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JPH0583135A - 2重積分型a/dコンバータ - Google Patents

2重積分型a/dコンバータ

Info

Publication number
JPH0583135A
JPH0583135A JP23959491A JP23959491A JPH0583135A JP H0583135 A JPH0583135 A JP H0583135A JP 23959491 A JP23959491 A JP 23959491A JP 23959491 A JP23959491 A JP 23959491A JP H0583135 A JPH0583135 A JP H0583135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
time
analog signal
reference voltage
van
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23959491A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Inukai
慶三 犬飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu VLSI Ltd, Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu VLSI Ltd
Priority to JP23959491A priority Critical patent/JPH0583135A/ja
Publication of JPH0583135A publication Critical patent/JPH0583135A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】高精度で高速な2重積分型A/Dコンバータを
提供する。 【構成】比較電圧生成手段7は基本基準電圧Vrefを
等分圧し各境界の電圧を出力する。レベル判定手段8は
前記各境界の電圧とアナログ信号Vanとを比較し、ア
ナログ信号Vanのレベルの領域を判定する。比較制御
手段9はアナログ信号Vanのレベル領域に対応する電
圧を、比較基準電圧として比較電圧生成手段7から出力
させる。積分制御手段10はアナログ信号Vanのレベ
ル領域に対応する電圧を、被積分基準電圧として比較電
圧生成手段7から出力させる。そして、積分器3は、比
較電圧生成手段7が区分したレベル領域の数で積分器3
の時定数CRを除した値である第1積分時間だけアナロ
グ信号Vanと比較基準電圧の差分を積分する。その次
に、被積分基準電圧と比較基準電圧の差分を積分し、そ
の時の積分出力Voが比較基準電圧に到達するまでの時
間である第2積分時間を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2重積分型A/Dコンバ
ータに関するものである。2重積分型A/Dコンバータ
は高精度・低消費電力であるが、A/D変換に時間を要
するため低速である。その結果、使用分野が限定され従
来は主として計測機器に採用されている。近年、高精度
・低消費電力でかつ高速なA/Dコンバータが望まれて
おり、2重積分型A/Dコンバータにおいても、その使
用分野を広げるうえにおいて高速化が要求されている。
【0002】
【従来の技術】従来、未知のアナログ信号Vanを標本
化・量子化してA/D変換するためのA/Dコンバータ
は種々提案されているが、その1つとして、図6に示す
2重積分型A/Dコンバータがある。
【0003】すなわち、スイッチ41は、電位が負であ
る未知のアナログ信号Vanと予め定められた正の基準
電圧Vrefとを切り換えて、積分器42に出力してい
る。その積分器42はオペアンプ43とコンデンサCお
よび抵抗Rとで構成され、その積分出力Voを比較器4
4の反転入力端子に出力している。比較器44は積分器
42の積分出力Voと非反転入力端子のグランド電位
(0V)とを比較して、両者が等しくなった時に検知信
号をカウンタ回路45に出力している。演算回路46は
カウンタ回路45の出力を入力して、アナログ信号Va
nのA/D変換出力を出力している。また、制御回路4
7はカウンタ回路45の出力を入力し、それに基づいて
スイッチ41を制御している。
【0004】この2重積分型A/DコンバータでA/D
変換を行うためには、まず、制御回路47によってスイ
ッチ41を動作させて、積分器42にアナログ信号Va
nを入力する。すると、積分器42は図7および式
(1)に示すように、積分時間tに正比例して積分出力
Voが増加するという積分出力/時間特性によって積分
を行う(コンデンサCの容量をC、抵抗Rの抵抗値を
R、アナログ信号Vanの電位の絶対値をVan、基準
電圧Vrefの電位の絶対値をVref、積分出力Vo
の電位をVoとする)。
【0005】Vo=(Van/CR)t……(1) そして、積分時間tが時定数CRに等しくなった時、積
分器42の積分出力Voはアナログ信号Vanと等しく
なる。その時の積分時間tを式(2)に示すように時間
T1とする。
【0006】t=T1=CR……(2) 続いて、時間T1が経過したその時点で、制御回路47
によってスイッチ41を切り換え、予め定められた基準
電圧Vrefを積分器42に入力する。
【0007】すると、積分器42は基準電圧Vrefを
積分し、積分器42は式(3)に示すように、積分時間
