[go: up one dir, main page]

JPH06158249A - 機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法 - Google Patents

機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法

Info

Publication number
JPH06158249A
JPH06158249A JP33096692A JP33096692A JPH06158249A JP H06158249 A JPH06158249 A JP H06158249A JP 33096692 A JP33096692 A JP 33096692A JP 33096692 A JP33096692 A JP 33096692A JP H06158249 A JPH06158249 A JP H06158249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product
blank
casting
forging
alloy cast
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33096692A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Sakota
正一 迫田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Aluminum Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Aluminum Co Ltd filed Critical Furukawa Aluminum Co Ltd
Priority to JP33096692A priority Critical patent/JPH06158249A/ja
Publication of JPH06158249A publication Critical patent/JPH06158249A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍛造品同等の機械的特性を有し、かつ鍛造品
に比べ低コストな自動車部品用アルミニウム合金鋳物製
品の製造方法を提供する。 【構成】 内部欠陥のサイズが直径50μm以下であ
り、かつその存在比率が面積率で0.02%以下である
アルミニウム合金鋳物製品を素材とし、該素材に断面減
少率30%以上の鍛造加工を施す事を特徴とする機械的
特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車ブレーキ部品、
足廻り部品等に使用されるアルミニウム合金鋳物製品の
製造方法に関し、更に詳しくは従来のアルミニウム合金
鋳物製品に比べ機械的特性、特に伸び、靱性に優れ、鍛
造品同等の性能を有する自動車部品用アルミニウム合金
鋳物製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】自動車部品においては、
軽量化を目的とし、アルミニウムやアルミニウム合金の
使用が進んでおり、従来鉄系材料を使用していた足廻り
部品等についてもバネ下重量低減の観点からアルミニウ
ム合金が多用されるようになってきた。その要求を満た
す材料として従来は比較的耐食性が良好で加工性にも優
れる6000系展伸用合金特にJIS 6061、6N
01合金が多く用いられ、重要保安部品として必要な高
強度、高靱性を得るため、鍛造加工により製造されてい
る。しかし、これらの鍛造品の素材としては通常、押出
材を適当な長さに切断したものを使用することが多く、
予備成形、粗打ち、仕上げ打ち等の多くの工程を経るた
め、歩留りが悪くなると共に、製造コストも高くなると
いう欠点を有している。
【0003】一方、自動車用部品には複雑な形状を低コ
ストで製造しうる事からアルミニウム合金鋳物製品がか
なりの比率で使用されている。鋳物用合金としてはAl
−Cu−(Si)系のAC1B、AC2B、Al−Si
系のAC3A等があるが、高強度、高靱性、および耐食
性の観点から鋳造性の良いAl−Si系ベースに少量の
Mgを添加し、熱処理効果を与え機械的性質を改良した
Al−Si−Mg系のAC4C、AC4CH等の鋳物合
金が多用されている。しかし、これらの鋳物用合金は鋳
造時の内部欠陥が多い事および溶存ガス量が高く熱処理
後に、ブリスター、ふくれ等のガス欠陥を生じやすく、
また鍛造品に比べ強度レベルが低く、安定した性能が得
られにくい事から、その用途はケース、カバー等の薄
物、あるいは比較的要求強度の低い部材に限定されてい
るのが現状である。最近の自動車のアルミ化に対しては
軽量化効率とともにコスト低減も必須であるため鍛造品
同等の性能を有し、かつコストを低減しうる鋳物材料の
開発が強く望まれている。
【0004】そこでこの要求を満足すべくAl−Cu系
あるAl−Cu−Si系合金等で鍛造素材を鋳造し、つ
いでこの鍛造素材を鍛造加工する事により機械的性質の
向上を図る方法が知られているが、通常熱間鍛造素材と
して用いられる6000系展伸用合金の押出棒、押出形
材に比べ鍛造割れを生じやすいため加工度を高くできな
い事に加え、鍛造後の機械的特性が低いため部品設計の
自由度が小さい欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、鍛
造品同等の機械的特性を有し、かつ鍛造品に比べ低コス
トな自動車部品用アルミニウム合金鋳物製品の製造方法
を提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明者等は鋳物素材の鍛造加工による性能向上方
法について鍛造性および鍛造後の性能を向上すべく種々
の検討を行った結果、一定のサイズ以上の引け巣は鍛造
加工時に割れ起点となり鍛造性を劣化させると共に鍛造
加工度を高くしても消去する事ができず鍛造後の性能、
特に伸び値、靱性値を劣化させる事を知見した。更に検
討を重ねた結果、引け巣等の内部欠陥のサイズを一定の
大きさ、存在比率以下に制限する事により、鍛造性およ
び鍛造後の性能が大幅に改善される事を見出し、この知
見に基づき、本発明をなすにいたった。
【0007】すなわち本発明は、内部欠陥のサイズが直
径50μm以下であり、かつその存在比率が面積率で
