが、通常100〜2000g/m2
のウェブとする。ついでニードルパンチングまたは液体
あるいは気体の噴出により繊維絡合不織布とする。これ
らの繊維集合体を作った後、ポリウレタン系ポリマーに
着色剤、活性剤、充填剤、その他添加剤などを必要に応
じて添加した溶液で含浸および/または表面コート処理
して湿式凝固させることによって繊維質基体層とする。
なお、銀面層(被覆層)の付与方法としては、繊維質基
材層にポリウレタン系ポリマーを離型紙造面する方法、
繊維質基材層にポリウレタン系ポリマー溶液をグラビア
塗布し銀面とする方法など必要に応じた方法を採用する
ことができる。
【0016】本発明で使用するポリウレタン系ポリマー
としては、平均分子量500〜2500のポリマージオ
ール、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルジオ
ール、ポリエステル・エーテルジオール、ポリカプロラ
クトンジオール、ポリカーボネートジオールなどの群か
ら選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、有
機ポリイソシアネート、例えば、芳香族ジイソシアネー
ト、芳香族トリイソシアネート、脂環族ジイソシアネー
ト、脂肪族ジイソシアネートなどの群から選ばれた少な
くとも1種類の有機ポリイソシアネートと、活性水素原
子を少なくとも2個有する低分子化合物を鎖伸長剤とし
て反応させて得たポリウレタンである。これらのポリウ
レタンの組成は、該銀付き調人工皮革の用途に応じて、
風合い、耐劣化性、耐黄変性等の各種物性を満足するも
のの中から適宜選ぶことができる。
としては、平均分子量500〜2500のポリマージオ
ール、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルジオ
ール、ポリエステル・エーテルジオール、ポリカプロラ
クトンジオール、ポリカーボネートジオールなどの群か
ら選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、有
機ポリイソシアネート、例えば、芳香族ジイソシアネー
ト、芳香族トリイソシアネート、脂環族ジイソシアネー
ト、脂肪族ジイソシアネートなどの群から選ばれた少な
くとも1種類の有機ポリイソシアネートと、活性水素原
子を少なくとも2個有する低分子化合物を鎖伸長剤とし
て反応させて得たポリウレタンである。これらのポリウ
レタンの組成は、該銀付き調人工皮革の用途に応じて、
風合い、耐劣化性、耐黄変性等の各種物性を満足するも
のの中から適宜選ぶことができる。
【0017】本発明のように、繊維質基材として芯成分
がポリエチレンテレフタレート系ポリマーを主体とし、
鞘成分がポリアミド系ポリマーを主体とする芯鞘型複合
繊維を使用する事により、柔軟でウェットタッチな銀付
き調人工皮革を得ることができるが、さらに繊維不織布
を熱水または水蒸気で処理し面積で15〜50%収縮さ
せた後、ポリウレタン樹脂で処理することにより、より
柔軟で折れシワの良好な銀付き調人工皮革を得ることが
できる。面積収縮率が15%以下では改良効果がほとん
ど見られず、50%以上では生産性の低下、比重アップ
による風合いの硬化等の問題がある。繊維不織布を収縮
させる方法としては、前記芯鞘型複合繊維の延伸時熱固
定を弱くして複合繊維自体に潜在熱収縮性を付与する方
法、前記芯鞘型複合繊維と潜在熱収縮性を有する繊維を
混綿した不織布を作成し収縮させる方法、などがある。
がポリエチレンテレフタレート系ポリマーを主体とし、
鞘成分がポリアミド系ポリマーを主体とする芯鞘型複合
繊維を使用する事により、柔軟でウェットタッチな銀付
き調人工皮革を得ることができるが、さらに繊維不織布
を熱水または水蒸気で処理し面積で15〜50%収縮さ
せた後、ポリウレタン樹脂で処理することにより、より
柔軟で折れシワの良好な銀付き調人工皮革を得ることが
できる。面積収縮率が15%以下では改良効果がほとん
ど見られず、50%以上では生産性の低下、比重アップ
による風合いの硬化等の問題がある。繊維不織布を収縮
させる方法としては、前記芯鞘型複合繊維の延伸時熱固
定を弱くして複合繊維自体に潜在熱収縮性を付与する方
法、前記芯鞘型複合繊維と潜在熱収縮性を有する繊維を
混綿した不織布を作成し収縮させる方法、などがある。
【0018】前記芯鞘型複合繊維と混綿する潜在熱収縮
性を有する繊維としてはポリビニルアルコール系繊維、
ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維などがある
が、柔軟性、銀面表面の曇り、処理性などの点から、温
水可溶性ポリビニルアルコール系繊維が特に好ましい。
芯鞘型複合繊維70〜90重量%と温水可溶性ポリビニ
