JPH0611228A

JPH0611228A - 自動製氷機付き冷蔵庫

Info

Publication number: JPH0611228A
Application number: JP4170597A
Authority: JP
Inventors: Masakatsu Hayashi; 政克林; Mitsutaka Shizutani; 光隆静谷; Ryoichi Hisatomi; 良一久富; Susumu Yamazaki; 山崎　　進
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1992-06-29
Filing date: 1992-06-29
Publication date: 1994-01-21

Abstract

(57)【要約】【目的】冷凍室、冷蔵室の棚の有効容積を広くして、
冷蔵庫を使いやすくし、製氷機の修理サービス時の作業
時間を大幅に短縮しうる自動製氷機付き冷蔵庫を提供す
る。また、扉開閉時の衝撃で製氷皿内の水が外部に飛散
するのを抑え、冷蔵庫としては特別の手段を施すことな
く製氷機を扉に取付け可能とする。【構成】冷凍室扉５のヒンジ１８側の扉内板側の上部
に、製氷皿１１と該製氷皿を回転する駆動装置９とから
なる自動製氷機１２を設置し、その下部に貯氷箱１３を
設置し、冷蔵室扉５のヒンジ１８側の扉内板側に給水ボ
トル１４を設置するとともに、これら自動製氷機１２と
給水ボトル１４との間に給水ポンプ１６を具備した給水
管１７を通したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動製氷機付き冷蔵庫
に係り、特に、冷凍室の扉の内板に製氷機，貯氷箱を設
置し、冷凍室を広く且つ使いやすくして、冷凍冷蔵庫の
利用価値を高めるとともに給水経路等のサービス性を改
善するほか、製氷皿等からの水漏れ対策を行うのに好適
な自動製氷機付き冷蔵庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の製氷機付き冷蔵庫を図１
４を参照して説明する。図１４は、従来の自動製氷機付
き冷蔵庫の略示断面図である。図１４に示す冷蔵庫箱体
１は、内部の仕切２の隔壁を境にして冷凍室３と冷蔵室
４を区画しており、さらに、冷凍室３，冷蔵室４は、そ
れぞれ冷凍室扉５，冷蔵室扉６を備えている。ここで、
冷蔵室４の内部に給水ボトル１４Ａを設置し、給水ボト
ル１４Ａに貯蔵された水は必要に応じて給水ポンプ１６
Ａにより汲み上げられて、給水管１７Ｄを通り冷凍室３
の内部に設置された製氷機１２Ａの製氷皿１１Ｄへ注ぐ
ように構成されている。

【０００３】給水ボトル１４Ａをセットすると、水は給
水ポンプ１６Ａによって汲み上げられ給水管１７Ｄを介
して製氷皿１１Ｄ内へ注水される。この製氷皿１１Ｄに
所定量満たされた水は冷凍室３内を循環される冷気によ
って氷結され、駆動装置９の回転作用によって製氷皿１
１Ｄがひねられて離氷される。離氷された氷は貯氷箱１
３Ａ内に落下し貯氷され、離氷作用の終了した製氷皿１
１Ｄはもとの状態に戻る。以後この作用を給水ボトル１
４Ａの水を使いきるまで繰り返す。なお、この種の従来
例としては、特開平２−１３６６６１号公報記載の技術
が知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のように、冷凍室
内に自動製氷機，貯氷箱、冷蔵室内に給水ボトルを設置
した構造のものにおいては、冷凍室、冷蔵室の最も使い
易い部分である庫内の棚の部分が狭くなってしまうとい
う問題があった。さらにこのタイプにおいては、給水パ
イプが万が一詰まったときのパイプの交換時には冷凍
室、冷蔵室の給水パイプ取付け部の部品をはじめ棚網、
化粧枠を全て取り外さなければならず、給水パイプ交換
のためのサービス時間がかなり多くかかるという問題が
あった。

