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JPH0542629A - 複合型制振材料およびその製造方法 - Google Patents

複合型制振材料およびその製造方法

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Publication number
JPH0542629A
JPH0542629A JP3322969A JP32296991A JPH0542629A JP H0542629 A JPH0542629 A JP H0542629A JP 3322969 A JP3322969 A JP 3322969A JP 32296991 A JP32296991 A JP 32296991A JP H0542629 A JPH0542629 A JP H0542629A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
resin composition
damping material
vibration damping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3322969A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiko Eguchi
口 邦 彦 江
Yasunobu Uchida
田 康 信 内
Tomoshige Ono
野 友 重 尾
Seiji Sakamoto
本 誠 司 坂
Hidetaka Sugibe
辺 英 孝 杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Publication of JPH0542629A publication Critical patent/JPH0542629A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】広範な温度範囲で優れた制振性能を有し、成形
加工に追随する強固な接着性能を持ち、層間接着性およ
び成形性に優れ、かつ100℃以上での高い耐熱安定性
を有する複合型制振材料を提供する。 【構成】架橋性官能基を有する熱可塑性樹脂と架橋剤を
主成分とする樹脂層が2枚の金属板の間に介在してなる
複合制振材料において、該樹脂層が相対的に高いガラス
転移点を有する樹脂(A)層、相対的に低いガラス転移
点を有する樹脂(B)層から構成され、さらに、樹脂
(A)層と樹脂(B)層は、樹脂(A)層と樹脂(B)
層との架橋結合によって形成された樹脂(C)層を介し
て結合されている。上記の複合型制振材料を製造するに
際し、架橋反応前の樹脂組成物(A)の溶液および樹脂
組成物(B)の溶液を各々別々の金属板に塗布し、溶媒
を除去後、各樹脂組成物の架橋反応率が0〜50%の範
囲にて、金属板の塗布面同士を加熱積層接着する。架橋
性熱可塑性樹脂が飽和ポリエステルであり、架橋剤が多
価イソシアナート化合物であるのが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合型制振材料および
その製造方法に関する。
【0002】本発明の複合制振材料は、広範囲の温度に
対応して優れた制振性能を発揮し、かつ高接着強度、高
耐熱接着性を有するものであり、階段、ドア、床材など
の用途は勿論のこと、自動車のオイルパン、ボディ回り
のダッシュパネル、フロアパネル、ルーフパネルなどの
従来は複合型制振材料の使用が困難であった用途、ある
いはモーターやコンプレッサーのカバーなどにも使用で
きるものであり、土木建築業界、自動車業界、電機業界
において、幅広く利用できる。
【0003】
【従来の技術】近年の環境重視の世相を反映して、環境
問題の一つである騒音、振動に対する関心が高まってお
り、この問題の解決のために、多くの努力が払われてい
る。特に、騒音については、自動車騒音を中心に騒音規
制法などの関連法案が具体化され、実施に至っているこ
とから、騒音防止のための材料開発が盛んである。
【0004】このような背景を受け、制振作用を有する
材料が求められ、中でも金属層間に粘弾性樹脂からなる
芯材樹脂を介在させた複合型制振材料が、騒音、振動防
止材として注目されるようになった。この材料は、金属
板に加えられる振動を芯材樹脂が熱エネルギーに変換す
るものであり、自動車のオイルパンや階段、ドア、床
材、屋根材などの建材、モーターやコンプレッサーのカ
バーなどの用途に使用もしくは使用の検討がなされてい
る。
【0005】一般に、このような複合型制振材料の制振
性能は芯材樹脂層の性能に存在している。この制振性能
を損失係数(η)で表すと、ηはある一定温度でピーク
を示す特性を有し、複合型制振材料はこの損失係数のピ
ーク温度の近傍で使用するのが最も効果的であることが
知られている。
【0006】なお、損失係数のピーク温度は、芯材樹脂
のガラス転移、軟化あるいは溶融の各弾性低下温度のい
ずれかとほぼ一致する。なかでも、芯材樹脂のガラス転
移に基づくηの極大値が大きい。このため、芯材樹脂の
ガラス転移点を変化させることによって、複合型制振材
料の損失係数のピーク温度を制御する方法が一般に用い
られている。
【0007】この複合型制振金属板の芯材樹脂として従
来より、ポリウレタン(特開昭47−19277)、ポ
リエステル(特開昭50−143880)、ポリアミド
(特開昭51−79146)、ポリイソブチレン(特開
昭54−43251)、エチレン/α−オレフィン(特
開昭55−84655)、EVA(特開昭57−349
49)、架橋ポリオレフィン(特開昭59−15284
7)、ポリビニルアセタール(特開昭60−8814
9)などが検討されており、アスファルト、合成ゴム、
アクリル系粘着剤、エポキシ樹脂なども制振性能を有す
ることが知られている。
【0008】これらのうち、アクリル系粘着剤、イソブ
チレンゴム、EVAなどの常温で柔軟な樹脂は、常温付
近の温度で比較的制振性を有するが、常温における樹脂
の凝集力が弱いため、接着強度が小さく、当該樹脂を用
いた複合型制振材料は成形加工に耐えられず、かつ耐熱
性もないため、平板に近い状態で使用される建材用途に
利用されるのみであった。また、共重合、ブレンドなど
により変性されたポリオレフィン系樹脂、例えば、エチ
レン/α−オレフィン樹脂などは、前者に比べ50〜1
00℃の高温側で比較的制振性に優れ、常温における樹
脂の凝集力が強く、成形加工に対する対応もあるため、
当該樹脂を用いた複合型制振材料は自動車のオイルパン
などの高温で使用される用途に適しているといわれてい
る。
【0009】しかしながら、両者ともその用途を限定し
たとしても、制振性能や接着性能において十分に満足す
べき水準に達しているものとはいえず、さらに、自動車
ボディ廻り部品をはじめとして常温付近から高温までの
広い温度範囲で高い制振性能を有し、かつ成形加工に追
随する強い接着性能と、高温下における接着耐熱性を要
求される複合型制振材料に適した樹脂はいまだ見出され
ていない。
【0010】広い温度範囲での制振性能を検討した例と
して、特開昭60−82349、特開昭61−8984
1、特開昭61−217237、特開昭62−1527
51、特開昭63−56446、特開昭63−2788
45などに多層フィルムを芯材樹脂に用いる方法が開示
されている。これらの複合型制振材料の制振性能は、比
較的広い温度で良好であるが、いずれも多層フィルム中
に熱可塑性樹脂を含有しており、接着耐熱性に問題があ
った。また、多層構造であるために引張剪断力に対して
最も凝集力の弱い樹脂層部分がズレを起こし、接着性能
を満足できなかった。
【0011】同様の検討を行った例として、特開昭60
−258262、特開昭61−28551、特開昭61
−28553などには、互いに相溶しない樹脂からなる
制振用樹脂組成物を芯材樹脂に用いる方法が開示されて
いる。これらの制振性能は、比較的広い温度で良好であ
るが、いずれも熱可塑性樹脂を用いたものであるため、
接着耐熱性および接着性能に問題があった。さらに、構
成成分である各樹脂が互いに非相溶を呈する場合、樹脂
組成物を構成する各樹脂の界面にて凝集力が低下し、接
着性能を低下させることがわかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、常温から高温、具体的には20℃〜100℃
の範囲で、優れた制振性能を有し、成形加工に追随する
強固な接着性能と、高い温度下、具体的には100℃以
上での高い耐熱安定性を有する複合型制振材料を提供し
ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意検討を行った結果、芯材樹脂の凝
集力を高め、強固な接着性能と、高い耐熱安定性を発揮
するためには、複合型制振材料の芯材樹脂を架橋性熱可
塑性樹脂に架橋剤を配合してなる架橋構造を形成する樹
脂とするのが有効であることを知見した。また、広い温
度範囲にて優れた制振性能を発揮するためには、ガラス
転移点の異なる架橋樹脂、あるいは架橋密度(架橋結合
数)の異なる架橋樹脂を複合化することが有効であるこ
とを知見した。そして、前記架橋樹脂の複合構造を層分
離のない複層構造、すなわち架橋樹脂層間において架橋
結合が形成された複合構造とすることにより、制振温度
域、接着性能に追随する樹脂凝集力、耐熱安定性の全特
性を満足する複合型制振材料が得られることを見出し本
発明を完成した。また、その製造方法として、架橋剤の
配合されたガラス転移点の異なる2種の架橋性熱可塑性
樹脂の溶液を、各々1枚の金属板に塗布し、溶媒を除去
した後、架橋反応が進行する前に、塗布面同士を加熱積
層接着することにより前記複合型制振材料が得られるこ
とを見出し、本発明を完成したものである。
【0014】さらに、複合型制振材料の芯材樹脂である
樹脂組成物中に、導電性物質を含有させることにより、
スポット溶接可能な複合型制振材料が得られることを知
見した。また、スポット溶接可能な複合型制振材料の製
造方法として、熱可塑性樹脂と架橋剤の溶液中に導電性
物質を混合する方法、溶液を金属板に塗布した後、塗布
面に導電性物質を散布する方法のいずれの方法によって
も溶接可能な複合型制振材料が得られることがわかり、
本発明を完成したものである。
【0015】すなわち、本発明は、1分子中に2個以上
の架橋性官能基を有する少なくとも1つの熱可塑性樹脂
を、該架橋性官能基と架橋結合を形成する架橋剤で架橋
させてなる樹脂が、2枚の金属板の間に介在する複合型
制振材料において、 a:互いに、ガラス転移点の異なる樹脂(A)層および
樹脂(B)層 b:互いに架橋密度の異なる樹脂(A)層および樹脂
(B)層 上記aおよびbのいずれか一方あるいは両方を有し、樹
脂(A)層と樹脂(B)層は、架橋結合によって結合さ
れていることを特徴とする複合型制振材料を提供する。
【0016】ここで、前記樹脂(A)層と樹脂(B)層
が、樹脂(A)層と樹脂(B)層との架橋結合によって
形成された樹脂(C)層を介して結合し、かつ、該樹脂
(C)層は、厚み方向にガラス転移点が不連続に変化す
ることがないのである。
【0017】また、前記熱可塑性樹脂が飽和ポリエステ
ルまたは前記架橋剤が多価イソシアナート化合物であ
る。
【0018】本発明の他の態様は、前記2枚の金属板の
間に介在する樹脂が、さらに導電性物質を含有するので
ある。
【0019】また、複合型制振材料を製造するに際し、
