JPH06210885A - サ−マルヘッド - Google Patents
サ−マルヘッドInfo
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- JPH06210885A JPH06210885A JP4191322A JP19132292A JPH06210885A JP H06210885 A JPH06210885 A JP H06210885A JP 4191322 A JP4191322 A JP 4191322A JP 19132292 A JP19132292 A JP 19132292A JP H06210885 A JPH06210885 A JP H06210885A
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- heating element
- thermal head
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Landscapes
- Electronic Switches (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目 的】 発熱体層を保護する保護膜の耐摩耗性およ
び耐熱性と熱応答性とを共に向上させたサーマルヘッ
ド。 【構 成】 サ−マルヘッドは、基板と、当該基板上に
形成された発熱体層と、当該発熱体層に電流を供給する
電極と、前記発熱体層および電極上に形成されたエネル
ギーバンド幅が2.3 evないし3.0ev からなる絶縁体で、
少なくとも非晶質を有する炭素または珪素の主成分どう
しの共有結合が強い保護膜とから構成される。また、サ
−マルヘッドの保護膜は、水素、ハロゲン元素または珪
素が0.01ないし20モル%添加されている。
び耐熱性と熱応答性とを共に向上させたサーマルヘッ
ド。 【構 成】 サ−マルヘッドは、基板と、当該基板上に
形成された発熱体層と、当該発熱体層に電流を供給する
電極と、前記発熱体層および電極上に形成されたエネル
ギーバンド幅が2.3 evないし3.0ev からなる絶縁体で、
少なくとも非晶質を有する炭素または珪素の主成分どう
しの共有結合が強い保護膜とから構成される。また、サ
−マルヘッドの保護膜は、水素、ハロゲン元素または珪
素が0.01ないし20モル%添加されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐磨耗性および耐熱性
に優れた保護膜を備えたサーマルヘッドに関するもので
ある。
に優れた保護膜を備えたサーマルヘッドに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルヘッドは、基板と、当該
基板上に形成された熱応答性の良い発熱体層と、当該発
熱体層に電流を供給する電極と、前記発熱体層と電極と
を保護する保護膜とから構成されていた。そして、サー
マルヘッドにおける発熱体層の表面は、感熱記録用紙と
絶えず摩擦接触するため、発熱体層部分を耐磨耗性、耐
熱性を有する部材によって保護する必要があった。この
ため、前記保護膜は、感熱記録用紙と発熱体層との磨耗
を防ぐ耐磨耗性および耐熱性の優れた部材が要求されて
いる。
基板上に形成された熱応答性の良い発熱体層と、当該発
熱体層に電流を供給する電極と、前記発熱体層と電極と
を保護する保護膜とから構成されていた。そして、サー
マルヘッドにおける発熱体層の表面は、感熱記録用紙と
絶えず摩擦接触するため、発熱体層部分を耐磨耗性、耐
熱性を有する部材によって保護する必要があった。この
ため、前記保護膜は、感熱記録用紙と発熱体層との磨耗
を防ぐ耐磨耗性および耐熱性の優れた部材が要求されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術におい
ては、サーマルヘッドの発熱体層部分と感熱記録用紙の
間に耐磨耗性および耐熱性を有する保護膜が存在する。
そして、発熱体層部分の熱は、耐磨耗性および耐熱性の
保護膜を介した上で、感熱記録用紙に伝達されるので、
その応答速度をある程度以上高くできないという問題が
あった。また、保護膜は、その熱応答性を向上させるた
めに、厚さを薄くすると耐磨耗性および耐熱性に問題が
発生する。すなわち、保護膜は、耐磨耗性および耐熱性