tに正比例して積分出力Voが減少するという積分出力
/時間特性によって積分を行う。その積分出力Voの傾
きはアナログ信号Vanとは関係無く、基準電圧Vre
fと時定数CRによって定まる。
【0008】 Vo=−(Vref/CR)t+(Vref/CR)T1−Van……(3) そして、積分器42の積分出力Voが0Vになった時、
比較器44から検知信号がカウンタ回路45へ出力され
る。カウンタ回路45は、比較器44の検知信号に基づ
いて、スイッチ41が切り換わった時から積分器42の
積分出力Voが0Vになるまでの時間T2を計時し、次
段の演算回路46に出力する。
【0009】この時間T2と時間T1、および、基準電
圧Vrefの間には式(4)の関係があることから、演
算回路46は式(5)によってアナログ信号Vanの値
を求めてA/D変換出力として出力する。
【0010】 T1:Vref=T2:Van……(4) Van=Vref(T2/T1)……(5) すなわち、この2重積分型A/Dコンバータは、まず、
時間T1でアナログ信号Vanをサンプリングして標本
化する。それと同時に、標本化したアナログ信号Van
を時間T1だけ積分する(第1回目の積分)。次に、予
め定められた基準電圧Vrefを時間T2だけ積分する
(第2回目の積分)。以上の2回の積分によって量子化
することによりアナログ信号Vanの電位をA/D変換
出力として出力している。
【0011】尚、電位が正である未知のアナログ信号V
anの場合は、負の基準電圧Vrefを用いればよい。
ところで、この2重積分型A/Dコンバータはサンプリ
ングデータが多くなる程、その精度も増すことになる。
サンプリングデータを多くする手段としては、時定数C
Rを大きくしてサンプリング時間T1を長くする方法
と、カウンタ回路45を高速にする方法とがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サンプ
リング時間T1を長くすると、式(3)に示すように2
回目の積分(基準電圧Vrefの積分)に要する時間T
2も長くなる。従って、A/D変換に要する時間(=T
1+T2)は大幅に長くなってしまう。すなわち、A/
D変換の高精度化を進めるのに相反して低速化するとい
う問題があった。
【0013】また、カウンタ回路45は既に高速化され
ており、これ以上、高速化するとなると非常に複雑な回
路になる。すると、構成部品の増加に伴ってコストが上
昇し装置が大型化すると共に、消費電力が増大して2重
積分型A/Dコンバータの低消費電力というメリットが
薄れてしまう、等の問題が生じる。
【0014】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、簡単な回路を付加する
だけで精度を下げることなく、低消費電力で高速変換を
行うことが可能な2重積分型A/Dコンバータを提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1図は本発明の原理説
明図である。切り換え手段1は,入力信号としてのアナ
ログ信号Vanと被積分基準電圧とを切り換えて出力す
る。
【0016】切り換え制御手段2は、切り換え手段1か
ら第1積分時間だけアナログ信号Vanを出力させ、そ
の後に、被積分基準電圧を出力させる。積分器3は、切
り換え手段1の出力と比較基準電圧とを入力して予め定
められた時定数CRに従って積分し、その積分値を積分
出力Voとして出力する.比較器4は、積分器3から出
力される被積分基準電圧の積分出力Voと比較基準電圧
とを比較して、被積分基準電圧の積分出力Voが比較基
準電圧に到達したことを検出する。
【0017】計時手段5は、比較器4に基づいて、被積
分基準電圧の積分出力Voが比較基準電圧に到達するま
での時間である第2積分時間を計時する。演算回路6
は、第1および第2積分時間に基づいて、アナログ信号
Vanのアナログ値を演算してA/D変換出力として出
力する。
【0018】比較電圧生成手段7は、基本基準電圧Vr
efを等分圧し、その区分された各レベル領域の境界の
電圧を出力する。レベル判定手段8は、比較電圧生成手
段7から出力された各境界の電圧とアナログ信号Van
とを比較し、アナログ信号Vanのレベルの領域を判定
する。
【0019】比較制御手段9は、レベル判定手段8が判
定したアナログ信号Vanのレベル領域に対応する電圧
を、前記比較基準電圧として比較電圧生成手段7を介し
て積分器3および比較器5へ出力する。
【0020】積分制御手段10は、レベル判定手段8が
判定したアナログ信号Vanのレベル領域に対応する電
圧を、前記被積分基準電圧として比較電圧生成手段7を
介して切り換え手段1へ出力する。
【0021】尚、第1積分時間は、比較電圧生成手段7
が区分したレベル領域の数で積分器3の時定数CRを除
した値とする。
【0022】
【作用】第1積分時間は比較電圧生成手段7が区分した
レベル領域の数で積分器3の時定数CRを除した値であ
るため、第1積分時間は時定数CRより短くなる。従っ
て、第2積分時間も第1積分時間に相応して短くなる。
尚、レベル判定手段8と比較制御手段9および積分制御
手段10の動作に要する時間は、第1,2積分時間に比
べて極めて短いので無視できる。すなわち、A/D変換
に要する時間は短くなり高速変換を行うことができる。
【0023】しかも、被積分基準電圧と比較基準電圧と
の差分を第2積分時間において積分することにより、第
1積分時間を時定数CRより短くした分を相殺して高速
化している。従って、時定数CRを小さくして高速化し
たわけではないため、第1積分時間を時定数CRと等し