【０００５】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、冷凍室の扉に製氷機，貯氷箱
を、冷蔵室の扉に給水ボトルを設置して、冷凍室、冷蔵
室の棚の有効容積を広くして、冷蔵庫を使いやすくする
とともに、さらに製氷機の修理サービス時に扉側の部品
を外すだけで良く、その作業時間を大幅に短縮しうる自
動製氷機付き冷蔵庫を提供することを、その目的とする
ものである。また、本発明の他の目的（第二の目的）
は、扉開閉時の衝撃で製氷皿内の水が外部に飛散するの
を抑え、冷蔵庫としては特別の手段を施すことなく製氷
機を扉に取付け可能とした自動製氷機付き冷蔵庫を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の自動製氷機付き冷蔵庫に係る最も基本的な
第一の発明の構成は、庫内を隔壁により区画して少なく
とも冷凍室，冷蔵室を有し、製氷皿と該製氷皿を回転す
る駆動手段とからなる製氷機と、貯氷箱と、容器の水を
製氷皿に給水する手段とを備えた自動製氷機付き冷蔵庫
において、上記冷凍室の扉内板側の上部に製氷機、下部
に貯氷箱を設置し、上記冷蔵室の扉内板側に給水ボトル
を設けたものである。

【０００７】上記目的を達成するために、本発明の自動
製氷機付き冷蔵庫に係る第二の発明の構成は、冷凍室の
扉のヒンジ側の扉内板側の上部に製氷機、下部に貯氷箱
を設置し、上記冷蔵室の扉のヒンジ側の扉内板側に給水
ボトルを設けるとともに、これら製氷機と給水ボトルと
の間に給水ポンプを具備した給水管を通したものであ
る。より詳しくは、給水管を冷蔵室扉および冷凍室扉の
ヒンジ部内を通すようにしたものであり、あるいは、給
水管を冷蔵室および冷凍室の扉に近い室内もしくは断熱
壁内のいずれかを通すものとし、当該給水管における、
給水ポンプから冷蔵室側給水管、冷凍室側給水管から製
氷皿を結ぶそれぞれの給水管部を柔軟性を有する部材と
したことを特徴とする。

【０００８】上記目的を達成するために、本発明の自動
製氷機付き冷蔵庫に係る第三の発明の構成は、冷凍室の
扉のヒンジ側の扉内板側の上部に製氷機、下部に貯氷箱
を設置し、上記冷蔵室の扉のヒンジ側の扉内板側に給水
ボトルを設けるとともに、冷凍室内もしくは冷凍室の断
熱壁内のいずれかに冷気通路となるダクトを設け、か
つ、冷凍室扉に位置し内部に製氷機を有する製氷室に開
口を設け、冷凍室扉を閉じたときに前記ダクトの一方の
開口が前記製氷室の開口と連絡して、前記ダクト内を流
れてきた冷気が製氷室に入るようにしたものである。

【０００９】さらに、上記第二の目的を達成するため
に、本発明の自動製氷機付き冷蔵庫に係る第四の発明の
構成は、冷凍室の扉のヒンジ側の扉内板側の上部に製氷
機、下部に貯氷箱を設置し、上記冷蔵室の扉のヒンジ側
の扉内板側に給水ボトルを設けるとともに、製氷機の製
氷皿の外周に沿う上方に延びる水飛び防止板を設け、こ
の水飛び防止板の上部先端部に製氷皿内を臨む方向のヒ
レを設けたものである。より詳しくは、水受けが複数列
形成された製氷皿の、各列の水受けの間に直立する水飛
び防止板を設け、この水飛び防止板の先端部に製氷皿内
を臨むヒレを設けたものであり、各列の水受けの間の水
飛び防止板の高さが外周部の水飛び防止板の高さより高
く、また、製氷皿の回転中心を、製氷皿の横断面で、各
水飛び防止板の先端および皿の水受け底の隅の各点を納
める最小円の中心に設けるように構成したことを特徴と
する。

【００１０】

【作用】上記の技術的手段により、冷凍室、冷蔵室から
製氷機関連部品を除去し、庫内を広く使えるようにし
た。特に、第二の発明の構成によれば、冷凍室の扉内板
側に製氷機と貯氷箱、冷蔵室の扉内板側に給水ボトルを
設け、給水ボトルから製氷機へ給水する給水管を冷蔵室
扉および冷凍室扉のヒンジ部内およびその近傍を通す構
造にすることにより、給水経路の短縮化を可能とし、給
水管交換サービスを容易にしている。