ルアルコール系繊維30〜10重量%を混綿した後ウェ
ブを作成しニードルパンチング処理などを施し繊維絡合
不織布とする。この繊維絡合不織布を湿熱状態で収縮さ
せた後、ポリウレタン系ポリマー溶液を含浸および/ま
たは表面コートし湿式または乾式凝固する。その後、温
水可溶性ポリビニルアルコール系繊維を熱水で抽出除去
する方法などにより、より柔軟な銀付き調人工皮革を得
ることができる。
性を有する繊維としてはポリビニルアルコール系繊維、
ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維などがある
が、柔軟性、銀面表面の曇り、処理性などの点から、温
水可溶性ポリビニルアルコール系繊維が特に好ましい。
芯鞘型複合繊維70〜90重量%と温水可溶性ポリビニ
ルアルコール系繊維30〜10重量%を混綿した後ウェ
ブを作成しニードルパンチング処理などを施し繊維絡合
不織布とする。この繊維絡合不織布を湿熱状態で収縮さ
せた後、ポリウレタン系ポリマー溶液を含浸および/ま
たは表面コートし湿式または乾式凝固する。その後、温
水可溶性ポリビニルアルコール系繊維を熱水で抽出除去
する方法などにより、より柔軟な銀付き調人工皮革を得
ることができる。
【0019】本発明においては、芯成分がポリエチレン
テレフタレート系ポリマーを主体とし、鞘成分がポリア
ミド系ポリマーを主体とした芯鞘型複合繊維を繊維質基
材層の一部に使用すること、特に前記複合繊維を含む繊
維不織布を収縮させた後、ポリウレタン系ポリマーで処
理することにより、ヒートセット性、風合いが良好で、
銀面表面に曇りのない銀付き調人工皮革を得ることがで
きる。
テレフタレート系ポリマーを主体とし、鞘成分がポリア
ミド系ポリマーを主体とした芯鞘型複合繊維を繊維質基
材層の一部に使用すること、特に前記複合繊維を含む繊
維不織布を収縮させた後、ポリウレタン系ポリマーで処
理することにより、ヒートセット性、風合いが良好で、
銀面表面に曇りのない銀付き調人工皮革を得ることがで
きる。
【0020】
【実施例】次に、本発明の実施様態を実施例で説明す
る。なお、実施例中の部および%は断りのない限り重量
に関するものである。なお、本発明における製品の評価
方法は以下の方法による。 (1)ヒートセット性:JIS−K−6546に準じて
測定。 測定条件・・・成型温度;100±2℃ 成型時間:30分 回復時間:24時間 (2)タッチ:官能評価により評価した。 (3)折れシワ:官能評価により3段階に評価した。 ○・・・天然皮革様の細かい折れシワ △・・・やや粗いしわ ×・・・ペーパーライクな粗いシワ (4)銀面表面曇り:20℃の室内に放置して、2カ月
毎に目視評価した。 ○・・・2年以上曇りなし △・・・1〜2年で曇り発生 ×・・・1年以内で曇り発生
る。なお、実施例中の部および%は断りのない限り重量
に関するものである。なお、本発明における製品の評価
方法は以下の方法による。 (1)ヒートセット性:JIS−K−6546に準じて
測定。 測定条件・・・成型温度;100±2℃ 成型時間:30分 回復時間:24時間 (2)タッチ:官能評価により評価した。 (3)折れシワ:官能評価により3段階に評価した。 ○・・・天然皮革様の細かい折れシワ △・・・やや粗いしわ ×・・・ペーパーライクな粗いシワ (4)銀面表面曇り:20℃の室内に放置して、2カ月
毎に目視評価した。 ○・・・2年以上曇りなし △・・・1〜2年で曇り発生 ×・・・1年以内で曇り発生
【0021】実施例1 ポリエチレンテレフタレート系ポリマーとしてポリエチ
レンテレフタレートを、ポリアミド系ポリマーとして6
−ナイロンを使用して、複合紡糸ノズルを用いて、ポリ
エチレンテレフタレート60%、6−ナイロン40%の
比率になるようにポリエチレンテレフタレートを芯成分
とする太さ9.0デニールの実質的に同心芯鞘状の未延
伸複合繊維を得た。得られた複合紡糸繊維は70℃の熱
水中で3.0倍に延伸し油剤を付与した後、機械捲縮を
掛けて、繊維長51mmに切断して、繊度3.0デニール
のステープル繊維とし、カード、クロスラッパー、ニー
ドルパンチの各工程を通し、目付250g/m2の不織布
を得た。該不織布にポリビニルアルコール(以下PVA
と略記する)5%水溶液を含浸し、目標絞り率150%
で絞液し、乾燥、熱ロールプレスして見かけ密度0.2
g/cm3の形態の安定な不織布シートとした。
レンテレフタレートを、ポリアミド系ポリマーとして6
−ナイロンを使用して、複合紡糸ノズルを用いて、ポリ
エチレンテレフタレート60%、6−ナイロン40%の
比率になるようにポリエチレンテレフタレートを芯成分
とする太さ9.0デニールの実質的に同心芯鞘状の未延
伸複合繊維を得た。得られた複合紡糸繊維は70℃の熱
水中で3.0倍に延伸し油剤を付与した後、機械捲縮を