くした場合に比べて精度が低下することはない。
【0024】
【実施例】(第1実施例)以下、本発明の2重積分型A
/Dコンバータを具体化した第1実施例を図2,3に従
って説明する。
【0025】サンプリング・ホールド(S/H)回路1
1は、スイッチSW1がオンの時に、電位が正である未
知のアナログ信号Vanをサンプリングし、スイッチS
W1がオフの時にはサンプリングしたアナログ信号Va
nをホールドしている。。
【0026】切り換え手段としてのスイッチSW2は、
後記する切り換え制御手段としての入力制御回路12に
て切り換え制御され、グランド(接点a)、S/H回路
11の出力(接点b)、スイッチSW3の出力(接点
c)を切り換えて、積分器13に出力している。
【0027】比較電圧生成手段および比較制御手段とし
ての分圧回路14は、直列に接続された同じ抵抗値の抵
抗R21,22で構成され、予め定められた基本基準電
圧Vrefを均等に2分圧している。
【0028】尚、アナログ信号Vanの電位は、基本基
準電圧Vrefの電位以下とする。また、以下の説明で
は、アナログ信号Vanの電位を「Van」、基本基準
電圧Vrefの電位を「Vref」と表記する(すなわ
ち、Vref≧Van≧0)。
【0029】スイッチSW3は、後記する積分制御回路
16によって切り換え制御され、分圧回路14から出力
される基本基準電圧Vref(接点d)と、グランド
(接点e)とを切り換えて、被積分基準電圧をスイッチ
SW2の接点cに出力している。
【0030】レベル判定手段9としての比較器15は、
S/H回路11から出力されるアナログ信号Vanと、
分圧回路14から出力されるVref/2とを比較す
る。そして、アナログ信号VanがVref/2より大
きい時は論理値Hレベルの信号を積分制御回路16に出
力している。また、アナログ信号VanがVref/2
と等しいかまたは小さい時は論理値Lレベルの信号を積
分制御回路16に出力している。すなわち、比較器15
はアナログ信号Vanのレベル領域の判定を行ってい
る。レベル領域の判定とは、アナログ信号VanがVr
ef/2を境界として、それより高い領域にあるか、ま
たは、それ以下の領域にあるかを判定することである。
【0031】積分制御回路16は、比較器15の出力に
基づいてスイッチSW3を制御している。すなわち、比
較器15から論理値Hレベルの信号を入力した時は、ス
イッチSW3を接点eに接続させる。また、比較器15
から論理値Lレベルの信号を入力した時は、スイッチS
W3を接点dに接続させる。
【0032】また、積分制御回路16は、比較器15が
判定したアナログ信号Vanのレベル領域を演算回路1
7へ出力している。そして、積分制御回路16とスイッ
チSW3とで積分制御手段を構成している。
【0033】積分器13は、オペアンプ13aとコンデ
ンサCおよび抵抗Rとで構成されている。そして、スイ
ッチSW2の出力をオペアンプ13aの反転入力端子に
入力している。また、オペアンプ13aの非反転入力端
子には、分圧回路14から出力される比較基準電圧とし
てのVref/2を入力している。
【0034】そして、積分器13は、オペアンプ13a
の非反転入力端子の入力電圧(=Vref/2)分だけ
反転入力端子の電位をシフトアップし、コンデンサCの
容量と抵抗Rの抵抗値の積である時定数CRに従ってス
イッチSW2の出力を積分し、積分出力Voを出力して
いる。尚、本第1実施例における時定数CRは、従来技
術で示した時定数CRと等しい。
【0035】比較器18は、積分器13の積分出力Vo
をその反転入力端子に入力している。また、その非反転
入力端子には、分圧回路14から出力される比較基準電
圧としてのVref/2を入力している。そして、積分
器13の積分出力VoとVref/2とを比較して、両
者が等しくなった時に出力信号のレベルが反転し、その
反転に伴って反転信号を計時手段としてのカウンタ回路
19に出力している。
【0036】入力制御回路12はカウンタ回路19の出
力信号を入力し、その信号に基づいてスイッチSW2を
制御している。すなわち、入力制御回路12は、S/H
回路11がアナログ信号Vanをサンプリングしている
時、および、比較器15がアナログ信号VanとVre
f/2を比較している時には、スイッチSW2を接点a
に接続させる。次に、アナログ信号VanのA/D変換
処理が開始されると同時に、スイッチSW2を接点bに
接続させる。その後、カウンタ回路19が時定数CRの
1/2に等しい時間である時間T3(=第1積分時間)
を計時した時点で、スイッチSW2を接点bから接点c
に切り換える。
【0037】カウンタ回路19は、スイッチSW2が接
点bに接続されると同時に計時動作を開始し、時間T3
を計時した時点で、一旦計時動作を中止してカウント値
を零に戻す。そして、スイッチSW2が接点cに切り換
えられると同時に新たな計時動作を開始し、比較器18
から反転信号が入力されるまでの時間T4(=第2積分
時間)を計時する。
【0038】演算回路17は、カウンタ回路19から時
間T4を入力すると共に、積分制御回路16からアナロ
グ信号Vanのレベル領域を入力している。そして、時
間T4、予め記憶している時間T3、アナログ信号Va
nのレベル領域、被積分基準電圧と比較基準電圧との差
電圧であるVref/2、よりアナログ信号Vanを演
算して求め、A/D変換出力として出力している。
【0039】次に、上記のように構成した2重積分型A
/Dコンバータの作用を図3に従って説明する。尚、以
下の説明では、コンデンサCの容量を「C」,抵抗Rの
抵抗値を「R」、積分出力Voの電位を「Vo」と表記
