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JPH06237794A - 1,5−アンヒドログルシトールの定量法 - Google Patents

1,5−アンヒドログルシトールの定量法

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Publication number
JPH06237794A
JPH06237794A JP5048697A JP4869793A JPH06237794A JP H06237794 A JPH06237794 A JP H06237794A JP 5048697 A JP5048697 A JP 5048697A JP 4869793 A JP4869793 A JP 4869793A JP H06237794 A JPH06237794 A JP H06237794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glucose
nad
oxidase
sample
glucokinase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5048697A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Tajima
茂 田島
Toshio Tanabe
田辺  敏雄
Reiko Machida
礼子 町田
Tomoko Takezawa
智子 竹澤
Minoru Masuda
増田  稔
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP5048697A priority Critical patent/JPH06237794A/ja
Publication of JPH06237794A publication Critical patent/JPH06237794A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】試料中の1,5−アンヒドログルシトールをピ
ラノースオキシダーゼまたはL−ソルボースオキシダー
ゼを用いて測定する際に、試料に予めグルコキナーゼ及
び/またはヘキソキナーゼと、アデノシン三リン酸と、
グルコース−6−リン酸脱水素酵素と、NAD(P)及
び/またはNAD(P)Hと、乳酸脱水素酵素と、ピル
ビン酸を添加し処理することを特徴とする1,5−アン
ヒドログルシトールの定量法。 【効果】試料中の1,5−アンヒドログルシトールを迅
速で簡便な方法により精度よく定量することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糖尿病の診断マーカーと
して用いられている1,5−アンヒドログルシトール
(以下1,5−AGと略す)の正確、迅速でかつ自動分
析装置にも適用可能な測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,5−AGは、グルコースと類似構造
を持つ環状ポリオールである。この1,5−AGは、健
常人の血液中に、グルコースに次ぎ高濃度(個人毎に一
定値を持つ)で存在するが、糖尿病患者では、1,5−
AGの濃度は特異的に低下し、かつその低下率が顕著で
あることから、糖尿病の診断に用いられる様になった。
【0003】従来、1,5−AGを測定するには、ガス
クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなどの分
離分析法が用いられていたが、煩雑なため、実用化され
なかった。一方、最近になって、1,5−AGを酸化す
る酵素(以下1,5−AG酸化酵素という)が見いださ
れ、これを応用した測定法(特公平3−24200号公
報)が開発された。また、1,5−AG酸化酵素ではあ
るが、基質特異性が厳密でないピラノースオキシダーゼ
叉はL−ソルボースオキシダーゼを用い、これら酵素と
反応性を有する1,5−AG以外の糖類(以下、夾雑糖
類という)を選択的に除去するいくつかの方法のうちの
1つと組み合わせた測定法(特開昭63−185397
号公報)が開発された。
【0004】この特開昭63−185397号公報に
は、夾雑糖類(ヒト血中では主としてグルコース)の除
去法として、(1)イオン交換樹脂(ミニカラム)で吸
着する方法、(2)塩酸で分解する方法、(3)水素化
ホウ素ナトリウムで還元する方法、(4)グルコースオ
キシダーゼで酸化する方法、(5)ヘキソキナーゼでリ
ン酸化する方法が開示されている。これらの方法のう
ち、(1)の方法が最も厳密かつ簡便であり、現在、こ
の方法を用いた用手法の1,5−AG測定キットが診断
薬として開発され、上市されている。しかしながら、多
忙な臨床現場を考えると、カラム操作を必要とする用手
法のキットでは、必ずしも簡便とは言えず、自動化法の
開発に強い期待がかけられている。
【0005】そこで、カラム操作が不要であり、生化学
検査用に市販されている汎用の自動分析装置へも応用可
能な(5)の夾雑糖類(主としてグルコース)の酵素に
よるリン酸化法が注目され、特開平1−320998号
公報、特開平2−104298号公報、特開平3−27
299号公報にその改良法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、血液中では
