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JPH0621206B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Publication number
JPH0621206B2
JPH0621206B2 JP1308579A JP30857989A JPH0621206B2 JP H0621206 B2 JPH0621206 B2 JP H0621206B2 JP 1308579 A JP1308579 A JP 1308579A JP 30857989 A JP30857989 A JP 30857989A JP H0621206 B2 JPH0621206 B2 JP H0621206B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
titanium
propylene
polymerization
polypropylene
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP1308579A
Other languages
English (en)
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JPH03168238A (ja
Inventor
安治 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP1308579A priority Critical patent/JPH0621206B2/ja
Publication of JPH03168238A publication Critical patent/JPH03168238A/ja
Publication of JPH0621206B2 publication Critical patent/JPH0621206B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、軟質ポリプロピレンを含有する樹脂組成物に
関する。
[従来の技術] 各種の樹脂、エラストマーまたはゴムと有機フィラーと
の組成物は従来から知られている。しかし、例えば、ポ
リプロピレンと有機フィラーとの組成物は硬く、ウレタ
ン、各種エラストマーまたはゴムとの組成物は高価であ
った。また、ポリ塩化ビニルとの組成物は可塑剤のブリ
ードが起きるなどの問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、特殊な軟質ポリプロピレンを用いると、軟質
で伸びのある弾性的挙動を示し、優れた吸放湿性(吸湿
時と放湿時との差が大きい)を有する樹脂組成物を得る
ことができることを見出した。本発明は、この知見に基
ずくものである。
[課題を解決するための手段] 従って、本発明は、 軟質ポリプロピレン95〜40重量%と、皮革粉、ゼラ
チン、カゼイン、シルク粉、セルロース粉、竹粉及びキ
チン粉からなる群から選ばれる一種の有機フィラー5〜
60重量%とを含むことを特徴とする、樹脂組成物に関
する。
本明細書において「軟質ポリプロピレン」とは、以下の
(1)〜(4)に記載のホモ重合体、または共重合体、
更にはそれら重合体を含有する組成物のいずれかを意味
する。
(1)(i)固有粘度が1.2dl/g以上である沸騰ヘプタ
ン可溶性ポリプロピレン10〜90重量%と(ii)固有粘
度が0.5〜9.0dl/gである沸騰ヘプタン不溶性ポリ
プロピレン90〜10重量%とからなるポリプロピレン
系重合体(a)、 (2)(i)α−オレフィン単位含有量が0.1〜5モル
%であり、(ii)固有粘度が1.2dl/g以上である沸騰ヘ
キサン可溶分が20〜99.9重量%であり、そして(i
ii)引張弾性率が5000Kg/cm2以下である、プロピレ
ンと炭素数4〜30のα−オレフィンとのランダム共重
合体(b)、 (3)(i)前記ポリプロピレン系重合体(a)10〜9
5重量%と、(ii)エチレン単位含有量が10〜60モル
%で、固有粘度が0.5〜7.0dl/gであるエチレン−
プロピレン共重合体(c)及び/又は (ii)エチレン単位含有量が10〜60モル%で、ポリエ
ン単位含有量が1〜10モル%で、固有粘度が0.5〜
7.0dl/gであるエチレン−プロピレン−ポリエン共重
合体(c′)90〜5重量%とからなるプロピレン系組
成物(d)、および (4)(i)前記ランダム共重合体(b)10〜95重量
%と、(ii)前記エチレン−プロピレン共重合体(c)及
び/又はエチレン−プロピレン−ポリエン共重合体
(c′)90〜5重量%とからなるプロピレン系組成物
(e)。
なお、前記のポリプロピレン系重合体(a)は次の性質
(i)〜(iv)を有しているものが特に好ましい。
(i)13C-NMRによるペンタッド分率において、rrrr/1-mmm
mが20%以上である。
(ii)示差熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク
温度(Tm)が150℃以上である。
(iii)DSCにて測定した融解エンタルピー(△H)が
100J/g以下である。
(iv)透過型電子顕微鏡での観察において、ドメイン構造
が観察される。
本発明で用いる軟質ポリプロピレンのうち、前記のポリ
プロピレン系重合体(a)及びランダム共重合体(b)
は、例えば、以下に記載の気相1段重合法又はスラリー
1段重合法のいずれかによって調製することができる。
以下、それらの調製法について順に説明する。
気相1段重合法 気相1段重合法で用いる触媒系は、例えば、 (I)(i)結晶性ポリオレフィンと (ii)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子および
電子供与性化合物からなる固体触媒成分とからなる固体
成分、 (II)有機アルミニウム化合物 (III)アルコキシ基含有芳香族化合物、および (IV)電子供与性化合物 の組合せからなる。
前記の固体成分(I)は、結晶性ポリオレフィン(i)1
重量部に対して固体触媒成分(ii)を0.005〜30重
量部(好ましくは0.02〜10重量部)の割合で含ん
でなる。
前記の固体成分(I)は、例えば、固体触媒成分(ii)と
有機アルミニウム化合物と場合により電子供与性化合物
との存在下に、オレフィンを予備重合させる方法によっ
て調製することができる(予備重合法)。
ここで、固体触媒成分(ii)は、マグネシウム、チタン、
ハロゲン原子および電子供与性化合物を必須成分とする
ものであり、これはマグネシウム化合物とチタン化合物
と電子供与性化合物とを接触させることによって調製す
ることができる。
マグネシウム化合物としては、例えばマグネシウムジク
