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JP3142099B2 - 平滑な皮革様シート状物の製造方法 - Google Patents

平滑な皮革様シート状物の製造方法

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JP3142099B2
JP3142099B2 JP05293270A JP29327093A JP3142099B2 JP 3142099 B2 JP3142099 B2 JP 3142099B2 JP 05293270 A JP05293270 A JP 05293270A JP 29327093 A JP29327093 A JP 29327093A JP 3142099 B2 JP3142099 B2 JP 3142099B2
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sheet
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信二 中西
康弘 吉田
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は柔軟で平滑でありかつ軽
量な皮革様シート状物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来皮革様シート状物をつくるために使
用する繊維シートの製造方法には多くの提案がなされて
いる。例えば、特公昭41−21425号公報には繊維
マットを30から50%収縮させた後、合成重合体結合
剤を含浸し、凝固してスエード様材料を製造することが
提案されている。特公昭56−18698号公報には熱
収縮率の異なるポリエステル繊維を特定割合で混綿して
ウエブを作り、熱収縮処理してカンチレバー剛軟度が9
0mm以下の柔軟な不織布を作る方法が提案されてい
る。特公昭59−53388号公報には潜在的自発伸長
性を有する高収縮性ポリエステル繊維でウエブを作り、
絡合処理した後収縮処理し、次いで自発伸張処理を行っ
てドレープ性のある柔軟な繊維シートを製造する方法が
提案されている。特公平5−45714公報には収縮性
ポリエステル繊維と非収縮性ポリエステル繊維を特定割
合で混綿して絡合不織布とし、収縮処理を施した後、結
晶化処理を行い、弾性ポリマーを付与して皮革様の風合
いを有するシート状物を製造する方法が提案されてい
る。また、ウエブを積層して皮革様シート状物を製造す
る方法としては、特公昭42−18599号公報に記載
の表面層に細いデニールの繊維を用い下層に行くにした
がって順次デニールの大きい繊維を積層し収縮せしめる
ことにより天然皮革類似の構造とする方法、特公昭62
−29548号公報に記載の溶剤溶解成分の異なる多成
分系繊維を積層して密度勾配を付与する方法、等が提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法でつく
られた繊維シートは、収縮処理によって繊維の絡み合い
の程度が高まり、見かけ密度の高い物となるため、軽量
化することが困難であった。更に、収縮しただけの繊維
シートは繊維の固定が十分でないため、比較的小さな張
力でも伸びて形態的にも不安定であり、収縮処理した繊
維シートに弾性重合体を含有せしめて作った繊維質シー
トであっても二次製品加工時あるいは着用時に形態変化
を生じやすく、繊維質シートの風合いの良さを最終製品
まで結びつけることが困難であった。また、収縮性繊維
と非収縮性繊維を混合したウエブは、非収縮性繊維がウ
エブ表面に多量に存在し熱セットがききにくく、平滑な
表面を得ようとすれば強い熱プレス条件をとる必要があ
るため必然的に繊維シートの見かけ密度が高くなり、平
滑性と軽量性を兼ね備えることが困難である。一方、順
次デニールの異なる繊維を積層していく方法では、下層
に太いデニールの繊維を使用するため硬くゴワゴワした
シート状物となる。また、多成分系繊維を使用した場合
には、柔軟で天然皮革類似のシート状物が得られるが、
抽出処理実施時に見かけ密度が大きくなる、製造行程が