【００１１】また、第三の発明の構成によれば、冷凍室
内もしくは冷凍室の断熱壁内に冷気通路となるダクトを
設け、かつ、冷凍室扉に位置し内部に製氷機を有する製
氷室に開口を設け、冷凍室扉を閉じたときに前記ダクト
の一方の開口が前記製氷室の開口と連絡して、前記ダク
ト内を流れてきた冷気が製氷室に入るようにしたので、
製氷皿内の水に冷気が良く当たるようになり、製氷機が
扉に設置されても製氷能力を維持できるようになってい
る。

【００１２】さらに、第四の発明の構成によれば、製氷
機を扉のヒンジ側に設置したことにより、冷凍室の扉開
閉時に生じる製氷機の製氷皿内の水への慣性力を小さく
し、水飛び防止板を設けて、冷凍室の扉開閉時に生じる
製氷皿内の水の慣性力による水こぼれや水飛びを防止す
ることをより一層確実に行うようにしている。特に、水
受けを複数列有する製氷皿において、製氷皿の外周部お
よび各列の水受けの間に直立する水飛び防止板を設け、
かつ、各列の水受けの間の水飛び防止板の高さを外周部
の水飛び防止板の高さより高くした構造にすることによ
り、離氷時の氷が確実に貯氷箱に落下するようにしてい
る。また、製氷皿の回転中心を、製氷皿の横断面で、各
水飛び防止板の先端および皿の水受け底の隅の各点を納
める最小円の中心に設ける構造にすることにより、製氷
機の薄形化を行なっている。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の各実施例を図１ないし図１３
を参照して説明する。〔実施例１〕まず、本発明の一実施例を図１ないし図
３を参照して説明する。図１は、本発明の一実施例に係
る自動製氷機付き冷蔵庫の斜視図、図２は、冷蔵庫扉の
ヒンジ部の断面図、図３は、本実施例における製氷皿の
断面図である。図１にに示す冷蔵庫箱体１は、内部の仕
切２の隔壁を境にして冷凍室３と冷蔵室４を区画してお
り、さらに、冷凍室３，冷蔵室４は、それぞれ冷凍室扉
５，冷蔵室扉６を備えている。

【００１４】冷凍室扉５の扉内板側における、ヒンジ側
の上部に製氷室８、その下部に貯氷箱１３が装備されて
いる。製氷室８は、開口に係る冷気取り入れ口７を有
し、製氷室８内には、製氷皿１１と該製氷皿１１を回転
する駆動装置９とからなる自動製氷機１２が配置されて
いる。駆動装置９は、モータ、減速機構等を内蔵してお
り、製氷皿１１は図３に示す如く水飛び防止板１０ａ，
１０ｂを形成している。

【００１５】冷蔵室扉６の扉内板側における、ヒンジ側
に給水ボトル１４が装備されている。この給水ボトル１
４の下部に給水ボトル１４から常に一定量の水を受けて
溜めておく定量皿１５が配置されている。また、その近
傍に給水ポンプ１６が配置され、自動製氷機１２と給水
ボトル１４との間には給水管１７が配設されている。こ
の給水管１７は、図２に示すように、給水ポンプ１６か
ら冷凍室扉５、冷蔵室扉６を支えるヒンジ１８の軸１９
内を通って製氷皿１１に臨む位置に設置されている。ま
た、冷凍室３の内壁面上に冷却器（図示せず）からの冷
気を製氷室８へ送る冷気ダクト２０を設け、その出口２
９が製氷室８の冷気取り入れ口７に対向するように構成
されている。

【００１６】自動製氷機１２における製氷皿１１は、水
受け２１が複数列（図３の例では２列）形成されたもの
で、外周に沿う上方に延びる水飛び防止板１０ａを設
け、この水飛び防止板１０ａの上部先端部に製氷皿内を
臨む方向のヒレ２２ａを設けている。また、各列の水受
け２１の間に直立する水飛び防止板１０ｂを設け、この
水飛び防止板１０ｂの先端部に製氷皿内を臨む方向のヒ
レ２２ｂを設けている。ここで、水受け２１の間の水飛
び防止板１０ｂの高さは製氷皿１１外周部の水飛び防止
板１０ａの高さより高く形成されている。また、水飛び
防止板１０ａ，１０ｂは、シリコンゴムやテフロン等の
ように比較的柔らかく、表面に水滴が付きにくく、かつ
離氷性の良い材料からなるものである。