する。
【0040】まず、S/H回路11のスイッチSW1を
オンにし、スイッチSW2を接点a、スイッチSW3を
接点eにそれぞれ接続する。そして、S/H回路11に
よってアナログ信号Vanをサンプリングする。次に、
スイッチSW1をオフにしてアナログ信号Vanをホー
ルドする。この後、スイッチSW1はアナログ信号Va
nのA/D変換処理が終了するまでオフの状態を続け
る。
【0041】続いて、S/H回路11によってホールド
されたアナログ信号Vanと、分圧回路14から出力さ
れるVref/2とを比較器15で比較する。積分制御
回路16は比較器15の出力信号に基づいて、Van>
Vref/2の場合はスイッチSW3を接点eに接続さ
せる。また、Van≦Vref/2の場合はスイッチS
W3を接点dに接続させる。
【0042】そして、アナログ信号VanのA/D変換
処理を開始する。まず、入力制御回路12によってスイ
ッチSW2を接点bに接続させて、積分器13にS/H
回路11によってホールドされたアナログ信号Vanを
入力する。
【0043】すると、積分器13は、オペアンプ13a
の非反転入力端子の入力電圧である比較基準電圧(=V
ref/2)分だけ反転入力端子の電位をシフトアップ
し、時定数CRに従ってアナログ信号Vanを積分して
積分出力Voを出力する。
【0044】すなわち、図3に示すように、積分時間t
=0においては積分出力Vo=Vref/2となる。そ
して、積分時間tに正比例して積分出力Voが増加また
は減少するという、積分出力/時間特性を示す。
【0045】つまり、Van≦Vref/2の場合、オ
ペアンプ13aの反転入力端子の電位はVref/2で
あるため、抵抗Rには図2に示す矢印αの方向へ電流が
流れる。従って、積分出力Voは積分時間tに正比例し
て増加し、その積分出力/時間特性の傾きAは式(6)
に示すようになる。
【0046】A=Van/2CR……(6) また、Van>Vref/2の場合、抵抗Rには図2に
示す矢印βの方向へ電流が流れる。従って、積分出力V
oは積分時間tに正比例して減少し、その積分出力/時
間特性の傾きAは式(7)に示すようになる。
【0047】A=−Van/2CR……(7) 次に、カウンタ回路19が時間T3を計時した時点で、
入力制御回路12はスイッチSW2を接点bから接点c
に切り換える。そして、カウンタ回路19は計時動作を
一旦中止して、カウント値を零に戻す。
【0048】尚、時間T3は、式(8)に示すように、
時定数CRの1/2に等しい時間に予め定められてい
る。つまり、時間T3は、従来技術における時間T1の
1/2である。
【0049】T3=CR/2=T1/2……(8) 続いて、スイッチSW3の出力を積分器13に入力す
る。それと同時に、カウンタ回路19は新たな計時動作
を開始する。
【0050】すると、積分器13は、オペアンプ13a
の非反転入力端子の入力電圧である比較基準電圧(=V
ref/2)分だけ反転入力端子の電位をシフトアップ
し、スイッチSW3の出力(=被積分基準電圧)を積分
して積分出力Voを出力する。
【0051】つまり、Van<Vref/2の場合、ス
イッチSW3からはVrefが出力される。すると、オ
ペアンプ13aの反転入力端子の電位はVref/2で
あるため、抵抗Rの両端電圧はVref/2になり、図
2に示す矢印βの方向へ電流が流れる。従って、積分出
力Voは積分時間tに正比例して減少し、その積分出力
/時間特性の傾きBはアナログ信号Vanとは関係無く
一定で、式(9)に示すようになる。
【0052】B=−Vref/2CR……(9) また、Van>Vref/2の場合、スイッチSW3は
接点eすなわちグランドに接続される。すると、オペア
ンプ13aの反転入力端子の電位はVref/2である
ため、抵抗Rの両端電圧はVref/2になり、図2に
示す矢印αの方向へ電流が流れる。従って、積分出力V
oは積分時間tに正比例して増加し、その積分出力/時
間特性の傾きBはアナログ信号Vanとは関係無く一定
で、式(10)に示すようになる。
【0053】B=Vref/2CR……(10) そして、積分器13の積分出力VoがVref/2と等
しくなった時、比較器18は反転信号をカウンタ回路1
9に出力する。
【0054】カウンタ回路19は、スイッチSW2が接
点cに切り換えられてから、積分器13の積分出力Vo
がVref/2と等しくなるまでの時間T4を計時し、
次段の演算回路17に出力する。
【0055】すると、演算回路17は、時間T4、時間
T3、アナログ信号Vanのレベル領域、被積分基準電
圧と比較基準電圧との差電圧であるVref/2、より
アナログ信号Vanを求めてA/D変換出力として出力
する。
【0056】すなわち、オペアンプ13aの反転入力端
子の電位は、非反転入力端子に入力されているVref
/2の分だけシフトアップされている。従って、積分出
力VoもVref/2だけシフトアップされている。そ
こで、アナログ信号Vanのレベル領域に応じて積分出
力Voのシフトアップ分を補正することにより、アナロ
グ信号Vanを求めている。
【0057】つまり、Van≦Vref/2の場合、時
間T4、時間T3、Vref/2の間には式(11)の
関係があることから、演算回路17は式(12)によっ
てアナログ信号Vanの値を求めてA/D変換出力とし
て出力する。
【0058】 T3:Vref/2=T4:Vref/2−Van……(11) Van=Vref/2(1−T4/T3)……(12) また、Van>Vref/2の場合、時間T4、時間T
3、Vref/2の間には式(13)の関係がある。従
