JPH0559088A - 2´−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンの製造方法 - Google Patents
2´−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンの製造方法Info
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- JPH0559088A JPH0559088A JP3254282A JP25428291A JPH0559088A JP H0559088 A JPH0559088 A JP H0559088A JP 3254282 A JP3254282 A JP 3254282A JP 25428291 A JP25428291 A JP 25428291A JP H0559088 A JPH0559088 A JP H0559088A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Saccharide Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】高収率でかつ立体選択性に優れた2'- デオキシ
-5- フルオロ -β- ウリジン(I) の製造方法を提供す
る。 【構成】5-フルオロ -2,4-ビス(トリアルキルシリルオ
キシ)ピリミジン(II)と1-ハロゲノ-2- デオキシ -α-D
- エリスロ- ペントフラノース誘導体(III) とを縮合さ
せて、1-(2- デオキシ -β-D- エリスロ- ペントフラノ
シル)-5-フルオロウラシル誘導体(IV)を得る。得られた
1-(2- デオキシ -β-D- エリスロ- ペントフラノシル)-
5-フルオロウラシル誘導体(IV)を脱保護することによ
り、2'- デオキシ-5- フルオロ -β- ウリジン(I) を得
る。なお、式中、R1 は置換基を有してもよいアルキル
基もしくはフェニル基を表し、R2 ,R3 は一般的な水
酸基の保護基を表し、Xをハロゲン原子を表す。 【化1】
-5- フルオロ -β- ウリジン(I) の製造方法を提供す
る。 【構成】5-フルオロ -2,4-ビス(トリアルキルシリルオ
キシ)ピリミジン(II)と1-ハロゲノ-2- デオキシ -α-D
- エリスロ- ペントフラノース誘導体(III) とを縮合さ
せて、1-(2- デオキシ -β-D- エリスロ- ペントフラノ
シル)-5-フルオロウラシル誘導体(IV)を得る。得られた
1-(2- デオキシ -β-D- エリスロ- ペントフラノシル)-
5-フルオロウラシル誘導体(IV)を脱保護することによ
り、2'- デオキシ-5- フルオロ -β- ウリジン(I) を得
る。なお、式中、R1 は置換基を有してもよいアルキル
基もしくはフェニル基を表し、R2 ,R3 は一般的な水
酸基の保護基を表し、Xをハロゲン原子を表す。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、それ自身制ガン剤とし
て有用であると同時に、他の医薬上有用な関連化合物の
原料となる2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジ
ンの製造方法に関する。
て有用であると同時に、他の医薬上有用な関連化合物の
原料となる2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジ
ンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】化5に示す2′−デオキ
シ−5−フルオロ−β−ウリジン(I)は、それ自身、
制ガン剤として有用であると同時に、他の医薬上有用な
関連化合物の原料であり、その需要は高まっている。
シ−5−フルオロ−β−ウリジン(I)は、それ自身、
制ガン剤として有用であると同時に、他の医薬上有用な
関連化合物の原料であり、その需要は高まっている。
【0003】
【化5】 従来、2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジン
(I)の製造方法としては、例えば、5−フルオロウラ
シル誘導体に2−デオキシ−D−エリスローペントフラ
ノース誘導体を添加剤の存在下で縮合させて、2′−デ
オキシ−5−フルオロ−ウリジンのアノマー混合物を得
た後、精製して目的物であるβ体を分離する方法が知ら
れている。このような製造方法においてβ体の選択性を
高めるために用いられる添加剤としては、例えば、次の
ようなものが知られている。
(I)の製造方法としては、例えば、5−フルオロウラ
シル誘導体に2−デオキシ−D−エリスローペントフラ
ノース誘導体を添加剤の存在下で縮合させて、2′−デ
オキシ−5−フルオロ−ウリジンのアノマー混合物を得
た後、精製して目的物であるβ体を分離する方法が知ら
れている。このような製造方法においてβ体の選択性を
高めるために用いられる添加剤としては、例えば、次の
ようなものが知られている。
【0004】i) pKa19以下の活性水素原子を
有する化合物(特公昭62−47876号公報,日本化
学会誌,1986年,第1765頁) ii) 塩(特開昭60−23395号公報) iii) 有機酸(特開昭60−23396号公報) iv) フッ化物(特開昭60−23397号公報) v) ルイス酸(特開昭59−29699号公報) しかしながら、上述の製造方法では、添加剤の存在下で
縮合反応を行うことにより、β体の選択性を高めること
を目的としているが、添加剤による効果はあまり顕著で
はなく、2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジン
の収率は、35〜92%であった。また、添加剤を添加
するため、製造コストが高くなる等の問題があった。
有する化合物(特公昭62−47876号公報,日本化