【００１７】このような自動製氷機付き冷蔵庫の製氷作
用について説明する。給水ボトル１４をセットすると該
給水ボトル１４内の水が定量皿１５に一定量供給され
る。この水は給水ポンプ１６により給水管７を介して製
氷室８内の製氷皿１１に供給される。製氷皿１１に所定
量満たされた水は冷気ダクト２０から送られて来る冷気
によって氷結され、駆動装置９の回転作用によって製氷
皿１１がねじられて離氷される。離氷された氷は貯氷箱
１３内に落下し貯氷される。離氷作用の終わった製氷皿
１１はもとの状態に戻る。以後、この作用を給水ボトル
１４内の水を使いきるまで繰り返される。

【００１８】ここで製氷中に冷凍室扉５が開閉された場
合、製氷皿１１内の水が該製氷皿１１から外に飛び出す
ことが考えられる。しかし、本実施例では、自動製氷機
１２を冷凍室扉５内板のヒンジ側に取付け、冷凍室扉５
の開閉時に製氷機が受ける慣性力を小さくするととも
に、製氷皿１１の周囲および複数列の水受け２１の間に
設けた水飛び防止板１０ａ，１０ｂにより水飛びを防止
している。すなわち、冷凍室扉５が開閉されたとき、図
３に矢印２３ａ，２３ｂで示すように、製氷皿１１内の
水は慣性により扉の動き２４とは逆方向に流れるが、こ
のとき、水は水飛び防止板１０ａ，１０ｂにより流れる
方向が変更される。さらに水飛び防止板の上部先端部に
設けたヒレ２２ａ，２２ｂにより製氷皿１１内に戻され
る。この結果、自動製氷機１２を冷凍室扉５に設けても
従来どおり製氷ができるとともに製氷関連の部品が全て
冷凍室扉５、冷蔵室扉６に納められているので、冷凍室
３、冷蔵室４を広く使うことが可能になる。

【００１９】〔実施例２〕図４は、本発明の他の実施
例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の冷凍室扉内の給水管の
状況を示す拡大断面図である。図中、図２と同一符号の
ものは先の実施例と同等部であるから、その説明を省略
する。図４に示す実施例では、給水管１７を冷凍室扉５
の断熱材２５内の扉外板２６側を沿い這わせたものであ
る。給水管１７内表面には給水終了後に水滴が付着する
可能性がある。このようなとき、給水管１７が冷凍室扉
５の断熱材２５内でも、温度の低い冷凍室３側にある
と、冷凍室３内の冷熱によって冷やされ凍結し、さらに
水滴が重なって氷として成長すると給水管１７が詰まっ
てしまうことがある。図４における実施例は、この弊害
を除去するようにしたものである。すなわち、給水管１
７が扉外板２６に沿い這わせてあるので、給水管１７は
外気から熱を受け、常に０℃以上の温度に保つことが可
能となる。

【００２０】〔実施例３〕次に、図５は、本発明のさ
らに他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の斜視図で
ある。図中、図１と同一符号のものは先の実施例と同等
部であるから、その説明を省略する。図５に示す実施例
は、給水管１７Ａの位置を変えたものである。給水管１
７Ａは、給水ポンプ１６から冷蔵室４を通り、仕切り２
を貫通し冷凍室３を経て自動製氷機１２に至るように配
管されている。しかして、給水管１７Ａにおける、給水
ポンプ１６から冷蔵室４側の給水管までの部分２７と、
冷凍室３側の給水管から自動製氷機１２までの部分２８
とを、柔軟性を有する材料または伸縮および回転自由に
した機構にして、冷蔵室扉６，冷凍室扉５の開閉を自在
にしたものである。