架橋して樹脂(A)層となる架橋反応前の樹脂組成物
(A)の溶液および架橋して樹脂(B)層となる架橋反
応前の樹脂組成物(B)の溶液を各々別々の金属板に塗
布し、溶媒を除去後、各樹脂組成物の架橋反応率が0〜
50%の範囲において(反応飽和後の架橋反応率を10
0%とした場合)、各々の金属板の該塗布面同士を加熱
積層接着することを特徴とする複合型制振材料の製造方
法である。
【0020】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の複合型制振材料は、基本的に、2枚の金属板の間
に樹脂層が配されてなる構成を有するものである。本発
明の複合型制振材料は、この樹脂層が層分離していない
多層構造からなる。すなわち、特性の異なる樹脂が層状
に配されてはいるが、各層の界面が架橋結合により化学
的に結合しており、構造上は一層を呈しているものであ
る。具体的には、各樹脂層が、 a:ガラス転移点の異なる樹脂組成物(A)および樹脂
組成物(B)が架橋されそれぞれ樹脂(A)層および樹
脂(B)層となる、b:架橋密度の異なる樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)が架橋されそれぞれ樹脂
(A)層および樹脂(B)層となる、 上記aおよびbのいずれか一方あるいは両方によって構
成され、さらに場合により(A)、(B)両樹脂層の間
に、樹脂組成物(A)と樹脂組成物(B)との間の架橋
結合によって形成された樹脂(C)層が介在し、各樹脂
層間において架橋結合を形成してなるものである。
【0021】金属板間に芯材樹脂を配してなる複合型制
振材料において、その制振性能を左右するのは、芯材樹
脂の特性である。ここで芯材樹脂が柔軟である場合(ガ
ラス転移点が低い、架橋密度が小さいなどの場合)は、
常温付近の温度の制振性は比較的優れるものの、樹脂の
凝集力が弱いため、常温以上の温度における金属板との
接着強度が小さく、耐熱性も低いという問題点がある。
他方、芯材樹脂が硬質である場合(ガラス転移点が高
い、架橋密度が高いなどの場合)には高温側で比較的制
振性に優れ、常温における樹脂の凝集力が強く、成形加
工に対する対応性もあるが、制振性能、特に常温付近に
おける制振性能に劣るという問題点がある。
【0022】このため、常温付近および高温付近でのい
ずれの制振性にもすぐれる特性を得るべく多層の芯材樹
脂層を有する制振材料や、非相溶の複数の樹脂からなる
芯材樹脂を有する制振材料などが開発されてはいるが、
これらの多層樹脂は、剪断力や剥離力に対して最も凝集
力の弱い層間部分がずれを起こす、あるいは複数の樹脂
の樹脂界面から亀裂、破壊を生じることから、接着性能
や機械的特性などの点で問題を残しているのは前述のと
おりである。
【0023】これに対し、本発明の制振材料の芯材樹脂
は、特性の異なる樹脂の多層からなるものの、樹脂層間
に境界がない。すなわち、芯材樹脂の厚み方向におい
て、樹脂特性が連続的に変化しており、化学的結合がな
されている。具体的には、図1に概念的に示されるよう
に、金属板12および14の間に配される芯材樹脂層1
6内に、比較的低い架橋密度を有する樹脂(A)層1
8、比較的高い架橋密度を有する樹脂(B)層20、お
よび18と20の両樹脂層間の架橋結合によって形成さ
れた樹脂(C)層22の三層が存在するが、各樹脂層間
において架橋結合が形成されている。(図1の芯材樹脂
層16内の線は分子骨格を模式的に表わしている。)
【0024】架橋密度の低い柔軟な樹脂のみを芯材樹脂
として適用した場合には、図2に示されるグラフの破線
xのように常温(低温)付近でシャープな制振性能を示
す。他方、架橋密度の高い樹脂のみを芯材樹脂として適
用した場合には、図2に破線yで示されるように高温付
近でブロードな制振性能を示す。さらに、同様に、架橋
密度の低い樹脂と架橋密度の高い樹脂をブレンドして得
られる相溶系ブレンド樹脂のみを芯材樹脂とした場合
は、図2の破線xと破線yの中間的な制振性能(破線
z)を示す。
【0025】ここで、本発明の制振材料の芯材樹脂は、
(A)層、(B)層、(C)層をそれぞれ単独で形成し
て積層したものではなく、三つの樹脂層が架橋結合して
構成されているため、常温付近での制振性能は柔軟性を
有する架橋密度の低い樹脂(A)層18で、高温での制
振性能は架橋密度の高い樹脂(B)層20で、その中間
温度においては樹脂(C)層22で発揮され、図2に実
線で示されるように幅広い温度範囲で高い制振性能を得
ることができる。
【0026】また、樹脂層の上述した架橋密度をガラス
転移点とおきかえても、同様の効果が得られる。すなわ
ち、ガラス転移点の低い樹脂のみを芯材樹脂として適用
した場合には、図3に示されるグラフの破線x’のよう
に常温(低温)付近で高い制振性能を示す。他方、ガラ
ス転移点の高い樹脂のみを芯材樹脂として適用した場合
には、図3に破線y’で示されるように高温付近で高い
制振性能を示す。さらに、同様に、ガラス転移点の低い
樹脂とガラス転移点の高い樹脂をブレンドして得られた
相溶系ブレンド樹脂のみを芯材樹脂として場合は、図3
の破線x’と破線y’の中間的な制振性能(破線z’)
を示す。
【0027】ここで、本発明の制振材料の芯材樹脂は、
前記した三つの樹脂層が架橋結合して構成されているた
め、常温付近での制振性能は、常温において良好な弾性
を示すガラス転移点の低い樹脂(A)層で、高温での制
振性能は高温において良好な弾性を示すガラス転移点の
高い樹脂(B)層で、その中間温度においてはこれらの
樹脂層の架橋結合によって得られる樹脂(C)層で発揮
され、図3に実線で示されるように幅広い温度範囲で高
い制振性能を得ることができる。
【0028】なお、前述のaに対応するガラス転移点の
異なる樹脂層とbに対応する架橋密度の異なる樹脂層の
両方を同時に適用することも可能である。
【0029】本発明においては、前記のように幅広い温
度範囲で高い制振性能を得ることができると同時に、従
来、制振性能と両立できなかった金属とのあるいは樹脂
層間の密着性能をも満足できる。芯材樹脂層が特性の異
なる三つの樹脂組成物層の複合層であるものの、各樹脂
層間で架橋結合がなされているため、構造的には単層に
なっている。このため、剪断力や剥離力などの外力に対
して、軟質樹脂層部に応力が集中することがない。従っ
て、成形加工性や機械的特性が極めて良好である。
【0030】次に、本発明の複合型制振材料を得るため
の必須構成成分について説明する。
【0031】第1の必須構成成分は、1分子中に2個以
上の架橋性官能基を有する熱可塑性樹脂である。ここ
で、架橋性官能基とは、後記架橋剤と反応する基を指
し、具体的には、水酸基、エポキシ基、アミノ基、カル
ボキシル基、イソシアナート基、酸無水物基などが挙げ
られる。従って、本発明で用いる熱可塑性樹脂として
は、前記水酸基およびカルボキシル基を有する熱可塑性
ポリエステル系樹脂、前記エポキシ基を有するポリオー
ルのグリシジルエーテル化エポキシ系樹脂、分子中に二
重結合部分を有する官能基含有ジエン系樹脂、前記アミ
ノ基、カルボキシ基および酸アミド結合を有するポリア
ミド系樹脂、前記酸無水物基およびカルボキシル基を有
する変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0032】より具体的には、熱可塑性ポリエステル系
樹脂としては、分子末端に水酸基あるいはカルボキシル
基を有するポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリアリレート、サーモトロピック液
晶ポリエステルなどのエンジニアリングプラスチックス
と呼ばれる材料が例示される。
【0033】また、ジメチルテレフタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族二塩基性酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、β−メチルアジピ
ン酸、ピメリン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、ア
ゼライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカン
ジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸などの脂肪族
二塩基性酸のうちの1種以上と、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,2−ペンタジオール、1,5−ペンタジオー
ル、3−メチルペンタジオール、1,3−ヘキサンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェ
ノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどのグリコールもしくはその残基形成誘導体
のうちの1種以上から合成され、そのガラス転移点が1
00℃以下のポリエステル樹脂、あるいはカプロラクト
ンより合成され、そのガラス転移点が100℃以下のポ
リエステル樹脂、さらには、例えば、マレイン酸、フマ
ル酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪酸、トリメリット酸
などの二官能性を超える脂肪酸と、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトールなどの二官能性を超える水
酸基を有する化合物から合成され、そのガラス転移点1
00℃以下のポリエステル樹脂などが例示される。
【0034】本発明に適用できるポリエステル系樹脂、
具体的には、共重合飽和ポリエステルについて、より詳
細に説明する。本発明で用いるポリエステルとして好ま
しいものは、酸成分のうち、テレフタル酸残基が30モ
ル%以上90モル%以下のものである。酸成分のうち、
テレフタル酸残基が30モル%未満のものからなる共重
合飽和ポリエステルは、凝集力が不足し、接着強度が弱
くなったり、積層接着直後の強度が得づらく、加工時の
トラブルになる場合がある。また、90モル%を超える
ものは、同様に接着性が低下する恐れがあり好ましくな
い。酸成分としてテレフタル酸残基を上記の範囲で用い
た際に併用される二塩基酸としては、前述の芳香族二塩
基酸または脂肪族二塩基酸があげられるが、好ましいも
のは、一種以上の脂肪族二塩基酸、特にアジピン酸、セ
バチン酸である。
【0035】また、本発明で用いるポリエステルとして
好ましいものは、グリコール成分のうち、エチレングリ
コール残基が30モル%以上80モル%以下のものであ
る。グリコール成分のうち、エチレングリコール残基が
30モル%未満のものからなる共重合飽和ポリエステル
は、接着性が低く、80モル%を超えるものは、同様に
接着性が低いばかりか、良好な制振性能が得られない恐
れがある。グリコール成分として、エチレングリコール
残基を上記の範囲で用いた際に併用されるグリコール成
分としては、前述のグリコール類が挙げられるが、より
好ましいものは、炭素数6のヘキサンジオール系グリコ
ールまたはポリエチレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールで
ある。
【0036】なお、ポリエステルとして、たとえば、マ
レイン酸、フマル酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪酸を