ロリドなどのマグネシウムジハライド、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、マグネ
シウムのカルボン酸塩、ジエトキシマグネシウムなどの
アルコキシマグネシウム、アリロキシマグネシウム、ア
ルコキシマグネシウムハライド、アリロキシマグネシウ
ムハライド、エチルブチルマグネシウムなどのアルキル
マグネシウム、アルキルマグネシウムハライド、あるい
は有機マグネシウム化合物と電子供与体、ハロシラン、
アルコキシシラン、シラノール及びアルミニウム化合物
などとの反応物などを挙げることができるが、これらの
中でマグネシウムハライド、アルコキシマグネシウム、
アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライド
が好適である。また、これらのマグネシウム化合物は1
種だけで用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いて
もよい。
また、チタン化合物としては、例えばテトラメトキシチ
タン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシ
チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブ
トキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラシク
ロヘキシロキシチタン、テトラフェノキシチタンなどの
テトラアルコキシチタン、四塩化チタン、四臭化チタ
ン、四ヨウ化チタンなどのテトラハロゲン化チタン、メ
トキシチタニウムトリクロリド、エトキシチタニウムト
リクロリド、プロポキシチタニウムトリクロリド、n−
ブトキシチタニウムトリクロリド、エトキシチタニウム
トリブロミドなどのトリハロゲン化アルコキシチタン、
ジメトキシチタニウムジクロリド、ジエトキシチタニウ
ムジクロリド、ジプロポキシチタニウムジクロリド、ジ
−n−プロポキシチタニウムジクロリド、ジエトキシチ
タニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジアルコキシチ
タン、トリメトキシチタニウムクロリド、トリエトキシ
チタニウムクロリド、トリプロポキシチタニウムクロリ
ド、トリ−n−ブトキシチタニウムクロリドなどのモノ
ハゴゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げらるが、こ
れらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チ
タンが好適である。これらのチタン化合物はそれぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよ
い。
電子供与性化合物は、酸素、窒素、リン、イオウ、ケイ
素などを含有する有機化合物であり、基本的にはプロピ
レンの重合において、規則性を向上することができるも
のである。
このような電子供与性化合物としては、例えばエステル
類、チオエステル類、アミン類、ケトン類、ニトリル
類、ホスフィン類、エーテル類、チオエーテル類、酸無
水物、酸ハライド類、酸アミド類、アルデヒド類、有機
酸類などを挙げることができる。更には、例えば、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ジベンジルジメトキシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラフェノキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ
素化合物、フタル酸−n−ブチル、フタル酸ジイソブチ
ルなどの芳香族ジカルボン酸エステル、安息香酸、p−
メトキシ安息香酸、p−エトキシ安息香酸、トルイル酸
などの芳香族モノカルボン酸の炭素数1〜4のアルキル
エステル、イソプロピルメチルエーテル、イソプロピル
エチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチ
ルエチルエーテル、t−ブチル−n−プロピルエーテ
ル、t−ブチル−n−ブチルエーテル、t−アミルメチ
ルエーテル、t−アミルエチルエーテルなどの非対称エ
ーテル、2,2′−アゾビス(2−エチルプロパン)、
2,2−アゾビス(2−エチルプロパン)、2,2′−
アゾビス(2−メチルペンタン)、a,a′−アゾビス
イソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(1−シクロ
ヘキサンカルボン酸)、(1−フェニルメチル)−アゾ
ジフェニルメタン、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチ
ル−4−トリキシペンタンニトリルなどのアゾ結合に立
体障害置換基が結合して成るアゾ化合物などが挙げら
れ、これらは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合
せて用いてもよい。
具体的には、ジメチルフタレート、ジエチルフタレー
ト、ジプロピルフタレート、ジイソブチルフタレート、
メチルエチルフタレート、メチルプロピルフタレート、
メチルイソブチルフタレート、エチルプロピルフタレー
ト、エチルイソブチルフタレート、プロピルイソブチル
フタレート、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフ
タレート、ジプロピルテレフタレート、ジイソブチルテ
レフタレート、メチルエチルテレフタレート、メチルプ
ロピルテレフタレート、メチルイソブチルテレフタレー
ト、エチルプロピルテレフタレート、エチルイソブチル
テレフタレート、プロピルイソブチルテレフタレート、
ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジ
プロピルイソフタレート、ジイソブチルイソフタレー
ト、メチルエチルイソフタレート、メチルプロピルイソ
フタレート、メチルイソブチルイソフタレート、エチル
プロピルイソフタレート、エチルイソブチルイソフタレ
ート及びプロピルイソブチルイソフタレートなどの芳香
族ジカルボン酸ジエステル、ギ酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロ
ヘキシル、プロピオン酸エチル、酢酸エチル、吉草酸エ
チル、クロロ酢酸メチル、ジクロロ酢酸エチル、メタク
リル酸メチル、クロトン酸エチル、ピバリン酸エチル、
マレイン酸ジメチル、シクロヘキサンカルボン酸エチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸エチル、
トルイル酸アミル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸
エチル、p−ブトキシ安息香酸エチル、o−クロロ安息
香酸エチル及びナフトエ酸エチルなどのモノエステル、
γ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレ
ンなどの炭素数2〜18のエステル類、安息香酸、p−
オキシ安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸、無水安
息香酸、無水p−トルイル酸などの酸無水物類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭
素数3〜15のケトン類、アセトアルデヒド、オクチル
アルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフ
チルアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類、
アセチルクロリド、ベンジルクロリド、トルイル酸クロ
リド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハラ
イド類、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル、n−ブチルエーテル、アミルエーテル、テ
トラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、
エチレングリコールブチルエーテルなどの炭素数2〜2
0のエーテル類、酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイ
ル酸アミドなどの酸アミド類、トリブチルアミン、N,
N′−ジメチルピペラジン、トリベンジルアミン、アニ
リン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジア
ミンなどのアミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリ
ル、トルニトリルなどのニトリル類などを挙げることが
できる。
これらの中で、エステル類、エーテル類、ケトン類及び
酸無水物が好ましく、特に、フタル酸ジ−n−ブチル、
フタル酸ジイソブチルなどの芳香族ジカルボン酸ジエス
テル、安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−エトキシ
安息香酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸の炭
素数1〜4のアルキルエステルなどが好適である。芳香
族ジカルボン酸ジエステルは、触媒活性及び活性持続性
を向上させるので特に好ましい。
前記の固体触媒成分(ii)の調製は、公知の方法(特開昭
53-43094号公報、特開昭55-135102号公報、特開昭55-13
5103号公報、特開昭56-18606号公報)で行なうことがで
きる。例えば(1)マグネシウム化合物又はマグネシウ
ム化合物と電子供与体との錯化合物を、電子供与体及び
所望に応じて用いられる粉砕助剤などの存在下に粉砕し
て、チタン化合物と反応させる方法、(2)還元能を有
しないマグネシウム化合物の液状物と液状チタン化合物
とを、電子供与体の存在下において反応させて、固体状
のチタン複合体を析出させる方法、(3)前記(1)又
は(2)で得られたものにチタン化合物を反応させる方
法、(4)前記(1)又は(2)で得られたものに、さ
らに電子供与体及びチタン化合物を反応させる方法、
(5)マグネシウム化合物又はマグネシウム化合物と電
子供与体との錯化合物を、電子供与体、チタン化合物及
び所望に応じて用いられる粉砕助剤などの存在下で粉砕
したのち、ハロゲン又はハロゲン化合物で処理する方
法、(6)前記(1)〜(4)で得られた化合物をハロ
ゲン又はハロゲン化合物で処理する方法、などによって
調製することができる。
さらに、これらの方法以外の方法(特開昭56-166205号
公報、特開昭57-63309号公報、特開昭57-190004号公
報、特開昭57-300407号公報、特開昭58-47003号公報)
によっても、前記固体触媒成分(ii)を調製することがで
きる。
また、周期表II〜IV族に属する元素の酸化物、例えば、
酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなど
の酸化物又は周期表II〜IV族に属する元素の酸化物の少
なくとも1種を含む複合酸化物、例えば、シリカアルミ
ナなどに前記マグネシウム化合物を担持させた固形物と
電子供与体とチタン化合物とを、溶媒中で、0〜200
℃、好ましくは10〜150℃の範囲の温度によて2分
〜24時間接触させることにより固体触媒成分(ii)を調
製することができる。
また、固体触媒成分(ii)の調製に当たり、溶媒としてマ
グネシウム化合物、電子供与体及びチタン化合物に対し
て不活性な有機溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタンなど
の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭
化水素、あるいは炭素数1〜12の飽和又は不飽和の脂
肪族、脂環式及び芳香族炭化水素のモノ及びポリハロゲ
ン化合物などのハロゲン化炭化水素などを使用すること
ができる。
このようにして調製された固体触媒成分(ii)の組成は、
通常マグネシウム/チタン原子比が2〜100、ハロゲ
ン/チタン原子比が5〜200、電子供与体/チタンモ
ル比が0.1〜10の範囲にある。
こうして得られた固体触媒成分(ii)と、有機アルミニウ
ム化合物と場合により電子供与性化合物との存在下に、
オレフィンを予備重合させることによって、前記の固体
成分(I)を調製することができる。
ここで用いる有機アルミニウム化合物としては、一般式 AlRpX3-p (1) (式中のRは炭素数1〜10のアルキル基、Xは塩
素、臭素などのハロゲン原子、pは1〜3の数である) で表される化合物を挙げることができる。このようなア
ルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムモノクロリド、ジイソプロピルアルミ
ニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノク
ロリド、ジオクチルアルミニウムモノクロリドなどのジ
アルキルアルミニウムモノハライド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハ
ライドなどを好適に使用することができる。これらのア
ルミニウム化合物は1種を用いてもよいし、2種以上を
組み合せて用いてもよい。
更に、場合により存在させることのできる電子供与性化
合物としては、前記固体触媒成分(ii)に関連して説明し