【００２１】〔実施例４〕図６は、本発明のさらに他
の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の斜視図である。
図中、図１と同一符号のものは先の実施例と同等部であ
るから、その説明を省略する。図６に示す実施例も、給
水管１７Ｂの位置を変えたものである。給水管１７Ｂ
は、給水ポンプ１６から冷蔵室４、冷蔵庫箱体１の断熱
壁内、冷凍室３を経て自動製氷機１２に至るように配管
されている。しかして、冷蔵室扉６、冷凍室扉５の開閉
を自在にするために、給水管１７Ｂにおける、給水ポン
プ１６から冷蔵室４側の給水管までの部分２７と、冷凍
室３側の給水管から自動製氷機１２までの部分２８と
を、柔軟性を有する材料を使用しているのは図５の実施
例と同様である。

【００２２】〔実施例５〕次に、図７は、本発明のさ
らに他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の製氷室ま
わりの要部断面図である。図中、図１と同一符号のもの
は先の実施例と同等部であるから、その説明を省略す
る。図７に示す実施例は、冷気取り入れ口７の周囲に柔
軟性のあるパッキン３０を設けたものである。先の図１
に示した実施例では、冷気ダクト２０のダクト出口２９
と製氷室８Ａの冷気取り入れ口７とが冷凍室扉５を閉じ
たときに対向するようにして冷気を冷気ダクト２０から
製氷室８Ａへ導くようにしたものであるが、この場合ダ
クト出口２９と冷気取り入れ口７との間には冷気の漏れ
る隙間があるため、冷気が十分に製氷室８へ入らず、製
氷能力が落ちてしまうことがある。

【００２３】図７に示す実施例におけるパッキン３０
は、ダクト出口２９と冷気取り入れ口７との間の冷気の
漏れる隙間を塞ぐようにして、製氷機８Ａの製氷能力の
低下を防いだものである。なお、パッキン３０の取付け
位置はダクト出口２９の周囲でも差し支えない。

【００２４】〔実施例６〕次に、図８は、本発明のさ
らに他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の製氷室ま
わりの要部断面図である。図中、図１と同一符号のもの
は先の実施例と同等部であるから、その説明を省略す
る。図８に示す実施例は、製氷室８Ｂの開口部に、冷気
を製氷皿１１上面に導くダクトを設け、当該ダクトの内
部に風路を案内する制御板を柔軟性を有する部材で形成
したものである。

【００２５】すなわち、製氷室８Ｂの冷気取り入れ口７
にダクト上板３１、ダクト中板３２を設け、風路制御板
３５により製氷室８に流入した冷気を製氷皿１１上面に
導き、製氷皿１１内の水を冷却製氷し、さらに、風路制
御板３５、ダクト中板３２、ダクト下板３４により冷気
を製氷室８Ｂの冷気出口３４から冷凍室３内へ流れるよ
うにしたものである。この製氷室８Ｂ内のダクトによ
り、冷気を製氷皿１１へスムーズに流れるようにした結
果、製氷をより速やかに行うことが可能となる。

【００２６】ここで、本実施例における風路制御板３５
は、シリコンゴムなどの柔軟な材料によって構成し、風
路制御板３５が離氷時の製氷皿１１の回転を妨げないよ
うに配慮している。さらに、本実施例では、製氷室８Ｂ
内に設けたダクト上板３１、ダクト中板３２、ダクト下
板３３、風路制御板３５もまた水飛び防止の役割をす
る。

【００２７】〔実施例７〕次に、図９は、本発明のさ
らに他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の斜視図で
ある。図中、図１と同一符号のものは先の実施例と同等
部であるから、その説明を省略する。図９に示す実施例
は、冷凍室３内の冷却ダクト２０Ａの別の実施例であ
る。冷却ダクト２０Ａは、冷凍室３の側面に設け、か
つ、この冷却ダクト２０Ａのダクト出口２９Ａを伸縮自
在に構成して製氷室８に連接し、冷凍室扉５の開閉を自
在にしたもので、冷凍室扉５が開けられたとき製氷室８
内に外気が入るのを防止したものである。本実施例にお
いても製氷室８内にダクトを設けるのは可能である。