複雑でコストの高い物になる、等の問題点があった。
【0004】本発明の目的は、柔軟で折れシワが細か
く、表面が平滑であり、なおかつ軽量である皮革様シー
ト状物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面が平滑
で、軽量な皮革様シート状物を製造するに際し、70℃
の熱水中における収縮率が少なくとも20%であり、か
つ結晶化度が20%以下の収縮性ポリエステル繊維から
なるウエブ(A)と実質的に熱収縮しない繊維からなる
ウエブ(B)とをウエブ(A)がウエブ(B)をはさみ
こむように積層し、ニードルパンチ絡合処理を行った
後、面積収縮率で20%以上50%以下の収縮を付与
し、収縮と同時あるいは収縮後に収縮性ポリエステル繊
維の結晶化度が少なくとも30%になるように結晶化処
理を行って繊維シートを得、ついで該繊維シートには弾
性ポリマーを主体とする重合体の溶液または分散液を含
浸した後、湿式法または乾式法で凝固し、乾燥して得た
シート状物を仕上げることを特徴とする柔軟で平滑な皮
革様シート状物の製造方法である。
【0006】また、本発明は、繊維ウエブ(B)が実質
的に収縮しない中空繊維からなるウエブであることを特
徴とする皮革様シート状物の製造方法である。
【0007】また、本発明は、結晶化処理を加熱処理お
よび/または溶剤処理で行うことを特徴とする皮革様シ
ート状物の製造方法である。
【0008】本発明で使用する低結晶化度で高収縮性の
ポリエステル繊維は、結晶化度が20%以下で、下記の
熱収縮条件において収縮率が少なくとも20%のポリエ
ステル繊維である。このような繊維は、低ポリエチレン
テレフタレートまたはエチレンテレフタレート単位を8
0モル%以上含む共重合ポリエチレンテレフタレートを
溶融紡糸し、巻き取り速度4100m/分以下で巻き取
り、繊維構造を低結晶性・低配向性のままとしておく、
あるいは通常の溶融紡糸で得たポリエステルフィラメン
トを結晶化度の高くならない低温度で延伸して収縮率が
少なくとも20%、結晶化度が20%以下の低結晶化度
のままにしておく、などの方法により得ることができ
る。
【0009】一方、実質的に収縮しない繊維としては、
通常の延伸、熱処理等によって得られる熱収縮率が10
%以下である繊維、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル系繊維、6,6−ナイロン、6−ナイロン
等の線状ポリアミド繊維、ポリプロピレン等の繊維があ
げられるが特に制限はない。ウエブの軽量化の点から中
空繊維、例えば、ポリエチレンテレフタレート中空繊維
・ポリプロピレン中空繊維等が特に好ましい。
【0010】絡合不織布を製造するには、収縮繊維およ
び非収縮繊維に絡合不織布を作るに必要な油剤を付与
し、捲縮処理し不織布の製造が可能な繊維長、好ましく
は100mm以下の繊維長に切断した短繊維とし、各々ク
ロスラッパー・ランダムウエバー・抄造法等でウエブを
作りこのウエブを収縮繊維ウエブ(A)−非収縮繊維ウ
エブ(B)−収縮繊維ウエブ(A)の順に重ね合わせ、
ニードルパンチで一体化する。
【0011】次に、絡合不織布の収縮処理は絡合不織布
を熱水中に浸漬する方法、スチーム雰囲気中または乾熱
雰囲気中で熱処理する方法等が適用できる。収縮処理に
よる面積収縮率は収縮性ポリエステル繊維の収縮率、収
縮性ポリエステル繊維ウエブの割合等で異なりその割合
は指向する製品によって異なるが、収縮性繊維ウエブ
(A)と非収縮性繊維ウエブ(B)の割合は20/80
から60/40の範囲であることが好ましい。収縮性繊
維比率が20%未満ではウエブの面積収縮率を20%以
上にすることが困難であり、また、表面の平滑性及び折
れシワが不良となる。一方、収縮性繊維比率が60%を
越えて大きくなると絡合不織布の見かけ密度が高くな
り、軽量な皮革様シート状物を得る事が出来ない。ま
た、上層(表面層)と下層(裏面層)の収縮繊維ウエブ
の重量が異なる場合には、収縮処理時に不織布がカール
を起こしやすいため、上層と下層のウエブ重量比は1に
近いことが好ましい。絡合不織布の重量は、指向する用
途によって異なるが一般には100〜1500g/m2