と熱応答性とが矛盾し、全部の特性を向上させることが
困難であった。
ては、サーマルヘッドの発熱体層部分と感熱記録用紙の
間に耐磨耗性および耐熱性を有する保護膜が存在する。
そして、発熱体層部分の熱は、耐磨耗性および耐熱性の
保護膜を介した上で、感熱記録用紙に伝達されるので、
その応答速度をある程度以上高くできないという問題が
あった。また、保護膜は、その熱応答性を向上させるた
めに、厚さを薄くすると耐磨耗性および耐熱性に問題が
発生する。すなわち、保護膜は、耐磨耗性および耐熱性
と熱応答性とが矛盾し、全部の特性を向上させることが
困難であった。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、発熱体層を保護する保護膜の耐摩耗性およ
び耐熱性と熱応答性とを共に向上させたサーマルヘッド
を提供することを目的とする。
めのもので、発熱体層を保護する保護膜の耐摩耗性およ
び耐熱性と熱応答性とを共に向上させたサーマルヘッド
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のサ−マルヘッドは、基板(1) と、当該基板
(1) 上に形成された発熱体層(3) と、当該発熱体層(3)
に電流を供給する電極(4) 、(4')と、前記発熱体層(3)
および電極(4) 、(4')上に形成され、共有結合して炭素
を主成分とする保護膜(5) とから構成される。
に、本発明のサ−マルヘッドは、基板(1) と、当該基板
(1) 上に形成された発熱体層(3) と、当該発熱体層(3)
に電流を供給する電極(4) 、(4')と、前記発熱体層(3)
および電極(4) 、(4')上に形成され、共有結合して炭素
を主成分とする保護膜(5) とから構成される。
【0006】また、本発明のサ−マルヘッドは、基板
(1) と、当該基板(1) 上に形成された発熱体層(3) と、
当該発熱体層(3) に電流を供給する電極(4) 、(4')と、
前記発熱体層(3) および電極(4) 、(4')上に形成された
エネルギーバンド幅が2.3 eVないし3.0eV からなる絶縁
体で、共有結合して炭素を主成分とする保護膜(5) とか
ら構成される。
(1) と、当該基板(1) 上に形成された発熱体層(3) と、
当該発熱体層(3) に電流を供給する電極(4) 、(4')と、
前記発熱体層(3) および電極(4) 、(4')上に形成された
エネルギーバンド幅が2.3 eVないし3.0eV からなる絶縁
体で、共有結合して炭素を主成分とする保護膜(5) とか
ら構成される。
【0007】さらに、本発明のサ−マルヘッドにおける
保護膜は、水素、ハロゲン元素または珪素が0.01ないし
20モル%添加されていることを特徴とする。
保護膜は、水素、ハロゲン元素または珪素が0.01ないし
20モル%添加されていることを特徴とする。
【0008】
【作 用】本発明のサ−マルヘッドは、基板上に形成
された発熱体層および当該発熱体層に電流を供給する電
極の上に保護膜が形成されている。そして、この保護膜
は、エネルギーバンド幅が2.3 eVないし3.0eV からなる
絶縁体で、共有結合して炭素を主成分とするものであ
る。したがって、前記保護膜は、耐磨耗性および耐熱性
に優れているため、薄く成膜でき、発熱体層からの熱を
応答性良く感熱記録用紙に伝達する。また、上記発熱体
層は、低温によって膜を形成することができ、安価なサ
−マルヘッドとなる。
された発熱体層および当該発熱体層に電流を供給する電
極の上に保護膜が形成されている。そして、この保護膜
は、エネルギーバンド幅が2.3 eVないし3.0eV からなる
絶縁体で、共有結合して炭素を主成分とするものであ
る。したがって、前記保護膜は、耐磨耗性および耐熱性
に優れているため、薄く成膜でき、発熱体層からの熱を
応答性良く感熱記録用紙に伝達する。また、上記発熱体
層は、低温によって膜を形成することができ、安価なサ
−マルヘッドとなる。
【0009】
【実 施 例】本発明は、基板上に発熱体層が設けら
れ、その上面に少なくとも非晶質を有する炭素または珪
素を主成分とする保護膜が形成されているサーマルヘッ
ドであり、この実施例について説明する。先ず、セラミ
ック基板上に形成されたガラス層の上に、非晶質(アモ
ルファス) 、または5〜20Åの大きさの微結晶性を有す
る半非晶質(セミアモルファス)半導体層が形成され