【００２８】〔実施例８〕次に、図１０は、本発明の
さらに他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の製氷皿
の断面図である。図中、図３と同一符号のものは先の実
施例と同等部であるから、その説明を省略する。先の図
３に示した製氷皿１１では、水飛び防止板１０ａ，１０
ｂの先端部のヒレ２２ａ，２２ｂの形状は、製氷皿１１
の水受け２１を臨む方向で垂直線に対し鋭角に設けられ
ているものであるが、水受けの幅が広いときには、この
角度は大きくすることが可能となる。

【００２９】図１０に示す製氷皿１１Ａでは、製氷皿１
１Ａの外周に沿う上方に延びる水飛び防止板１０Ａのヒ
レ２２Ａを逆Ｌ字形に、水受け２１の間に直立して設け
た水飛び防止板１０Ｂのヒレ２２ＢをＴ字形に形成して
いる。図１０に示す製氷皿１１Ａによれば、先の図３に
示した製氷皿１１と同様の水飛び防止効果が期待でき
る。

【００３０】〔実施例９〕また、図１１は、本発明の
さらに他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の製氷皿
の断面図である。図中、図１０と同一符号のものは先の
実施例と同等部であるから、その説明を省略する。本実
施例も図１０の例と同様、水受けの幅が広いときのヒレ
形状に関するものである。図１１に示す製氷皿１１Ｂで
は、製氷皿１１Ｂの外周に沿う上方に延びる水飛び防止
板１０Ａ´のヒレ２２Ａ´を垂直線に対し鈍角に、水受
け２１の間に直立して設けた水飛び防止板１０Ｂのヒレ
２２ＢをＴ字形に形成している。

【００３１】このようにヒレを垂直線にたいして鈍角に
するのは、互いに向いあう水飛び防止板のヒレの間隔を
大きくして、離氷時に氷がヒレにひっかかること無く貯
氷箱１３に落ちるようにできる効果かある。また、これ
までの実施例において、水飛び防止板１０ａ（１０Ａ）
は水飛び防止板１０ｂ（１０Ｂ）よりも高さをを低くし
ているが、これも互いに対向する水飛び防止板１０ａ、
１０ｂの間隔を大きく取るようにして、離氷時の氷の落
下を容易にするためである。

【００３２】〔実施例１０〕また、図１２は、本発明
のさらに他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫の製氷
皿の断面図である。図中、図１１と同一符号のものは先
の実施例と同等部である。図１２に示す製氷皿１１Ｃ
は、水受け２１の間の水飛び防止板を無くしたものであ
る。図８に示した実施例のように、製氷室８Ｂ内にダク
トを設けるときには、このダクトが製氷皿１１内の水の
製氷室外への飛散を防止する効果を有するので、水飛び
防止板１０ｂ（１０Ｂ）は図１２に示すように無くとも
良い。

【００３３】〔実施例１１〕図１３は、製氷皿の回転
中心を説明する製氷皿の断面図である。図中、図３と同
一符号のものは先の実施例と同等部であるから、その説
明を省略する。図１３において、３６は、製氷終了後の
離氷時の製氷皿１１の回転中心を示している。従来の製
氷皿には水飛び防止板は取り付けられていなかったが、
水飛び防止板１０ａ，１０ｂを取り付けた製氷皿１１で
は、水飛び防止板１０ａ，１０ｂの部分が製氷皿１１の
上部にとびだし、従来の製氷皿の回転中心３７では製氷
皿の回転半径が大きくなる。この回転半径を小さくして
製氷機をできるだけ小形化するためには、製氷皿１１の
回転中心の決定には水飛び防止板１０ａ，１０ｂを考慮
する必要がある。すなわち、水飛び防止板を取り付けた
ときの製氷皿回転中心３６は、製氷皿１１の水受け２１
の外端および水飛び防止板の先端を最小の半径の円弧内
に含まれるような円弧の中心にすると良い。

【００３４】なお、図示しないが、製氷室の冷気取り入
れ口部にファンを取り付けることにより、製氷室内への
冷気の取り込みを向上させて製氷時間を短縮させること
が可能である。また、貯氷箱が冷凍室扉に取り付けられ
ているので、冷凍室扉の貯氷箱部に小扉を取り付けるこ
とにより、冷凍室の扉を開けること無く氷の取り出しが
可能となる。