範囲である。
【0012】不織布の収縮処理によって収縮性ポリエス
テル繊維の結晶化度が高まればその後の結晶化処理を必
要としないが、熱水処理では一般に十分な高結晶化度の
ポリエステル繊維にならないため、更に結晶化処理を行
う必要がある。結晶化処理は、例えば熱水収縮後の絡合
不織布を150℃以上、繊維の溶融温度より20℃以上
低い温度で熱処理を行う方法、アセトン、四塩化エタ
ン、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等の有機溶媒で処理する方法などで収縮性ポリエステ
ル繊維の結晶化度を30%以上になるようにする。
【0013】積層不織布は、弾性ポリマーを主体とした
重合体の溶液の含浸に先立って、必要に応じて表面の平
滑化処理を行うが、表面平滑化処理の方法としては、熱
ロールでプレスする方法、平滑な熱ドラムにそわせて平
滑化する方法、平滑な熱ベルトとネットの間に絡合不織
布を挟み込んで平滑化する方法等何でも良い。本発明の
ごとく、結晶化度が20%以下の収縮性ポリエステル繊
維からなるウエブ(A)と実質的に熱収縮しない繊維か
らなるウエブ(B)をウエブ(A)がウエブ(B)をは
さみこむようにしてニードルパンチ絡合処理を行った絡
合不織布を用いた場合には、低いプレス圧力で表面を平
滑化する事が可能であり、平滑で見かけ密度の低い繊維
シートを得ることができる。
【0014】本発明の繊維シートに含浸および表面被覆
塗布するのに使用する弾性ポリマーとしては、例えば、
平均分子量500から3000のポリエーテルジオー
ル、ポリエステル・エーテルジオール、ポリカプロラク
トンジオール、ポリカーボネートジオール等の群から選
ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、有機ポ
リイソシアネート、例えば、芳香族ジイソシアネート、
脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、等
の群から選ばれた少なくとも1種類の有機イソシアネー
トと、活性水素原子を2個以上有する低分子化合物を鎖
伸長剤として反応させて得たポリウレタンエラストマー
あるいはポリウレタンウレアエラストマーである。これ
らのポリウレタンの組成は、該皮革様シート状物の用途
に応じて、風合い、耐劣化性、耐黄変性等の各種物性を
満足する物の中から適宜選ぶ事ができる。その他、繊維
シートに含有せしめるのに使用される弾性ポリマーとし
てはポリアクリル酸エステル、合成ゴム等がある。ま
た、弾性ポリマーは溶剤に溶解した溶液または分散液に
分散させて使用すが、必要に応じて他の重合体を溶解
または分散させて使用する。その他、充填剤、着色剤、
可塑剤、難燃剤、凝固調節剤等を添加した組成液として
使用する事も好ましい。さらに、繊維との接着を防止す
るため、離型性物質を添加することも好ましい。
【0015】次に、繊維シートには弾性ポリマーを主体
とする重合体の溶液または分散液を含浸し、必要により
更に表面に弾性ポリマーを主体とする重合体の溶液また
は分散液を塗布し、重合体の非溶剤系の凝固液中に浸漬
して湿式法で凝固する、またはスチーム雰囲気中あるい
は乾熱雰囲気中で処理する乾式法で凝固するなどの方法
で重合体を凝固してシート状物とする。また、凝固した
重合体は、繊維シートの繊維とは接着せず、好ましくは
重合体と繊維との間に空隙を形成させる事が最終製品と
しての風合い、外観、二次加工性のうえで好ましいた
め、繊維シートに重合体を含浸するのに先立って、任意
の段階で繊維にはあらかじめポリビニルアルコールなど
の水溶性樹脂などの離型性物質を付与しておく、あるい
は繊維シートに含浸する重合体溶液または分散液には離
型性物質を添加しておくなどの処置を行うことが好まし
い。
【0016】得られたシート状物は必要に応じて公知の
方法により表面平滑化、銀面層の付与、表面着色処理、
あるいは染色処理、表面模様付け、柔軟化処理などの仕
上げ処理を施して皮革様シート状物とする。
【0017】なお、本発明におけるポリエステル繊維の
結晶化度は密度法で測定した値であって、完全非結晶性
の密度1.335g/cm3および完全結晶性の密度1.