た化合物を用いることができる。
固体成分(I)の調製方法において、オレフィンとし
て、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メ
チルペンテン−1などの炭素数2〜10のα−オレフィ
ンを用い、通常30〜80℃、好ましくは55〜70℃
の範囲の温度において、予備重合を行ない、好ましくは
融点100℃以上の結晶性ポリオレフィンを形成させ
る。この際、触媒系のアルミニウム/チタン原子比は通
常0.1〜100、好ましくは0.5〜5の範囲で選ば
れ、また電子供与性化合物/チタンモル比は0〜50、
好ましくは0.1〜2の範囲で選ばれる。
前記の固体成分(I)は、粒径の揃った結晶性ポリプロ
ピレンやポリエチレンなどの結晶性パウダーに前記固体
触媒成分(ii)と有機アルミニウム化合物と電子供与性化
合物(融点100℃以上のもの)とを分散させる方法
(分散法)によって調製することもできる。
更に、前記の予備重合法と分散法とを組合せて固体成分
(I)を調製することもできる。
気相1段重合法に用いる触媒系は、前記のとおり、固体
成分(I)と有機アルミニウム化合物(II)とアルコキシ
基含有芳香族化合物(III)と電子供与性化合物(IV)とを
接触させて調製するが、有機アルミニウム化合物(II)及
び電子供与性化合物(IV)としては、前記で説明した化合
物を各々用いることができる。
また、アルコキシ基含有芳香族化合物(III)は、例え
ば、一般式 [式中のRは炭素数1〜20のアルキル基、Rは炭
素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基、mは
1〜6の整数、nは0〜(6−m)の整数である] で表される化合物であり、具体的には、例えばm−メト
キシトルエン、o−メトキシフェノール、m−メトキシ
フェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、ビ
ニルアニソール、p−(1−プロペニル)アニソール、
p−アリルアニソール、1,3−ビス(p−メトキシフ
ェニル)−1−ペンテン、5−アリル−2−メトキシフ
ェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−
ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアルコール、メトキ
シベンジルアルコール、ニトロアニソール、ニトロフェ
ネトールなどのモノアルコキシ化合物、o−ジメトキシ
ベンゼン、m−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベ
ンゼン、3,4−ジメトキシトルエン、2,6−ジメト
キシフェノール、1−アリル−3,4−ジメトキシベン
ゼンなどのジアルコキシ化合物及び1,3,5−トリメ
トキシベンゼン、5−アリル−1,2,3−トリメトキ
シベンゼン、5−アリル−1,2,4−トリメトキシベ
ンゼン、1,2,3−トリメトキシ−5−(1−プロペ
ニル)ベンゼン、1,2,4−トリメトキシ−5−(1
−プロペニル)ベンゼン、1,2,3−トリメトキシベ
ンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼンなどのトリ
アルコキシ化合物などが挙げられるが、これらの中でジ
アルコキシ化合物及びトリアルコキシ化合物が好適であ
る。これらのアルコキシ基含有芳香族化合物は、それぞ
れ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いて
もよい。
前記の触媒系において、固体成分(I)は、チタン原子
換算で反応容積1当り0.0005〜1モルの量で使
用する。また、アルコキシ基含有芳香族化合物(III)の
使用量は、固体成分(I)中のチタン原子1モルに対し
て、0.01〜500モル、好ましくは1〜300モル
である。この使用量が0.01モル未満になると生成ポ
リマーの物性が低下し、500モルを超えると触媒活性
が低下するので好ましくない、この触媒系においてアル
ミニウムとチタンとの原子比は1:1〜3000(好ま
しくは1:40〜800)である。この原子比の範囲外
になると十分な触媒活性が得られない。更に、アルコキ
シ基含有芳香族化合物(III)と電子供与性化合物(IV)と
のモル比は、1:0.01〜100(好ましくは1:
0.2〜100)である。
気相1段重合法では、プロピレンの単独重合を行なえば
前記のポリプロピレン系重合(a)が得られ、プロピレ
ンと炭素数4〜30のα−オレフィンとの共重合を行な
えば前記のランダム共重合体(b)が得られる。分子量
調節は公知の手段(例えば水素濃度の調節)によって行
なうことができる。重合温度は、一般に40〜90℃
(好ましくは60〜75℃)であり、重合圧力は10〜
45Kg/cm2(好ましくは20〜30Kg/cm2)、そして重
合時間は5分〜10時間である。
スラリー1段重合法 スラリー1段重合法においては、例えば、以下の2種類
の触媒系のいずれかを用いることができる。すなわち、 (1)(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子およ
び電子供与体を必須成分とする固体成分と、(ロ)アル
コキシ基含有芳香族化合物と、 (ハ)有機アルミニウム化合物との組合せから成る触媒
系、または (2)(A)前記の(イ)固体成分と(ロ)アルコキシ
基含有芳香族化合物とを、(ハ)有機アルミニウム化合
物の存在下または不存在下に反応させて得られる固体触
媒成分、および (B)有機アルミニウム化合物の組合せから成る触媒系
である。
まず、前記(1)の触媒系について説明すると、固体成
分(イ)はマグネシウム、チタン、ハロゲン原子および
電子供与体を必須成分とするものであり、マグネシウム
化合物とチタン化合物と電子供与体とを接触させること
により調製することができる。
また、この固体成分(イ)の調製に当たり、溶媒として
マグネシウム化合物、電子供与体およびチタン化合物に
対して不活性な有機溶媒、例えば、脂肪族炭化水素(ヘ
キサン、ヘプタンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、
トルエンなど)、あるいはハロゲン化炭化水素(炭素数
1〜12の飽和または不飽和の脂肪族、脂環式および芳
香族炭化水素のモノ及びポリハロゲン化合物など)を単
独でまた2種以上を組み合せて使用することができる。
触媒系(1)の固体成分(イ)を調製する際に用いるマ
グネシウム化合物、チタン化合物および電子供与性化合
物は、各々、前記の気相1段重合法の触媒系に関連して
述べた各化合物と同じものであることができる。これら
の化合物から、公知の方法(例えば気相1段重合法で述
べた方法)で固体成分(イ)を調製することができる。
