JPH0543991A - 磁気目盛り鋼棒 - Google Patents
磁気目盛り鋼棒Info
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- JPH0543991A JPH0543991A JP3203007A JP20300791A JPH0543991A JP H0543991 A JPH0543991 A JP H0543991A JP 3203007 A JP3203007 A JP 3203007A JP 20300791 A JP20300791 A JP 20300791A JP H0543991 A JPH0543991 A JP H0543991A
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
- C22C38/40—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
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- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S148/00—Metal treatment
- Y10S148/902—Metal treatment having portions of differing metallurgical properties or characteristics
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10S148/902—Metal treatment having portions of differing metallurgical properties or characteristics
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- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気目盛りロッド用として用いる高強度、高
疲労強度である磁気目盛り鋼棒を提供する。 【構成】C: 0.02〜0.10%、Mn: 0.50〜1.0 %、Si: 0.
50〜1.0 %、Cr: 17〜20%、Ni: 5〜8%、C+N:0.0
5 〜0.20% 残部Feおよび不可避不純物から成る鋼組成を有し、冷間
加工誘起マルテンサイト量を30〜60体積%含み、局部的
な溶融処理により非磁性のオーステナイト組織とした磁
気目盛りを備え、さらに引張強度が130kgf/mm2以上、疲
労強度が60kgf/mm2 以上である。
疲労強度である磁気目盛り鋼棒を提供する。 【構成】C: 0.02〜0.10%、Mn: 0.50〜1.0 %、Si: 0.
50〜1.0 %、Cr: 17〜20%、Ni: 5〜8%、C+N:0.0
5 〜0.20% 残部Feおよび不可避不純物から成る鋼組成を有し、冷間
加工誘起マルテンサイト量を30〜60体積%含み、局部的
な溶融処理により非磁性のオーステナイト組織とした磁
気目盛りを備え、さらに引張強度が130kgf/mm2以上、疲
労強度が60kgf/mm2 以上である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気目盛り鋼棒、すな
わちメカトロニクスの分野で用いられる位置決め用シリ
ンダの磁気目盛り付き鋼ロッドに関する。
わちメカトロニクスの分野で用いられる位置決め用シリ
ンダの磁気目盛り付き鋼ロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで位置決め用シリンダの位置検出
はロータリーエンコーダ等の外付けセンサで行われてい
た。
はロータリーエンコーダ等の外付けセンサで行われてい
た。
【0003】図4は従来のロータリーエンコーダを使っ
たピストンロッドの位置制御例を示す概略説明図であ
り、シリンダ10に装着されたピストンロッド12には位置
測定用のローラ14が取り付けられており、その回転数な
どの位置決め用データは位置測定装置16に送られ、基準
値からの回転角度の差異をもってその位置決めを行う。