って、演算回路17は式(14)によってアナログ信号
Vanの値を求めてA/D変換出力として出力する。
【0059】 T3:Vref/2=T4:Van−Vref/2……(13) Van=Vref/2(1+T4/T3)……(14) 上記のように、この2重積分型A/Dコンバータは、ま
ず、アナログ信号VanとVref/2とを比較し、ア
ナログ信号VanがVref/2より大きい場合と、等
しいかまたは小さい場合とに分けるという、アナログ信
号Vanのレベル領域の判定を行う。そして、アナログ
信号Vanと比較基準電圧Vref/2との差電圧であ
るVref/2を第1積分時間だけ積分器13で積分す
る。
【0060】次に、アナログ信号Vanのレベル領域に
応じた被積分基準電圧と比較基準電圧Vref/2との
差電圧であるVref/2を第2積分時間だけ積分器1
3で積分する。
【0061】以上の2回の積分を行った後、演算回路1
7においてアナログ信号Vanのレベル領域に応じて補
正した演算を行う。そして、アナログ信号Vanの電位
をA/D変換出力として出力している。
【0062】従って、式(8)に示すように、第1回目
の積分の積分時間は、従来例(T1)に比べて、本実施
例(T3)では半分に短縮される。従って、式(6)〜
(10)より、本実施例における第2回目の積分の積分
時間T4も、従来例における第2回目の積分の積分時間
T2に比べて半分に短縮される。すなわち、本実施例は
従来例より高速変換を行うことができる(アナログ信号
Vanのレベル領域の判定、および、スイッチSW3の
切り換えに要する時間は、時間T3,T4に比べて極め
て短いため無視できる)。
【0063】しかも、式(6),(7)より、本実施例
の第1回目の積分における積分出力Voの傾きAは、式
(1)に示す従来例の傾きの1/2である。従って、従
来例の1/2の時間(T3)で第1回目の積分を行うに
も関わらず、その積分出力Voの傾きAも1/2である
ため、本実施例の精度は従来例と変わらない。
【0064】このように、本実施例においては、従来例
に比べて精度を下げることなく、低消費電力で高速変換
を行うことが可能な2重積分型A/Dコンバータを提供
することができる。
【0065】尚、上記では正の電位であるアナログ信号
Vanについて説明したが、負の電位であるアナログ信
号Vanの場合は、負の基本基準電圧Vrefを用いて
上記と同様の方法によって、アナログ信号VanをA/
D変換することができる。
【0066】また、第1回目の積分を行う時間T3は、
時定数CRの1/2以下の時間にして実施してもよい。 (第2実施例)以下、本発明を具体化した第2実施例を
図4,5に従って説明する。
【0067】尚、第1実施例と構成が同じ部分について
は符号を同じにしてその詳細な説明を省略し、異なる構
成についてのみ説明する。比較電圧生成手段としての分
圧回路30は、直列に接続された同じ抵抗値の抵抗R3
1〜33で構成され、予め定められた基本基準電圧Vr
efを均等に3分圧している。尚、アナログ信号Van
は正であって、基本基準電圧Vrefの電位以下とする
(すなわち、Vref≧Van≧0)。
【0068】スイッチSW3は、後記する積分制御回路
33によって切り換え制御され、分圧回路30から出力
されるVref・2/3(接点f)、Vref/3(接
点g)、グランド(接点h)を切り換えて、被積分基準
電圧をスイッチSW2の接点cに出力している。
【0069】スイッチSW4は、後記する積分制御回路
33によって切り換え制御され、分圧回路30から出力
されるVref・2/3(接点i)、Vref/3(接
点j)、グランド(接点k)を切り換えて、比較基準電
圧を積分器13のオペアンプ13aと比較器18のそれ
ぞれの非反転入力端子に出力している。
【0070】比較器31は、S/H回路11から出力さ
れるアナログ信号Vanと、分圧回路30から出力され
るVref・2/3とを比較する。そして、アナログ信
号VanがVref・2/3より大きい時は論理値Hレ
ベルの信号を積分制御回路33に出力している。また、
アナログ信号VanがVref・2/3と等しいかまた
は小さい時は論理値Lレベルの信号を積分制御回路33
に出力している。
【0071】比較器32は、S/H回路11から出力さ
れるアナログ信号Vanと、分圧回路30から出力され
るVref/3とを比較する。そして、アナログ信号V
anがVref/3より大きい時は論理値Hレベルの信
号を積分制御回路33に出力している。また、アナログ
信号VanがVref/3と等しいかまたは小さい時は
論理値Lレベルの信号を積分制御回路33に出力してい
る。
【0072】積分制御回路33は比較器31,32の出
力を入力し、それに基づいてスイッチSW3,4を制御
している。すなわち、比較器31から論理値Hレベルの
信号を入力した時は、スイッチSW3を接点gに接続
し、スイッチSW4を接点iに接続している。また、比
較器31から論理値Lレベルの信号を入力し、比較器3
2から論理値Hレベルの信号を入力した時は、スイッチ
SW3を接点hに接続し、スイッチSW4を接点jに接
続している。また、比較器32から論理値Lレベルの信
号を入力した時はスイッチSW3を接点fに接続し、ス
イッチSW4を接点jに接続している。
【0073】また、積分制御回路33は、アナログ信号
Vanのレベル領域の判定を行い、アナログ信号Van
のレベル領域を演算回路17へ出力している。レベル領
域の判定とは、Vref・2/3とVref/3を境界
として、アナログ信号Vanがどの領域にあるかを判定
することである。すなわち、Van>Vref・2/