る。そして、これらの非晶質または半非晶質半導体層を
得るために、たとえばプラズマ気相法を採用し、図示さ
れていない反応容器内は、温度100〜450℃好ましくは20
0〜350℃、圧力0.01〜10torr、直流高周波500KHz〜50MH
z )、またはマイクロ波(たとえば、2.45GHz の周波数
の電磁エネルギー)が印加された状態で、反応性気体と
して、珪素または炭素を主成分とする材料を前記反応容
器内に挿入する。反応性気体、たとえばエチレン、プロ
パン等の炭化水素ガスは、ア−ク放電を発生させてプラ
ズマ化し、かかる電磁エネルギーにより気化し、活性化
し、分解せしめられ、前記基板上に非晶質または半非晶
質半導体層が形成される。
れ、その上面に少なくとも非晶質を有する炭素または珪
素を主成分とする保護膜が形成されているサーマルヘッ
ドであり、この実施例について説明する。先ず、セラミ
ック基板上に形成されたガラス層の上に、非晶質(アモ
ルファス) 、または5〜20Åの大きさの微結晶性を有す
る半非晶質(セミアモルファス)半導体層が形成され
る。そして、これらの非晶質または半非晶質半導体層を
得るために、たとえばプラズマ気相法を採用し、図示さ
れていない反応容器内は、温度100〜450℃好ましくは20
0〜350℃、圧力0.01〜10torr、直流高周波500KHz〜50MH
z )、またはマイクロ波(たとえば、2.45GHz の周波数
の電磁エネルギー)が印加された状態で、反応性気体と
して、珪素または炭素を主成分とする材料を前記反応容
器内に挿入する。反応性気体、たとえばエチレン、プロ
パン等の炭化水素ガスは、ア−ク放電を発生させてプラ
ズマ化し、かかる電磁エネルギーにより気化し、活性化
し、分解せしめられ、前記基板上に非晶質または半非晶
質半導体層が形成される。
【0010】上記プラズマ気相法により形成された炭素
被膜は、そのエネルギーバンド巾が2.3eV 以上代表的に
は3eVを有する絶縁体で、炭素の主成分どうしの共有結
合が強い。また、炭素被膜の熱伝導率は、2.5 以上代表
的には5.0(W/cm deg) とダイヤモンドの6.60(W/ cm
deg) に近いきわめてすぐれた高い値を有する。さら
に、上記炭素被膜は、ビッカ−ス硬度4500kg/mm2
以上、特に、6500kg/mm2 というダイヤモンド類似
の硬さを有するきわめてすぐれた特性を見出した。本出
願人は、この特性に着目し、この炭素被膜または珪素被
膜をサ−マルヘッドに適用して、すぐれた耐摩耗性、耐
熱性で熱応答性の優れた保護膜を得ることができた。
被膜は、そのエネルギーバンド巾が2.3eV 以上代表的に
は3eVを有する絶縁体で、炭素の主成分どうしの共有結
合が強い。また、炭素被膜の熱伝導率は、2.5 以上代表
的には5.0(W/cm deg) とダイヤモンドの6.60(W/ cm
deg) に近いきわめてすぐれた高い値を有する。さら
に、上記炭素被膜は、ビッカ−ス硬度4500kg/mm2
以上、特に、6500kg/mm2 というダイヤモンド類似
の硬さを有するきわめてすぐれた特性を見出した。本出
願人は、この特性に着目し、この炭素被膜または珪素被
膜をサ−マルヘッドに適用して、すぐれた耐摩耗性、耐
熱性で熱応答性の優れた保護膜を得ることができた。
【0011】本実施例において、反応性気体は、炭化水
素、たとえばアセチレン(C2H2)、メタン系炭化水素
(CnH2n+2)等の気体、または珪素を一部に含んだ場合、
テトラメチルシラン((CH3)4Si)、テトラエチルシラン
((C2H5)4Si )等を用いてもよい。前者にあっては、炭
素に水素が30モル%以下、特に、半非晶質とすると、0.
01〜 5モル%と低く存在しつつも、炭素どうしの共有結
合が強くダイヤモンドと類似の物性を有していた。ま
た、後者にあっては、水素が0.01〜20モル%を含み、さ
らに珪素を炭素の1/3〜1/4含むいわゆる炭素過剰
の炭化珪素であり、主成分を炭素としている絶縁性材料
(光学的エネルギーバンド幅Eg>2.3eV 代表的には3.0e
V)であった。
素、たとえばアセチレン(C2H2)、メタン系炭化水素
(CnH2n+2)等の気体、または珪素を一部に含んだ場合、
テトラメチルシラン((CH3)4Si)、テトラエチルシラン
((C2H5)4Si )等を用いてもよい。前者にあっては、炭
素に水素が30モル%以下、特に、半非晶質とすると、0.