学会誌,1986年,第1765頁) ii) 塩(特開昭60−23395号公報) iii) 有機酸(特開昭60−23396号公報) iv) フッ化物(特開昭60−23397号公報) v) ルイス酸(特開昭59−29699号公報) しかしながら、上述の製造方法では、添加剤の存在下で
縮合反応を行うことにより、β体の選択性を高めること
を目的としているが、添加剤による効果はあまり顕著で
はなく、2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジン
の収率は、35〜92%であった。また、添加剤を添加
するため、製造コストが高くなる等の問題があった。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、添加剤を用いることなく、より選択的かつ高収
率に、2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンを
製造することができる2′−デオキシ−5−フルオロ−
β−ウリジンの製造方法を提供するものである。
であり、添加剤を用いることなく、より選択的かつ高収
率に、2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンを
製造することができる2′−デオキシ−5−フルオロ−
β−ウリジンの製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、2′−デオ
キシ−5−フルオロ−β−ウリジンを選択的に高収率に
製造する方法について種々検討した結果、出発物質とし
て5−フルオロ−2,4−ビス(トリアルキルシリルオ
キシ)ピリミジンと1−ハロゲノ−2−デオキシ−α−
D−エリスロ−ペントフラノース誘導体を用いこれらを
添加剤の非存在下で縮合させたところ、意外なことに添
加剤の存在下で縮合反応するよりも、高収率でかつ90
%以上のβ体選択率で縮合反応が進行し、単離後脱保護
反応を行うことにより、2′−デオキシ−5−フルオロ
−β−ウリジンが高収率かつ高純度で得られることを見
いだし、本発明を完成したものである。
キシ−5−フルオロ−β−ウリジンを選択的に高収率に
製造する方法について種々検討した結果、出発物質とし
て5−フルオロ−2,4−ビス(トリアルキルシリルオ
キシ)ピリミジンと1−ハロゲノ−2−デオキシ−α−
D−エリスロ−ペントフラノース誘導体を用いこれらを
添加剤の非存在下で縮合させたところ、意外なことに添
加剤の存在下で縮合反応するよりも、高収率でかつ90
%以上のβ体選択率で縮合反応が進行し、単離後脱保護
反応を行うことにより、2′−デオキシ−5−フルオロ
−β−ウリジンが高収率かつ高純度で得られることを見
いだし、本発明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、化6に示す5−フル
オロ−2,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)ピリ
ミジン(II)と化7に示す1−ハロゲノ−2−デオキシ
−α−D−エリスロ−ペントフラノース誘導体(III) と
を縮合させて、化8に示す1−(2−デオキシ−β−D
−エリスロ−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシ
ル誘導体(IV)を得る工程と、
オロ−2,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)ピリ
ミジン(II)と化7に示す1−ハロゲノ−2−デオキシ
−α−D−エリスロ−ペントフラノース誘導体(III) と
を縮合させて、化8に示す1−(2−デオキシ−β−D
−エリスロ−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシ
ル誘導体(IV)を得る工程と、
【0008】
【化6】 (式中、R1 は置換基を有してもよいアルキル基もしく
はフェニル基を表す。)
はフェニル基を表す。)
【0009】
【化7】 (式中、R2 ,R3 は一般的な水酸基の保護基を、Xを
ハロゲン原子を表す。)
ハロゲン原子を表す。)
【0010】
【化8】 (式中、R2 ,R3 は一般的な水酸基の保護基を表
す。)得られた1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ
−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル誘導体(I
V)を脱保護することにより、2′−デオキシ−5−フル
オロ−β−ウリジン(I)を得る工程とを具備すること
を特徴とする2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリ
ジンの製造方法を提供する。
す。)得られた1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ
−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル誘導体(I
V)を脱保護することにより、2′−デオキシ−5−フル
オロ−β−ウリジン(I)を得る工程とを具備すること
を特徴とする2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリ
ジンの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】本発明の原料の一つである5−フルオロ−
2,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)ピリミジン
(II)は、例えば、サネヨシらの[Chem.Pharm.Bull.,
26,2990(1978)]に記載されているように、5−フル
オロウラシルをシリル化することにより得られる。5−
フルオロウラシルは、抗悪性腫瘍薬として市販されてい
る。
2,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)ピリミジン
