JPH06153289A - 音声入出力装置 - Google Patents
音声入出力装置Info
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- JPH06153289A JPH06153289A JP4321246A JP32124692A JPH06153289A JP H06153289 A JPH06153289 A JP H06153289A JP 4321246 A JP4321246 A JP 4321246A JP 32124692 A JP32124692 A JP 32124692A JP H06153289 A JPH06153289 A JP H06153289A
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- microphone
- circuit
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- microphones
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 音声入出力装置において、スピーカからマイ
クロホンに飛び込む音声を、収音出力音声信号からはキ
ャンセルするに当たって、スピーカ及びマイクロホンの
配置の自由度を大きくする。 【構成】 スピーカ31と、第1のマイクロホン11
と、第2のマイクロホン21とを共通の筐体に装着す
る。第1及び第2のマイクロホン11及び21の、スピ
ーカ31の再生音に対する伝達特性を一致させる補正手
段を設ける。スピーカ31に対する伝達特性が等しくさ
れた第1及び第2のマイクロホン11及び21の出力を
合成する合成手段を設ける。
クロホンに飛び込む音声を、収音出力音声信号からはキ
ャンセルするに当たって、スピーカ及びマイクロホンの
配置の自由度を大きくする。 【構成】 スピーカ31と、第1のマイクロホン11
と、第2のマイクロホン21とを共通の筐体に装着す
る。第1及び第2のマイクロホン11及び21の、スピ
ーカ31の再生音に対する伝達特性を一致させる補正手
段を設ける。スピーカ31に対する伝達特性が等しくさ
れた第1及び第2のマイクロホン11及び21の出力を
合成する合成手段を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばテレビ会議シ
ステムやいわゆるハンズフリー電話などの端末装置に使
用して好適な音声入出力装置に関する。
ステムやいわゆるハンズフリー電話などの端末装置に使
用して好適な音声入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ会議システムやハンズフリー電話
などの双方向同時通話装置は、ハンズフリーで、両手が
空いているので、通話中でも筆記や他の作業ができるな
ど非常に便利である。
などの双方向同時通話装置は、ハンズフリーで、両手が
空いているので、通話中でも筆記や他の作業ができるな
ど非常に便利である。
【0003】しかし、ヘッドセット型のように受話器を
耳に付けるわけではないので、スピーカから放射する音
量を適度に大きくしなければならない。また、同様に、
送話器が話者の口許に位置するわけではないため、マイ
クロホンの受音感度も高くしなければならない。そのた
めに、送話者の声のレベルよりもスピーカからの受話信
号のレベルのほうが大きくなりがちであり、相手もその
両方を混合して聞かされるために非常に聞きづらい通話
状態になることになる。さらに、通話状態でのループゲ
インが大きくなっている場合には、ハウリングを生じる
こともある。
耳に付けるわけではないので、スピーカから放射する音
量を適度に大きくしなければならない。また、同様に、
送話器が話者の口許に位置するわけではないため、マイ
クロホンの受音感度も高くしなければならない。そのた
めに、送話者の声のレベルよりもスピーカからの受話信
号のレベルのほうが大きくなりがちであり、相手もその
両方を混合して聞かされるために非常に聞きづらい通話
状態になることになる。さらに、通話状態でのループゲ
インが大きくなっている場合には、ハウリングを生じる
こともある。
【0004】以上のような通話装置に限らず、音声入出
力装置では、一般に、スピーカとマイクロホンとの設置
位置が近いと、スピーカから放音された音声がマイクロ
ホンで収音されて、上記のような欠点を生じるため、ス
ピーカとマイクロホンとは離して設置するようにしてい
る。しかしながら、スピーカとマイクロホンとを離して
設置するようにする場合には、装置が大型のシステム構
成となってしまう。
力装置では、一般に、スピーカとマイクロホンとの設置
位置が近いと、スピーカから放音された音声がマイクロ
ホンで収音されて、上記のような欠点を生じるため、ス
ピーカとマイクロホンとは離して設置するようにしてい
る。しかしながら、スピーカとマイクロホンとを離して
設置するようにする場合には、装置が大型のシステム構
成となってしまう。
【0005】そこで、マイクロホンを2個用いて、スピ
ーカからの音声を、マイクロホン出力音声から除去する
音声入出力装置が提案されている。すなわち、この図1
3に示すように、矢印ARで示す収音したい希望音声の
到来方向に対して、2個の無指向性のマイクロホン11
及び21とスピーカ31とを1個の筐体において、直線
上に配置し、かつ、スピーカ31を2個のマイクロホン
11と21の中間の位置に配置する。そして、この場
合、スピーカ31とマイクロホン11との距離及びスピ
ーカ31とマイクロホン21との距離が、互いに等しい
距離doとなるように配置する。
ーカからの音声を、マイクロホン出力音声から除去する
音声入出力装置が提案されている。すなわち、この図1
3に示すように、矢印ARで示す収音したい希望音声の
到来方向に対して、2個の無指向性のマイクロホン11
及び21とスピーカ31とを1個の筐体において、直線
上に配置し、かつ、スピーカ31を2個のマイクロホン
11と21の中間の位置に配置する。そして、この場
合、スピーカ31とマイクロホン11との距離及びスピ
ーカ31とマイクロホン21との距離が、互いに等しい
距離doとなるように配置する。
【0006】そして、マイクロホン11の出力信号をマ
イクアンプ12を介して減算回路13に供給すると共
に、マイクロホン21の出力信号をマイクアンプ22を
介して減算回路13に供給し、この減算回路13でアン
プ12からのマイクロホン11の出力からアンプ22か
らのマイクロホン21の出力を減算する演算を行い、こ
の減算回路13の減算出力を出力端子14に導出する。
イクアンプ12を介して減算回路13に供給すると共
に、マイクロホン21の出力信号をマイクアンプ22を