グルコースは空腹時で800〜1,200mg/L、食後で
も1,400mg/L程度の量にコントロールされている。
ところが糖尿病になるとこれ以上に上昇し、3,000
から4,000mg/Lに上がることもまれではなく、1
0,000mg/Lに上昇することも有り得る。一方、1,
5−AGの量は0〜50mg/Lの範囲に分布しており、健
常者で平均23〜25mg/L(グルコースのおよそ1/4
0)、糖尿病患者ではずっと少なくなって平均4〜7mg
/Lであり、1mg/L以下(グルコースの数千分に1)とな
ることも有る。従って、10,000mg/Lのグルコース
を完全に除去できる方法でないと、1,5−AGを充分
精度良く測定できる方法とは言えない。すなわち、グル
コース濃度が10,000mg/Lの糖尿病患者の血液で
は、グルコースの99.99%が除去できても1mg/Lの
グルコースが残存し、1,5−AGの測定値は上昇し、
正確に測定できない。
【0007】従って、1,5−AGの特異性が悪く、む
しろグルコースと強く反応する様なピラノースオキシダ
ーゼ又はL−ソルボースオキシダーゼを用い、汎用の生
化学分析装置で測定可能な1,5−AG自動測定法を開
発するためには、カラム処理を用いることなくグルコー
スを主とする夾雑糖類を完全に除去する方法が必要とな
る。
【0008】しかし、特開昭63−185397号公報
の前記(5)の方法、即ち、グルコースの除去の為にヘ
キソキナーゼを用い、残存する1,5−AGをピラノー
スオキシダーゼで測定する方法では、ヘキソキナーゼで
完全にグルコースを除去できなかったり、ピラノースオ
キシダーゼの反応時間が長く、正確な定量を迅速に行う
ことが出来ないなどの問題点がある。
【0009】また、特開平1−320998号公報及び
特開平3−27299号公報では、グルコースの処理
に、グルコース6位リン酸化酵素(グルコキナーゼ又は
ヘキソキナーゼ)を用い、さらにこの反応を完結させる
ため、グルコース−6−リン酸脱水素酵素を組み合わ
せ、グルコースのリン酸化反応の平衡を完全にグルコー
ス−6−リン酸に向かわせる工夫がなされている。しか
しながら、これらの方法でヒト血清叉は血漿中の1,5
−AGの測定を行なった場合、共存する血清タンパク質
によって干渉が起こるため、あらかじめ煩雑な除タンパ
ク操作が必要となり、自動化法に向かないなどの問題点
がある。
【0010】また、特開平2−104298号公報にお
いては、グルコースを主とする夾雑糖類の処理にグルコ
キナーゼ又はヘキソキナーゼを用い、さらにATP供給
系としてピルビン酸キナーゼとその基質であるホスホエ
ノールピルビン酸を作用させる方法が提案されており、
これにより、グルコースの6位リン酸化に必要なATP
(アデノシン三リン酸)の濃度をさげ、1,5−AGの
ピラノースオキシダーゼによる酸化反応への過剰ATP
による阻害を回避でき、かつ、汎用の自動分析装置にフ
ィット可能な短時間処理が可能になったとしている。し
かし、ガスクロマトグラフィーと対比した検体での測定
精度を見ると、臨床応用にはいまだ不十分であるという
問題点がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、簡便で実
用的な1,5−AGの測定方法、即ち、汎用の自動分析
装置にも応用可能な方法を検討し、本発明を完成した。
即ち本発明は、試料中の1,5−アンヒドログルシトー
ルをピラノースオキシダーゼまたはL−ソルボースオキ
シダーゼを用いて測定する際に、試料に予めグルコキナ
ーゼ及び/またはヘキソキナーゼと、アデノシン三リン
酸と、グルコース−6−リン酸脱水素酵素と、NAD
(P)及び/またはNAD(P)Hと、乳酸脱水素酵素
と、ピルビン酸を添加し処理することを特徴とする1,
5−アンヒドログルシトールの定量法、に関する。な
お、本発明において、「NAD(P)及び/またはNA
D(P)H」はニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオ
チド(NAD)、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレ
オチドリン酸(NADP)、還元型ニコチンアミド・ア
デニン・ジヌクレオチド(NADH)及び還元型ニコチ
ンアミド・アデニン・ジヌクレオチドリン酸(NADP
H)から選ばれる一種又は二種以上を意味する。
【0012】以下、本発明の1,5−AG定量法につい
て詳細に説明する。本発明においては、試料中の1,5
−AGをピラノースオキシダーゼ叉はL−ソルボースオ
キシダーゼを用いて測定する前に、試料に、(a)グル
コキナーゼ及び/またはヘキソキナーゼ、(b)アデノ
シン三リン酸(ATP)、(c)グルコース−6−リン
酸脱水素酵素、(d)NAD(P)及び/またはNAD
(P)H、(e)乳酸脱水素酵素、及び、(f)ピルビ
ン酸を添加し処理する。
【0013】試料としては種々のものが使用でき、1,
5−AGを定量したいものならとくに制限はなく、例え
ば髄液、血漿、血清、尿等の体液や植物、動物組織など
の抽出物および、それらの除蛋白物が挙げられる。グル
コキナーゼ、ヘキソキナーゼ、グルコース−6−リン酸
脱水素酵素、乳酸脱水素酵素はIUPAC−IUBの命
名法で、それぞれEC2.7.1.2、EC2.7.