位置測定装置16からは、ピストンロッド12の駆動用油圧
回路への制御信号が送られ、バルブ20、22のいずれかを
開くことによってピストンロッドの位置変更が行われ
る。
たピストンロッドの位置制御例を示す概略説明図であ
り、シリンダ10に装着されたピストンロッド12には位置
測定用のローラ14が取り付けられており、その回転数な
どの位置決め用データは位置測定装置16に送られ、基準
値からの回転角度の差異をもってその位置決めを行う。
位置測定装置16からは、ピストンロッド12の駆動用油圧
回路への制御信号が送られ、バルブ20、22のいずれかを
開くことによってピストンロッドの位置変更が行われ
る。
【0004】しかし、これらは精度が不十分で堅牢性に
欠ける等の欠点を有していた。この欠点を克服するため
にこれまで例えば特開昭57−16309 号公報や特開昭62−
83620 号公報等で開示されているようにシリンダのピス
トンロッド自体に磁性の差を利用した目盛りを付与し磁
気センサと組み合わせて位置検出を行う磁気目盛りが提
唱されている。
欠ける等の欠点を有していた。この欠点を克服するため
にこれまで例えば特開昭57−16309 号公報や特開昭62−
83620 号公報等で開示されているようにシリンダのピス
トンロッド自体に磁性の差を利用した目盛りを付与し磁
気センサと組み合わせて位置検出を行う磁気目盛りが提
唱されている。
【0005】しかし、特開昭57−16309 号公報に開示す
る磁気目盛りでは目盛り部の磁性差が小さく検出装置に
特別な工夫を要する他、結果的にあまり高い精度を得る
ことができない。
る磁気目盛りでは目盛り部の磁性差が小さく検出装置に
特別な工夫を要する他、結果的にあまり高い精度を得る
ことができない。
【0006】また、特開昭62−83620 号公報開示の磁気
目盛りでは目盛り性能の確保のためマルテンサイト量を
10体積%以上に規定しているが(鋼組成は特に限定して
いない)、実際は割れ防止の観点から40%以下に制限さ
れており(実施例では11〜26%である) 、開示例の引張
強度は最大でも120 kgf/mm2 程度である。また鋼棒の特
性として重要な疲労特性についても何ら言及していな
い。
目盛りでは目盛り性能の確保のためマルテンサイト量を
10体積%以上に規定しているが(鋼組成は特に限定して
いない)、実際は割れ防止の観点から40%以下に制限さ
れており(実施例では11〜26%である) 、開示例の引張
強度は最大でも120 kgf/mm2 程度である。また鋼棒の特
性として重要な疲労特性についても何ら言及していな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】通常、シリンダ用のピ
ストンロッドにはS45C等に代表される、いわゆる構造用
鋼を調質処理した鋼棒が用いられる。メカトロニクス等
の分野で用いられる位置決めシリンダー用の磁気目盛り
ロッドとしては、これまでにも強磁性のマルテンサイト
と非磁性のオーステナイトを組み合わせた磁気目盛りが
提唱されている。しかし機械的性質や目盛り精度に問題
があった。
ストンロッドにはS45C等に代表される、いわゆる構造用
鋼を調質処理した鋼棒が用いられる。メカトロニクス等
の分野で用いられる位置決めシリンダー用の磁気目盛り
ロッドとしては、これまでにも強磁性のマルテンサイト
と非磁性のオーステナイトを組み合わせた磁気目盛りが
提唱されている。しかし機械的性質や目盛り精度に問題
があった。
【0008】すなわち、従来の外付方式に代わりシリン
ダ用のピストンロッドとして用いられる鋼棒自体に目盛
りを付与したものについて、これまで (1) 目盛り特性の確保にのみ注意が払われ機械的性質は
従来のものに比べ優れているとは言えない、(2) 機械的
性質のなかで重要な特性である疲労特性が不十分であ
る、(3) 目盛り特性が不十分 等の問題を有していた。
ダ用のピストンロッドとして用いられる鋼棒自体に目盛
りを付与したものについて、これまで (1) 目盛り特性の確保にのみ注意が払われ機械的性質は
従来のものに比べ優れているとは言えない、(2) 機械的
性質のなかで重要な特性である疲労特性が不十分であ
る、(3) 目盛り特性が不十分 等の問題を有していた。