(II)は、例えば、サネヨシらの[Chem.Pharm.Bull.,
26,2990(1978)]に記載されているように、5−フル
オロウラシルをシリル化することにより得られる。5−
フルオロウラシルは、抗悪性腫瘍薬として市販されてい
る。
【0013】この化合物(II)のトリオルガノシリル基
は、通常の水酸基の保護基として用いられるもの、例え
ば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル
基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
は、通常の水酸基の保護基として用いられるもの、例え
ば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル
基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0014】本発明はもう一つの原料である1−ハロゲ
ノ−2−デオキシ−α−D−エリスロ−ペントフラノー
ス誘導体(III) は、例えば、フォックスらの[J .Am.C
hem.Soc.,83,4066(1961)]に記載されている方法に
より得られる。
ノ−2−デオキシ−α−D−エリスロ−ペントフラノー
ス誘導体(III) は、例えば、フォックスらの[J .Am.C
hem.Soc.,83,4066(1961)]に記載されている方法に
より得られる。
【0015】この化合物(III) の二つの水酸基の保護基
としては、一般的に糖類の保護基として用いられるも
の、例えば、ベンジル、トリチル等のアラルキル基、ア
セチル、プロピオニル、ピバロイル、ベンゾイル等のア
シル基、エトキシカルボニル等のアルキルオキシカルボ
ニル基、フェノキシカルボニル等のアリールオキシカル
ボニル基、トリオルガノシリル基等があげられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらの保護基がフェ
ニル基を有する場合は、その置換基としてアルキル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、アルコシル基等を有していて
も良い。
としては、一般的に糖類の保護基として用いられるも
の、例えば、ベンジル、トリチル等のアラルキル基、ア
セチル、プロピオニル、ピバロイル、ベンゾイル等のア
シル基、エトキシカルボニル等のアルキルオキシカルボ
ニル基、フェノキシカルボニル等のアリールオキシカル
ボニル基、トリオルガノシリル基等があげられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらの保護基がフェ
ニル基を有する場合は、その置換基としてアルキル基、
ハロゲン原子、ニトロ基、アルコシル基等を有していて
も良い。
【0016】化合物(II)と化合物(III) との縮合反応
は、適当な溶媒中、好ましくはクロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル中で
周囲温度で反応させることにより、通常24時間以内で完
結する。
は、適当な溶媒中、好ましくはクロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル中で
周囲温度で反応させることにより、通常24時間以内で完
結する。
【0017】この縮合反応の際の化合物(II)と化合物(I
II) のモル比(II/III)は、値が大きいほど、より良い立
体選択性が得られるが、モル比が、II/III=1.3〜
1.5の範囲内である場合に、実用上十分満足できる立
体選択性を得ることができる。
II) のモル比(II/III)は、値が大きいほど、より良い立
体選択性が得られるが、モル比が、II/III=1.3〜
1.5の範囲内である場合に、実用上十分満足できる立
体選択性を得ることができる。
【0018】また、化合物(II)と化合物(III) との縮合
反応における化合物(II)の濃度を、20重量%以下、好
ましくは15重量%以下にすることにより、高い立体選
択性を得ることができる。
反応における化合物(II)の濃度を、20重量%以下、好
ましくは15重量%以下にすることにより、高い立体選
択性を得ることができる。
【0019】また、化合物(II)と化合物(III) との縮合
反応は、0〜62℃、好ましくは、室温以下で行うこと
が好ましい。
反応は、0〜62℃、好ましくは、室温以下で行うこと
が好ましい。
【0020】上述の縮合反応より得られた反応混合物
を、適当な溶媒から結晶化して精製することにより、純
粋なβ体である1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ
−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル誘導体(I
V)が得られる。
を、適当な溶媒から結晶化して精製することにより、純
粋なβ体である1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ
−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル誘導体(I
V)が得られる。
【0021】このようにして得られた化合物(IV)からの
脱保護は、全て公知の方法によって行うことができる。
但し、脱保護のための具体的な反応は保護基の種類によ
って異なる。アラルキル基の場合、ベンジル基は水素ガ
ス雰囲気下、接触水素添加触媒を用いて還元することに
より、またトリチル基は酢酸中で処理することにより脱
保護が可能である。
脱保護は、全て公知の方法によって行うことができる。
但し、脱保護のための具体的な反応は保護基の種類によ
って異なる。アラルキル基の場合、ベンジル基は水素ガ
ス雰囲気下、接触水素添加触媒を用いて還元することに
より、またトリチル基は酢酸中で処理することにより脱
保護が可能である。
【0022】アシル基の場合は、アルカリ加水分解、酸