0.02%以下であるアルミニウム合金鋳物製品を素材
とし、該素材に断面減少率30%以上の鍛造加工を施す
事を特徴とする機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳
物製品の製造方法である。
【0008】
【作用】本発明に係るアルミニウム合金鋳物製品は鍛造
加工性および鍛造後の性能を向上させるために鍛造加工
前の鋳物素材の内部欠陥のサイズを直径にして50μm
以下とする必要がある。ここで、直径が50μmを超え
ると、鍛造加工時に容易に割れ起点となると共に鍛造加
工度を高くしても完全に消去する事ができず、鍛造加工
後の機械的特性、特に伸び値、靱性が著しく低下するた
め好ましくない。また鍛造後に安定した機械的特性、特
に伸び、靱性を得るためには内部欠陥の存在比率を、鋳
物断面の面積率にして0.02%以下とする必要があ
る。ここで内部欠陥の存在比率が、0.02%を超える
と鍛造後の機械的特性のばらつきが大きくなるため好ま
しくない。
【0009】ここで鋳造時の内部欠陥のサイズ、存在比
率を制御する方法は特に限定されるものではないが通常
の金型鋳造、低圧鋳造の場合、鋳込前の溶湯処理、鋳込
温度、冷却方法を調整する事により達成できる。即ち鋳
込み前に充分な溶湯処理(例えばArガスバブリング)
を行い、引け巣発生原因となる溶存水素ガス量を低減さ
せると共に、鋳込温度を合金成分に応じて溶湯流動性を
阻害しない程度に低目にする事により溶存水素ガス量を
低レベルに維持でき、鋳造時の引け巣発生を抑制する事
ができる。また鋳物製品の形状に応じて製品先端部から
指向性凝固させるように冷却方法を工夫する事によって
も製品内部の引け巣発生を抑制できる。また金型鋳造の
場合、引け巣の発生し易い部分に押湯を加える事によっ
ても引け巣の発生を抑える事ができる。
【0010】本発明に係るアルミニウム合金鋳物製品は
強度、靱性を向上させるため鋳込後、断面減少率30%
以上の鍛造加工を施す必要がある。ここで鍛造加工度が
断面減少率30%未満では加工硬化による強度向上効果
が得られないばかりか、前述の鋳物の内部欠陥を消去す
る事ができず伸び値、靱性の向上効果が得られないため
好ましくない。鍛造温度により本発明アルミニウム合金
鋳物製品の性能は特に変化しないため特に限定されるも
のではないが、好ましくは350℃以上に加熱した後鍛
造加工する事により鍛造割れを防止する事ができる。
【0011】また本発明アルミニウム合金鋳物製品は最
終製品の要求性能に応じて熱処理を施すが、熱処理条件
は特に限定されるものではない。すなわち本発明に係る
アルミニウム合金鋳物製品に、適用する合金に応じてJ
IS規格に規定された溶体化処理、テンパー条件を施す
事により強度、伸び、靱性をかなり向上する事ができ
る。
【0012】本発明アルミニウム合金鋳物製品に適用で
きる合金としてはAl−Cu系合金、Al−Si−Cu
系合金、Al−Si−Mg系合金等が挙げられる。
【0013】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明の詳細な説明を
行う。JISAC4CH規格相当組成の合金(Al−7
%Si−0.35Mg−0.1Ti)を溶製した後、7
50℃で20分程度のArガスバブリングにより脱ガス
処理を行った溶湯、及び無処理の溶湯を用いて、30mm
φ×100mml の砂型、金型のモデル型に鋳込み、引張
試験片および鍛造用試験片を採取した。ここで鋳込時の
金型温度は250℃で一定とした。これらのアルミ合金
鋳物の断面を研磨し、内部欠陥特に引け巣(シュリンケ
ージキャビティ)のサイズ、面積率を画像処理装置を用
いて測定した。次いで鍛造用試験片を400〜450℃
に加熱した後、断面減少率30〜70%となる鍛造加工
を施し、目視にて鍛造割れの有無を調べた。また鍛造加
工を施した試験片にJIS規格相当の熱処理(535℃
×8時間溶体化処理→水冷→180℃×8時間テンパ
ー)を施した後、引張試験片、シャルピー試験片を採取
し、引張強さ、耐力、伸び値、および靱性の指標値とな
るシャルピー衝撃値を測定した。それらの結果を表1に
示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1から明らかなように溶湯処理、鋳造方
式の改善により内部欠陥量を低減したアルミニウム合金
鋳物に所定の鍛造加工を施した本発明例No. 1は機械的
特性、特に伸び値、靱性値がかなり向上する事が判る。
一方鋳物素材に本発明の範囲を超えて内部欠陥が存在す
る比較例No. 3、4は鍛造加工を加えても伸び、靱性の
向上度合いが小さい事が判る。
【0016】
【発明の効果】このように本発明によれば従来のアルミ
ニウム合金鋳物製品に比べ伸び、靱性を共に向上しうる
と共に、引け巣等の内部欠陥が残留していない鋳物製品
が得られるため、複雑形状で高強度、高靱性が要求され
る足廻り部品および耐圧性が必要とされるブレーキ部品
として使用でき、鍛造品同等の性能で製造コストをさげ
ることができる等工業的に顕著な効果を奏するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部欠陥のサイズが直径50μm以下で
    あり、かつその存在比率が面積率で0.02%以下であ
    るアルミニウム合金鋳物製品を素材とし、該素材に断面
    減少率30%以上の鍛造加工を施す事を特徴とする機械
    的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法。
JP33096692A 1992-11-17 1992-11-17 機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法 Pending JPH06158249A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33096692A JPH06158249A (ja) 1992-11-17 1992-11-17 機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33096692A JPH06158249A (ja) 1992-11-17 1992-11-17 機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06158249A true JPH06158249A (ja) 1994-06-07