【００３５】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、冷凍室の扉に製氷機，貯氷箱を、冷蔵室の扉に給
水ボトルを設置して、冷凍室、冷蔵室の棚の有効容積を
広くして、冷蔵庫を使いやすくするとともに、さらに製
氷機の修理サービス時に扉側の部品を外すだけで良く、
その作業時間を大幅に短縮しうる自動製氷機付き冷蔵庫
を提供することができる。また、本発明によれば、扉開
閉時の衝撃で製氷皿内の水が外部に飛散するのを抑え、
冷蔵庫としては特別の手段を施すことなく製氷機を扉に
取付け可能とした自動製氷機付き冷蔵庫を提供すること
ができる。さらに、貯氷箱の扉設置により製氷機の使い
勝手も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る自動製氷機付き冷蔵庫
の斜視図である。

【図２】冷蔵庫扉のヒンジ部の断面図である。

【図３】図３は、本実施例における製氷皿の断面図であ
る。

【図４】本発明の他の実施例に係る自動製氷機付き冷蔵
庫の冷凍室扉内の給水管の状況を示す拡大断面図であ
る。

【図５】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機付
き冷蔵庫の斜視図である。

【図６】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機付
き冷蔵庫の斜視図である。

【図７】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機付
き冷蔵庫の製氷室まわりの要部断面図である。

【図８】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機付
き冷蔵庫の製氷室まわりの要部断面図である。

【図９】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機付
き冷蔵庫の斜視図である。

【図１０】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機
付き冷蔵庫の製氷皿の断面図である。

【図１１】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機
付き冷蔵庫の製氷皿の断面図である。

【図１２】本発明のさらに他の実施例に係る自動製氷機
付き冷蔵庫の製氷皿の断面図である。

【図１３】製氷皿の回転中心を説明する製氷皿の断面図
である。

【図１４】従来の自動製氷機付き冷蔵庫の略示断面図で
ある。

【符号の説明】

３冷凍室４冷蔵室５冷凍室扉６冷蔵室扉７冷気取り入れ口８，８Ａ，８Ｂ製氷室９駆動装置１０ａ，１０ｂ，１０Ａ，１０Ｂ，１０Ａ´ 水飛び防
止板１１，１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ製氷皿１２自動製氷機１３貯氷箱１４給水ボトル１６給水ポンプ１７，１７Ａ，１７Ｂ給水管１８ヒンジ２０，２０Ａ冷気ダクト２１水受け２２ａ，２２ｂ，２２Ａ，２２Ｂ，２２Ａ´ ヒレ２９，２９Ａダクト出口３０パッキン３１ダクト上板３２ダクト中板３３ダクト下板３５風路制御板３６製氷皿回転中心