こうして得られた固体成分(イ)と接触させるアルコキ
シ基含有芳香族化合物(ロ)および有機アルミニウム化
合物(ハ)としても、前記気相1段重合法の触媒系に関
連して述べた各化合物を用いることができる。
触媒系(1)を構成する各成分の使用量については、固
体成分(イ)は、通常チタン原子に換算して反応容積1
当たり、0.0005〜1モルで使用し、アルコキシ
基含有芳香族化合物(ロ)は、固体成分(イ)のチタン
原子に対するモル比が、通常0.01〜500(好まし
くは1〜300)になる割合で用いられる。このモル比
が0.01未満になると生成ポリマーの物性が低下し、
500を超えると触媒活性が低下するので好ましくな
い。また、有機アルミニウム化合物(ハ)は、マグネシ
ウム/チタン原子比が通常1〜3000(好ましくは4
0〜800)になるような量で使用する。この量が前記
範囲を逸脱すると触媒活性が不十分となる。
次に、前記の触媒系(2)について説明すると、この触
媒系(2)における固体触媒成分(A)は、前記触媒系
(1)の固体成分(イ)とアルコキシ基含有芳香族化合
物(ロ)とを、前記の有機アルミニウム化合物(ハ)の
存在下または不存在下に反応させることによって調製す
ることができる。この調製には、一般に炭化水素系溶媒
(例えば、前記触媒系(1)の調製に用いる炭化水素系
溶媒)を用いる。
反応温度は、通常0〜150℃(好ましくは10〜50
℃)であり、この温度が0℃未満になると反応が十分に
進行せず、150℃を超えると副反応が起こり、活性が
低下する。
反応時間は、反応温度によって変化するが、通常は1分
間〜20時間、好ましくは10〜60分間である。
有機アルミニウム化合物(ハ)の存在下で固体触媒成分
(A)を調製する場合に、このアルミニウム化合物
(ハ)の濃度は、通常0.05〜100ミリモル/
(好ましくは1〜10ミリモル/)である。この濃度
が0.05ミリモル/未満になると、有機アルミニウ
ム化合物(ハ)を存在させて反応を行なう効果が十分に
得られず、100ミリモル/を超えると固体成分
(イ)中のチタンの還元が進行して、触媒活性が低下す
る。
一方、有機アルミニウム化合物(ハ)の不存在下で、固
体成分(イ)とアルコキシ基含有芳香族化合物(ロ)と
を反応させて固体触媒成分(A)を調製する場合に、ア
ルコキシ基含有化合物(ロ)は、固体成分(イ)中のチ
タン原子に対するモル比が、通常0.1〜200(好ま
しくは、1〜50)になるような割合で用いられ、ま
た、その化合物(ロ)の濃度は、通常0.01〜10ミ
リモル/(好ましくは0.1〜2ミリモル/)の範
囲で選ばれる。チタン原子に対するモル比が前記範囲を
逸脱すると所望の活性を有する触媒が得られにくい。ま
た濃度が0.01ミリモル/未満では容積効率が低く
て実用的でないし、10ミリモル/を超えると過反応
が起こりやすく、触媒活性が低下する。
触媒系(2)における有機アルミニウム化合物(B)と
しては、前記の気相1段法の触媒に関して例示した有機
アルミニウム化合物を用いることができる。
触媒系(2)における各成分の使用量については、固体
触媒成分(A)は、チタン原子に換算して、反応容積1
当たり、通常0.0005〜1ミリモル/の範囲に
なるような量で用い、そして有機アルミニウム化合物
(B)は、アルミニウム/チタン原子比が、通常1〜3
000(好ましくは40〜800)の範囲になるような
量で用いられる。この原子比が前記範囲を逸脱すると触
媒活性が不十分になる。
本発明のスラリー1段重合法において、プロピレンの単
独重合を行なうと、前記のポリプロピレン系重合体
(a)を得ることができ、プロピレンと炭素数4〜30
のα−オレフィンとの共重合を行なうと前記のランダム
共重合体(b)を得ることができる。
スラリー1段重合の場合、重合温度は通常0〜200℃
(好ましくは60〜100℃)の範囲、そしてプロピレ
ン圧は、通常1〜50Kg/cm2の範囲で選ばれる。重合時
間は5分〜10時間程度で十分であり、また重合体の分
子量の調節は公知の手段、例えば重合器中の水素濃度を
調製することにより行なうことができる。
次に、本発明で用いる軟質ポリプロピレンのうち、プロ
ピレン系組成物(d){前記ポリプロピレン系重合体
(a)とエチレン−プロピレン共重合体(c)又はエチ
レン−プロピレン−ポリエン共重合体(c′)との組成
物}及びプロピレン系組成物(e){前記ランダム共重
合体(b)とエチレン−プロピレン共重合体(c)又は
エチレン−プロピレン−ポリエン共重合体(c′)との
組成物}は、例えば、以下の気相多段法、スラリー多段
法又はブレンド法のいずれかによって調製することがで
きる。
気相多段重合法 気相多段重合法で用いる触媒は、前記気相1段重合法で
用いた触媒と同じものである。
気相多段重合法では最初の重合(第1段重合)は前記の
気相1段重合と同じである。従って、分子量調節は公知
の手段(例えば水素濃度の調節)によって行なうことが
できる。重合温度は、一般に40〜90℃(好ましくは
60〜75℃)であり、重合圧力は10〜45Kg/cm
2(好ましくは20〜30Kg/cm2)、そして重合時間は
5分〜10時間である。
第2回から最終回の重合(第n段重合)は、エチレン−
プロピレン共重合またはエチレン−プロピレン−ポリエ
ン共重合である。
共重合体に用いることのできる非共役ポリエンとして
は、例えば、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタ
ジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−
メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネ
ン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1
−ブテニン)−2−ノルボルネン、シクロオクタジエ
ン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカ
トリエン、6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロ
インデン、2−2′−ジシクロペンテニル、トランス−
1,2−ジビニルシクロブタン、1,4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,6−オク
タジエン、1,7−オクタダジエン、1,8−ノナジエ
ン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−
オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエ
ン、1,4,7−オクタトリエン、5−メチル−1,8
−ノナジエン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン
等を挙げることができる。これらの非共役ポリエンのう
ち、特にジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、1,7−オクタジエンが好ましい。
各々の重合段階において、分子量調節は、公知の手段
(例えば水素濃度の調節)によって行なうことができ
る。エチレン−プロピレン共重合体の場合に、エチレン
単位含有量の調節は、仕込みガス組成により行なうこと
ができる。またエチレン−プロピレン−ポリエン共重合
体の場合にも、ポリエン単位含有量調節は、ポリエン化
合物の仕込量により行なうことができる。重合温度は2
0〜90℃(好ましくは40〜50℃)であり、重合圧
力5〜30Kg/cm2(好ましくは10〜20Kg/cm2)、そ
して重合時間は5分〜10時間である。
スラリー多段重合法 スラリー多段重合法においても、前記のスラリー1段重
合法で用いた触媒系(1)又は(2)のいずれかを用い
ることができる。
スラリー多段重合法における重合順序および重合段数は
特に制限されず、任意に選ぶことができる。例えば、第
1段および第3段の重合でプロピレン単独重合又はプロ
ピレンと炭素数4〜30のα−オレフィンとの共重合体
を行ない、第2段および第4段の重合でエチレン−プロ
ピレン共重合またはエチレン−プロピレン−ポリエン重
合を行なうことができる。重合段数(nの数)は前記気
相多段法と同様に、所望の生成物を得るために最適な段
数を選べばよく、重合形式としては、連続重合法または
非連続重合法のいずれも用いることができる。
プロピレン単独重合又はプロピレンと炭素数4〜30の
α−オレフィンとの共重合の場合、重合温度は通常0〜
200℃(好ましくは60〜100℃)の範囲、そして
プロピレン圧は、通常1〜50Kg/cm2の範囲で選ばれ
る。また、エチレン−プロピレン共重合またはエチレン
−プロピレン−ポリエン共重合の場合には、重合温度は
通常0〜200℃(好ましくは40〜80℃)の範囲、
そしてオレフィン圧は通常1〜50Kg/cm2の範囲で選ば
れる。
前記重合においては、いずれも反応時間は5分〜10時
間程度で十分であり、また重合体の分子量の調節は公知
の手段、例えば重合器中の水素濃度を調製することによ
り行なうことができる。
エチレン−プロピレン共重合体の場合のエチレン単位含
有量調節は、仕込ガス組成により行なうことができ、そ
してエチレン−プロピレン−ポリエン共重合体の場合の
ポリエン単位含有量の調節は、仕込み量により行なうこ
とができる。ポリエンモノマーとしては前記気相多段法
で述べたポリエンモノマーを用いることができる。
ブレンド法 前記のプロピレン系組成物(d)及び(e)は、ポリプ
ロピレン系重合体(a)又はランダム共重合体(b)と
エチレン−プロピレン共重合体(c)またはエチレン−
プロピレン−ポリエン共重合体(c′)とを公知の方法
(例えば、ドライブレンドまたは混練)により、ブレン
ドにすることにより調製することができる。ポリプロピ
レン系重合体(a)及びランダム共重合体(b)は、前
記の気相1段重合法、またはスラリー1段重合法により
得ることができ、また、エチレン−プロピレン共重合体
(c)またはエチレン−プロピレン−ポリエン共重合体
(c′)は、各々公知の方法で得ることができる。
なお、重合後の後処理は常法により行なうことができ
る。すなわち、気相1段重合法又は気相多段重合法にお
いては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体
に、この中に含まれる未反応オレフィンなどを除くため
に、窒素気流などを通過させてもよい。また、所望に応
じて押出機よりペレット化してもよくその際、触媒を完
全に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添
加することもできる。また、スラリー1段重合法又はス
ラリー多段重合法においては、重合後、重合器から導出
させるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペ
レット化することができる。
本発明の樹脂組成物は、前記の軟質ポリプロピレン95
〜40重量%(好ましくは80〜50重量%)と、皮革
粉、ゼラチン、カゼイン、シルク粉、セルロース粉、竹
粉及びキチン粉からなる群から選ばれる一種の有機フィ
ラー5〜60重量%(好ましくは20〜50重量%)と
を含んでいる。有機フィラーの含有量は5重量%未満に
なると吸放湿性が不十分になり、60重量%を超えると
混練時の発熱が大きくなり、有機フィラーが劣化しやす
くなるので、その組成物で成形品をつくると表面の肌荒
れが激しいものとなる。
本発明で用いることのできる有機フィラーは、成形後に
水不溶性になる有機フィラー、具体的には、皮革粉、ゼ
ラチン、カゼイン、シルク粉、セルロース粉、竹粉また
はキチン粉である。また混練時の軟質ポリプロピレン温
度を220℃〜170℃の範囲として軟質ポリプロピレ
ンと混練することができる有機フィラーが好ましい。
有機フィラーの形態は、粉末微粒子状または短繊維状で
あることが好ましい。粉末微粒子状の有機フィラーの平
均粒子径は、一般に1mm以下、好ましくは3〜100μ
mである。平均粒子径が1mm前後の大粒径の有機フィラ
ーは、分厚い成形品を調製する場合に使用することがで
きる。また薄い成形品(例えば、シートまたはフィル
ム)を調製する場合には小粒径の有機フィラーを使用す
る必要がある。また大粒径と小粒径の有機フィラーを組
み合わせて使用することもできる。一般的には成形品の
厚さの3分の1以下の粒径を有する有機フィラーを使用
するのが好ましい。短繊維状のフィラーを使用する場合
は、フィラーの長径が成形品の厚さの2分の1以下のも
のを使用するのが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記の軟質ポリプロピレンと有
機フィラーの他に、ポリプロピレン系樹脂成形物用とし
て一般に用いられている公知の添加剤(例えば、酸化防
止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキン
グ剤または難燃剤)を含んでいることができる。
本発明の樹脂組成物は、有機フィラーを乾燥してから軟
質ポリプロピレンと混練することによって調製すること
ができる。混練前に有機フィラーを乾燥する必要があ
る。なぜなら、有機フィラーが水分を含んでいると、混
練中に発泡が起きたり、有機フィラーの熱分解が促進さ
れるからである。混練後のコンパウンドも同様の理由で
乾燥することが必要となる。
有機フィラーの乾燥は、100℃〜120℃で1〜24
時間行ない、水分量を1%以下(特には0.5%以下)
とするのが好ましい。水分量が1%を超えると発泡や有
機フィラーの分解または変色が多くなる。水分量が0.
