[go: up one dir, main page]

JPH06199747A - L−アラニノールの製造方法 - Google Patents

L−アラニノールの製造方法

Info

Publication number
JPH06199747A
JPH06199747A JP36075492A JP36075492A JPH06199747A JP H06199747 A JPH06199747 A JP H06199747A JP 36075492 A JP36075492 A JP 36075492A JP 36075492 A JP36075492 A JP 36075492A JP H06199747 A JPH06199747 A JP H06199747A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alanine
alaninol
ester
nabh
inorganic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36075492A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Nakanishi
清一 中西
Takeshi Saito
健 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumika Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP36075492A priority Critical patent/JPH06199747A/ja
Publication of JPH06199747A publication Critical patent/JPH06199747A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】L−アラニンエステルの無機酸塩を大過剰のN
aBH4 水溶液中に滴下して還元することを特徴とする
L−アラニノールの製造方法。 【効果】L−アラニンエステルの無機酸塩を直接NaB
4 で還元する本発明の方法により、簡易かつ高収率で
収率変動もなくL−アラニノールを工業的有利に製造で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はL−アラニノールの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】L−アラ
ニノールは医薬品中間体等として使用されているが、従
来よりL−アラニンエステルの還元により製造されてい
る。例えば、L−アラニノールはL−アラニンエステル
をCuO・CuCr2 4 触媒を使用し150℃、14
0気圧という高温・高圧下で還元する方法(J.Am.
Chem,Soc 81巻,1096頁 1952年)
があるが、工業的に実施可能な方法とはいえない。
【0003】又、L−アラニンを直接LiAlH4 で還
元する方法(Monafciefte fur Che
mie 83巻,541頁,1952年)もあるが、L
iAlH4 の取扱いと安全対策及び生成物水解後の水溶
液からの単離は容易でない。
【0004】さらに、DL−アラニンエチルエステルを
NaBH4 で還元した後、生ずるDL−アラニノールを
塩酸塩として取り出し、ナトリウムメチラートで遊離の
DL−アラニノールとし、ついで蒸留して精製DL−ア
ラニノールを得る方法がある(Czech.CS、20
9151、1983年)。しかし、本発明者等は該チェ
コスロバキア国特許の方法に準じ、L−アラニンエチル
エステルをNaBH4で還元する方法を検討したが、収
率は30%以下と低いうえ、収率変動が甚だしく、再現
性に乏しかった。このように従来法ではL−アラニノー
ルを高収率で工業的有利に製造する方法ではないのが実
情である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはL−アラニ
ンエステルの塩酸塩を用いて、これの還元条件を詳細に
検討した結果、L−アラニンエステルの無機酸塩を直接
NaBH4 で還元することにより簡易かつ高収率で再現
性よくL−アラニノールを製造できる事を見出し、本発
明を完成するに到った。
【0006】即ち、本発明の要旨はL−アラニンエステ
ルの無機酸塩を大過剰のNaBH4水溶液中に滴下して
還元することによりL−アラニノールを製造する方法に
関する。
【0007】本発明においては、L−アラニンエステル
の無機酸塩を塩のまま直接還元することが極めて重要で
ある。従来の技術の如くアラニンエステルの塩酸塩をア
ルカリで中和することは収率の低下を招くからである。
即ち、本発明者等は、従来の技術によるL−アラニノー
ルの合成法を追試してみたが、再現性がなく、L−アラ
ニンからの収率も30%と低収率であった。低収率とな
る原因を究明するため、種々条件を検討した結果、L−
アラニンエステル塩酸塩をアルカリ例えば苛性ソーダ水
溶液、Na−メチラート等の等量添加により中和した場
合、エステルの大半が加水分解を受け還元不能となるた
めの収率低下である事を見出した。また、このL−アラ
ニンエステル塩酸塩の中和時、時間の経過につれてエス
テルの加水分解が進行するため再現性が乏しいことも明
らかにすることができた。従って、本発明では、L−ア
ラニンエステルの加水分解を防止する目的で、L−アラ
ニンエステルの無機酸塩を中和せず、無機酸の塩のまま
直接NaBH4 と反応させて還元する方法が採られる。
【0008】本発明の方法に用いられる原料化合物とし
ては、L−アラニンエステルの塩であればいずれも利用
できる。例えば、エステルとしてはL−アラニンの低級
アルキルエステルが利用でき、L−アラニンメチルエス
テル、L−アラニンエチルエステル、L−アラニンプロ
ピルエステル等が特に好ましい。またかかるL−アラニ
ンエステルの塩としては無機酸の塩であればいずれでも
よく、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等が
特に有利に利用できる。
【0009】本発明においては、L−アラニンエステル
の無機酸塩を有機溶媒に溶解し、これとNaBH4 とを
反応させる。この反応に使用される有機溶媒としては、