【0009】特に近年に至り、重変動荷重用に用いられ
ることが多くなり、使用環境も苛酷なものとなってい
る。具体的には高負荷環境で使用される建設機械および
大型産業機械用アクチュエータや、繰り返し数の高い変
動荷重環境で使用される車輛サスペンション用油圧装置
等があげられ、重変動荷重化の傾向がますます強くなっ
ている。そのためにも機械的特性、特に疲労強度の改善
は強く求められるようになってきている。
ることが多くなり、使用環境も苛酷なものとなってい
る。具体的には高負荷環境で使用される建設機械および
大型産業機械用アクチュエータや、繰り返し数の高い変
動荷重環境で使用される車輛サスペンション用油圧装置
等があげられ、重変動荷重化の傾向がますます強くなっ
ている。そのためにも機械的特性、特に疲労強度の改善
は強く求められるようになってきている。
【0010】なお、従来はかかる問題に対し、表面改質
(浸炭、窒化)処理などの対策をとってきたが、強度や
耐食性の点で十分でなかった。
(浸炭、窒化)処理などの対策をとってきたが、強度や
耐食性の点で十分でなかった。
【0011】本発明の一般的な目的はこれらの問題を解
決した位置決めシリンダ用の磁気目盛り鋼ロッドを提供
することである。
決した位置決めシリンダ用の磁気目盛り鋼ロッドを提供
することである。
【0012】本発明の具体的な目的は、磁気目盛りロッ
ド用として用いる引張強度130kgf/mm2以上の高強度、疲
労強度60kgf/mm2 以上の高疲労強度である磁気目盛り鋼
棒を提供することである。
ド用として用いる引張強度130kgf/mm2以上の高強度、疲
労強度60kgf/mm2 以上の高疲労強度である磁気目盛り鋼
棒を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく鋭意研究開発をつづけたところ、次のよう
な知見を得た。
を解決すべく鋭意研究開発をつづけたところ、次のよう
な知見を得た。
【0014】(1) 不安定オーステナイトを冷間引抜きし
てマルテンサイトを発生させた後、局部的な溶融処理に
よりオーステナイトに戻して形成される磁気目盛りにお
いてマルテンサイトの量が30〜60体積%のとき、後述す
る鋼組成との組合せで強度および疲労強度が最も高くな
り、 (2) 冷間引き抜きによって30〜60体積%のマルテンサイ
トを生成させることは一般に困難であるが、C:0.02 〜
0.10%、Mn:0.50 〜1.0 %、およびSi:0.5〜1.0%とい
う特定鋼組成を利用することによってそれが可能とな
る。 (3) Crが17〜20%、Niが5〜8%、C+Nが0.05〜0.20
%のとき、冷間加工誘起マルテンサイト量を30〜60体積
%としても、磁気特性を何ら劣化させることがない。
てマルテンサイトを発生させた後、局部的な溶融処理に
よりオーステナイトに戻して形成される磁気目盛りにお
いてマルテンサイトの量が30〜60体積%のとき、後述す
る鋼組成との組合せで強度および疲労強度が最も高くな
り、 (2) 冷間引き抜きによって30〜60体積%のマルテンサイ
トを生成させることは一般に困難であるが、C:0.02 〜
0.10%、Mn:0.50 〜1.0 %、およびSi:0.5〜1.0%とい
う特定鋼組成を利用することによってそれが可能とな
る。 (3) Crが17〜20%、Niが5〜8%、C+Nが0.05〜0.20
%のとき、冷間加工誘起マルテンサイト量を30〜60体積
%としても、磁気特性を何ら劣化させることがない。
【0015】以上の知見を基にさらに研究をつづけ本発
明を完成した。
明を完成した。
【0016】ここに、本発明は重量%で C: 0.02〜0.10 %、Mn: 0.50〜1.0 %、Si: 0.5 〜1.
0 %、Cr: 17〜20%、Ni: 5〜8%、C+N:0.05 〜0.
20% 残部Feおよび不可避不純物から成る鋼組成を有し、冷間
加工誘起マルテンサイト量を30〜60体積%含有し、局部
的な溶融処理により非磁性のオーステナイト組織とした
磁気目盛りを備えた、引張強度が130kgf/mm2以上、疲労
強度が60kgf/mm2 以上であることを特徴とする磁気目盛
り鋼棒である。
0 %、Cr: 17〜20%、Ni: 5〜8%、C+N:0.05 〜0.