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山崎進栃木県下都賀郡大平町富田800番地株式会社日立製作所栃木工場内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】庫内を隔壁により区画して少なくとも冷
凍室，冷蔵室を有し、製氷皿と該製氷皿を回転する駆動
手段とからなる製氷機と、貯氷箱と、容器の水を製氷皿
に給水する手段とを備えた自動製氷機付き冷蔵庫におい
て、上記冷凍室の扉内板側の上部に製氷機、下部に貯氷
箱を設置し、上記冷蔵室の扉内板側に給水ボトルを設け
たこと特徴とする自動製氷機付き冷蔵庫。
【請求項２】庫内を隔壁により区画して少なくとも冷
凍室，冷蔵室を有し、製氷皿と該製氷皿を回転する駆動
手段とからなる製氷機と、貯氷箱と、容器の水を製氷皿
に給水する手段とを備えた自動製氷機付き冷蔵庫におい
て、上記冷凍室の扉のヒンジ側の扉内板側の上部に製氷機、
下部に貯氷箱を設置し、上記冷蔵室の扉のヒンジ側の扉
内板側に給水ボトルを設けるとともに、これら製氷機と給水ボトルとの間に給水ポンプを具備し
た給水管を通したことを特徴とする自動製氷機付き冷蔵
庫。
【請求項３】給水管を冷蔵室扉および冷凍室扉のヒン
ジ部内を通すようにしたことを特徴とする請求項２記載
の自動製氷機付き冷蔵庫。
【請求項４】給水管を冷蔵室および冷凍室の扉に近い
室内もしくは断熱壁内のいずれかを通すものとし、当該
給水管における、給水ポンプから冷蔵室側給水管、冷凍
室側給水管から製氷皿を結ぶそれぞれの給水管部を柔軟
性を有する部材としたことを特徴とする請求項２記載の
自動製氷機付き冷蔵庫。
【請求項５】庫内を隔壁により区画して少なくとも冷
凍室，冷蔵室を有し、製氷皿と該製氷皿を回転する駆動
手段とからなる製氷機と、貯氷箱と、容器の水を製氷皿
に給水する手段とを備えた自動製氷機付き冷蔵庫におい
て、上記冷凍室の扉のヒンジ側の扉内板側の上部に製氷機、
下部に貯氷箱を設置し、上記冷蔵室の扉のヒンジ側の扉
内板側に給水ボトルを設けるとともに、冷凍室内もしくは冷凍室の断熱壁内のいずれかに冷気通
路となるダクトを設け、かつ、冷凍室扉に位置し内部に
製氷機を有する製氷室に開口を設け、冷凍室扉を閉じた
ときに前記ダクトの一方の開口が前記製氷室の開口と連
絡して、前記ダクト内を流れてきた冷気が製氷室に入る
ように構成したことを特徴とする自動製氷機付き冷蔵
庫。
【請求項６】製氷室の開口部に柔軟性を有する封止部
材を設けたことを特徴とする請求項５記載の自動製氷機
付き冷蔵庫。
【請求項７】製氷室の開口部に、冷気を製氷皿上面に
導くダクトを設け、当該ダクトの内部に風路を案内する
制御板を柔軟性を有する部材で形成したことを特徴とす
る請求項５記載の自動製氷機付き冷蔵庫。
【請求項８】冷気通路となるダクトの出口を伸縮自在
の部材で構成したことを特徴とする請求項５記載の自動
製氷機付き冷蔵庫。
【請求項９】庫内を隔壁により区画して少なくとも冷
凍室，冷蔵室を有し、製氷皿と該製氷皿を回転する駆動
手段とからなる製氷機と、貯氷箱と、容器の水を製氷皿
に給水する手段とを備えた自動製氷機付き冷蔵庫におい
て、上記冷凍室の扉のヒンジ側の扉内板側の上部に製氷機、
下部に貯氷箱を設置し、上記冷蔵室の扉のヒンジ側の扉
内板側に給水ボトルを設けるとともに、製氷機の製氷皿の外周に沿う上方に延びる水飛び防止板
を設け、この水飛び防止板の上部先端部に製氷皿内を臨
む方向のヒレを設けたことを特徴とする自動製氷機付き
冷蔵庫。
【請求項１０】水受けが複数列形成された製氷皿の、
各列の水受けの間に直立する水飛び防止板を設け、この
水飛び防止板の先端部に製氷皿内を臨むヒレを設けたこ
とを特徴とする請求項９記載の自動製氷機付き冷蔵庫。
【請求項１１】製氷皿の外周に沿う上方に延びる水飛
び防止板の上部先端部のヒレを垂直線に対し逆Ｌ字形な
いし鈍角に、各列の水受けの間に直立する水飛び防止板
の上部先端部のヒレをＴ字形に、それぞれ形成したこと
を特徴とする請求項９または１０記載のいずれかの自動
製氷機付き冷蔵庫。
【請求項１２】水受けが複数列形成された製氷皿の、
各列の水受けの間に直立する水飛び防止板の高さが外周
部の水飛び防止板の高さより高くしたことを特徴とする
請求項１０記載の自動製氷機付き冷蔵庫。
【請求項１３】製氷皿の回転中心を、製氷皿の横断面
で、各水飛び防止板の先端および皿の水受け底の隅の各
点を納める最小円の中心に設けるように構成したことを
特徴とする請求項９ないし１２記載のいずれかの自動製
氷機付き冷蔵庫。