共重合したものも適用可能であるが、そのようなポリエ
ステルは、接着性が低かったり、接着耐久性が悪かった
り、制振性能そのものが低い場合があるため、このよう
なポリエステルは、本発明の特徴を損なわない範囲での
使用が好ましい。
【0037】本発明に適用されるポリエステルは通常の
方法で合成されたものでよく、一例を挙げれば、その合
成方法は以下の通りである。前述の二塩基酸や多塩基酸
と、グリコール等とのエステル化反応、およびそれに引
き続く高温減圧下で過剰のグリコールを留去しながらの
エステル交換反応により合成するか、または、あらかじ
め合成されたポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等を所望の二塩基酸等および過剰のグ
リコール等の存在下に解重合し、同様にエステル交換反
応により合成すればよい。
【0038】より具体的には、例えば、二塩基酸とグリ
コールを主原料とし、150℃〜220℃に加熱しなが
ら、常圧下で、主として金属塩よりなる触媒の存在下
で、エステル交換反応によりオリゴエステル化を行い、
引き続き、常圧または減圧下で、200℃〜270℃に
加熱して過剰のグリコールを留去することにより、高分
子量化したポリエステルを合成できる。ポリエステルの
合成に際し、グリコールは所望するポリエステル組成中
における量の1.5〜2.0倍を添加して合成すること
が好ましい。なお、この時生成するポリエステルの組成
は、1H-NMRにより、モノマー残基のモル比を測定するこ
とによって調整され得る。また、重合触媒は、テトラ−
n−ブトキシチタン、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、シ
ュウ酸チタン酸カリなどの金属塩よりなる通常の触媒か
ら適宜選択される。
【0039】また、本発明に適用できるその他の熱可塑
性樹脂について具体的に例示する。ポリオールのグリシ
ジルエーテル化エポキシ系樹脂としては、先にポリエス
テル樹脂原料として例示したグリコールあるいはこれら
のポリグリコールのジグリシジルエーテルや、グリセロ
ールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンシグリジジ
ルエーテル、また、前記のポリエステル樹脂の分子末端
をグリシジル化したジグリシジルポリエステルあるいは
ポリグリシジルポリエステルなどが例示される。
【0040】ジエン系樹脂としては、分子末端あるいは
分子内に水酸基、カルボキシル基、アミノ基などを有す
るブタジエンホモポリマー、イソプレンホモポリマー、
ブタジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−イソプ
レンコポリマー、ブタジエン−アクリロントリルコポリ
マー等、ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン8や、カプロラクタム、ラウリンラ
クタムなどのラクタムとアミノウンデカン酸、アミノド
デカン酸などのアミノカルボン酸から合成されるポリア
ミド樹脂、また、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチ
レンジアミンなどの有機ジアミンと、先にポリエステル
樹脂原料として例示した芳香族二塩基性酸あるいは脂肪
族二塩基性酸から合成されるポリアミド樹脂等、変性ポ
リオレフィン樹脂としては、無水マレイン酸グラフト変
性エチレン−プロピレンコポリマー、無水マレイン酸グ
ラフト変性エチレン−酢酸ビニルコポリマー、無水マレ
イン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレートコポ
リマー、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無
水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、エチレン−
メタクリル酸コポリマー等が例示される。本発明の熱可
塑性樹脂は、単独もしくは2種類以上を混合して使用し
てもよい。
【0041】なお、本発明では、1分子中に2個以上の
架橋性官能基を含有する熱可塑性樹脂として、前記のポ
リエステル系樹脂、具体的には、共重合飽和ポリエステ
ルを用いると、後記する数平均分子量、ガラス転移点、
架橋性官能基数などの調節が容易であり、さらに、最終
的に得られる複合型制振材料の接着性能、制振性能、耐
熱安定性などの実用特性を満足でき、好ましい。
【0042】本発明は、1分子中に2個以上の架橋性官
能基を有する熱可塑性樹脂をこの架橋性官能基と架橋結
合を形成する架橋剤で架橋させてなる樹脂を芯材樹脂と
するものであるが、芯材樹脂層が、 a:互いにガラス転移点の異なる樹脂(A)層および樹
脂(B)層 b:互いに架橋密度の異なる樹脂(A)層および樹脂
(B)層 上記aおよびbのいずれか一方あるいは両方によって構
成され、さらに場合により、(A)、(B)両層の間に
架橋結合によって形成された樹脂(C)層があり、各樹
脂層が架橋結合によって結合されているものである。
【0043】架橋されて樹脂(A)層となる樹脂組成物
(A)および架橋されて樹脂(B)層となる樹脂組成物
(B)の各々を構成する熱可塑性樹脂は、溶融ブレンド
によって互いに相溶するものを用いるのが好ましい。こ
こでいう相溶とは、ブレンド樹脂のガラス転移点、機械
物性、透明度などのいずれかと各々の構成成分のブレン
ド比との間に加成性が成り立つ状態をいう。溶融時に非
相溶を示す場合には、本発明の芯材樹脂の構成成分であ
る樹脂(A)層および樹脂(B)層から樹脂(C)層が
形成されにくくなる。
【0044】本発明の熱可塑性樹脂は、重量平均分子量
で5000以上のものが好ましい。ただし、架橋剤との
当量比を考慮して、数平均分子量で表わすと、数平均分
子量が2000〜50000 の範囲内にあることが好まし
い。数平均分子量が2000未満である場合には、得ら
れる架橋樹脂が脆いものとなり、層間接着性が低下す
る。さらに、制振性能が著しく低い。数平均分子量が50
000 を越える場合には、溶液化して金属板に塗布する際
の溶液安定性が低下する。また、溶融粘度が高いため、
(C)層が形成されにくくなるといった問題がある。さ
らに好ましい数平均分子量は、5000〜35000 の範囲
内である。また、本発明の熱可塑性樹脂は、比較的低分
子量の熱可塑性樹脂を後記する架橋剤と予め反応させ、
高分子量化させたものであってもよい。ただし、この場
合に用いる架橋剤は1分子中に2個の架橋性官能基を含
有するものに限定される。
【0045】さらに、熱可塑性樹脂として、周波数0.
1〜20000 Hzの範囲内におけるガラス転移に基づく損
失正接(tanδ)の極大値が0.5以上を示すものが
好ましい。tanδが高い値を示すものほど制振性の高
い樹脂であるといえるが、tanδの特に好ましい値は
0.7以上である。
【0046】第二の必須構成成分は、前記熱可塑性樹脂
が有する官能基と反応して架橋構造を形成する架橋剤で
ある。従って、架橋剤は、熱可塑性樹脂が有する官能基
と反応しうる官能基を2つ以上有するものであればよい
が、熱可塑性樹脂の種類に応じて選択されるものであ
る。
【0047】例をあげると、イソシアナート系、エポキ
シ系、酸無水物系、アミン系、アジリジル系、オキサゾ
リン系などの化合物があるが、架橋性官能基として水酸
基あるいはカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂
を用いる場合は、イソシアナート系あるいはエポキシ系
が、エポキシ基(グリシジル基)を有するエポキシ系樹
脂を用いる場合は、酸無水物系あるいはアミン系が、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基を有するジエン系樹脂
を用いる場合は、イソシアナート系、エポキシ系あるい
は酸無水物系が、アミノ基、カルボキシル基あるいは酸
アミド結合を有するポリアミド系樹脂を用いる場合は、
イソシアナート系、エポキシ系あるいは酸無水物系が、
酸無水物基あるいはカルボキシル基を有する変性ポリオ
レフィン系樹脂を用いる場合は、アミン系、イソシアナ
ート系あるいはエポキシ系が各々好ましい。
【0048】架橋剤について、より具体的に述べると、
イソシアナート系架橋剤としては、分子内に2個以上の
イソシアナート基を有する多価イソシアナート化合物、
例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−
トリレンジイソシアナート(通常TDI)、メチレン−
ビス−4−フェニルイソシアナート(通称MDI)、ポ
リメチレンポリフェニルポリイソシアナートまたはポリ
オール変性MDI、例えば市販品としてコロネート10
40、コロネート1050(以上、日本ポリウレタン
製)、またはカルボジイミド変性MDI、例えばミリオ
ネートMTL、ミリオネートMTL−C(以上、日本ポ
リウレタン製)などのMDI誘導体、ヘキサメチレンジ
イソシアナート(通称HDI)およびその誘導体、イソ
ホロンジイソシアナート(通称IPDI)およびその誘
導体、TDIをトリメチロールプロパンなどに付加した
TDI系アダクトポリイソシアナート、例えば市販品と
して、コロネートL、HL(以上、日本ポリウレタ
ン)、ディスモフェンL、ディスモジュールN(住友バ
イエルウレタン)、あらかじめ反応せしめた重合ポリイ
ソシアナート、例えば市販品として、スプラセック32
40、3250、コロネート2030、2031(日本
ポリウレタン)、ディスモジュールIL、HL(住友バ
イエルウレタン)、イソシアナートをカプロラクタム等
でマスキングしたブロックドイソシアナート、あらかじ
め低分子量ポリエーテルと前述の多価イソシアナートと
を反応せしめた末端イソシアナートプレポリマーなどを
挙げることができる。
【0049】なかでも1分子中に3個のイソシアナート
基を有する多価イシアナート化合物(例えば市販品とし
て、コロネートL、コロネート2030など)を用いる
と、熱可塑性樹脂と架橋結合を形成したのちの架橋樹脂
が、3次元的な架橋構造となり、最終的に得られる複合
型制振材料の接着性能、耐熱性能が優れ、好ましい結果
を得る。
【0050】また、エポキシ系架橋剤としては、分子内
に2個以上のエポキシ基を有する多価エポキシ化合物、
例えばビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型
およびビスフェノールF型エポキシ化合物などのビスフ
ェノール型エポキシ化合物、例えば市販品として、TD
−127、YD−7128、YDF−165およびYD
B−400EK60(以上、東都化成)、EPICRON −83
0 (大日本インキ化学工業)、o−クレゾールノボラッ
ク型エポキシ化合物などのノボラック型エポキシ化合
物、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリ
スリトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリ
グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルおよび
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの
ポリグリシジルエーテル類、4官能アミン型ポリグリシ
ジルアミンなどのポリグリシジルアミン類、例えば市販
品として、YH−434(東都化成)、フタル酸ジグリ
シジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエ
ステルおよびジグリシジル−p−オキシ安息香酸エステ
ルなどのグリシジルエステル類、あるいは脂環型エポキ
シ化合物、例えば市販品として、ERL−4234(ユ
ニオンカーバイド)などを挙げることができる。
【0051】さらに、酸無水物系架橋剤としては、無水
フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等
の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸等の環状脂肪族酸無水物、ポリ
アジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバ
シン酸無水物等の脂肪族酸無水物等を挙げることができ
る。
【0052】加えて、アミン系架橋剤としては、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン等の鎖状脂肪
族ポリアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン
等の環状脂肪族ポリアミン、m−キシレンジアミン等の
脂肪芳香族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジア
ミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン
等の芳香族ポリアミン等を挙げることができる。
【0053】その他、多官能基からなるアジリジル系架
橋剤、オキサゾリン系架橋剤等を挙げることができる。
なお、架橋剤は、単独もしくは2種類以上を混合して使
用してもよい。
【0054】さらに、必要に応じて官能基間の反応速度
を促進あるいは遅延する目的で、種々の触媒を用いるこ
ともできる。この場合、触媒の添加は熱可塑性樹脂(熱
可塑性樹脂溶液)および架橋剤(架橋剤溶液)のそれぞ
れ、あるいはこれらの混合物(混合溶液)に行うことが
可能である。また、熱可塑性樹脂あるいは架橋剤を製造
する際に用いた触媒(エステル交換触媒や重合触媒等)
の残存触媒でこの目的を達成することも可能である。
【0055】本発明の複合型制振材料は、前記の熱可塑
性樹脂および架橋剤を主成分とする樹脂組成物が架橋さ
れて芯材樹脂として2枚の金属板の間に介在されてお
り、この芯材樹脂層は、ガラス転移点の異なる樹脂
(A)層および樹脂(B)層によって構成され、さらに
(A)、(B)両層の間に、樹脂(A)層およひ樹脂
(B)層の架橋結合によって形成される樹脂(C)層が
介在し、各樹脂層間は、架橋結合を形成してなることを
特徴とする。ここで、ガラス転移点とは、熱可塑性樹脂
と架橋剤が架橋結合を形成したのちの架橋樹脂のガラス
転移点を指す。
【0056】樹脂(A)層および(B)層のガラス転移
点は、−50℃〜80℃の範囲内にあることが好まし
い。ガラス転移点が−50℃よりも低い場合には、常温
以下の温度域において比較的高い制振性を示すものの、
常温において樹脂が軟質であり、凝集力に欠けるため、
本発明による複層構造を形成した場合でも、接着性能が
低いものとなる。一方、ガラス転移点が80℃よりも高
い場合には、高温において比較的高い制振性を示す。さ
らに、常温において樹脂がガラス状態であり、凝集力が
高く接着性能も高い。しかし、樹脂がガラス状態である
と複合型制振材料の成形加工時に生じる金属板の変形に
対して、樹脂が追随できず、複合型制振材料が割れなど
の成形不良を生じることがある。また、本発明の目的と
する広い温度域での制振性発現に対して、常温付近の制
振性能を満足できない。樹脂層のガラス転移点は、−3
0℃〜70℃の範囲が特に好ましい。
【0057】また、架橋後の樹脂(A)層および樹脂
(B)層のガラス転移点の温度差は、10℃〜100℃
が好ましい。その差が10℃未満の場合は、良好な制振
性能を示す温度域が狭くなり、その差が100℃を越え
る場合は、(A)、(B)、(C)の各々の樹脂が有す
る制振性のピーク温度から外れた温度における制振性が
劣る。より好ましい温度差は30〜80℃である。
【0058】樹脂組成物のガラス転移点は、構成成分で
ある熱可塑性樹脂のガラス転移点(本発明の請求項10
のcに対応)および後記する架橋密度によって調節する
ことが可能である。なお、ガラス転移点の異なる熱可塑
性樹脂を用い、さらに架橋密度をも調節することも可能
である。
【0059】樹脂(A)層および樹脂(B)層を構成す
る各々の架橋前の熱可塑性樹脂のガラス転移点を調節す
ることによって、前記の芯材樹脂のガラス転移点の好適
範囲を達成するためには、熱可塑性樹脂のガラス転移点
を−50℃〜80℃の範囲にすることが好ましく、特に
好ましくは−30℃〜70℃とする。また、樹脂(A)
層および樹脂(B)層のガラス転移点の温度差の好適範
囲を達成するためには、各々の熱可塑性樹脂のガラス転
移点が10℃〜100℃の温度差を有するようにする。
特に好ましい温度差は30〜80℃である。
【0060】また、本発明によって形成される樹脂
(C)層は、樹脂(A)層および樹脂(B)層のガラス
転移点の中間のガラス転移点を示すことが好ましい。
(C)のガラス転移点が(A)、(B)のいずれかに近
い温度であると、(A)、(B)の樹脂が有する制振性
のピーク温度の間の温度において、制振性の低い温度域
が生じてしまう。
【0061】また、本発明の複合型制振材料のもう一方
の特徴は、2枚の金属板の間に介在されている芯材樹脂
が、架橋密度の異なる樹脂(A)層および樹脂(B)層
によって構成され、さらに(A)、(B)両層の間に、
樹脂(A)層と樹脂(B)層との架橋結合によって形成
される樹脂(C)層が介在し、各樹脂層間において架橋
結合を形成してなるものである。
【0062】ここで、架橋密度とは、熱可塑性樹脂と架
橋剤が架橋結合を形成したのちの架橋結合の数(単位体
積当たりの数)をいう。熱可塑性樹脂および架橋剤とし
て前記に好適として挙げた飽和ポリエステル(架橋性官
能基が水酸基)およびイソシアナート化合物を樹脂組成
物の構成成分とした場合には、架橋反応によって形成さ
れるウレタン結合およびアロファネート結合などの結合
鎖数を指す。以下の3つに挙げる熱可塑性樹脂あるいは
架橋剤を構成成分とすることによって架橋後の樹脂
(A)層および樹脂(B)層の各々を、相対的に異なる
架橋密度にすることができる。 d:数平均分子量の異なる熱可塑性樹脂を用いる。 e:架橋剤の配合量をかえる。 f:架橋性官能基数の異なる熱可塑性樹脂あるいは/お
よび架橋剤を用いる。
【0063】ここで、前記dによって架橋密度を調節す
るとは、比較的高い数平均分子量を有する熱可塑性樹脂
に当量の架橋剤を配合して架橋密度の低い樹脂組成物を
得る、および、比較的低い数平均分子量を有する熱可塑
性樹脂に当量の架橋剤を配合して架橋密度の高い樹脂組
成物を得ることである。
【0064】この場合、架橋前の樹脂組成物(A)およ
び(B)を構成する熱可塑性樹脂の各々は、前記したよ
うに、数平均分子量が2000〜50000 の範囲内にある
ことが好ましい。さらに好ましい数平均分子量は、50
00〜35000 の範囲内である。また、架橋前の樹脂組成
物(A)および(B)を構成する熱可塑性樹脂の数平均
分子量は、互いに3000以上の差を有していることが
好ましい。数平均分子量の差が3000未満であると、
架橋密度の差が小さいものとなり、制振性を発現する温
度範囲が狭くなる。特に好ましい数平均分子量の差は10
000 以上である。なお、熱可塑性樹脂の各々は、樹脂
種、原料組成、ガラス転移点、架橋性官能基数などが同
じものであっても、異なるものであってもよい。熱可塑
性樹脂の数平均分子量の差がある場合は、もう一方の構
成成分である架橋剤の各々が、架橋剤種、架橋性官能基
数、樹脂組成物中への配合量などが同じものであって
も、異なるものであってもよい。
【0065】前記eによって架橋密度を調節するとは、
架橋前の樹脂組成物(A)および(B)を構成する架橋
剤の配合量を各々異なるものとすることである。架橋剤
配合量が多いほど熱可塑性樹脂との架橋密度は高くな
り、これとは逆に、配合量が少ないほど熱可塑性樹脂と
の架橋密度は低くなる。この場合、架橋前の樹脂組成物
(A)および(B)の架橋剤配合量は、熱可塑性樹脂お
よび架橋剤中の架橋性官能基数換算で0〜5.0当量の
範囲内にあることが好ましい。5.0当量を越える場合
には、制振性発現温度は高温となるものの、制振性能の
低下が著しい。特に好ましい範囲は、0.5〜3.0当
量である。また、架橋前の樹脂組成物(A)および
(B)の架橋剤配合量は、0.5当量以上の差を有して
いることが好ましい。配合量の差が、0.5当量未満で
あると、架橋密度の差が小さいものとなり、制振性を発
現する温度範囲が狭くなる。特に好ましい配合量差は
1.0当量以上である。この場合、架橋剤の各々は、架
橋剤種、架橋性官能基数などが同じものであっても、異
なるものであってもよい。架橋剤量の配合量に差がある
場合は、もう一方の構成成分である熱可塑性樹脂の各々
が、樹脂種、原料組成、数平均分子量、ガラス転移点、
架橋性官能基数などが同じものであっても、異なるもの
であってもよい。
【0066】前記fによって架橋密度を調節するとは、
架橋前の樹脂組成物(A)および(B)を構成する熱可
塑性樹脂、架橋剤のいずれか一方あるいは両方の架橋性
官能基数を互いに異なるものとすることである。熱可塑
性樹脂と架橋剤の量を当量とした場合には、熱可塑性樹
脂および架橋剤のいずれかの架橋性官能基数が多いほ
ど、架橋密度は高くなり、これとは逆に、官能基数が少
ないほど架橋密度は低くなる。この場合、熱可塑性樹脂
あるいは架橋剤の架橋性官能基数は、1分子中に2〜4
個の範囲内にあることが好ましい。熱可塑性樹脂あるい
は架橋剤の架橋性官能基数が、1分子中に1個である場
合には、架橋樹脂が形成されない。また、5個以上であ
る場合には、架橋樹脂が極めて硬質で脆いものとなり、
複合後の接着性能が低く、さらに、制振性能が著しく低
下する。なお、1分子中に2個の架橋性官能基を有する
熱可塑性樹脂に、同じく1分子中に2個の架橋性官能基
を有する架橋剤を配合した場合には、架橋反応が二次元
的に進行し、得られる架橋樹脂は高分子量体の熱可塑性
樹脂となる。この場合の架橋樹脂には、「架橋」という
表現は的確ではないが、本特許では、架橋樹脂として表
す。架橋性官能基数を異なるものとした場合は、熱可塑
性樹脂の各々は、樹脂種、原料組成、ガラス転移点、数
平均分子量などが同じものであっても、異なるものであ
ってもよい。また、この場合、構成成分である架橋剤の
各々が、架橋剤種、樹脂組成物中への配合量などが同じ
ものであっても、異なるものであってもよい。
【0067】また、本発明においては、層分離のない複
層構造からなる芯材樹脂中に、充填剤として導電性固体
物質を配合することによって導電性を付与し、該芯材樹
脂から得られる複合型制振材料をスポット溶接可能な材
料とすることもできる。このような目的で上記樹脂組成
物に充填剤として導電性固体物質を配合することによっ
て導電性を付与し、該樹脂組成物から得られる芯材樹脂
を有する複合型制振材料を、スポット溶接可能な材料と
することもできる。このような目的で使用される導電性