01〜 5モル%と低く存在しつつも、炭素どうしの共有結
合が強くダイヤモンドと類似の物性を有していた。ま
た、後者にあっては、水素が0.01〜20モル%を含み、さ
らに珪素を炭素の1/3〜1/4含むいわゆる炭素過剰
の炭化珪素であり、主成分を炭素としている絶縁性材料
(光学的エネルギーバンド幅Eg>2.3eV 代表的には3.0e
V)であった。
【0012】以下、炭素を主成分とする被膜を耐摩耗層
とする実施例を記載する。本実施例は、非晶質または半
非晶質の絶縁性の炭素または炭素中に水素、珪素が30モ
ル%以下に含有した炭素を主成分とする被膜を形成せん
とするものである。図1(A)は本参考例に用いられた
サ−マルヘッドプリンタの縦断面図を示す。図1(B)
は図1(A)に示すB−B’の断面図を示す。図1
(C)は図1(A)に示すC−C’の断面図を示す。図
1(A)において、基板特にセラミック基板(1) 上にグ
レイズされたガラス層(2) が形成され、このガラス層
(2) 上には、発熱体層(3) が形成されている。電極(4)
および(4')は、発熱体層(3) 上において、所定間隔を置
いて配置されている。そして、電極(4) および(4')と発
熱体層(3) の上には、耐摩耗層(5) が形成されている。
また、図1(C)に示す如く、感熱記録用紙がこすられ
る部分は、発熱体層(3) 上に接して耐摩耗層(5) が設け
られている。
とする実施例を記載する。本実施例は、非晶質または半
非晶質の絶縁性の炭素または炭素中に水素、珪素が30モ
ル%以下に含有した炭素を主成分とする被膜を形成せん
とするものである。図1(A)は本参考例に用いられた
サ−マルヘッドプリンタの縦断面図を示す。図1(B)
は図1(A)に示すB−B’の断面図を示す。図1
(C)は図1(A)に示すC−C’の断面図を示す。図
1(A)において、基板特にセラミック基板(1) 上にグ
レイズされたガラス層(2) が形成され、このガラス層
(2) 上には、発熱体層(3) が形成されている。電極(4)
および(4')は、発熱体層(3) 上において、所定間隔を置
いて配置されている。そして、電極(4) および(4')と発
熱体層(3) の上には、耐摩耗層(5) が形成されている。
また、図1(C)に示す如く、感熱記録用紙がこすられ
る部分は、発熱体層(3) 上に接して耐摩耗層(5) が設け
られている。
【0013】本実施例は、この耐摩耗層(5) を炭素また
は炭素を主成分とした材料とし、この材料をプラズマ気
相法により形成するため、図1(B)、(C)に示す如
く、発熱体層(3) の側部の厚さが発熱体層(3) 上の厚さ
を概略一致させることができるという特徴を有する。こ
れは減圧下(0.01〜10torr) であり、反応性気体の平均
自由行程が長くなり気相法を行うに際しても、側辺への
まわりこみが大きいためである。加えてプラズマ化し反
応性気体どうしに大きな運動エネルギーを与えて互いに
衝突させ、四方八方への飛翔を促していることにある。
耐摩耗層(5) に関しては、以下の如くにして作製した。
すなわち、被形成面を有する基板を反応容器内に封入し
この反応容器を10-3torrまでに真空引きをすると共に、
上記セラミック基板(1) を加熱炉により100〜450 ℃好
ましくは200〜350℃、たとえば 300℃に加熱した。この
後、この雰囲気中に水素ヘリュ−ムを導入し、10-2〜10
torrにした後、誘導方式または容量結合方式により電磁
エネルギーを加えた。
は炭素を主成分とした材料とし、この材料をプラズマ気
相法により形成するため、図1(B)、(C)に示す如
く、発熱体層(3) の側部の厚さが発熱体層(3) 上の厚さ
を概略一致させることができるという特徴を有する。こ
れは減圧下(0.01〜10torr) であり、反応性気体の平均
自由行程が長くなり気相法を行うに際しても、側辺への
まわりこみが大きいためである。加えてプラズマ化し反
応性気体どうしに大きな運動エネルギーを与えて互いに
衝突させ、四方八方への飛翔を促していることにある。
耐摩耗層(5) に関しては、以下の如くにして作製した。
すなわち、被形成面を有する基板を反応容器内に封入し
この反応容器を10-3torrまでに真空引きをすると共に、
上記セラミック基板(1) を加熱炉により100〜450 ℃好
ましくは200〜350℃、たとえば 300℃に加熱した。この
後、この雰囲気中に水素ヘリュ−ムを導入し、10-2〜10
torrにした後、誘導方式または容量結合方式により電磁
エネルギーを加えた。
【0014】たとえば、電気エネルギーの周波数は13.5
6MHz、出力は50〜500Wとし、その実質的な電極間隙は1
5〜150cmと長くした。それはプラズマ化した時の反応
性気体である炭素はきわめて安定な材料であるため、各
元素または炭素が会合した会合分子に対し高いエネルギ
ーを与え炭素どうし互いに共有結合をさせるためであ
る。形成された被膜に関して出力が50〜150Wを加えた
時は、非晶質が 250〜500Wを加えた時は、半非晶質