455g/cm3として求めた値である。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施様態を実施例で説明す
る。なお、実施例中の部および%は断りのないかぎり重
量に関するものである。また、本発明における製品の評
価方法は以下の方法による。 (1)折れシワ:官能評価により3段階に評価した。 ○・・・天然皮革ライクな細かい折れシワ △・・・やや粗い折れシワ ×・・・ペーパーライクな粗い折れシワ
【0019】実施例1 ポリエチレンテレフタレートを紡糸速度3500m/分
で溶融紡糸し、得られたフィラメントを未延伸のまま油
剤を付与して機械捲縮をかけ、低温風の乾燥機で乾燥
し、繊維長51mmに切断した。この繊維は単繊維繊度
2.5デニール、70℃熱水中での収縮率52%、結晶
化度7.5%の収縮性のポリエステル繊維であった。こ
れを解繊した後、カード、クロスラップ、プレニードル
(40パンチ/cm2)の各行程を通して、目付60g/m
2の収縮性ポリエステル繊維ウエブ(A)を得た。次
に、公知の方法にて中空ポリエチレンテレフタレート繊
維を紡糸し、延伸、油剤処理、捲縮、切断を行い、単繊
維繊度6デニール、中空率35%、70℃熱水中での収
縮率1%の実質的に収縮しない中空繊維を得た。これを
解繊した後、カード、クロスラップ、プレニードル(4
0パンチ/cm2)の各行程を通して、目付120g/m2
の実質的に収縮しない中空ポリエチレンテレフタレート
繊維ウエブ(B)を得た。これらの繊維ウエブを、ウエ
ブ(A)/ウエブ(B)/ウエブ(A)の順に重ね合わ
せ、400パンチ/cm2のニードルパンチをほどこして
一体化させ、目付210g/m2の積層絡合不織布とし
た。
【0020】この絡合不織布を70℃熱水中に1分間浸
漬し、マングルで絞った。不織布はこの浸漬処理によ
り、熱処理前と比較して縦方向に18%、横方向に22
%、面積で36%収縮した。次いで、この含水不織布を
90℃熱風乾燥機中で乾燥した後、150℃に加熱した
金属プレート間にはさみ、面圧0.15kg/cm2で加圧
し30秒間処理した。得られた繊維シート[1]は、厚
み1.5mm、見かけ密度0.22g/cm3の平滑な繊維
シートであった。また、収縮性ポリエステル繊維ウエブ
(A)を同時に収縮、熱処理して得た繊維シートの繊維
で測定した結晶化度は35%であった。
【0021】次ぎに、上記繊維シート[1]に平均分子
量2000のポリブチレングリコールと4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートとエチレングリコールと
を反応して得た100%強度が100kg/cm2のポリウ
レタンエラストマー10%、カーボンブラック0.2
%、ノニオン界面活性剤0.5%、ジメチルホルムアミ
ド89.3%の組成液を含浸し、ジメチルホルムアミド
40%水溶液中に浸漬して30分間処理してポリウレタ
ンエラストマーを凝固し、水洗、乾燥した。得られたシ
ート状物は、厚み1.5mm、見かけ密度0.30g/cm
3の表面が平滑で、折れシワも細かく良好な物であっ
た。
【0022】また、常法にしたがって上記シート状物に
ポリウレタンエラストマー(100%強度=50kg/cm
2、固形分で50g/m2塗布)を離型紙造面する事によ
り軽量でランドセル・カバン等に好適な銀面付き皮革様
シート状物が得られた。
【0023】実施例2 実施例1の繊維シート[1]に平均分子量2000のポ
リブチレングリコールと4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネートとエチレングリコールとを反応して得た
100%強度が100kg/cm2のポリウレタンエラスト
マー10%、カーボンブラック0.2%、ノニオン界面
活性剤0.5%、ジメチルホルムアミド89.3%の組
成液を含浸し、更に上記ポリウレタンを15%、カーボ
ンブラック0.2%、ノニオン界面活性剤1%、ジメチ
ルホルムアミド83.8%の組成液を液量で700g/
m2塗布し、ジメチルホルムアミド40%水溶液中に浸漬
して30分間処理してポリウレタンエラストマーを凝固
し、水洗、乾燥した。得られたシート状物は、多孔質ポ
リウレタンエラストマー被覆層を有した物であり、この
シート状物の被覆層表面にポリウレタンエラストマーに
黒色着色剤を添加して調整した黒インクをグラビア塗布
し、カーフ調のエンボシングを施して得た皮革様シート
状物は、厚み1.8mm、見かけ密度0.32g/cm3
表面が平滑で、折れシワも細かく柔軟で良好な物であっ
た。
【0024】比較例1 実施例1の収縮性ポリエステル繊維ウエブ(A)を4枚