物質としては、ステンレス、亜鉛、銅、スズ、ニッケ
ル、黄銅などの金属を粉末状、フレーク状、ファイバー
状、ワイヤー状などに加工した金属物質や、銅、あるい
はニッケルなどのめっき処理した鉄系金属や、カーボン
ブラック、グラファイト、カーボンファイバーなどの導
電性炭素物質などを挙げることができる。これらの導電
性物質は、単独または2種類以上組み合わせて使用する
ことができる。なお、導電性物質は、良好な導電性を発
現させるためには金属物質を選択することが好ましい。
【0068】ところで、導電性物質は、その性状が粉末
状である場合にはその最大粒径を、また、フレーク状で
ある場合には、その最大厚みを、さらにファイバー状や
ワイヤー状である場合は、その最大直径をそれぞれの代
表長さ(L)とすると、より良好な導電性を発現させる
ため、(L)と導電性物質を有する樹脂組成物から得ら
れる粘弾性樹脂(芯材樹脂)の厚さ(T)との比(L)
/(T)が0.5以上、好ましくは、0.8以上となる
ものを用いるのがよい。(L)/(T)の比が0.5未
満では、該粘弾性樹脂を芯材樹脂とする複合型制振材料
のスポット溶接性能が低下する。
【0069】さらに、導電性物質の充填量は、導電性物
質を有する樹脂組成物から得られる粘弾性樹脂(芯材樹
脂)の0.5〜10体積%を占めるようになる量が好ま
しい。0.5体積%未満では、該粘弾性樹脂を芯材樹脂
とする複合型制振材料のスポット溶接性能が低く、又、
10体積%を越えると、スポット溶接性は十分満足され
るが、金属板と芯材樹脂との間の接着性や芯材樹脂の制
振性能が低下し、好ましくない。さらに好ましい範囲は
1〜5体積%である。
【0070】導電性物質は、樹脂(A)層および樹脂
(B)層を構成する、それぞれの2種の熱可塑性樹脂溶
液あるいは架橋剤中にあらかじめ混合しておいてもよ
く、これらを混合した樹脂組成物(溶液)中に混合して
おいてもよい。また、樹脂組成物(溶液)を2枚の金属
板の各々に塗布したのち、いずれか一方あるいは両方の
塗布面上に、導電性物質を散布することもできる。この
とき、導電性物質の散布は、樹脂組成物中の溶剤(溶
媒)の除去前および除去後のいずれの場合に行ってもよ
い。なお、金属板と導電性物質との密着性を考慮する
と、溶剤除去前に散布することが好ましい。導電性物質
の散布方法としては、グラビアロールなどのロールを用
いた散布が例示される。
【0071】また、本発明においては、芯材樹脂のガラ
ス転移点やtanδは、後記する樹脂組成物中に含有さ
れる必須構成成分以外の成分の影響も受ける。本発明の
芯材樹脂を得るために用いる樹脂組成物には、本発明の
目的を損なわない範囲で、溶剤、各種の添加剤、フィラ
ーなどを配合することができる。
【0072】溶剤としては、トルエン、キシレン、ME
K等が挙げられる。添加剤としては、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、テルペン樹脂、テル
ペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂、炭化水素系樹脂、
芳香族系樹脂、フェノール樹脂などの粘着性付与樹脂、
ポリアルキレングリコールポリエステル系可塑剤、メラ
ミン樹脂、シランカップリング剤などの架橋剤、金属
塩、鎖延長剤などを挙げることができる。また、フィラ
ーとしては、炭酸カルシウム、タルク、ハードシールな
どの無機フィラーが使用可能である。
【0073】本発明の芯材樹脂を得るために用いる樹脂
組成物では、熱可塑性樹脂と架橋剤とは別々に保管して
おく、すなわち、いわゆる主剤と硬化剤とからなる2液
型接着剤のように保管しておくのが一般的である。
【0074】本発明の芯材樹脂は、以上説明した樹脂組
成物を適当な条件で加熱処理する等により、該樹脂組成
物中の熱可塑性樹脂と架橋剤とを反応せしめることによ
って得られるものである。加熱処理等の条件は、熱可塑
性樹脂と架橋剤とが反応する条件であればよい。
【0075】次に、本発明の芯材樹脂を有する複合型制
振材料の製造方法について述べる。
【0076】本発明の芯材樹脂を有する複合型制振材料
を製造するにあたって、適用される金属板としては、冷
間圧延鋼板、クロメート処理鋼板、亜鉛系めっき鋼板、
リン酸塩処理鋼板などの表面処理鋼板、銅板、アルミ
板、ステンレス板などのいずれであってもよく、また、
コイル状原板、切り板のいずれであってもよい。その板
厚は、特に限定されないが、成形加工性と保形性を考慮
すれば、0.3〜2mmのものが好ましい。
【0077】該複合型制振材料を製造する方法として
は、前述のc〜e、すなわち、 c:高ガラス転移点を有する熱可塑性樹脂および低ガラ
ス転移点を有する熱可塑性樹脂 d:高分子量(数平均分子量)を有する熱可塑性樹脂お
よび低分子量を有する熱可塑性樹脂 e:少ない架橋性官能基数を有する熱可塑性樹脂および
多い架橋性官能基数を有する熱可塑性樹脂 の熱可塑性樹脂をあらかじめ熱可塑性樹脂溶液にし、さ
らに所定の架橋剤などを混合して(各々に異なる配合量
の架橋剤を混合する、各々に異なる架橋性官能基数の架
橋剤を混合するなど)、2種の樹脂組成物(溶液)とし
たのち、必要に応じてこれらの樹脂組成物(溶液)中に
導電性物質を混合し、これらを直接2枚の金属板の両方
の積層面に各々塗布する。そして、室温ないし好ましく
は100〜200℃の温度に加熱して溶剤を除去する。
なお、必要に応じて、溶剤の除去前あるいは除去後の金
属板の塗布面に導電性物質を散布する。そして、溶剤除
去後に引き続きもしくは放置後、各金属板の塗布面同士
を重ならせて加熱積層接着する方法が用いられる。これ
により、金属板間に芯材樹脂を有する複合型制振材料が
得られる。
【0078】樹脂組成物の塗工方法は、特に限定されな
いが、ロールコーター、スプレー、カーテンフローコー
ター、ドクターナイフコーター等が好ましい。
【0079】この時、樹脂組成物の塗布厚さは、最終的
に得られる芯材樹脂の厚さが、積層される1枚の金属板
の厚さの1/50〜1/5となる厚さであることが好ま
しく、実質的に20〜150μmとなる厚さであること
が好ましい。20μm未満である場合には、制振性およ
び接着性が低下し、また150μmを越える場合には、
成形加工時の金属板のズレやワレの原因となることがあ
る。
【0080】塗工後の樹脂組成物(A)および樹脂組成
物(B)溶液の溶媒(溶剤)の除去は、室温ないし好ま
しくは加熱して行うが、過剰の加熱は、溶媒の除去とと
もに架橋反応の過剰進行を招く。架橋反応が過剰な場合
には、後工程の積層接着において、樹脂(A)層と樹脂
(B)層が接着しにくくなり、樹脂(A)層と樹脂
(B)層との架橋結合が形成されなくなる。
【0081】溶媒を除去し、積層接着する直前の樹脂組
成物(A)および樹脂組成物(B)の架橋反応率は、0
〜50%の範囲が好適である。積層直前の架橋反応率が
低いほど、積層接着時の樹脂(A)層と樹脂(B)層と
の架橋反応生成物である樹脂(C)層の形成比率が増大
する。ただし、これらの比率は、積層接着温度条件によ
り変化する。積層接着直前の架橋反応率が50%超の場
合には、樹脂(A)層と樹脂(B)層との間に樹脂
(C)層が形成されず、(A)、(B)層間が層分離す
る。このため、得られる複合型制振材料は、相対的に低
いガラス転移点を有する、あるいは相対的に低い架橋密
度を有するかいずれかである樹脂(B)層の影響を受
け、接着強度が激減する。特に好ましい積層接着直前の
架橋反応率は、5〜35%の範囲である。
【0082】積層接着温度は、通常、樹脂組成物に13
0〜250℃の加熱が与えられるようにすればよく、加
熱プレスの場合30秒間〜3分間程度、加熱ロールの場
合には1〜30秒間程度の接触時間であればよい。ま
た、金属板を予め同温度に加熱し、冷却プレスまたは冷
却ロールにより積層接着してもよい。
【0083】ただし、積層接着温度は、架橋反応進行前
の樹脂組成物(A)および樹脂組成物(B)が、互いに
相溶する溶融状態に設定する必要がある。前工程の乾燥
による溶媒除去を経ての、積層接着直前の架橋反応の進
行度(反応率)を加味して、積層接着温度および接着時
間を設定することが好ましい。積層接着温度および接着
時間を調節することにより、芯材樹脂の構成成分である
樹脂(A)層、(B)層、(C)層の比率を制御するこ
とが可能である。一般的には、架橋反応進行前の樹脂組
成物(A)および樹脂組成物(B)を積層接着する場
合、溶融する積層接着温度下において、接着時間を増大
するほど、樹脂(C)層の占める比率が増大する。ただ
し、過剰の積層接着温度および接着時間は、溶融ブレン
ドの相溶化とともに、架橋反応の急速進行を招くため、
樹脂(C)層の形成比率には上限がある。前記の積層接
着温度および接着時間内での調節が好ましい。
【0084】このように、本発明の芯材樹脂を得るため
に用いる樹脂組成物は、溶液状で金属板に塗工すること
もできるので、金属板と芯材樹脂との密着性を高めるこ
とができ、ガス層の巻き込みを防止することができる。
【0085】また、該樹脂組成物は、金属板への塗布後
のポットライフが実用上問題のない長さであるという特
徴も有する。
【0086】さらに、本発明の芯材樹脂を有する複合型
制振材料は、積層接着後直ちに所定の接着性が得られる
という特徴を有し、その製造に際し、通常の熱可塑性樹
脂を用いる場合と同等の条件で製造されても、芯材樹脂
が接着温度以上の耐熱性を示すという特徴を有する。
【0087】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0088】本実施例においては、下記の各条件にて、
2枚の金属板の間に樹脂組成物を介在させ、複合型制振
材料を製造し、それらを試料とした。
【0089】また、各試料の性能評価試験方法は以下の
とおりである。 制振性能 制振性能の評価として、各複合型制振材料試料の損失係
数(η)を機械インピーダンス法によって測定し、10
00Hzにおける損失係数の温度依存性を調査した。 接着性能 (1)T−剥離強度:各複合型制振材料試料を25mm
幅に裁断し、引張速度200mm/分、室温23℃に
て、JIS K−6854に準じて測定した。 (2)剪断接着強度:各複合型制振材料試料を25mm
×12.5mmの面積に裁断し、引張速度10mm/分、
室温23℃にて、JIS K−6850に準じて測定し
た。 成形加工性能 成形加工性能の評価として、各複合型制振材料を25m
m幅×100mm長に裁断し、4mmφに折り曲げ加工
し、曲げ部に浮きのあるものを×、変化のないものを○
で表示した。また、同様に折り曲げ加工したものを、1
50℃のオーブン中に24時間放置するか、沸騰水中に
24時間浸漬し、浮きが生じたものを×、変化のないも
のを○で表示した。 耐熱性能 各複合型制振材料を200℃の空気中に1時間曝し、そ
の後、前記と同様の接着性能を調査し、試験前の接着強
度の保持率を求めた。 溶接性能 各複合型制振材料試料に、加圧力200kgf、電流8
KA、通電8サイクル、チップ8R球形状でダイレクト
スポット溶接を行い、溶接できたものを良好とし、溶接
できなかったものを不良として表示した。
【0090】また、各試料の樹脂組成物および構成成分
である熱可塑性樹脂の物性値については、以下のように
して調査した。 ガラス転移点 樹脂組成物および熱可塑性樹脂のガラス転移点は、示差
走査型熱量(DSC)計を用い、窒素雰囲気下、昇温速
度10℃/分における、ガラス転移に基づく吸熱開始温
度と吸熱終了温度で表示した。またDSCの微分値が極