1.1、EC1.1.1.49、EC1.1.1.27
に分類しうるものであれば、特に制限はなく、市販のも
のを使用しうる。
【0014】各酵素及び試薬の使用量は試料中のグルコ
ース量等により異なるが、通常は次のとおりである。 グルコキナーゼ及び/またはヘキソキナーゼ:0.5〜
20U/ml ATP:0.1〜50mM グルコース−6−リン酸脱水素酵素:1〜100U/m
l NAD(P)及び/またはNAD(P)H:0.1〜2
0mM 乳酸脱水素酵素:0.2〜20U/ml ピルビン酸:0.2〜20mM これら酵素及び試薬は同時に添加してもよく、又、任意
の順序で添加してもよい。
【0015】試料に上記酵素及び試薬を添加することに
より、これらが試料に作用し、グルコキナーゼ及び/ま
たはヘキソキナーゼにより、例えばグルコースはグルコ
ース−6−リン酸に変換され、同時にATPはADPに
変換される。又、グルコース−6−リン酸脱水素酵素に
より、グルコース−6−リン酸は6−ホスホグルコン酸
に変換され、同時に、NAD(P)はNAD(P)Hに
変換され、叉、ピルビン酸の存在下、乳酸脱水素酵素に
より、NAD(P)HはNAD(P)に変換されるとい
う反応系が確立され、試料中の夾雑糖類の消去が行われ
る。
【0016】特開平2−104298号公報には、AT
P供給系としてピルビン酸キナーゼと、その基質である
ホスホエノールピルビン酸を作用させる方法が提案され
ているが、この方法の場合、グルコース−6−リン酸が
蓄積する事で、反応が阻害され、完全には試料中の夾雑
糖類を除去しきれなかった。本発明によれば、グルコー
ス−6−リン酸は6−ホスホグルコン酸に変換されるの
で、グルコキナーゼによるグルコースのグルコース−6
−リン酸への変換が効率よく行われ、試料中の夾雑糖類
は効率よく除去される。
【0017】ホスホエノールピルビン酸を用いた試薬の
場合、グルコース2000mg/dLでは1,5−AGの測
定が不能になったが、本発明によれば、正常に測定する
ことができる。
【0018】前記反応(本発明における前記処理)は通
常、1〜400mM、pH5〜10のバッファー中で、1
0〜60℃で1〜60分程度行なわれる。バッファーと
してはリン酸バッファー、クエン酸バッファー、クエン
酸リン酸バッファー、酢酸バッファー、トリス−塩酸バ
ッファー、グッドのバッファー、イミダゾールバッファ
ー、トリエタノールアミンバッファー等が挙げられる。
反応の際、塩類を共存させるのが好ましく、塩類として
は塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム等のマグネシウ
ム塩、塩化カリウム、硫酸カリウム等のカリウム塩等が
挙げられる。これらの塩は、1〜100mM程度用いるの
が好ましいが、特に限定はされない。
【0019】上記反応により試料中の夾雑糖類を消去し
た後、1,5−AGをピラノースオキシダーゼ叉はL−
ソルボースオキシダーゼを用いて定量する。この1,5
−AGの定量法は公知であり、特開平3−24200
号、特開昭63−185397号、特開平1−3209
98号公報等に記載された方法に従って行うことができ
る。
【0020】例えば次のようにして行うことができる。
即ち、試料に予めグルコキナーゼ及び/またはヘキソキ
ナーゼとアデノシン三リン酸とグルコース−6−リン酸
脱水素酵素とNAD(P)及び/またはNAD(P)H
と乳酸脱水素酵素とピルビン酸を添加し、これらの作用
により試料中の夾雑糖類を消去した後、これにピラノー
スオキシダーゼ又はL−ソルボースオキシダーゼを添加
し、酸素等の電子受容体の存在下、4〜50℃好ましく
は25〜40℃で、30秒〜3時間、好ましくは2分〜
1時間インキュベートし、次いで生成する過酸化水素等
の電子受容体の還元体等を測定し、別に作製した検量線
から1,5−AG量を求めれば良い。
【0021】ピラノースオキシダーゼ及びL−ソルボー
スオキシダーゼはIUPAC−IUBの命名法でそれぞ
れEC1.1.3.10及びEC1.1.3.11に分
類しうるものであれば、特に制限はなく、市販のものを
使用しうる。これら酵素は、通常0.5〜500U/mL
好ましくは1〜50U/mL使用される。
【0022】具体例を示すとつぎのとおりである。例え
ば、電子受容体の還元体が過酸化水素の場合、過酸化水
素を検出する方法としては、高感度に検出できる方法で
あればいずれであっても良く、数多くの方法が利用でき
る。これらのうちで最も一般的に用いられている方法
は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を
触媒酵素として、各種のHRP基質を過酸化水素で酸化
するものであり、酸化反応の結果生成した色素、ケイ光
物質や化学発光をそれぞれ吸光度測定、ケイ光測定及び
発光測定すれば良い。
【0023】色素を生成するHRPの基質としては2,
2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−