20% 残部Feおよび不可避不純物から成る鋼組成を有し、冷間
加工誘起マルテンサイト量を30〜60体積%含有し、局部
的な溶融処理により非磁性のオーステナイト組織とした
磁気目盛りを備えた、引張強度が130kgf/mm2以上、疲労
強度が60kgf/mm2 以上であることを特徴とする磁気目盛
り鋼棒である。
【0017】
【作用】ここで、本発明において鋼組成を上述のように
限定した理由を次に説明する。
限定した理由を次に説明する。
【0018】C:強化作用の他にオーステナイトの安定
度に影響する。0.02%未満ではオーステナイトが不安定
になりすぎ、フェライトが発生し目盛り性能が低下する
他、強度も上らない。また0.10%を越えると加工誘起し
たマルテンサイトの延性が低下し、所要の量を発生させ
ることができない。このため0.02〜0.10%に限定する。
度に影響する。0.02%未満ではオーステナイトが不安定
になりすぎ、フェライトが発生し目盛り性能が低下する
他、強度も上らない。また0.10%を越えると加工誘起し
たマルテンサイトの延性が低下し、所要の量を発生させ
ることができない。このため0.02〜0.10%に限定する。
【0019】Si:フェライト形成元素であるが、オース
テナイト安定度の制御にはほとんど影響しない。むし
ろ、加工誘起したマルテンサイトの延性に影響し低下さ
せる。所要の量のマルテンサイト発生を可能にするに
は、1.0 %以下に制限することが必要である。0.5 %を
下回ると強度が確保できない。そこで0.5 〜1.0 %に限
定する。
テナイト安定度の制御にはほとんど影響しない。むし
ろ、加工誘起したマルテンサイトの延性に影響し低下さ
せる。所要の量のマルテンサイト発生を可能にするに
は、1.0 %以下に制限することが必要である。0.5 %を
下回ると強度が確保できない。そこで0.5 〜1.0 %に限
定する。
【0020】Mn:オーステナイト形成元素であるが、オ
ーステナイト安定度の制御にはほとんど影響しない。Si
同様、加工誘起したマルテンサイトの延性に影響し低下
させる。所要の量のマルテンサイト発生を可能にするに
は1.0 %以下に制限することが必要である。しかし、0.
5 0%を下回ると強度が確保できない。そこで0.50 〜1.
0 %に限定する。
ーステナイト安定度の制御にはほとんど影響しない。Si
同様、加工誘起したマルテンサイトの延性に影響し低下
させる。所要の量のマルテンサイト発生を可能にするに
は1.0 %以下に制限することが必要である。しかし、0.
5 0%を下回ると強度が確保できない。そこで0.50 〜1.
0 %に限定する。
【0021】Cr:Cr 17%未満では、加工誘起により発生
するマルテンサイト中のCr量が低下するため、ロッドの
強度が目標の130kgf/mm2を超えることができない。その
ため17%以上とした。また、20%を超えるとフェライト
が発生しやすくなりオーステナイト中にも発生し目盛り
性能 (センサ出力、誤差) が低下するため20%以下とし
た。本発明では、Cr量は17〜20%、好ましくは、17〜18
%である。
するマルテンサイト中のCr量が低下するため、ロッドの
強度が目標の130kgf/mm2を超えることができない。その
ため17%以上とした。また、20%を超えるとフェライト
が発生しやすくなりオーステナイト中にも発生し目盛り
性能 (センサ出力、誤差) が低下するため20%以下とし
た。本発明では、Cr量は17〜20%、好ましくは、17〜18
%である。
【0022】Ni:Ni5%未満ではオーステナイト中にフ
ェライトが混入し目盛り性能が低下するだけでなく冷間
加工後の組織がフェライト、マルテンサイト、オーステ
ナイトの3相混合組織となり疲労強度が目標を満足でき
なくなるため5%以上とした。また8%を超えるとオー
ステナイトが安定化してマルテンサイト量が不足し目盛
り性能や強度が目標を満足できないので8%以下とし
た。本発明において、Ni量は5〜8%、好ましくは、5
〜7%である。
ェライトが混入し目盛り性能が低下するだけでなく冷間
加工後の組織がフェライト、マルテンサイト、オーステ
ナイトの3相混合組織となり疲労強度が目標を満足でき
なくなるため5%以上とした。また8%を超えるとオー
ステナイトが安定化してマルテンサイト量が不足し目盛
り性能や強度が目標を満足できないので8%以下とし
た。本発明において、Ni量は5〜8%、好ましくは、5
〜7%である。
【0023】C+N:次に、C+Nは0.05〜0.20%、好ま