が、その中間ではそれらが混合した構造が電子線回折で
観察された。さらに、このプラズマ化した雰囲気に対
し、炭化物気体、たとえばメタンまたはプロパンを導入
した。すると、この反応性気体が脱水素化し、炭素の結
合が互いに共有結合し合って、被形成面に炭素被膜を形
成させることができた。基板の温度が100〜200℃では、
硬度が若干低く、また基板への密着性が必ずしも好まし
いものではなかったが、200℃以上、特に、250 〜350℃
においては、きわめて安定な強い被形成面への密着性を
有していた。
6MHz、出力は50〜500Wとし、その実質的な電極間隙は1
5〜150cmと長くした。それはプラズマ化した時の反応
性気体である炭素はきわめて安定な材料であるため、各
元素または炭素が会合した会合分子に対し高いエネルギ
ーを与え炭素どうし互いに共有結合をさせるためであ
る。形成された被膜に関して出力が50〜150Wを加えた
時は、非晶質が 250〜500Wを加えた時は、半非晶質
が、その中間ではそれらが混合した構造が電子線回折で
観察された。さらに、このプラズマ化した雰囲気に対
し、炭化物気体、たとえばメタンまたはプロパンを導入
した。すると、この反応性気体が脱水素化し、炭素の結
合が互いに共有結合し合って、被形成面に炭素被膜を形
成させることができた。基板の温度が100〜200℃では、
硬度が若干低く、また基板への密着性が必ずしも好まし
いものではなかったが、200℃以上、特に、250 〜350℃
においては、きわめて安定な強い被形成面への密着性を
有していた。
【0015】加熱処理は、450 ℃以上にすると、基板と
の熱膨張係数の差によりストレスが内在してしまい問題
を有し、250〜450℃で形成された被膜が理想的な耐摩耗
材料であった。出発物質をTMS((CH2)4Si)、TES((C2H6)4
Si)を用いると、形成された被膜には珪素が15〜30原子
%含まれる炭素を主成分とする被膜であった。これでも
炭素のみと同様の硬度があった。熱伝導度は炭素のみが
5W/cm degであったが2〜3W/cm degと少なか
った。以上の如くにして形成された炭素被膜は、0.05〜
0.2 μm の厚さ、すなわち従来の1/5〜1/10の薄さ
であっても105 時間の使用に耐える耐摩耗性を有してい
た。
の熱膨張係数の差によりストレスが内在してしまい問題
を有し、250〜450℃で形成された被膜が理想的な耐摩耗
材料であった。出発物質をTMS((CH2)4Si)、TES((C2H6)4
Si)を用いると、形成された被膜には珪素が15〜30原子
%含まれる炭素を主成分とする被膜であった。これでも
炭素のみと同様の硬度があった。熱伝導度は炭素のみが
5W/cm degであったが2〜3W/cm degと少なか
った。以上の如くにして形成された炭素被膜は、0.05〜
0.2 μm の厚さ、すなわち従来の1/5〜1/10の薄さ
であっても105 時間の使用に耐える耐摩耗性を有してい
た。
【0016】以上の説明より明らかな如く、本実施例
は、絶縁膜を薄くできるため、この絶縁をサ−マルヘッ
ドの保護膜とした場合、その厚さが0.1〜0.3μm あれば
十分であり、結果としてサ−マルヘッド全体の厚さを薄
くできる。このため、発熱体層の熱は、感熱記録用紙に
速やかに伝達されて、感熱の応答速度を向上させること
ができるようになった。
は、絶縁膜を薄くできるため、この絶縁をサ−マルヘッ
ドの保護膜とした場合、その厚さが0.1〜0.3μm あれば
十分であり、結果としてサ−マルヘッド全体の厚さを薄
くできる。このため、発熱体層の熱は、感熱記録用紙に
速やかに伝達されて、感熱の応答速度を向上させること
ができるようになった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、サ−マルヘッドの発熱
体層上に高い耐磨耗性および高い耐熱性を有すると共
に、極めて薄い保護膜を形成したため、発熱体層からの
熱は、感熱記録用紙へ高速で応答性し伝達される。ま
た、本発明によれば、保護膜は、非晶質であるため、製
造するに際し低温で安価な薄い膜を得ることができる。
体層上に高い耐磨耗性および高い耐熱性を有すると共
に、極めて薄い保護膜を形成したため、発熱体層からの
熱は、感熱記録用紙へ高速で応答性し伝達される。ま
た、本発明によれば、保護膜は、非晶質であるため、製
造するに際し低温で安価な薄い膜を得ることができる。
【図1】(A)は本参考例に用いられたサ−マルヘッド
プリンタの縦断面図を示す。(B)は図1(A)に示す
B−B’の断面図を示す。(C)は図1(A)に示すC
−C’の断面図を示す。
プリンタの縦断面図を示す。(B)は図1(A)に示す
B−B’の断面図を示す。(C)は図1(A)に示すC
−C’の断面図を示す。
1・・・基板 2・・・ガラス層 3・・・発熱体層 4、4’・・・電極 5・・・耐磨耗層
Claims (3)
- 【請求項1】 基板と、 当該基板上に形成された発熱体層と、 当該発熱体層に電流を供給する電極と、 前記発熱体層および電極上に形成され、共有結合して炭