掛けて、繊維長51mmに切断して、繊度3.0デニール
のステープル繊維とし、カード、クロスラッパー、ニー
ドルパンチの各工程を通し、目付250g/m2の不織布
を得た。該不織布にポリビニルアルコール(以下PVA
と略記する)5%水溶液を含浸し、目標絞り率150%
で絞液し、乾燥、熱ロールプレスして見かけ密度0.2
g/cm3の形態の安定な不織布シートとした。
【0022】得られた不織布シートにポリエステル系ポ
リウレタンの13%N,N’−ジメチルホルムアミド
(以下DMFと略記する)溶液を含浸し、次いで不織布
シート上面にポリエステル系ポリウレタンの20%DM
F溶液を固形分換算で120g/m2コート塗布した後、
DMF濃度20%、温度30℃の凝固浴に浸漬して湿式
凝固し、さらに脱PVA、脱DMF処理して多孔質シー
ト状物を得た。
リウレタンの13%N,N’−ジメチルホルムアミド
(以下DMFと略記する)溶液を含浸し、次いで不織布
シート上面にポリエステル系ポリウレタンの20%DM
F溶液を固形分換算で120g/m2コート塗布した後、
DMF濃度20%、温度30℃の凝固浴に浸漬して湿式
凝固し、さらに脱PVA、脱DMF処理して多孔質シー
ト状物を得た。
【0023】次いで、銀面曇りの観察が容易になるよう
に、表面に上記ポリウレタンに黒色顔料をまぜた溶液を
グラビアコーターで塗布し、エンボスなどの仕上げ処理
を行って、銀付き調人工皮革を得た。
に、表面に上記ポリウレタンに黒色顔料をまぜた溶液を
グラビアコーターで塗布し、エンボスなどの仕上げ処理
を行って、銀付き調人工皮革を得た。
【0024】実施例2 実施例1の不織布シートに、ポリエステル系ポリウレタ
ンの13%DMF溶液を含浸した後、DMF濃度20
%、温度30℃の凝固浴に浸漬して湿式凝固し、脱PV
A、脱DMF処理して繊維質基材を得た。この繊維質基
材に黒顔料をまぜたポリエーテル系ポリウレタンを離型
紙造面方法によって付与し、銀付き調人工皮革を得た。
ンの13%DMF溶液を含浸した後、DMF濃度20
%、温度30℃の凝固浴に浸漬して湿式凝固し、脱PV
A、脱DMF処理して繊維質基材を得た。この繊維質基
材に黒顔料をまぜたポリエーテル系ポリウレタンを離型
紙造面方法によって付与し、銀付き調人工皮革を得た。
【0025】実施例3 実施例1の芯鞘型複合繊維ステープル80%に温水可溶
性ポリビニルアルコール(VPB201x51:(株)
クラレ製)20%を混綿し、カード、クロスラップ、ニ
ードルパンチ処理を施した後60℃熱水浸漬処理を行い
面積で30%収縮させた後、乾燥、熱ロール処理し、見
かけ密度0.25g/cm3の繊維不織布を得た。この繊
維不織布に実施例1と同様の処理を施し、銀付き調人工
皮革を得た。
性ポリビニルアルコール(VPB201x51:(株)
クラレ製)20%を混綿し、カード、クロスラップ、ニ
ードルパンチ処理を施した後60℃熱水浸漬処理を行い
面積で30%収縮させた後、乾燥、熱ロール処理し、見
かけ密度0.25g/cm3の繊維不織布を得た。この繊
維不織布に実施例1と同様の処理を施し、銀付き調人工
皮革を得た。
【0026】比較例1 芯鞘型複合繊維の代わりにポリエチレンテレフタレート
の単一成分の繊維を使用した以外は、実施例1と同様の
処理を行い、銀付き調人工皮革を得た。
の単一成分の繊維を使用した以外は、実施例1と同様の
処理を行い、銀付き調人工皮革を得た。
【0027】比較例2 芯鞘型複合繊維の代わりに6−ナイロンの単一成分の繊
維を使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い、銀
付き調人工皮革を得た。
維を使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い、銀
付き調人工皮革を得た。
【0028】実施例1〜3および比較例1〜2のヒート
セット性、タッチ、折れシワ、銀面表面曇りを表1に示
した。
セット性、タッチ、折れシワ、銀面表面曇りを表1に示
した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の方法によ
れば、芯成分がポリエチレンテレフタレート系ポリマー
を主体とし、鞘成分がポリアミド系ポリマーを主体とし
た芯鞘型複合繊維を繊維質基材層の繊維成分として使用
することにより、ヒートセット性が良好で、風合いがウ
ェットタッチで柔軟で、しかも2年以上放置しても銀面
表面に曇りのでない銀付き調人工皮革を得ることができ
る。
れば、芯成分がポリエチレンテレフタレート系ポリマー
を主体とし、鞘成分がポリアミド系ポリマーを主体とし
た芯鞘型複合繊維を繊維質基材層の繊維成分として使用
することにより、ヒートセット性が良好で、風合いがウ
ェットタッチで柔軟で、しかも2年以上放置しても銀面