Family

ID=18238367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33096692A Pending JPH06158249A (ja) 1992-11-17 1992-11-17 機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06158249A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6376665B2 (ja) アルミニウム合金
CN111032897A (zh) 形成铸造铝合金的方法
JP6765970B2 (ja) 改良された7xxアルミニウム鋳造合金及びその製造方法
US20180010214A1 (en) High strength high creep-resistant cast aluminum alloys and hpdc engine blocks
CN100436623C (zh) 具有改善的可挤压性和可成形性的镁锻造合金
US11608551B2 (en) Aluminum alloys, and methods for producing the same
JP2008542533A (ja) アルミニウム鋳造合金及びその製造方法
JP2012001756A (ja) 高靭性Al合金鍛造材及びその製造方法
JP4822324B2 (ja) アルミニウム合金製鍛造ロードホイール及びその製造方法
JP4511156B2 (ja) アルミニウム合金の製造方法と、これにより製造されるアルミニウム合金、棒状材、摺動部品、鍛造成形品および機械加工成形品
KR20200014831A (ko) 고강도 알루미늄 합금
JP2002348631A (ja) アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系の鋳造鍛造用アルミニウム合金、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系の鋳造鍛造品、及び、その製造方法
JP4737785B2 (ja) 高強度フロントフォークアウターチューブ用管材の製造方法および該製造方法により得られる管材
JPH06330264A (ja) 強度と靱性に優れたアルミニウム合金鍛造材の製造方法
JP2001226731A (ja) アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系の鋳造鍛造用アルミニウム合金、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系の鋳造鍛造品、及びその製造方法
JP2006161103A (ja) アルミニウム合金部材およびその製造方法
JPH05247574A (ja) 鍛造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鍛造材の製造方法
JPH07150312A (ja) アルミニウム合金鍛造素材の製造方法
CN105671376B (zh) 高强高塑重力铸造与室温冷轧亚共晶铝硅合金材料及其制造方法
JP3929850B2 (ja) 耐食性に優れた構造用アルミニウム合金鍛造材およびその製造方法
KR102012952B1 (ko) 알루미늄 합금 및 그 제조방법
JP7366553B2 (ja) アルミニウム合金部材の製造方法
JPH06158249A (ja) 機械的特性に優れたアルミニウム合金鋳物製品の製造方法
JPH07188826A (ja) マグネシウム合金製部材およびその製造方法
JP2002361399A (ja) アルミニウム合金鋳造鍛造方法、鋳造鍛造用アルミニウム合金