5%以下になると特に安定した混練を行うことができ
る。乾燥機としては任意のものを使用することができる
が、真空乾燥機が好ましい。
乾燥した有機フィラーと軟質ポリプロピレンとの混練に
は、一般的に使用されている混練機を使用することがで
きる。すなわち、混練機としては、例えば、バンバリー
ミキサー、カレンダーロール、ニーダー、多軸ロール、
多軸押出機、単軸押出機等を挙げることができる。
フィラー量が多い場合には、バンバリーミキサー、カレ
ンダーロール、ニーダー、多軸押出機または多軸ロール
を一般的に用いるのが好ましい。フィラー量が少ない場
合には、単軸押出機等も使用することができる。
混練時における軟質ポリプロピレンの温度は170℃〜
220℃(好ましくは180℃〜200℃)である。混
練時の樹脂温度が220℃を超えると有機フィラーが熱
分解を起して悪臭を発生したり、変色を起すことがあ
る。混練時の樹脂温度が170℃より低いと軟質ポリプ
ロピレンが十分に溶解せず、混練を行うことができな
い。
[実施例] 実施例1〜6及び比較例1〜4 以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例よって限定されるものではな
い。
軟質ポリプロピレンの製造例 製造例1:ホモ軟質ポリプロピレン (1)固定触媒成分の調製 十分に窒素置換した内容積500mlのガラス製三ツ口
フラスコに、精製ヘプタン20ml、Mg(OEt)
4gおよびフタル酸ジ−n−ブチル1.2gを加え、系
内を90℃に保ち、かきまぜながらTiCl4mlを
滴下した後、さらにTiCl111mlを追加投入し
て、110℃に昇温した。110℃で2時間反応させた
後、80℃の精製ヘプタンで洗浄した。得られた固相部
にTiCl115mlを加え、110℃でさらに2時
間反応させた。反応終了後、生成物を精製ヘプタン10
0mlで数回洗浄して固体触媒成分[気相法の固体触媒
成分(ii)に相当]とした。
(2)固体成分の調製 十分に窒素置換した内容積2.5のガラス製耐圧三ツ
口フラスコに精製ヘプタン1.7、AlEt0.0
7モル、ジフェニルジメトキシシラン(DPDMS)
0.05ミリモルおよび前記(1)の触媒成分120g
を加えた。系内を30℃に保ち、撹拌しながらaプロピ
レンを連続的に供給し、内圧を0.5Kg/cm2に保った。
この反応を1時間継続した後、精製ヘプタン1で5回
洗浄し、固体成分[気相法の固体成分(I)に相当]を
得た。
(3)気相第1段重合 ポリプロピレンパウダー20gを含む5のステンレス
製耐圧オートクレーブに、AlEt3ミリモル、1−
アリル−3,4−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.
15ミリモル、ジフェニルジメトキシシラン(DPDM
S)0.23ミリモルおよび前記(2)の固体成分
(I)100mg(Ti原子に換算して0.06ミリモ
ル)を含むヘプタン溶液20mlを加えた。系内を5分
間排気後、全圧が28Kg/cm2になるまでプロピレンガス
を供給しながら70℃で1.7時間気相重合を行なっ
た。メルトインデックス(MI)が0.5g/10分の
軟質ポリプロピレン640gを得た。この軟質ポリプロ
ピレンの沸騰ヘプタン可溶分(HSP分)は49.5重
量%であり、固有粘度は1.99dl/gであった。ま
た、沸騰ヘプタン不溶分(HIP分)は50.5重量%
であり、固有粘度は4.13dl/gであった。さらに
13C−NMRによるペンタッド分率においてrrrr/
1−mmmmが34.5%であり、DSCにて測定した
融解ピーク温度(Tm)が158℃、DSCにて測定し
た融解エンタルピー(△H)が58.2J/gであり、
そして透過型電子顕微鏡での観察においてドメイン構造
が観察された。
製造例2:ブロック軟質ポリプロピレン 上記ホモ軟質ポリプロピレンと同様に、固体触媒成分の
調製と固体成分Aの調製を行なった後、次のようにし
た。
(1)気相第1段重合 ポリプロピレンパウダー20gを含む5のステンレス
製耐圧オートクレーブに、AlEt3ミリモル、1−
アリル−3,4−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.
15ミリモル、ジフェニルジメトキシシラン(DPDM
S)0.23ミリモル、並びに前記製造例1(1)およ
び(2)で調製した固体成分(I)100mg(Ti原
子に換算して0.06ミリモル)を含むヘプタン溶液2
0mlを加えた。系内を5分間排気後、水素ガスを0.