加水分解、アルコリシス、アンモノリシス等を行うこと
で脱保護が可能である。
加水分解、アルコリシス、アンモノリシス等を行うこと
で脱保護が可能である。
【0023】アリールオキシカルボニル基及びアルキル
オキシカルボニル基の場合にも、アシル基と同様の方法
で脱保護を行うことができる上記の脱保護により得られ
た反応混合物を、結晶化或いはクロマトグラフを用いて
精製することにより、目的の純粋な2′−デオキシ−5
−フルオロ−β−ウリジン(I)を得ることができる。
オキシカルボニル基の場合にも、アシル基と同様の方法
で脱保護を行うことができる上記の脱保護により得られ
た反応混合物を、結晶化或いはクロマトグラフを用いて
精製することにより、目的の純粋な2′−デオキシ−5
−フルオロ−β−ウリジン(I)を得ることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。な
お、本実施例において、出発物質である5−フルオロ−
2,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)ピリミジン
は、市販の5−フルオロウラシルをシリル化して調製し
たものを使用した。また、もう一つの出発物質である1
−クロロ−2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−クロ
ロベンゾイル−α−D−エリスロ−ペントフラノース
は、市販されている2−デオキシリボースから前述のフ
ォックスら[J.Am.Chem.Soc.,83,4066(1961)]の文
献に記載されている方法により調製したものを使用し
た。
お、本実施例において、出発物質である5−フルオロ−
2,4−ビス(トリアルキルシリルオキシ)ピリミジン
は、市販の5−フルオロウラシルをシリル化して調製し
たものを使用した。また、もう一つの出発物質である1
−クロロ−2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−クロ
ロベンゾイル−α−D−エリスロ−ペントフラノース
は、市販されている2−デオキシリボースから前述のフ
ォックスら[J.Am.Chem.Soc.,83,4066(1961)]の文
献に記載されている方法により調製したものを使用し
た。
【0025】実施例1 2′−デオキシ−5−フルオ
ロ−β−ウリジンの製造 (1) 1−(2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−
クロロベンゾイル−β−D−エリスロ−ペントフラノシ
ル)−5−フルオロウラシルの合成 無水条件下、5−フルオロ−2,4−ビス(トリメチル
シリルオキシ)ピリミジン131g(0.477mo
l)を無水クロロホルム2380mlに溶解した溶液
に、乾燥した粉末状の1−クロロ−2−デオキシ−3,
5−ビス−O−p−クロロベンゾイル−α−D−エリス
ロ−ペントフラノース137g(0.318mol)を
加え、周囲温度で24時間撹拌した。
ロ−β−ウリジンの製造 (1) 1−(2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−
クロロベンゾイル−β−D−エリスロ−ペントフラノシ
ル)−5−フルオロウラシルの合成 無水条件下、5−フルオロ−2,4−ビス(トリメチル
シリルオキシ)ピリミジン131g(0.477mo
l)を無水クロロホルム2380mlに溶解した溶液
に、乾燥した粉末状の1−クロロ−2−デオキシ−3,
5−ビス−O−p−クロロベンゾイル−α−D−エリス
ロ−ペントフラノース137g(0.318mol)を
加え、周囲温度で24時間撹拌した。
【0026】反応終了後、反応混合物を炭酸水素ナトリ
ウム水溶液にあけ、クロロホルムで抽出した。得られた
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒
を留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶し
て1−(2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−クロロ
ベンゾイル−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−
5−フルオロウラシル133g(収率80%)を得た。
得られた生成物の物理的データは次のとおりである。
ウム水溶液にあけ、クロロホルムで抽出した。得られた
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒
を留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶し
て1−(2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−クロロ
ベンゾイル−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−
5−フルオロウラシル133g(収率80%)を得た。
得られた生成物の物理的データは次のとおりである。
【0027】融点:197〜198℃1 H-NMR(DMSO-d6 ): δ 11.91(s,1H,NH) , 8.0(m,3H,H-6&aromaticH), 7.60(d,J=7.0Hz,1H,aromatic H), 7.56(d,J=7.0Hz,1H,aromatic H), 6.26(t,J=6.8Hz,1H, H-1′), 5.59(t,J=3.1Hz,1H, H-3′), 4.64(m,2H, H-5′), 4.50(m,1H, H-4′), 2.64(m,2H, H-2′) (2)2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンの
合成 工程(1)で得られた1−(2−デオキシ−3,5−ビ
ス−O−p−クロロベンゾイル−β−D−エリスロ−ペ
ントフラノシル)−5−フルオロウラシル40g(0.