3、Vref・2/3≧Van>Vref/3、Vre
f/3≧Van、のいずれの領域にあるかを判定するこ
とである。
【0074】そして、積分制御回路33と比較器31,
32とでレベル判定手段を構成し、積分制御回路33と
スイッチSW4とで比較制御手段を構成し、積分制御回
路33とスイッチSW3とで積分制御手段を構成してい
る。
【0075】積分器13は、オペアンプ13aとコンデ
ンサCおよび抵抗Rとで構成されている。そして、オペ
アンプ13aの非反転入力端子の入力電圧であるスイッ
チSW4の出力(=比較基準電圧)分だけ反転入力端子
の電位をシフトアップし、コンデンサCの容量と抵抗R
の抵抗値の積である時定数CRに従って、スイッチSW
2の出力を積分して積分出力Voを出力している。尚、
本第2実施例における時定数CRは、従来技術で示した
時定数CRと等しい。
【0076】比較器18は、積分器13の積分出力Vo
とスイッチSW4の出力とを比較して、比較器18の差
動入力が反転した時に出力信号のレベルが反転し、その
反転に伴って反転信号をカウンタ回路19に出力してい
る。
【0077】入力制御回路12はカウンタ回路19の出
力を入力し、それに基づいてスイッチSW2を制御して
いる。すなわち、入力制御回路12は、S/H回路11
がアナログ信号Vanをサンプリングしている時、およ
び、比較器31,32がアナログ信号VanとVref
・2/3,Vref/3とをそれぞれ比較している時に
は、スイッチSW2を接点aに接続させる。次に、アナ
ログ信号VanのA/D変換処理が開始されると同時
に、スイッチSW2を接点bに接続させる。その後、カ
ウンタ回路19が時定数CRの1/3に等しい時間であ
る時間T5(=第1積分時間)を計時した時点で、スイ
ッチSW2を接点bから接点cに切り換える。
【0078】カウンタ回路19は、スイッチSW2が接
点bに接続されると同時に計時を開始し、時間T5を計
時した時点で、一旦計時動作を中止しカウント値を零に
戻す。そして、スイッチSW2が接点cに切り換えられ
ると同時に新たな計時動作を開始し、比較器18から反
転信号が入力されるまでの時間T6(=第2積分時間)
を計時する。
【0079】演算回路17は、カウンタ回路19から時
間T5を入力すると共に、積分制御回路33からアナロ
グ信号Vanのレベル領域を入力している。そして、時
間T5,T6、アナログ信号Vanのレベル領域、被積
分基準電圧と比較基準電圧との差電圧であるVref/
3、よりアナログ信号Vanを演算して求め、A/D変
換出力として出力している。
【0080】次に、上記のように構成した2重積分型A
/Dコンバータの作用を図5に従って説明する。尚、以
下の説明では、コンデンサCの容量を「C」、抵抗Rの
抵抗値を「R」と表記する。
【0081】まず、S/H回路11のスイッチSW1を
オンにし、SW2を接点a、SW3を接点h、SW4を
接点kにそれぞれ接続する。そして、S/H回路11に
よってアナログ信号Vanをサンプリングする。次に、
スイッチSW1をオフにしてアナログ信号Vanをホー
ルドする。この後、スイッチSW1はアナログ信号Va
nのA/D変換処理が終了するまでオフの状態を続け
る。
【0082】続いて、S/H回路11によってホールド
されたアナログ信号Vanと、分圧回路30から出力さ
れたVref・2/3とを比較器31で比較する。ま
た、S/H回路11によってホールドされたアナログ信
号Vanと、分圧回路30から出力されたVref/3
とを比較器32で比較する。
【0083】積分制御回路33は比較器31,32の出
力信号に基づいて、Van>Vref・2/3の場合
は、スイッチSW3を接点gに接続させると共に、スイ
ッチSW4を接点iに接続させる。
【0084】また、Vref・2/3≧Van>Vre
f/3の場合は、スイッチSW3を接点hに接続させる
と共に、スイッチSW4を接点jに接続させる。また、
Vref/3≧Vanの場合は、スイッチSW3を接点
fに接続させると共に、スイッチSW4を接点jに接続
させる。
【0085】そして、アナログ信号VanのA/D変換
処理を開始する。まず、入力制御回路12によってスイ
ッチSW2を接点bに接続させて、積分器13にS/H
回路11によってホールドされたアナログ信号Vanを
入力する。
【0086】すると、積分器13は、オペアンプ13a
の非反転入力端子の入力電圧であるスイッチSW4の出
力(=比較基準電圧)分だけ反転入力端子の電位をシフ
トアップし、アナログ信号Vanを積分して積分出力V
oを出力する。
【0087】すなわち、図5に示すように、積分時間t
=0において、Van>Vref・2/3の場合は積分
出力Vo=Vref・2/3となる。また、Vref・
2/3≧Van>Vref/3の場合とVref/3≧
Vanの場合は積分出力Vo=Vref/2となる。
【0088】そして、積分時間tに正比例して積分出力
Voが増加または減少するという、積分出力/時間特性
を示す。つまり、Van>Vref・2/3の場合、オ
ペアンプ13aの反転入力端子の電位はVref・2/
3であるため、抵抗Rには図2に示す矢印βの方向へ電
流が流れる。従って、積分出力Voは積分時間tに正比
例して減少し、その積分出力/時間特性の傾きAは式
(15)に示すようになる。
【0089】A=−Van/3CR……(15) また、Vref・2/3≧Van>Vref/3の場
合、オペアンプ13aの反転入力端子の電位はVref
/3であるため、抵抗Rには図2に示す矢印βの方向へ
電流が流れる。従って、積分出力Voは積分時間tに正
比例して減少し、その積分出力/時間特性の傾きAは式