介して減算回路13に供給し、この減算回路13でアン
プ12からのマイクロホン11の出力からアンプ22か
らのマイクロホン21の出力を減算する演算を行い、こ
の減算回路13の減算出力を出力端子14に導出する。
【0007】このような構成によれば、マイクロホン1
1及び21で収音した音声中のスピーカ31からの音声
は、マイクロホン11及び21が、共にスピーカ31か
ら等距離doだけ離れた位置に配置されているので、減
算回路13において、互いにキャンセルされる。一方、
矢印ARの方向から到来する希望音声に対しては、マイ
クロホン21の入力時刻が、マイクロホン11の入力時
刻よりも、距離2doの分だけ遅延したものとなる。こ
のため、希望音声は、減算回路13でキャンセルされる
ことはなく、出力端子14に得られる。
1及び21で収音した音声中のスピーカ31からの音声
は、マイクロホン11及び21が、共にスピーカ31か
ら等距離doだけ離れた位置に配置されているので、減
算回路13において、互いにキャンセルされる。一方、
矢印ARの方向から到来する希望音声に対しては、マイ
クロホン21の入力時刻が、マイクロホン11の入力時
刻よりも、距離2doの分だけ遅延したものとなる。こ
のため、希望音声は、減算回路13でキャンセルされる
ことはなく、出力端子14に得られる。
【0008】この図13の例によれば、スピーカとマイ
クロホンとを1つの筐体に組み込むことが可能であり、
小型の音声入出力装置を実現できる。
クロホンとを1つの筐体に組み込むことが可能であり、
小型の音声入出力装置を実現できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
の例の場合には、2個のマイクロホン11,21をスピ
ーカ31から等距離に配置しなければならず、設計の自
由度が少ない。また、実際の使用状態では、周囲の環境
の影響を受けて、スピーカ31からの音声の各マイクロ
ホン11,21に対する伝達特性が変わることがある
が、その実際の使用環境の影響を除去することはでき
ず、このため、出力端14に導出される音声信号中のス
ピーカ31からの音声信号成分の低減量が少なくなって
しまう。
の例の場合には、2個のマイクロホン11,21をスピ
ーカ31から等距離に配置しなければならず、設計の自
由度が少ない。また、実際の使用状態では、周囲の環境
の影響を受けて、スピーカ31からの音声の各マイクロ
ホン11,21に対する伝達特性が変わることがある
が、その実際の使用環境の影響を除去することはでき
ず、このため、出力端14に導出される音声信号中のス
ピーカ31からの音声信号成分の低減量が少なくなって
しまう。
【0010】この発明は、以上の点に鑑み、マイクロホ
ンとスピーカの配置の自由度が大きい、小型の音声入出
力装置を提供することを目的とする。また、この発明
は、マイクロホンで収音した音声信号中のスピーカから
の音声信号成分の低減量を大きくすることができる音声
入出力装置を提供することを目的とする。さらに、この
発明は、実際の使用環境に合わせて、前記スピーカから
の音声信号成分を十分に低減することができる音声入出
力装置を提供することを目的とする。
ンとスピーカの配置の自由度が大きい、小型の音声入出
力装置を提供することを目的とする。また、この発明
は、マイクロホンで収音した音声信号中のスピーカから
の音声信号成分の低減量を大きくすることができる音声
入出力装置を提供することを目的とする。さらに、この
発明は、実際の使用環境に合わせて、前記スピーカから
の音声信号成分を十分に低減することができる音声入出
力装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による音声入出力装置は、例えば図1のよ
うに構成する。なお、図1において、図13の例と同様
の部分には、同一符号を付与している。図1において、
第1のマイクロホン11と、第2のマイクロホン21
と、スピーカ31とは共通の筐体に装着されている。こ
の場合、第1及び第2のマイクロホン11,21及びス
ピーカ31の筐体への装着位置は、任意であるが、第1
及び第2のマイクロホン11,21は、スピーカ31の
再生音を収音し得る位置であって、少なくとも第1及び
第2のマイクロホンの一方は、希望入力音声を収音し得
る位置に装着されている。
め、この発明による音声入出力装置は、例えば図1のよ
うに構成する。なお、図1において、図13の例と同様
の部分には、同一符号を付与している。図1において、
第1のマイクロホン11と、第2のマイクロホン21
と、スピーカ31とは共通の筐体に装着されている。こ
の場合、第1及び第2のマイクロホン11,21及びス
ピーカ31の筐体への装着位置は、任意であるが、第1
及び第2のマイクロホン11,21は、スピーカ31の
再生音を収音し得る位置であって、少なくとも第1及び
第2のマイクロホンの一方は、希望入力音声を収音し得
る位置に装着されている。
【0012】そして、第2のマイクロホン21の出力信
号がアンプ22を介して合成回路13に供給されると共
に、第1のマイクロホン11の出力がアンプ12を介し
て伝達特性補正回路15に供給される。この補正回路1
5では、第1のマイクロホン11のスピーカ31の再生
音に対する伝達特性を、第2のマイクロホン21のスピ
ーカの再生音に対する伝達特性と一致するように補正す
る。この補正回路15の出力は合成回路13に供給され
る。
号がアンプ22を介して合成回路13に供給されると共
に、第1のマイクロホン11の出力がアンプ12を介し
て伝達特性補正回路15に供給される。この補正回路1
5では、第1のマイクロホン11のスピーカ31の再生
音に対する伝達特性を、第2のマイクロホン21のスピ
ーカの再生音に対する伝達特性と一致するように補正す
る。この補正回路15の出力は合成回路13に供給され
る。
【0013】合成回路13では、スピーカ31に対する
伝達特性が等しくされた第1及び第2のマイクロホン1
1,21の2つの出力の減算を行う。
伝達特性が等しくされた第1及び第2のマイクロホン1
1,21の2つの出力の減算を行う。
【0014】
【作用】上記のこの発明の構成によれば、スピーカ31
に対する第1及び第2のマイクロホン11及び21の位
置が任意の位置であっても、補正回路15により、合成
回路13で合成されるスピーカ31からの音声に対する
第1及び第2のマイクロホン11及び21の出力の伝達
特性が等しくなるようにされる。したがって、合成回路
13で、第1及び第2のマイクロホンの出力が減算され
ると、その合成出力音声信号としては、スピーカ31か
らの音声信号成分がキャンセルされて、十分に低減され
たものが得られる。
に対する第1及び第2のマイクロホン11及び21の位