水とよく混和し、NaBH4 と反応しないものであれば
よく、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール等の低級アルコール類が用いられ、反応によって
副生する無機物を濾別するときの流動性からみるとエタ
ノールの使用が最も好ましい。
【0010】本発明に用いられるNaBH4 は、冷水中
に溶解して反応に供され、その使用量は原料化合物であ
るL−アラニンエステルの無機酸塩に対して大過剰であ
り、通常3.0〜5.0倍当量が好ましい。3.0倍当
量より少ないとエステルの加水分解によるL−アラニン
の副生により収率が低下し、5.0倍当量を越えてもそ
れに見合う効果はなく、高価なNaBH4 の消費が増加
し不経済である。
【0011】L−アラニンエステルの無機酸塩とNaB
4 との反応は、NaBH4 の冷水溶液中にL−アラニ
ンエステルの無機酸塩のアルコール溶液を長時間かけて
滴下することにより行う。この条件下では、常にL−ア
ラニンエステルの無機酸塩が大過剰のNaBH4 中に滴
下されることになり、該エステルの加水分解が最少限に
押さえられるという効果が得られ、収率、再現性の向上
に資するからである。
【0012】本発明における反応の温度としては10〜
40℃、好ましくは15〜25℃が選ばれる。反応温度
を上げれば反応速度は高まる。しかし、反応を短時間で
完了させるため、反応温度を40℃以上とすると、原料
化合物であるL−アラニンエステルの無機酸塩の中和・
加水分解が起こり、反応収率を低下させるので好ましく
ない。反応時間は通常10〜15時間で終了する。L−
アラニノールの反応液からの抽出・精製は、過剰のNa
BH4 の分解、無機物濾別、抽出等の常法により行われ
る。
【0013】
【実施例】以下、実施例及び参考例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等により
なんら限定されるものではない。 実施例1 冷水560ml中にNaBH4 3.0モルを添加、溶解
した溶液中に、L−アラニンエチルエステル塩酸塩1.
0モルをエタノール560mlに溶解した溶液を15〜
20℃で5時間を要して滴下し、更に20〜28℃で熟
成して反応を完了した。反応後、過剰のNaBH4 をア
セトンで分解し、酢酸エチル1000mlを流入し析出
する無機物を濾別した。濾液中の下層水層部は酢酸エチ
ル600mlで抽出し、酢酸エチル層を減圧下で溶媒を
留去したのち真空蒸留した。精製アラニノールは、H−
NMRスペクトル(CDCl3 溶媒、TMS内部標準)
で同定した。主なピークは1.04ppm(3H、d、
CH3 )、2.41ppm(3H、s、NH2 、O
H)、2.87〜3.53ppm(3H、m、CH2
O、CH−N)である。L−アラニノールの収率はL−
アラニンに対し67.0%であった。
【0014】実施例2 冷水560ml中にNaBH4 3.0モルを添加、溶解
した溶液中に、L−アラニンエチルエステル塩酸塩1.
0モルをメタノール560mlに溶解した溶液を15〜
20℃で5時間を要して滴下し、更に20〜28℃で熟
成して反応を完了した。反応液は実施例1と同様に処理
した。L−アラニノールの収率はL−アラニンに対して
50.0%であった。
【0015】実施例3 冷水560ml中にNaBH4 3.0モルを添加、溶解
した溶液中に、L−アラニンエチルエステル塩酸塩1.
0モルをイソプロパノール560mlに溶解した溶液を
15〜20℃で5時間を要して滴下し、更に20〜28
℃で熟成して反応を完了した。反応液は実施例1と同様
に処理した。L−アラニノールの収率はL−アラニンに
対して56.0%であった。
【0016】実施例4 冷水560ml中にNaBH4 4.0モルを添加、溶解
した溶液中に、L−アラニンエチルエステル塩酸塩1.
0モルをエタノール560mlに溶解した溶液を実施例
1と同様に処理した。L−アラニノールの収率はL−ア
ラニンに対して68.0%であった。
【0017】実施例5 冷水560ml中にNaBH4 3.0モルを添加、溶解
した溶液中に、L−アラニンメチルエステル塩酸塩1.
0モルをエタノール560mlに溶解した溶液を15〜
20℃で5時間を要して滴下し、更に20〜28℃で熟
成して反応を完了した。反応液は実施例1と同様に処理
した。L−アラニノールの収率はL−アラニンに対して
66.5% であった。
【0018】参考例 L−アラニンエチルエステル塩酸塩1モルを水400m
lに溶解し氷冷却下10℃以下で苛性ソーダ1モルを1
60mlの水に溶解した溶液を滴下・中和したのちエタ
ノール560mlを流入し、NaBH4 3.0モルを5
時間を要して15〜20℃で分割投入し、20〜28℃
で熟成して反応を完了した。反応液は実施例1と同様に
処理した。L−アラニノールの収率はL−アラニンに対
して30.5%であった。
【0019】
【発明の効果】L−アラニンエステルの無機酸塩を直接
NaBH4 で還元する本発明の方法により、簡易かつ高
収率で収率変動もなくL−アラニノールを工業的有利に
製造できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−アラニンエステルの無機酸塩を大過
    剰のNaBH4 水溶液中に滴下して還元することを特徴
    とするL−アラニノールの製造方法。
JP36075492A 1992-12-28 1992-12-28 L−アラニノールの製造方法 Pending JPH06199747A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36075492A JPH06199747A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 L−アラニノールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36075492A JPH06199747A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 L−アラニノールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06199747A true JPH06199747A (ja) 1994-07-19