スルホン酸)(ABTS)、o−フェニレンジアミン
(OPD)、5−アミノサリチル酸(5−AS)、3,
3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、
N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’
−ビス(ジメチルアミノ)−ジフェニルアミンナトリウ
ム塩(DA−64)、4−アミノアンチピリンとフェノ
ール類、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイ
ジンあるいはN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−
スルホプロピル)−m−トルイジン(TOOS)等の組
み合わせによるいわゆるトリンダー系発色剤などがあ
る。ケイ光物質を生成するHRPの基質としては、p−
ヒドロキシフェニル酢酸、3−(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸(HPPA)などがある。また、化学
発光するHRPの基質としては、ルミノール、イソルミ
ノールなどが知られている。
【0024】HRPなしに化学発光で検出する方法もい
くつか知られている。たとえば、フェリシアンイオン存
在下に過酸化水素でルミノールを発光させる方法、金属
イオン存在下に過酸化水素でルシゲニンを発光させる方
法、ビス(2,4,6−トリクロルフェニル)オギザレ
ートの様なアリルシュウ酸エステル類の化合物をケイ光
物質存在下に過酸化水素と反応させ、シュウ酸エステル
の分解エネルギーでケイ光物質を励起させ発光させる方
法などが知られている。さらに過酸化水素を直接検出す
る方法として、過酸化水素電極を用いても良い。
【0025】本発明によれば、グルコースからグルコー
ス−6−リン酸への反応をほぼ完全に行うことができる
ため、1,5−AGの定量を高い精度で行うことができ
る。更に、特開平2−104298号公報に記載の方法
に比べて、グルコースの処理能力が高く、より精度の高
い測定結果が得られる。このように、本発明によれば、
迅速で簡便な方法により、1,5−AGを精度良く定量
することが可能であり、汎用の生化学分析装置により自
動測定が可能である。
【0026】
【実施例】以下、比較例、参考例及び実施例により本発
明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
【0027】比較例1(ホスホエノールピルビン酸−ピ
ルビン酸キナーゼ系) 1,5−AG標準液を蒸留水及び10,000mg/L濃度
のグルコース水溶液で倍々希釈し、1,5−AG濃度と
して0,1.5,3.1,6.3,12.5,25,5
0mg/Lの標準液の希釈系列を作製した。これらの検体
0.05mLにグルコキナーゼ2U/mL、ATP1mM、4
−アミノアンチピリン1.2mM、N−エチル−N−(2
−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン
(以下、TOOSと略す)1.2mM、ホースラディッシ
ュペルオキシダーゼ(以下HRPと略す)5U/mL、M
gCl2 を30mM、KClを75mM含む50mMイミダゾ
ール緩衝液(pH7.8)1.15mLを加え30℃で3
0分間反応させた。
【0028】さらに、この反応液に100U/mL濃度の
ピラノースオキシダーゼ(以下PRODと略す)溶液5
0μLを加え、30℃でさらに30分間反応させた後、
550nmにおける吸光度を測定した。10,000mg/L
グルコース水溶液を含有する系の検量線とグルコースを
含有しない系の検量線の結果を図1に示した。
【0029】参考例1(本発明による検量線) 比較例1と同様にして作製した1,5−AG濃度0,
1.5,3.1,6.3,12.5,25,50mg/Lの
標準液の希釈系列0.05mLにグルコキナーゼ2U/m
L、ATP1mM、グルコ−ス−6−リン酸脱水素酵素1
2U/mL、NAD1mM、乳酸脱水素酵素2U/mL、ピル
ビン酸2mM、4−アミノアンチピリン1.2mM、TOO
S1.2mM、HRP5U/mL、MgCl2 を30mM、K
Clを75mM含むHEPES(2−[4−(2−ヒドロ
キシエチル)−1−ピぺラジニル]エタンスルホン酸)
緩衝液(pH7.0)1.15mLを加え30℃で30分
間反応させた。
【0030】さらに、この反応液に100U/mL濃度の
PROD溶液50μLを加え、30℃でさらに30分間
反応させた後、550nmにおける吸光度を測定した。1
0,000mg/Lグルコース水溶液を含有する系の検量線
とグルコースを含有しない系の検量線の結果を図2に示
した。
【0031】図1と図2の比較から明かなように、酵素
試薬調製直後のグルコースの消去の効率は、ホスホエノ
ールピルビン酸−ピルビン酸キナーゼの系よりも本発明