小となる温度を求めた。以下、単にガラス転移点と表示
するのは、DSCの微分値が極小となる温度である。 数平均分子量 熱可塑性樹脂の数平均分子量は、熱可塑性樹脂をテトラ
ハイドロフランに溶解し、液体クロマトグラフィーで測
定し、ポリスチレン換算による数平均分子量を算出し
た。 軟化点 熱可塑性樹脂の軟化点は、JIS K−2531に準じ
R&B軟化点により測定した。 架橋反応率 樹脂組成物の架橋反応率は、赤外分光光度計を用いて、
架橋反応結合数および架橋剤の残存量からそれぞれ算出
した。 (1)架橋反応結合数からの算出:本実施例で用いた共
重合飽和ポリエステルの分子中の水酸基と、架橋剤であ
るイソシアナート化合物のイソシアナート基とが反応し
て生成するウレタン結合中のN−Hに由来するピーク強
度を測定し、強制反応させた樹脂組成物(架橋剤を混合
後、溶媒を除去し、180℃空気中で30分、引き続き
100℃空気中で72時間加熱して、強制的に架橋反応
を完結させたもの)のピーク強度を100%として、比
較値を示した。 (2)架橋剤残存量からの算出:イソシアナート基(−
NCO)と共重合飽和ポリエステルの分子中の反応に寄
与しない脂肪族C−H基との強度比によって算出した。
具体的には、共重合飽和ポリエステルの溶液にイソシア
ナート化合物を混合後、常温で15分間真空乾燥し、溶
媒を完全除去したものの乾燥直後の(−NCO)/(C
−H)を0%、前記と同様にして強制反応させたものの
(−NCO)/(C−H)を100%として、反応率を
算出した。 架橋密度 樹脂組成物の架橋密度は、赤外分光光度計を用いて、架
橋反応結合数から算出した。すなわち、(1)と同様
に、架橋結合中のN−Hに由来するピーク強度を測定
し、相対比較した。
【0091】(実施例1)架橋されて樹脂(A)層とな
る樹脂組成物(A)として、テレフタル酸、セバシン
酸、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールを原
料として用い、常法で合成された、数平均分子量200
00、ガラス転移点−20℃、軟化点73℃の共重合飽
和ポリエステルを用いた。該ポリエステルは、分子鎖両
末端が水酸基であることを確認した。そして該ポリエス
テルをトルエン、MEK混合溶剤中に溶解し、固形分2
5重量%の共重合飽和ポリエステル溶液とした。
【0092】樹脂組成物(A)の架橋剤として、重合ポ
リイソシアナートを用いた。具体的には、重合ポリイソ
シアナート溶液(3官能、固形分:50重量%、商品
名:コロネート2030(日本ポリウレタン(株)製)
を用いた。
【0093】前記共重合飽和ポリエステル溶液および重
合ポリイソシアナート溶液を混合し、撹拌して樹脂組成
物(A)の溶液を得た。ただし、その割合は、ポリエス
テル分子鎖両末端の水酸基に対して、3官能ポリイソシ
アナートのイソシアナート基が当量になるようにした。
【0094】架橋されて樹脂(B)層となる樹脂組成物
(B)として、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン
酸、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールを原
料として用い、常法で合成された数平均分子量1800
0、ガラス転移点43℃、軟化点98℃の共重合飽和ポ
リエステルを用いた。該ポリエステルは、分子鎖両末端
が水酸基であることを確認した。そして該ポリエステル
をトルエン、MEK混合溶剤中に溶解し、固形分25重
量%の共重合飽和ポリエステル溶液とした。
【0095】樹脂組成物(B)の架橋剤として、前記樹
脂組成物(A)の架橋剤と同じ重合ポリイソシアナート
を用いた。
【0096】前記共重合飽和ポリエステル溶液および重
合ポリイソシアナート溶液を混合し、撹拌して樹脂組成
物(B)の溶液を得た。ただし、その割合は、ポリエス
テル分子鎖両末端の水酸基に対して、3官能ポリイソシ
アナートのイソシアナート基が当量になるようにした。
【0097】なお、樹脂組成物(A)および樹脂組成物
(B)の各々の共重合飽和ポリエステルは、両者を溶融
状態でブレンドすると、分子レベルで相溶挙動を呈する
ものである。(ここでいう相溶とは、両者のブレンド比
に比例して、ブレンド樹脂のガラス転移点が変化する状
態をいう)。
【0098】こうして得た樹脂組成物(A)および樹脂
組成物(B)の溶液を、脱脂した0.6mm厚みの冷間
圧延鋼板(SPCC−SD)に、ロールコーターを用い
て、各々塗布し、2枚の片面溶液塗布鋼板を得た。該塗
布鋼板の膜厚は、樹脂組成物(A)溶液塗布直後が12
0μm 、樹脂組成物(B)溶液塗布直後が117μm、
いずれも乾燥揮発後が25μm であった。樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)の溶液の塗布鋼板をオー
ブン(100℃空気中×1分)で溶剤を留去した。この
ときの架橋反応率は、樹脂組成物(A)が12%、樹脂
組成物(B)が10%であった。この後すぐに、2枚の
鋼板の樹脂組成物の塗布面同士を合わせ、熱プレス(2
00℃×2分×圧力5kgf/cm2 )で加熱接着し、複合型
制振材料の試料を得た。
【0099】なお、得られた試料の芯材樹脂の厚みは、
44μm であった。また、芯材樹脂の断面を電子顕微鏡
観察したところ、樹脂(A)層と樹脂(B)層との分離
は認められなかった。さらに、芯材樹脂のガラス転移点
を示差走査型熱量計を用いて測定したところ、DSC温
度曲線がブロードとなり−21℃〜60℃(吸熱開始温
度〜吸熱終了温度)においてガラス転移に基づく吸熱が
認められ、−16℃、16℃、49℃の3点にDSC微
分値の極小点が認められた。一方、鋼板に塗布せずに実
施例1で用いたと同様の樹脂組成物(A)、(B)およ
び(A)と(B)の混合物を、それぞれ別々に、実施例
1で用いた量の架橋剤で、同様の条件で架橋させると樹
脂組成物(A)のみの架橋後のガラス転移点が−15℃
[吸熱開始温度−20℃〜吸熱終了温度−4℃(以下同
様に表示)]、樹脂組成物(B)のみの架橋後のガラス
転移点が48℃[42℃〜59℃]、樹脂組成物(A)
と樹脂組成物(B)のブレンド樹脂のガラス転移点が1
6℃[6〜30℃](比較例2に後記)であることが知
られたため、前記試料の芯材樹脂が、樹脂(A)層、樹
脂(B)層およびその中間に両樹脂の架橋結合した樹脂
(C)層を構成することが推定された。これを確認する
ために、芯材樹脂の鋼板との両界面付近および中間部の
3ケ所から薄膜状に樹脂を裁断して、赤外吸光光度計に
より、それぞれの架橋密度を測定したところ、3つの試
料のそれぞれが、樹脂組成物(A)、樹脂組成物(B)
および両樹脂組成物(A)と(B)の相溶系ブレンド樹
脂組成物のそれぞれを同条件で架橋させた場合の架橋密
度とほぼ同じ強度を示した。この結果から、前記試料の
芯材樹脂が、樹脂(A)層、樹脂(B)層およびその中
間に樹脂(C)層を構成することが確認された。
【0100】前記試料を用いて、前記の性能評価試験を
行い、各評価結果を第1表に示した。接着性、耐久性に
優れ、かつ、制振性を発揮する温度範囲が広いことが分
かる。
【0101】(実施例2、3、比較例1)樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)の溶液を塗布した鋼板を
オーブンで乾燥する際、乾燥時間を変え、加熱接着直前
の架橋反応率を第1表に示すように設定した他は、実施
例1と同様にして複合型制振材料の試料を得た。
【0102】各評価結果を第1表に示した。加熱接着直
前の架橋反応率が高いほど、樹脂(A)層と樹脂(B)
層とが分離し、架橋結合によって結合されにくくなるた
め、接着強度は低下している。特に、比較例1では、樹
脂(A)層と樹脂(B)層のそれぞれの特性が現れ、接
着性低下、制振温度範囲の縮小が顕著である。
【0103】(比較例2)樹脂組成物(A)および樹脂
組成物(B)の溶液を鋼板に塗布する前に、両溶液を同
量混合、撹拌して、ブレンド樹脂組成物溶液を得、2枚
の前記と同様の鋼板の各々に、該溶液を塗布し、塗布鋼
板をオーブン(100℃空気中×2分)で溶剤を留去し
た他は、実施例1と同様の方法で複合型制振材料を得
た。各評価結果を第1表に示した。試料の芯材樹脂は、
相溶系ブレンド樹脂(C)層のみで構成されているた
め、制振温度範囲が狭い。
【0104】(比較例3)樹脂組成物(A)および樹脂
組成物(B)において、架橋剤を配合しない他は、実施
例1と同様の方法で複合型制振材料の試料を得た。各評
価結果を第1表に示した。試料の芯材樹脂は、架橋剤を
含まない樹脂(A)層と樹脂(B)層のそれぞれの特性
が現れ、中間の温度での制振性が低い。また、芯材樹脂
が熱可塑性であるため、接着性、耐久性が低い。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】(実施例4)架橋されて樹脂(A)層とな
る樹脂組成物(A)として、テレフタル酸、セバチン
酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールを原
料として用い、常法で合成された、数平均分子量250
00、ガラス転移点−20℃、軟化点73℃の共重合飽
和ポリエステルを用いた。該ポリエステルは、分子鎖両
末端が水酸基であることを確認した。そして、該ポリエ
ステルをトルエン、MEK混合溶剤中に溶解し、固形分
25%の共重合飽和ポリエステル溶液とした。樹脂組成
物(A)の架橋剤として、実施例1と同じ架橋剤である
重合ポリイソシアナートを用いた。前記共重合飽和ポリ
エステル溶液および重合ポリイソシアナート溶液を混合
し、撹拌して樹脂組成物(A)の溶液を得た。ただし、
その割合は、ポリエステル両末端の水酸基に対して、重
合ポリイソシアナートのイソシアナート基が当量となる
ようにした。架橋されて樹脂(B)層となる樹脂組成物
(B)として、前記樹脂組成物(A)の共重合飽和ポリ
エステルと同じポリエステルであって、数平均分子量が
5000(ガラス転移点−21℃)のものを用いた。該
ポリエステルは、分子鎖両末端が水酸基であることを確
認した。そして、該ポリエステルをトルエン、MEK混
合溶剤中に溶解し、固形分25%の共重合飽和ポリエス
テル溶液とした。樹脂組成物(B)の架橋剤として、前
記樹脂組成物(A)の架橋剤と同じ重合ポリイソシアナ
ートを用いた。前記共重合飽和ポリエステル溶液および
重合ポリイソシアナート溶液を混合し、撹拌して樹脂組
成物(B)の溶液を得た。ただし、その割合は、ポリエ
ステル両末端の水酸基に対して、重合ポリイソシアナー
トのイソシアナート基が当量になるようにした。なお、
樹脂組成物(A)および樹脂組成物(B)の各々の共重
合飽和ポリエステルは、両者を溶融状態でブレンドする
と、分子レベルで相溶挙動を呈するものである。(電子
顕微鏡観察において相分離が認められなかった。)ま
た、樹脂組成物(A)の溶液および樹脂組成物(B)の
溶液の各々に、導電性物質としてニッケル粉末(最大直
径60μm球形)を、最終的に得られる芯材樹脂に対し
て3体積%になるように(AとBの溶液に同量)配合し
た。こうして得た樹脂組成物(A)および樹脂組成物
(B)の溶液を、脱脂した0.6mm厚みの冷間圧延鋼
板(SPCC−SD)に、ロールコーターを用いて、各
々塗布し、2枚の片面溶液塗布鋼板を得た。樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)の溶液塗布鋼板をオーブ