6Kg/cmまで導入し、さらに全圧が28Kg/cm2
るまでプロピレンガスを供給しながら70℃で1.7時
間気相重合を行なった。
(2)気相第2段重合 前記(1)の反応が終了した後、系内を脱圧し、排気し
た後、水素ガス0.5Kg/cm2、エチレン−プロピレン混
合ガス(モル比1/4)を10Kg/cm2まで供給し、50
℃で1.4時間気相重合を行なった。
メルトインデックス(MI)が3.9g/10分の軟質
ポリプロピレン550gが得られた。この軟質ポリプロ
ピレンは、ポリプロピレンホモ重合体72重量%とエチ
レン−プロピレン共重合体28重量%とからなり、ホモ
重合体は、固有粘度が1.18dl/gの沸騰ヘプタン
可溶分(HSP分)48.2重量%と固有粘度が1.8
4dl/gの沸騰ヘプタン不溶分(HIP分)51.8
重量%とからなり、13C−NMRによるペンタッド分率
においてrrrr/1−mmmmが34.5%、DSC
にて測定した融解ピーク温度(Tm)が158℃、DS
Cにて測定した融解エンタルピー(△H)が62.6J
/g、そして透過型電子顕微鏡での観察においてドメイ
ン構造が観察された。一方、共重合体のエチレン単位含
有量は30モル%であり、固有粘度は1.77dl/g
であった。
(1)以下の第1表および第2表に示す有機フィラーを
真空乾燥(120℃、3時間)して、軟質ポリプロピレ
ンとドライブレンドした。
(2)バンバリーミキサーで樹脂温度が180℃〜20
0℃になるように回転数と加圧力を調整し、樹脂温度を
180℃〜200℃にしてから5分間混練した。
(3)直径25cmの2軸ロールで温度140℃で約3mm
のシートとした。
(4)前記(3)で作成したシートを、120℃で3時
間予備乾燥した後、6×12cmの大きさに切り、プレス
成形機で、中空の鉄板枠(厚さ2mm)の中に入れ、更に
両側をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
と鉄板とではさみ、180℃で1分間予熱し、0〜50
Kg/cm2の圧力で5〜10回の脱泡操作を行い、50Kg/c
m2の圧力でプレスした後、冷却プレスで更に加圧冷却し
てシート(8cm×15cm×2mm)を得た。
使用した材料は以下のとおりである(カッコ内の略号
は、第1表および第2表に示したものである)。
軟質ホモポリプロピレン(軟質PP(ホモ)) :製造例1によって調製した軟質ポリプロピレン 軟質ブロックポリプロピレン(軟質PP(ブロツ ク)) :製造例2によって調製した軟質ポリプロピ レン ポリプロピレン(PP) :出光石油化学(株);ポリプロピレン J−750H 皮革粉(100μm) :平均粒径100μmの皮革粉(特開昭 63-152698号および特開昭63-11311号各公 報記載の物) 皮革粉(5μm) :平均粒径5μmの皮革粉(特開昭63-152698 号および特開昭63-第11311号各公報記載の 物) セルロース粉(400メッシュパスの粉末) :山陽国策パルプ(株)製、W400 シルク粉(7μm) :鐘紡絹糸京美人(株)製P20 ゼラチン(5μm) :平均分子量10万の粉末(新田ゼラチン (株)製)を乾燥しさらにエールミルで粉 砕し平均粒径5μmとして用いた。
評価は以下の方法によって行った。
吸放湿性 試験用シートを23℃および相対湿度30%の雰囲気中
で24時間放置し、重量を測定した後、23℃および相
対湿度30%の雰囲気から23℃および相対湿度80%
の雰囲気に変え、更に24時間放置し、重量を測定す
る。この重量変化が吸湿性の指標となる。一方、放湿性
の測定は、試験用シートを23℃および相対湿度80%
の雰囲気中で24時間放置して重量を測定した後、23
℃および相対湿度30%の雰囲気中で24時間放置して
から重量を測定し、その差を求めることによって行う。
吸湿性と放湿性との平均値から以下の4段階で評価し
た。
◎…吸放湿時の差=150mg/g.24Hr以上の変化 〇…吸放湿時の差=150〜50mg/g.24Hrの 変化 △…吸放湿時の差=20〜50mg/g.24Hrの変 化 ×…吸放湿時の差=20mg/g.24Hr以下の変化 ドライタッチ感 触手により以下の4段階で評価した。
◎…非常にドライでさらっとしている 〇…ドライでさらっとしている △…十分ドライとは言えない ×…ドライでない、触ると汁ばむ 柔らかさ(引張弾性率) ◎…5,000Kg/cm2未満 〇…5,000〜8,000Kg/cm2 △…8,000〜12,000Kg/cm2 ×…12,000Kg/cm2以上 伸び JIS K6871によるプラスチックの引張試験法で
行った。
[発明の効果] 本発明の樹脂組成物は、軟質で伸びのある弾性的挙動を
示し、優れた吸放湿性を有している。
本発明の樹脂組成物は、例えば、壁材、自動車内装形成
品、シート材またはグリップ類の素材として好適に用い
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/00 LLV 7142−4J 89/00 LSE 7415−4J 97/00 LSW 7415−4J // C08F 4/658 MFG 9053−4J 10/06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質ポリプロピレン95〜40重量%と、
    皮革粉、ゼラチン、カゼイン、シルク粉、セルロース
    粉、竹粉及びキチン粉からなる群から選ばれる一種の有
    機フィラー5〜60重量%とを含むことを特徴とする、
    樹脂組成物。
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