置が任意の位置であっても、補正回路15により、合成
回路13で合成されるスピーカ31からの音声に対する
第1及び第2のマイクロホン11及び21の出力の伝達
特性が等しくなるようにされる。したがって、合成回路
13で、第1及び第2のマイクロホンの出力が減算され
ると、その合成出力音声信号としては、スピーカ31か
らの音声信号成分がキャンセルされて、十分に低減され
たものが得られる。
【0015】補正回路15の特性を、実際の使用環境に
おいて、調整することにより、実際の使用環境に合わせ
て合成出力音声信号中から十分にスピーカ31からの音
声信号成分を低減ないし除去することができる。
おいて、調整することにより、実際の使用環境に合わせ
て合成出力音声信号中から十分にスピーカ31からの音
声信号成分を低減ないし除去することができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明による音声入出力装置を、前
述した双方向同時通話装置に適用した場合の実施例を、
図を参照しながら説明する。
述した双方向同時通話装置に適用した場合の実施例を、
図を参照しながら説明する。
【0017】図2は、この発明による音声入出力装置の
一例のブロックで、前述例と同一部分には、同一符号を
付している。この例においては、第1及び第2のマイク
ロホン11及び21と、スピーカ31とは、図13の従
来例と同様に、スピーカ31を両マイクロホン11,2
1の間に配置する状態で、この例の場合には送話者の音
声入力方向ARに沿って直線状に配列されるが、図13
の従来例とは異なり、スピーカ31と第1のマイクロホ
ン11との距離d1と、スピーカ31と第2のマイクロ
ホン21との距離d2とは、等しくする必要はなく、任
意とすることができるる。図2の例の場合には、d1<
d2とされている。
一例のブロックで、前述例と同一部分には、同一符号を
付している。この例においては、第1及び第2のマイク
ロホン11及び21と、スピーカ31とは、図13の従
来例と同様に、スピーカ31を両マイクロホン11,2
1の間に配置する状態で、この例の場合には送話者の音
声入力方向ARに沿って直線状に配列されるが、図13
の従来例とは異なり、スピーカ31と第1のマイクロホ
ン11との距離d1と、スピーカ31と第2のマイクロ
ホン21との距離d2とは、等しくする必要はなく、任
意とすることができるる。図2の例の場合には、d1<
d2とされている。
【0018】図3は、この例の通話装置の筐体40にお
ける、これらマイクロホン11、21及びスピーカ31
の装着状態の例を説明するための図である。この場合、
筐体40は、偏平薄形のいわゆる低背型のものとされて
いる。入力音声としての送話者の声は、図中、矢印AR
で示す方向から、この通話装置の筐体40に対して入射
するように、この通話装置の筐体40がテーブルなどの
上に載置されて使用される。
ける、これらマイクロホン11、21及びスピーカ31
の装着状態の例を説明するための図である。この場合、
筐体40は、偏平薄形のいわゆる低背型のものとされて
いる。入力音声としての送話者の声は、図中、矢印AR
で示す方向から、この通話装置の筐体40に対して入射
するように、この通話装置の筐体40がテーブルなどの
上に載置されて使用される。
【0019】この例の場合、第1及び第2のマイクロホ
ン11及び21は、この送話者からの音声と、スピーカ
31からの音声を収音するように、全指向性(無指向
性)のマイクロホンで構成される。
ン11及び21は、この送話者からの音声と、スピーカ
31からの音声を収音するように、全指向性(無指向
性)のマイクロホンで構成される。
【0020】この例の通話装置は、電話回線Lを介して
会話の双方向同時送受信を行うものである。すなわち、
電話回路20に対して電話回線Lが接続され、この電話
回線Lを介して相手側から送られて来る信号が、電話回
路20を介して受話回路32に供給されて、受話音声信
号が再生され、これが出力アンプ33を介してスピーカ
31に供給されて、このスピーカ31から受話音声が放
音される。
会話の双方向同時送受信を行うものである。すなわち、
電話回路20に対して電話回線Lが接続され、この電話
回線Lを介して相手側から送られて来る信号が、電話回
路20を介して受話回路32に供給されて、受話音声信
号が再生され、これが出力アンプ33を介してスピーカ
31に供給されて、このスピーカ31から受話音声が放
音される。
【0021】そして、送話者の声がマイクロホン11及
び21で収音され、以下に説明するようにして、スピー
カ31からの音声信号が除去されて送話音声信号が形成
され、その送話音声信号が送話回路16から、電話回路
20を介して電話回線Lに送出され、相手方に伝送され
る。
び21で収音され、以下に説明するようにして、スピー
カ31からの音声信号が除去されて送話音声信号が形成
され、その送話音声信号が送話回路16から、電話回路
20を介して電話回線Lに送出され、相手方に伝送され
る。
【0022】すなわち、マイクロホン11の出力音声信
号は、アンプ12を介して伝達特性補正回路150に供
給される。この伝達特性補正回路150は、この例で
は、遅延回路151と、ゲイン調整回路152で構成さ
れる。遅延回路151の遅延量は、音声信号が距離(d
2−d1)を伝播する時間とほぼ等しくされる。また、
ゲイン調整回路152のゲインは、マイクロホン11と
21との感度のばらつきを補正して、両出力のゲインが
等しくなるように調整される。
号は、アンプ12を介して伝達特性補正回路150に供
給される。この伝達特性補正回路150は、この例で
は、遅延回路151と、ゲイン調整回路152で構成さ
れる。遅延回路151の遅延量は、音声信号が距離(d
2−d1)を伝播する時間とほぼ等しくされる。また、
ゲイン調整回路152のゲインは、マイクロホン11と
21との感度のばらつきを補正して、両出力のゲインが
等しくなるように調整される。
【0023】したがって、この伝達特性補正回路150
からは、マイクロホン21からの出力音声信号とほぼ等
しい伝達特性とされたマイクロホン11の出力音声信号
が得られる。この補正回路150の出力信号は、減算回
路13に供給されて、この信号からアンプ22からのマ
イクロホン21の出力音声信号が減算される。この減算
処理により、マイクロホン11及び21の出力信号の合
成出力信号から、スピーカ31からの音声信号成分がキ
ャンセルされて低減ないし除去される。
からは、マイクロホン21からの出力音声信号とほぼ等
しい伝達特性とされたマイクロホン11の出力音声信号
が得られる。この補正回路150の出力信号は、減算回
路13に供給されて、この信号からアンプ22からのマ
イクロホン21の出力音声信号が減算される。この減算
処理により、マイクロホン11及び21の出力信号の合
成出力信号から、スピーカ31からの音声信号成分がキ
ャンセルされて低減ないし除去される。
【0024】こうして、減算回路13からは、送話者の
声のみが得られ、これが送信回路16を介して電話回路
20に供給され、電話回線Lを通じて通話の相手方に送
信される。
声のみが得られ、これが送信回路16を介して電話回路
20に供給され、電話回線Lを通じて通話の相手方に送
信される。
【0025】この例の合成音声信号中のスピーカ31か
らの音声の低減量を、従来例と比較して説明する。ここ
では、次のような実験を行った。先ず、スピーカ31か
ら、周波数が1kHzの音声を放音するようにする。こ
の状態で、方向ARから所定の音声を入力する。そし
て、d1=10cmとして、マイクロホン11でスピー
カ31からの音声及び入力音声を収音し、このマイクロ
ホン11の出力信号の周波数特性を測定したところ、図
4に示すような結果が得られた。
らの音声の低減量を、従来例と比較して説明する。ここ
では、次のような実験を行った。先ず、スピーカ31か
ら、周波数が1kHzの音声を放音するようにする。こ
の状態で、方向ARから所定の音声を入力する。そし
て、d1=10cmとして、マイクロホン11でスピー
カ31からの音声及び入力音声を収音し、このマイクロ
ホン11の出力信号の周波数特性を測定したところ、図
4に示すような結果が得られた。
【0026】次に、図12に示した従来において、do
=10cmとして、同様の条件で、マイクロホン11及
び21で音声を収音し、減算回路13の出力信号の周波
数特性の測定をしたところ、図5に示すような結果が得
られた。図4と、図5の比較から合成出力信号からのス
ピーカ31の1kHzの音声の低減量は、18dBであ
った。
=10cmとして、同様の条件で、マイクロホン11及
び21で音声を収音し、減算回路13の出力信号の周波
数特性の測定をしたところ、図5に示すような結果が得
られた。図4と、図5の比較から合成出力信号からのス
ピーカ31の1kHzの音声の低減量は、18dBであ
った。
【0027】次に、図2の例において、d1=10c
m、d2=12cmとして、同一の条件で実験を行い、
減算回路13の出力信号の周波数特性の測定をしたとこ
ろ、図6に示すような結果が得られた。図4と、図6の
比較から合成出力信号からのスピーカ31の1kHzの
音声の低減量は、21dBであることが判明した。すな
わち、図2の例の場合には、従来例に比べて、3dB、
低減量が大きい。
m、d2=12cmとして、同一の条件で実験を行い、
減算回路13の出力信号の周波数特性の測定をしたとこ
ろ、図6に示すような結果が得られた。図4と、図6の
比較から合成出力信号からのスピーカ31の1kHzの
音声の低減量は、21dBであることが判明した。すな
わち、図2の例の場合には、従来例に比べて、3dB、
低減量が大きい。
【0028】なお、図2の例において、遅延回路151
を可変遅延回路で構成し、その遅延量と、ゲイン調整回
路152のゲインとを、通話装置の実際の使用環境にお
いて、調節することにより、さらに大きな低減量を得る
ことができる。
を可変遅延回路で構成し、その遅延量と、ゲイン調整回
路152のゲインとを、通話装置の実際の使用環境にお
いて、調節することにより、さらに大きな低減量を得る
ことができる。
【0029】また、以上の説明では、マイクロホン11
及び21は、共に無指向性マイクロホンを使用したが、
マイクロホン11は、方向ARを指向軸とする(方向A
Rからの音声に最大感度を有する)単一指向性のマイク
ロホンで構成するようにしてもよい。また、マイクロホ
ン21は、方向ARとは逆方向を指向軸とする(方向A
Rとは逆方向からの音声入力方向に対して最大感度を有
する)単一指向性のマイクロホンで構成するようにして
もよい。さらに、これら単一指向性のマイクロホンを実
現するに当たっては、2個の無指向性マイクロホンユニ
ットを用いて単一指向性を構成するようにすることもで
きる。
及び21は、共に無指向性マイクロホンを使用したが、
マイクロホン11は、方向ARを指向軸とする(方向A
Rからの音声に最大感度を有する)単一指向性のマイク
ロホンで構成するようにしてもよい。また、マイクロホ
ン21は、方向ARとは逆方向を指向軸とする(方向A
Rとは逆方向からの音声入力方向に対して最大感度を有
する)単一指向性のマイクロホンで構成するようにして
もよい。さらに、これら単一指向性のマイクロホンを実
現するに当たっては、2個の無指向性マイクロホンユニ
ットを用いて単一指向性を構成するようにすることもで
きる。
【0030】次に、この発明による音声入出力装置の他
の例について以下に説明する。以下に説明する例におい
ては、伝達特性補正手段として適応雑音低減処理の考え
を使用するので、この例を説明する前に、適応雑音低減
処理について説明する。
の例について以下に説明する。以下に説明する例におい
ては、伝達特性補正手段として適応雑音低減処理の考え
を使用するので、この例を説明する前に、適応雑音低減
処理について説明する。
【0031】図7は、適応雑音低減処理システムの基本
的構成のブロック図で、1は主要入力端子、2は参照入
力端子であって、主要入力端子1を通じて入力された主
要入力信号は遅延回路3を介して合成回路4に供給され
る。遅延回路3は、主要入力端子1に入力される主要入
力信号と、参照入力端子2に入力される参照入力信号と
の間に時間遅延が無いとした場合に、適応フィルタ回路
5での時間遅延分を補正するためのものであり、この遅
延回路3は設けなくてもよい。
的構成のブロック図で、1は主要入力端子、2は参照入
力端子であって、主要入力端子1を通じて入力された主
要入力信号は遅延回路3を介して合成回路4に供給され
る。遅延回路3は、主要入力端子1に入力される主要入
力信号と、参照入力端子2に入力される参照入力信号と
の間に時間遅延が無いとした場合に、適応フィルタ回路
5での時間遅延分を補正するためのものであり、この遅
延回路3は設けなくてもよい。
【0032】そして、参照入力端子2を通じて入力され
た信号は適応フィルタ回路5を介して合成回路4に供給
され、遅延回路3からの信号から減算される。そして、
この合成回路4の出力は、適応フィルタ回路5に帰還さ
れると共に、出力端子6に導出される。
た信号は適応フィルタ回路5を介して合成回路4に供給
され、遅延回路3からの信号から減算される。そして、
この合成回路4の出力は、適応フィルタ回路5に帰還さ
れると共に、出力端子6に導出される。
【0033】この雑音低減装置においては、主要入力端
子1には、希望信号sと、これと無相関の雑音n0 とが
加算されたものが入力される。一方、参照入力端子2に
は、雑音n1 が入力される。この参照入力の雑音n1
は、希望信号とは無相関であるが、雑音n0 とは相関が
あるようにされる。
子1には、希望信号sと、これと無相関の雑音n0 とが
加算されたものが入力される。一方、参照入力端子2に
は、雑音n1 が入力される。この参照入力の雑音n1
は、希望信号とは無相関であるが、雑音n0 とは相関が
あるようにされる。
【0034】適応フィルタ回路5は、参照入力雑音n1
をフィルタリングして、雑音n0 に近似する信号、すな
わち、雑音n0 と同相、等振幅の信号yを出力する。こ
の適応フィルタ回路5の出力信号として、雑音n0 と逆
相、等振幅の信号−yを得るようにすることもできる。
合成回路4では、遅延回路3の出力信号から適応フィル
タ回路5の出力信号を減算(出力信号が、雑音n0 と逆
相の信号−yの場合には加算)する処理が行なわれる。
をフィルタリングして、雑音n0 に近似する信号、すな
わち、雑音n0 と同相、等振幅の信号yを出力する。こ
の適応フィルタ回路5の出力信号として、雑音n0 と逆
相、等振幅の信号−yを得るようにすることもできる。
合成回路4では、遅延回路3の出力信号から適応フィル
タ回路5の出力信号を減算(出力信号が、雑音n0 と逆
相の信号−yの場合には加算)する処理が行なわれる。
【0035】適応フィルタ回路5における適応のアルゴ
リズムは、合成回路4の出力である減算出力(残差出
力)eを最小にするように働く。すなわち、今、s,n
0 ,n1 ,yが統計的に定常であり、平均値が0である
と仮定すると残差出力eは、 e=s+n0 −y となる。これを二乗したものの期待値は、sがn0 と、
また、yと無相関であるから、 E[e2 ]=E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] +2E[s(n0 −y)] =E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] となる。適応フィルタ回路5が収束するものとすれば、
適応フィルタ回路5は、E[e2 ]が最小になるように
調整されるものである。このとき、E[s2 ]は影響を
受けないので、 Emin [e2 ]=E[s2 ]+Emin [(n0 −
y)2 ] となる。すなわち、E[e2 ]が最小化されることによ
ってE[(n0 −y)2]が最小化され、適応フィルタ
回路5の出力yは、雑音n0 の推定量になる。そして、
合成回路4からの出力の期待値は、希望信号sのみとな
る。すなわち、適応フィルタ回路5を調整して全出力パ
ワーを最小化することは、減算出力eが、希望音声信号
sの最小二乗推定値になることに等しい。
リズムは、合成回路4の出力である減算出力(残差出
力)eを最小にするように働く。すなわち、今、s,n
0 ,n1 ,yが統計的に定常であり、平均値が0である
と仮定すると残差出力eは、 e=s+n0 −y となる。これを二乗したものの期待値は、sがn0 と、
また、yと無相関であるから、 E[e2 ]=E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] +2E[s(n0 −y)] =E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] となる。適応フィルタ回路5が収束するものとすれば、
適応フィルタ回路5は、E[e2 ]が最小になるように
調整されるものである。このとき、E[s2 ]は影響を
受けないので、 Emin [e2 ]=E[s2 ]+Emin [(n0 −
y)2 ] となる。すなわち、E[e2 ]が最小化されることによ
ってE[(n0 −y)2]が最小化され、適応フィルタ
回路5の出力yは、雑音n0 の推定量になる。そして、
合成回路4からの出力の期待値は、希望信号sのみとな
る。すなわち、適応フィルタ回路5を調整して全出力パ
ワーを最小化することは、減算出力eが、希望音声信号
sの最小二乗推定値になることに等しい。
【0036】残差出力eは、一般に、信号sに多少の雑
音が残ったものとなるが、出力雑音は、n0 −yで与え
られるから、E[(n0 −y)2 ]を最小化すること
は、出力の信号対雑音比を最大化することに等しい。
音が残ったものとなるが、出力雑音は、n0 −yで与え
られるから、E[(n0 −y)2 ]を最小化すること
は、出力の信号対雑音比を最大化することに等しい。
【0037】なお、適応フィルタ回路5はアナログ信号
で実現する場合とデジタル信号処理回路で実現する場合
の、いずれでも可能である。適応フィルタ回路5を、デ
ジタルフィルタを用いて実現した場合の例を図8に示
す。この例は、適応のアルゴリズムとして、いわゆるL
MS(最小平均自乗)法を使用した場合の例である。
で実現する場合とデジタル信号処理回路で実現する場合
の、いずれでも可能である。適応フィルタ回路5を、デ
ジタルフィルタを用いて実現した場合の例を図8に示
す。この例は、適応のアルゴリズムとして、いわゆるL
MS(最小平均自乗)法を使用した場合の例である。
【0038】図8に示すように、この例では、FIRフ
ィルタ型の適応線形結合器300を使用する。これは、
それぞれ単位サンプリング時間の遅延時間Z-1を有する
複数個の遅延素子DL1,DL2,……DLm(mは正
の整数)と、入力雑音n1 及び各遅延素子DL1,DL
2,…,DLmの出力信号と加重係数との掛け算を行う
加重回路MX0,MX1,MX2,…,MXmと、加重
回路MX0〜MXmの出力を加算する加算回路310を
備える。加算回路310の出力はy(あるいは−y)で
ある。
ィルタ型の適応線形結合器300を使用する。これは、
それぞれ単位サンプリング時間の遅延時間Z-1を有する
複数個の遅延素子DL1,DL2,……DLm(mは正
の整数)と、入力雑音n1 及び各遅延素子DL1,DL
2,…,DLmの出力信号と加重係数との掛け算を行う
加重回路MX0,MX1,MX2,…,MXmと、加重
回路MX0〜MXmの出力を加算する加算回路310を
備える。加算回路310の出力はy(あるいは−y)で
ある。
【0039】加重回路MX0〜MXmに供給する加重係
数は、例えばマイクロコンピュータからなるLMS演算
回路320で、合成回路4からの残差信号eに基づいて
形成される。このLMS演算回路320で実行されるア
ルゴリズムは、次のようになる。
数は、例えばマイクロコンピュータからなるLMS演算
回路320で、合成回路4からの残差信号eに基づいて
形成される。このLMS演算回路320で実行されるア
ルゴリズムは、次のようになる。
【0040】今、時刻k における入力ベクトルXk を、
図8にも示すように、 Xk =[x0k x1k x2k ・・・xmk]T とし、出力をyk 、加重係数をwjk(j=0,1,2,…m )と
すると、入出力の関係は、次の数1に示すようになる。
図8にも示すように、 Xk =[x0k x1k x2k ・・・xmk]T とし、出力をyk 、加重係数をwjk(j=0,1,2,…m )と
すると、入出力の関係は、次の数1に示すようになる。
【0041】
【数1】 そして、時刻k における加重ベクトルWk を、 Wk =[w0k w1k w2k ・・・wmk]T と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T ・Wk で与えられる。ここで、希望の応答をdk とすれば、残
差ek は次のように表される。 ek =dk −yk =dk −Xk T ・Wk LMS法では、加重ベクトルの更新を、 Wk+1 =Wk +2μ・ek ・Xk ……(a) なる式により順次行っていく。ここで、μは適応の速度
と安定性を決める利得因子(ステップゲイン)である。
差ek は次のように表される。 ek =dk −yk =dk −Xk T ・Wk LMS法では、加重ベクトルの更新を、 Wk+1 =Wk +2μ・ek ・Xk ……(a) なる式により順次行っていく。ここで、μは適応の速度
と安定性を決める利得因子(ステップゲイン)である。
【0042】次に、以上説明した適応雑音低減処理を伝
達特性の補正のために使用したこの発明による音声入出
力装置を、通話装置に適用した場合の一実施例のブロッ
ク図を図9に示す。この例では、適応フィルタ回路とし
ては、デジタルフィルタを用いたものが使用され、合成
回路4は、減算回路13に対応する。
達特性の補正のために使用したこの発明による音声入出
力装置を、通話装置に適用した場合の一実施例のブロッ
ク図を図9に示す。この例では、適応フィルタ回路とし
ては、デジタルフィルタを用いたものが使用され、合成
回路4は、減算回路13に対応する。
【0043】この例において、マイクロホン11,21
と、スピーカ31の筐体40への配置位置関係は、図2
の例と全く同様にされるが、図10に示すように、マイ
クロホン11は、全指向性(無指向性)とされ、マイク
ロホン21は、方向ARからの音声に対する感度が小さ
い単一指向性のものが使用される。
と、スピーカ31の筐体40への配置位置関係は、図2
の例と全く同様にされるが、図10に示すように、マイ
クロホン11は、全指向性(無指向性)とされ、マイク
ロホン21は、方向ARからの音声に対する感度が小さ
い単一指向性のものが使用される。
【0044】そして、この例においては、アンプ12を
通じたマイクロホン11の出力音声信号は、A/Dコン
バータ17に供給されて、デジタル信号に変換され、遅
延回路18を介して減算回路(合成回路)13に供給さ
れる。遅延回路18は、後述の適応フィルタ回路24で
の伝播時間や適応処理のための演算に要する時間遅れな
どの時間遅延を補償するためのものである。
通じたマイクロホン11の出力音声信号は、A/Dコン
バータ17に供給されて、デジタル信号に変換され、遅
延回路18を介して減算回路(合成回路)13に供給さ
れる。遅延回路18は、後述の適応フィルタ回路24で
の伝播時間や適応処理のための演算に要する時間遅れな
どの時間遅延を補償するためのものである。
【0045】また、アンプ22を通じたマイクロホン2
1の出力音声信号は、A/Dコンバータ23に供給され
て、デジタル信号に変換され、適応フィルタ回路24に
供給される。この例では、適応フィルタ回路24は、前
述した図8に示したような、FIRフィルタ型の適応線
形結合器300と、この線形結合器300を適応制御す
る演算回路、この例ではLMS演算回路320から構成
され、A/Dコンバータ23からのデジタル信号は、線
形結合器300を介して減算回路13に供給される。こ
の適応フィルタ回路24は、マイクロプロセッサからな
るDSP(デジタルシグナルプロセッサ)により構成す
ることができる。
1の出力音声信号は、A/Dコンバータ23に供給され
て、デジタル信号に変換され、適応フィルタ回路24に
供給される。この例では、適応フィルタ回路24は、前
述した図8に示したような、FIRフィルタ型の適応線
形結合器300と、この線形結合器300を適応制御す
る演算回路、この例ではLMS演算回路320から構成
され、A/Dコンバータ23からのデジタル信号は、線
形結合器300を介して減算回路13に供給される。こ
の適応フィルタ回路24は、マイクロプロセッサからな
るDSP(デジタルシグナルプロセッサ)により構成す
ることができる。
【0046】減算回路13の出力信号は、この適応フィ
ルタ回路24の演算回路320に帰還されると共に、D
/Aコンバータ19によりアナログ信号に戻され、送話
回路16に供給される。その他の構成は図2の例と同様
である。
ルタ回路24の演算回路320に帰還されると共に、D
/Aコンバータ19によりアナログ信号に戻され、送話
回路16に供給される。その他の構成は図2の例と同様
である。
【0047】基本的には、適応フィルタ回路24では、
マイクロホン11の出力音声信号中に含まれるスピーカ
31からの音声に、マイクロホン21の出力音声信号中
に含まれるスピーカ31からの音声が近似するように制
御される。マイクロホン11では送話者の音声と、スピ
ーカ31からの音声とが収音される。一方、マイクロホ
ン21は、前述したような単一指向性を有するので、方
向ARからの送話者の声はほとんど収音せず、送話者の
声と無相関(送話音声と受話音声とは、一般的に、ほぼ
無相関とすることができる)のスピーカ31からの音声
のみを収音する。減算回路13では、マイクロホン11
の音声信号から、適応フィルタ回路24からの音声信号
が減算されることにより、マイクロホン11の出力音声
中のスピーカ31からの音声がキャンセルされる。した
がって、減算回路13からは、希望音声である送話者1
0の声の音声信号のみが得られる。
マイクロホン11の出力音声信号中に含まれるスピーカ
31からの音声に、マイクロホン21の出力音声信号中
に含まれるスピーカ31からの音声が近似するように制
御される。マイクロホン11では送話者の音声と、スピ
ーカ31からの音声とが収音される。一方、マイクロホ
ン21は、前述したような単一指向性を有するので、方
向ARからの送話者の声はほとんど収音せず、送話者の
声と無相関(送話音声と受話音声とは、一般的に、ほぼ
無相関とすることができる)のスピーカ31からの音声
のみを収音する。減算回路13では、マイクロホン11
の音声信号から、適応フィルタ回路24からの音声信号
が減算されることにより、マイクロホン11の出力音声
中のスピーカ31からの音声がキャンセルされる。した
がって、減算回路13からは、希望音声である送話者1
0の声の音声信号のみが得られる。
【0048】すなわち、この実施例の基本的構成は、主
要入力としてマイクロホン11の出力音声信号が供給さ
れ、参照入力としての不要信号(雑音)として、マイク
ロホン21の出力音声信号が供給された適応型雑音低減
システムの構成となっている。
要入力としてマイクロホン11の出力音声信号が供給さ
れ、参照入力としての不要信号(雑音)として、マイク
ロホン21の出力音声信号が供給された適応型雑音低減
システムの構成となっている。
【0049】通話装置の使用状態では、音声入出力装置
の周囲環境はほぼ一定となる。そこで、実際の使用に先
立ち、その環境に適合した伝達特性の補正を、以上説明
したような適応処理を実施させることにより行う。すな
わち、通話装置の実際の使用環境において、スピーカ3
1にテスト信号を供給し、上述のような適応動作をさせ
る。すると、適応フィルタ回路24は、減算回路13の
出力信号からスピーカ31からのテスト信号の音声信号
成分を除去するように動作する。
の周囲環境はほぼ一定となる。そこで、実際の使用に先
立ち、その環境に適合した伝達特性の補正を、以上説明
したような適応処理を実施させることにより行う。すな
わち、通話装置の実際の使用環境において、スピーカ3
1にテスト信号を供給し、上述のような適応動作をさせ
る。すると、適応フィルタ回路24は、減算回路13の
出力信号からスピーカ31からのテスト信号の音声信号
成分を除去するように動作する。
【0050】そして、この適応動作を例えば数秒間行っ
て、テスト信号成分を除去した後、適応動作を停止し、
そのときの適応フィルタ回路24におけるFIRフィル
タの各タップの加重係数を記憶する。すなわち、通話装
置の実際の使用環境において、2つのマイクロホンの入
力信号中のテスト信号成分についての伝達特性を等しく
するように学習し、そのときの加重係数値を記憶する。
て、テスト信号成分を除去した後、適応動作を停止し、
そのときの適応フィルタ回路24におけるFIRフィル
タの各タップの加重係数を記憶する。すなわち、通話装
置の実際の使用環境において、2つのマイクロホンの入
力信号中のテスト信号成分についての伝達特性を等しく
するように学習し、そのときの加重係数値を記憶する。
【0051】以上のようにして、適応フィルタ回路によ
る学習が終了した後は、適応フィルタ回路24では、F
IRフィルタの各タップの加重係数の更新は行わず、前
記記憶した加重係数値に固定する。つまり、通話装置の
実際の使用状態では、適応処理は行われず、適応フィル
タ回路24は、固定の特性の伝達特性補正回路としての
イコライザとして働く。
る学習が終了した後は、適応フィルタ回路24では、F
IRフィルタの各タップの加重係数の更新は行わず、前
記記憶した加重係数値に固定する。つまり、通話装置の
実際の使用状態では、適応処理は行われず、適応フィル
タ回路24は、固定の特性の伝達特性補正回路としての
イコライザとして働く。
【0052】以上のようにして、この例では、実際の使
用環境に合わせてマイクロホン11と、マイクロホン2
1の出力のスピーカ31からの音声に対する伝達特性を
補正するので、実際の使用の際には、減算回路13の出
力からスピーカ31からの音声信号が選択的に除去され
て、結果的には、送話回路16には、希望音声である送
話者の音声信号だけが、所要の品位で供給され、それが
電話回線Lを介して相手方に送信される。
用環境に合わせてマイクロホン11と、マイクロホン2
1の出力のスピーカ31からの音声に対する伝達特性を
補正するので、実際の使用の際には、減算回路13の出
力からスピーカ31からの音声信号が選択的に除去され
て、結果的には、送話回路16には、希望音声である送
話者の音声信号だけが、所要の品位で供給され、それが
電話回線Lを介して相手方に送信される。
【0053】そして、この例の場合には、実際の使用環
境において、使用に先立ち、適応処理動作を行って、学
習をさせるだけで伝達特性の補正ができる。
境において、使用に先立ち、適応処理動作を行って、学
習をさせるだけで伝達特性の補正ができる。
【0054】この例のマイクロホンの収音信号中からの
スピーカ31からの音声の低減効果は、非常に大きい。
図11は、この図9の例において、前述と同様の条件
で、すなわち、スピーカ31から1kHzの音声を発音
させ、d1=10cm、d2=12cmとして、方向A
Rから音声を収音させたときの減算回路13の出力信号
の周波数特性を示すものである。この例の場合には、1
kHzの音声が減算出力信号から90dB以上の減衰量
をもって、減衰されている。
スピーカ31からの音声の低減効果は、非常に大きい。
図11は、この図9の例において、前述と同様の条件
で、すなわち、スピーカ31から1kHzの音声を発音
させ、d1=10cm、d2=12cmとして、方向A
Rから音声を収音させたときの減算回路13の出力信号
の周波数特性を示すものである。この例の場合には、1
kHzの音声が減算出力信号から90dB以上の減衰量
をもって、減衰されている。
【0055】なお、以上の説明した実施例においては、
マイクロホン11,21及びスピーカ31を直線状に配
列するようにしたが、これらのユニットの配列は、この
ような配列に限らず、任意である。図12に、これらの
ユニットの配列の幾つかの例を示す。
マイクロホン11,21及びスピーカ31を直線状に配
列するようにしたが、これらのユニットの配列は、この
ような配列に限らず、任意である。図12に、これらの
ユニットの配列の幾つかの例を示す。
【0056】なお、伝達特性補正手段は、上述した例に
限らず、周波数特性、位相特性、ゲイン特性など、必要
な補正を行なうイコライザを用いることができる。ま
た、この発明の音声入出力装置は、以上説明した通話装
置に使用される場合に限らず、その他種々の装置に適用
可能であることは言うまでもない。
限らず、周波数特性、位相特性、ゲイン特性など、必要
な補正を行なうイコライザを用いることができる。ま
た、この発明の音声入出力装置は、以上説明した通話装
置に使用される場合に限らず、その他種々の装置に適用
可能であることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、2つのマイクロホンとスピーカとの間の伝達特性
を、等しくするような補正手段を設けたことにより、こ
れら2つのマイクロホンとスピーカの筐体への配置位置
を制約することなく、2つのマイクロホンの出力を合成
することにより、スピーカからの音声信号成分を十分に
キャンセルすることができる。
ば、2つのマイクロホンとスピーカとの間の伝達特性
を、等しくするような補正手段を設けたことにより、こ
れら2つのマイクロホンとスピーカの筐体への配置位置
を制約することなく、2つのマイクロホンの出力を合成
することにより、スピーカからの音声信号成分を十分に
キャンセルすることができる。
【0058】そして、前記補正手段を、音声入出力装置
の実際の使用環境において調整することにより、実際の
使用環境に応じた伝達特性の補正を行なうことができ、
実際的なスピーカからの音声の低減量を大きくすること
ができる。
の実際の使用環境において調整することにより、実際の
使用環境に応じた伝達特性の補正を行なうことができ、
実際的なスピーカからの音声の低減量を大きくすること
ができる。
【0059】特に、補正手段として、適応処理手段を用
いた場合には、実際の使用に先立ち、適応処理動作をさ
せて学習させ、実際の使用時には、適応処理後の結果の
フィルタ係数値に固定するようにすればよいので、事前
の簡単な操作で補正手段の調整が容易にできるメリット
がある。
いた場合には、実際の使用に先立ち、適応処理動作をさ
せて学習させ、実際の使用時には、適応処理後の結果の
フィルタ係数値に固定するようにすればよいので、事前
の簡単な操作で補正手段の調整が容易にできるメリット
がある。
【図1】この発明による音声入出力装置の基本的構成を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【図2】この発明による音声入出力装置の一実施例を適
用した通話装置の一例のブロック図である。
用した通話装置の一例のブロック図である。
【図3】図2の例の通話装置の外観の一例を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図4】テスト信号を説明するための図である。
【図5】従来の音声入出力装置によるスピーカからの音
声の低減効果を説明するための周波数特性図である。
声の低減効果を説明するための周波数特性図である。
【図6】図2の実施例によるスピーカからの音声の低減
効果を説明するための周波数特性図である。
効果を説明するための周波数特性図である。
【図7】雑音低減適応処理システムの概要を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図8】適応フィルタ回路の一例の回路図である。
【図9】この発明による音声入出力装置の一例を適用し
た通話装置の一例のブロック図である。
た通話装置の一例のブロック図である。
【図10】図9の実施例に使用する2つのマイクロホン
の指向特性を説明するための図である。
の指向特性を説明するための図である。
【図11】図9の実施例によるスピーカからの音声の低
減効果を説明するための周波数特性図である。
減効果を説明するための周波数特性図である。
【図12】2つのマイクロホンと、スピーカの筐体への
配置例を示す図である。
配置例を示す図である。
【図13】従来の音声入出力装置の一例のブロック図で
ある。
ある。
11 第1のマイクロホン 13 減算回路 15、150 伝達特性補正回路 21 第2のマイクロホン 24 適応フィルタ回路 31 スピーカ 40 筐体 151 遅延回路 152 ゲイン調整回路
Claims (3)
- 【請求項1】 スピーカと、第1のマイクロホンと、第
2のマイクロホンとが共通の筐体に装着された音声入出
力装置であって、 前記第1及び第2のマイクロホンは、前記スピーカの再
生音を収音し得る位置であって、少なくとも第1及び第
2のマイクロホンの一方は、希望入力音声を収音し得る
位置に装着されており、 前記第1及び第2のマイクロホンの前記スピーカの再生
音に対する伝達特性を補正して一致させる補正手段が設
けられると共に、 前記スピーカに対する伝達特性が等しくされた前記第1
及び第2のマイクロホンの出力を合成する合成手段が設
けられ、 この合成手段から前記スピーカの再生音声信号が除去さ
れた前記第1及び第2のマイクロホンの合成出力信号を
得るようにした音声入出力装置。 - 【請求項2】 前記補正手段は、特性が調整可能なイコ
ライザであって、前記イコライザの特性が予め調整され
て、設定されてなる請求項1に記載の音声入出力装置。 - 【請求項3】 前記補正手段は、適応フィルタ回路で構
成され、この適応フィルタ回路で使用される係数値が、
この適応フィルタ回路による適応処理により前記合成手
段からスピーカの再生音声信号が除去される状態のとき
の値に固定されてなる請求項1に記載の音声入出力装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4321246A JPH06153289A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 音声入出力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4321246A JPH06153289A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 音声入出力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06153289A true JPH06153289A (ja) | 1994-05-31 |
Family
ID=18130443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4321246A Pending JPH06153289A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 音声入出力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06153289A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007228302A (ja) * | 2006-02-23 | 2007-09-06 | Matsushita Electric Works Ltd | 通話装置 |
JP2007267043A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Matsushita Electric Works Ltd | 通話装置 |
JP2009130390A (ja) * | 2007-11-19 | 2009-06-11 | Funai Electric Advanced Applied Technology Research Institute Inc | 音声入力装置及びその製造方法、並びに、情報処理システム |
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