ン(100℃空気中×1分)で溶剤を除去した。この後
すぐに、2枚の鋼板の樹脂組成物の塗布面同士を合わ
せ、熱プレス(200℃×2分×圧力5kg/cm2)で加熱
接着し、複合型制振材料の試料を得た。なお、塗布直後
の膜厚、乾燥揮発後の膜厚、接着直前の各樹脂組成物の
架橋反応率、得られた試料の芯材樹脂厚などを調査した
結果を第2表に示す。また、芯材樹脂の断面を電子顕微
鏡観察したところ、樹脂組成物(A)層と樹脂組成物
(B)層との分離は認められなかった。さらに、芯材樹
脂のガラス転移点を示差走査型熱量計を用いて測定した
ところ、DSC−温度曲線がブロードとなり、−21℃
〜5℃の範囲内において吸熱が認められ、−14℃の1
点にDSC微分値の極小点が認められた。
【0109】一方、鋼板に塗布せずに、実施例4で用い
たと同様の樹脂組成物(A)、(B)および(A)と
(B)の混合物を、それぞれ別々に実施例4で用いた量
の架橋剤を用いて同様の条件で架橋させると樹脂組成物
(A)のみの架橋後のガラス転移点が−18℃[−23
℃〜−7℃]、樹脂組成物(B)のみの架橋後のガラス
転移点が−10℃[−15℃〜5℃]、樹脂組成物
(A)と樹脂組成物(B)のブレンド樹脂のガラス転移
点が−16℃[−22℃〜−3℃]であることがわかっ
た。このため、前記試料の芯材樹脂が、樹脂(A)層、
樹脂(B)層およびその中間に樹脂(C)層を構成する
ことが推定された。これを確認するために、芯材樹脂の
鋼板との両界面付近および中間部の3ケ所から薄膜状に
樹脂を裁断して、赤外吸光光度計により、それぞれの架
橋密度を測定したところ、3つの試料のそれぞれが、樹
脂組成物(A)、樹脂組成物(B)および両樹脂組成物
(A)と(B)の相溶系ブレンド樹脂組成物のそれぞれ
を同条件で架橋させた場合の架橋密度とほぼ同じ強度を
示した。この結果から、前記試料の芯材樹脂が、樹脂
(A)層、樹脂(B)層およびその中間に樹脂(C)層
を構成することが確認された。前記試料を用いて、前記
の性能評価を行い、各評価結果を第2表に示した。本発
明の制振材料は、接着性、耐久性に優れ、かつ、制振性
を発揮する温度範囲が広いことがわかる。さらに、該試
料はスポット溶接が可能であった。
【0110】(実施例5、比較例4、5)樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)のそれぞれの熱可塑性樹
脂の分子量を第2表に示すように設定した他は、実施例
4と同様にして複合型制振材料の試料を得た。ただし、
実施例5においては、樹脂組成物(A)溶液および樹脂
組成物(B)溶液に導電性物質(ニッケル粉末)を混合
せず、代わりに、樹脂組成物溶液を金属板のそれぞれに
塗布した直後に、グラビアロールを用いて、前記と同量
の導電性物質を散布した。各評価結果を第2表に示し
た。樹脂組成物(A)と樹脂組成物(B)の熱可塑性樹
脂の数平均分子量の差が大きい場合ほど、すなわち、架
橋密度の差が大きい場合ほど、制振温度範囲が広い。な
お、いずれかの熱可塑性樹脂の分子量が極めて小さい場
合には、接着性能、制振性能が低下する。
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】
【表6】
【0114】(実施例6)架橋して樹脂(A)層となる
樹脂組成物(A)として、テレフタル酸、セバチン酸、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール(数平均
分子量1000)を原料として用い、常法で合成され
た、数平均分子量15000、ガラス転移点−18℃、
軟化点77℃の共重合飽和ポリエステルを用いた。該ポ
リエステルは分子鎖両末端が水酸基であることを確認し
た。そして、該ポリエステルとトルエン、MEK混合溶
剤中に溶解し、固形分25%の共重合飽和ポリエステル
溶液とした。樹脂組成物(A)の架橋剤として、実施例
1と同じ架橋剤である重合ポリイソシアナートを用い
た。前記共重合飽和ポリエステル溶液および重合ポリイ
ソシアナート溶液を混合し、撹拌して樹脂組成物(A)
の溶液を得た。ただし、その割合は、ポリエステル両末
端の水酸基に対して、重合ポリイソシアナートのイソシ
アナート基が当量になるようにした。架橋されて樹脂
(B)層となる樹脂組成物(B)として、前記樹脂組成
物(A)の共重合飽和ポリエステルと同じポリエステル
を用いた。そして、該ポリエステルとトルエン、MEK
混合溶剤中に溶解し、固形分25%の共重合飽和ポリエ
ステル溶液とした。樹脂組成物(B)の架橋剤として、
前記樹脂組成物(A)の架橋剤と同じ重合ポリイソシア
ナートを用いた。前記共重合飽和ポリエステル溶液およ
び重合ポリイソシアナート溶液を混合し、撹拌して樹脂
組成物(B)の溶液を得た。ただし、その割合は、ポリ
エステル両末端の水酸基に対して、重合ポリイソシアナ
ートのイソシアナート基が3倍当量になるようにした。
なお、樹脂組成物(A)および樹脂組成物(B)の各々
の共重合飽和ポリエステルは、同じものであるため、両
者を溶融状態でブレンドすると、分子レベルで相溶挙動
を呈することはいうまでもない。(電子顕微鏡観察にお
いて相分離が認められない。)こうして得た樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)の溶液を、脱脂した0.
6mm厚みの冷間圧延鋼板(SPCC−SD)に、ロー
ルコーターを用いて、各々塗布し、2枚の片面溶液塗布
鋼板を得た。そして、樹脂組成物(A)の溶液塗布面上
に、導電性物質としてニッケル粉末(最大直径90μm
球形)を、最終的に得られる芯材樹脂に対して3体積%
になるように、グラビアロールを用いて散布した。樹脂
組成物(A)および樹脂組成物(B)の溶液塗布鋼板を
オーブン(100℃空気中×1分)で溶剤を除去した。
この後すぐに、2枚の鋼板の樹脂組成物の塗布面同士を
合わせ、熱プレス(200℃×2分×圧力5kg/cm2)で
加熱接着し、複合型制振材料の試料を得た。なお、塗布
直後の膜厚、乾燥揮発後の膜厚、接着直前の各樹脂組成
物の架橋反応率、得られた試料の芯材樹脂厚などを調査
した結果を第3表に示す。また、芯材樹脂の断面を電子
顕微鏡観察したところ、樹脂組成物(A)層と樹脂組成
物(B)層との分離は認められなかった。さらに、芯材
樹脂のガラス転移点を示差走査型熱量計を用いて測定し
たところ、DSC−温度曲線がブロードとなり、−18
℃〜7℃の範囲内において吸熱が認められ、−10℃の
1点にDSC微分値の極小点が認められた。一方、鋼板
に塗布せずに、実施例6で用いたと同様の樹脂組成物
(A)、(B)および(A)と(B)の混合物を、それ
ぞれ別々に実施例6で用いた量の架橋剤を用いて同様の
条件で架橋させると樹脂組成物(A)のみの架橋後のガ
ラス転移点が−14℃[−19℃〜−3℃]、樹脂組成
物(B)のみの架橋後のガラス転移点が−5℃[−11
℃〜8℃]、樹脂組成物(A)と樹脂組成物(B)のブ
レンド樹脂のガラス転移点が−9℃[−15℃〜3℃]
であったため、前記試料の芯材樹脂が、樹脂(A)層、
樹脂(B)層およびその中間に樹脂(C)層を構成する
ことが推定された。これを確認するために、芯材樹脂の
鋼板との両界面付近および中間部の3ケ所から薄膜状に
樹脂を裁断して、赤外吸光光度計により、それぞれの架
橋密度を測定したところ、3つの試料のそれぞれが、樹
脂組成物(A)、樹脂組成物(B)および両樹脂組成物
の相溶系ブレンド樹脂組成物のそれぞれを同条件で架橋
させた場合の架橋密度とほぼ同じ強度を示した。この結
果から、前記試料の芯材樹脂が、樹脂(A)層、樹脂
(B)層およびその中間に樹脂(C)層で構成されるこ
とが確認された。前記試料を用いて、前記の性能評価を
行い、各評価結果を第3表に示した。本発明の制振材料
は、接着性、耐久性に優れ、かつ、制振性を発揮する温
度範囲が広いことがわかる。さらに、該試料はスポット
溶接が可能である。
【0115】(実施例7、比較例6、7)樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)のそれぞれの架橋剤の配
合量を第3表に示すように設定した他は、実施例6と同
様にして複合型制振材料の試料を得た。各評価結果を第
3表に示した。樹脂組成物(A)と樹脂組成物(B)の
架橋剤の配合量の差、すなわち、架橋密度の差が大きい
場合ほど、制振温度範囲が広い。ただし、いずれかの架
橋剤配合量が極めて多い場合には、接着性能、制振性能
が低下する。
【0116】
【表7】
【0117】
【表8】
【0118】
【表9】
【0119】(実施例8)架橋されて樹脂(A)層とな
る樹脂組成物(A)として、テレフタル酸、セバチン
酸、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
3−メチルペンタジオールを原料として用い、常法で合
成された、数平均分子量18000、ガラス転移点−1
2℃、軟化点82℃の共重合飽和ポリエステルを用い
た。該ポリエステルは分子鎖両末端が水酸基であること
を確認した。そして、該ポリエステルとトルエン、ME
K混合溶剤中に溶解し、固形分25%の共重合飽和ポリ
エステル溶液とした。樹脂組成物(A)の架橋剤とし
て、ジイソシアナート化合物を用いた。具体的には、カ
ルボジイミド変性MDI(2官能、商品名]ミリオネー
トMTL−C(日本ポリウレタン(株)製))を用い
た。前記共重合飽和ポリエステル溶液およびジイソシア
ナート化合物を混合し、撹拌して樹脂組成物(A)の溶
液を得た。ただし、その割合は、ポリエステル両末端の
水酸基に対して、ジイソシアナート化合物のイソシアナ
ート基が当量になるようにした。架橋されて樹脂(B)
層となる樹脂組成物(B)として、前記樹脂組成物
(A)の共重合飽和ポリエステルと同じポリエステルを
用いた。そして、該ポリエステルとトルエン、MEK混
合溶剤中に溶解し、固形分25%の共重合飽和ポリエス
テル溶液とした。樹脂組成物(B)の架橋剤として、実
施例1と同じ架橋剤である重合ポリイソシアナートを用
いた。前記共重合飽和ポリエステル溶液および重合ポリ
イソシアナート溶液を混合し、撹拌して樹脂組成物
(B)の溶液を得た。ただし、その割合は、ポリエステ
ル両末端の水酸基に対して、重合ポリイソシアナートの
イソシアナート基が当量になるようにした。なお、樹脂
組成物(A)および樹脂組成物(B)の各々の共重合飽
和ポリエステルは、同じものであるため、両者を溶融状
態でブレンドすると、分子レベルで相溶挙動を呈する。
(電子顕微鏡観察において相分離が認められない。)こ
うして得た樹脂組成物(A)および樹脂組成物(B)の
溶液を、脱脂した0.6mm厚みの冷間圧延鋼板(SP
CC−SD)に、ロールコーターを用いて、各々塗布
し、2枚の片面溶液塗布鋼板を得た。そして、樹脂組成
物(A)の溶液塗布面上に、導電性物質としてニッケル
粉末(最大直径90μm球形)を、最終的に得られる芯
材樹脂に対して1体積%になるように、グラビアロール
を用いて散布した。樹脂組成物(A)および樹脂組成物
(B)の溶液塗布鋼板をオーブン(100℃空気中×1
分)で溶剤を除去した。この後すぐに、2枚の鋼板の樹
脂組成物の塗布面同士を合わせ、熱プレス(200℃×
2分×圧力5kg/cm2)で加熱接着し、複合型制振材料の
試料を得た。なお、塗布直後の膜厚、乾燥揮発後の膜
厚、接着直前の各樹脂組成物の架橋反応率、得られた試
料の芯材樹脂厚などを調査した結果を第4表に示す。ま