表面に曇りのでない銀付き調人工皮革を得ることができ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 芯成分がポリエチレンテレフタレート系
ポリマーを主体とし、鞘成分がポリアミド系ポリマーを
主体とした複合繊維を含む繊維質基材層とポリウレタン
系ポリマーを主体とした被覆層とからなる銀付き調人工
皮革。 - 【請求項2】 芯鞘複合繊維を含む繊維不織布を熱水ま
たは水蒸気で処理し面積で15〜50%収縮させたのち
ポリウレタン系ポリマーで処理することを特徴とする請
求項1記載の銀付き調人工皮革の製造方法。 - 【請求項3】 収縮繊維として、温水可溶性ポリビニル
アルコール系繊維を10〜30%含む請求項2記載の銀
付き調人工皮革の製造方法。 - 【請求項4】 実質的に同心芯鞘状複合繊維であること
を特徴とする請求項1記載の銀付き調人工皮革。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05026644A JP3128376B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | ポリエステル系繊維を含む基材からなる銀付き人工皮革および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05026644A JP3128376B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | ポリエステル系繊維を含む基材からなる銀付き人工皮革および製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06240584A true JPH06240584A (ja) | 1994-08-30 |
JP3128376B2 JP3128376B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=12199162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05026644A Expired - Fee Related JP3128376B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | ポリエステル系繊維を含む基材からなる銀付き人工皮革および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3128376B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005106108A1 (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Kuraray Co., Ltd. | 銀付き調人工皮革 |
JP2006233393A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-09-07 | Kuraray Co Ltd | 緻密な絡合不織布の製造方法 |
US7442429B2 (en) | 2002-08-22 | 2008-10-28 | Kuraray Co., Ltd. | Grain-finished artificial leathers |
-
1993
- 1993-02-16 JP JP05026644A patent/JP3128376B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7442429B2 (en) | 2002-08-22 | 2008-10-28 | Kuraray Co., Ltd. | Grain-finished artificial leathers |
WO2005106108A1 (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Kuraray Co., Ltd. | 銀付き調人工皮革 |
JP2006233393A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-09-07 | Kuraray Co Ltd | 緻密な絡合不織布の製造方法 |
JP4549886B2 (ja) * | 2005-02-28 | 2010-09-22 | 株式会社クラレ | 緻密な絡合不織布の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3128376B2 (ja) | 2001-01-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |