JPH06123008A - ポリウレタン弾性繊維 - Google Patents
ポリウレタン弾性繊維Info
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- JPH06123008A JPH06123008A JP4274345A JP27434592A JPH06123008A JP H06123008 A JPH06123008 A JP H06123008A JP 4274345 A JP4274345 A JP 4274345A JP 27434592 A JP27434592 A JP 27434592A JP H06123008 A JPH06123008 A JP H06123008A
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Abstract
熱性、耐熱水性のすべてに優れるとともに、ポリエステ
ル繊維と同時に高温高圧染色がで、かつ特に強伸度特性
の優れたポリウレタン弾性繊維を工業的に安定に提供す
る。 【構成】 全ジカルボン酸成分に対して芳香族ジカルボ
ン酸を10〜60モル%含有し下記(I)式を満足する分
子量が1500〜4000の高分子ジオール、有機ジイ
ソシアナートおよび鎖伸長剤を重合して得られるポリウ
レタンよりなるポリウレタン弾性繊維であって、弾性繊
維を構成するポリウレタンが下記の(II)および(III)の
関係式を満足することを特徴とするポリウレタン弾性繊
維。 5.1≦全炭素数/エステル結合数≦10.0 ………(I) 45%≦長鎖ハードセグメント含有率≦70% ………(II) 長鎖ハードセグメント含有量の溶融加熱保持率≧85% ………(III)
Description
色条件である高温高圧染色が可能である耐熱水性に優
れ、かつ強伸度特性に優れたポリウレタン弾性繊維に関
する。すなわち、本発明のポリウレタン弾性繊維は従来
のナイロン、綿との混用のみならず、ポリエステル繊維
との混用が可能である。
は、乾式紡糸法や湿式紡糸法、溶融紡糸法が知られてい
る。最近は、溶融紡糸法により得られるポリウレタン弾
性繊維が細デニール化が可能なこと、透明性が良好なこ
と、コストが低いことなどから注目され、生産量が伸び
ている。しかしながら、溶融紡糸法により得られるポリ
ウレタン弾性繊維は本質的な欠点として、乾式紡糸法に
より得られるポリウレタン弾性繊維に比べて、耐熱性、
耐熱水性に劣ることである。従って、この耐熱性と耐熱
水性の改良が溶融紡糸法により得られるポリウレタン弾
性繊維の大きな課題であった。本発明者らは、側鎖を有
するポリエステル系高分子ジオールを用いた、耐熱性や
耐熱水性に優れた溶融紡糸ポリウレタン弾性繊維を特開
平3−220311号公報に提案している。
実験室レベルにおいてはそれなりの性能のものが得られ
るが、工業的規模で実施しようとすると、十分に安定し
た性能を確保することが困難であった。本発明の目的
は、耐塩素性や耐光性に優れかつ弾性回復性、耐熱性、
耐熱水性のすべてに優れるとともに、ポリエステル繊維
と同時に高温高圧染色がで、かつ特に強伸度特性の優れ
たポリウレタン弾性繊維を工業的に安定に提供すること
にある。
ル(A)、有機ジイソシアナート(B)および鎖伸長剤
(C)を重合して得られるポリウレタンよりなるポリウレ
タン弾性繊維であって、該高分子ジオール成分(A)が下
記(I)式を満足する分子量が1500〜4000のポリ
エステルジオールであり、かつその構成成分であるジカ
ルボン酸が、芳香族ジカルボン酸を全ジカルボン酸成分
に対して10〜60モル%含有し、さらに弾性繊維を構
成するポリウレタンが下記の(II)および(III)の関係式
を満足することを特徴とするポリウレタン弾性繊維であ
る。 5.1≦全炭素数/エステル結合数≦10.0 …………(I) (ここで全炭素数とは、高分子ジオールに含まれる炭素
のうち、エステル結合に含まれる炭素を除いた残りの炭
素の合計数である) 45%≦長鎖ハードセグメント含有率≦70% …………(II) (ここで長鎖ハードセグメント含有率とは、弾性繊維を
構成するポリウレタンの(A)成分をアルカリ−メタノー
ル溶液で分解除去後、取り出した(B)および(C)から構
成される成分とそれらとウレタン結合で連結された(A)
の末端ジオール成分からなる全ハードセグメント構成成
分に対する、(B)と(C)の繰り返し単位数が3以上の長
鎖ハードセグメントの割合を示す) 長鎖ハードセグメント含有量の溶融加熱保持率≧85% …………(III) (ここで、長鎖ハードセグメント含有量の溶融加熱保持
率とは、弾性繊維を構成するポリウレタンを、230℃
で60分間溶融状態で混練りし、その前後の長鎖ハード
セグメント含有量の変化を保持率で示したものである)
(B)、(C)成分のうち、ハードセグメント構成成分は
(B)と(C)である。但し、本発明におけるハードセグメ
ントとは、弾性繊維を構成するポリウレタンを少量のテ
トラヒドロフラン(THF)で膨潤後、0.01NKO
Hのメタノール溶液中で50℃、7日間の攪拌下に(A)
成分を完全に分解したのち、取り出した(B)および(C)
から構成されるウレタン結合を含む成分とそれらの末端
イソシアナート基が(A)成分の末端ジオールと反応して
ウレタン結合で連結された部分をも含むものである。即
ち、上記条件でのアルカリ分解後、有機ジイソシアナー
ト骨格およびそのウレタン結合を有する化合物をすべて
含むものである。また、長鎖ハードセグメント含有率と
は、そのようにして取り出した全ハードセグメントに対
する(B)と(C)からなる繰り返し単位数が3以上からな
る長鎖ハードセグメントの割合を言う。
性回復性、伸度を向上させるためには、ポリウレタンの
ハードセグメントの含有量を少なくして、長鎖ハードセ
グメント含有量を多くすることが重要である。本発明に
おいては、この割合が45%以上かつ70%以下である
ことが重要である。45%以下であると、耐熱性、耐熱
水性、耐久性などの性能が著しく劣る。70%以上にな
ると耐熱性は向上するが、硬くなり、伸度、弾性回復性
が低くなり、さらに紡糸性が低下し、加工工程で多くの
問題を生じる。
加熱保持率とは、弾性繊維を構成するポリウレタンを脱
水後、プラストグラフ(ブラベンダー社製)で230℃
で60分間、溶融状態で混練りし、その前後のポリウレ
タンについて上記のアルカリ分解法により長鎖ハードセ
グメントを取り出し、そのうちの長鎖ハードセグメント
の含有量を求め、その変化を保持率で示したものであ
る。
ット規模のように溶融滞留時間が10〜20分程度と比
較的短い場合には耐熱性や耐熱水性などに優れた弾性繊
維が得られても、工業的な規模で弾性繊維を製造する場
合は、溶融滞留時間が40〜60分程度と長くなること
により耐熱性や耐熱水性などの繊維性能が低下し、かつ
糸ロット間の品質・性能のバラツキが大きくなることが
明かとなった。すなわち、長鎖ハードセグメントの溶融
加熱保持率が85%より低い弾性繊維では、ポリウレタ
ンのハードセグメント含有量を増大することにより長鎖
ハードセグメント含有量を45%以上にしても、耐熱
性、耐熱水性が劣るだけでなく、固くて伸度が低くかつ
弾性回復性が劣り、糸品質がばらつくことを見出だし
た。
の手段として、該高分子ジオールのウレタン化反応速度
定数があり、高分子ジオールと4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアナート(MDI)との90℃でのみかけ
の反応速度定数(k)が重要である。長鎖ハードセグメン
ト含有率および長鎖ハードセグメント含有量の溶融加熱
保持率は、高分子ジオール中のエステル結合濃度と高分
子ジオールのMDIとのみかけの反応速度定数(k)によ
って決まる。
オールを製造する際に使用した触媒の失活が完全でない
と、高温での溶融滞留により、ポリウレタンの長鎖ハー
ドセグメント含有量が経時的に減少し、それと共に耐熱
性、耐熱水性が低下していくことを認めた。そこで、高
分子ジオール製造時に使用された触媒を十分に失活し、
高分子ジオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アナートとのみかけの反応速度定数(k)と高分子ジオー