しくは0.05〜0.15%に制限されるが、C +N が0.05%未
満ではオーステナイト中にフェライトが混入し目盛り性
能が低下するだけでなく冷間加工後の組織がフェライ
ト、マルテンサイト、オーステナイトの3相混合組織と
なり疲労強度が目標を満足できなくなるため0.05%以上
とした。また0.20%を超えるとオーステナイトが安定化
してマルテンサイト量が不足し目盛り性能や強度が目標
を満足できない他、延性 (絞り) も低下するので0.20%
以下とした。好ましくは、0.05〜0.15%である。
しくは0.05〜0.15%に制限されるが、C +N が0.05%未
満ではオーステナイト中にフェライトが混入し目盛り性
能が低下するだけでなく冷間加工後の組織がフェライ
ト、マルテンサイト、オーステナイトの3相混合組織と
なり疲労強度が目標を満足できなくなるため0.05%以上
とした。また0.20%を超えるとオーステナイトが安定化
してマルテンサイト量が不足し目盛り性能や強度が目標
を満足できない他、延性 (絞り) も低下するので0.20%
以下とした。好ましくは、0.05〜0.15%である。
【0024】その他、不純物としてP 、S などが含有さ
れるが、それらは一般的にそれぞれ0.010 %、0.010 %
以下であれば、引張強度および疲労強度が悪影響を受け
ることはない。
れるが、それらは一般的にそれぞれ0.010 %、0.010 %
以下であれば、引張強度および疲労強度が悪影響を受け
ることはない。
【0025】図1は本発明にかかる磁気目盛り鋼棒の製
造方法の工程図であって、例えば150 kgの鋼を溶解し、
熱間圧延を経て直径20mmの鋼棒とする。冷間加工に先だ
ってまず1000〜1100℃で溶体化処理を行い、次いで酸洗
・潤滑処理を行ってから冷間引抜加工を行って直径16.5
mmの鋼棒とする。このときの冷間加工誘起マルテンサイ
ト量を30〜60体積%とするためには、冷間加工率、つま
り面積減少率を好ましくは25〜45%とする。
造方法の工程図であって、例えば150 kgの鋼を溶解し、
熱間圧延を経て直径20mmの鋼棒とする。冷間加工に先だ
ってまず1000〜1100℃で溶体化処理を行い、次いで酸洗
・潤滑処理を行ってから冷間引抜加工を行って直径16.5
mmの鋼棒とする。このときの冷間加工誘起マルテンサイ
ト量を30〜60体積%とするためには、冷間加工率、つま
り面積減少率を好ましくは25〜45%とする。
【0026】磁気目盛りの付与は、レーザ光を当てるこ
とによって局部的に溶融させ、オーステナイト組織とす
ることで非磁性として行う。レーザ目盛り加工後は、機
械試験およびセンシング試験を経て所定の機械的および
磁気的特性を有するか否かについて試験を行う。
とによって局部的に溶融させ、オーステナイト組織とす
ることで非磁性として行う。レーザ目盛り加工後は、機
械試験およびセンシング試験を経て所定の機械的および
磁気的特性を有するか否かについて試験を行う。
【0027】本発明において冷間誘起マルテンサイトの
量を30〜60体積%とした理由は次の通りである。
量を30〜60体積%とした理由は次の通りである。
【0028】30体積%未満では引張強度および疲労強度
が各々目標の130kgf/mm2、60kgf/mm2 を達成できないの
で30体積%以上と限定した。また60体積%を超えると逆
に疲労強度が低下して目標値を満足できなくなるため60
体積%以下とした。これはマルテンサイト量を増やすた
め引抜き加工度を高くし過ぎるとマイナスの残留応力の
影響が無視できなくなることによる。
が各々目標の130kgf/mm2、60kgf/mm2 を達成できないの
で30体積%以上と限定した。また60体積%を超えると逆
に疲労強度が低下して目標値を満足できなくなるため60
体積%以下とした。これはマルテンサイト量を増やすた
め引抜き加工度を高くし過ぎるとマイナスの残留応力の
影響が無視できなくなることによる。
【0029】冷間加工誘起マルテンサイトは、通常冷間
引張加工によって生成させられるが、生成マルテンサイ
ト量と冷間加工率とは比例関係にあり、例えば60体積%
のマルテンサイト量を生成させるにはほぼ40%の加工を
行えばよい。
引張加工によって生成させられるが、生成マルテンサイ
ト量と冷間加工率とは比例関係にあり、例えば60体積%
のマルテンサイト量を生成させるにはほぼ40%の加工を
行えばよい。
【0030】その他、冷間加工としては冷間孔型圧延な
どを挙げることができる。