0764mol)、28%ナトリウムメチラートのメタ
ノール溶液16g(NaOCH3 =0.0829mol )
及びメタノール230mlを混合し、周囲温度で1時間
撹拌した。反応終了後、反応液にH+ 型陽イオン交換樹
脂を加えて撹拌して反応液を中和した。次いで、H+ 型
陽イオン交換樹脂を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮
し、得られた残留物を水に溶解して、クロロホルムで洗
浄した。得られた水層を減圧下で濃縮し、得られた残留
物をエタノールに溶解して再結晶することにより、2′
−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジン14g(収率
74%)を得た。得られた生成物の物理的データは次の
とおりである。
合成 工程(1)で得られた1−(2−デオキシ−3,5−ビ
ス−O−p−クロロベンゾイル−β−D−エリスロ−ペ
ントフラノシル)−5−フルオロウラシル40g(0.
0764mol)、28%ナトリウムメチラートのメタ
ノール溶液16g(NaOCH3 =0.0829mol )
及びメタノール230mlを混合し、周囲温度で1時間
撹拌した。反応終了後、反応液にH+ 型陽イオン交換樹
脂を加えて撹拌して反応液を中和した。次いで、H+ 型
陽イオン交換樹脂を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮
し、得られた残留物を水に溶解して、クロロホルムで洗
浄した。得られた水層を減圧下で濃縮し、得られた残留
物をエタノールに溶解して再結晶することにより、2′
−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジン14g(収率
74%)を得た。得られた生成物の物理的データは次の
とおりである。
【0028】融点:150〜151℃1 H-NMR(DMSO-d6 ):δ 11.80(s,1H,NH), 8.20(d,J=7.3Hz,1H,H-6), 6.11(m,1H,H-1 ′), 5.22(d,J=4.8Hz,1H,OH-3′), 5.13(t,J=4.9Hz,1H,OH-5 ′), 4.22(m,1H, H-3′), 3.77(m,1H, H-4′), 3.58(m,1H, H-5′), 2.09(dd,J=6.35,4.80Hz,2H, H-2′) 実施例2〜5 次に、5−フルオロ−2,4−ビス(トリメチルシリル
オキシ)ピリミジン[以下、化合物(II)と記す]及び
1−クロロ−2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−ク
ロロベンゾイル−α−D−エリスロ−ペントフラノース
[以下、化合物(III) と記す]の縮合反応において、化
合物(II)および化合物(III) のモル比を変更した場合
の収率及び立体選択率を求めた。
オキシ)ピリミジン[以下、化合物(II)と記す]及び
1−クロロ−2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−ク
ロロベンゾイル−α−D−エリスロ−ペントフラノース
[以下、化合物(III) と記す]の縮合反応において、化
合物(II)および化合物(III) のモル比を変更した場合
の収率及び立体選択率を求めた。
【0029】無水条件下、化合物(II)2.5mmolを
無水クロロホルム7.5mlに加え、撹拌した、これに
所定量の乾燥した化合物(III) を無水クロロホルム5m
lに懸濁して加え、周囲温度で約24時間撹拌した。
無水クロロホルム7.5mlに加え、撹拌した、これに
所定量の乾燥した化合物(III) を無水クロロホルム5m
lに懸濁して加え、周囲温度で約24時間撹拌した。
【0030】ここで、化合物(II)のモル濃度(0.2m
l/L)に応じて、化合物(II):化合物(III) のモル比
の割合が、1.3:1〜4:1になるように化合物(II
I) の量を変更して、実施例2〜5の反応を行った。
l/L)に応じて、化合物(II):化合物(III) のモル比
の割合が、1.3:1〜4:1になるように化合物(II
I) の量を変更して、実施例2〜5の反応を行った。
【0031】反応終了後、反応液を高速液体クロマトグ
ラフ(HPLC)法の絶対検量線法により分析して、1
−(2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−クロロベン
ゾイル−D−エリスロ−ペントフラノシル)−5−フル
オロウラシルのα体及びβ体の分析収率、及びα体:β
体のモル比で表される立体選択率を求めた。この結果を
表1に示す。
ラフ(HPLC)法の絶対検量線法により分析して、1
−(2−デオキシ−3,5−ビス−O−p−クロロベン
ゾイル−D−エリスロ−ペントフラノシル)−5−フル
オロウラシルのα体及びβ体の分析収率、及びα体:β
体のモル比で表される立体選択率を求めた。この結果を
表1に示す。