ルの全炭素数/エステル結合数(X)とが次の関係式(IV) 0≦k≦0.0652X−0.152 …………(IV) を満足する高分子ジオールを用いることにより、ポリウ
レタン重合/紡糸時の溶融滞留時間が60分以上の長時
間になっても、弾性糸の品質・性能が安定化することを
見いだした。これによって、糸斑、糸切れも非常に少な
くなり、かつ耐熱性、耐熱水性が改良され、弾性繊維の
加工時における耐高温加工性、分散染料による高温染色
安定性等が改良され、総合的な糸品位が大きく向上し
た。これにより、ポリエステルと混用可能な弾性繊維を
工業的規模で安定に製造することが可能になった。
されるためには、みかけの反応速度定数kの低下と共に
高分子ジオールの分子量が1500〜4000であり、
そのエステル結合濃度が本発明の範囲内にあること、即
ち、(I)式を満足することが重要であることも明確にな
った。(I)式を満足しない、即ち、(全炭素数/エステ
ル結合数)が5.1より小さくなると、kが小さくても
耐熱性、耐熱水性が低くなる。一方、10より大きくな
ると耐寒性、弾性回復性、伸度、紡糸性が低下する。従
って、本発明の弾性繊維は、更に230℃で60分間の
溶融混練りを行っても、長鎖ハードセグメント含有量の
溶融加熱保持率は、85%以上と良好であり、(III)式
を満足するものである。即ち、みかけの反応速度定数
(k)と高分子ジオール/エステル結合数(X)とが(IV)式
を満足しない高分子ジオールを使用したポリウレタン
は、溶融紡糸後に長鎖ハードセグメント含有率が低下
し、耐熱性、耐熱水性が低下する。
シアナート基のそれぞれの濃度の一次に比例する。従っ
て、本発明におけるみかけの反応速度定数の決定法は、
高分子ジオールとMDIを3:1のモル比で仕込み、9
0℃に保ちながら攪拌し時間経過とともに反応物の一部
をとり、1/100規定ジ−n−ブチルアミンのDMF
溶液を一定量加えて溶解後、1/100規定塩酸のメタ
ノール溶液でブロムフェノールブルーを指示薬として中
和滴定を行うことによりイソシアナート基の残存量を求
め、下記のみかけの2次反応速度定数を求める式に従っ
て計算した。 [1/(a−b)]・ln[b(a−x)/a(b−x)]=kt k:反応速度定数 t:反応時間(分) a:[OH]初濃度 b:[NCO]初濃度 x:tにおける[NHCOO]濃度
小さくする方法として、例えば、高分子ジオールに対し
1.0〜4.0%の水を加え80〜150℃で約2時間
攪拌する、100℃〜150℃で水蒸気を通して攪拌す
るか、あるいは一般にポリエステルの触媒失活に用いら
れているリン化合物の添加などによって行うことができ
る。
は、耐熱性と耐熱水性を向上させるために1500〜4
000の範囲が好ましく、耐熱性と耐熱水性を更に向上
させるためには1800以上がより好ましく、また、柔
軟性、伸度、弾性回復性、紡糸性などからは3500以
下がより好ましい。
して、芳香族ジカルボン酸を使用することにより、弾性
繊維の強度が増大する。芳香族ジカルボン酸の全ジカル
ボン酸成分に対する使用割合を10モル%以上、好まし
くは20モル%以上とすることが重要で、10モル%よ
り少ないと強度が劣る。60モル%を越えると強度は増
大するものの、伸度が低下する。本発明に用いられる高
分子ジオールに使用される芳香族ジカルボン酸として
は、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。耐
寒性の点から、特にイソフタル酸が好ましい。
のできるジカルボン酸はグルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカ
ンジカルボン酸などが挙げられる。また、高分子ジオー
ルの製造時に使用されるジオールとしては、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10
−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,
8−オクタンジオールなどの炭素数4〜12のジオール
が用い得る。これらのジオール、ジカルボン酸は、本発
明の(I)式を満足する限りにおいては、単独で用いても
良いし、2種以上のジオール、ジカルボン酸を組み合わ
せ用いても何等差し支えない。いずれにしても(全炭素
数/エステル結合数)が5.1より小さいと耐熱性、耐
熱水性の低下が大きく、10より大きいと耐寒性、弾性
回復性、伸度、紡糸性が低下する。
ジオールを用いる場合には、高分子ジオールを混合して
用いる場合の外、それぞれの高分子ジオールを用いて別
々に重合したポリウレタンを混合して用いる場合も本発
明の範囲に含むものである。
の製造法は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン
テレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの製
造において用いられる公知の方法と同様の方法、即ちエ
ステル交換または直接エステル化とそれに続く溶融重縮
合反応にて製造可能である。
ソシアナートとしては、芳香族、脂肪族もしくは脂環族
ジイソシアナートが挙げられ、具体的には4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアナート、p−フェニレンジイ
ソシアナート、トルイレンジイソシアナート、1,5−
ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナ
ート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジ
イソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアナート等の分子量500以下のジイソシアナー
トが例示される。好ましくは、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアナートおよび/またはp−フェニレンジ
イソシアナートである。
剤としてはポリウレタン業界における常用の連鎖成長
剤、即ちイソシアナートと反応しうる水素原子を少なく
とも2個含有する分子量400以下の低分子化合物、例
えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プ
ロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス(2
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキ
サンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフ
タレート、キシリレングリコールなどのジオール類が挙
げられる。これらの鎖伸長剤は単独でまたは、2種以上
を混合して使用しても良い。最も好ましい鎖伸長剤は、
1,4−ブタンジオールおよび/または1,4−ビス
(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンである。
よび鎖伸長剤を重合してポリウレタンを製造する方法に
関しては、公知のウレタン化反応の技術を採用すること
もできる。本発明者らの研究によれば、なかでも、実質
的に不活性溶媒の不存在下で溶融重合することが好まし
く、特に、多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重
合が好ましいことが判明した。本発明に用いるポリウレ
タンは、実質的に、高分子ジオール、有機ジイソシアナ
ートおよび鎖伸長剤よりなる。
一度ペレット化したのち溶融紡糸するか、あるいは、溶
融重合して得られるポリウレタンを溶融状態のまま直接
紡糸口金を通して紡糸する方法が採用しうる。紡糸安定
性の点からは重合直結紡糸が好ましい。本発明のポリウ
レタン弾性繊維を溶融紡糸により得る場合、紡糸温度は
250℃以下、より好ましくは、200℃以上235℃
以下で紡糸することが実際的である。
糸は実際の使用に際してはそのまま裸糸として使用され
たり、他繊維で被覆して被覆糸として使用される。他繊
維としては、ポリアミド繊維、ウール、綿、ポリエステ
ル繊維など従来公知の繊維をあげることができるが、な
かでも本発明ではポリエステル繊維が好ましく用いられ
る。
染着タイプの分散染料を0.01重量%以上含有したも
のも含まれるものである。分散染料を含有させる方法と
して、例えばポリウレタン弾性繊維をポリエステル繊維
と混用加工し、分散染料を用いて110〜130℃で染
色することによっても得られる。また本発明のポリウレ
タン弾性繊維は110〜130℃で染色しても、ポリウ
レタン弾性繊維が切断せず、耐熱性や耐熱水性が良好で
あり、良好な伸縮性が残る画期的な素材である。さらに
本発明のポリウレタン弾性繊維は、分散染料で淡色ある
いは濃色に染めた場合でも、染色堅牢性が非常に優れる
という大きな特徴を有する。
べる。分散染料を使用するのは、共用する他繊維との同
色性を得るためであり、目むき防止や色の再現性を高め
るためである。分散染料としてはキノン系とアゾ系が知
られている。本発明に用いる染着タイプの分散染料と
は、本発明に用いられている任意の1種のポリウレタン
弾性糸を2%owfで130℃で60分染色した時に染着
した染料が還元洗浄を行った後水洗、乾燥後、40重量
%以上(重量減少から測定)以上残る染料である。
糸については、その弾性糸について染色を試み、染着タ
イプの分散染料であるか否かを判別する。 還元洗浄条件 ハイドロサルファイド 3g/l ソーダ灰 2g/l アミラジン 1g/l 浴 比 1:30 温 度 80℃×20分
ウレタン弾性糸は110℃以上の高温高圧染色に耐える
ものがなく、少なくとも110℃以上の高温高圧染色が
必要なポリエステルとの共用は不可能である。また、1
10℃未満では十分な濃色化は困難であったり染色堅牢
性が不良であったりする。110℃以上の高温高圧染色
に耐えるものがないとは110℃以上の高温高圧染色で
溶断したり、伸縮性が無くなることを言う。この点、本
発明のエステル系ポリウレタン弾性繊維は前述のごとく
110℃〜130℃の高温高圧染色が可能であり、従っ
て、染色堅牢性が非常に優れるという大きな複合効果を
見出だした。
リウレタン弾性糸と混用が出来なかったポリエステル繊
維との混用を可能とし、高温で染色できるポリエステル
繊維による被覆弾性糸およびポリエステル繊維とポリウ
レタン弾性糸よりなる布帛となしうるのである。
のものが挙げられる。 衣料用;水着、スキ−ウェアー、サイクリングウェア
ー、レオタード、ランジェリー、ファンデ−ション、肌
着。 雑品;パンティストッキング、靴下、サポ−タ−、帽
子、手袋、パワーネット、包帯。 非衣料;テニスラケットのガット、一体成形加工用カー
シート地糸、ロボットアーム用金属被覆糸。
る。なお、実施例中の長鎖ハードセグメント含有率およ
び長鎖ハードセグメント含有量の溶融加熱保持率、耐熱
水性(応力=R)、瞬間弾性回復率比は、以下の方法に
より測定した。
し乾燥した後、その弾性糸1.50gを精秤し、THF
5mlを加え、サンプルを膨潤させる。2時間後、0.0
1規定KOHのメタノール溶液25mlを加え、50℃、
7日間の攪拌下に高分子ジオールを完全に分解する。分
解後、50℃2時間以内で溶媒を蒸発除去し、さらに1
000mlの水に入れたのち、析出したハードセグメント
を濾紙で濾過する。このようにして取り出したハードセ
グメントをGPCで分析し、全ハードセグメントに対す
る長鎖ハードセグメント(有機ジイソシアナートと鎖伸
長剤からなる繰り返し単位が3以上のハードセグメン
ト)の含有率(GPCピーク面積分率)の割合を求め
る。
一にし、その0.0200gを秤取し、NMP2.0m
l、THF6.0mlを加えて溶解する。GPCの測定に
以下の機器およびカラムを用いた。 島津高速液体クロマトグラフ LC−9A 島津カラムオーブン CTO−6A(40℃) 島津高速液体クロマトグラフ用示差屈折計検出器 RI
D−6A 島津クロマトパック C−R4A カラム Shodex GPC KF−802 Shodex GPC KF−802.5 サンプル20μl(インジェクタで調整)を測定し、媒
体(THF)の流量は1.0ml/minとした。測定後の
解析には、溶出曲線とベースライン間の面積を求め、分
離が完全でないピークについては、垂直分割して処理す
る。鎖伸張剤あるいは有機ジイソシアネートとして2種
類以上を混合して用いたときには、ピークにショルダー
部を生じる場合があるが、通常、ピークの分割処理には
支障ない。
保持率 ポリウレタン弾性糸を90℃24時間真空で乾燥脱水
後、窒素雰囲気下、プラストグラフで、230℃で60
分間、溶融状態で混練りし、混練り前後のポリウレタン
を、前記のアルカリ分解法によりハードセグメントを取
り出し、そのうちの繰り返し単位が3以上の長鎖ハード
セグメント含有量の変化を保持率で示したものである。
130℃で30分熱水処理し、200%伸長のままの応
力をインストロンを使用して測定。その応力をR(g/
dr)で示した。
性回復率をそれぞれ求め、その比で示した。瞬間弾性回
復性とは、200%伸長後2分間保持し、応力を除去し
た直後の戻り性を意味する(JIS L−1096を応
用した)。 瞬間弾性回復率=100×[nl−(l'−l)]/n
l (nは伸長比。l:初期長さ、l':応力除去後の長
さ。伸長、除重速度は500mm/min) 瞬間弾性回復率比=−10℃での瞬間弾性回復率/20
℃での瞬間弾性回復率
号と化合物の関係は表1の通りである。
造) イソフタル酸0.4モル、アジピン酸0.6モルと1,
9−ノナンジオール1.18モルを常圧下に窒素ガスを
通じつつ約195℃の温度で縮合により生成した水を留
去しながらエステル化を行った。ポリエステルの酸価が
約10以下になった時に、触媒であるテトライソプロピ
ルチタネートをポリエステルに対し20ppm添加し、
真空ポンプにより徐々に真空度を上げ反応を行い、酸価
0.2、分子量2000のポリエステルジオールを得
た。温度を100℃に低下したあと、生成したポリエス
テルジオールに対して、3%の水を添加して2時間攪拌
してチタン触媒を失活した。失活後、添加した水を減圧
下で留去し分子量2000のポリエステルジオールAを
製造した。製造したポリエステルジオールAとMDIと
の90℃でのみかけの反応速度定数は、0.04(l/
mol・min)であった。なお、みかけの反応速度定数
の決定は、先に記載の方法に従って実施した。
ステルジオールに対して0.5%とする以外は、参考例
1に記載の方法で分子量2000のポリエステルジオー
ルを合成した。みかけの反応速度定数は0.5(l/mo
l・min)であった(ポリエステルジオールB)
ものに変更する以外は、参考例1と同様にして、ポリエ
ステルジオールC〜Lを得た。みかけの反応速度定数は
表2に記載の通りである。
び1,4−ブタンジオールと、50℃に加熱溶融したM
DIとを、表3に示す組成となるように定量ポンプによ
り2軸押出機に連続的に供給し、連続溶融重合を行い、
生成したポリウレタンをストランド状に水中に押し出
し、カットしてペレットとした。このペレットを80℃
20時間真空乾燥し、通常の単軸押出機付き紡糸機によ
り、紡糸温度215℃、紡糸速度500m/minで、4
0デニールの弾性糸を得た。巻き取られた弾性糸を、低
湿下において80℃で20時間熟成し、さらに室温で6
0%の湿度下に3日間の熟成を続け、各種物性を測定し
たところ、表4に示すように好ましいものであった。さ
らにこの弾性糸をアルカリ分解し、取り出したハードセ
グメントをGPC分析した。長鎖ハードセグメント含有
率および長鎖ハードセグメントの溶融加熱保持率を測定
し、同時に表4にまとめた。
を合成し、ペレット化せずそのまま、紡糸頭に供給し、
210〜225℃で、紡糸速度500m/minで紡糸
し、80デニール/2フィラメントのポリウレタン繊維
を得た。これらを実施例1と同様の条件で熟成し、得ら
れた弾性繊維の各種性能を実施例1と同様の方法で測定
した。結果は表4に示すように実施例1と同様に好まし
いものであった。
弾性繊維を製造した。表4に示すごとく、本発明のポリ
ウレタン弾性繊維に比べ、耐熱水性のみならず、瞬間弾
性回復率、伸度が非常に悪く、ポリエステル繊維との混
用は不可能であることが明白である。
のごとく110℃〜130℃の高温高圧染色が可能であ
るため、従来ポリウレタン弾性糸と混用が出来なかった
ポリエステル繊維との混用を可能とし、高温で染色でき
るポリエステル繊維による被覆弾性糸およびポリエステ
ル繊維とポリウレタン弾性糸よりなる布帛となしうる。
本発明のポリウレタン弾性糸は以下の用途に有用であ
る。 衣料用;水着、スキ−ウェアー、サイクリングウェア
ー、レオタード、ランジェリー、ファンデ−ション、肌
着 雑品;パンティストッキング、靴下、サポ−タ−、帽
子、手袋、パワーネット、包帯 非衣料;テニスラケットのガット、一体成形加工用カー
シート地糸、ロボットアーム用金属被覆糸
Claims (2)
- 【請求項1】 高分子ジオール(A)、有機ジイソシアナ
ート(B)および鎖伸長剤(C)を重合して得られるポリウ
レタンよりなるポリウレタン弾性繊維であって、該高分
子ジオール成分(A)が下記(I)式を満足する分子量が1
500〜4000のポリエステルジオールであり、かつ
その構成成分であるジカルボン酸が、芳香族ジカルボン
酸を全ジカルボン酸成分に対して10〜60モル%含有
し、さらに弾性繊維を構成するポリウレタンが下記の(I
I)および(III)の関係式を満足することを特徴とするポ
リウレタン弾性繊維。 5.1≦全炭素数/エステル結合数≦10.0 …………(I) (ここで全炭素数とは、高分子ジオールに含まれる炭素
のうち、エステル結合に含まれる炭素を除いた残りの炭
素の合計数である) 45%≦長鎖ハードセグメント含有率≦70% …………(II) (ここで長鎖ハードセグメント含有率とは、弾性繊維を
構成するポリウレタンの(A)成分をアルカリ−メタノー
ル溶液で分解除去後、取り出した(B)および(C)から構
成される成分とそれらとウレタン結合で連結された(A)
の末端ジオール成分からなる全ハードセグメント構成成
分に対する、(B)と(C)の繰り返し単位数が3以上の長
鎖ハードセグメントの割合を示す) 長鎖ハードセグメント含有量の溶融加熱保持率≧85% …………(III) (ここで、長鎖ハードセグメント含有量の溶融加熱保持
率とは、弾性繊維を構成するポリウレタンを、230℃
で60分間溶融状態で混練りし、その前後の長鎖ハード
セグメント含有量の変化を保持率で示したものである) - 【請求項2】 高分子ジオールと4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアナート(MDI)との90℃でのみか
けの反応速度定数(k)と高分子ジオールの全炭素数/エ
ステル結合数(X)とが次の関係式(IV)を満足する高分子
ジオールが用いられていることを特徴とする請求項1に
記載のポリウレタン弾性繊維。 0≦k≦0.0652X−0.152 …………(IV)
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CN103726127A (zh) * | 2013-12-26 | 2014-04-16 | 浙江华峰氨纶股份有限公司 | 一种添加碳纳米管的黑色聚氨酯脲弹性纤维及其制备方法 |
JP2015081305A (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-27 | Dic株式会社 | ポリウレタンエラストマー、及び弾性繊維 |
CN106835437A (zh) * | 2016-12-15 | 2017-06-13 | 中国纺织科学研究院 | 一种芳香族聚酯‑脂肪族聚酯嵌段共聚酯纤维与蛋白质纤维的织物 |
-
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- 1992-10-13 JP JP04274345A patent/JP3142090B2/ja not_active Expired - Fee Related
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