どを挙げることができる。
【0031】引張り強さ、疲労強度が求められる具体的
用途としては前述のように、高負荷環境で使用されるア
クチュエータ(建機、大型産業機械等)、さらには繰り
返し数の高い変動荷重環境で使用される油圧装置(車輛
用アクティブサスペンション等)等が考えられ、これま
では熱処理(焼入れ、焼戻し、浸炭、窒化等)や合金化
で対応していた。この点、本発明によれば所定組成の鋼
に成形を兼ねて冷間加工を行うだけでよいため、実用上
の意義は特に大きい。
用途としては前述のように、高負荷環境で使用されるア
クチュエータ(建機、大型産業機械等)、さらには繰り
返し数の高い変動荷重環境で使用される油圧装置(車輛
用アクティブサスペンション等)等が考えられ、これま
では熱処理(焼入れ、焼戻し、浸炭、窒化等)や合金化
で対応していた。この点、本発明によれば所定組成の鋼
に成形を兼ねて冷間加工を行うだけでよいため、実用上
の意義は特に大きい。
【0032】
【実施例】鋼材として、表1に示す組成を有するものを
使用し、図1の工程図に従って、熱間圧延、冷間圧延そ
して目盛り加工を行った。
使用し、図1の工程図に従って、熱間圧延、冷間圧延そ
して目盛り加工を行った。
【0033】溶解鋼量は150kg であり、熱間圧延鋼棒は
直径20mmであった。溶体化工程での加熱温度は1050℃で
あった。
直径20mmであった。溶体化工程での加熱温度は1050℃で
あった。
【0034】目盛加工における局部溶融工程では、スポ
ット径1mm、出力0.5KW のCO2 レーザビームを用い、溶
融深さ0.4 mm、溶融した目盛り幅1.0 mm、溶融した目盛
りピッチ2.0 mm、溶融速度1m/min で目盛り部を形成さ
せた。溶融の状況は目視で確認した。溶融後はそのまま
放置することで、溶融部は急速に凝固冷却した。
ット径1mm、出力0.5KW のCO2 レーザビームを用い、溶
融深さ0.4 mm、溶融した目盛り幅1.0 mm、溶融した目盛
りピッチ2.0 mm、溶融速度1m/min で目盛り部を形成さ
せた。溶融の状況は目視で確認した。溶融後はそのまま
放置することで、溶融部は急速に凝固冷却した。
【0035】表面研磨工程では、研磨代0.05mmの湿式研
磨を行った。研磨後の目盛り幅は0.9 mmとした。
磨を行った。研磨後の目盛り幅は0.9 mmとした。
【0036】このようにして磁気目盛り鋼棒を試作後、
センシング試験を行い、図2に示すように、磁気センサ
5を磁気目盛り鋼棒1と接近対峙させ、目盛り2上を矢
印方向に往復させて、そのときの出力信号波形を同じく
図2の紙面に向かって右方に示すように記録し、往復の
出力信号波形の差から誤差αを求めた。α≦4%以内を
合格とした。誤差αの定義は、図2に示すとおりであ
る。図中、aは全出力振巾、eは出力往復誤差、そして
Pは目盛りピッチ である。
センシング試験を行い、図2に示すように、磁気センサ
5を磁気目盛り鋼棒1と接近対峙させ、目盛り2上を矢
印方向に往復させて、そのときの出力信号波形を同じく
図2の紙面に向かって右方に示すように記録し、往復の
出力信号波形の差から誤差αを求めた。α≦4%以内を
合格とした。誤差αの定義は、図2に示すとおりであ
る。図中、aは全出力振巾、eは出力往復誤差、そして
Pは目盛りピッチ である。
【0037】また、出力信号波形を記録後、機械試験を
行い、試作した磁気目盛り鋼棒の疲労強度を回転曲げ試
験法で確認した。
行い、試作した磁気目盛り鋼棒の疲労強度を回転曲げ試
験法で確認した。
【0038】表1に前記の誤差αと疲労強度の測定結果
を示す。
を示す。
【0039】図3は、冷間加工誘起マルテンサイト量と
機械的特性 (疲労強度σw 、減面率RA、引張強さTS) と
の相関を示すグラフである。
機械的特性 (疲労強度σw 、減面率RA、引張強さTS) と
の相関を示すグラフである。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりメカ
トロニクス分野等に用いられる位置決めシリンダ用の高
精度、高強度、高疲労強度の磁気目盛り鋼棒が得られる
のであって、特に今日その適用が強く求められている重
変動荷重型産業機械用として有用であることが分かる。
トロニクス分野等に用いられる位置決めシリンダ用の高
精度、高強度、高疲労強度の磁気目盛り鋼棒が得られる
のであって、特に今日その適用が強く求められている重
変動荷重型産業機械用として有用であることが分かる。