Family

ID=18470781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36075492A Pending JPH06199747A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 L−アラニノールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06199747A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999007199A2 (de) * 1997-08-08 1999-02-18 Lonza Ag Verfahren zur herstellung von l-alaninol und gamma-glutamylisopropylamid und mikroorganismusstamm des genus pseudomonas
WO2005061435A1 (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Sumitomo Chemical Company, Limited 光学活性なビスアミドアルコール化合物の製造方法
JP2005206580A (ja) * 2003-12-22 2005-08-04 Sumitomo Chemical Co Ltd 光学活性なビスアミドアルコール化合物の製造方法
US7659409B2 (en) 2002-03-19 2010-02-09 Mitsubishi Chemical Corporation 3-Hydroxy-3-(2-thienyl) propionamides and production method thereof, and production method of 3-amino-1-(2-thienyl)-1-propanols using the same
US8344182B2 (en) 2007-12-20 2013-01-01 Basf Se Process for the preparation of (S)-2-amino-1-propanol (L-alaninol) from (S)-1-methoxy-2-propylamine

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999007199A2 (de) * 1997-08-08 1999-02-18 Lonza Ag Verfahren zur herstellung von l-alaninol und gamma-glutamylisopropylamid und mikroorganismusstamm des genus pseudomonas
WO1999007199A3 (de) * 1997-08-08 1999-04-29 Lonza Ag Verfahren zur herstellung von l-alaninol und gamma-glutamylisopropylamid und mikroorganismusstamm des genus pseudomonas
US7659409B2 (en) 2002-03-19 2010-02-09 Mitsubishi Chemical Corporation 3-Hydroxy-3-(2-thienyl) propionamides and production method thereof, and production method of 3-amino-1-(2-thienyl)-1-propanols using the same
WO2005061435A1 (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Sumitomo Chemical Company, Limited 光学活性なビスアミドアルコール化合物の製造方法
JP2005206580A (ja) * 2003-12-22 2005-08-04 Sumitomo Chemical Co Ltd 光学活性なビスアミドアルコール化合物の製造方法
US7612236B2 (en) 2003-12-22 2009-11-03 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing optically active bisamidoalcohol compound
JP4706241B2 (ja) * 2003-12-22 2011-06-22 住友化学株式会社 光学活性なビスアミドアルコール化合物の製造方法
US8344182B2 (en) 2007-12-20 2013-01-01 Basf Se Process for the preparation of (S)-2-amino-1-propanol (L-alaninol) from (S)-1-methoxy-2-propylamine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU198437B (en) Process for producing mono- or bis-carbonyl-compounds
EP2247573B1 (en) Carbonic and sulphuric acid salts of 3-(2,2,2-trimethylhydrazinium)propionate esters and their use for 3-(2,2,2-trimethylhydrazinium)propionate dihydrate preparation
EP1674446B1 (en) A method of preparing memantine hydrochloride
JPH06199747A (ja) L−アラニノールの製造方法
CN109956884B (zh) 一种苄氧胺盐酸盐的制备方法
US4230869A (en) Process for preparing 5-(4-hydroxyphenyl)hydantoin
CN114516866B (zh) 一种手性4-烷基-吡咯-3-甲酸类化合物的制备方法
CN113773229B (zh) α,β-不饱和氨基酸衍生物及其DL-硒-甲基硒代氨基酸衍生物、合成方法和应用
US2845456A (en) Preparation of pantothenic acid salts
KR100915551B1 (ko) 3-히드록시 피롤리딘 및 이의 유도체의 효율적 제조방법
JPH0466859B2 (ja)
KR100625649B1 (ko) β-히드록시부틸산 알킬 에스테르의 제조방법
US4154757A (en) Process for the manufacture of p-hydroxybenzyl cyanide
US4283344A (en) Process for producing 1,1,3,3-tetrafluoro-1,3-dihydro-isobenzofuran
KR20060122464A (ko) 신규 탈할로겐화제를 이용한 슈도-아미노슈가의 제조방법
EP3666751A1 (en) Method for preparing latanoprostene bunod, and intermediate therefor
US12103900B2 (en) Environment-friendly process for selective acylation of aminophenol
CN112645824B (zh) 一种通过漆酶生物合成异丙胺盐酸盐的方法
JPH07138210A (ja) アミノプロパン誘導体の製造方法
JPS6013036B2 (ja) エチニルマグネシウムクロリドの製造法
US4078085A (en) 3-Aminomethyl-4-homoisotwistane and its salt and process for producing same
KR101142052B1 (ko) 자나미비어의 제조방법
JP3489594B2 (ja) ヒドロキシピバリン酸エステルの製造方法
JPS588094A (ja) エチニルエストラジオ−ルの製法
JPH0558953A (ja) 2−ヒドロキシイソ酪酸エステルの製造方法