の方法によるグルコース−6−リン酸脱水素酵素、NA
D、乳酸脱水素酵素、ピルビン酸の系の方が良かった。
【0032】実施例1 (血清中の1,5−AGの測
定) (1)グルコースのリン酸化酵素としてグルコキナーゼを用いた場合 試薬 R−1 4−アミノアンチピリン 1.5mM MgCl2 7.5mM KCl 80mM ATP 1mM HRP 3.75U/mL グルコキナーゼ 1U/mL アスコルビン酸オキシダーゼ 5U/mL グルコース−6−リン酸脱水素酵素 12U/mL 乳酸脱水素酵素 2U/mL ピルビン酸 2mM NAD 1mM HEPES緩衝液 50mM(pH8.0) 試薬 R−2 TOOS 4.5mM ピラノースオキシダーゼ 100U/mL HEPES緩衝液 50mM(pH8.0)
【0033】ヒト血清0.05mLに試薬R−1 1.3
mLを添加し、37℃で5分間反応させた。その後試薬R
−2を0.65mL添加し、5分後の550nmでの吸光度
を測定した。なお、同時にヒト血清の代わりに精製水を
用いたブランクも測定した。あらかじめ作製した1,5
−AGの検量線を用いて、血清中1,5−AG濃度を測
定すると31.2mg/Lであった。
【0034】(2)グルコースのリン酸化酵素としてヘ
キソキナーゼを用いた場合 グルコキナーゼの代わりに20U/mLのヘキソキナーゼ
を使用した以外は(1)と同様に操作した。血清中の
1,5−AG濃度は30.9mg/Lであった。 (3)NADPを用いた場合 試薬R−1中のNADをNADPに変えた以外は(1)
と同様に操作した。血清中の1,5−AG濃度は31.
0mg/Lであった。 (4)NADHを用いた場合 試薬R−1中のNADをNADHに変えた以外は(1)
と同様に操作した。血清中の1,5−AG濃度は31.
5mg/Lであった。
【0035】実施例2 (グルコースのイオン交換樹脂
による吸着除去法と、本発明の方法との比較) ヒト血清30検体について、従来より行われているイオ
ン交換樹脂を用いるミニカラム法(ラナAGキット:日
本化薬製)と実施例1(1)の方法を用いて1,5−A
G濃度を測定した。実施例1(1)の測定は、日立71
50型自動分析装置を用い、検体10μLに試薬R−1
を260μL添加して37℃5分間反応させ、さらに試
薬R−2を130μL添加して、37℃5分間反応後、
主波長546nm、副波長700nmで吸光度の変化を
測定した。
【0036】イオン交換樹脂を用いるミニカラム法と本
発明の方法による結果の相関図を図3に示す。相関係数
は0.99で、両測定法間には、高い相関性が認められ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば試料中の1,5−AGを
迅速で簡便な方法により精度良く、夾雑糖類の影響を受
ける事なしに定量することができ自動分析装置での測定
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】1,5−AG検量線(グルコース処理をホスホ
エノールピルビン酸−ピルビン酸キナーゼ系で行ったも
の)
【図2】1,5−AG検量線(グルコース処理を本発明
の方法で行ったもの)
【図3】ミニカラム法と本発明の方法による1,5−A
G定量結果の相関図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の1,5−アンヒドログルシトール
    をピラノースオキシダーゼまたはL−ソルボースオキシ
    ダーゼを用いて測定する際に、試料に予めグルコキナー
    ゼ及び/またはヘキソキナーゼと、アデノシン三リン酸
    と、グルコース−6−リン酸脱水素酵素と、NAD
    (P)及び/またはNAD(P)Hと、乳酸脱水素酵素
    と、ピルビン酸を添加し処理することを特徴とする1,
    5−アンヒドログルシトールの定量法。
JP5048697A 1993-02-16 1993-02-16 1,5−アンヒドログルシトールの定量法 Pending JPH06237794A (ja)

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JP5048697A JPH06237794A (ja) 1993-02-16 1993-02-16 1,5−アンヒドログルシトールの定量法

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JP5048697A Pending JPH06237794A (ja) 1993-02-16 1993-02-16 1,5−アンヒドログルシトールの定量法

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Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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