【図1】本発明にかかる磁気目盛り鋼棒の製造工程図で
ある。
ある。
【図2】誤差測定要領の説明図である。
【図3】本発明の実施例の結果をまとめて示すグラフで
ある。
ある。
【図4】従来のロータリエンコーダを使ったアクチュエ
ータの位置制御例の説明図である。
ータの位置制御例の説明図である。
1 : 磁気目盛り鋼棒 2 : 目盛り 5 : 磁気センサ 10 : シリンダ 12 : ピストンロッド 14 : ローラ 16 : 位置測定装置 20 、22: バルブ
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で C: 0.02〜0.10%、Mn: 0.50〜1.0 %、Si: 0.50〜1.0
%、Cr: 17〜20%、Ni: 5〜8%、C+N:0.05 〜0.20
% 残部Feおよび不可避不純物から成る鋼組成を有し、冷間
加工誘起マルテンサイト量を30〜60体積%含み、局部的
な溶融処理により非磁性のオーステナイト組織とした磁
気目盛りを備え、さらに引張強度が130kgf/mm2以上、疲
労強度が60kgf/mm2 以上であることを特徴とする磁気目
盛り鋼棒。
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JPH08134595A (ja) * | 1994-11-11 | 1996-05-28 | Nippon Steel Corp | 耐応力腐食割れ特性に優れた高強度ステンレス鋼板 |
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JP2014513273A (ja) * | 2011-03-03 | 2014-05-29 | アールエルエス メリルナ テニカ ディー.オー.オー. | エンコーダ用磁気基板の製造方法 |
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EP2055797A4 (en) * | 2006-08-23 | 2014-12-17 | Japan Science & Tech Agency | IRON ALLOY AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME |
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US3282686A (en) * | 1965-02-01 | 1966-11-01 | Armco Steel Corp | Stainless steel and articles |
DE2018462B2 (de) * | 1970-04-17 | 1974-10-10 | Licentia Patent-Verwaltungsgmbh, 6000 Frankfurt | Martensitaushärtender Stahl mit erhöhter Koerzitivfeldstärke |
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JPS6283620A (ja) * | 1985-10-09 | 1987-04-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 磁気目盛 |
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- 1991-08-13 JP JP20300791A patent/JP3237138B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
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- 1992-08-10 US US07/926,643 patent/US5350463A/en not_active Expired - Fee Related
- 1992-08-12 DE DE4226695A patent/DE4226695A1/de not_active Withdrawn
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DE4226695A1 (de) | 1993-02-18 |
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