積層して実施例1と同様ニードルパンチを行って目付2
30g/m2の積層繊維シート状物を得た。これを、実施
例1と同様にして70℃熱水中に1分間浸せきし、マン
グルで絞った。不織布は熱処理前と比較して縦方向に3
8%、横方向に45%、面積で66%収縮した。次い
で、実施例1と同様な表面平滑化処理を行った。得られ
た繊維シートは、厚み1.5mm、見かけ密度0.40g
/cm3の平滑な繊維シートであった。この繊維の結晶化
度は35%であった。この繊維シート用いる以外は実施
例2と同様にしてポリウレタンエラストマー組成液を含
浸、塗布、凝固および表面仕上げ処理を行って皮革様シ
ート状物を得た。こうして得られた皮革様シート状物は
見かけ密度0.45g/cm3と重く硬い物であった。
【0025】比較例2 実施例1の中空ポリエチレンテレフタレート繊維ウエブ
を2枚積層して実施例1と同様にニードルパンチを行っ
て積層繊維シート状物を得た。この積層繊維シート状物
を150℃に加熱した金属プレート間にはさみ、面圧
0.15kg/cm2で加圧し30秒間処理した。得られた
繊維シートは、厚み1.5mm、見かけ密度0.16g/
cm3の表面凹凸の激しい繊維シートであった。この繊維
シート用いる以外は実施例2と同様にしてポリウレタン
エラストマー組成液を含浸、塗布、凝固および表面仕上
げ処理を行って皮革様シート状物を得た。得られた。こ
のシート状物は、表面凹凸が激しく折れシワの粗い物で
あった。
【0026】比較例3 実施例1の収縮性ポリエチレンテレフタレート繊維と中
空ポリエチレンテレフタレート繊維を50/50の割合
で混綿した後、カード、クロスラップ、プレニードル
(40パンチ/cm2)の各行程を通して、目付120g
/m2の繊維ウエブを得た。この繊維ウエブを2枚積層し
て用いる以外は実施例1と同様にして皮革様シート状物
を得た。この皮革様シート状物は表面平滑性に乏しい物
であった。
【0027】比較例4 比較例3において、絡合不織布の表面平滑化処理時の面
圧を0.5kg/cm2にする以外は同様にして皮革様シー
ト状物を得た。この銀面付き皮革様シート状物は表面平
滑性は良好であったが、見かけ密度が0.40g/cm3
と高く重い物であった。
【0028】実施例3 実施例1において、中空ポリエチレンテレフタレート繊
維の代わりに単繊維繊度2.5デニール、繊維長51mm
の6−ナイロン繊維を使用する以外は同様にして皮革様
シート状物を得た。この銀面付き皮革様シート状物は、
厚み1.5mm、見かけ密度0.34g/cm3の表面が平
滑で折れシワも細かく柔軟な物であった。 実施例1〜
3および比較例1〜4の面積収縮率、見かけ密度、折れ
シワ、表面平滑性を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の方法によ
れば、70℃の熱水中における収縮率が少なくとも20
%であり、かつ結晶化度が20%以下の収縮性ポリエス
テル繊維からなるウエブAと実質的に熱収縮しない繊維
からなるウエブ(B)をウエブ(A)がウエブ(B)を
はさみこむようにしてニードルパンチ絡合処理を行った
後、面積収縮率20から50%の収縮を付与し収縮と同
時あるいは収縮後に収縮性ポリエステル繊維の結晶化度
が少なくとも30%になるように結晶化処理を行って繊
維シートを得、ついで該繊維シートには弾性ポリマーを
主体とする溶液または分散液を含浸した後、湿式法また
は乾式法で凝固し、乾燥して得たシート状物を仕上げる
ことにより、表面平滑性が良好で、折れシワが細かく、
軽量な皮革様シート状物を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 70℃の熱水中における収縮率が少なく
    とも20%であり、かつ結晶化度が20%以下の収縮性
    ポリエステル繊維からなるウエブ(A)と実質的に熱収
    縮しない繊維からなるウエブ(B)とをウエブ(A)が
    ウエブ(B)をはさみこむように積層し、ニードルパン
    チ絡合処理を行った後、面積収縮率で20%以上50%
    以下の収縮を付与し、収縮と同時あるいは収縮後に収縮
    性ポリエステル繊維の結晶化度が少なくとも30%にな
    るように結晶化処理を行って繊維シートを得、ついで該
    繊維シートには弾性ポリマーを主体とする重合体の溶液
    または分散液を含浸した後、湿式法または乾式法で凝固
    し、乾燥して得たシート状物を仕上げることを特徴とす
    る柔軟で平滑な皮革様シート状物の製造方法。
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