【0032】 表 1 モル比 分析収率 選択率 化合物 化合物 (II) : (III) (%) α体:β体 実施例2 1.3:1 100 9:91 実施例3 1.5:1 100 8:92 実施例4 2 :1 100 6:94 実施例5 4 :1 100 5:95 HPLC分析条件 カラム:イナートシルODS 5μm 4.6 id×150mm カラム温度: 40℃ 移動相:0.05Mリン酸二水素ナトリウム(pH=6)/アセ
トニトリル= 1/2 流量: 1.0 ml/分 ピーク測定法:自動積分法
トニトリル= 1/2 流量: 1.0 ml/分 ピーク測定法:自動積分法
【0033】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の2′−デオ
キシ−5−フルオロ−β−ウリジンの製造方法によれ
ば、2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンを、
何ら添加剤を使用することなく、高収率でかつ高い立体
選択率で製造することができる。この結果、それ自身が
制ガン剤として有用であり、医薬品の重要な合成中間体
でもある2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジン
を簡便にして大量に安定して供給でき、工業的製法とし
て適している等効果を奏する。
キシ−5−フルオロ−β−ウリジンの製造方法によれ
ば、2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンを、
何ら添加剤を使用することなく、高収率でかつ高い立体
選択率で製造することができる。この結果、それ自身が
制ガン剤として有用であり、医薬品の重要な合成中間体
でもある2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジン
を簡便にして大量に安定して供給でき、工業的製法とし
て適している等効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 浩 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 恵畑 隆 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 化1に示す2′−デオキシ−5−フルオ
ロ−β−ウリジン(I)の製造方法であって、 【化1】 化2に示す5−フルオロ−2,4−ビス(トリアルキル
シリルオキシ)ピリミジン(II)と化3に示す1−ハロ
ゲノ−2−デオキシ−α−D−エリスロ−ペントフラノ
ース誘導体(III) とを縮合させて、化4に示す1−(2
−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−
5−フルオロウラシル誘導体(IV)を得る工程と、 【化2】 (式中、R1 は置換基を有してもよいアルキル基もしく
はフェニル基を表す。) 【化3】 (式中、R2 ,R3 は一般的な水酸基の保護基を、Xを
ハロゲン原子を表す。) 【化4】 (式中、R2 ,R3 は一般的な水酸基の保護基を表
す。)得られた1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ
−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル誘導体(I
V)を脱保護することにより、2′−デオキシ−5−フル
オロ−β−ウリジン(I)を得る工程とを具備すること
を特徴とする2′−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリ
ジンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3254282A JPH0559088A (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 2´−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3254282A JPH0559088A (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 2´−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559088A true JPH0559088A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17262805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3254282A Pending JPH0559088A (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 2´−デオキシ−5−フルオロ−β−ウリジンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0559088A (ja) |
-
1991
- 1991-09-06 JP JP3254282A patent/JPH0559088A/ja active Pending
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