た、芯材樹脂の断面を電子顕微鏡観察したところ、樹脂
組成物(A)層と樹脂組成物(B)層との分離は認めら
れなかった。さらに、芯材樹脂のガラス転移点を示差走
査型熱量計(DSC)を用いて測定したところ、DSC
−温度曲線がブロードとなり、−16℃〜7℃の範囲内
において吸熱が認められ、−7℃の1点にDSC微分値
の極小点が認められた。実施例6と同様に樹脂組成物
(A)のみの架橋後のガラス転移点が−11℃[−16
℃〜−2℃]、樹脂組成物(B)のみの架橋後のガラス
転移点が−5℃[−10℃〜7℃]、樹脂組成物(A)
と樹脂組成物(B)のブレンド樹脂のガラス転移点が−
8℃[−14℃〜5℃]であることが知られたため、前
記試料の芯材樹脂が、樹脂(A)層、樹脂(B)層およ
びその中間に樹脂(C)層を構成することが推定され
た。これを確認するために、芯材樹脂の鋼板との両界面
付近および中間部の3ケ所から薄膜状に樹脂を裁断し
て、赤外吸光光度計により、それぞれの架橋密度を測定
したところ、3つの試料のそれぞれが、樹脂組成物
(A)、樹脂組成物(B)および両樹脂組成物の相溶系
ブレンド樹脂組成物のそれぞれを同条件で架橋させた場
合の架橋密度とほぼ同じ強度を示した。この結果から、
前記試料の芯材樹脂が、樹脂(A)層、樹脂(B)層お
よびその中間に樹脂(C)層で構成されることが確認さ
れた。前記試料を用いて、前記の性能評価を行い、各評
価結果を第4表に示した。本発明の制振材料は、接着
性、耐久性に優れ、かつ、制振性を発揮する温度範囲が
広いことがわかる。さらに、該試料はスポット溶接が可
能である。
【0120】(実施例9)実施例8に前記した樹脂組成
物(B)の架橋剤を4官能イソシアナート化合物(ペン
タエリトリトールに2,4−トリレンジイソシアナート
を付加したTDI系アダクトポリイソシアナート)とし
た他は、実施例8と同様にして複合型制振材料の試料を
得た。各評価結果を第4表に示した。本発明の制振材料
は、接着性、耐久性に優れ、かつ、制振性を発揮する温
度範囲が広いことがわかる。さらに、該試料はスポット
溶接が可能である。
【0121】(実施例10)実施例8に前記した樹脂組
成物(B)の熱可塑性樹脂が、原料として、さらにトリ
メチロールプロパンを含有し、数平均分子量2200
0、ガラス転移点−10℃、軟化点97℃の3官能共重
合飽和ポリエステルであり(1分子中に3個の水酸基を
含有することを確認した。)、樹脂組成物(B)の架橋
剤が、樹脂組成物(A)の架橋剤であるジイソシアナー
ト化合物と同じである他は、実施例8と同様にして複合
型制振材料の試料を得た。なお、樹脂組成物(A)およ
び樹脂組成物(B)のそれぞれの熱可塑性樹脂は、両者
を溶融状態でブレンドすると、分子レベルで相溶挙動を
呈する。(電子顕微鏡観察において相分離が認められな
い。)各評価結果を第4表に示した。本発明の制振材料
は、接着性、耐久性に優れ、かつ、制振性を発揮する温
度範囲が広いことがわかる。さらに、該試料はスポット
溶接が可能である。
【0122】(実施例11)樹脂組成物(A)として、
実施例4の樹脂組成物(A)の熱可塑性樹脂と同じもの
を用い、同様にして共重合飽和ポリエステル溶液を得
た。樹脂組成物(A)の架橋剤として、実施例4の樹脂
組成物(A)の架橋剤である重合ポリイソシアナートと
同じものを用いた。前記共重合飽和ポリエステル溶液お
よび重合ポリイソシアナート溶液を混合し、撹拌して樹
脂組成物(A)の溶液を得た。ただし、その割合は、ポ
リエステル両末端の水酸基に対して、重合ポリイソシア
ナートのイソシアナート基が1.5倍当量になるように
した。樹脂組成物(B)として、テレフタル酸、イソフ
タル酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリプロピレングリコール(数平均分子量100
0)を原料として用い、常法で合成された、数平均分子
量7000、ガラス転移点35℃、軟化点127℃の共
重合飽和ポリエステルを用いた。該ポリエステルは、分
子鎖両末端が水酸基であることを確認した。そして、実
施例8と同様にして共重合飽和ポリエステル溶液とし
た。樹脂組成物(B)の架橋剤として、実施例8の樹脂
組成物(A)の架橋剤と同じジイソシアナート化合物を
用いた。前記共重合飽和ポリエステル溶液およびジイソ
シアナート化合物を混合し、撹拌して樹脂組成物(B)
の溶液を得た。ただし、その割合は、ポリエステル両末
端の水酸基に対して、重合ポリイソシアナートのイソシ
アナート基が当量になるようにした。なお、樹脂組成物
(A)および樹脂組成物(B)の各々の共重合飽和ポリ
エステルは、両者を溶融状態でブレンドすると、分子レ
ベルで相溶挙動を呈する。(電子顕微鏡観察において相
分離が認められない。)以下、実施例8と同様にして複
合型制振材料の試料を得た。なお、塗布直後の膜厚、乾
燥揮発後の膜厚、接着直前の各樹脂組成物の架橋反応
率、得られた試料の芯材樹脂厚などを調査した結果を第
4表に示す。樹脂組成物(A)および樹脂組成物(B)
のガラス転移点、架橋密度の両方を相対的に異なるもの
とすることにより、制振性を発揮する温度範囲を任意に
拡大することが可能となり、さらに、接着性能、成形加
工性能、耐久性能などの諸性能をも満足できる複合型制
振材料試料を得ることができる。また、該試料はスポッ
ト溶接が可能であった。
【0123】
【表10】
【0124】
【表11】
【0125】
【表12】
【0126】
【発明の効果】上述したように、本発明の芯材樹脂を用
いれば、広い温度変化に対して優れた制振性を有し、接
着性、成形加工性、耐久性においても優れた性能を有す
る複合型制振材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合型制振材料を概念的に示す模式
図である。
【図2】 架橋密度の異なる芯材樹脂を持つ制振材料の
温度による制振性の変化を示すグラフである。
【図3】 ガラス転移点の異なる芯材樹脂を持つ制振材
料の温度による制振性の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
12 金属板 14 金属板 16 芯材樹脂層 18 樹脂(A)層 20 樹脂(B)層 22 樹脂(C)層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/02 Q 9138−3J (72)発明者 尾 野 友 重 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 坂 本 誠 司 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 杉 辺 英 孝 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の金属板の間に樹脂層が介在する複合
    型制振材料において、該樹脂層が、1分子中に2個以上
    の架橋性官能基を有する熱可塑性樹脂を、該架橋性官能
    基と架橋結合を形成する架橋剤で架橋させてなる樹脂を
    有し、 a:互いに、ガラス転移点の異なる樹脂(A)層および
    樹脂(B)層 b:互いに架橋密度の異なる樹脂(A)層および樹脂
    (B)層 上記aおよびbのいずれか一方あるいは両方からなり、
    樹脂(A)層と樹脂(B)層は、架橋結合によって結合
    されていることを特徴とする複合型制振材料。
  2. 【請求項2】前記樹脂(A)層と樹脂(B)層が、樹脂
    (A)層と樹脂(B)層との架橋結合によって形成され
    た樹脂(C)層を介して結合し、かつ、該樹脂(C)層
    は、厚み方向にガラス転移点または架橋密度が不連続に
    変化することがない請求項1に記載の複合型制振材料。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂が飽和ポリエステルであ
    る請求項1または2に記載の複合型制振材料。
  4. 【請求項4】前記架橋剤が多価イソシアナート化合物で
    ある請求項1または2に記載の複合型制振材料。
  5. 【請求項5】前記多価イソシアナート化合物が1分子中
    に3個のイソシアナート基を有する請求項4に記載の複
    合型制振材料。
  6. 【請求項6】前記2枚の金属板の間に介在する樹脂が、
    さらに導電性物質を含有する請求項1〜5のいずれかに
    記載のスポット溶接可能な複合型制振材料。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載の複合型制
    振材料を製造するに際し、架橋されて樹脂(A)層とな
    る架橋反応前の樹脂組成物(A)の溶液および架橋され
    て樹脂(B)層となる架橋反応前の樹脂組成物(B)の
    溶液を各々別々の金属板に塗布し、溶媒を除去後、各樹
    脂組成物の架橋反応率が0〜50%の範囲において(反
    応飽和後の架橋反応率を100%とした場合)、各々の
    金属板の該塗布面同士を加熱積層接着することを特徴と
    する複合型制振材料の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項6に記載のスポット溶接可能な複合
    型制振材料を製造するに際し、架橋されて樹脂(A)層
    となる架橋反応前の樹脂組成物(A)の溶液および架橋
    されて樹脂(B)層となる樹脂組成物(B)の溶液のい
    ずれか一方あるいは両方に導電性物質を混合し、該溶液
    を各々別々の金属板に塗布し、溶媒を除去後、各樹脂組
    成物の架橋反応率が0〜50%の範囲において(反応飽
    和後の架橋反応率を100%とした場合)、各々の金属
    板の該塗布面同士を加熱積層接着することを特徴とする
    スポット溶接可能な複合型制振材料の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のスポット溶接可能な複合
    型制振材料を製造するに際し、架橋されて樹脂(A)層
    となる架橋反応前の樹脂組成物(A)の溶液および架橋
    されて樹脂(B)層となる樹脂組成物(B)の溶液を各
    々別々の金属板に塗布し、溶媒の除去前あるいは除去後
    に、該塗布面のいずれか一方あるいは両方に導電性物質
    を散布し、各樹脂組成物の架橋反応率が0〜50%の範
    囲において(反応飽和後の架橋反応率を100%とした
    場合)、各々の金属板の該塗布面同士を加熱積層接着す
    ることを特徴とするスポット溶接可能な複合型制振材料
    の製造方法。
  10. 【請求項10】前記樹脂組成物(A)および前記樹脂組
    成物(B)が、 c:互いにガラス転移点の異なる熱可塑性樹脂(ただ
    し、ここでガラス転移点とは、該樹脂組成物(A)また
    は(B)を所定の架橋剤で所定の条件で各々別個に架橋
    させて得られる樹脂のガラス転移点をいう。)、 d:互いに数平均分子量が異なる熱可塑性樹脂、 e:互いに架橋剤の配合量が異なる樹脂組成物、 f:互いに架橋性官能基数の異なる熱可塑性樹脂あるい
    は/および架橋剤、 上記c、d、eおよびfからなる群から選ばれる少なく
    とも1つの条件にある請求項7ないし9のいずれかに記
    載の複合型制振材料の製造方法。
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