素を主成分とする保護膜と、 から構成されることを特徴とするサーマルヘッド。 - 【請求項2】 基板と、 当該基板上に形成された発熱体層と、 当該発熱体層に電流を供給する電極と、 前記発熱体層および電極上に形成されたエネルギーバン
ド幅が2.3 eVないし3.0eV からなる絶縁体で、共有結合
して炭素を主成分とする保護膜と、 から構成されることを特徴とするサーマルヘッド。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の保護膜
は、水素、ハロゲン元素または珪素が0.01ないし20モル
%添加されていることを特徴とするサ−マルヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4191322A JP2879088B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | サ−マルヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4191322A JP2879088B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | サ−マルヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06210885A true JPH06210885A (ja) | 1994-08-02 |
JP2879088B2 JP2879088B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=16272632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4191322A Expired - Lifetime JP2879088B2 (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | サ−マルヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2879088B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3833120A1 (de) * | 1987-09-30 | 1989-04-20 | Yazaki Corp | Verbinder |
US6441839B1 (en) | 1999-10-29 | 2002-08-27 | Kyocera Corporation | Thermal head |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5480138A (en) * | 1977-12-08 | 1979-06-26 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | Thermal head for facsimile |
JPS5481858A (en) * | 1977-12-13 | 1979-06-29 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | Thermal pen |
-
1992
- 1992-06-26 JP JP4191322A patent/JP2879088B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5480138A (en) * | 1977-12-08 | 1979-06-26 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | Thermal head for facsimile |
JPS5481858A (en) * | 1977-12-13 | 1979-06-29 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | Thermal pen |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3833120A1 (de) * | 1987-09-30 | 1989-04-20 | Yazaki Corp | Verbinder |
US4871325A (en) * | 1987-09-30 | 1989-10-03 | Yazaki Corportion | Connector |
US6441839B1 (en) | 1999-10-29 | 2002-08-27 | Kyocera Corporation | Thermal head |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2879088B2 (ja) | 1999-04-05 |
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