(15)に示すようになる。
【0090】また、Vref/3≧Vanの場合、オペ
アンプ13aの反転入力端子の電位はVref/3であ
るため、抵抗Rには図2に示す矢印αの方向へ電流が流
れる。従って、積分出力Voは積分時間tに正比例して
増加し、その積分出力/時間特性の傾きAは式(16)
に示すようになる。
【0091】A=Van/3CR……(16) 次に、カウンタ回路19が時間T5を計時した時点で、
入力制御回路12はスイッチSW2を接点bから接点c
に切り換える。そして、カウンタ回路19は計時動作を
一旦中止して、カウント値を零に戻す。
【0092】尚、時間T5は、式(17)に示すよう
に、時定数CRの1/3に等しい時間に予め定められて
いる。つまり、時間T5は、従来技術における時間T1
の1/3である。
【0093】T5=CR/3=T1/3……(17) 続いて、スイッチSW3の出力を積分器13に入力す
る。それと同時に、カウンタ回路19は新たな計時動作
を開始する。
【0094】すると、積分器13は、オペアンプ13a
の非反転入力端子の入力電圧であるスイッチSW4の出
力(=比較基準電圧)分だけ反転入力端子の電位をシフ
トアップし、スイッチSW3の出力(=被積分基準電
圧)を積分して積分出力Voを出力する。
【0095】つまり、Van>Vref・2/3の場
合、スイッチSW3からはVref/3が出力される。
すると、オペアンプ13aの反転入力端子の電位はVr
ef・2/3であるため、抵抗Rの両端電圧はVref
/3になり、図2に示す矢印αの方向へ電流が流れる。
従って、積分出力Voは積分時間tに正比例して増加
し、その積分出力/時間特性の傾きBはアナログ信号V
anとは関係無く一定で、式(18)に示すようにな
る。
【0096】B=Vref/3CR……(18) また、Vref・2/3≧Van>Vref/3の場
合、スイッチSW3は接点hすなわちグランドに接続さ
れる。すると、オペアンプ13aの反転入力端子の電位
はVref/3であるため、抵抗Rの両端電圧はVre
f/3になり、図2に示す矢印αの方向へ電流が流れ
る。従って、積分出力Voは積分時間tに正比例して増
加し、その積分出力/時間特性の傾きBはアナログ信号
Vanとは関係無く一定で、式(18)に示すようにな
る。
【0097】また、Vref/3≧Vanの場合、スイ
ッチSW3からはVref・2/3が出力される。する
と、オペアンプ13aの反転入力端子の電位はVref
/3であるため、抵抗Rの両端電圧はVref/3にな
り、図2に示す矢印βの方向へ電流が流れる。従って、
積分出力Voは積分時間tに正比例して減少し、その積
分出力/時間特性の傾きBはアナログ信号Vanとは関
係無く一定で、式(19)に示すようになる。
【0098】B=−Vref/3CR……(19) そして、積分器13の積分出力VoがスイッチSW4の
出力と等しくなった時、比較器18は反転信号をカウン
タ回路19に出力する。
【0099】カウンタ回路19は、スイッチSW2が接
点cに切り換えられてから、積分器13の積分出力Vo
がスイッチSW4の出力と等しくなるまでの時間T6を
計時し、次段の演算回路17に出力する。
【0100】すると、演算回路17は、時間T5、時間
T6、アナログ信号Vanのレベル領域、被積分基準電
圧と比較基準電圧との差電圧であるVref/3、より
アナログ信号Vanを求めてA/D変換出力として出力
する。
【0101】すなわち、オペアンプ13aの反転入力端
子の電位は、非反転入力端子に入力されているスイッチ
SW4の出力分だけシフトアップされている。従って、
積分出力VoもスイッチSW4の出力分だけシフトアッ
プされている。そこで、アナログ信号Vanのレベル領
域に応じて積分出力Voのシフトアップ分を補正してい
る。
【0102】つまり、Van>Vref・2/3の場
合、時間T6、時間T5、スイッチSW4の出力である
Vref・2/3の間には式(20)の関係があること
から、演算回路17は式(21)によってアナログ信号
Vanの値を求めてA/D変換出力として出力する。
【0103】 T5:Vref/3=T6:Van−Vref・2/3……(20) Van=Vref/3(2+T6/T5)……(21) また、Vref・2/3≧Van>Vref/3の場
合、時間T6、時間T5、スイッチSW4の出力である
Vref/3の間には式(22)の関係があることか
ら、演算回路17は式(23)によってアナログ信号V
anの値を求めてA/D変換出力として出力する。
【0104】 T5:Vref/3=T6:Vref/3−Van……(22) Van=Vref/3(1−T6/T5)……(23) また、Vref/3≧Vanの場合、時間T6、時間T
5、スイッチSW4の出力であるVref/3の間には
式(24)の関係があることから、演算回路17は式
(25)によってアナログ信号Vanの値を求めてA/
D変換出力として出力する。
【0105】 T5:Vref/3=T6:Van−Vref/3……(24) Van=Vref/3(1+T6/T5)……(25) 上記のように、この2重積分型A/Dコンバータは、ま
ず、アナログ信号VanとVref/3およびVref
・2/3とを比較し、アナログ信号Vanのレベル領域
の判定を行う。そして、そして、アナログ信号Vanと
比較基準電圧との差電圧であるVref/3を第1積分
時間だけ積分器13で積分する。
【0106】次に、アナログ信号Vanのレベル領域に
応じた被積分基準電圧と比較基準電圧との差電圧である
Vref/3を第2積分時間だけ積分器13で積分す
る。以上の2回の積分を行った後、演算回路17におい
てアナログ信号Vanのレベル領域に応じて補正した演
算を行う。そして、アナログ信号Vanの電位をA/D
変換出力として出力している。
【0107】従って、式(17)に示すように、第1回
目の積分の積分時間は、従来例(T1)に比べて、本実
施例(T5)では1/3に短縮される。従って、式(1
5)〜(19)より、本実施例における第2回目の積分
の積分時間T6も、従来例における第2回目の積分の積
分時間T2に比べて1/3に短縮される。すなわち、本
実施例は従来例より高速変換を行うことができる(アナ
ログ信号Vanのレベル領域の判定、および、スイッチ
SW3,SW4の切り換えに要する時間は、時間T5,
T6に比べて極めて短いため無視できる)。
【0108】しかも、式(15),(16)より、本実
施例の第1回目の積分における積分出力Voの傾きA
は、式(1)に示す従来例の傾きの1/3である。従っ
て、従来例の1/3の時間(T5)で第1回目の積分を
行うにも関わらず、その積分出力Voの傾きAも1/3
であるため、本実施例の精度は従来例と変わらない。
【0109】このように、本実施例においては、従来例
に比べて精度を下げることなく、低消費電力で高速変換
を行うことが可能な2重積分型A/Dコンバータを提供
することができる。尚、上記では正の電位であるアナロ
グ信号Vanについて説明したが、負の電位であるアナ
ログ信号Vanの場合は、負の基本基準電圧Vrefを
用いて上記と同様の方法によって、アナログ信号Van
をA/D変換することができる。
【0110】また、第1回目の積分を行う時間T5は、
時定数CRの1/3以下の時間にして実施してもよい。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例
えば、アナログ信号Vanのレベル領域をさらに細分化
して実施してもよい。但し、レベル領域を細分化しすぎ
ると精度が低下してしまうため、アナログ信号Vanの
レベルに応じて適宜に決定する必要がある。
【0111】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、簡
単な回路を付加するだけで精度を下げることなく、低消
費電力で高速変換を行うことが可能な2重積分型A/D
コンバータを提供できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】第1実施例を示す回路図である。
【図3】第1実施例の積分器の積分出力の時間変位を示
す特性図である。
【図4】第2実施例を示す回路図である。
【図5】第2実施例の積分器の積分出力の時間変位を示
す特性図である。
【図6】従来例を示す回路図である。
【図7】従来例の積分器の積分出力の時間変位を示す特
性図である。
【符号の説明】
1 切り換え手段 Van アナログ信号 CR 時定数 C 時定数を決定するコンデンサ R 時定数を決定する抵抗 2 切り換え制御手段 3 積分器 Vo 積分出力 4 比較器 5 計時手段 6 演算回路 Vref 基本基準電圧 7 比較電圧生成手段 8 レベル判定手段 9 比較制御手段 10 積分制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号としてのアナログ信号(Va
    n)と被積分基準電圧とを切り換えて出力する切り換え
    手段(1)と、 切り換え手段(1)から第1積分時間だけアナログ信号
    (Van)を出力させ、その後に、被積分基準電圧を出
    力させる切り換え制御手段(2)と、 切り換え手段(1)の出力と比較基準電圧とを入力して
    予め定められた時定数(CR)に従って積分し、その積
    分値を積分出力(Vo)として出力する積分器(3)
    と、 積分器(3)から出力される被積分基準電圧の積分出力
    (Vo)と比較基準電圧とを比較して、被積分基準電圧
    の積分出力(Vo)が比較基準電圧に到達したことを検
    出する比較器(4)と、 比較器(4)に基づいて、被積分基準電圧の積分出力
    (Vo)が比較基準電圧に到達するまでの時間である第
    2積分時間を計時する計時手段(5)と、 第1および第2積分時間に基づいて、アナログ信号(V
    an)のアナログ値を演算してA/D変換出力として出
    力する演算回路(6)とからなる2重積分型A/Dコン
    バータにおいて、 基本基準電圧を等分圧し、その区分された各レベル領域
    の境界の電圧を出力する比較電圧生成手段(7)と、 比較電圧生成手段(7)から出力された各電圧とアナロ
    グ信号(Van)とを比較し、アナログ信号(Van)
    のレベルの領域を判定するレベル判定手段(8)と、 レベル判定手段(8)が判定したアナログ信号(Va
    n)のレベル領域に対応する電圧を、前記比較基準電圧
    として比較電圧生成手段(7)を介して積分器(3)お
    よび比較器(4)へ出力させる比較制御手段(9)と、 レベル判定手段(8)が判定したアナログ信号(Va
    n)のレベル領域に対応する電圧を、前記被積分基準電
    圧として比較電圧生成手段(7)を介して切り換え手段
    (1)へ出力させる積分制御手段(10)とを備えると
    共に、 前記第1積分時間を、比較電圧生成手段(7)が区分し
    たレベル領域の数で積分器(3)の時定数(CR)を除
    した値としたことを特徴とする2重積分型A/Dコンバ
    ータ。
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